JP2007127946A - 感光材料の現像処理方法及びこれを用いた現像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性材料の製造方法において、生産性の良い導電性材料が得られるための現像処理方法を提供する。
【解決手段】現像処理方法において、少なくとも1層の感光層を有する銀塩感光材料を露光し、現像処理した後、該感光層に気体を吹き付け、該感光層を吸引して除去することを特徴とする感光層の現像処理方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像形成後に不要となった画像形成層を除去する工程を含む現像処理方法に関する。詳しくは、基材上に金属銀からなる導電性パターンを形成するための現像処理方法及びその現像処理方法に用いられる処理装置に関する。更には、透明基材上に導電性パターン(例えば格子状のパターン)が形成された、電磁波シールドフィルムやタッチパネル等の用途に用いることができる透明導電性フィルムの処理方法に関するものである。
近年、情報化社会が急速に発達するに伴って、情報関連機器に関する技術が急速に進歩し普及してきた。この中で、ディスプレイ装置は、テレビジョン用、パーソナルコンピューター用、駅や空港などの案内表示用、その他各種情報提供用に用いられている。特に、近年プラズマディスプレイが注目されている。
このような情報化社会の中にあって、これらのディスプレイ装置から放射される電磁波の影響が心配されている。例えば、周辺の電子機器への影響や人体への影響が考えられている。特に、人体の健康に及ぼす影響は無視することができないものになっており、人体に照射される電磁界の強度の低減が求められ、このような要求に対して様々の透明導電性フィルム(電磁波シールドフィルム)が開発されている。例えば、特開平9−53030号、特開平11−126024号、特開2000−294980号、特開2000−357414号、特開2000−329934号、特開2001−38843号、特開2001−47549号、特開2001−51610号、特開2001−57110号、特開2001−60416号公報等に開示されている。
これらの透明導電性フィルムの製造方法としては、銀、銅、ニッケル、インジウム等の導電性金属をスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法によって透明樹脂フィルム上に金属薄膜を形成させる方法が一般的に用いられている。これら従来方法では工法が極めて複雑になるため、高コストで生産性が悪いという問題が発生していた。
また、透明導電性材料に求められる別の性能として導電性と光透過率がある。導電性を高くするにはある程度の幅と厚みを持った金属薄膜微細パターンを作る必要があるが、同時に光を遮断する金属からなるパターンの線幅を太くすると透過率が低下するので、この両者を満足させるには十分な導電性を持った微細な金属パターン、特に必要最小限の幅で均一なパターンを製造する必要があるが、従来の方法ではこれは満足出来なかった。
均一なパターンを作ると言う観点において、近年透明導電性材料前駆体としてハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩写真感光材料を使用する方法が提案されている。例えば国際公開特許01/51276号パンフレット(特許文献1)では銀塩写真感光材料を像露光、現像処理した後、金属めっき処理を施すことで透明導電性材料を製造する方法の提案がなされている。また、特開2004−221564号公報(特許文献2)においてはめっき効率をあげようとすべく、ハロゲン化銀乳剤層の銀/ゼラチンの比を変化させて銀の比率を高くすることで効率を上げようとしている。しかしながらこれら銀塩写真感光材料を導電性材料前駆体として用いる場合、光透過部となる像露光時の未露光部に含有されるハロゲン化銀は除去されるものの、バインダーは除去されずに残存する。この残存するバインダーが導電性材料の製造工程途中で処理液により汚染され、着色してしまったり、あるいは未感光でありながら現像されて作られたカブリ現像銀がバインダーと一緒に残ってしまったりするなど、光透過部の透明性において未だ不十分であるという問題が存在していた。
一方、同じく銀塩感光材料を使う方法として銀錯塩拡散転写法を用いる方法も提案されており、例えば国際公開特許04−007810号パンフレット(特許文献3)、特開2004−172041号、特開2004−253329号公報等がある。また銀塩感光材料を用いる他の方法としては、支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩感光材料を露光後、硬化現像することを特徴とする導電性材料の製造方法等を挙げることができる。硬化現像法とは、J.Photo.Sci.誌11号 p1、A.G.Tull著(1963)或いは「The Theory of the photographic Process(4th edition,p326−327)」、T.H.James著等に記載されているように、基材上に作製した実質的に硬膜剤を含まない未硬膜のハロゲン化銀乳剤層を、ポリヒドロキシベンゼン系等の現像主薬を含む現像液で処理することによって、現像主薬が露光されたハロゲン化銀を還元した際に、現像主薬自身から生成された酸化化合物により、ゼラチンを始めとする水溶性ポリマーを架橋し画像状に硬膜させる方法である。これらの方法では、光透過部となる場所のバインダーは現像後の水洗処理で除去されるために、前述のバインダーの染色や、カブリ銀の残存と言う問題は存在せず好ましい方法である。
