以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態である農用作業機の側面図、図2は本実施形態の農用作業機の平面図、図3は本実施形態の農用作業機の植付装置および整地装置の昇降機構の説明図、図4はレバーガイドの説明図、図5は整地装置を作業位置に設定した状態での整地装置付近の拡大側面図、図6は整地装置を非作業位置に設定した状態での整地装置付近の拡大側面図、図7は植付装置制御部の説明図、図8は油圧感知部部および感度調節部の説明図、図9は走行機体が前上がり状態での昇降制御の説明図、図10は走行機体が前下がり状態での昇降制御の説明図である。
なお、図1、図9、図10では、植付装置31および整地装置51に関連する部分が、図3、図5、図6ではフロート45の接地を検知する油圧感知部130と、フロート45の前後傾斜姿勢を制御する感度調節部120とに関連する部分が、それぞれの図面を参照して説明する他の構成部分の理解を容易にするために図示略してある。
また、以下の説明における整地装置51の上昇、下降とは、その全体の上昇、下降ではなく、整地部52(支持ロッド53〜かご型ロータ57)に限定された部分的な上昇、下降を意味している。
また、図13〜図16は、整地装置クラッチシリンダ103(図11)によって、整地装置51に対する動力伝達を入/切させる別の実施形態に対応しているが、本実施形態の農用作業機10は、操作レバー85の操作量をリンク108(図5)によって機械的に伝達して、整地装置51に対する動力伝達を入/切させる機構を除けば、その構成および制御が図11〜図16を参照して後述する別の実施形態と同一であるので、本実施形態の農用作業機10の説明においても図13〜図16を一部参照している。
<整地装置の昇降制御の概略>
本実施形態の農用作業機では、図3に示すように、昇降リンク機構21が四節リンク機構なので、走行機体11が前上がりになると、植付装置31と整地装置51との関係も前上がりとなって、整地装置51の表土層への進入深さが浅くなるので、傾斜センサ95を設けて前後方向の傾斜角を検知し、走行機体11が前上がりになると植付装置31に対して整地装置51を下降させる。
また、走行機体11が前下がりになると、植付装置31と整地装置51との関係も前下がりとなって、整地装置51の表土層への進入深さが深くなるので、走行機体11が前下がりになると植付装置31に対して整地装置51を上昇させる。これにより、整地装置51の表土層への進入深さをほぼ一定に維持している。
そして、前上がり/前下がりにかかわらず傾斜角が既定値(例えば10度)を越えると、作業位置に下降させた整地装置を緊急避難的に非作業位置へ上昇させる。
<農用作業機>
図1に示すように、農用作業機10は、走行機体11の後部に連結した昇降リンク機構21によって、植付装置31を昇降可能に支持している。走行機体11と植付装置31との中間位置に位置させて、整地装置51が植付装置31に取り付けられており、昇降リンク機構21を上方へ回動させると、植付装置31と整地装置51とが一体に上昇する。
走行機体11は、前輪12と後輪13とにより支持された機体15を有し、機体15の前方に、ボンネット16に覆われたエンジン17を搭載している。エンジン17の後方には、作業者が着席する座席シート20が配設され、座席シート20の周囲に、ステアリングハンドル18、農用作業機10の運転操作に必要な各種のレバー、各種のペダル類、各種スイッチ、計器類等が配設されている。
昇降リンク機構21は、機体15の後部に軸支されて揺動自在なアッパリンク22及びロアリンク23と、アッパリンク22及びロアリンク23の後端に接続されたリンクホルダ25と、機体15とロアリンク23との間に配置された油圧シリンダ26(図8参照)とを備えている。油圧シリンダ26が短縮方向に作動すると、ロアリンク23を機体15側に引き寄せてリンクホルダ25とともに植付装置31が上昇する。
<植付装置>
植付装置31の下部に配置された植付部33は、複数条の苗を並列的に田面に植え付ける。植付装置31の底部に配置された植え付け深さ調整部41は、フロート45に対する植付部33の高さを変更設定して苗の植え付け深さを3段階に調節可能である。
植付装置31の全体を支持するフレーム32は、昇降リンク機構21のリンクホルダ25に対してローリング自在に支持され、フレーム32に固定されたステー34の上には、苗のせ台35が傾斜配置されている。
図2に示すように、植付装置31の苗のせ台35は、田面に植え付けられる苗を整列状態で密集保持させたマット苗を載置する。苗のせ台35の下端側に配置された植付部33は、図5に示すように、紙面と垂直方向に配列した複数の伝動ケース36の後端部の側面に、それぞれ回転自在に支持された複数の植付ケース37を備えており、マット苗から1株分の苗を掻き取って田面に植え付ける複数の植付杆38が、それぞれの植付ケース37に配設されている。植付杆38は、走行機体11に搭載されたエンジン17(図1参照)によって駆動されるPTO軸(図示せず)からフレーム32(図1)及び伝動ケース36の内部を通して動力を伝達される。
