JP2007240593A - 導電性材料前駆体の現像処理装置 - Google Patents

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正義 大塚
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Abstract

【課題】現像処理後の導電性材料前駆体にスラッジが付着することによる導電性材料としての商品価値を低下させない、また無電解めっきの際のめっき効率を低下させない、生産性の良い導電性材料が得られる製造装置を提供する。
【解決手段】少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する導電性材料前駆体を露光後、現像処理する装置において、水洗部が少なくとも3槽の水洗槽とリンス槽、続いて該感光層を乾燥する乾燥部から構成され、該各水洗槽の入口と出口、及び該リンス槽の入口に処理液切り手段を設けたことを特徴とする導電性材料前駆体の現像処理装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材上に金属銀からなる導電性パターンを形成するための現像処理装置に関する。更には、透明基材上に導電性パターン(例えば格子状のパターン)が形成された、電磁波シールドフィルムやタッチパネル等の用途に用いることができる透明導電性フィルムの処理装置に関するものである。
近年、情報化社会が急速に発達するに伴って、情報関連機器に関する技術が急速に進歩し普及してきた。この中で、ディスプレイ装置は、テレビジョン用、パーソナルコンピューター用、駅や空港などの案内表示用、その他各種情報提供用に用いられている。特に、近年プラズマディスプレイが注目されている。
このような情報化社会の中にあって、これらのディスプレイ装置から放射される電磁波の影響が心配されている。例えば、周辺の電子機器への影響や人体への影響が考えられている。特に、人体の健康に及ぼす影響は無視することができないものになっており、人体に照射される電磁界の強度の低減が求められ、このような要求に対して様々の透明導電性フィルム(電磁波シールドフィルム)が開発されている。例えば、特開平9−53030号、特開平11−126024号、特開2000−294980号、特開2000−357414号、特開2000−329934号、特開2001−38843号、特開2001−47549号、特開2001−51610号、特開2001−57110号、特開2001−60416号公報等に開示されている。
これらの透明導電性フィルムの製造方法としては、銀、銅、ニッケル、インジウム等の導電性金属をスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法によって透明樹脂フィルム上に金属薄膜を形成させる方法が一般的に用いられている。これら従来方法では工法が極めて複雑になるため、高コストで生産性が悪いという問題が発生していた。
また、透明導電性材料に求められる別の性能として導電性と光透過率がある。導電性を高くするにはある程度の幅と厚みを持った金属薄膜微細パターンを作る必要があるが、同時に光を遮断する金属からなるパターンの線幅を太くすると透過率が低下するので、この両者を満足させるには十分な導電性を持った微細な金属パターン、特に必要最小限の幅で均一なパターンを製造する必要があるが、従来の方法ではこれは満足できなかった。
均一なパターンを作ると言う観点において、近年透明導電性材料前駆体としてハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩写真感光材料を使用する方法が提案されている。例えば国際公開特許01/51276号パンフレット(特許文献1)では銀塩写真感光材料を像露光、現像処理した後、金属めっき処理を施すことで透明導電性材料を製造する方法の提案がなされている。また、特開2004−221564号公報(特許文献2)においてはめっき効率をあげようとすべく、ハロゲン化銀乳剤層の銀/ゼラチンの比を変化させて銀の比率を高くすることで効率を上げようとしている。
同じく銀塩感光材料を使う方法として銀錯塩拡散転写法を用いる方法も提案されており、例えば国際公開特許04−007810号パンフレット(特許文献3)、特開2004−172041号、同2004−253329号公報等がある。また銀塩感光材料を用いる他の方法としては、支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩感光材料を露光後、硬化現像することを特徴とする導電性材料の製造方法等を挙げることができる。硬化現像法とは、J.Photo.Sci.誌11号 p1、A.G.Tull著(1963)或いは「The Theory of the photographic Process(4th edition,p326−327)」、T.H.James著等に記載されているように、基材上に作製した実質的に硬膜剤を含まない未硬膜のハロゲン化銀乳剤層を、ポリヒドロキシベンゼン系等の現像主薬を含む現像液で処理することによって、現像主薬が露光されたハロゲン化銀を還元した際に、現像主薬自身から生成された酸化化合物により、ゼラチンを始めとする水溶性ポリマーを架橋し画像状に硬膜させる方法である。
しかしながら上述の銀錯塩拡散転写法、硬化現像法のいずれの方法においても、銀塩感光材料を露光、現像後、不要となったハロゲン化銀乳剤層は水洗工程で水洗除去されるが、銀塩感光材料の現像処理量が増加するに伴いゼラチンや銀等を含むいわゆるスラッジが水洗槽に滞留し、これを取り除くために大量の水洗水が必要になるという問題を有していた。更には水洗槽に滞留したスラッジが、パターンが描かれたフィルムに付着してしまうという問題を有していた。
ところで、上記ハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩写真感光材料を利用して得られたメッシュパターンの金属銀に、無電解めっき及び/または電解めっきして細線パターンを形成することは、より高い導電性が得られ、従って前述の導電性と光透過率を満足させるためには極めて有効な手法である。メッシュパターンの金属銀に、無電解めっき及び/または電解めっきを施す場合、生産性の観点から、ロールtoロールで製造できれば非常に好ましい。従って上述の銀錯塩拡散転写法、硬化現像法のいずれの方法においても、露光・現像処理により得られるメッシュパターンはロール状に巻き取られた状態(例えば60m以上、場合によっては500m以上にも達する)で供給されることが望ましい。また細線パターンの形成に利用されるハロゲン化銀量は、支持体上に塗布されたハロゲン化銀に対して数%である。従って露光された銀塩感光材料のロール状物を現像処理する場合、短期間に集中してゼラチンや銀等を含むいわゆるスラッジが水洗槽中に滞留し、上記問題が更に顕著に表れる。特にフィルムへのスラッジの付着は、スラッジに対してめっきされることが懸念され、見場が悪く、商品価値を極端に低下させる。この場合これを取り除くことは極めて困難となり、ディスプレイ装置等の電磁波シールドフィルムとしては重大な欠陥となる。このためスラッジの付着は生産効率を著しく低下させる。
銀錯塩拡散転写法においては、特開平3−116151号(特許文献4)、特開平4−282295号公報等(特許文献5)に記載される様に、不要となったハロゲン化銀乳剤層の水洗・除去は、非加熱水または非加熱水性媒体によって、或いはそれらに浸漬した後緩やかに攪拌することによって、或いはそれらをスプレー或いはジェットの機械的圧力によって実施できることが知られている。また特開2005−107304号公報等に記載されるような、スクラブローラー等を用いて温水シャワーを噴射しながら除去する方法が一般に知られている。しかし無電解めっき及び/または電解めっき前のメッシュパターンにスクラブローラーが接触することは断線等の問題が発生することから好ましくなく、また温水をノズル等でジェット噴射しても、スラッジは水洗水中に滞留する。更に、ハロゲン化銀乳剤層等を水洗液で除去することは、ゼラチンや銀等を含む大量の水洗液の廃棄処理が必要であり、環境上及び経済上の大きな問題と言える。
槽間の液混合を防止する方法は、特開平9−319049号公報(特許文献6)に記載されるように、槽間部にスクイズ機構となるローラー対、液垂れ除去ローラーを設置することが知られている。しかし、これも無電解めっき及び/または電解めっき前のメッシュパターンにローラーが接触することは断線等の問題が発生することから好ましくない。また、特開平7−261013号公報(特許文献7)に記載されるように、ガラス基板の現像ムラ防止のため、現像部と洗浄部の間に接続部を設け、該接続部においてエアナイフにより現像液切り後3秒以内で、ガラス基板が乾燥する前に純水シャワーを散布し、ガラス基板を乾燥させることなく水洗部に搬送する方法が知られている。しかしながら、フォトリソグラフ法によるカラーフィルター、TFT回路の製造に関する現像ムラの発明であり、導電性材料の水洗処理の課題については何ら示唆されていない。
また、少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する導電性材料前駆体を露光後、少なくとも現像処理工程、定着処理工程、めっき処理工程を経て導電性材料を製造する方法(以下、定着処理工程を利用する導電性材料前駆体と称す)においては、露光されたハロゲン化銀は現像液で還元され、その後不要となったハロゲン化銀は定着液により溶解・除去される。しかしながら前記処理方法によって得られた銀画像をその後、無電解めっきによって導電性を高めようとした場合、無電解めっきに先立ち実施されるパラジウム核等を利用した活性化処理が十分でなく、無電解めっきが効率的に実施できない場合があった。