しかしながら上述の銀錯塩拡散転写法、硬化現像法の何れの方法においても、銀塩感光材料を露光、現像後、不要となったハロゲン化銀乳剤層は水洗工程で水洗除去されるが、銀塩感光材料の現像処理量が増加するに伴いゼラチンや銀等を含むいわゆるスラッジが水洗槽に滞留し、これを取り除くために大量の水洗水が必要になるという問題を有していた。更には水洗槽に滞留したスラッジが、パターンが描かれたフィルムに付着してしまうという問題を有していた。
ところで、上記ハロゲン化銀乳剤層を有する銀塩写真感光材料を利用して得れたメッシュパターンの金属銀に、無電解メッキおよび/または電解メッキして細線パターンを形成することは、より高い導電性が得られ、従って前述の導電性と光透過率を満足させるためには極めて有効な手法である。メッシュパターンの金属銀に、無電解メッキおよび/または電解メッキを施す場合、生産性の観点から、ロールtoロールで製造できれば非常に好ましい。従って上述の銀錯塩拡散転写法、硬化現像法の何れの方法に於いても、露光・現像処理により得られるメッシュパターンはロール状に巻き取られた状態(例えば60m以上、場合によっては500m以上にも達する)で供給されることが望ましい。また細線パターンの形成に利用されるハロゲン化銀量は、支持体上に塗布されたハロゲン化銀に対して数%である。従って露光された銀塩感光材料のロール状物を現像処理する場合、短期間に集中してゼラチンや銀等を含むいわゆるスラッジが水洗槽中に滞留し、上記問題が更に顕著に表れる。
銀錯塩拡散転写法においては、特開平3−116151号(特許文献4)、特開平4−282295号公報等(特許文献5)に記載される様に、不要となったハロゲン化銀乳剤層の水洗・除去は、非加熱水または非加熱水性媒体によって、あるいはそれらに浸漬した後緩やかに攪拌することによって、あるいはそれらをスプレーあるいはジェットの機械的圧力によって実施できることが知られている。また特開2005−107304号公報等に記載されるような、スクラブローラー等を用いて温水シャワーを噴射しながら除去する方法が一般に知られている。しかし無電解メッキおよび/または電解メッキ前のメッシュパターンにスクラブローラーが接することは断線等の問題が発生することから好ましくなく、また温水をノズル等でジェット噴射しても、スラッジは水洗水中に滞留する。更に、ハロゲン化銀乳剤層等を水洗液で除去することは、ゼラチンや銀等を含む大量の水洗液の廃棄処理が必要であり、環境上および経済上の大きな問題と言える。
一方、特開2001−142218号公報(特許文献6)には不要となったハロゲン化銀乳剤層を機械的剥離手段、例えば、シリカ100部とゼラチン30部の割合で分散した水溶液をポリエチレン樹脂被覆紙に塗布した微粒子層を有するロール状剥離紙を、乳剤層に密着した後、乳剤層を剥離することが提案されている。前記ロール状剥離紙は、元巻きローラから送られて版面に接触密着し、巻き取りローラで巻き取られる。しかしながら、元巻きローラ、巻き取りローラ、及びその駆動装置等を組み込むことにより、装置が大型化する。また、剥離シートという消耗品が追加されることにより廃棄物が増えることになり、経済性に乏しく、環境負荷が高くなる。
また、特開2002−282765号公報(特許文献7)には塗布層端部及び塗布先端部の厚塗部の液状塗布組成物を吸引ノズルと気体吹き出しノズルで除去する方法及び装置が提案されている。しかしながら、塗布層厚塗り部に限定した発明であり、現像処理については何ら示唆されていない。
国際公開特許01/51276号パンフレット 特開2004−221564号公報 国際公開特許04/007810号パンフレット 特開平3−116151号公報 特開平4−282295号公報 特開2001−142218号公報 特開2002−282765号公報
従って、本発明の目的は、生産性の良い導電性材料が得られるための製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の現像処理方法及び現像処理装置によって達成された。
1)現像処理方法において、少なくとも1層の感光層を有する銀塩感光材料を露光し、現像処理した後、該感光層に気体を吹き付け、該感光層を吸引して除去することを特徴とする感光層の現像処理方法を提供することにある。
2)現像処理装置において、少なくとも1層の感光層を有する予め露光された銀塩感光材料を現像する手段、その後に該感光層に気体を吹き付ける手段および、該感光層を吸引する手段を有することを特徴とする感光材料の現像処理装置を提供することにある。
本発明の導電性材料製造方法あるいは製造装置により、生産性の良い導電性材料が得られる現像処理方法を提供することができた。とりわけ、ロール状の感光材料を露光、現像処理し、ロール状に巻き取るいわゆるロールtoロールで感光材料を現像処理するにあたり、好適である。
以下本発明の感光材料処理方法について図面を用いて詳細に説明する。図1、図2は本発明の一実施態様である感光材料の処理装置の概略断面図である。
