JP4512535B2 - 導電性材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子回路、アンテナ回路、電磁波シールド材、タッチパネル等の用途に用いることができる導電性材料、特に金属部と光透過部を有する透明導電性材料の製造方法に関するものである。
近年、情報化社会が急速に発達するに伴って、情報関連機器に関する技術が急速に進歩し普及してきた。この中で、ディスプレイ装置は、テレビジョン用、パーソナルコンピューター用、駅や空港などの案内表示用、その他各種情報提供用に用いられている。特に、近年プラズマディスプレイが注目されている。
このような情報化社会の中にあって、これらのディスプレイ装置から放射される電磁波の影響が心配されている。例えば、周辺の電子機器への影響や人体への影響が考えられている。特に、人体の健康に及ぼす影響は無視することができないものになっており、人体に照射される電磁界の強度の低減が求められ、このような要求に対して様々の透明導電性材料が開発されている。例えば、特開平9−53030号、特開平11−126024号、特開2000−294980号、特開2000−357414号、特開2000−329934号、特開2001−38843号、特開2001−47549号、特開2001−51610号、特開2001−57110号、特開2001−60416号公報等に開示されている。
これらの透明導電性材料の製造方法としては、銀、銅、ニッケル、インジウム等の導電性金属をスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法によって透明樹脂フィルム上に金属薄膜を形成させる方法が一般的に用いられているが、これら従来方法では工法が極めて複雑になるため、高コストで生産性が悪いという問題が発生していた。
また、透明導電性材料に求められる別の性能として導電性と光透過率がある。導電性を高くするにはある程度の幅と厚みを持った金属薄膜微細パターンを作る必要があるが、同時に光を遮断する金属からなるパターンの線幅を太くすると透過率が低下するので、この両者を満足させるには十分な導電性を持った微細な金属パターン、特に必要最小限の幅で均一なパターンを製造する必要があるが、従来の方法ではこれは満足出来なかった。
均一なパターンを作ると言う観点において、近年透明導電性材料前駆体としてハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩写真感光材料を使用する方法が提案されている。例えば国際公開特許WO01/51276号公報(特許文献1)では銀塩写真感光材料を像露光、現像処理した後、金属めっき処理を施すことで透明導電性材料を製造する方法の提案がなされている。すなわち、通常の写真処理である、像露光、現像定着のみでは全く導電性は得られずに、どうしてもめっきと言うもう一つの工程を使うという問題が存在する。しかも、めっき時の触媒としては現像銀を用いるのだが、該現像銀がバインダーであるゼラチンの中に埋没しており、めっき液との接触がし難く、非常にめっきがし難いという問題を抱えている。特開2004−221564号公報(特許文献2)においてはめっき効率を上げようとすべく、ハロゲン化銀乳剤層中の銀/ゼラチンの比を変化させて銀の比率を高くすることで効率を上げようとしている。しかしながら、この発明においてもめっき工程は不可欠であり、なおかつこのようなハロゲン化銀乳剤を作ろうとすると、極少量の保護バインダーしか使えず、比重の重い銀をこのように少ないバインダーで保持することは困難であったり、製造中にかかる圧力などでカブリが発生しやすいなど生産上問題を抱えていた。
また、同じく銀塩感光材料を使う方法として銀塩拡散転写法を用いる方法も提案されており、例えば国際公開特許WO2004−007810号公報(特許文献3)などがある。この方法は銀は極微量のバインダーに、あるいは実質的にバインダーに覆われていない為、めっきなしでもある程度の導電性が得られる手法である。またバインダーがないためめっき液と現像銀との接触がし易いため、めっきにも有利な手法でもある。しかしながら、非常に薄い物理現像核層の上に厚く重いハロゲン化銀乳剤層が塗布されているため、同時多層塗布は困難であり、生産性が悪くなるという問題が存在した。
特開平11−305446号公報(特許文献4)においては平版印刷版を製造するにあたり、感光性ハロゲン化銀乳剤と非感光性ハロゲン化銀乳剤を含有する銀塩感光材料を用い、銀塩拡散転写法でポジ画像を形成する方法(DTR法)が提案されている。これはフレア光の多い光源を用い微細な画像を描く際に、画像がぼけて印刷に耐えられるだけの十分な銀が析出しないのことへの対策である。非感光性ハロゲン化銀乳剤層を有する事で、そこから少量の銀が画像部非画像部関係無しに析出する。さらに、それに加えてその上に微細な画像を析出させると、印刷できるだけの銀量が析出し、画像強度が保持できるわけなのであるが、本発明は特殊なDTR法ではなくネガ画像を形成する通常の写真法を用い、更に本発明において非画像部に現像銀が存在すると著しく透明度を落とすので、極めて好ましくなく、本発明とはその根本において全く異なるものである。
