JP2009188199A - 透光性電磁波遮蔽シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、高い電磁波遮蔽性能を持ちながら、透過率の低下が最低限に抑えられる電磁波遮蔽シートの製造方法を提供することである。
【解決手段】透光性支持体の両面に導電性金属パタンを有することを特徴とする電磁波遮蔽シート。及び片面に形成された金属パタンを少なくともマスクの一部として利用し、支持体を挟んで反対の面の金属パタンを形成することを特徴とする電磁波遮蔽シートの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】透光性支持体の両面に導電性金属パタンを有することを特徴とする電磁波遮蔽シート。及び片面に形成された金属パタンを少なくともマスクの一部として利用し、支持体を挟んで反対の面の金属パタンを形成することを特徴とする電磁波遮蔽シートの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、各種電気・電子機器より発生する電磁波を有効に遮蔽でき、かつ透明性の高い電磁波遮蔽シートの製造方法に関する。
近年様々な電気・電子機器の利用の増加に伴い、機器の誤動作や障害のない電磁環境両立性(EMC:Electromagnetic Compativility)の達成や、オペレーターの電磁波による健康障害を防ぐためにも電磁波干渉(EMI:Electromagnetic Interference)対策が強く求められている。また無線LAN等の電磁波による通信利用の拡大に伴い、輻輳や機密漏洩防止の点からも特定範囲の電磁波遮蔽技術は欠かせないものとなってきている。
一般的には電磁波の発生源を金属等の導電性筐体で囲うことにより電磁波の遮蔽が図れるが、内部確認が必要あるいは意匠性の点から、設けなければならない窓等の開口部にシールド性を付与する場合には、透過視認性を確保しつつシールド性を確保することが課題であった。特にMRI等の医療機器を用いて患者の状態を見ながら検査するような状況においては、特に高い遮蔽性を要求される。
一般に窓等には金属を蒸着したフィルムを貼ることにより透過視認性は確保できるが、電磁波遮蔽性能は必要なレベルには遠く及ばない。このような課題を解決するために、透光性基材上に銅等の金属メッシュパタンを形成し透光性を保ちつつ高い導電性を有するシートが用いられるようになってきた。このようなシートは金網や導電性繊維メッシュを透光性材料に貼り合わせて得ることも可能だが、高い導電性を保ちつつ目立たないようにするためにはメッシュパタンを極細線で形成することが効果的で、製造方法としては、透光性基材上に貼合、あるいはめっき法により設けられた銅箔に、フォトリソグラフィーの手法でメッシュ状のレジストパタン形成した後、エッチングするサブトラクティブな方法が良く知られている。
さらに最近は、アディティブにパタンを形成する様々な方法が提案されてきた。例えば特開平11−170425号公報(特許文献1)には、無電解めっき触媒をパタン印刷し、無電解めっきを施すことにより透明導電膜を形成する方法が、また特開2000−196285号公報(特許文献2)には、導電性銀ペーストを印刷し、無電解めっきを施すことにより透光性電磁波遮蔽部材を製造する方法が開示されている。さらに特開2003−77350号公報(特許文献3)では、フィルム上に設けられた物理現像核層に、ハロゲン化銀感光層と可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤をアルカリ液中で作用させる物理現像により銀薄膜を形成する方法が、さらに国際公開第04/007810号パンフレット(特許文献4)には、物理現像法により形成された銀細線パタンに金属をめっきすることにより電磁波シールド材を製造する方法が、また特開2004−221564号公報(特許文献5)にはフィルム上に銀/バインダー比率の高いハロゲン化銀含有層を設け、露光現像により形成した金属銀部をめっき処理する方法が開示されている。
さらに高い遮蔽性を求めるためにはこれらのパタンフィルムを重ね合わせる方法が考えられるが、基材の枚数が増えることによるコスト高、貼り合わせ面の剥離や耐候性の低下等の不都合が生じる。一方、一般にパタンどうしを重ねた場合、モアレと呼ばれるマクロに可視的なパタンが発生し、いくらパタンを細かくしても視認されてしまう問題がある。この問題を解決する一つの方法は重ねたパタンの距離を離すことであるが、窓であれば二重構造にする、厚いガラスを用いる等とコスト高の要因となることや、フレキシブルなものを作ることが困難であること等から好ましくない。一方、パタンの細かさや重ね合う角度を変えることによりこのモアレの発生を抑えることは可能であるが、透過率が各々の透過率の積となることは避けられない。透過率をこの積よりも高めるためには重ね合わせるパタンを正確に貼り合わせればよいが、貼り合わせる基材の伸縮差等により不均一なズレが発生してしまうのを防ぐことは困難であった。
特開平11−170425号公報
特開2000−196285号公報
特開2003−77350号公報
国際公開第04/007810号パンフレット
特開2004−221564号公報
本発明の課題は、高い電磁波遮蔽性能を持ちながら、透過率の低下が最低限に抑えられる透光性電磁波遮蔽シートの製造方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の製造方法により達成された。
1.単一の透光性支持体の片面に形成された金属パタンをマスクあるいはマスクの少なくとも一部として利用し、該透光性支持体を挟んで反対面に金属パタンを形成することを特徴とする透光性電磁波遮蔽シートの製造方法。
2.透光性支持体上にハロゲン化銀乳剤を含む感光層を有し、該感光層を露光、現像することにより、片面あるいは両面の金属パタンを形成することを特徴とする上記1に記載の透光性電磁波遮蔽シートの製造方法。
3.透光性支持体の片面に形成された金属パタンをマスクあるいはマスクの少なくとも一部として利用し、反対面は透光性支持体から近い順に該感光層及びアンチハレーション染料を含有する層を少なくともこの順に設け、その後露光、現像することにより金属パタンを形成する上記2に記載の透光性電磁波遮蔽シートの製造方法。
4.少なくとも片面の金属パタンを形成する方法が銀錯塩拡散転写法であることを特徴とする上記1から3のいずれかに記載の透光性電磁波遮蔽シートの製造方法。
1.単一の透光性支持体の片面に形成された金属パタンをマスクあるいはマスクの少なくとも一部として利用し、該透光性支持体を挟んで反対面に金属パタンを形成することを特徴とする透光性電磁波遮蔽シートの製造方法。
2.透光性支持体上にハロゲン化銀乳剤を含む感光層を有し、該感光層を露光、現像することにより、片面あるいは両面の金属パタンを形成することを特徴とする上記1に記載の透光性電磁波遮蔽シートの製造方法。
3.透光性支持体の片面に形成された金属パタンをマスクあるいはマスクの少なくとも一部として利用し、反対面は透光性支持体から近い順に該感光層及びアンチハレーション染料を含有する層を少なくともこの順に設け、その後露光、現像することにより金属パタンを形成する上記2に記載の透光性電磁波遮蔽シートの製造方法。
4.少なくとも片面の金属パタンを形成する方法が銀錯塩拡散転写法であることを特徴とする上記1から3のいずれかに記載の透光性電磁波遮蔽シートの製造方法。
本発明によれば、高い電磁波遮蔽性能を持ちながら、透過率の低下が最低限に抑えられ、かつモアレの発生のない、両面に金属パタンを有する透光性電磁波遮蔽シートの製造方法を提供することができる。
本発明において金属パタンは単一の透光性支持体の両面に形成させる。具体的な手順としては、
(I)支持体シートの片面に金属パタンを形成させる。
(II)シートに形成された金属パタンの裏面にポジタイプのハロゲン化銀乳剤を含む感光層を塗布する。
(III)上記(I)で形成されたパタンをマスクとして感光層を露光し現像することにより銀からなる金属パタンを得る。
(IV)必要に応じ(I)の金属パタン及び/または(III)の金属パタン上に金属めっき層を付加する。
(I)支持体シートの片面に金属パタンを形成させる。
(II)シートに形成された金属パタンの裏面にポジタイプのハロゲン化銀乳剤を含む感光層を塗布する。
(III)上記(I)で形成されたパタンをマスクとして感光層を露光し現像することにより銀からなる金属パタンを得る。
(IV)必要に応じ(I)の金属パタン及び/または(III)の金属パタン上に金属めっき層を付加する。
このような手段により、表裏面でパタンの位置が正確に一致した金属パタンが得られる。位置精度は、現像処理時等に生じるフィルムの不均一の伸縮等にも全く影響されないためモアレの発生がなく、かつ重なっているにもかかわらず、最大限の透光性が得られることが特徴である。
上記(I)の金属パタンは、特開平10―338848号公報や特開2003―23290号公報に記載されているようなフォトリソグラフィーの手法でパタンエッチする方法、前述の特許文献1,2に記載の印刷法による方法等を用いることができる。この場合に金属として特に制限はないが、フォトリソグラフィーの場合はCuが、印刷法の場合Au,Ag,Cu,Cr,Ni,Sn,Zn,Co等が好ましく選ばれる。上記(I)の金属パタンとしてはハロゲン化銀乳剤を含む感光層(以下、ハロゲン化銀感光層と称することもある)を露光、現像するいわゆる写真法により少なくともAgを含む金属パタンを得ることが好ましく、その写真法が銀錯塩拡散転写法であることがさらに好ましい。また上記(III)においても、金属パタンとしてはハロゲン化銀乳剤を含む感光層(以下、ハロゲン化銀感光層と称することもある)を露光、現像するいわゆる写真法により少なくともAgを含む金属パタンを得ることが好ましく、その写真法が銀錯塩拡散転写法であることがさらに好ましい。
