JP4886905B2 - スクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スクリーン印刷に用いられるメッシュ部材を製造する方法に関するものであり、特に印刷膜厚の薄い高精細なスクリーン印刷を実現するために用いられるスクリーン印刷用メッシュ部材を製造するための方法に関するものである。
電子部品をスクリーン印刷により製造することが広く実施されており、例えばセラミックコンデンサ、ICタグなどに適用されている。近年の電子部品の薄型化、高集積化の傾向から、印刷膜厚をより薄くすることが求められている。
図1は、スクリーン印刷に通常使いられている印刷版の一部拡大説明図である。金属またはポリエステルからなる細線1を編んだメッシュ部材(メッシュ織物)を、スクリーン枠(図示せず)に張った後、全面に樹脂4(感光性乳剤)を塗布してからマスクで覆い、印刷しない部分のみに露光して、感光性乳剤4を硬化させ、印刷したい部分の感光性乳剤4を除去し、印刷版5を作成する[図中、2はメッシュ部材の開口部(メッシュ開口部)を示す]。
スクリーン印刷においては、図2に示すように、スキージ6を移動させることにより印刷パターン部3(前記図1参照)のメッシュ開口部2にインク7(ペースト)を充填すると共に、印刷対象物8にペースト7を付着させる。スキージ6が通過した後は、印刷版の張力(テンション)により印刷版5(前記図1参照)と印刷対象物8が離れるが、ペースト7は印刷対象物8に残り、感光性乳剤4が除去されたパターン通りに印刷される。印刷された直後のペースト7は、メッシュ開口部2に対応する部分には厚く、細線1に対応する部分は薄くなっているが[図2(b)]、ペースト7の粘性と表面張力により平坦化(レべリング)する[図2(c)]。この際、印刷版5のメッシュ開口部2を越えてペースト7が広がることとなる。このペーストの広がりを印刷の滲みと称す[図2中、7aで示す]。
印刷膜厚(印刷対象物8に塗布されたペースト7の厚さd1)は、印刷版5の厚さと、メッシュ部材の開口率(開口部2の合計面積比率)によって決定され、同じ印刷面積の場合、印刷膜厚(μm)=印刷版の厚さ(μm)×開口率(%)の関係が成り立つことが知られている。感光性乳剤4の厚さを含む印刷版の厚さは、メッシュ部材の厚さより薄くは出来ないので、薄い印刷版を得るためにメッシュ部材の厚さを薄くする努力がなされてきた。
開口率を小さくすることも印刷膜厚を薄くすることに繋がるが、開口率を小さくするとペースト7が印刷対象物に残る量が少なくなるため、ペースト7の不連続(印刷かすれ)が生じることにもなる。こうしたことから、開口率はある値以上を確保する必要があり、その上で印刷版の厚さを薄くすること、即ちメッシュ部材の厚さを薄くすることが印刷膜厚を薄くするために最も重要な要件となっている。印刷版5の厚さとメッシュ部材の厚さが同じとしたときの計算上の印刷膜厚と、メッシュ部材の厚みおよび開口率との関係を参考までに表1に示す。
Figure 0004886905
また、印刷パターン幅やパターンの間隔が狭い印刷を行う場合は、ペースト7の量が多過ぎると滲みが大きくなるため、ペースト7の量を必要最低限に抑える必要がある。こうした観点からも、印刷版の厚さ(即ち、対応するメッシュ部材の厚さ)は薄いほど高精細の印刷が可能となる。
スクリーン印刷用メッシュ部材は、感光性乳剤4を平板に保つためと感光性乳剤4の強度を補強するために用いられるものである。こうしたメッシュ部材は、金属やポリエステルからなる細線1を機械で編んで作製されるのが一般的であるために、その表面には凹凸部が存在することが避けがたい。そのため、メッシュ部材に固定された感光性乳剤4も、その表面は平坦ではなく凹凸部を持つことになり、スキージ6が引っ掛かりやすいためペースト7を均等に引き伸ばし難いといった短所がある。また、感光性乳剤4を塗布して露光する際に光が細線1の表面にあたり、反射方向が変わるために、本来硬化させないパターン部の感光性乳剤4まで硬化させてしまい、印刷パターン部の幅が不均一になることがある。
細線1を編んだメッシュ部材(メッシュ織物)では、通常13〜40μm径の素線を編んだ30〜90μm厚みのものが用いられている。厚みが薄いメッシュ部材を得るために、出来るだけ細い素線を採用する工夫がなされており、例えば特許文献1には、線径が10〜21μm未満のオーステナイト系ステンレス鋼製の極細線1を編んだメッシュ部材(金属メッシュ織物)が提案されている。しかしながら、素線を極細化しただけの金属メッシュ織物では、素線の交差部ではその厚さが細線1の径の2倍となるため、20μm未満の厚さのメッシュ部材を得ることはできない。
また特許文献2には、金属メッシュ織物を圧延加工によって交差部を平坦状にした圧延平坦部の少なくとも一部を研磨等によって面取りし、メッシュ部材の厚さを薄くする技術が提案されている。この技術によれば、圧延加工後の細線径:18.8μmで厚さ24.5μmのメッシュ部材を研磨することにより、メッシュ部材の厚さを21.8μmまで薄くすることが示されている(実施例)。しかしながら、こうした技術では金属細線も研磨により減径(研磨後の線径:18.2μm)しており、これ以上研磨してメッシュの厚さを薄くすると、メッシュ部材の強度が不足しスクリーン枠に張ることが出来なくなることが危惧される。また研磨が不均一な場合には、研磨による減径が進み過ぎ、強度の低い部分ができるためにメッシュ部材が破断する恐れがある。