国際公開特許WO01/51276号公報(1頁) 特開2004−221564号公報(1〜5頁) 国際公開特許WO2004/221565号公報(1頁) 特開平11−305446号公報(1頁)
従って、本発明の目的は、透明性と導電性が共に高く、かつ生産性の良い導電性材料が得られるための製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の手法を用いることによってに達成された。
(1)支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩感光材料を導電性材料前駆体として使用する導電性材料の製造方法において、該銀塩感光材料が感光性ハロゲン化銀と該感光性ハロゲン化銀の70%未満の感度を有する銀塩を含有することを特徴とする導電性材料の製造方法(以下、1の方法と略す)。
(2)支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩感光材料を導電性材料前駆体として使用する導電性材料の製造方法において、該銀塩感光材料を銀含有現像液で現像処理することを特徴とする導電性材料の製造方法(以下、2の方法と略す)。
本発明の透明導電性材料の製造方法により、透明性と導電性が共に高く、かつ生産性の良い導電性材料が得られるための製造方法を提供することができた。
本発明者等は、導電性材料の前駆体としてハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩写真感光材料を用いて製造する際に、通常の現像処理で形成された現像銀ではバインダーにより互いが孤立させられているために導電性を得られないという欠点を改良すべく鋭意検討した結果、現像工程の段階で現像銀粒子を成長させ、互いに接触させることでこの問題を解決できる事を見出し、本発明に至った。また、未露光部においては本発明の手法で特に影響を受けず、銀塩写真感光材料を導電性前駆体として用いる導電性材料の特徴である高い透明性も同時に得られる事を見出した。
本発明に用いる銀塩感光材料に用いられる透明支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、ガラス板などが挙げられる。さらに本発明においては支持体上にハロゲン化銀写真乳剤層との接着性を向上させるための下引き層や帯電防止層などを必要に応じて設けることもできる。
本発明に用いる銀塩感光材料においては好ましい形態である1および2の何れの方法においても光センサーとして感光性ハロゲン化銀乳剤層が支持体上に設けられる。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においてもそのまま用いることもできる。
本発明に用いる銀塩感光材料は、網目状パターンのような任意の細線パターンの透過原稿と該導電性材料前駆体を密着して露光、あるいはアルゴンレーザー、He−Neレーザー、赤色半導体レーザー、発光ダイオード、赤外半導体レーザー等を用いたイメージセッターで任意の細線パターンを走査露光することで、画像を形成する。
本発明において、感光性ハロゲン化銀乳剤とは、上記光源に対して最も高い感光性を有するハロゲン化銀乳剤及び、その70%以上の感光性を有するハロゲン化銀乳剤を意味する。感光性(感度)は、当業界において知られるあらゆる方法で測定することができる。例えば、同一の塗布銀量で、同一の支持体、同一の製造条件で製造した感光材料において、画像を形成するに要する(例えば、一定の濃度値を得るのに必要な)露光光量として測定することができる。本発明においては、同一の塗布銀量で、同一の支持体、同一の製造条件で塗布した感光材料において、50ミクロンのネガ・ポジの細線を出力した際、太さが一致するに要する光量(単位:ジュール/平方センチメートル)の逆数で表現することとする。
該感光性ハロゲン化銀の結晶の好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。本発明におけるハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状であることができる。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。ハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、当業界では周知の方法が用いられる。なかでも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状であることができる。
本発明において感光性ハロゲン化銀粒子はハロゲン化銀乳剤層中に銀で換算して0.15〜5g/m2、好ましくは0.3〜1g/m2含有される。
さらに、本発明の好ましい形態である1の方法においては、感光性ハロゲン化銀以外に、該感光性ハロゲン化銀の70%未満の感光性を有する銀塩を含有する。