図5に示すように、植え付け深さ調整部41は、伝動ケース36の下面に回動自在に支持された軸42と、軸42に一端を固定されて斜め下後方に向けて突出させたアーム43と、アーム43の他端に回動自在に支持されて下面が田面に接触滑走するフロート45と、軸42に一端を固定されて上方に向けて突出させたアーム46と、アーム46の他端に連結された調節レバー47とを有している。
調節レバー47は、レバーガイド48に沿って前後方向へ移動する設定操作が可能であって、レバーガイド48に形成された標準位置、浅植え位置(苗のせ台35側)、深植え位置(走行機体11側)の何れかの溝に保持される。
ここで、調節レバー47を走行機体11側に設定すると、アーム46とアーム43とが反時計方向に回動して、伝動ケース36に対してフロート45を上昇させるので、フロート45が田面と接触した状態であれば、田面に対して植付装置31全体が下降することになり、植付杆38が田面に近付いて苗の深植えを行うことになる。
しかし、調節レバー47を苗のせ台35側に設定すると、アーム46とアーム43とが時計方向に回動して、伝動ケース36に対してフロート45を下降させるので、フロート45が田面と接触した状態であれば、田面に対して植え付け装置31全体が上昇することになり、植え付け杆38が田面から離間して苗の浅植えを行うことになる。
調節レバー47の設定による苗の植え付け深さは、軸42に取り付けられてアーム43の設定角度に応じた出力を発生する植付深さ設定ポテンショ97(図3)によって検知される。植付深さ設定ポテンショ97の出力は、農用作業機10の制御部100に入力されて、後述する整地装置51の高さ制御に用いられる。
<整地装置>
図3に示すように、走行機体11の後輪13と植付装置31のフロート45との間には、植付装置31に支持させて整地装置51が配置される。整地装置51を下降して作業位置に設定すると、整地装置51が回転状態で表土層に進入して田面を平坦に掻き均す。
整地装置51は、田面を平滑に均す整地部52と、植付装置31を下降させた状態で、整地部52を上下方向に移動させて、その作業位置と非作業位置とを設定する上下動機構61と、整地部52に動力を伝達する動力伝達機構71と、上下動機構61における整地部52の上下動と動力伝達機構71の動力の入切を同時に行うための操作機構81とを備えている。
整地部52は、図5に示すように、支持ロッド53と、支持ロッド53に支持されたローラ55と、ローラ55に回転可能に支持されたロータリ軸56と、ロータリ軸56に支持された複数のかご型ロータ57と、かご型ロータ57の上部を覆うロータカバー58とを備えている。
上下動機構61は、ネジ機構を内蔵した電動シリンダである整地装置昇降シリンダ102と、支持ロッド53を昇降可能に支持する連係アーム66およびリンク68と、苗のせ台35の前面(走行機体11側の面)と支持ロッド53との間に張設されて整地部52を上方(非作業位置)に向けて付勢する不図示のスプリングとを有する。上下動機構61は、整地装置昇降シリンダ102を作動させて連係アーム66を回動させることにより、整地装置51を昇降させる。
操作機構81は、座席シート20の進行方向左側に配置されて、軸84によって回動自在に支持された操作レバー85(図1参照)と、操作レバー85に一体に固定されたアーム86と、座席シート20の側面下方に配置したレバーガイド83とを有し、操作レバー85は、レバーガイド83に沿って前後方向に操作可能である。
図4の(a)に示すように、レバーガイド83には、レバーポジションP1、P2、P3、P4の切れ込みが形成されており、操作レバー85を後方へ倒すと、図6に示すように、整地装置51が上昇して非作業位置(P4:格納)となり、図4の(b)に示すように操作レバー85を後方へ倒すと、図5に示すように、整地装置51が下降して作業位置(P1:深め、P2:標準、P3浅め)となる。
図3に示すように、操作レバー85の軸84(図5)には、操作レバー85の回動角度に応じた出力を発生する操作レバーポテンショ92(図13参照)が設けられ、支持ロッド53と連係アーム66との軸支位置には、支持ロッド53と連係アーム66との相対角度を検知する昇降高さ検出ポテンショ99が設けられている。
農用作業機10の制御部100は、操作レバーポテンショ92の出力を検知して、レバーポジションP1、P2、P3、P4(図4)を判別し、判別結果に応じて整地装置昇降シリンダ102を伸縮させつつ、昇降高さ検出ポテンショ99の出力を判別して、整地装置51をレバーポジションP1、P2、P3、P4に対応するそれぞれの高さ位置へ誘導する。