国際公開特許01/51276号パンフレット 特開2004−221564号公報 国際公開特許04/007810号パンフレット 特開平3−116151号公報 特開平4−282295号公報 特開平9−319049号公報 特開平7−261013号公報
従って、本発明の目的は、現像処理後の導電性材料前駆体にスラッジが付着することによる導電性材料としての商品価値を低下させない、また無電解めっきの際のめっき効率を低下させない、生産性の良い導電性材料が得られる製造装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の現像処理装置によって達成された。
1)少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する導電性材料前駆体を露光後、現像処理する装置において、水洗部が少なくとも3槽の水洗槽とリンス槽、続いて該感光層を乾燥する乾燥部から構成され、該各水洗槽の入口と出口、及び該リンス槽の入口に処理液切り手段を有することを特徴とする導電性材料前駆体の現像処理装置。
2)前記現像処理装置において、水洗部に補充される水洗液を下流側の水洗貯留槽に補充し、該水洗貯留槽の液面レベルを超えた水洗液をオーバーフローさせて、下流側の水洗貯留槽に隣接する上流側の水洗貯留槽へ投入するオーバーフロー液供給手段を少なくとも3つ有することを特徴とする上記1)記載の導電性材料前駆体の現像処理装置。
3)上記の処理液切り手段として、エアナイフを用いることを特徴とする上記1)または2)記載の導電性材料前駆体の現像処理装置。
4)上記銀塩感光材料が、少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層と物理現像核層を有する銀錯塩拡散転写法を利用する導電性材料前駆体である上記1)〜3)のいずれかに記載の導電性材料前駆体の現像処理装置。
本発明の導電性材料製造装置により、生産性の良い導電性材料が得られる現像処理装置を提供することができた。とりわけ、ロール状の導電性材料前駆体を露光、現像処理し、ロール状に巻き取る、いわゆるロールtoロールで導電性材料前駆体を現像処理するにあたり好適である。銀錯塩拡散転写法(DTR法)及び硬化現像法を利用する導電性材料前駆体の現像処理においては、現像処理後の導電性材料前駆体にスラッジが付着することによる導電性材料としての商品価値を低下させず、生産性が飛躍的に向上する。また、定着処理工程を利用する導電性材料前駆体の現像処理においては、無電解めっきを施す際のめっき効率を低下させることなく実施することができる。
以下本発明の感光材料処理装置の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施態様であり、銀錯塩拡散転写法(DTR法)、硬化現像法を用いる導電性材料前駆体の現像処理装置の概略断面図である。尚、本発明の図の説明において、現像部側を上流、乾燥部側を下流とする。
図1の現像処理装置が対象とする導電性パターンを形成するために用いられる前駆体としては、基材上に少なくとも物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層とをこの順に有する。そのような前駆体としては、前記特許文献1〜3に開示されている前駆体等を挙げることができる。また前述の硬化現像法を利用する導電性材料前駆体を挙げることができる。
図1は本発明の現像処理装置で、ロールtoロールで処理されるようにロール状の該前駆体の巻出し部16と、該前駆体を現像する現像部4と、該前駆体のハロゲン化銀乳剤層を除去するための水洗部5と、乾燥部6と、乾燥された前駆体をロール状に巻き取るための巻取り部18とを有する。ここで、ロールtoロールで処理するとは、ロール状に巻かれた前駆体(以降、前駆体ロールという)を現像・水洗処理して、再度ロール状に巻き取る方式である。
図1の現像処理装置において、予め露光された前駆体ロール1は、巻出し軸2から巻出されて搬送されつつ、現像部4で所定時間の現像処理が行われ、水洗部5で不要なハロゲン化銀乳剤層が除去され、乾燥部6で水分を乾燥して巻取り軸9に巻き取られる。その結果、基材上に導電性パターンが形成される。基材として、プラスチック樹脂フィルムのような透明基材を用いると透明導電性フィルムが得られる。透明導電性フィルムの場合は、金属銀からなる導電性パターン(例えば格子状パターン)を触媒として更に金属めっきを施すことによって更に導電性の高い透明導電性フィルムが得られる。必要に応じて乾燥後に保護フィルム等を貼り合わせる工程の貼り合わせ部が設けられる。
図1において、ロール状の前駆体ロール1は巻出し軸2に装着され、矢印の方向に連続的に巻出されて搬送される。ロール状の前駆体ロール1は乳剤膜面が内巻に巻かれている。巻出し軸2には張力制御手段3、例えばパウダーブレーキが接続されていて、現像部4、水洗部5、乾燥部6における前駆体Fに加えられる張力を制御している。張力制御手段3は、現像部4、水洗部5、乾燥部6における前駆体の蛇行、シワ、たるみを抑制するために、前駆体Fに40〜150N/mの範囲の張力を与えて、前駆体Fの搬送速度、張力を制御して搬送している。
ロール状の前駆体ロール1から巻出された前駆体Fが搬送されて現像槽13に入る前に、前駆体Fは反転ローラー11で搬送方向が反転される。この反転ローラー11と後述の反転ローラー12によって、現像槽中で乳剤膜面が非接触状態で搬送される。現像槽13は図1に示すように縦長で薄型の槽が好ましく、槽内下部に設けられている反転ローラー12で前駆体Fの裏面を支持しながら搬送方向を反転させることによって、小さい設置スペースで現像時間(現像液に浸漬している時間)を得ることができる。
現像槽13の容量は、前駆体Fの幅寸法によっても異なるが、30〜130L程度が適当である。より好ましくは、50〜100Lである。現像槽13には現像液14が所定の液面まで貯留されていて、現像処理によって消費された現像液は、図示しない補充装置により定期的に補充されている。現像槽13は、図示しない恒温装置で所定の温度範囲に調節されている。本発明において、現像開始時点とは現像槽13の現像液14に前駆体Fが浸入した時点である。従って、前駆体Fの乳剤膜面に反転ローラー11が現像開始前に接触する最後のローラーであり、後述するローラー対35まで前駆体Fの乳剤膜面は非接触で搬送される。
現像槽13から排出された前駆体Fは、空中現像部15で引き続き現像され、水洗部5へ搬送される。水洗部5は、第1水洗槽21、第2水洗槽22、第3水洗槽23、リンス槽24を有する。水洗槽21、22、23、リンス槽24は、後述する各シャワーノズル27、30、33、36で連続搬送される前駆体Fの表裏を洗浄するため、処理装置室内の湿度上昇、シャワー水滴飛散、また水滴付着による前駆体Fの品質異常を防止するため、各槽内毎にカバーで覆われている。
第1水洗槽21の入口には、エアナイフ25が設置されていて、シャワーノズル27から噴出する温水が、連続走行している前駆体F上を伝って、空中現像部15に流れ込まないようにしている。尚、エアナイフと前駆体Fとの距離を安定化させてエアナイフの効果を安定させるため、エアナイフ25の下にはローラー50を配置している。また、前駆体Fの搬送レベルを安定させるため、水洗槽内にローラー51、52を配置している。ローラー50、51、52は前駆体Fが搬送時にスリップせず、傷を付け難いゴムローラーが好ましい。ゴムの材質としては、ニトリルゴム(NBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム等が用いられる。
第1水洗槽21中の前駆体Fは、シャワーノズル27から噴出する温水により、第1水洗槽21内の前駆体Fの全面に均一に散布するものであり、物理現像核層の上層(ハロゲン化銀乳剤層及び必要に応じて設けられる中間層や保護層等)が水洗除去されて、物理現像核に析出した金属銀が露出する。または硬化現像により得られたレリーフ像が露出する。第1水洗槽21の出口にも、エアナイフ26が設置され、シャワーノズル27から噴出する温水が水洗2槽22に流れ込まないようにしている。前駆体Fの裏面にもシャワーノズル27が設置されていて、裏塗層を水洗除去している。図中、第1水洗槽21に搬送される前駆体Fの表裏に噴射するシャワーノズル27を各3本ずつ設置しているが、シャワー圧は図示しないバルブで各々調整可能となっている。
次に、第2水洗槽22、第3水洗槽23も同様に入口と出口にエアナイフが各々設置されていて、隣の槽との水洗液の混合を防止して下流ほど水洗液の清浄度をあげる構造となっている。続いて、リンス槽24も入口にエアナイフ34が設置され、シャワーノズル36から噴出する温純水が第3水洗槽23に流れ込まないようにしている。リンス槽24のシャワーノズル36から噴出する温純水により、第3水洗槽23までで除去しきれなかった不要部分を完全に除去し、前駆体Fの表裏の清浄度を更に向上させている。リンス槽24の出口にはスポンジ状の柔らかいロール対35が設置されていて、前駆体Fに付着した水分が乾燥部6に持ち込まれないようにしている。以上のように、各水洗槽間の入口、出口にエアナイフを設けたことにより、各水洗槽毎で洗浄に使われた洗浄水を下流の清浄度の高い水洗槽に持ち込まないため、下流の水洗槽ほど洗浄効率の高い水洗が行われ、スラッジの付着が確実に防止され、導電性材料としての商品価値のある生産性の良い導電性材料前駆体ができあがる。