本発明の好ましい形態である1の方法での感光性ハロゲン化銀の70%未満の感光性を有する銀塩としてはハロゲン化銀などの無機銀塩、酢酸銀、ベヘン酸銀などの有機銀塩のいずれでも使えるが、導電性の得られやすさ、塗工液への分散性などの観点からハロゲン化銀を用いることが好ましい。本発明の露光光源に対する感光性ハロゲン化銀の70%未満の感度を有するハロゲン化銀は、当業界において知られるあらゆる方法で得られる。例えば、ハロゲン化銀粒子中に水溶性ロジウム塩などの無機減感剤をドープあるいはそれを増量することによって、あるいはハロゲン化銀粒子のハロゲン組成を変え、ヨウ素、臭素を塩素に置きかえることによって、または粒径の小さいハロゲン化銀粒子を用いることによって、または化学増感の程度を変え、すなわち硫黄,金の添加量を少なくする、あるいは増感の温度を下げたり時間を短くすることにより、または分光増感色素を減量した、あるいは添加していないハロゲン化銀粒子を用いることにより、あるいはピナクリプトールイエロー、フェノサフラニンなどの減感色素を添加することにより、あるいは含窒素複素環化合物、例えば5−ニトロベンズイミダゾール、イミダゾール、2−アミノベンズイミダゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、ベンゾトリアゾール、5−メチル−1Hベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、2−メチルベンゾオキサゾール、6−メチルプリン、アデニン、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン、2−(カルボメトキシアミノ)−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−4−フェンルイミダゾール、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダゾール、1エチル−2−メルカプト−ベンズイミダゾール、2メルカプト−ベンズイミダゾール、1,3ジエチル−ベンズイミダゾリン−2−チオン、1,3ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオン、2,2−ジメルカプト−1,1’−デカメチレン−ジイミダゾリン−2−チオン、2メルカプト−4−フェニルチアゾ−ル、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、2−メルカプトナフトチアゾール、3−エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリドン−5−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−5−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−5−ペンタデシル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−フェニル1,3,4−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、2−メルカプト−5−ニトロピリジン、1−メチル−キノリン−2(1H)−チオン、3−メルカプト−4−メチル−6−フェニルピリダジン、2−メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラッジン、2−メルカプト−4,6−ジフェニル1,3,5トリアジン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−3,7−ジフェニル−S−トリアゾリノ[1,2−a]−S−トリアゾリン等を添加すること等によって得られる。
本発明の好ましい形態である1の方法での感光性ハロゲン化銀の70%未満の感光性を有するハロゲン化銀の結晶の好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。本発明におけるハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状であることができる。
本発明の好ましい形態である1の方法における感光性ハロゲン化銀の70%未満の感光性を有するハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。ハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、当業界では周知の方法が用いられる。なかでも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.35μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。
本発明の好ましい形態である1の方法における感光性ハロゲン化銀の70%未満の感光性を有するハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状であることができる。
本発明の好ましい形態である1の方法における感光性ハロゲン化銀の70%未満の感光性を有するハロゲン化銀の含有量に特に限定は不要であるが、好ましくは銀で換算して0.5〜5g/m2、より好ましくは1〜3g/m2がよい。さらに感光性ハロゲン化銀の70%未満の感光性を有する銀塩を2種以上混合させて含有してもよい。また、感光性ハロゲン化銀を含有する層と該感光性ハロゲン化銀の70%未満の感度を有する銀塩を含有する層とを別の層に分ける事も可能であるり、この場合感光性ハロゲン化銀の70%未満の感度を有する銀塩を含有する層は感光性ハロゲン化銀層より下の層にあるほうが好ましい。感光性ハロゲン化銀と該感光性ハロゲン化銀の70%未満の感度を有する銀塩の比率は特に限定する必要はないが、好ましい範囲は銀で換算して感光性ハロゲン化銀:70%未満の感度を有するハロゲン化銀=1:10〜2:1、更に好ましくは1:5〜1:1である。