機体15に対するアッパリンク22の軸支位置には、アッパリンク22の回動角に応じた電圧信号を出力するリフト角ポテンショ96が配置されている。制御部100は、リフト角ポテンショ96の出力に基づいて植付装置31の上昇/下降、高さ位置を検知する。
図6に示すように、操作レバー85が後方側へ回動操作されると、制御部100は、整地装置昇降シリンダ102を短縮方向に作動させて、連係アーム66を時計回りに回転させ、支持ロッド53を上昇させる。
しかし、図5に示すように、操作レバー85が前方側へ回動操作されると、制御部100は、整地装置昇降シリンダ102を伸張方向に作動させて、連係アーム66を反時計回りに回転させ、支持ロッド53を下降させる。
なお、整地装置昇降シリンダ102は、電力供給を切るとその伸縮位置を保持する電動シリンダなので、昇降高さ検出ポテンショ99を設けず、制御部100が、電動シリンダを作動させるモーターの回転数をカウントすることにより、整地装置51を設定されたそれぞれの高さ位置へ誘導してもよい。
図3に示すように、動力伝達機構71は、機体15の後部に配置されてエンジン17(図1)により駆動される動力伝達部72と、動力伝達部72の出力側に配置されたクラッチ73と、クラッチ73を介して動力の伝達を受ける伸縮自在な伝動軸75とを備えている。
図5に示すように、クラッチ73には、クラッチ73を入切するためのクラッチアーム110が設けられている。クラッチアーム110の回動端は、リンク108の下端に軸支され、リンク108の上端に固定したブラケット107が操作機構81のアーム86の回動端に軸支されている。
従って、図5に示すように操作レバー85が前方側へ倒されると、リンク108が下方へ押されて、クラッチアーム110を時計方向に回転させ、クラッチ73が入操作される。クラッチ73の入操作により、動力伝達部72の出力は、動力伝達機構71を経て整地部52のロータリ軸56に伝達されて、かご型ロータ57を回転させる。
しかし、図6に示すように操作レバー85が後方側へ倒されると、リンク108が上方へ引き上げられて、クラッチアーム110を反時計方向に回転させ、クラッチ73が切操作される。クラッチ73が切操作されると、動力伝達部72の動力が遮断されて、かご型ロータ57の回転は停止する。
図1に示す走行機体11の座席シート20の進行方向右側には、植付装置31を操作するための作業機操作レバー(不図示)が配置され、作業機操作レバーの回動軸に、作業機操作レバーの回動角に応じた電圧信号を発生する作業機昇降レバーポテンショ101が設けてある。座席シート20の下方には、図7に示す植付装置制御部140が配置される。
図7に示すように、植付装置制御部140は、作業機カムモータ141を作動させて作業機操作カム142を回転させ、作業機操作レバーの操作位置に応じた回動位置を作業機操作カム142に設定する。具体的に言えば、制御部100(図3)が、植付装置操作カムポテンショ143の出力を参照しつつ、作業機昇降レバーポテンショ101の出力に応じて作業機カムモータ141を正逆回転させ、植付装置操作カムポテンショ143の出力が作業機昇降レバーポテンショ101の出力に対応する値となった時点で作業機カムモータ141を停止させる。
作業機操作カム142は、図5に示す植付装置31の植付部33に対する動力伝達を入/切操作する。作業機操作カム142の輪郭は、軸145で軸支されたアーム144に取り付けたローラ146で倣わせ、輪郭の出入りに応じたアーム144の揺動が、植付部33に対する動力伝達を入/切操作する不図示の植付クラッチに伝達される。
これにより、作業機操作レバーの操作に応じて植付装置31が昇降されると、作業機操作レバーの操作に追従した所定のタイミングで自動的に植付部33に対する動力伝達が入/切操作される。植付装置制御部140の背後には、図8に示す感度調節部120および油圧感知部130が配置される。
<昇降制御部および感度調節部>
油圧感知部130は、特許文献1等にも示されるように、連繋機構130Aを通じて植付装置31(図1)の接地状態を油圧バルブ131へ機械的にフィードバックし、油圧バルブ131を直接ON/OFFさせて油圧シリンダ26(図1)をきめ細かく作動させることにより、植え付け作業中、図3に示すように、植付装置31の重量を昇降リンク機構21で支持させつつ、圃場面とフロート45との接地状態をほぼ一定に維持させる。
図9に示すように、フロート45の前端部は、連繋機構130Aを介して油圧バルブ131のアーム136に連繋されている。連繋機構130Aは、フロート45の前端部に軸支された感知プレート125と、感知プレート125に揺動アーム135を介して連繋される後側連繋ロッド134と、後側連繋ロッド134の前端部に連繋アーム133を介して連繋される前側連繋ロッド132とを有する。