図1において、現像槽4の現像液5で処理された連続的に走行するウエブ2に塗られた感光層3を本発明による吸引ノズル1により除去処理する。吸引ノズル1の先端部には、ウエブ2に向けて気体を吹出す吹出しノズル7がウエブ進行方向Dに対して傾斜角度θを持たせて取り付けられている。気体を吹出す吹出しノズル7は、ウエブ進行方向Dと逆向きに吹き付けられるように取り付けるのが好ましい。また、図2には吸引ノズル1に対称に取りつけた吹出しノズル8を補助的に併用使用しても構わない。現像処理された感光層3は、ウエブに向けて気体を吹出す吹出しノズル7及び、吹出しノズル8によりウエブ2から剥ぎ取られ、吸引ノズル1の先端から吸引され、図示しない排気装置により、吸引ノズル1上部に取り付けられる配管より排出される。
図1において、吸引ノズル1及び気体を吹出す吹出しノズル7の先端は、ウエブ2、感光層3に直接当たらないようにウエブ2との距離Aに設置される。距離Aは、0.2mm〜2mm程度、より好ましくは、0.3mm〜1mmがよい。
吹出すノズル7とウエブ2との角度θは、ウエブ2に対する吸引ノズル1は垂直として、10°〜70°程度、より好ましくは、20°〜60°がよい。
本発明の吹出しノズル7を備えた吸引ノズル1は、ウエブ2のばたつきが有ると確実な吸引除去が出来ないため、ウエブ2がロール6に抱かれた面で処理することが望ましい。図2における吹き出しノズル7と吹出しノズル8を備えた吸引ノズル1では、除去処理部と現像槽の混在を避けるため、ウエブ2がロール9に抱かれた面で処理することが好ましい。
本発明の吸引ノズル1の幅方向長さはウエブ2の幅より広いことが望ましい。吹き出しノズル7及び8の幅方向長さはウエブ2の幅より広く、吸引ノズル1より狭いことが望ましい。また、吸引ノズル1のスリット幅は0.1mm〜5mm程度、より好ましくは、0.5mm〜2mmがよい。吹き出しノズル7及び8の先端スリット幅は5mm〜30mm程度、より好ましくは10mm〜20mmがよい。
本発明の吸引ノズル1の吸引圧は0.5kPa〜50kPa程度、より好ましくは、1.0kPa〜30kPaがよい。吹き出しノズル7及び8の吹き出し圧は、0.1kPa〜50kPa程度、より好ましくは、0.5kPa〜20kPaがよい。
次に感光層の清浄度を更に向上させるため、温水をノズル等でジェット噴射させる等の水洗工程を設けることが望ましい。また、水洗方法としては、シャワー方式、スリット方式等を単独、或いは組み合わせて使用できる。
本発明に用いる銀錯塩拡散転写法(DTR法)及び硬化現像法を用いた平版印刷版や導電性材料前駆体としての銀塩感光材料に用いられる透明支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルム、ガラス板などが挙げられる。さらに本発明においては支持体上にハロゲン化銀写真乳剤層との接着性を向上させるための下引き層や帯電防止層などを必要に応じて設けることもできる。
本発明に用いる銀錯塩拡散転写法を用いた導電性材料前駆体は、支持体とハロゲン化銀乳剤層との間、あるいは支持体上の下引き層とハロゲン化銀乳剤層との間に、物理現像核層を有する。物理現像核層の物理現像核としては、重金属あるいはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等のコロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属流化物等が挙げられる。これらの物理現像核の微粒子層は、真空蒸着法、カソードスパッタリング法、コーティング法によってプラスチック樹脂フィルム上に設けることができる。生産効率の面からコーティング法が好ましく用いられる。物理現像核層における物理現像核の含有量は、固形分で1平方メートル当たり0.1〜10mg程度が適当である。
物理現像核層には、親水性バインダーを含有してもよい。親水性バインダー量は物理現像核に対して10〜500質量%程度が好ましい。親水性バインダーとしては、ゼラチン、アラビアゴム、セルロース、アルブミン、カゼイン、アルギン酸ナトリウム、各種デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミドとビニルイミダゾールの共重合体等を用いることができる。好ましい親水性バインダーは、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質である。
基材としてプラスチック樹脂フィルムを用いる場合は、基材と物理現像核層との間にタンパク質からなるベース層(タンパク質含有ベース層;以降、単にベース層と云う)を有することは好ましい。基材とベース層の間には、更に塩化ビニリデンやポリウレタン等の易接着層を有することは好ましい。ベース層に用いられるタンパク質としては、ゼラチン、アルブミン、カゼインあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。ベース層におけるタンパク質の含有量は1平方メートル当たり10〜300mgが好ましい。
物理現像核層には、例えばクロム明ばんのような無機化合物、ホルマリン、グリオキザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様なアルデヒド類、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロートリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々タンパク質の架橋剤(硬膜剤)の一種もしくは二種以上を含有することは好ましい。これらの架橋剤の中でも、好ましくは、グリオキザール、グルタルアルデヒド、3−メチルグルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、アジポアルデヒド等のジアルデヒド類であり、より好ましい架橋剤は、グルタルアルデヒドである。架橋剤は、ベース層及び物理現像核層に含まれる合計のタンパク質に対して0.1〜30質量%を物理現像核層に含有させるのが好ましく、特に1〜20質量%が好ましい。