本発明において導電性材料前駆体のハロゲン化銀乳剤層はバインダーを含有する。本発明においては非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、少なくとも水溶性ポリマーを含有していることが好ましい。本発明における好ましい水溶性ポリマーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。水溶性ポリマーの中でもゼラチンが特に好ましい。
本発明において用いることのできる非水溶性ポリマーとしての高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体など各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレンなどがあり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン、スチレン・ブタジエン、スチレン・p−メトオキシスチレン、スチレン・酢酸ビニル、酢酸ビニル・塩化ビニル、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル、メチルメタクリレート・アクリロニトリル、メチルメタクリレート・ブタジエン、メチルメタクリレート・スチレン、メチルメタクリレート・酢酸ビニル、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン、メチルアクリレート・アクリロニトリル、メチルアクリレート・ブタジエン、メチルアクリレート・スチレン、メチルアクリレート・酢酸ビニル、アクリル酸・ブチルアクリレート、メチルアクリレート・塩化ビニル、ブチルアクリレート・スチレン等がある。本発明で用いる高分子ラテックスの平均粒径は0.01〜1.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.8μmである。
本発明においてハロゲン化銀乳剤層に含有する高分子ラテックスと水溶性ポリマーの総量、すなわち総バインダー量については、バインダー量が少ないと塗布性に悪影響を及ぼし、また安定したハロゲン化銀粒子も得られなくなる、一方、多過ぎると導電性が低下する。感光性ハロゲン化銀と非感光性銀塩との合計総銀量(銀換算)に対し、好ましい総バインダーとの質量比(総銀量/総バインダー量)は1.2以上、より好ましくは1.5〜3.5である。
ハロゲン化銀乳剤層には、さらに種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
本発明における導電性材料前駆体には必要に応じて支持体のハロゲン化銀乳剤層と反対面に裏塗層やハロゲン化銀乳剤層の上にオーバー層などを設けることができる。
導電性材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料又は顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることは好ましい。ハレーション防止剤としてはハロゲン化銀乳剤層と支持体の間の下引き層やあるいは裏塗り層に含有させることができる。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのがよい。添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、たとえばハレーション防止剤として裏塗り層に含有させる場合、1平方メートル当たり、約20mg〜約1gの範囲が望ましく、好ましくは、極大吸収波長における光学濃度として、0.5以上である。
本発明では、導電性材料前駆体を露光した後には現像、定着処理を行う。また、本発明において各工程の間では停止液等の中和液による処理、あるいは水洗工程等を入れて前工程の液をその工程の液に持ちこませない様することも出来る。
本発明において現像処理は、露光されたハロゲン化銀粒子を還元し、現像銀とするために実施する。さらに同時に銀イオンを供給し、現像銀を成長させて、現像銀同士を接触させ、導電性を得るために実施する。
本発明における現像液は本発明の好ましい形態である1の方法、2の方法のいずれでも基本的には還元剤を含有するアルカリ液である。現像液に用いられる還元剤は、写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸及びその誘導体、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。これらの還元剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