フロート45の前端部が上昇すると、揺動アーム135が反時計方向に回転して、後側連繋ロッド134と前側連繋ロッド132とを後方へ引き寄せ、油圧バルブ131のアーム136を後方へ回動させて油圧バルブ131をONさせ、油圧シリンダ26(図8)の油圧を高めて植付装置31を上昇側へ移動させる。しかし、フロート45の前端部が下降すると、連繋機構130Aにより油圧バルブ131のアーム136を前方へ回動させて油圧バルブ131をOFFさせ、油圧シリンダ26(図8)の油圧を低下させて植付装置31を下降側へ移動させる。動作される。このような自動昇降を繰り返すことにより、柔らかな圃場面に対する植付装置31の高さがほぼ一定に維持され、一定の植え付け深さで苗を植え付ける。
図8に示すように、前側連繋ロッド132の前端部は、感知荷重スプリング137A、137Bによって前方に引張り付勢されている。感知荷重スプリング137A、137Bは、連繋機構130Aを介して、フロート45の先端部を下方へ付勢しており、この付勢力がフロート45の感知荷重(圃場面押圧力)となっている。感知荷重スプリング137A、137Bには、前側連繋ロッド132の前端部を前方へ引っ張る感知荷重調節スプリング138が並設されている。感知荷重調節スプリング138には、感知荷重調節ワイヤ139が連結され、感知荷重調節ワイヤ139の押し引きで感知荷重調節スプリング138の付勢力を変化させることにより、フロート45の感知荷重が調節される。
感知荷重調節ワイヤ139の前方端は、図1に示すステアリングハンドル18に近接配置した不図示の主変速レバーに連繋しており、主変速レバーを高速側に操作すると感知荷重調節ワイヤ139が前方側に引っ張られて感知荷重調節スプリング138の付勢力が増す。これにより、高速走行時は、低速走行時よりもセンターフロート45の圃場面押圧力が増加し、土圧や水圧によるフロート45の浮き上りが防止される。
図9に示すように、連繋機構130Aを構成する揺動アーム135の一端側は、ピン135aを介して感知プレート125に連結されている。ピン135aは、感知プレート125に形成された長孔の連結孔125aに沿って上下方向に移動可能である。ピン135aは、感知プレート125の下端部との間に張設された不図示の戻しスプリングによって下方へ付勢される一方、上方側から基準姿勢調節ワイヤ123に吊り上げられて連結孔125aの一定高さ位置に位置決めされている。
基準姿勢調節ワイヤ123は、そのアウタチューブ124との間の相対移動量を伝達するフレキシブルな操作伝達部材であって、アウタチューブ124が感知プレート125の上端部に固定されているので、基準姿勢調節ワイヤ123をアウタチューブ124に対して押し引き操作することにより、ピン135aの感知プレート125に沿った高さ位置を上下に移動させて、フロート45の基準姿勢を調節可能である。
つまり、基準姿勢調節ワイヤ123を上方へ引き上げると、上述の連繋機構130Aによって所定の高さに位置決めされたピン135aに対して感知プレート125が下方へ移動してフロート45の前端が押し下げられる。しかし、基準姿勢調節ワイヤ123を下方へ押し下げると、ピン135aに対して感知プレート125が上方へ移動してフロート45の前端が持ち上げられる。
図8に示すように、感度調節部120の油圧感度調節モータ121は、アウタチューブ124に対して基準姿勢調節ワイヤ123を押し引き操作する。油圧感度調節モータ121の出力ギアは、回動可能に設けられた扇状のプレートギヤ122に噛み合っており、プレートギヤ122に基準姿勢調節ワイヤ123が連結されている。
制御部100(図3)は、油圧感度調節モータ121を正逆回転させてプレートギヤ122を回動させ、基準姿勢調節ワイヤ123を押し引きすることにより、フロート45の基準姿勢を調節する。
<フロートの基準姿勢の調節>
図3に示すように、本実施形態の農用作業機10では、走行機体11の前後傾斜角、エンジン回転数、圃場面の硬軟に応じて、制御部100がフロート45の基準姿勢を調節する。制御部100は、これらのパラメータの設定値または測定値を用いて油圧感度調節モータ121(図8)の正逆回転角度の目標値を演算し、油圧感度調節モータ121をその目標値まで作動させる。
制御部100に近接させて機体15の前後傾斜角に応じた出力を発生する傾斜センサ95が設けてある。上述した不図示の主変速レバーの回動軸に設けたスロットルレバーポテンショ91(図13)は、エンジン回転数に応じた電圧信号を出力する。座席シート20の進行方向右側下方に配置された感度調整レバーの回動軸に設けた感度設定ポテンショ94は、作業者が圃場面の硬軟に応じて設定した数値(11段階)に応じた電圧信号を出力する。マイコン制御装置である制御部100は、これらの入力を検知して油圧感度調整モータ121を制御する。