第1水洗槽21のシャワーノズル27から噴出した温水は、図示しない配管で第1水洗貯留槽37に貯留されて、循環ポンプ42によって、シャワーノズル27に循環供給される。第1水洗貯留槽37の容量は、20〜50L程度が適当である。温水の配管経路にはフィルター43が設置され、温水中に浮遊する銀スラッジ、ゴミ等の浮遊物を除去している。第1水洗貯留槽37には図示しないヒータが設置され、35〜45℃程度に温調されている。同様に第2水洗貯留槽38、第3水洗貯留槽39にも、循環ポンプ44、46、フィルター45、47が設置されていて、貯留槽の容量も同等の20〜50Lで図示しないヒータも設置されていて、35〜45℃程度に温調されている。
リンス槽24のシャワーノズル36から噴出した温純水は、図示しない配管でリンス貯留槽40に貯留されて、循環ポンプ48によって、シャワーノズル36に循環供給される。リンス貯留槽40の容量は、20〜50L程度が適当である。リンス貯留槽40には、循環ポンプ48、フィルター49、及び図示しないヒータが設置されていて、30〜40℃程度に温調されている。リンス貯留槽40には、図示しない温純水タンクからの補充供給口41が付設されていて、温純水が、1〜15L/分程度補充される。好ましくは、2〜5L/分である。
リンス貯留槽40にはオーバーフロー液供給手段となるオーバーフロー液供給口93が付設されていて、温純水が所定量以上貯留されるとオーバーフローして、第3水洗貯留槽39に補充される。第3水洗貯留槽39にもオーバーフロー液供給口92が付設されていて、オーバーフローした温水は第2水洗貯留槽38に補充される。第2水洗貯留槽38にもオーバーフロー液供給口91が付設されていて、オーバーフローした温水は第1水洗貯留槽37に補充される。第1水洗貯留槽37にもオーバーフロー口90が付設されていて、オーバーフローした温水Dは廃液される。リンス貯留槽40にのみ新鮮な温純水による補充を行い、各水洗槽間に設置したエアナイフで槽間混合していない下流ほど清浄度の高いオーバーフロー水を順次、下流から上流の各水洗槽に補充することにより、補充液の省液化を実現し、各水洗槽毎で洗浄に使われた洗浄水を下流の清浄度の高い水洗槽に持ち込まないため、下流の水洗槽ほど洗浄効率の高い水洗が行われ、スラッジの付着が確実に防止され、導電性材料としての商品価値のある生産性の良い導電性材料前駆体ができあがる。
上記水洗部5で前駆体Fの表裏両面に十分な量の温水及び温純水を散布して、不要成分が完全に水洗除去された前駆体Fは、乾燥部6で乾燥され、巻取り軸9でロール状に巻き取られる。乾燥部6には吹き出しノズル66が上下に設置されていて、前駆体Fの表裏に当たる温風により前駆体Fを乾燥させる。乾燥温度は30℃以上であればよいが、生産性の観点から40〜65℃が適当である。好ましくは、50〜60℃が適当である。巻取り軸9には該軸を駆動回転できる張力制御手段10、例えばトルクモータが取り付けてある。張力は40〜150N/mの範囲が適当である。
次に、本発明の別の実施態様である定着処理工程を利用する導電性材料前駆体の現像処理装置について、図面を用いて詳細に説明する。図2は本発明の定着処理工程を有する現像処理措置の概略断面図である。
図2は本発明の現像処理装置で、ロールtoロールで処理されるようにロール状の該前駆体の巻出し部16と、該前駆体を現像する現像部4と、該前駆体のハロゲン化銀乳剤層を溶解・除去するための定着部17と、金属銀画像膜の安定化処理を行う水洗部5と、乾燥部6と、乾燥された前駆体をロール状に巻き取るための巻取り部18とを有する。ここで、ロールtoロールで処理するとは、ロール状に巻かれた前駆体(以降、前駆体ロールという)を現像・定着・水洗処理して、再度ロール状に巻き取る方式である。尚、現像部4と定着部17との間に停止液等の中和液による停止槽を設けても良い。
図2の現像処理装置において、予め露光された前駆体ロール1は、巻出し軸2から巻出されて搬送されつつ、現像部4で所定時間の現像処理が行われ、定着部17で不要なハロゲン化銀乳剤層が定着液で溶解・除去され、水洗部5で金属銀画像膜の安定化処理のため洗浄され、乾燥部6で水分を乾燥して巻取り軸9に巻き取られる。その結果、基材上に導電性パターンが形成される。基材として、プラスチック樹脂フィルムのような透明基材を用いると透明導電性フィルムが得られる。透明導電性フィルムの場合は、金属銀からなる導電性パターン(例えば格子状パターン)を触媒として更に金属めっきを施すことによって更に導電性の高い透明導電性フィルムが得られる。必要に応じて乾燥後に保護フィルム等を貼り合わせる工程の貼り合わせ部が設けられる。
図2において、ロール状の前駆体ロール1は巻出し軸2に装着され、矢印の方向に連続的に巻出されて搬送される。ロール状の前駆体ロール1は乳剤膜面が内巻、外巻どちらでも構わないが、強いて言えば、乳剤膜面が上向きとなる内巻では、前槽処理液が次槽の入口絞りローラー対に持ち込まれ、前槽処理液と次槽処理液混合による乳剤膜面に異常処理が起こり、品質低下を引き起こす可能性があることから外巻が好ましい。巻出し軸2には張力制御手段3、例えばパウダーブレーキが接続されていて、現像部4、定着部17、水洗部5、乾燥部6における前駆体Fに加えられる張力を制御している。張力制御手段3は、現像部4、定着部17、水洗部5、乾燥部6における前駆体の蛇行、シワ、たるみを抑制するために、前駆体Fに40〜150N/mの範囲の張力を与えて、前駆体Fの搬送速度、張力を制御して搬送している。
ロール状の前駆体ロール1から巻出された前駆体Fが搬送されて、現像槽13に貯留されている現像液14に浸漬して所定時間の現像処理が行われる。現像槽13内部にはローラー対81がある間隔で5組設置されていて、現像槽内を前駆体Fが搬送される搬送路が限定され、現像時間が管理されている。
現像槽13の容量は、前駆体Fの幅寸法によっても異なるが、30〜130L程度が適当である。より好ましくは、50〜100Lである。現像槽13には現像液14が所定の液面まで貯留されていて、現像処理によって消費された現像液は、図示しない補充装置により定期的に補充されている。現像槽13は、図示しない恒温装置で所定の温度範囲に調節されている。本発明において、現像開始時点とは現像槽13の現像液14に前駆体Fが浸入した時点である。
現像槽13から排出された前駆体Fは、絞りローラー対82で現像液14が絞られる。次工程の槽を汚染しない目的で絞りローラー対82は2組設置されていて、定着部17の定着槽19へ搬送される。定着部17では未露光部分のハロゲン化銀乳剤層を定着液20で溶解・除去して安定化させる目的で処理される。定着槽19に貯留されている定着液20に浸漬して所定時間の定着処理が行われる。定着槽19内部にはローラー対81がある間隔で5組設置されていて、現像槽内と同様、前駆体Fが搬送される搬送路が限定され、定着処理時間が管理されている。
定着槽19の容量は、前駆体Fの幅寸法によっても異なるが、10〜120L程度が適当である。より好ましくは、20〜60Lである。定着槽19には定着液20が所定の液面まで貯留されていて、定着処理によって消費された定着液は、図示しない補充装置により定期的に補充されている。定着槽19は、図示しない恒温装置で所定の温度範囲に調節されている。本発明において、定着開始時点とは定着槽19の定着液20に前駆体Fが浸入した時点である。
定着槽19から排出された前駆体Fは、絞りローラー対82で定着液20が絞られる。次工程の槽を汚染しない目的で絞りローラー対82は2組設置されていて、水洗部5へ搬送される。水洗部5は、第1水洗槽71、第2水洗槽72、第3水洗槽73、リンス槽74を有し、順次第1水洗槽71、第2水洗槽72、第3水洗槽73、リンス槽74へ搬送される。水洗部5の第1水洗槽71、第2水洗槽72、第3水洗槽73の入口と出口、及びリンス槽74入口の槽間部には槽間汚染を防止するため、液切り手段となる絞りローラー対82が付設されている。水洗部5では金属銀画像膜の安定化処理のため温水洗浄が行われる。第1水洗槽71、第2水洗槽72、第3水洗槽73、リンス槽74に貯留されている各水洗液に浸漬して所定時間の水洗処理が行われる。第1水洗槽71、第2水洗槽72、第3水洗槽73、リンス槽74内部にはローラー対81がある間隔で5組設置されていて、現像槽内と同様、前駆体Fが搬送される搬送路が限定され、水洗処理時間、即ち水洗効率が管理されている。
第1水洗槽71、第2水洗槽72、第3水洗槽73、リンス槽74の容量は、前駆体Fの幅寸法によっても異なるが、20〜50L程度が適当である。第1水洗槽71、第2水洗槽72、第3水洗槽73、リンス槽74には各水洗液が所定の液面まで貯留されている。第1水洗槽71、第2水洗槽72、第3水洗槽73、リンス槽74は、図示しないヒータが設置され、35〜45℃程度に温調されていて、図示しない循環ポンプによって水洗水を循環して、スプレーノズル77から噴出させている。リンス槽74も、図示しないヒータが設置され、30〜40℃程度に温調されていて、図示しない循環ポンプによって水洗水を循環して、スプレーノズル77から噴出させている。水洗水の循環経路には、図示しないフィルターが設置され、水洗水中に浮遊するゴミ等の浮遊物を除去している。またリンス槽74には、図示しない温純水タンクから温純水が、1〜15L/分程度補充される。好ましくは、2〜5L/分である。