現像液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14が好ましい。所望のpHに調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ剤、燐酸、炭酸などの緩衝剤を単独、または組み合わせて含有させる。また、本発明の処理液には、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウム等の保恒剤を含むことが好ましい。
現像液には、臭化カリウム、臭化ナトリウムなどの臭化物を加えることが好ましい。適量の臭化物の存在下で現像を行うと、得られた金属銀の導電性が良化するからである。好ましい臭化物濃度は1×10-4モル/L以上1×10-2モル/L以下である。
現像液のカリウムイオン濃度は現像液中の全アルカリ金属イオンの70モル%以上が好ましい。カリウムイオン濃度を70モル%以上にすることである程度前駆体を物理現像処理した状態であっても、得られる金属銀の導電性が比較的良好であるからである。カリウムイオンはいかなる形態及び方法で供給されても良い。例えば、水酸化物塩、亜硫酸塩、炭酸塩、カルボン酸塩等として予め現像液に添加しておく方法が挙げられる。
本発明において現像処理を行う方法としては、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯留された処理液中に、導電性材料前駆体を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えば導電性材料前駆体上に処理液を1平方メートル当たり40〜120ml程度塗布するものである。
導電性及び金属光沢を向上させるための好ましい現像処理条件については、以下の通りである。現像温度は2℃〜25℃であり、10℃〜20℃がより好ましい。現像時間は30秒〜180秒であり、好ましくは40秒〜120秒である。
本発明における好ましい形態としての1の手法において該現像液は可溶性銀錯塩形成剤を含有する。可溶性銀錯塩形成剤は、非感光性銀塩を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物である。現像液に用いられる可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、オキサドリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、USP5,200,294に記載のようなチオエーテル類、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に、T.H.ジェームス編のザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス4版の474〜475項(1977年)に記載されている化合物が挙げられる。
これらの可溶性銀錯塩形成剤の中でも特に、アルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンを含有した処理液で現像を行った透明導電性フィルムの表面抵抗は比較的低い値が得られる。
アルカノールアミンとしては、例えば2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、N,N−エチル−2,2’−イミノジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
これらの可溶性銀錯塩形成剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、処理液1リットル当たり、0.001〜5モルが好ましく、より好ましくは0.005〜1モルの範囲である。還元剤の含有量は処理液1リットル当たり0.01〜1モルが好ましく、より好ましくは0.05〜1モルの範囲である。
本発明における好ましい形態である2の手法においては現像液は銀イオンを含有する。銀イオンの好ましい含有量は0.01〜1モル/L、更に好ましくは0.02〜0.5モル/Lである。銀イオンを現像液に溶解させる方法としては硝酸銀などの水溶性銀塩を直接混合し溶解させることも可能であるが、副生成物、現像安定性などの問題から、本発明の好ましい形態である1と同じように可溶性銀錯塩形成剤を現像液に含有させ、それにハロゲン化銀などの銀塩を加えて溶解せしめることの方が好ましい。この銀塩としては、無機銀塩のほかに酢酸銀、ベヘン酸銀などの有機銀塩も使用できるが、副生成物による現像液への悪影響の少ない塩化銀を用いることが好ましい。さらに該銀塩処理直前に溶解させることが好ましい。
本発明における好ましい形態である2の手法において現像液には前述の通り、可溶性銀錯塩形成剤を含有させることが好ましい。可溶性銀錯塩形成剤の好ましい種類、使用量などは本発明における好ましい形態である1の手法と同様である。
本発明においては好ましい形態である1の手法、2の手法のいずれも見かけ上、化学現像と物理現像が同時に進行する。しかしながら、化学現像で生成する現像銀も触媒となって物理現像が進行することから、先に化学現像だけ進行させて、しかる後に物理現像を施すことも可能である。この場合に用いる化学現像の現像液としては各種公知の写真現像液を用いることができ、物理現像の現像液としては前述の本発明で用いる現像液を使用する。現像を分ける場合、化学現像を十分に行い、ハロゲン化銀感光材料の黒化濃度の変化が終了するまで行ってから、物理現像を行うことも可能ではあるが、化学現像を途中まで進行させ、ハロゲン化銀黒化濃度変化が十分に行ったときの1/2、好ましくは1/10の変化が起きた段階で終了し、物理現像を行うことが高い導電性を得られるので好ましい。