本発明に用いる銀錯塩拡散転写法(DTR法)及び硬化現像法を用いた導電性材料前駆体においては、光センサーとしてハロゲン化銀乳剤層が支持体上に設けられる。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においてもそのまま用いることもできる。
本発明におけるハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。ハロゲン化銀乳剤粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の、当業界では周知の方法が用いられる。なかでも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径のそろったハロゲン化銀乳剤粒子が得られる点において好ましい。本発明においては、好ましいハロゲン化銀乳剤粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。
本発明におけるハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(6角平板状、三角形平板状、4角形平板状など)、八面体状、14面体状など様々な形状であることができる。
本発明におけるハロゲン化銀乳剤の製造においては、必要に応じてハロゲン化銀粒子の形成あるいは物理熟成の過程において、亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩などVIII族金属元素の塩若しくはその錯塩を共存させても良い。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。また本発明においてハロゲン化銀乳剤は必要に応じて色素増感することもできる。
本発明に用いる導電性材料前駆体に含有されるハロゲン化銀の量は銀に換算して0.1g/m2以上、好ましくは0.3〜3g/m2である。
本発明においてハロゲン化銀乳剤層はバインダーを含有する。本発明においては非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。本発明における好ましいバインダーとしては、例えば、ゼラチン、カゼインなどの蛋白質類、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これら水溶性ポリマーの中でもゼラチンなどの蛋白質が好ましい。
本発明においてハロゲン化銀乳剤層には上記ポリマーバインダーの他に高分子ラテックスを用いる事もできる。高分子ラテックスとしては単独重合体や共重合体など各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレンなどがあり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン、スチレン・ブタジエン、スチレン・p−メトオキシスチレン、スチレン・酢酸ビニル、酢酸ビニル・塩化ビニル、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル、メチルメタクリレート・アクリロニトリル、メチルメタクリレート・ブタジエン、メチルメタクリレート・スチレン、メチルメタクリレート・酢酸ビニル、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン、メチルアクリレート・アクリロニトリル、メチルアクリレート・ブタジエン、メチルアクリレート・スチレン、メチルアクリレート・酢酸ビニル、アクリル酸・ブチルアクリレート、メチルアクリレート・塩化ビニル、ブチルアクリレート・スチレン等がある。本発明で用いる高分子ラテックスの平均粒径は0.01〜1.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.8μmである。
本発明におけるハロゲン化銀乳剤層に含有する水溶性ポリマーと非水溶性ポリマーの総量、すなわち総バインダー量については、バインダー量が少ないと塗布性に悪影響を及ぼし、また安定したハロゲン化銀粒子も得られなくなる、一方、多過ぎると導電性が得られ難くなり、生産性を落としてしまうなど、品質に大きな影響を与える。好ましいハロゲン化銀(銀換算)と総バインダーとの質量比(銀/総バインダー)は0.5以上、より好ましくは1.5〜3.5である。また、好ましい総バインダー量は0.05〜3g/m2以上、更に好ましくは0.1〜1g/m2である。
ハロゲン化銀乳剤層には、さらに種々の目的のために、公知の写真用添加剤を用いることができる。これらは、Research Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている。
本発明に用いる導電性材料前駆体には必要に応じて支持体のハロゲン化銀乳剤層と反対面に裏塗層やハロゲン化銀乳剤層の上にオーバー層、ハロゲン化銀乳剤層の下に下引き層などを設けることができる。