上記写真法としては具体的に、(1)銀錯塩拡散転写法に従う現像処理、(2)直接現像、定着法に従う処理、(3)硬化現像法に従う現像処理、の3つの方法を用いることができる。以下これらについて順に説明する。
<銀錯塩拡散転写法に従う現像処理>
ハロゲン化銀感光層を露光し、次に未感光部のハロゲン化銀粒子を可溶性銀錯塩形成剤で溶解して可溶性銀錯塩として溶解させ、支持体上に設けた物理現像核まで拡散してきた可溶性銀錯塩を還元剤(現像主薬)で還元することにより金属銀が析出し金属パタンが形成される。その後水洗により感光部の還元銀をハロゲン化銀感光層感光層とともに洗い流す。
ハロゲン化銀感光層を露光し、次に未感光部のハロゲン化銀粒子を可溶性銀錯塩形成剤で溶解して可溶性銀錯塩として溶解させ、支持体上に設けた物理現像核まで拡散してきた可溶性銀錯塩を還元剤(現像主薬)で還元することにより金属銀が析出し金属パタンが形成される。その後水洗により感光部の還元銀をハロゲン化銀感光層感光層とともに洗い流す。
ハロゲン化銀感光層は、透光性支持体上の片面に設けられる。さらには、非感光性層を透光性支持体から最も遠い最外層、及び/または物理現像核とハロゲン化銀感光層との間の中間層として有していても良い。これらの非感光性層は、親水性ポリマーを主たるバインダーとする層である。ここでいう親水性ポリマーとは、現像液で容易に膨潤し、下層のハロゲン化銀感光層、物理現像核まで現像液を容易に浸透させるものであれば任意のものが選択できる。
具体的には、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール等を用いることができる。特に好ましい親水性バインダーは、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。
これら非感光性層には、必要に応じてResearch Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような公知の写真用添加剤を含有させることができる。また、現像処理後のハロゲン化銀感光層の洗い流しを妨げない限りにおいて、架橋剤により硬膜させることも可能である。
物理現像核としては、重金属あるいはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物等が挙げられるが、銀コロイド及び硫化パラジウム核が好ましい。これらの物理現像核の微粒子層は、真空蒸着法、カソードスパッタリング法、コーティング法によって透光性支持体上に設けることができる。生産効率の面からコーティング法が好ましく用いられる。物理現像核の坪量は、固形分で1平方メートル当たり0.1〜10mg程度が適当である。
物理現像核層には、親水性バインダーを含有してもよい。親水性バインダー量は物理現像核に対して10〜500質量%程度が好ましい。親水性バインダーとしては、ゼラチン、アラビアゴム、セルロース、アルブミン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、各種澱粉、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミドとビニルイミダゾールの共重合体等を用いることができる。好ましい親水性バインダーは、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。
物理現像核層には、例えばクロム明ばん等の無機化合物、ホルマリン、グリオキザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様なアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々タンパク質の架橋剤(硬膜剤)の一種もしくは二種以上を含有することは好ましい。これらの架橋剤の中でも、好ましくは、グリオキザール、グルタルアルデヒド、3−メチルグルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、アジポアルデヒド等のジアルデヒド類であり、より好ましい架橋剤は、グルタルアルデヒドである。架橋剤は、下記ベース層及び物理現像核層に含まれる合計のタンパク質に対して0.1〜30質量%を物理現像核層に含有させるのが好ましく、特に1〜20質量%が好ましい。
ハロゲン化銀感光層の塗設に先立ち、物理現像核層と透光性支持体の間にタンパク質からなるベース層(タンパク質含有ベース層;以降、単にベース層という)を設けることは好ましい。透光性支持体とベース層の間には、さらに塩化ビニリデンやポリウレタン等の易接着層を有することは好ましい。ベース層に用いられるタンパク質としては、ゼラチン、アルブミン、カゼインあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。ベース層におけるタンパク質の含有量は1平方メートル当たり10〜300mgが好ましい。
物理現像核層やベース層は、例えばディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング等の塗布方式で塗布することができる。
ハロゲン化銀感光層内にはハロゲン化銀として、また光センサーとしてハロゲン化銀乳剤粒子が含まれる。この乳剤粒子に関し、ハロゲン化銀写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術はそのまま用いることもできる。
ハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)、308119(1989年12月)で記載されているような公知の手法を用いることができる。中でも同時混合法の一種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤のハロゲン化物組成には好ましい範囲が存在し、塩化物を80モル%以上含有するのが好ましく、特に90モル%以上が塩化物であることが特に好ましい。
ハロゲン化銀乳剤の製造においては、必要に応じてハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩等、VIII族金属元素の塩もしくはその錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法等当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。また本発明においてハロゲン化銀乳剤は必要に応じて色素増感することもできる
本発明において透光性支持体の片面に形成されたパタンをマスクとして感光層を裏面から露光し現像する場合、感光性はポジティブ(パタンに覆われ露光されていないところに金属パタンが形成される)でなければならない。銀錯塩拡散転写法の場合、処理により反転画像が得られるため、光センサーとしてハロゲン化銀乳剤の感光性はネガティブであればよい。
また、ハロゲン化銀感光層に含有するハロゲン化銀量とゼラチン量の比率は、ハロゲン化銀(銀換算)とゼラチンとの質量比(銀/ゼラチン)が1.2以上、より好ましくは1.5以上である。
ハロゲン化銀感光層には、さらに種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
物理現像核を塗布する透光性支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、ガラス板等が挙げられる。ここでいう透光性とは、できあがった電磁波遮蔽シートに求められる透明性が確保されることに加え、支持体に設けられたハロゲン化銀感光層を裏面から露光し感光するのに必要な透過率、ヘイズ値を有していることである。具体的にはハロゲン化銀感光層の感光波長における透過率が50%以上、好ましくは80%以上の透過率を有し、ヘイズ値が15%以下、好ましくは5%以下の支持体を意味する。さらに本発明においては支持体上にハロゲン化銀写真感光層との接着性を向上させるための下引き層や帯電防止層等を必要に応じて設けることもできる。
上記ハロゲン化銀感光層を用い電磁波遮蔽シートを作製するための方法は、例えば網目状パタンの銀薄膜の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀感光層は網目状パタンに露光されるが、露光方法として、網目状パタンの透過原稿とハロゲン化銀感光層を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。上記したレーザー光で露光する方法においては、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードともいう)を用いることができる。