走行機体11の前後傾斜とその変化は、苗や肥料の積載荷重変化、耕盤の凹凸、圃場への出入り、発進時のヘッドアップなどに起因して発生し、その多くはオペレータが予測できず、手動調節による対応は不可能である一方、走行機体11の前後傾斜は、昇降リンク機構21を通じてそのままフロート45の傾き誤差となって、植付部33の高さを変動させて植え付け深さをばらつかせる。
そこで、走行機体11が前上がり姿勢になると背反的にフロート45が沈下するので、傾斜センサ95によって走行機体11の前上がり検知されると、制御部100は、フロート45の基準姿勢を前下がり側に調節し、フロート45の前側が土圧を受けやすくする。これにより、油圧感知部130(図8)による昇降制御が上昇側に作用し、植付装置31が適正な高さに保たれる。また、走行機体11が前下がり姿勢になるとフロート45の前側が下がって植付部33を上昇させてしまうので、傾斜センサ95によって走行機体11の前下がり検知されると、制御部100は、フロート45の基準姿勢を前上がり側に調節し、圃場面に対するフロート45の傾斜角度を水平な走行機体11を想定した傾斜角度に補正する。
また、軟らかい圃場面では、フロート45が沈下するため、制御部100は、フロート45の基準姿勢を前下がり側に調節し、センターフロート45の前側が土圧を受けやすくする。これにより、油圧感知部130(図8)による昇降制御が上昇側に作用し、植付部33が適正な高さに誘導される。一方、硬い圃場面では、フロート45が浮き気味になるため、制御部100は、フロート45の基準姿勢を前上り側に調節し、フロート45の後側が土圧を受けやすくする。これにより、油圧感知部130(図8)による昇降制御が下降側に作用し、植付部33が適正な高さに誘導される。
また、エンジン回転数が低い場合は、油圧低下に起因して昇降制御の動作速度が遅くなるため、制御部100は、フロート45の基準姿勢を前下がり側に調節し、フロート45の前側が土圧を受けやすくする。これにより、昇降制御の速度(遅い)と感度(鋭い)がバランスされる。一方、エンジン回転数が高い場合は、油圧上昇に起因して昇降制御の動作速度が速くなるため、フロート45の基準姿勢を前上り側に調節し、フロート45の前側が土圧を受けにくくする。これにより、昇降制御の速度(速い)と感度(鈍い)がバランスされる。
以上の制御は、図16〜図18のフローチャートに示される制御手順で実行される。制御部100を含む制御系と、フロートの基準姿勢の調節に関する制御手順とについては、後述する別の実施形態の説明の中で詳細に説明する。
<整地装置の昇降制御>
図3に示すように、本実施形態の農用作業機10では、上述した操作レバーポテンショ92、植付深さ設定ポテンショ97、傾斜センサ95の出力に基づいて制御部100が整地装置51の刻々の位置決め高さの目標値を演算し、制御部100が上述した昇降高さ検出ポテンショ99の出力を参照しつつ整地装置昇降シリンダ102を作動させて、目標値どおりの高さ位置へ整地装置51を誘導する。
図4の(a)に示すように、レバーガイド83は、3段階の作業位置(P1:深め、P2:標準、P3浅め)を設定可能なので、制御部100は、それぞれのレバーポジションP1、P2、P3に応じた大きさの目標値Aを設定する。
図5に示すように、調節レバー47とレバーガイド48とを用いた標準位置、浅植え位置(苗のせ台35側)、深植え位置(走行機体11側)の設定に応じてフロート45の接地面に対する植付部33の高さが変化すると、植付部33と位置関係を固定されているかご型ロータ57は、表土層への進入深さが違ってくるので、制御部100は、植付深さ設定ポテンショ97の(図3)出力に応じた目標値Bを設定する。
図1に示す走行機体11が前上がり状態となると、昇降リンク機構21によって、図9に示すように、整地装置51と植付部33との高さ関係も前上がりとなって、かご型ロータ57の表土層への進入深さが浅くなるので、制御部100は、傾斜センサ95の出力に基づいて、整地装置51を下降させる方向の目標値Cを設定する。このとき、フロート45も前上がり状態となって植付部33の高さが低くなるが、上述した制御によって基準姿勢調節ワイヤ123が上方へ引き上げられる結果、フロート45が前下がりに修正されて、植付部33の高さが元に戻される。
図1に示す走行機体11が前下がり状態となると、昇降リンク機構21によって、図9に示すように、整地装置51と植付部33との高さ関係も前下がりとなって、かご型ロータ57の表土層への進入深さが深くなるので、制御部100は、傾斜センサ95の出力に基づいて、整地装置51を上昇させる方向の目標値Cを設定する。このとき、フロート45も前下がり状態となって植付部33の高さが高くなるが、上述した制御によって基準姿勢調節ワイヤ123が下方へ押し下げられる結果、フロート45は前上がりに修正されて、植付部33の高さが元に戻される。