本発明に用いる導電性材料前駆体のオーバー層、下引き層についてはハロゲン化銀乳剤層と同様のバインダーを用いることができる。さらにオーバー層、下引き層には公知の界面活性剤、現像抑制剤、イラジエーション防止色素、顔料、マット剤、滑剤などを含有することができる。
本発明に用いる硬化現像法を用いた導電性材料前駆体は、膨潤抑制剤を含有することができる。本発明における膨潤抑制剤とは導電性材料前駆体を硬化現像液で処理する際に水溶性バインダーが膨潤するのを妨ぎ、画像のにじみを防いで画像の鮮鋭性を上げ、また導電性を上げるために用いる。膨潤抑制剤として作用するか否かはpH3.5の5%ゼラチン水溶液に膨潤抑制剤0.35mol/Lになるよう加えてゼラチンの沈澱が発生するかどうかで調べられ、この試験でゼラチンの沈澱が発生するような薬品は全て膨潤抑制剤として作用する。膨潤抑制剤の具体例としては、例えば硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化マンガン、燐酸マグネシウムなどの無機塩類、あるいは例えばベンゼンスルホン酸、ジフェニルスルホン酸、s−スルホサリチル酸、p−トルエンスルホン酸、フェノールジスルホン酸、α−ナフタレンスルホン酸、β−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンスルホン酸、1−ヒドロキシ−3,
6−ナフタレンジスルホン酸、ジナフチルメタンスルホン酸などのスルホン酸類、例えばポリビニルベンゼンスルホン酸、無水マレイン酸とビニルスルホン酸の共重合物、ポリビニルアクリルアミドなどの高分子沈澱剤として用いられる化合物などが挙げられる。これら膨潤抑制剤は単独でも組合わせて用いても良いが、無機塩類、特に硫酸塩類を使用することが好ましい。これら膨潤抑制剤は導電性材料前駆体のどの層に含有されていても良いが、特にハロゲン化銀乳剤層に含有されていることが好ましい。これら膨潤抑制剤の好ましい含有量は0.01〜10g/m2、更に好ましくは0.1〜2g/m2である。
本発明に用いる硬化現像法を用いた導電性材料前駆体は硬化現像薬を含有することが特に好ましい。硬化現像薬としては、ポリヒドロキシベンゼン、例えばハイドロキノン、カテコール、クロロハイドロキノン、ピロガロール、ブロモハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、トルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキノン、2,3−ジブロモハイドロキノン、1,4−ジヒドロキシ−2−アセトフェノン、2,5−ジメチルハイドロキノン、4−フェニルカテコール、4−t−ブチルカテコール、4−s−ブチルピロガロール、4,5−ジブロモカテコール、2,5−ジエチルハイドロキノン、2,5−ベンゾイルアミノハイドロキノン、などがある。また、アミノフェノール化合物、例えばN−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール−2,4−ジアミノフェノール、p−ベンジルアミノフェノール、2−メチル−p−アミノフェノール、2−ヒドロキシメチル−p−アミノフェノールなど、また、その他にも例えば特開2001−215711号公報、特開2001−215732号公報、特開2001−312031号公報、特開2002−62664号公報記載の公知の硬化現像薬を用いることができるが、特にベンゼン核の少なくとも1,2位にヒドロキシル基が置換したベンゼンが好ましい。また、これらの硬化現像薬を併用して用いることも可能である。さらに、3−ピラゾリドン類、例えば1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、および1−p−クロロフェニル−3−ピラゾリドンなどの公知の写真現像液に用いる還元剤を上記硬化現像薬に併せて用いることも可能である。
これら硬化現像薬は導電材料前駆体のどの層に含有されても良いが、ハロゲン化銀乳剤層もしくは下引き層に含有されることが好ましく、特にハロゲン化銀乳剤層に含有されていることが好ましい。含有する好ましい量はハロゲン化銀乳剤層の水溶性バインダーを耐水化できるだけの量であるため、使用する水溶性バインダーの量に応じて変化する。好ましい硬化現像薬の量は0.01〜0.5mmol/水溶性バインダー1g、更に好ましくは0.1〜0.4mmol/水溶性バインダー1gである。これら硬化現像薬は塗液に溶解させて各層に含有させても良いし、オイル分散液に溶解させて各層中に含有させることも可能である。
前記銀錯塩拡散転写法若しくは硬化現像法を用いた導電性材料前駆体を用い、透明導電性材料を作製するための方法は、例えば網目状パターンの銀薄膜の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀乳剤層は網目状パターンに露光されるが、露光方法として、網目状パターンの透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。上記したレーザー光で露光する方法においては、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードとも云う)を用いることができる。