ハロゲン化銀感光層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることは好ましい。ハレーション防止剤としては、ハロゲン化銀感光層を挟んで光源と反対側にある任意の層に含有させることができる。すなわち前記(I)の金属パタンを形成する場合、上記したベース層あるいは物理現像核層、あるいは物理現像核層とハロゲン化銀感光層の間に必要に応じて設けられる中間層、または支持体を挟んで設けられる裏塗り層に含有させることができる。また得られた前記(I)の金属パタンをマスクとして裏面から露光する感光層の場合、ハレーション防止剤は支持体から見てハロゲン化銀感光層から遠い保護層に含有させる。この前記(III)の露光工程では、ハロゲン化銀感光層とマスクとなる金属パタンが支持体の厚みだけ離れているため、このハレーション防止層を設けることは重要である。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀感光層に含有させるのがよい。添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、例えばハレーション防止剤として含有させる場合、感光層の露光波長における吸光度として0.5以上であることが好ましい。
前記(I)の露光工程においては、ハロゲン化銀感光層を網目状パタンのような任意の形状パタンを有する透過原稿と上記前駆体を密着して露光、あるいは、任意の形状パタンのデジタル画像を各種レーザー光の出力機で上記前駆体に走査露光した後、ハロゲン化銀拡散転写現像液で処理することにより物理現像が起こり、未露光部のハロゲン化銀が溶解されて銀錯塩となり、物理現像核上で還元されて金属銀が析出して形状パタンの銀薄膜を得ることができる。一方、露光された部分はハロゲン化銀感光層中で化学現像されて黒化銀となる。現像後、不要になったハロゲン化銀感光層及び中間層、保護層は水洗除去されて、形状パタンの銀薄膜が表面に露出する。
現像処理後のハロゲン化銀感光層等の物理現像核層の上に設けられた層の除去方法は、水洗除去あるいは剥離紙等に転写剥離する方法がある。水洗除去は、スクラビングローラ等を用いて温水シャワーを噴射しながら除去する方法や温水をノズル等でジェット噴射しながら水の勢いで除去する方法がある。また、剥離紙等で転写剥離する方法は、ハロゲン化銀感光層上の余分なアルカリ液(銀錯塩拡散転写用現像液)を予めローラー等で絞り取っておき、ハロゲン化銀感光層等と剥離紙を密着させてハロゲン化銀感光層等をプラスチック樹脂フィルムから剥離紙に転写させて剥離する方法である。剥離紙としては吸水性のある紙や不織布、あるいは紙の上にシリカのような微粒子顔料とポリビニルアルコールのようなバインダーとで吸水性の空隙層を設けたものが用いられる。
次に、銀錯塩拡散転写現像の現像液について説明する。現像液は可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤を主成分とするアルカリ液である。可溶性銀錯塩形成剤は、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物であり、還元剤はこの可溶性銀錯塩を還元して物理現像核上に金属銀を析出させるための化合物である。
現像液に用いられる可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸アンモニウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、オキサゾリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、米国特許第5,200,294号明細書に記載のようなチオエーテル類、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に、「The Theory of the photographic Process(4th edition,p474〜475)」、T.H.James著に記載されている化合物が挙げられる。
これらの可溶性銀錯塩形成剤の中でも特に、アルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンを含有した処理液で現像を行った電磁波遮蔽シートの表面抵抗は比較的低い値が得られる。
アルカノールアミンとしては、例えばN−(2−アミノエチル)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。これらの可溶性銀錯塩形成剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
現像液に用いられる還元剤は、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸及びその誘導体、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。これらの還元剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、現像液1リットル当たり0.001〜5モルが好ましく、より好ましくは0.005〜1モルの範囲である。還元剤の含有量は現像液1リットル当たり0.01〜1モルが好ましく、より好ましくは0.05〜1モルの範囲である。
現像液のpHは10以上が好ましく、さらに11〜14が好ましい。所望のpHに調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ剤、燐酸、炭酸等の緩衝剤を単独、または組み合わせて含有させる。また本発明の現像液には、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウム等の保恒剤を含むことが好ましい。
<直接現像、定着法に従う処理>
ハロゲン化銀感光層をパタン露光後現像処理することで、ハロゲン化銀感光層がネガティブかポジティブかに従い、露光部/未露光部いずれかのハロゲン化銀粒子に生成した潜像が触媒となり現像液中のハイドロキノン等の還元剤によりハロゲン化銀が還元され金属銀となる。この金属銀形成後、定着処理により還元されずに残ったハロゲン化銀を除去し、基板上にバインダーに保持された銀粒子からなるパタンが形成される。
ハロゲン化銀感光層をパタン露光後現像処理することで、ハロゲン化銀感光層がネガティブかポジティブかに従い、露光部/未露光部いずれかのハロゲン化銀粒子に生成した潜像が触媒となり現像液中のハイドロキノン等の還元剤によりハロゲン化銀が還元され金属銀となる。この金属銀形成後、定着処理により還元されずに残ったハロゲン化銀を除去し、基板上にバインダーに保持された銀粒子からなるパタンが形成される。
ハロゲン化銀感光層を塗布する透光性支持体としては、銀錯塩拡散転写法と同様の素材、性能のものを用いることができる。
ハロゲン化銀感光層内にはハロゲン化銀として、また光センサーとしてハロゲン化銀乳剤粒子が含まれる。このハロゲン化銀乳剤粒子に含有されるハロゲン化物は、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びフッ化物のいずれであってもよく、これらを組み合わせてもよい。ハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の方法が用いられる。中でもコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。
ハロゲン化銀乳剤粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(六角形平板状、三角形平板状、四角形平板状等)、八面体状、十四面体状等様々な形状であることができる。
ハロゲン化銀乳剤の製造においては、必要に応じてハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩等、VIII族金属元素の塩もしくはその錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法等当業界で一般的な方法を、単独あるいは組み合わせて用いることができる。また本発明においてハロゲン化銀乳剤は必要に応じて色素増感することもできる。
本発明の感光層の感光性は、前記(I)の金属パタン形成においてはネガティブ、ポジティブのいずれでも良いが、前記(III)の金属パタン形成においてはポジティブでなければならないため、直接現像後に定着する処理の場合、光センサーとしてハロゲン化銀乳剤の感光性はポジティブである必要がある。ネガティブのハロゲン化銀乳剤を反転現像してポジティブの感光性を得ることも可能であるが、直接ポジ用ハロゲン化銀感光材料に用いられる乳剤を用いるのが好ましい。
一般的に直接ポジ用ハロゲン化銀感光材料に用いられる乳剤は大きく二つに分けられる。一つはハロゲン化銀粒子内部に、電子をトラップするといわれている電子トラップ性化合物を有し、その表面が予めカブらされているハロゲン化銀粒子よりなる型の乳剤で、それ自身で直接反転する。もう一つの乳剤は電子トラップ性化合物をハロゲン化銀粒子内部に作らずに、粒子表面をカブらされる型の乳剤で有機減感剤の添加により初めて反転する。
