JP4890798B2 - 防虫剤並びにこれを用いる防虫器及び防虫方法 - Google Patents
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Description
(1)害虫の卵の孵化を抑制する孵化抑制作用
(2)孵化した若齢幼虫を死滅させる若齢幼虫の殺虫作用
(3)害虫を忌避する忌避作用
(4)害虫を死滅させる殺虫作用
(5)害虫の増殖を抑制する増殖抑制作用
−X−R' ・・・・・(2)
(式中、Xは炭素数1〜10のアルキレン基又は酸素原子を示し、R'は水素原子、フェニル基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、トリフルオロメチル基、トリメチルシリル基、−(OC2H4)a−(OC3H6)bOR''(a及びbは異なっていてもよい0〜10の自然数であり、R''は炭素数1〜10のアルキル基である)又は−NH−(CH2)c−NH2(cは1〜10の自然数である)を示す)を示し、m、n及びoは異なっていてもよい0〜100の自然数を示す]
直径4cmの金属製のかごの中に、表1に示した試験物質10mgをそれぞれ含浸させた濾紙を入れ、これを内容積0.5リットルのガラス製ふたつき容器のほぼ中央に置き、その底部に産卵後1日の衣類害虫であるイガの卵20個を載せた1辺2.5cmの正方形のサージを置いた。温度25℃、相対湿度60%RHの条件下に14日間保存した後、容器の蓋を開け、孵化した卵の数を数え、孵化していた場合には、孵化直後の若齢幼虫の生死を判別した。Nを生存していた若齢幼虫の数とすると、「孵化しなかった卵の数+死んでいた若齢幼虫の数」の全体数に対する百分率(以下、「防虫率」という)は、
防虫率(%)=100×(20−N)/20
で表されるが、各試験物質についてのその値を表2に示す。なおブランクとして、試験物質を何も入れないものを用いた。
卵を穀物害虫であるメイガの卵に代えた以外は、実施例1と同様の試験方法により、防虫率を算出した。結果を表3に示す。
1辺2.0cmの正方形のサージに、サージ質量に対して5質量%の量の試験物質を含浸させたものを、直径4.5cmのシャーレの中に入れ、その上に産卵後1日のヒメカツオブシムシの卵30個を載せた。25℃、60%RHの条件下に7日間保存した後、実施例1と同様の方法で生存していた若齢幼虫の数(N)を求め、下記の計算式を用いて防虫率を算出した。結果を表4に示す。
防虫率(%)=100×(30−N)/30
上記実施例3の対象害虫の卵を、ヒメマルカツオブシムシの卵からノシメマダラメイガの卵に、試験物質の含浸量をサージ質量に対して15質量%にした以外は、実施例3と同様にして試験を行った。結果を表5に示す。
(アカイエカの成虫に対する殺虫試験)
アカイエカの雌成虫(羽化後3〜4日)50匹をジエチルエーテルで麻酔し厚紙上にうつぶせ状態で並べ、その胸部背板に各試料5μg滴下した。その後、供試虫を清潔な腰高シャーレに移し、シロップ綿を添えて金網蓋をし、25℃の温度下に保存した。24時間後の供試虫の生死について判別し、致死率を死亡虫数の全体数に対する百分率として算出した。結果を表6に示す。
(アカイエカの幼虫に対する殺虫試験)
試料1及び4の10ppm水懸濁液を調製し、各200mlを腰高シャーレに入れた。この中に、アカイエカの終令幼虫25匹を投入し、約25℃の温度下に保存して24時間後の死亡虫数を測定した。なお、微動虫は死亡虫とし、蛹化したものは除いた。同様の試験を2連で行い、合計した死亡虫数を薬剤処理区の死亡虫数とした。薬剤を加えないものを対照として、薬剤処理区と同様に、対照区の死亡虫数を求め、下記の計算式を用いて致死率を算出した。結果を表7に示す。
致死率(%)=100×(Na−Nb)/(Nt−Nb)
Nt:各群の全虫数
Na:薬剤処理区の死亡虫数
Nb:対照区の死亡虫数
(イエバエの成虫に対する殺虫試験)
試料1及び4をノルマルヘキサンで10倍に希釈して調製し、イエバエの雌成虫(羽化後3〜4日)50匹をジエチルエーテルで麻酔し厚紙上にうつぶせ状態で並べ、その胸部背板に調製した各試料を1匹につき5μg滴下した。その後、供試虫を清潔な腰高シャーレに移し、シロップ綿を添えて金網蓋をし、約25℃の温度下に保存した。24時間後の供試虫の生死について判別し、薬剤処理区の死亡虫数を求めた。なお、薬剤を含まないノルマルヘキサンのみを滴下したものを対照とし、薬剤処理区と同様にして、対照区の死亡虫数を求め、下記の計算式を用いて致死率を算出した。結果を表8に示す。
致死率(%)=100×(Na−Nb)/(Nt−Nb)
Nt:各群の全虫数
Na:薬剤処理区の死亡虫数
Nb:対照区の死亡虫数
(イエバエの幼虫に対する殺虫試験)
試料1及び4の1000ppm水懸濁液を調製し、各200mlを腰高シャーレに入れた。この中に、イエバエの終令幼虫25匹を投入し、約25℃の温度下、相対湿度90%に保存して24時間後の死亡虫数を測定した。なお、微動虫は死亡虫とし、蛹化したものは除いた。同様の試験を2連で行い合計の死亡虫数を求め、これを薬剤処理区の死亡虫数とした。薬剤を加えないものを対照とし、薬剤処理区と同様にして死亡虫数を求め下記の計算式を用いて致死率を算出した。結果を表9に示す。