リンス槽74にはオーバーフロー液供給手段としてオーバーフロー液供給口78が付設されていて、温純水が所定量以上貯留されるとオーバーフローして、第3水洗槽73に補充される。第3水洗槽73にもオーバーフロー液供給口78が付設されていて、オーバーフローした温水は第2水洗槽72に補充される。第2水洗槽72にもオーバーフロー液供給口78が付設されていて、オーバーフローした温水は第1水洗槽71に補充される。第1水洗槽71にも図示しないオーバーフロー口が付設されていて、オーバーフローした温水は廃液される。図2に示すように、リンス槽74、第3水洗槽73、第2水洗槽72、第1水洗槽71の順に液面を段階的に下げることにより、オーバーフロー補充を効率的に実現できる。このため、リンス槽74にのみ新鮮な温純水による補充を行い、各水洗槽間に設置した絞りローラー対82で槽間混合していない下流ほど清浄度の高いオーバーフロー水を順次、下流から上流の各水洗槽に補充することにより、補充液の省液化を行っている。更にこの段階的に清浄度を高くする洗浄により、後工程であるめっき工程の無電解めっき効率が飛躍的に向上することが確認されている。
上記水洗部5で前駆体Fの表裏両面に温水及び温純水による浸漬処理にて、金属銀画像膜が安定化処理された前駆体Fは、絞りローラー対83で水洗水が絞られる。絞りローラー対83は2組設置されていて、乾燥部6に搬送される。絞りローラー対83は弾性体ローラーで水分の搾水性に効果のあるスポンジ等の材質が好適である。乾燥部6の内部は、ローラー対81がある間隔で5組設置されていて、現像槽内と同様、前駆体Fが搬送される搬送路が限定され、乾燥時間が管理されている。乾燥して排出した前駆体Fはローラー対7を経て巻取り軸9でロール状に巻き取られる。乾燥部6には吹き出しノズル66が上下に設置されていて、前駆体Fの表裏に当たる温風により前駆体Fを乾燥させる。乾燥温度は30℃以上であればよいが、生産性の観点から40〜65℃が適当である。好ましくは、50〜60℃が適当である。巻取り軸9には該軸を駆動回転できる張力制御手段10、例えばトルクモータが取り付けてある。張力は40〜150N/mの範囲が適当である。
現像槽4、定着槽17、水洗部5の第1水洗槽71、第2水洗槽72、第3水洗槽73、リンス槽74、乾燥部6内部のローラー対81、及びそれらの槽間に設置されている絞りローラー対82は、前駆体Fが搬送時にスリップせず、傷を付け難いゴムローラーが好ましい。ゴムの材質としては、ニトリルゴム(NBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、シリコーンゴム、ウレタンゴム等が用いられる。また、現像槽4、定着槽17、水洗部5の第1水洗槽71、第2水洗槽72、第3水洗槽73、リンス槽74、乾燥部6の各ローラーにおいて、たるみ、シワなどのない安定した搬送速度を維持するための補助的な駆動として、チェーン駆動、トルクモータ等を設置することが行われている。
次に導電性材料前駆体について説明する。本発明の銀錯塩拡散転写法(DTR法)及び硬化現像法を用いた平版印刷版や導電性材料前駆体としての銀塩感光材料に用いられる透明支持体には、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、ガラス板などが挙げられる。更に本発明においては支持体上にハロゲン化銀乳剤層との接着性を向上させるための下引き層や帯電防止層などを必要に応じて設けることもできる。
本発明の銀錯塩拡散転写法を用いた導電性材料前駆体は、支持体とハロゲン化銀乳剤層との間、或いは支持体上の下引き層とハロゲン化銀乳剤層との間に、物理現像核層を有する。物理現像核層の物理現像核としては、重金属或いはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物等が挙げられる。これらの物理現像核の微粒子層は、真空蒸着法、カソードスパッタリング法、コーティング法によってプラスチック樹脂フィルム上に設けることができる。生産効率の面からコーティング法が好ましく用いられる。物理現像核層における物理現像核の含有量は、固形分で1平方メートル当たり0.1〜10mg程度が適当である。
物理現像核層には、親水性バインダーを含有してもよい。親水性バインダー量は物理現像核に対して10〜500質量%程度が好ましい。親水性バインダーとしては、ゼラチン、アラビアゴム、セルロース、アルブミン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、各種澱粉、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミドとビニルイミダゾールの共重合体等を用いることができる。好ましい親水性バインダーは、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等の蛋白質である。
基材としてプラスチック樹脂フィルムを用いる場合は、基材と物理現像核層との間に蛋白質からなるベース層(蛋白質含有ベース層;以降、単にベース層と言う)を有することは好ましい。基材とベース層の間には、更に塩化ビニリデンやポリウレタン等の易接着層を有することは好ましい。ベース層に用いられる蛋白質としては、ゼラチン、アルブミン、カゼイン或いはこれらの混合物が好ましく用いられる。ベース層における蛋白質の含有量は1平方メートル当たり10〜300mgが好ましい。
物理現像核層には、例えばクロム明ばんのような無機化合物、ホルマリン、グリオキザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様なアルデヒド類、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロートリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々蛋白質の架橋剤(硬膜剤)の一種若しくは二種以上を含有することは好ましい。これらの架橋剤の中でも、好ましくは、グリオキザール、グルタルアルデヒド、3−メチルグルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、アジポアルデヒド等のジアルデヒド類であり、より好ましい架橋剤は、グルタルアルデヒドである。架橋剤は、ベース層及び物理現像核層に含まれる合計の蛋白質に対して0.1〜30質量%を物理現像核層に含有させるのが好ましく、特に1〜20質量%が好ましい。
本発明の銀錯塩拡散転写法(DTR法)及び硬化現像法を用いた導電性材料前駆体においては、光センサーとしてハロゲン化銀乳剤層が支持体上に設けられる。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においてもそのまま用いることもできる。
本発明におけるハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせてもよい。ハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、当業界では周知の方法が用いられる。なかでも同時混合法の一種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。
本発明におけるハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、8面体状、14面体状など様々な形状であることができる。
本発明におけるハロゲン化銀乳剤の製造においては、必要に応じてハロゲン化銀粒子の形成或いは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、或いはロジウム塩若しくはその錯塩、イリジウム塩若しくはその錯塩などVIII族金属元素の塩若しくはその錯塩
を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、或いは組み合わせて用いることができる。また本発明においてハロゲン化銀乳剤は必要に応じて色素増感することもできる。
本発明に用いる導電性材料前駆体に含有されるハロゲン化銀の量は銀に換算して0.1g/m2以上、好ましくは0.3〜3g/m2である。
本発明においてハロゲン化銀乳剤層はバインダーを含有する。本発明においては非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。本発明における好ましいバインダーとしては、例えば、ゼラチン、カゼインなどの蛋白質類、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これら水溶性ポリマーの中でもゼラチンなどの蛋白質が好ましい。
本発明においてハロゲン化銀乳剤層には上記ポリマーバインダーの他に高分子ラテックスを用いることもできる。高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体など各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレンなどがあり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン、スチレン・ブタジエン、スチレン・p−メトオキシスチレン、スチレン・酢酸ビニル、酢酸ビニル・塩化ビニル、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル、メチルメタクリレート・アクリロニトリル、メチルメタクリレート・ブタジエン、メチルメタクリレート・スチレン、メチルメタクリレート・酢酸ビニル、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン、メチルアクリレート・アクリロニトリル、メチルアクリレート・ブタジエン、メチルアクリレート・スチレン、メチルアクリレート・酢酸ビニル、アクリル酸・ブチルアクリレート、メチルアクリレート・塩化ビニル、ブチルアクリレート・スチレン等がある。本発明で用いる高分子ラテックスの平均粒径は0.01〜1.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.8μmである。