導電性材料前駆体にはハロゲン化銀乳剤層の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料又は顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることは好ましい。ハレーション防止剤としてはハロゲン化銀乳剤層と支持体の間の下引き層やあるいは裏塗り層に含有させることができる。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に含有させるのがよい。添加量は、目的の効果が得られるのであれば広範囲に変化しうるが、たとえばハレーション防止剤として裏塗り層に含有させる場合、1平方メートル当たり、約20mg〜約1gの範囲が望ましく、好ましくは、極大吸収波長における光学濃度として、0.5以上である。
次に、本発明の現像処理に用いる現像液について説明する。銀錯塩拡散転写現像のための現像液は、可溶性銀錯塩形成剤、還元剤、及びアルカリ剤を含有する。可溶性銀錯塩形成剤は、ハロゲン化銀を溶解し可溶性の銀錯塩を形成させる化合物であり、還元剤はこの可溶性銀錯塩を還元して物理現像核上に金属銀を析出させるための化合物でり、これらの作用はアルカリ液中で行われる。
本発明に用いられる可溶性銀錯塩形成剤としては、チオ硫酸アンモニウム及びチオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、オキサドリドン類、2−メルカプト安息香酸及びその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、USP5,200,294に記載のようなチオエーテル類、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に、T.H.ジェームス編のザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス4版の474〜475項(1977年)に記載されている化合物が挙げられる。
これらのハロゲン化銀溶剤の中でも特にチオ硫酸塩、アルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンとしては、例えば2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、N,N−エチル−2、2’−イミノジエタノール、2−メチルアミノエタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
次に、本発明に用いられる還元剤について説明する。還元剤は写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができる。例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロルハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、アスコルビン酸及びその誘導体、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン等が挙げられる。
上記した可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤は、物理現像核層と一緒にプラスチック樹脂フィルムに塗布してもよいし、ハロゲン化銀乳剤層中に添加してもよいし、またはアルカリ液中に含有させてもよく、更に複数の位置に含有してもよい。上記した可溶性銀錯塩形成剤及び還元剤は、少なくともアルカリ液中に含有させるのが好ましい。
アルカリ液中への可溶性銀錯塩形成剤の含有量は、現像液1リットル当たり、0.1〜5モルの範囲で用いるのが適当であり、還元剤は現像液1リットル当たり0.05〜1モルの範囲で用いるのが適当である。
アルカリ液のpHは10以上が好ましく、更に11〜14が好ましい。本発明において銀錯塩拡散転写現像を行うためのアルカリ液の適用は、浸漬方式であっても塗布方式であってもよい。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯留されたアルカリ液中に、物理現像核層及びハロゲン化銀乳剤層が設けられたプラスチック樹脂フィルム(銀薄膜形成フィルム前駆体)を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えばハロゲン化銀乳剤層上にアルカリ液を1平方メートル当たり40〜120ml程度塗布するものである。
本発明において、導電性及び金属光沢を向上させるための好ましい態様は、アルカリ液を適用するときのアルカリ液の温度を20℃以下にすることである。下限の温度は2℃程度である。アルカリ液の適用時間は、20秒〜3分程度が適当である。この態様は、特に浸漬法式の場合に好適である。
また本発明の導電性材料前駆体の現像処理は硬化現像液を用いることができる。硬化現像液にはアルカリ性物質、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3燐酸ナトリウム、あるいはアミン化合物を利用することができ、その後に粘稠剤、例えばカルボキシメチルセスロース、現像助薬、例えば3−ピラゾリジノン類、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、現像変成剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリチル酸、メソイオン性化合物等の添加剤等を含ませることができる。現像液のpHは通常10〜14である。通常の銀塩写真現像液に用いる保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウムなどは硬化現像による硬化反応を停める作用があるので、本発明における硬化現像液では保恒剤は少なくとも20g/L以下の使用量、好ましくは10g/L以下の使用量が好ましい。