前者のハロゲン化銀乳剤としては、米国特許第3,367,778号明細書、米国特許第3,632,340号明細書等に記載されている。これらには予め、コア乳剤を作り、そのコア乳剤を、イオウ増感、金増感、還元増感、等の化学増感処理、周期律表第VIII族に属する金属(ロジウム、パラジウム、イリジウム、オスミウム、白金、ルテニウム等)で処理してシェルを被覆した後、そのシェルの表面をカブらして直接ポジ用反転乳剤を製造する方法が開示されている。また、周期律表第8族に属する金属を電子トラップ性化合物として用いる場合、ハロゲン化銀乳剤を作る際のハロゲン化銀沈澱生成時に加えられる方法も公知の技術である。
後者のハロゲン化銀乳剤としては、例えば、米国特許第1,186,717号明細書、米国特許第1,186,714号明細書、米国特許第1,186,716号明細書、米国特許第3,501,306号明細書、米国特許第3,501,307号明細書、米国特許第3,501,310号明細書、米国特許第3,531,288号明細書等に記載されており、有機減感剤としては、例えば、米国特許第2,669,515号明細書記載のニトロスチリル型化合物、ピナクリプトールイエロー、5−メタ・ニトロベンジリデンローダニン等、特公昭48−13059号公報に記載のビス−ピリジニウム化合物、特公昭47−8746号公報に記載のフェナジン系化合物等が知られている。
ハロゲン化銀感光層はバインダーを含有する。バインダーとして非水溶性ポリマー及び水溶性高分子のいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性高分子を用いることが好ましい。好ましい水溶性高分子としては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。
ハロゲン化銀感光層には上記水溶性高分子の他に非水溶性ポリマーとしての高分子ラテックスを用いることもできる。高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体等各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン等があり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・p−メトオキシスチレン共重合体、スチレン・酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル共重合体、メチルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・スチレン共重合体、メチルメタクリレート・酢酸ビニル共重合体、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン共重合体、メチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルアクリレート・ブタジエン共重合体、メチルアクリレート・スチレン共重合体、メチルアクリレート・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸・ブチルアクリレート共重合体、メチルアクリレート・塩化ビニル共重合体、ブチルアクリレート・スチレン共重合体等がある。ハロゲン化銀感光層に用いられる高分子ラテックスの平均粒径は0.01〜1.0μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.8μmである。
高分子ラテックスはその使用量が多過ぎると塗布性に悪影響を及ぼすため、水溶性高分子との質量比(高分子ラテックス/水溶性高分子)が1.0以下で用いることが好ましい。また、ハロゲン化銀感光層及び該感光層と同じ側に必要に応じて設けられる非感光層に含有される高分子ラテックスと水溶性高分子の総量、すなわち総バインダー量については、バインダー量が少ないと塗布性に悪影響を及ぼし、また安定したハロゲン化銀粒子も得られなくなる、一方、多過ぎると多量にめっきをしないと導電性が得られなくなり、生産性を落としてしまう等、品質に大きな影響を与える。好ましいハロゲン化銀(銀換算)と総バインダーとの質量比(銀/総バインダー)は4以上、より好ましくは6以上である。
ハロゲン化銀感光層及び該感光層と同じ側に必要に応じて設けられる非感光層は硬膜剤により架橋されることが好ましい。硬膜剤としては例えばクロム明ばん等の無機化合物、ホルマリン、グリオキザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様なアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等やその他にもResearch Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載されているような物質を用いることができる。また硬膜剤は一種もしくは二種以上混合させて用いることもできる。硬膜剤は、総バインダー量に対して0.1〜10質量%を含有させるのが好ましく、特に0.5〜8質量%が好ましい。
ハロゲン化銀感光層には、さらに種々の目的のために、銀錯塩拡散転写法の場合と同様の公知の写真用添加剤を用いることができる。
ハロゲン化銀感光層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として、銀錯塩拡散転写法の場合と同様の方法で含有することが好ましい。
ハロゲン化銀感光層から電磁波遮蔽シートを作製するための方法として、例えば網目状パタンの銀薄膜の形成が挙げられるが、銀錯塩拡散転写法の場合と同様に露光した後、少なくとも現像処理、定着処理、水洗処理を行うことにより実現される。
ハロゲン化銀感光層から電磁波遮蔽シートを作製するために用いる現像液は、基本組成として現像主薬、保恒剤、アルカリ剤、カブリ防止剤からなる。現像主薬としては具体的にヒドロキノン、アスコルビン酸、p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミン、フェニドン等が挙げられる。これらの一部は感光層中に含有させてもよい。保恒剤としては、亜硫酸イオン等がある。アルカリ剤は、現像主薬の還元性を発揮するために必要であり、現像液のpHを9以上、好ましくは10以上になるように添加される。また安定に塩基性を保つための、炭酸塩やリン酸塩のような緩衝剤も用いられる。さらに現像核を持たないハロゲン化銀粒子が還元されないように加えられるカブリ防止剤としては、臭化物イオン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール等が挙げられる。
ハロゲン化銀感光層から電磁波遮蔽シートを作製するために用いる現像液には、さらに可溶性銀錯塩形成剤を含有させることが高い導電性を得る上で好ましい。可溶性銀錯塩形成剤としては、具体的にはチオ硫酸アンモニウムやチオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、1,10−ジチア−18−クラウン−6、2,2′−チオジエタノール等のチオエーテル類、オキサドリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に「The Theory of the photographic Process(4th edition,p474〜475)」、T.H.James著に記載されている化合物が挙げられる。
これらの可溶性銀錯塩形成剤の中で特にアルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンとしては、例えばN−(2−アミノエチル)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
これらの可溶性銀錯塩形成剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。また可溶性銀錯塩形成剤の使用量としては0.1〜40g/L、好ましくは1〜20g/Lである。現像処理温度は通常15℃から45℃の間で選ばれるが、より好ましくは25〜40℃である。
定着処理は未現像部分のハロゲン化銀を除去して安定化させる目的で行われる。定着処理には公知のハロゲン化銀写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができ、「写真の化学」(笹井著、写真工業出版社(株))p321記載の定着液等が挙げられる。
その中でも、チオ硫酸塩以外の脱ハロゲン化銀剤が含まれる定着液が好ましい。その場合の脱ハロゲン化銀剤としてはチオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、1,10−ジチア−18−クラウン−6、2,2′−チオジエタノール等のチオエーテル類、オキサドリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に「The Theory of the photographic Process(4th edition,p474〜475)」、T.H.James著に記載されている化合物が挙げられる。
これらの脱ハロゲン化銀剤の中でも特にアルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンとしては現像液に好ましく添加される可溶性銀錯塩形成剤と同様のものを用いることができる。これらの脱銀剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。また脱銀剤の使用量としては塗布するハロゲン化銀の坪量等により広範囲に変化しうるが、脱銀剤の合計で定着液1リットル当たり0.01〜5モルが好ましく、より好ましくは0.1〜3モルの範囲である。