本発明におけるハロゲン化銀乳剤層に含有する水溶性ポリマーと非水溶性ポリマーの総量、即ち総バインダー量については、バインダー量が少ないと塗布性に悪影響を及ぼし、また安定したハロゲン化銀粒子も得られなくなる、一方、多過ぎると導電性が得られ難くなり、生産性を落としてしまうなど、品質に大きな影響を与える。好ましいハロゲン化銀(銀換算)と総バインダーとの質量比(銀/総バインダー)は0.5以上、より好ましくは1.5〜3.5である。また、好ましい総バインダー量は0.05〜3g/m2以上、更に好ましくは0.1〜1g/m2である。
ハロゲン化銀乳剤層には、更に種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)308119(1989年12月)に記載、或いは引用された文献に記載されている。
本発明に用いる導電性材料前駆体には必要に応じて支持体のハロゲン化銀乳剤層と反対面に裏塗層やハロゲン化銀乳剤層の上にオーバー層、ハロゲン化銀乳剤層の下に下引き層などを設けることができる。
本発明に用いる導電性材料前駆体のオーバー層、下引き層についてはハロゲン化銀乳剤層と同様のバインダーを用いることができる。更にオーバー層、下引き層には公知の界面活性剤、現像抑制剤、イラジエーション防止色素、顔料、マット剤、滑剤などを含有することができる。
本発明の硬化現像法を用いた導電性材料前駆体は、少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有し、また膨潤抑制剤を含有することが好ましい。本発明における膨潤抑制剤とは導電性材料前駆体を硬化現像液で処理する際に水溶性バインダーが膨潤するのを妨ぎ、画像のにじみを防いで画像の鮮鋭性を上げ、また導電性を上げるために用いる。膨潤抑制剤として作用するか否かはpH3.5の5%ゼラチン水溶液に膨潤抑制剤0.35mol/Lになるよう加えてゼラチンの沈澱が発生するかどうかで調べられ、この試験でゼラチンの沈澱が発生するような薬品は全て膨潤抑制剤として作用する。膨潤抑制剤の具体例としては、例えば硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化マンガン、燐酸マグネシウムなどの無機塩類、或いは例えばベンゼンスルホン酸、ジフェニルスルホン酸、s−スルホサリチル酸、p−トルエンスルホン酸、フェノールジスルホン酸、α−ナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンスルホン酸、1−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、ジナフチルメ
タンスルホン酸などのスルホン酸類、例えばポリビニルベンゼンスルホン酸、無水マレイン酸とビニルスルホン酸の共重合物、ポリビニルアクリルアミドなどの高分子沈澱剤として用いられる化合物などが挙げられる。これら膨潤抑制剤は単独でも組み合わせて用いても良いが、無機塩類、特に硫酸塩類を使用することが好ましい。これら膨潤抑制剤は導電性材料前駆体のどの層に含有されていても良いが、特にハロゲン化銀乳剤層に含有されていることが好ましい。これら膨潤抑制剤の好ましい含有量は0.01〜10g/m2、更に好ましくは0.1〜2g/m2である。
本発明の硬化現像法を用いた導電性材料前駆体は、硬化現像薬を含有することが特に好ましい。硬化現像薬としては、ポリヒドロキシベンゼン、例えばハイドロキノン、カテコール、クロロハイドロキノン、ピロガロール、ブロモハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、トルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、2,3−ジブロモハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシ−2−アセトフェノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、4−フェニルカテコール、4−t−ブチルカテコール、4−s−ブチルピロガロール、4,5−ジブロモカテコール、2,5−ジエチルハイドロキノン、2,5−ベンゾイルアミノハイドロキノン、などがある。また、アミノフェノール化合物、例えばN−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール−2,4−ジアミノフェノール、p−ベンジルアミノフェノール、2−メチル−p−アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル−p−アミノフェノールなど、また、その他にも例えば特開2001−215711号公報、特開2001−215732号公報、特開2001−312031号公報、特開2002−62664号公報記載の公知の硬化現像薬を用いることができるが、特にベンゼン核の少なくとも1,2位にヒドロキシル基が置換したベンゼンが好ましい。また、これらの硬化現像薬を併用して用いることも可能である。更に、3−ピラゾリドン類、例えば1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、及び1−p−クロロフェニル−3−ピラゾリドンなどの公知の写真現像液に用いる還元剤を上記硬化現像薬に併せて用いることも可能である。
これら硬化現像薬は導電材料前駆体のどの層に含有されても良いが、ハロゲン化銀乳剤層若しくは下引き層に含有されることが好ましく、特にハロゲン化銀乳剤層に含有されていることが好ましい。含有する好ましい量はハロゲン化銀乳剤層の水溶性バインダーを耐水化できるだけの量であるため、使用する水溶性バインダーの量に応じて変化する。好ましい硬化現像薬の量は0.01〜0.5mmol/水溶性バインダー1g、更に好ましくは0.1〜0.4mmol/水溶性バインダー1gである。これら硬化現像薬は塗液に溶解させて各層に含有させても良いし、オイル分散液に溶解させて各層中に含有させることも可能である。
前記銀錯塩拡散転写法若しくは硬化現像法を用いた導電性材料前駆体を用い、透明導電性材料を作製するための方法は、例えば網目状パターンの銀薄膜の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀乳剤層は網目状パターンに露光されるが、露光方法として、網目状パターンの透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を密着して露光する方法、或いは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。上記したレーザー光で露光する方法においては、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードとも言う)を用いることができる。
導電性材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、或いはイラジエーション防止剤として用いることは好ましい。ハレーション防止剤としてはハロゲン化銀乳剤層と支持体の間の下引き層や或いは裏塗層に含有させることができる。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのがよい。添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、例えばハレーション防止剤として裏塗層に含有させる場合、1平方メートル当たり、約20mg〜約1gの範囲が望ましく、好ましくは、極大吸収波長における光学濃度として、0.5以上である。
また、本発明の定着処理工程を利用する導電性材料前駆体としての銀塩感光材料に用いられる透明支持体には、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、ガラス板などが挙げられる。更に本発明においては支持体上にハロゲン化銀写真乳剤層との接着性を向上させるための下引き層や帯電防止層などを必要に応じて設けることもできる。
本発明の定着処理工程を利用する導電性材料前駆体においては、光センサーとしてハロゲン化銀乳剤層が支持体上に設けられる。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においてもそのまま用いることもできる。
本発明におけるハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。ハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、当業界では周知の方法が用いられる。なかでも同時混合法の一種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。
本発明におけるハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、8面体状、14面体状など様々な形状であることができる。