本発明において現像処理の後、停止処理を行ことが好ましい。停止処理は水洗のみでも不可能では無いが、好ましくは酸性の停止液を用いる。好ましい停止液としては「写真の化学」(笹井著、写真工業出版社(株))p305記載の停止液が挙げられる。
本発明において現像、停止処理の後,定着処理を行う。定着とは未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる。本発明における定着液としては公知の銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。好ましい定着液としては前述の「写真の化学」(笹井著、写真工業出版社(株))p321記載の定着液などが挙げられる。また、チオ硫酸塩を含有しない、例えば脱銀剤としてアルカノールアミン類を用いた定着液で定着処理する事も好ましい。また、定着液に硬膜剤、例えばアルミニウム塩などを含有する硬膜定着液を用いる事もできる。さらに酸化剤、例えばEDTA第2鉄塩の入った漂白定着剤を用いても良い。
本発明では、前記露光及び現像処理により形成された現像銀部に更に高い導電性を付与する目的で、酵素処理の後にめっき処理を行うことこともできる。本発明において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、又は無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。
本発明における無電解めっきは、公知の無電解めっき技術、例えば無電解ニッケルめっき,無電解コバルトめっき、無電解金めっき、銀めっきなどを用いることができるが、低コストにて十分な導電性と透明性を得るためには無電解銅めっきを行うことが好ましい。
本発明における無電解銅めっき液には硫酸銅や塩化銅など銅の供給源、ホルマリンやグリオキシル酸、テトラヒドロホウ酸カリウム、ジメチルアミンボランなど還元剤、EDTAやジエチレントリアミン5酢酸、ロシェル塩、グリセロール、メソーエリトリトール、アドニール、D−マンニトール、D−ソルビトール、ズルシトール、イミノ2酢酸、t−1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸、1,3−ジアミノプロパンー2−オール,グリコールエーテルジアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の銅の錯化剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのpH調整剤などが含有される。さらにその他に浴の安定化やめっき皮膜の平滑性を向上させるための添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジル,o−フェナントロリン、ネオクプロイン、チオ尿素、シアン化物などを含有させることも出来る。めっき液は安定性を増すためエアレーションを行う事が好ましい。
無電解銅めっきでは前述の通り種々の錯化剤を用いることができるが、錯化剤の種類により酸化銅が共析し、導電性に大きく影響したり、あるいはトリエタノールアミンなど銅イオンとの錯安定定数の低い錯化剤は銅が沈析しやすいため、安定しためっき液やめっき補充液が作り難いなどということが知られている。従って工業的に通常用いられる錯化剤は限られており、本発明においても同様の理由でめっき液の組成として特に錯化剤の選択は重要である。特に好ましい錯化剤としては銅錯体の安定定数の大きいEDTAやジエチレントリアミン5酢酸などが挙げられ、このような好ましい錯化剤を用いためっき液としては例えばプリント基板の作製に使用される高温タイプの無電解銅めっきがある。高温タイプの無電解銅めっきの手法については「無電解めっき 基礎と応用」(電気鍍金研究会編)p105などに詳しく記載されている。高温タイプのめっきでは通常60〜70℃で処理し、処理時間は無電解めっき後に電解めっきを施すかどうかで変わってくるが、通常1〜30分、好ましくは3〜20分無電解めっき処理を行うことで本発明の目的を達することが出来る。
本発明において銅以外の無電解めっき処理を行う場合は例えばめっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p406〜432記載の方法などを用いる事ができる。
本発明においては無電解めっき以外にも電解めっきを施すこともできる。特に本発明では現像処理により十分な導電性が得られるので無電解めっきを行わずとも、最初から電解めっきを行う事も十分可能である。電解めっきとしては銅めっきやニッケルめっき、亜鉛めっき、カドミウムめっき、錫めっき、合金めっきなど種々のめっき法が知られている、無電解めっき同様低コストで透明性、導電性を確保するためには銅めっきを用いる事が好ましい。銅めっき法としては公知の硫酸銅めっき、ホウフッ化銅めっき、シアン化銅めっき、ピロリン酸銅めっきなどいずれの方法でも用いる事ができるが、廃液の簡便さから硫酸銅めっき、特にハイスロ−硫酸銅めっきを用いることが好ましい。これら電解めっき法の詳細は例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p75〜112などに記載されている。