定着液としては脱ハロゲン化銀剤の他にも保恒剤として亜硫酸塩、重亜硫酸塩、pH緩衝剤として酢酸、硼酸アミン、リン酸塩等を含むことができる。また、硬膜剤として水溶性アルミニウム(例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、カリ明ばん等)、アルミニウムの沈澱防止剤として二塩基酸(例えば、酒石酸、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸リチウム、クエン酸カリウム等)も含有させることができる。定着液の好ましいpHは脱銀剤の種類により異なり、特にアミンを使用する場合は8以上、好ましくは9以上である。定着処理温度は通常10℃から45℃の間で選ばれるが、より好ましくは18℃〜30℃である。
<硬化現像法に従う現像処理>
ハロゲン化銀感光層をパタン露光後現像処理する中で、ハロゲン化銀粒子に生成した潜像を触媒としてハロゲン化銀を還元するための還元剤として働き、かつその酸化体がゼラチンの硬化作用を持つ現像主薬を用い、金属銀を形成すると同時に金属銀周囲のゼラチンを硬化させ、画像を形成させた後、水洗除去して非硬化部を洗い流す。直接現像法と同様金属銀はバインダーに保持されているが、非画像部には基材上にバインダーが残らない。
ハロゲン化銀感光層をパタン露光後現像処理する中で、ハロゲン化銀粒子に生成した潜像を触媒としてハロゲン化銀を還元するための還元剤として働き、かつその酸化体がゼラチンの硬化作用を持つ現像主薬を用い、金属銀を形成すると同時に金属銀周囲のゼラチンを硬化させ、画像を形成させた後、水洗除去して非硬化部を洗い流す。直接現像法と同様金属銀はバインダーに保持されているが、非画像部には基材上にバインダーが残らない。
ハロゲン化銀感光層を塗布する透光性支持体としては、銀錯塩拡散転写法、直接現像、定着法の場合と同様のものを使用することができる。
ハロゲン化銀感光層においてはハロゲン化銀として、また光センサーとしてハロゲン化銀乳剤粒子が含まれる。ハロゲン化銀感光層の感光性は、前記(I)の金属パタン形成においてはネガティブ、ポジティブのいずれでも良いが、前記(III)の金属パタン形成においてはポジティブでなければならず、ネガティブのハロゲン化銀感光層の反転現像は、硬化現像の場合事実上不可能であるため、直接現像、定着法で説明したような直接ポジ用ハロゲン化銀感光材料に用いられる乳剤を用いる。
本発明においてハロゲン化銀感光層はバインダーを含有するが、それは直接現像、定着法ハロゲン化銀感光層と同様のものが同様の形態で含有される。
ハロゲン化銀感光層には種々の目的のために、銀錯塩拡散転写法、直接現像、定着法の場合と同様に公知の写真用添加剤を含有させることができる。またハロゲン化銀感光層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として、銀錯塩拡散転写法、直接現像、定着法の場合と同様の方法で含有することが好ましい。
硬化現像法におけるハロゲン化銀感光層及び/または該感光層と同じ側に必要に応じて設けられる非感光層には硬化現像薬を含有することが特に好ましい。硬化現像薬としては、ポリヒドロキシベンゼン、例えばハイドロキノン、カテコール、クロロハイドロキノン、ピロガロール、ブロモハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、2,3−ジブロモハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシ−2−アセトフェノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、4−フェニルカテコール、4−t−ブチルカテコール、4−s−ブチルピロガロール、4,5−ジブロモカテコール、2,5−ジエチルハイドロキノン、2,5−ベンゾイルアミノハイドロキノン等がある。また、アミノフェノール化合物、例えばN−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール−2,4−ジアミノフェノール、p−ベンジルアミノフェノール、2−メチル−p−アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル−p−アミノフェノール等、また、その他にも例えば特開2001−215711号公報、特開2001−215732号公報、特開2001−312031号公報、特開2002−62664号公報記載の公知の硬化現像薬を用いることができるが、特にベンゼン核の少なくとも1,2位または1,4位にヒドロキシル基が置換したベンゼンが好ましい。また、これらの硬化現像薬を併用して用いることも可能である。さらに、3−ピラゾリドン類、例えば1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、及び1−p−クロロフェニル−3−ピラゾリドン等の公知の写真現像液に用いる還元剤を上記硬化現像薬に併せて用いることも可能である。
これら硬化現像薬はどの層に含有されても良いが、ハロゲン化銀感光層もしくは下引き層に含有されることが好ましく、特にハロゲン化銀感光層に含有されていることが好ましい。含有する好ましい量はハロゲン化銀感光層及び該感光層と同じ側に必要に応じて設けられる非感光層の水溶性バインダーを耐水化できるだけの量であるため、使用する水溶性バインダーの量に応じて変化する。好ましい硬化現像薬の量は0.01〜0.5mmol/水溶性バインダー1g、さらに好ましくは0.1〜0.4mmol/水溶性バインダー1gである。これら硬化現像薬は塗液に溶解させて各層に含有させても良いし、オイル分散液に溶解させて各層中に含有させることも可能である。
ハロゲン化銀感光層及び該感光層と同じ側に必要に応じて設けられる非感光層には膨潤抑制剤を含有することが好ましい。本発明における膨潤抑制剤は導電性材料前駆体を硬化現像液で処理する際に水溶性バインダーが膨潤するのを防ぎ、画像のぼけを防いで透過性を上げ、また導電性を上げるために用いる。膨潤抑制剤として作用するかどうかはpH3.5の5質量%ゼラチン水溶液に膨潤抑制剤0.35mol/Lになるよう加えてゼラチンの沈澱が発生するかどうかで調べられ、この試験でゼラチンの沈澱が発生するような薬品は全て膨潤抑制剤として作用する。膨潤抑制剤の具体例としては、例えば硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化マンガン、燐酸マグネシウム等の無機塩類、あるいは例えばベンゼンスルホン酸、ジフェニルスルホン酸、5−スルホサリチル酸、p−トルエンスルホン酸、フェノールジスルホン酸、α−ナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンスルホン酸、1−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、ジナフチルメタンスルホン酸等のスルホン酸類、例えばポリビニルベンゼンスルホン酸、無水マレイン酸とビニルスルホン酸の共重合物、ポリビニルアクリルアミド等の高分子沈澱剤として用いられる化合物等が挙げられる。これら膨潤抑制剤は単独でも組み合わせて用いても良いが、無機塩類、特に硫酸塩類を使用することが好ましい。これら膨潤抑制剤はどの層に含有されていても良いが、特にハロゲン化銀感光層に含有されていることが好ましい。これら膨潤抑制剤の好ましい含有量は0.01〜10g/m2、さらに好ましくは0.1〜2g/m2である。
ハロゲン化銀感光層及び該感光層と同じ側に必要に応じて設けられる非感光層には、さらに無電解めっき触媒や導電性物質等を含有させることも可能である。
ハロゲン化銀感光層から電磁波遮蔽シートを作製するための方法は、例えば網目状パタンの銀薄膜の形成が挙げられるが、露光は銀錯塩拡散転写法、直接現像、定着法で説明した方法と同様に行えばよい。
硬化現像法ではハロゲン化銀感光層を露光した後に硬化現像を行う。硬化現像液にはアルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あるいはアミン化合物、粘稠剤、例えばカルボキシメチルセルロース、現像助薬、例えば3−ピラゾリジノン類、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変性剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチル酸、メソイオン性化合物等の添加剤等を含ませることができる。現像液のpHは通常10〜14である。通常のハロゲン化銀写真現像液に用いる保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウム等は硬化現像による硬化反応を停める作用があるので、本発明における硬化現像液では保恒剤は少なくとも20g/L以下の使用量、好ましくは10g/L以下の使用量が好ましい。
ハロゲン化銀感光層に硬化現像薬を含有させない場合は、硬化現像液に硬化現像薬を含有させる。硬化現像薬としては感光層に含有させるのと同様の硬化現像薬を用いることができる。好ましい硬化現像薬の含有量は1〜50g/Lである。硬化現像薬を現像液中に含有させる場合、保恒性が悪く、直ぐに空気酸化してしまうので、使用の直前にアルカリ性水溶液に溶解することが好ましい。