なお、前上がりでも前下がりでも傾斜角が既定値(例えば10度)を越えると、根石への乗り上げ、田畦の乗り越え等の可能性があるため、非常的に、整地装置51を格納位置(非作業位置)まで上昇させる。
そして、制御部100は、傾斜角が既定値を越えることがなければ、目標値A、目標値B、目標値Cを加算/減算して、これらの要因を加味した位置決め高さの目標値(ロータ高さ目標値)を算出し、整地装置昇降シリンダ102を刻々と作動させて、目標値どおりの高さ位置へ昇降装置51を誘導し続ける。
なお、非常的に非作業位置へ上昇させた後は、自動的に作業位置へ下降させると、田畦に食い込んでかご型ロータ57が過負荷となる等の可能性があるので、その後に傾斜角が既定値内に復帰しても、作業者の操作レバー85操作による作業位置への再設定が行われるまで、整地装置51の下降を禁止してもよい。
整地装置31の昇降制御に関する制御手順については、後述する別の実施形態の説明の中でもさらに詳細に説明する。
以上の制御は、一部を除いて、図14、図15のフローチャートに示される制御手順で実行される。制御部100を含む制御系と、整地装置の昇降制御に関する制御手順とについては、後述する別の実施形態の説明の中で詳細に説明する。
<本実施形態の効果>
本実施形態の農用作業機10は、走行機体11の後部に昇降リンク機構21(四節リンク機構)を用いて昇降可能に支持された植付装置31と、走行機体31と植付装置31の中間に位置させて植付装置31に取り付けた整地装置51とを備えた農用作業機10において、走行機体11の前後傾斜角を検知する傾斜センサ95と、整地装置51に対して植付装置51を上下動させて両者の相対高さを調整可能な上下動機構61と、傾斜センサ95が走行機体11の前上がりを検知した場合に上下動機構61により整地装置51を下降させる制御部100とを備えたので、走行機体11の前上がりによるかご型ロータ57の浮き上がりを相殺して、かご型ロータ57による整地深さの変動を少なくできる。
また、走行機体11の後部に昇降リンク機構21(四節リンク機構)を用いて昇降可能に支持された植付装置31と、走行機体31と植付装置31の中間に位置させて植付装置31に取り付けた整地装置51とを備えた農用作業機10において、走行機体11の前後傾斜角を検知する傾斜センサ95と、植付装置31に対して整地装置51を上下動させて両者の相対高さを調整可能な上下動機構61と、傾斜センサ95が走行機体11の前下がりを検知した場合に上下動機構61により整地装置51を上昇させる制御部100とを備えたので、走行機体11の前下がりによるかご型ロータ57の沈み込みを相殺して、かご型ロータ57による整地深さの変動を少なくできる。
また、走行機体11に昇降自在に支持された植付装置31と、走行機体11と植付装置31との間に配置されかつ植付装置31に連動して昇降支持されると共に少なくとも作業位置において回転駆動される整地装置51とを備えてなる農用作業機10において、走行機体11の前後傾斜角を検知する傾斜センサ95と、植付装置31に対して整地装置51を上下動する上下動機構61と、整地装置51の作業位置において、傾斜センサ95からの信号に基づき上下動機構61を制御する制御部100とを備えているので、整地装置51が作業位置にある植付作業状態にあって、走行機体11が前上り又は前下りに傾斜すると、前後傾斜センサ95がそれを検知して上下動手段61を制御して整地手段51を上下動し、走行機体11の前後傾斜に拘らず、整地装置51は一定の作業深さで整地作業を行うことができる。
また、植付装置31に、上下揺動自在に設けられたフロート45と、フロート45の上下揺動姿勢が基準姿勢となるように植付装置31を自動的に昇降制御する油圧バルブ131および油圧シリンダ26と、フロート45の基準姿勢を調節する感度調節部120とを備え、制御部100は、傾斜センサ95が走行機体11の前上り状態を検知した場合、感度調節部120によりフロート45の基準姿勢を下げ側に調節すると共に、上下動機構61により整地装置51を下げ側に制御し、傾斜センサ95が走行機体11の前下り状態を検知した場合、感度調節部120によりフロート45の基準姿勢を上げ側に調節すると共に、上下動機構61により整地装置51を上げ側に制御しているので、植付装置51は、フロート45の姿勢により昇降制御されて、一定の深さによる植付けが行われ、この際、走行機体11が前上り状態となると、フロート45も前上りとなるので、基準姿勢を下げ側に調節して上記一定の植付け深さが保たれるが、同時に整地装置51も下げ側に制御されて、一定深さの整地作業を行うことができ、また、走行機体11が前下り状態となると、フロート45も前下り状態となるので、基準姿勢を上げ側に調節して上記一定の植付け深さが保たれると共に、整地装置51も上げ側に制御されて、一定深さの整地作業を行うことができる。