本発明では、めっき処理の前に金属銀部を無電解めっきを促進させる目的でパラジウムを含有する溶液で活性化処理することもできる。パラジウムとしては2価のパラジウム塩あるいはその錯体塩の形でも良いし,また金属パラジウムであっても良い。しかし、液の安定性、処理の安定性から好ましくはパラジウム塩あるいはその錯塩を用いることが良い。
本発明においてはめっき処理後、酸化処理を行う事も可能である。酸化処理としては、種々の酸化剤を用いた公知の方法を用いる事ができる。酸化処理液には酸化剤としてEDTA鉄塩、DTPA鉄塩、1,3−PDTA鉄塩、β−ADA鉄塩、BAIDA鉄塩などの各種アミノポリカルボン酸鉄塩、重クロム酸塩、過硫酸塩、過マンガン酸塩、赤血塩などを用いることができるが、環境負荷が少なく、安全なアミノポリカルボン酸鉄を用いる事が好ましい。酸化剤の使用量は0.01〜1モル/L、好ましくは0.1〜0.3モル/Lである。その他に促進剤として臭化物、ヨウ化物、グアニジン類、キノン類、ヴァイツラジカル、アミノエタンチオール類、チアゾール類、ジスルフィド塁、へテロ環メルカプト類など公知のものを用いる事もできる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、無論この記述により本発明が制限されるものではない。
本発明に使用される前駆体を作製するために、透明支持体として、厚み100μmの塩化ビニリデンを含有する下引き層を有するポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。この支持体上に下記組成の裏塗り層を塗布した。
<裏塗り層組成/1m2あたり>
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
界面活性剤(S−1) 400mg
ハロゲン化銀乳剤は写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀40モル%と臭化銀60モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀3gあたり1gのゼラチンを含む。
得られたハロゲン化銀乳剤にピナクリプトールイエローを表1の如く加え、感度の異なるハロゲン化銀乳剤を作製した。これら感度の異なるハロゲン化銀乳剤の感度を調べるため、下記処方αにて裏塗層塗布済み支持体の裏塗層を反対側に塗布し、乾燥した。その後、50ミクロンのネガ・ポジの細線画像を水銀灯を光源とする密着プリンターで露光し、Gekkol現像液(三菱製紙(株)社製)で20℃90秒で現像処理し、2%酢酸20℃30秒停止処理、ダイヤフィックス(三菱製紙(株)社製)で20℃180秒定着処理することで,細線画像を作製し、太さが一致するに要する光量を求め、ピナクリプトールイエロー未添加の乳剤に対する相対感度を求めた。表1にその結果を示す。
<ハロゲン化銀乳剤層組成α/1m2あたり>
ゼラチン 1g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
界面活性剤(S−1) 20mg
グリオキサール(40%水溶液) 50mg
Figure 0004512535
続いて、裏塗層塗布済み支持体上に裏塗層と反対側に下記処方βのようにハロゲン化銀乳剤層を塗布した。該ハロゲン化銀乳剤は感光性ハロゲン化銀としてピナクリプトールイエローを加えていないハロゲン化銀乳剤Fを含有し、該感光性ハロゲン化銀の70%以下の感度を有する銀塩としてピナクリプトールイエロー添加ハロゲン化銀乳剤(以下色素追加乳剤と略す:色素追加乳剤A〜E)を含有する事となる。
<ハロゲン化銀乳剤層組成β/1m2あたり>
ゼラチン 1g
ハロゲン化銀乳剤(ピナクリプトールイエローなし) 1.5g銀相当
色素追加乳剤(A〜E) 1.5g銀相当
界面活性剤(S−1) 20mg
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3.0mg
グリオキサール(40%水溶液) 50mg
このようにして得た前駆体を、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅20μmで格子間隔250μmの網目パタンの透過原稿を密着させて露光した。
続いて、下記現像液処方Aに25℃で40秒間浸漬した後、続いて2%酢酸溶液に20℃で30秒浸漬させ停止処理し、さらにダイヤフィックス定着液にて20℃180秒定着処理し、導電性材料I〜VIを得た。
<現像液イ>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 0.5g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する
上記のようにして得られた網目パターン状銀薄膜が形成された透明導電性材料の表面抵抗率は、(株)ダイアインスツルメンツ製、ロレスタ−GP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定した。また、全光線透過率を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0004512535