硬化現像液には膨潤抑制剤を含有することが好ましい。膨潤抑制剤としては導電性材料前駆体に含有させるのと同様の膨潤抑制剤を用いることができる。好ましい膨潤抑制剤の含有量は50〜300g/L、好ましくは100〜250g/Lである。
硬化現像処理を行う方法としては、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯留された処理液中に、導電性材料前駆体を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えば導電性材料前駆体上に処理液を1平方メートル当たり40〜120ml程度塗布するものである。特に硬化現像薬含有硬化現像液を用いる場合には塗布方式にし、硬化現像液を繰り返し用いないようにするほうが好ましい。
硬化現像処理条件として、現像温度は2〜30℃であり、10〜25℃がより好ましい。また現像時間は5〜30秒であり、5〜10秒がより好ましい。
ハロゲン化銀感光層から電磁波遮蔽シートを作製する工程には、光透過部のハロゲン化銀感光層を除去し、支持体面を露出させる工程が含まれる。本工程はハロゲン化銀乳剤の除去を主目的としているので、本工程で用いられる処理液は水を主成分とする。処理液は緩衝成分を含有してもよい。また、除去したゼラチンの腐敗を防止する目的で、防腐剤を含有することができる。ハロゲン化銀乳剤を除去する方法としては、スポンジ等で擦り取る方法、ローラーを膜面に当ててスリップさせることによってはがしとる方法、ローラーを膜面に接触させてローラーに巻き付ける方法等がある。処理液流をハロゲン化銀乳剤面に当てる方法としては、シャワー方式、スリット方式等を単独、あるいは組み合わせて使用できる。また、シャワーやスリットを複数個設けて、除去の効率を高めることもできる。
非画像部ハロゲン化銀感光層を除去して金属パタンを作製した後に、当業者で周知の硬膜剤を含有した液で処理することでより強固な金属パタンを作製することができる。硬膜剤としては、クロムミョウバン、ホルマリン等のアルデヒド類、ジアセチル等のケトン類、ムコクロル酸類等、種々のものを用いることができる。
硬化現像処理後にハロゲン化銀溶剤を含む物理現像液で導電性材料前駆体を処理し、硬化現像で硬化されたレリーフ像中にある銀を増大させ、導電性を得ることもできる。物理現像工程はハロゲン化銀感光層の除去工程の前であっても、後であっても良いが、光透過部のハロゲン化銀も銀の供給源として使用できることから除去前に物理現像工程を行うことが好ましい。また、物理現像液に可溶性銀塩を加える等、さらなる銀イオンの供給を行い、物理現像工程でより銀を大きくすることもできる。
この物理現像液に用いられる還元剤は、写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸及びその誘導体、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。これらの還元剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。
上記物理現像液のpHは8以上が好ましく、さらに9〜11が好ましい。所望のpHに調整するために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ剤、燐酸、炭酸等の緩衝剤を単独、または組み合わせて含有させる。また、本発明の物理現像液には、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウム等の保恒剤を含むことが好ましい。
上記物理現像液には、さらに臭化カリウム、臭化ナトリウム等の臭化物を加えることが好ましい。適量の臭化物の存在下で現像を行うと、得られた金属銀の導電性が良化するからである。好ましい臭化物濃度は1×10-4モル/L以上1×10-2モル/L以下である。
上記物理現像液のカリウムイオン濃度は物理現像液中の全アルカリ金属イオンの70モル%以上が好ましい。カリウムイオン濃度を70モル%以上にすることである程度ハロゲン化銀感光層を物理現像処理した状態であっても、得られる金属銀の導電性が比較的良好であるからである。カリウムイオンはいかなる形態及び方法で供給されても良い。例えば、水酸化物塩、亜硫酸塩、炭酸塩、カルボン酸塩等として予め物理現像液に添加しておく方法が挙げられる。
本発明における物理現像液は可溶性銀錯塩形成剤を含有する。可溶性銀錯塩形成剤としてはすでに銀錯塩拡散転写法、直接現像、定着法で説明したものと同様のものを用いることができる。これらの可溶性銀錯塩形成剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、処理液1リットル当たり、0.001〜5モルが好ましく、より好ましくは0.005〜1モルの範囲である。還元剤の含有量は処理液1リットル当たり0.01〜1モルが好ましく、より好ましくは0.05〜1モルの範囲である。
物理現像液はさらに銀イオンを含有することも可能である。銀イオンの好ましい含有量は0.01〜1モル/L、さらに好ましくは0.02〜0.5モル/Lである。あるいは物理現像液に銀イオンを含有させる替わりに、ハロゲン化銀感光層に感度の低い、ハロゲン化銀乳剤を含有させてもよい。感度の低いとはハロゲン化銀感光層に使われている光センサーとしてのハロゲン化銀乳剤(以下高感度乳剤と略す)の70%以下の感度を有するハロゲン化銀乳剤のことを意味し、該低感度ハロゲン化銀乳剤(以下低感度乳剤と略す)は好ましくは銀で換算して0.5〜5g/m2、より好ましくは1〜3g/m2導電性材料前駆体に含有される。高感度銀乳剤と低感度乳剤の比率は特に限定する必要はないが、好ましい範囲は銀で換算して高感度乳剤:低感度乳剤=1:10〜2:1、さらに好ましくは1:5〜1:1である。
物理現像処理を行う方法としては、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯留された処理液中に、ハロゲン化銀感光層を有する支持体を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えばハロゲン化銀感光層上に処理液を1平方メートル当たり40〜120ml程度塗布するものである。
導電性及び金属光沢を向上させるための好ましい物理現像処理条件については、以下の通りである。現像温度は2〜25℃であり、10〜20℃がより好ましい。現像時間は30〜180秒であり、40〜120秒がより好ましい。
本発明において前記(I)、及び/または前記(III)で形成された写真法による金属銀パタンを金属めっきすることは、遮蔽性能を向上させる上で好ましい。金属めっきとしては、電解めっき、無電解めっき、いずれの方法もとりうるが、一般に電磁波遮蔽を目的とする場合は連続な金属銀パタンを用いることから生産性の点から電解めっきすることが好ましい。
本発明においては、電解めっき浴として、ニッケルではワット浴、スルファミン酸ニッケル浴等、銅では硫酸銅浴、シアン化銅浴、ピロリン酸銅浴等を用いることができる。特に硫酸銅浴は安価に建浴でき、浴管理が容易で、成分の毒性が低く廃液処理が容易であるという一般的な利点に加えて、比較的応力が少ないため断線しにくく、かつ厚付けによる細線の太りが抑えられるので好ましい。めっき厚に特に制限はないが、実用的に求められる導電性を確保できる厚さにめっきされる。めっきの陰極電流密度としては、生産性の面から1A/dm2以上、好ましくは2A/dm2以上である。一般的なめっき層の厚みは、3〜10μm程度である。
本発明においては金属銀をめっきする前に、アルカリ脱脂処理、酸活性化等の前処理を行うことは、写真処理後に残存するゼラチンをはじめとする有機物の除去や、めっきの均一性の面から好ましい。まためっきで得られた金属パタンは、目的に応じてさらにニッケル、金等の他の金属をめっきしてもよい。また視認性を抑える等のために黒化処理を行ってもよい。また防錆処理を行ってもよい。これらは業界において公知な方法によって行うことができる。
本発明の優れた実施形態として、一般的なバッチ式のめっき方法に加え、ウェブ状のまま上記めっき処理を行う、いわゆるロール・ツー・ロール方式のめっきを行ってもよい。
本発明の電磁波遮蔽シートは両面に導電性金属パタンを有することを特徴とするが、片面のパタンは最初に形成されたパタンをフォトマスクとして形成される。そのため最終的な性能は最初に形成される金属パタンに大きく依存する。パタンを形成する細線の線幅は、あまり太いと目立ってしまい好ましくないが、細すぎるとそれをフォトマスクとして支持体を挟んだ感光層を露光した際、光の回り込みにより画質、導電性の低下を生じる。具体的には10〜100μmの線幅が適当で、好ましくは20〜50μmである。
本発明の電磁波遮蔽シートの製造方法により得られる両面に導電性金属パタンを有する電磁波遮蔽シートの全光線透過率は、各面の全光線透過率の積の110%以上であることを特徴とする。ここでいう全光線透過率とは支持体部分を除いた値で、パタンの開口率によってほぼ決まってくるものである。全光線透過率は例えばJIS K 7361−1に従い測定することができる。最初に形成される金属パタンの全光線透過率は60%以上が好ましく、80%以上がさらに好ましい。