また、整地装置昇降シリンダ102によって整地装置51の昇降を行うので、操作レバー85の操作量を機械的に伝達して整地装置51を昇降させる場合に比較して、操作レバー85の操作負荷を軽減できる。そして、操作レバー85の操作状態と無関係に、制御部100が整地装置51の昇降を制御できるので、非常時を判断して整地装置を非作業位置へ退避させたり、傾斜角等に応じて刻々と高さを調整したりすることが可能である。
また、整地装置昇降シリンダ102によって整地装置51の昇降を行うので、操作レバー85の操作量を機械的に伝達する機構が不要となり、操作レバー85が下降位置に設定された状態で整地装置51を昇降する機構を少ない部品点数の簡単な組み合わせで小型軽量に構成でき、農用作業機10の部品点数削減、組み立て性やメンテナンス性の向上、全体デザインの自由度の拡大が実現された。
<別の実施形態の農用作業機>
図11は本発明の別の実施形態の農用作業機の整地装置のクラッチ制御機構の説明図、図12は既定値を越えた傾斜における整地装置の昇降制御の説明図、図13は別の実施形態の農用作業機の制御系のブロック図、図14は整地装置の昇降制御のフローチャート、図15は傾斜センサの出力に基づく目標値Cの演算フローの説明図、図16はフロートの角度調整制御における油圧感知目標値の演算のフローチャート、図17はエンジン回転目標値の演算フローの説明図、図18は傾斜センサの出力に基づく角度目標値の演算フローの説明図である。
別の実施形態の農用作業機10は、上述したように、整地装置51に対する動力伝達を整地装置クラッチシリンダ103(図11)によって入/切させる以外は、図1〜図10を参照して説明した上述の実施形態の農用作業機10と同一に構成され、同一に制御されるため、重複する構成については、一部図示を省略し、また、共通の符号を付して詳細な説明は省略する。
図11に示すように、別の実施形態の農用作業機10では、クラッチ73を入/切操作するクラッチアーム110の回動端に、整地装置昇降シリンダ102と同形式の電動シリンダである整地装置クラッチシリンダ103の作用端を連結している。制御部100は、操作レバーポテンショ92の出力に基づいて判別した操作レバー85の設定位置に応じて整地装置クラッチシリンダ103を作動させてクラッチ73を入/切操作する。
図12に示すように、別の実施形態の農用作業機10では、走行機体11の傾斜が前上がりでも前下がりでも、傾斜センサ95の出力に基づいて判別された傾斜角が既定値(例えば10度)を越えている場合、根石への乗り上げ、田畦の乗り越え等の可能性があるため、非常的に整地装置を格納位置(非作業位置)まで上昇させる。
図13に示すように、制御部100は、マイコン(CPU、ROM、RAMなどを含む)を用いて構成されるもので、制御部100の入力側には、スロットルレバーポテンショ91、操作レバーポテンショ92、感度設定ポテンショ94、傾斜センサ95、リフト角ポテンショ96、植付深さ設定ポテンショ97、作業機昇降レバーポテンショ101、植付装置操作カムポテンショ143、その他のセンサおよび通信配線が接続される。制御部100の出力側には、整地装置昇降シリンダ102、整地装置クラッチシリンダ103、油圧感度調節モータ121、作業機カムモータ141、その他モータ、アクチュエータ、および通信配線が接続される。
制御部100は、図14〜図17のフローチャートに示す制御と演算とを含む農用作業機10の制御プログラムを書き込まれており、読み出して保持した制御プログラムに基づいて、これらの入力を刻々と読み込み、必要な演算を行ってこれらの出力を制御する。それぞれの入出力は上述したとおりである。その他の入出力は、プレートギヤ122の回動位置を検出するワイヤセンサ、植付装置31の左右傾斜角を検出する傾斜センサ、植付装置31の左右傾斜における角速度を検出する角速度センサ、走行機体11に対する植付装置31の左右傾斜角を検出する水平ポジションセンサ、植付装置31の左右傾斜姿勢を調節する水平制御モータ等である。
図11を参照して図14に示すように、制御部100は、リフト角ポテンショ96の出力を読み込んで植付装置31が下降位置か否かを判断する(S110)。そして、下降位置でなければ(S110の固定または上げ)、整地装置クラッチシリンダ103を作動させてクラッチ73を切操作した(S180)後に、整地装置クラッチシリンダ103を作動させて整地装置51を非作業位置へ上昇させる。
しかし、植付装置31が下降位置であれば(S110の下げ又は植付)、制御部100は、傾斜センサ95の出力を読み込んで、傾斜角の絶対値が既定値(例えば10度)を越えるか否かを判断し(S120)、越えていれば、整地装置クラッチシリンダ103を作動させてクラッチ73を切操作した(S180)後に、整地装置クラッチシリンダ103を作動させて整地装置51を非作業位置へ上昇させる。