表2から明らかなように感光性ハロゲン化銀と非感光性銀塩を含有するハロゲン化銀乳剤層を含有する導電性材料前駆体を用いた導電性材料の導電性はめっきなしでも高い導電性を持つことが判る。また、透明性については特に差は見られない。
実施例1で作製した導電性材料前駆体のNo5を用い(すなわちピナクリプトールイエローによる減感処理は行わず、全て同じ感度のハロゲン化銀乳剤を用いた試料)、下記現像液ロ,ハ及び比較現像液ニで25℃40秒現像し、その後実施例1と同様に停止,定着処理を行い、導電性材料VII〜IXを得た。これを実施例1と同様に評価を行って、その結果表3の結果を得た。
<現像液ロ>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
モノエタノールアミン 30g
臭化カリウム 0.5g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する
処理直前に塩化銀35.8gを混合し、溶解した。
<現像液ハ>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 37g
臭化カリウム 0.5g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する
処理直前に塩化銀35.8gを混合し、溶解した。
<比較現像液ニ>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
臭化カリウム 0.5g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する
Figure 0004512535
表3より銀イオンを含有する現像液で処理した導電性材料は高い導電性を所持することがわかる。また、透明性については特に銀イオン含有現像液で処理することで変化は見られない。
実施例1で得られた導電性材料NoII,III及び、実施例2で得られた導電性材料VIIIを用い、これらをA4サイズに裁断し、0.001モル/LのPdCl2水溶液に20℃10秒浸漬した後、下記めっき液を用いて無電解めっきを行った。銅めっき処理は70℃で10分間とし、その間めっき液はエアレーションを行った。こうして得られた透明導電性材料の表面抵抗率を測定した。得られた結果を表4にまとめる。
<銅めっき液>
硫酸銅5水和物 10g
EDTA・2Na 40g
ホルマリン(37%) 3ml
水酸化ナトリウム 9g
ビピリジル 0.01g
ポリエチレングリコール 0.01g
水を加えて1Lとした。
pH=12.2に調整する
Figure 0004512535
表4より本発明で得られる導電性材料をさらにめっき処理することでより高い導電性材料を得る事もできることが判る。
実施例1で使用した裏塗層塗布済み支持体上に裏塗層と反対側に下記ハロゲン化銀処方γ、δを支持体に近い順からγ、δの順に(導電性材料前駆体No7)、あるいはδ、γの順に(導電性材料前駆体No8)ハロゲン化銀乳剤層を塗布し、さらに実施例1と同様に露光、現像、停止,定着処理を行い導電性材料X、XIを得た。これを実施例1同様評価した結果、表5のようになった。
<ハロゲン化銀乳剤層組成γ/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤F(ピナクリプトールイエローなし) 1.5g銀相当
界面活性剤(S−1) 10mg
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 1.5mg
グリオキサール(40%水溶液) 25mg
<ハロゲン化銀乳剤層組成δ/1m2あたり>
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤B 1.5g銀相当
界面活性剤(S−1) 10mg
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 1.5mg
グリオキサール(40%水溶液) 25mg
Figure 0004512535
表5より感光性ハロゲン化銀乳剤層と該ハロゲン化銀乳剤層の40%の感度をもつハロゲン化銀乳剤層を分離しても高い導電性を得ることができることが判る。また、低感度のハロゲン化銀乳剤層を下層に設ける方が好ましい結果を得ることができることも判る。

Claims (2)

  1. 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩感光材料を導電性材料前駆体として使用する導電性材料の製造方法において、該銀塩感光材料が、感光性ハロゲン化銀と該感光性ハロゲン化銀の70%未満の感度を有する銀塩を含有することを特徴とする導電性材料の製造方法。
  2. 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩感光材料を導電性材料前駆体として使用する導電性材料の製造方法において、該銀塩感光材料を銀含有現像液で現像処理することを特徴とする導電性材料の製造方法。
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