本発明の電磁波遮蔽シートの支持体の厚みは、最初に形成されるパタンをフォトマスクとして、支持体を挟んだ感光層を露光するため、画質維持の点から見ると薄いほうが好ましい。しかし実用的にはハンドリングの点等を考慮して25〜300μmのものが用いられる。特に好ましくは50〜125μmである。
以下実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお部数は特に断りのない限り全て固形分質量換算であり、%は特に断りのない限り質量基準である。
透光性支持体として片面にポリウレタン樹脂とアルミナ粒子からなる印刷下地層を有する、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(全光線透過率90%、ヘイズ2.9%)の該下地層上に、市販金属銀超微粒子を含有する導電性金属ペーストを、ステンレス#500メッシュのスクリーン版により目標線幅30μm、間隔300μmの格子パタンを印刷した。このフィルムを140℃、60分加熱処理して銀格子パタンフィルムを得た。なお、この銀格子パタンフィルムの全光線透過率をスガ試験機(株)製、ヘーズコンピューターHZ−2によって、JIS K 7361−1に従い測定したところ、支持体部分を除き80%であった。
上記ポリエチレンテレフタレートフィルムを介して銀格子パタンが形成された面と反対の面に以下の易接着層、ベース層をこの順に設けた。
易接着層:塩化ビニリデンラテックス(旭化成(株)製、L−536B、ビニリデン含有率90%以上)、100部、乾燥膜厚0.3μm。
ベース層:石灰処理ゼラチン、80部、自己乳化性イソシアネート化合物(旭化成(株)製、デュラネートWB40−100)、20部、乾燥膜厚0.15μm。
易接着層:塩化ビニリデンラテックス(旭化成(株)製、L−536B、ビニリデン含有率90%以上)、100部、乾燥膜厚0.3μm。
ベース層:石灰処理ゼラチン、80部、自己乳化性イソシアネート化合物(旭化成(株)製、デュラネートWB40−100)、20部、乾燥膜厚0.15μm。
<銀錯塩拡散転写法の感光層の塗布>
このベース層上に、硫化パラジウムを含有する塗液を塗布・乾燥し、固形分で0.4mg/m2の物理現像核を設けた。続いて5モル%の臭化物を含む塩臭化銀粒子からなるハロゲン化銀乳剤に、1m2当たり1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを3.0mg、界面活性剤(S−1)を20mgを加えたハロゲン化銀感光層を、銀量で3.0g/m2となるように、及び下記染料1を100mg/m2含有する保護層をゼラチン量で1.0g/m2となるように、上記物理現像核の上に塗布した。(感光フィルムA)
このベース層上に、硫化パラジウムを含有する塗液を塗布・乾燥し、固形分で0.4mg/m2の物理現像核を設けた。続いて5モル%の臭化物を含む塩臭化銀粒子からなるハロゲン化銀乳剤に、1m2当たり1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを3.0mg、界面活性剤(S−1)を20mgを加えたハロゲン化銀感光層を、銀量で3.0g/m2となるように、及び下記染料1を100mg/m2含有する保護層をゼラチン量で1.0g/m2となるように、上記物理現像核の上に塗布した。(感光フィルムA)
<直接現像、定着法の感光層の塗布>
40℃に保ったゼラチン水溶液中に6モル%の臭化物を含む2モル/Lの塩化ナトリウム水溶液と同濃度の硝酸銀水溶液をコントロールダブルジェット法にて5分間添加しコア乳剤を調製した。このコア乳剤にチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を水溶液として添加し、50℃で70分間化学熟成をした。さらに、コア乳剤混合時と同様に80分間にわたって混合しコアが化学増感されたコア/シェル型の乳剤を調製した。この乳剤を脱塩水洗後、二酸化チオ尿素と塩化金酸を加え、pH6.5、60℃の条件下で70分間にわたり加熱しハロゲン化銀粒子表面をカブらせて直接ポジ用反転乳剤を得た。なお、ハロゲン化銀乳剤の保護バインダーの一部に分子量1万以下の低分子ゼラチンを用いることで混合後の脱塩処理工程で低分子ゼラチンが水洗除去時に除去されるようした。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀3g当たり0.5gのゼラチンを含む。このハロゲン化銀乳剤に、1m2当たり1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール3.0mg、界面活性剤(S−1)20mgを加えたハロゲン化銀感光層を、銀量で3.0g/m2となるように、上記易接着層、ベース層を有する銀格子パタンフィルムのベース層上に塗布し、さらに前記染料1を100mg/m2含有する保護層をゼラチン量で1.0g/m2となるように塗布した。(感光フィルムB)
40℃に保ったゼラチン水溶液中に6モル%の臭化物を含む2モル/Lの塩化ナトリウム水溶液と同濃度の硝酸銀水溶液をコントロールダブルジェット法にて5分間添加しコア乳剤を調製した。このコア乳剤にチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を水溶液として添加し、50℃で70分間化学熟成をした。さらに、コア乳剤混合時と同様に80分間にわたって混合しコアが化学増感されたコア/シェル型の乳剤を調製した。この乳剤を脱塩水洗後、二酸化チオ尿素と塩化金酸を加え、pH6.5、60℃の条件下で70分間にわたり加熱しハロゲン化銀粒子表面をカブらせて直接ポジ用反転乳剤を得た。なお、ハロゲン化銀乳剤の保護バインダーの一部に分子量1万以下の低分子ゼラチンを用いることで混合後の脱塩処理工程で低分子ゼラチンが水洗除去時に除去されるようした。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀3g当たり0.5gのゼラチンを含む。このハロゲン化銀乳剤に、1m2当たり1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール3.0mg、界面活性剤(S−1)20mgを加えたハロゲン化銀感光層を、銀量で3.0g/m2となるように、上記易接着層、ベース層を有する銀格子パタンフィルムのベース層上に塗布し、さらに前記染料1を100mg/m2含有する保護層をゼラチン量で1.0g/m2となるように塗布した。(感光フィルムB)
<硬化現像法の感光層の塗布>
フィルムBに用いた直接ポジ用反転乳剤に、さらに4−フェニル−カテコールを20mg/m2含むハロゲン化銀感光層を、銀量で3.0g/m2となるように、及び染料1を100mg/m2含有する保護層をゼラチン量で1.0g/m2となるように塗布した以外は感光フィルムBと同様に作製した。(感光フィルムC)
フィルムBに用いた直接ポジ用反転乳剤に、さらに4−フェニル−カテコールを20mg/m2含むハロゲン化銀感光層を、銀量で3.0g/m2となるように、及び染料1を100mg/m2含有する保護層をゼラチン量で1.0g/m2となるように塗布した以外は感光フィルムBと同様に作製した。(感光フィルムC)
このようにして得た感光層を感光フィルムA〜Cを、スクリーン印刷により設けた銀格子パタンのある側から水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、均一露光した。続いて最初に形成した銀格子パタン側を保護フィルムで被覆して、感光層のタイプに応じ以下のように処理した。
<感光フィルムAの処理>
感光フィルムAを、下記の組成の現像液Aで20℃、60秒間現像した後、40℃の温水で不要になったハロゲン化銀感光層及び保護層を水洗除去することで、両面に金属パタンを有する電磁波遮蔽シートA1を得た。
<現像液A>
水酸化ナトリウム 20g
ハイドロキノン 20g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸ナトリウム 30g
モノメチルエタノールアミン 10g
全量を水で1000ml
pH=13に調整する。
感光フィルムAを、下記の組成の現像液Aで20℃、60秒間現像した後、40℃の温水で不要になったハロゲン化銀感光層及び保護層を水洗除去することで、両面に金属パタンを有する電磁波遮蔽シートA1を得た。
<現像液A>
水酸化ナトリウム 20g
ハイドロキノン 20g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸ナトリウム 30g
モノメチルエタノールアミン 10g
全量を水で1000ml
pH=13に調整する。
さらに上記電磁波遮蔽シートA1の銀錯塩拡散転写法で得られた銀格子パタンに、メルテックス(株)製 アクチベーター350で触媒付与した後、下記組成の無電解銅めっき液によりパタン上に約0.3μmの厚みの銅めっき層を設けたのち、スクリーン印刷により設けた銀格子パタン面の保護シートを取り除き、電磁波遮蔽シートA2を得た。
<銅めっき液>
硫酸銅5水和物 10g
EDTA・2Na 40g
ホルマリン(37%) 3ml
水酸化ナトリウム 9g
ビピリジル 0.01g
ポリエチレングリコール 0.01g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
<銅めっき液>
硫酸銅5水和物 10g
EDTA・2Na 40g
ホルマリン(37%) 3ml
水酸化ナトリウム 9g
ビピリジル 0.01g