本発明において現像処理の後、光透過部のハロゲン化銀乳剤層を除去し、支持体面を露出させる工程が含まれる。本工程はハロゲン化銀乳剤の除去を主目的としているので、本工程で用いられる処理液は水を主成分とする。処理液は緩衝成分を含有してもよい。また、除去したゼラチンの腐敗を防止する目的で、防腐剤を含有することができる。
本発明の処理方法及び処理装置により形成された現像銀部に更に高い導電性を付与する目的で、酵素処理の後にめっき処理を行うことも好ましい。本発明において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、又は無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。
無電解メッキは、公知の無電解メッキ技術、例えば無電解ニッケルめっき,無電解コバルトめっき、無電解金めっき、銀めっきなどを用いることができるが、低コストにて十分な導電性と透明性を得るためには無電解銅メッキを行う事が好ましい。
無電解銅めっき液には硫酸銅や塩化銅など銅の供給源、ホルマリンやグリオキシル酸、テトラヒドロホウ酸カリウム、ジメチルアミンボランなど還元剤、EDTAやジエチレントリアミン5酢酸、ロシェル塩、グリセロール、メソーエリトリトール、アドニール、D−マンニトール、D−ソルビトール、ズルシトール、イミノ2酢酸、t−1,2−シクロヘキサンジアミン4酢酸、1,3−ジアミノプロパンー2−オール,グリコールエーテルジアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等の銅の錯化剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのpH調整剤などが含有される。さらにその他に浴の安定化やメッキ皮膜の平滑性を向上させるための添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジル,o−フェナントロリン、ネオクプロイン、チオ尿素、シアン化物などを含有させることも出来る。めっき液は安定性を増すため、エアレーションを行う事が好ましい。
無電解銅めっきでは前述の通り種々の錯化剤を用いることができるが、錯化剤の種類により酸化銅が共析し、導電性に大きく影響したり、あるいはトリエタノールアミンなど銅イオンとの錯安定定数の低い錯化剤は銅が沈析しやすいため、安定しためっき液やめっき補充液が作り難いなどということが知られている。従って工業的に通常用いられる錯化剤は限られており、本発明においても同様の理由でめっき液の組成として特に錯化剤の選択は重要である。特に好ましい錯化剤としては銅錯体の安定定数の大きいEDTAやジエチレントリアミン5酢酸などが挙げられ、このような好ましい錯化剤を用いためっき液としては例えばプリント基板の作製に使用される高温タイプの無電解銅めっきがある。高温タイプの無電解銅めっきの手法については「無電解めっき 基礎と応用」(電気鍍金研究会編)p105などに詳しく記載されている。高温タイプのめっきでは通常60〜70℃で処理し、処理時間は無電解めっき後に電解めっきを施すかどうかで変わってくるが、通常1〜30分、好ましくは3〜20分無電解めっき処理を行う事が好ましい。
本発明において銅以外の無電解めっき処理を行う場合は例えばめっき技術ガイドブック(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p406〜432記載の方法などを用いる事ができる。
本発明においては無電解めっき以外にも電解めっきを施すこともできる。特に本発明では酵素処理により十分な導電性が得られるので無電解めっきを行わずとも、最初から電解めっきを行う事も十分可能である。電解めっきとしては銅めっきやニッケルめっき、亜鉛めっき、カドミウムめっき、錫めっき、合金めっきなど種々のめっき法が知られている、無電解めっき同様低コストで透明性、導電性を確保するためには銅めっきを用いる事が好ましい。銅めっき法としては公知の硫酸銅めっき、ホウフッ化銅めっき、シアン化銅めっき、ピロリン酸銅めっきなどいずれの方法でも用いる事ができるが、廃液の簡便さから硫酸銅めっき、特にハイスロ−硫酸銅めっきを用いることが好ましい。これら電解めっき法の詳細は例えば「めっき技術ガイドブック」(東京鍍金材料協同組合技術委員会編、1987年)p75〜112などに記載されている。
本発明では、めっき処理の前に金属銀部を無電解メッキを促進させる目的でパラジウムを含有する溶液で活性化処理することもできる。パラジウムとしては2価のパラジウム塩あるいはその錯体塩の形でも良いし,また金属パラジウムであっても良い。しかし、液の安定性、処理の安定性から好ましくはパラジウム塩あるいはその錯塩を用いることが良い。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、無論この記述により本発明が制限されるものではない。