致死率(%)=100×(Na−Nb)/(Nt−Nb)
Nt:各群の全虫数
Na:薬剤処理区の死亡虫数
Nb:対照区の死亡虫数
(チャバネゴキブリ幼虫に対する殺虫試験)
幼虫の這い上がりを防ぐ為に、内壁上から約4cmバターを塗った直径9cm、高さ6cmの腰高シャーレ内に孵化後6日以内のチャバネゴキブリの幼虫10〜20匹を静かにはたき落とし供試虫とした。10cm角のベニヤ板に試料1及び試料1の30%ジエチルエーテル溶液0.5mlを均一に塗布し50〜60分間風乾させた試験板を、試料塗布面を下にして腰高シャーレ上に置き、これを反転させて薬剤塗布面に供試虫を接触させた。その後、時間経過に伴うノックダウンの状況を観察し、供試虫の50%がノックアウトした経過時間(KT50)及び供試虫の90%がノックアウトした経過時間(KT90)を測定した。また、24時間後の致死率を算出した。なお、試験は3連で実施し、ノックアウトした経過時間は平均をとり、致死率は合計数を用いて、死亡虫数の全体数に対する百分率として算出した。結果を表10に示す。
(チャバネゴキブリ成虫に対する殺虫試験)
供試虫の這い上がりを防ぐ為に、内壁上から約4cmバターを塗った直径9cm、高さ6cmの腰高シャーレ内に雌チャバネゴキブリの成虫30匹を入れ供試虫とした。10cm角のベニヤ板に試料1 0.5mlを均一に塗布した試験板を、試料塗布面を下にして腰高シャーレ上に置き、これを反転させて薬剤塗布面に供試虫を接触させた。24時間後の致死率を死亡虫数の全体数に対する百分率として算出した。結果を表11に示す。
以下の製剤例1〜6のようにして、防虫剤を調製した。
エアゾール剤:
以下の処方を、市販の200mlエアゾール缶に充填することによって、エアゾール剤を調製した。
有効成分:ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 80.0ml
溶媒 :エタノール 40.0ml
噴射剤 :LPG 30.0ml
噴射剤 :イソペンタン 30.0ml
固型防虫剤:
125mm×65mmmのパルプ製ろ紙に、500mgのデカメチルシクロペンタシロキサンを含浸させた。これを、通気性を有するプラスチックケースに収納して、衣類害虫用固型防虫剤を調製した。
スプレー剤:
以下の処方のスプレー剤を、市販の150mlトリガー製容器に収納してスプレー剤を調製した。
有効成分:ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 20g
溶剤 :エタノール 80g
燻蒸剤:
メチルポリシロキサン10g、アゾジカルボンアミド55g及びタルク35gを混練し、造粒、乾燥して燻蒸剤を調製した。
加熱蒸散剤:
メチルポリシロキサン100mgを3cm×3cmのパルプ製マットに含浸させ加熱蒸散剤を得た。このものは、加熱ヒーターに接置させることにより有効成分を蒸散する。
送風蒸散剤
パルプ製の粒状含浸体(平均粒径5mm)50gに、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン50mLを含浸させ、送風蒸散剤を得た。このものは、ファン式の防虫器により有効成分を蒸散する。
以 上
Claims (11)
- 前記式(1)で表わされるシリコーン系化合物が、メチルポリシロキサン及び/又はデカメチルテトラシロキサンである請求項1項記載の防虫剤。
- 前記式(4)で表わされるシリコーン系化合物が、デカメチルシクロペンタシロキサン及び/又はドデカメチルシクロヘキサシロキサンである請求項1記載の防虫剤。
- 前記式(1)または式(4)で表わされるシリコーン系化合物を、環境中に放出させて使用するものである請求項1ないし請求項3の何れかの請求項記載の防虫剤。
- 前記式(1)または式(4)で表わされるシリコーン系化合物のみが有効成分である請求項1ないし請求項4の何れかの請求項記載の防虫剤。
- 更に、植物抽出物を含有する請求項1ないし請求項4記載の防虫剤。
- 更に、ピレスロイド系化合物を含有する請求項1ないし請求項4または請求項6記載の防虫剤。
- 請求項1ないし請求項7の何れかの請求項記載の防虫剤を、常温自然蒸散、加熱蒸散、送風蒸散、薫蒸又は噴霧により環境中に放出させる構造を有する防虫器。
- 放出口を有する構造体、当該構造体内に設けられた請求項1ないし請求項7の何れかの請求項記載の防虫剤を保持する保持部、当該保持部に近接して設置された加熱ヒーター若しくは送風機を具備してなる防虫器。
- 請求項1ないし請求項7の何れかの請求項記載の防虫剤を、イガ、メイガおよびノシメマダラメイガから選ばれる鱗翅目の害虫の卵に適用させる防虫方法。
- 請求項1ないし請求項7の何れかの請求項記載の防虫剤を含有する繊維製品を、イガ、メイガおよびノシメマダラメイガから選ばれる鱗翅目の害虫の卵に接触させる防虫方法。
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