本発明におけるハロゲン化銀乳剤の製造においては、必要に応じてハロゲン化銀粒子の形成或いは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、或いはロジウム塩若しくはその錯塩、イリジウム塩若しくはその錯塩などVIII族金属元素の塩若しくはその錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、或いは組み合わせて用いることができる。また本発明においてハロゲン化銀乳剤は必要に応じて色素増感することもできる。
本発明においてハロゲン化銀乳剤層はバインダーを含有する。また硬膜剤を含有することも好ましい。本発明においては非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。本発明における好ましいバインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。
本発明においてハロゲン化銀乳剤層には上記ポリマーバインダーの他に高分子ラテックスを用いることもできる。高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体など各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレンなどがあり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン、スチレン・ブタジエン、スチレン・p−メトオキシスチレン、スチレン・酢酸ビニル、酢酸ビニル・塩化ビニル、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル、メチルメタクリレート・アクリロニトリル、メチルメタクリレート・ブタジエン、メチルメタクリレート・スチレン、メチルメタクリレート・酢酸ビニル、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン、メチルアクリレート・アクリロニトリル、メチルアクリレート・ブタジエン、メチルアクリレート・スチレン、メチルアクリレート・酢酸ビニル、アクリル酸・ブチルアクリレート、メチルアクリレート・塩化ビニル、ブチルアクリレート・スチレン等がある。本発明で用いる高分子ラテックスの平均粒径は0.01〜1.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.8μmである。
本発明において高分子ラテックスはその使用量が多過ぎると塗布性に悪影響を及ぼすため、ポリマーバインダーとの質量比(高分子ラテックス/ポリマーバインダー)が1.0以下で用いることが好ましい。また、ハロゲン化銀乳剤層に含有する高分子ラテックスとポリマーバインダーの総量、即ち総バインダー量については、バインダー量が少ないと塗布性に悪影響を及ぼし、また安定したハロゲン化銀粒子も得られなくなる、一方、多過ぎると多量にめっきをしないと導電性が得られなくなり、生産性を落としてしまうなど、品質に大きな影響を与える。好ましいハロゲン化銀(銀換算)と総バインダーとの重量比(銀/総バインダー)は1.2以上、より好ましくは1.5〜3.5である。
ハロゲン化銀乳剤層には、更に種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)及び18716(1979年11月)308119(1989年12月)に記載、或いは引用された文献に記載されている。
本発明における導電性材料前駆体には必要に応じて支持体のハロゲン化銀乳剤層と反対面に裏塗層やハロゲン化銀乳剤層の上にオーバー層などを設けることができる。
上記導電性材料前駆体を用い、透明導電性材料を作製するための方法は、例えば網目状パターンの銀薄膜の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀乳剤層は網目状パターンに露光されるが、露光方法として、網目状パターンの透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を密着して露光する方法、或いは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。上記したレーザー光で露光する方法においては、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードとも言う)を用いることができる。
導電性材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、或いはイラジエーション防止剤として用いることは好ましい。ハレーション防止剤としてはハロゲン化銀乳剤層と支持体の間の下引き層や或いは裏塗層に含有させることができる。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのがよい。添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、例えばハレーション防止剤として裏塗層に含有させる場合、1平方メートル当たり、約20mg〜約1gの範囲が望ましく、好ましくは、極大吸収波長における光学濃度として、0.5以上である。
次に、本発明の現像処理に用いる現像液について説明する。銀錯塩拡散転写現像のための現像液は、可溶性銀錯塩形成剤、還元剤、及びアルカリ剤を含有する。可溶性銀錯塩形成剤は、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物であり、還元剤はこの可溶性銀錯塩を還元して物理現像核上に金属銀を析出させるための化合物であり、これらの作用はアルカリ液中で行われる。
可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸アンモニウム及びチオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、オキサドリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、USP5,200,294に記載のようなチオエーテル類、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に、T.H.James著の「The Theory of the photographic Process(4th edition,p474−475)」(1977年)に記載されている化合物が挙げられる。
これらのハロゲン化銀溶剤の中でも特にチオ硫酸塩、アルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンとしては、例えば2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、N,N−エチル−2、2’−イミノジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
次に、還元剤について説明する。還元剤は写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸及びその誘導体、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。
上記した可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤は、物理現像核層と一緒にプラスチック樹脂フィルムに塗布してもよいし、ハロゲン化銀乳剤層中に添加してもよいし、またはアルカリ液中に含有させてもよく、更に複数の位置に含有してもよい。
アルカリ液中への可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、現像液1L当たり、0.1〜5モルの範囲で用いるのが適当であり、還元剤は現像液1L当たり0.05〜1モルの範囲で用いるのが適当である。
アルカリ液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14が好ましい。本発明において銀錯塩拡散転写現像を行うためのアルカリ液の適用は、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯留されたアルカリ液中に、物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層が設けられたプラスチック樹脂フィルム(銀薄膜形成フィルム前駆体)を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えばハロゲン化銀乳剤層上にアルカリ液を1平方メートル当たり40〜120ml程度塗布するものである。
本発明において、導電性及び金属光沢を向上させるための好ましい態様は、アルカリ液を適用するときのアルカリ液の温度を20℃以下にすることである。下限の温度は2℃程度である。アルカリ液の適用時間は、20秒〜3分程度が適当である。この態様は、特に浸漬法式の場合に好適である。
次に硬化現像法を利用する導電性材料前駆体の現像に用いる硬化現像液について説明する。硬化現像液にはアルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、或いはアミン化合物を利用することができ、その後に粘稠剤、例えばカルボキシメチルセスロース、現像助薬、例えば3−ピラゾリジノン類、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチル酸、メソイオン性化合物等の添加剤等を含ませることができる。現像液のpHは通常10〜14である。通常の銀塩写真現像液に用いる保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウムなどは硬化現像による硬化反応を停める作用があるので、本発明における硬化現像液では保恒剤は少なくとも20g/L以下の使用量、好ましくは10g/L以下の使用量が好ましい。