以下本実施における現像処理装置について図1及び図2を用いて説明する。図1、図2は本発明の一例を示す現像処理槽及び吸引除去部の概略断面図である。
図1において、現像槽4の現像液5で処理された連続的に走行するウエブ2に塗られた感光層3を吸引ノズル1により除去処理する。吸引ノズル1の先端部には、ウエブ2に向けて気体を吹出す吹出しノズル7がウエブ進行方向Dに対して傾斜角度θを持たせて取り付けられている。また、図2には吸引ノズル1に対称に取りつけた吹出しノズル8を補助的に併用使用されている。現像処理された感光層3は、ウエブに向けて気体を吹出す吹出しノズル7及び、吹出しノズル8によりウエブ2から剥ぎ取られ、吸引ノズル1の先端から吸引され、図示しない排気装置により、吸引ノズル1上部に取り付けられる配管より排出される。次に感光層の清浄度を更に向上させるため、温水をノズル等でジェット噴射させた水洗処理を実施する。この後、ドライヤで乾燥させて、ウエブ長500mを巻き取る。
(実施例1)
透明導電性フィルムの作製の実施例を以下に示す。透明支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。物理現像核層を塗布する前に、このフィルムに、塩化ビニリデンからなる下引き層を塗布し、その上にゼラチンが50mg/m2のベース層を塗布し乾燥した。次に、硫化パラジウムからなる物理現像核層を固形分で0.4mg/m2になるように塗布し、乾燥した。続いて、ハロゲン化銀乳剤層を上記物理現像核層の上に塗布した。
図1の現像処理装置において、吸引ノズル1及び気体を吹出す吹出しノズル7の先端は、ウエブ2、感光層3に直接当たらないように図示しない間隙調整機構によりウエブ2との距離Aを0.5mmとした。吹出すノズル7とウエブ2との角度θは、ウエブ2に対する吸引ノズル1は垂直として、30°程度とした。吸引ノズル1のスリット幅は0.5mm、吹き出しノズル7の先端スリット幅は15mmとした。吸引ノズル1の吸引圧は5.0kPa、吹き出しノズル7の吹き出し圧は、0.6kPaとした。そして上記感光材料を図1の感光層に気体を吹き付ける手段及び該感光層を吸引する手段を有する現像処理装置で処理した。尚、ハロゲン化銀乳剤層を除去した後水洗を行った。水洗水の補充量は1L/分である。
(実施例2)
透明導電性フィルムは、比較を容易にすべく、実施例1と同様の方法で作製したものを用いた。
図2の現像処理装置において、吸引ノズル1及び気体を吹出す吹出しノズル7及び吹出しノズル78の先端は、ウエブ2、感光層3に直接当たらないように図示しない間隙調整機構によりウエブ2との距離Aを0.3mmとした。吹出すノズル7とウエブ2との角度θ、吹出すノズル8とウエブ2との角度θは、ウエブ2に対する吸引ノズル1を垂直として、それぞれ35°程度とした。吸引ノズル1のスリット幅は0.8mm、吹き出しノズル7、吹き出しノズル8の先端スリット幅は13mmとした。吸引ノズル1の吸引圧は3.0kPa、吹き出しノズル7と吹き出しノズル8の吹き出し圧は、それぞれ0.3kPaとした。そして上記感光材料を図1の感光層に気体を吹き付ける手段及び該感光層を吸引する手段を有する現像処理装置で処理した。尚、ハロゲン化銀乳剤層を除去した後水洗を行った。水洗水の補充量は1L/分である。
(比較例1)
一方、比較として、上記現像処理装置に設置されている浸漬現像処理後、温水シャワーを噴射しながら不要となったハロゲン化銀乳剤層を水洗除去し、続いて乾燥処理を実施して巻き取った。尚、透明導電性フィルムは、実施例1と同様の方法で作製したものを用いた。
上記のようにして得られた網目パターン状銀薄膜が形成された透明導電性フィルムの表面付着物の有無を調査した。その結果、実施例1、実施例2の導電性フィルムの表面には付着物が無く、透明性が確認された。しかし、比較例の導電性フィルムの表面には水洗槽に滞留したゼラチンを含むスラッジの付着が認められた。水洗槽への水洗水補充量を4L/分から8L/分に増加したが、500mの現像水洗処理を終了した箇所では、スラッジの付着物が認められた。
本発明の一例を示す断面図 本発明の一例を示す断面図
符号の説明
1 吸引ノズル
2 ウエブ
3 感光層
4 現像槽
5 現像液
6 ロール
7 吹出しノズル
8 吹出しノズル
9 ロール
θ 吹出しノズルのウエブに対する傾斜角度

Claims (4)

  1. 現像処理方法において、少なくとも1層の感光層を有する銀塩感光材料を露光し、現像処理した後、該感光層に気体を吹き付け、該感光層を吸引して除去することを特徴とする感光層の現像処理方法。
  2. 現像処理装置において、少なくとも1層の感光層を有する予め露光された銀塩感光材料を現像する手段、その後に該感光層に気体を吹き付ける手段および、該感光層を吸引する手段を有する感光材料の現像処理装置。
  3. 前記感光材料が、少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩感光材料を利用する導電性材料前駆体である請求項1に記載の感光層の除去方法またはこれを利用する現像処理方法。
  4. 前記感光材料が、少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含有する銀塩感光材料を利用する導電性材料前駆体である請求項2に記載の感光層の除去方法またはこれを利用する現像処理装置。
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