ポリエチレングリコール 0.01g
全量を水で1000ml
pH=12.2に調整する。
<感光フィルムBの処理>
感光フィルムBを、Gekkol現像液(三菱製紙社製)に20℃で90秒間浸漬した後、続いて2%酢酸溶液に20℃で30秒浸漬させ停止処理し、さらに下記組成の定着液にて20℃180秒定着処理し、両面に金属パタンを有する電磁波遮蔽シートB1を得た。
<定着液>
2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン 200g
チオ硫酸ナトリウム・5水和物 5g
無水亜硫酸ナトリウム 15g
全量を水で1000ml
pH=10.5に調整する。
さらに上記電磁波遮蔽シートB1の直接現像、定着法で得られた銀格子パタンに、A2と同様にパタン上に約0.3μmの厚みの銅めっき層を設けたのち、スクリーン印刷により設けた銀格子パタン面の保護シートを取り除き、電磁波遮蔽シートB2を得た。
感光フィルムBを、Gekkol現像液(三菱製紙社製)に20℃で90秒間浸漬した後、続いて2%酢酸溶液に20℃で30秒浸漬させ停止処理し、さらに下記組成の定着液にて20℃180秒定着処理し、両面に金属パタンを有する電磁波遮蔽シートB1を得た。
<定着液>
2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン 200g
チオ硫酸ナトリウム・5水和物 5g
無水亜硫酸ナトリウム 15g
全量を水で1000ml
pH=10.5に調整する。
さらに上記電磁波遮蔽シートB1の直接現像、定着法で得られた銀格子パタンに、A2と同様にパタン上に約0.3μmの厚みの銅めっき層を設けたのち、スクリーン印刷により設けた銀格子パタン面の保護シートを取り除き、電磁波遮蔽シートB2を得た。
<感光フィルムCの処理>
感光フィルムCを、下記硬化現像液に23℃で30秒浸漬処理して硬化現像した後、40℃の温水で水洗処理を行い、両面に金属パタンを有する電磁波遮蔽シートC1を得た。
<硬化現像液>
水酸化ナトリウム 20g
硫酸ナトリウム 200g
臭化カリウム 1g
全量を水で1000ml
さらに上記電磁波遮蔽シートC1の硬化現像法で得られた銀格子パタンに、A2と同様にパタン上に約0.3μmの厚みの銅めっき層を設けたのち、スクリーン印刷により設けた銀格子パタン面の保護シートを取り除き、電磁波遮蔽シートC2を得た。
感光フィルムCを、下記硬化現像液に23℃で30秒浸漬処理して硬化現像した後、40℃の温水で水洗処理を行い、両面に金属パタンを有する電磁波遮蔽シートC1を得た。
<硬化現像液>
水酸化ナトリウム 20g
硫酸ナトリウム 200g
臭化カリウム 1g
全量を水で1000ml
さらに上記電磁波遮蔽シートC1の硬化現像法で得られた銀格子パタンに、A2と同様にパタン上に約0.3μmの厚みの銅めっき層を設けたのち、スクリーン印刷により設けた銀格子パタン面の保護シートを取り除き、電磁波遮蔽シートC2を得た。
<比較例>
保護層に染料1を含まない以外は感光フィルムAと同一の感光層をスクリーン印刷格子パタンの裏面に塗布した後、スクリーン印刷パタン側を、400nm付近に吸収極大を有する染料を含む粘着層を持つ保護フィルムで被覆し、感光層側からモアレのでない角度に設定した線幅30μm、間隔300μmの格子パタンマスクを介し露光してフィルムAと同様の処理を行ったのち、上記保護シートを取り除き両面に金属パタンを有する電磁波遮蔽シートRを得た。
保護層に染料1を含まない以外は感光フィルムAと同一の感光層をスクリーン印刷格子パタンの裏面に塗布した後、スクリーン印刷パタン側を、400nm付近に吸収極大を有する染料を含む粘着層を持つ保護フィルムで被覆し、感光層側からモアレのでない角度に設定した線幅30μm、間隔300μmの格子パタンマスクを介し露光してフィルムAと同様の処理を行ったのち、上記保護シートを取り除き両面に金属パタンを有する電磁波遮蔽シートRを得た。
上記電磁波遮蔽シートの支持体部分を除く全光線透過率は、スクリーン印刷した格子パタンと同様の方法により測定した。また電磁波遮蔽性はKEC法による近傍界の電界成分の遮蔽性を測定した。得られた結果を表1に示す。
表1の結果から明らかな様に本発明の電磁波遮蔽シートは、全光線透過率の低下が抑えられたまま、高い電磁波遮蔽性能を示すことがわかる。
厚み100μmのポリエチレンテレフタレートロールフィルム両面上に実施例1と同一の易接着層、ベース層を設けた。このポリエチレンテレフタレートロールフィルムの片面上に、染料1を200mg/m2含有するアンチハレーション層を設け、引き続き、該アンチハレーション層を有する側の裏面に、感光フィルムAと同様に硫化パラジウムを含有する塗液を塗布・乾燥し、固形分で0.4mg/m2の物理現像核を設けた。続いて5モル%の臭化物を含む塩臭化銀粒子からなるハロゲン化銀感光層を、銀量で3.0g/m2となるように、及び保護層をゼラチン量で1.0g/m2となるように、上記物理現像核の上にスライド同時塗布した。(感光フィルムロールD)
このようにして得た感光層を塗布した感光フィルムロールDを、シートに裁断せずロール状態のまま水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、透過原稿を密着させて露光し、続いて実施例1の現像液A中にウェブ搬送しながら20℃で60秒間浸漬した後、続いてハロゲン化銀感光層、保護層及び裏面のアンチハレーション層を温水で水洗除去して、フィルム縁部に給電部を有する、幅25μmで格子間隔250μmの細線格子パタンを有するロールフィルム(フィルムE)、及び幅25μmで格子間隔300μmの細線格子パタンを有するロールフィルム(フィルムF)を得た。
このようにして得られた銀細線格子パタンロールフィルムE及びFのパタン面を保護フィルムで被覆し、そのアンチハレーション層を除去した面に、感光フィルムAと同様に硫化パラジウムを含有する塗液を塗布・乾燥し、固形分で0.4mg/m2の物理現像核を設けた。続いて5モル%の臭化物を含む塩臭化銀粒子からなるハロゲン化銀感光層を銀量で3.0g/m2となるように、及び前記染料1を100mg/m2含有し、アンチハレーション能を有する保護層をゼラチン量で1.0g/m2となるように、上記物理現像核層の上にこの順でスライド同時塗布し、感光フィルムロールを得た。(感光フィルムE及びF)
このようにして得た感光フィルムE及びFを、シートに裁断せずロール状態のままで水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、格子パタン面から一様に露光し、最初の銀細線格子パタンを得たときと同様の現像処理を行ったのち、最初に形成した銀格子パタン面の保護シートを取り除き、両面に位置のそろった細線格子パタンを有するフィルムG及びHを得た。
最初に形成した銀格子パタン面の保護シートを取り除いた銀格子パタンフィルムE、F、及び両面に位置のそろった細線格子パタンを有するフィルムG、Hをアルカリ脱脂、酸活性化した後、下記組成の硫酸銅めっき浴で、全ての格子パタン上に3μmの銅めっき層を形成し、電磁波遮蔽フィルムE1、F1、G1、H1を得た。なおめっき層の厚みは、共焦点顕微鏡(レーザーテック(株)社製、オプテリクスC130)により測定した。
<電解銅めっき浴>
硫酸銅・5水和物 75g/L
硫酸 190g/L
光沢剤 適量
塩化物イオン 50mg/L
浴温 25℃
陰極電流密度 2A/dm2
光沢剤として、ローム・アンド・ハース社製、カパーグリーム CLXを用いた。
<電解銅めっき浴>
硫酸銅・5水和物 75g/L
硫酸 190g/L
光沢剤 適量
塩化物イオン 50mg/L
浴温 25℃
陰極電流密度 2A/dm2
光沢剤として、ローム・アンド・ハース社製、カパーグリーム CLXを用いた。
以上得られたフィルムを単独、あるいは表2に記載の組み合わせで裏面どうしをEVA粘着剤で貼合した積層フィルムを得た後、KEC法による近傍界の電界成分のシールド性と全光線透過率を実施例1と同様の方法で測定した。
表2の結果から明らかな様に、フィルムを貼り合わせた場合は全光線透過率が低下するのに対し、本発明の電磁波遮蔽シートは均一で全光線透過率の低下が抑えられたまま、高い電磁波遮蔽性能を保っていることがわかる。
Claims (4)
- 単一の透光性支持体の片面に形成された金属パタンをマスクあるいはマスクの少なくとも一部として利用し、該透光性支持体を挟んで反対面に金属パタンを形成することを特徴とする透光性電磁波遮蔽シートの製造方法。
- 透光性支持体上にハロゲン化銀乳剤を含む感光層を有し、該感光層を露光、現像することにより、片面あるいは両面の金属パタンを形成することを特徴とする請求項1に記載の透光性電磁波遮蔽シートの製造方法。
- 透光性支持体の片面に形成された金属パタンをマスクあるいはマスクの少なくとも一部として利用し、反対面は透光性支持体から近い順に該感光層及びアンチハレーション染料を含有する層を少なくともこの順に設け、その後露光、現像することにより金属パタンを形成する請求項2に記載の透光性電磁波遮蔽シートの製造方法。
- 少なくとも片面の金属パタンを形成する方法が銀錯塩拡散転写法であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の透光性電磁波遮蔽シートの製造方法。
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