銀錯塩拡散転写法(DTR法)及び硬化現像法を利用する導電性材料前駆体は、現像処理の後、光透過部のハロゲン化銀乳剤層を除去し、支持体面を露出させる工程が含まれる。本工程はハロゲン化銀乳剤の除去を主目的としているので、本工程で用いられる処理液は水を主成分とする。処理液は緩衝成分を含有してもよい。また、除去したゼラチンの腐敗を防止する目的で、防腐剤を含有することができる。
本発明の別の実施態様として、定着処理工程を利用する導電性材料前駆体を製造する方法に用いる処理液について説明する。各工程の間では停止液等の中和液による処理、或いは水洗工程等を入れて前工程の液をその工程の液に持ち込ませない様することもできる。
該現像処理工程に用いる現像液は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、例えば三菱製紙社製のGekkol、MRA−CD1001、富士写真フイルム社製のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、LD745、LD835、KODAK社製のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72、RA2000などの現像液、またはそのキットに含まれる現像液、また、D−85などのリス現像液を用いることができる。
本発明において現像処理の後、停止処理を行ことが好ましい。停止処理は通常酸性の停止液を用いるが、水洗のみでも可能であり、本発明の図1の現像、水洗処理を用いることができる。好ましい停止液としては「写真の化学」(笹井著、写真工業出版社(株))p305記載の停止液が挙げられる。
本発明において定着とは未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる。本発明におけるめっき前に行う定着処理に用いる定着液には脱銀剤が含まれる。チオ硫酸アンモニウム及びチオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、1,10−ジチアー18−クラウン−6、2,2’−チオジエタノールなどのチオエーテル類、オキサドリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス4版」(T.H.ジェームス編、1977年)の474〜475項に記載されている化合物が挙げられる。
これらの脱銀剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。また脱銀剤の使用量としては脱銀剤の合計で処理液1L当たり、0.01〜5モルが好ましく、より好ましくは0.1〜3モルの範囲である。
定着処理工程を利用する導電性材料前駆体を製造する方法に用いる定着液としては脱銀剤の他にも保恒剤として亜硫酸塩、重亜硫酸塩、pH緩衝剤として酢酸、硼酸アミン、燐酸塩などを含むことができる。また、硬膜剤として水溶性アルミニウム(例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、カリ明ばん等)、アルミニウムの沈澱防止剤として二塩基酸(例えば、酒石酸、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸リチウム、クエン酸カリウム等)も含有させることができる。定着液の好ましいpHは脱銀剤の種類により異なり、特にアミンを使用する場合は8以上,好ましくは9以上である。定着処理温度は通常10℃から45℃の間で選ばれるが、より好ましくは25℃〜35℃である。
本発明の現像処理装置によって処理される導電性材料前駆体の導電性が、どの程度導電性を付与するかは用いる用途に応じて異なるが、例えばPDP用に用いる電磁波シールド材として用いるためには表面抵抗値2.5Ω/□以下、好ましくは1.5Ω/□以下が要求されているので、本発明の現像処理装置により形成された現像銀部に更に高い導電性を付与する目的で、めっき処理を行うことも好ましい。本発明において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、または無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。
無電解めっきは、公知の無電解めっき技術、例えば無電解ニッケルめっき,無電解コバルトめっき、無電解金めっき、銀めっきなどを用いることができるが、低コストにて十分な導電性と透明性を得るためには無電解銅めっきを行うことが好ましい。
無電解銅めっき液には硫酸銅や塩化銅など銅の供給源、ホルマリンやグリオキシル酸、テトラヒドロホウ酸カリウム、ジメチルアミンボランなど還元剤、EDTAやジエチレントリアミン5酢酸、ロシェル塩、グリセロール、メソーエリトリトール、アドニール、D−マンニトール、D−ソルビトール、ズルシトール、イミノ2酢酸、t−1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸、1,3−ジアミノプロパンー2−オール,グリコールエーテルジアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の銅の錯化剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのpH調整剤などが含有される。更にその他に浴の安定化やめっき皮膜の平滑性を向上させるための添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジル,o−フェナントロリン、ネオクプロイン、チオ尿素、シアン化物などを含有させることもできる。めっき液は安定性を増すため、エアレーションを行うことが好ましい。
無電解銅めっきでは前述の通り種々の錯化剤を用いることができるが、錯化剤の種類により酸化銅が共析し、導電性に大きく影響したり、或いはトリエタノールアミンなど銅イオンとの錯安定定数の低い錯化剤は銅が沈析しやすいため、安定しためっき液やめっき補充液が作り難いなどということが知られている。従って工業的に通常用いられる錯化剤は限られており、本発明においても同様の理由でめっき液の組成として特に錯化剤の選択は重要である。特に好ましい錯化剤としては銅錯体の安定定数の大きいEDTAやジエチレントリアミン5酢酸などが挙げられ、このような好ましい錯化剤を用いためっき液としては例えばプリント基板の作成に使用される高温タイプの無電解銅めっきがある。高温タイプの無電解銅めっきの手法については「無電解めっき 基礎と応用」(電気鍍金研究会編)p105などに詳しく記載されている。高温タイプのめっきでは通常60〜70℃で処理し、処理時間は無電解めっき後に電解めっきを施すかどうかで変わってくるが、通常1〜30分、好ましくは3〜20分無電解めっき処理を行うことが好ましい。
本発明において銅以外の無電解めっき処理を行う場合は例えばめっき技術ガイドブック(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p406〜432記載の方法などを用いることができる。
本発明においては無電解めっき以外にも電解めっきを施すこともできる。特に銀錯塩拡散転写法(DTR法)、硬化現像法により得られた画像は無電解めっきを行わずとも、最初から電解めっきを行うことも十分可能である。電解めっきとしては銅めっきやニッケルめっき、亜鉛めっき、カドミウムめっき、錫めっき、合金めっきなど種々のめっき法が知られている、無電解めっき同様低コストで透明性、導電性を確保するためには銅めっきを用いることが好ましい。銅めっき法としては公知の硫酸銅めっき、ホウフッ化銅めっき、シアン化銅めっき、ピロリン酸銅めっきなどいずれの方法でも用いることができるが、廃液の簡便さから硫酸銅めっき、特にハイスロ−硫酸銅めっきを用いることが好ましい。これら電解めっき法の詳細は例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p75〜112などに記載されている。
本発明では、めっき処理の前に金属銀部を無電解めっきを促進させる目的でパラジウムを含有する溶液で活性化処理することもできる。パラジウムとしては2価のパラジウム塩或いはその錯体塩の形でも良いし,また金属パラジウムであっても良い。しかし、液の安定性、処理の安定性から好ましくはパラジウム塩或いはその錯塩を用いることが良い。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、無論この記述により本発明が制限されるものではない。
(実施例1)
以下本実施における銀錯塩拡散転写法を用いた導電性材料前駆体の現像処理装置について、図1を用いて説明する。図1の現像処理装置は、ロールtoロールで処理されるようにロール状の該前駆体の巻出し部16と、該前駆体を現像する現像部4と、該前駆体のハロゲン化銀乳剤層を除去するための水洗部5と、乾燥部6と、乾燥された前駆体をロール状に巻き取るための巻取り部18とを有する。