すなわち、制御部100は、リフト角ポテンショ96の出力に基づいて植付装置31の昇降状態を判別しており、リフト角ポテンショ96の出力によって植付装置31の上昇を検知すると、操作レバー85の設定位置が作業位置(P1、P2、P3)であっても、整地装置クラッチシリンダ103を作動させて、クラッチ73を切操作し、かご型ロータ57の回転を強制停止させている。
傾斜角が既定値の範囲内であれば、制御部100は、操作レバーポテンショ92の出力を読み込んで、作業者による整地装置51の高さ設定が非作業位置(P4:格納)と3段階の作業位置(P1:深め、P2:標準、P3浅め)のいずれに該当しているかを判別し、高さ設定に応じた目標値Aを決定する(S130)。
続いて、制御部100は、植付深さ設定ポテンショ97の出力を読み込んで、苗の植付深さに応じた補正値Bを決定し(S140)、続いて、傾斜センサ95の出力を読み込んで、機体15の傾斜角を求め、図15に示すように、傾斜角に応じた目標値Cを決定する(S150)。
その後、目標値ABCをその影響方向により加算/減算してロータ高さ目標値を決定し(S160)、ロータ高さ目標値まで整地ロータ昇降アクチュエータである整地装置昇降シリンダ102を作動させる(S170)。
ステップS150では、制御部100は、図15の(a)に示すように、傾斜角の絶対値が既定値(例えば10度)を越えていなければ(S151の≦既定値)、図15の(b)に示すように、傾斜角に応じた目標値Cを決定する(S152)。
図16に示すように、制御部100は、機体15の前後傾斜角に応じてフロート45の傾斜を制御するための角度目標値を読み込み(S210)、エンジン回転数に応じてフロート45の傾斜を制御するためのエンジン回転目標値を読み込み(S220)、傾斜目標値とエンジン回転目標値とを差し引きして目標値を決定する(S230)。
そして、制御部100は、感度設定ポテンショ94の出力を読み込んで、設定された感度(圃場面の硬軟)が標準か否かを判断し(S240)、標準であれば(S240の=標準)、現在の油圧感知目標値を目標値で置き換える(S290)。
しかし、標準でなければ(S240の≠標準)、制御部100は、感度設定ポテンショ94の設定に応じた補正量を目標値に加算/減算し(S250)、目標値が既定値(例えば±5度)の範囲を越えるか否かを判断し(S260)、越えていれば(S260の>既定値)、現在の油圧感知目標値をその既定値で置き換える(S280)が、越えていなければ(S260の≦既定値)、現在の油圧感知目標値を再計算した(S250)目標値で置き換える(S270)。
上述のステップS220では、制御部100は、図17の(a)に示すように、スロットルレバーポテンショ91の出力を読み込んでエンジン回転数を推定し、エンジン回転数が既定値(例えば1000rpm)を越えるか否かを判断する(S221)。そして、既定値を越えていれば(S221の>既定値)、図17の(b)に示すように、一定のエンジン回転目標値を設定する(S223)が、既定値以下であれば(S221の≦既定値)、図17の(b)に示すように、エンジン回転数に応じたエンジン回転目標値を設定する(S222)。
上述のステップS210では、制御部100は、図18の(a)に示すように、傾斜センサ95の出力を読み込んで機体15の傾斜角(機体角度)を求め、機体角度が既定値(例えば±10度)の範囲か否かを判断する(S211)。そして、既定値の範囲外であれば(S211の>既定値)、図18の(b)に示すように、一定の角度目標値を設定する(S213)が、範囲内であれば(S211の≦既定値)、図18の(b)に示すように、傾斜角に応じた角度目標値を設定する(S212)。
<別の実施形態の効果>
別の実施形態の農用作業機10では、整地装置クラッチシリンダ103を設けてクラッチアーム110を回動させることによりクラッチ73を入/切操作させるので、クラッチアーム110と操作レバー85とを機械的に連絡する機構が不要である。
そして、操作レバー85の設定位置と無関係に、制御部100の判断に基づいてクラッチ73を入/切操作できるので、機体15の旋回操作や緊急退避的な整地装置51の上昇(既定値を越える傾斜角が検知された場合等)に際して、かご型ロータ57の回転/停止を任意に定めることができる。
上述したように、機体15を旋回操作する際には、操作レバー85を作業位置に設定したままで、植付装置31を上昇させると、クラッチ73が自動的に切操作されて、かご型ロータ57の回転が停止するので、上昇したかご型ロータ57による周囲への泥の撒き散らし、回転騒音、異物巻き込み等を防止できる。
そして、機体15の旋回が終了して植付装置31を下降させると、操作レバー85を操作することなく、リフト角ポテンショ96の出力に基づいて、接地に先立たせてかご型ロータ57が回転開始され、接地と同時に正常な整地作業を開始できる。