銀錯塩拡散転写法を用いた導電性材料前駆体を以下のように作製した。透明支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。物理現像核層を塗布する前に、このフィルムに、塩化ビニリデンからなる下引き層を塗布し、その上にゼラチンが50mg/m2のベース層を塗布し乾燥した。次に、硫化パラジウムからなる物理現像核層を固形分で0.4mg/m2になるように塗布し、乾燥した。続いて、ハロゲン化銀乳剤層を上記物理現像核層の上に銀換算で3.0g/m2となるように塗布した。尚、硫化パラジウムからなる物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層は、前述の特開2004−172041号公報の実施例1に従い作製した。
このようにして得た前駆体ロール500mを水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅20μmで格子間隔250μmの網目パターンを有する50cm四方の透過原稿を密着させて露光した。その後下記現像液を用い、現像処理した。
<現像液>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
水を加えて全量を1000mlとし、pH=12.2に調整する。
続いて、図1の現像処理装置において、露光された500m巻の前駆体ロール1は、巻出し軸2から巻出されて搬送されつつ、現像部4で所定時間の現像処理が行われ、水洗部5で不要なハロゲン化銀乳剤層がシャワーノズルから噴出する温水で除去され、乾燥部6で水分を乾燥して巻取り軸9に巻き取られる。水洗部5は、第1水洗槽21、第2水洗槽22、第3水洗槽23、リンス槽24を有し、3つの水洗槽の入口と出口、及びリンス槽の入口にエアナイフが設けられている。水洗部5への補充はリンス貯留槽40へ補充供給口41から温純水を3L/分補充し、所定量以上貯留されるとオーバーフローして温水は、隣接する上流側の第3水洗貯留槽39にオーバーフロー液供給口93から補充し、順次これを繰り返し、第1水洗貯留槽まで補充される。
(比較例1)
比較例1として、図1の現像処理装置において、水洗部5が、第1水洗槽21、第2水洗槽22とリンス槽24を有し、各水洗槽の入口と出口、及びリンス槽の入口にエアナイフを装備した水洗処理を実施し、乾燥して巻き取った。尚、導電性材料前駆体は、実施例1と同様の方法で作製したものを用いた。
(比較例2)
比較例2として、図1の現像処理装置において、水洗部5が、第1水洗槽21、第2水洗槽22、第3水洗槽23、リンス槽24を有するが、各水洗槽の入口と出口、及びリンス槽入口のエアナイフを装備しないで水洗処理を実施し、乾燥して巻き取った。尚、導電性材料前駆体は、実施例1と同様の方法で作製したものを用いた。
上記のようにして得られた網目パターン状銀薄膜が形成された透明導電性フィルムの表面付着物の有無を450m処理した後のサンプル10枚を用いて調査した。付着物の数については、50cm四方をまず目視で確認し、その後100倍のルーペを用いて一片の大きさが100μm以上のものを数え、その1枚当たりの平均値を求めた。その結果、実施例1の導電性フィルムは、2個以下で良好であった。しかし、比較例2の導電性フィルムは約10個であった。比較例1の導電性フィルムの表面には水洗槽に滞留したゼラチンを含むスラッジの付着は約7個であり、比較例2に比べて少ないが、水洗槽への水洗水補充量を3L/分から10L/分に増加したが、500mの水洗処理を終了した箇所では、約5個のスラッジの付着物が認められた。
(実施例2)
次に定着処理工程を利用する導電性材料前駆体の現像処理装置について、図2を用いて説明する。図2の現像処理装置は、ロールtoロールで処理されるようにロール状の該前駆体の巻出し部16と、該前駆体を現像する現像部4と、該前駆体のハロゲン化銀乳剤層を溶解・除去するための定着部17と、金属銀画像膜の安定化処理を行う水洗部5と、乾燥部6と、乾燥された前駆体をロール状に巻き取るための巻取り部18とを有する。
定着処理工程を利用する導電性材料前駆体を以下のように作製した。透明支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。このフィルムに、塩化ビニリデンからなる下引き層を塗布し、その上にゼラチンが50mg/m2のベース層を塗布し乾燥した。次に、前述のハロゲン化銀乳剤にゼラチン硬膜剤を添加し、銀換算で1.0g/m2となるように塗布し乾燥した。
このようにして得た前駆体ロール500mを水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、細線幅20μmで格子間隔250μmの網目パターンの透過原稿を密着させて露光した。その後、特開2004−221564号公報の実施例1に記載の現像液及び定着液を用いて、現像処理した。
続いて、図2の現像処理装置において、露光された500m巻の前駆体ロール1は、巻出し軸2から巻出されて搬送されつつ、現像部4で所定時間の現像処理が行われ、定着部17で不要なハロゲン化銀乳剤層が定着液で溶解・除去され、水洗部5で金属銀画像膜の安定化処理のためスプレーノズルから噴出する温調された水洗水で洗浄され、乾燥部6で水分を乾燥して巻取り軸9に巻き取られる。水洗部5は、第1水洗槽71、第2水洗槽72、第3水洗槽73、リンス槽74を有し、各水洗槽の入口と出口、及びリンス槽の入口には槽間汚染を防止するため、液切り手段となる絞りローラー対82が付設されている。水洗部5への補充はリンス槽74へ温純水を4L/分補充し、所定量以上貯留されるとオーバーフローして温水は、隣接する上流側の第3水洗槽73にオーバーフロー液供給口78から補充し、順次これを繰り返し、第1水洗槽まで補充される。この後、0.001モル/LのPdCl2水溶液に20℃10秒浸漬した後、下記めっき液を用いて銅めっきをを行った。銅めっき処理は70℃で10分間とし、その間めっき液はエアレーションを行った。
<銅めっき液>
硫酸銅5水和物 10g
EDTA・2Na 40g
ホルマリン(37%) 3ml
水酸化ナトリウム 9g
ビピリジル 0.01g
ポリエチレングリコール 0.01g
水を加えて1Lとした。pH=12.2に調整する。
(比較例3)
比較例3として、図2の現像処理装置において、水洗部5が、第1水洗槽71、第2水洗槽72とリンス槽74を有し、各水洗槽の入口と出口、及びリンス槽の入口に絞りローラー対82を装備した水洗処理を実施し、乾燥して巻き取った。尚、導電性材料前駆体は、実施例2と同様の方法で作製したものを用いた。この後、実施例2と同様にPdCl2水溶液処理し、銅めっきを行った。
(比較例4)
比較例4として、図2の現像処理装置において、水洗部5が、第1水洗槽71、第2水洗槽72、第3水洗槽73、リンス槽74を有するが、各槽間の絞りローラー対を装備しないで水洗処理を実施し、乾燥して巻き取った。尚、導電性材料前駆体は、実施例2と同様の方法で作製したものを用いた。この後、実施例2と同様にPdCl2水溶液処理し、銅めっきを行った。
Figure 2007240593
表1から明らかなように本発明の水洗部が少なくとも3槽の水洗槽とリンス槽を有し、液切り手段となる絞りローラー対を設けた構成で水洗処理すると、後工程のめっき工程のめっき効率が飛躍的に向上させることができることが判る。
本発明の現像処理装置によって得られる導電性パターンは、電磁波シールドフィルムやタッチパネル等の用途に用いられる透明導電性フィルム等に利用可能である。
本発明の処理装置の一例を示す断面図 本発明の処理装置の一例を示す断面図
符号の説明
1 ロール状の前駆体ロール
2 巻出し軸
3 張力制御手段
4 現像部
5 水洗部
6 乾燥部
8 巻取りロール
9 巻取り軸
11 反転ローラー
13 現像槽
14 現像液
16 巻出し部
17 定着部
18 巻取り部
21 第1水洗槽
24 リンス槽
25 エアナイフ
27 シャワーノズル
37 第1水洗貯留槽
42 循環ポンプ
43 フィルター
50 ローラー
66 吹き出しノズル
78 オーバーフロー液供給口
82 絞りローラー対
93 オーバーフロー液供給口
F 前駆体

Claims (4)

  1. 少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する導電性材料前駆体を露光後、現像処理する装置において、水洗部が少なくとも3槽の水洗槽とリンス槽、続いて該感光層を乾燥する乾燥部から構成され、該各水洗槽の入口と出口、及び該リンス槽の入口に処理液切り手段を設けたことを特徴とする導電性材料前駆体の現像処理装置。
  2. 請求項1記載の現像処理装置において、水洗部に補充される水洗液を下流側の水洗貯留槽に補充し、該水洗貯留槽の液面レベルを超えた水洗液をオーバーフローさせて、下流側の水洗貯留槽に隣接する上流側の水洗貯留槽へ投入するオーバーフロー液供給手段を少なくとも3つ有することを特徴とする請求項1記載の導電性材料前駆体の現像処理装置。
  3. 前記処理液切り手段として、エアナイフを用いることを特徴とする請求項1及び2に記載の導電性材料前駆体の現像処理装置。
  4. 前記銀塩感光材料が、少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層と物理現像核層を有する銀錯塩拡散転写法を利用する導電性材料前駆体である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性材料前駆体の現像処理装置。
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