一方、電鋳法(電解析出)によりニッケルをメッシュ形状に堆積させ、スクリーン印刷用のメッシュ部材とする方法も提案されている(例えば、特許文献3)。しかしながら、電鋳法により作成したメッシュ部材(以下、これを「電鋳メッシュ」と呼ぶことがある)は、薄い印刷膜厚で高精度なスクリーン印刷に適用するメッシュ部材としては以下のような問題を有している。
電鋳法では、ニッケルなどの金属を含む電解溶液(電解浴)中で電圧をかけることにより、正電荷の金属イオンがアノード電極に移動し、移動した金属イオンが堆積(電着)して金属の膜を形成するものである。この原理は広く使われている金属めっきと同じ原理である。電鋳法においては、電圧や時間を調整することによって、厚みの異なる電鋳膜を得ることができる。電極側の金属が析出する基板が平板の場合には、金属箔となるが、作成したい形状により基板(母型)を用いて電鋳すると、様々な形状の電鋳品を得ることができる。一定の間隔で凸部を有する基板を用いて、凸部の隙間にニッケルなどの金属を析出させ、凸部の上面以下で電着を止めると線部と開口部を有するメッシュ形状の金属箔ができる。これを基板から剥がすことにより、線部と開口部を有する電鋳メッシュを得ることができる。
めっき法や電鋳法により作成した金属膜や金属箔には、内部応力が残留することが知られており、この応力は残留応力や電着応力とも呼ばれ、メッシュ部材の強度等に大きな影響を及ぼすと考えられている。同じ種類の電鋳浴からの電鋳であっても、電着応力に差が生じると共に強度も異なるものとなる。またメッシュ部材の強度を高めるために、ニッケルにコバルトなどを含有させることもあるが、このような合金中でも内部の電着応力などが問題となり、電鋳メッシュごとの強度が大きく異なることが知られている。こうしたことから、電鋳メッシュでは強度のばらつきが大きくなり、部分的に強度の低いメッシュ部材となる可能性が懸念される。
電鋳メッシュは、基板の形状や表面構造を忠実に複製するために、基板を作成する際に生じたわずかなバリ、傷や亀裂までも転写してしまうことになる。即ち、基板表面にバリがあると、基板のバリを転写したわずかな傷や亀裂が存在することとなる。このような傷や亀裂の存在は、メッシュ部材を引っ張った際に、その部分に応力が集中してメッシュ部材が破損しやすくなる。また、基板表面の傷や亀裂を転写して、メッシュ部材の表面に突起形状が存在すると、印刷時のスキージとの接触の繰り返しにより突起形状部が取り除かれ、突起形状部が取り除かれた後の傷や亀裂からメッシュ部材が破断する恐れがある。
更に、電鋳メッシュは基板からメッシュ部材を剥がす必要があるため、基材からメッシュ部材を剥がす際に線と線が交差する部分に亀裂が入りやすいという欠点もある。特に、厚さが25μm以下でメッシュ数の多いメッシュ部材を電鋳法で作製すると、線幅が狭く、厚みが薄いために、基板からの剥離中に線部に亀裂が入ることが多い。メッシュ部材の表面に傷や亀裂があると、メッシュ部材を張ったときやスキージで印刷するときなどに傷や亀裂部分に応力が集中するため、傷や亀裂部分からメッシュ部材が破断することがある。
以上のように、電鋳メッシュは表面に小さな傷や亀裂がある場合や電着応力のために強度のばらつきが生じる場合がある。即ち、電鋳メッシュでは強度のばらつきが大きく、強度の低い部分が存在することがあるために、メッシュ部材をスクリーン枠に張るときの張力、或はスキージの押し付ける力(印圧)によって、最も強度の低い部分から破断する恐れがある。
特許第3497844号公報 特開2006−326953号公報 特許第3516882号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、スキージが引っ掛かりやすいためにペーストを均等に引き伸ばし難い原因となるスキージ接触面での凹凸部がなく、厚さが25μm以下で、メッシュ部材として必要で均一な強度を有し、高精細な印刷に必要なメッシュ数を有するスクリーン印刷用メッシュ部材を製造するための有用な方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係るスクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法とは、スクリーン印刷用メッシュ部材を製造する方法であって、
予め厚さが5μm以上、25μm以下とされた圧延金属箔を用いること、
次いで縦方向と横方向の辺が同一長さの四角形状開口、または円形開口を、縦方向および横方向に複数列、且つメッシュ数が250(本/インチ)以上で、隣接する開口と開口の間の線部を構成する少なくとも片面が平坦であるようにエッチングによる孔開け加工を施すことによって形成すること、
作製されたスクリーン印刷用メッシュ部材の開口率の下限は25%以上、開口率の上限は下記(1)式から求められる値以下であること、
且つ該スクリーン印刷用メッシュ部材から幅:15mm、標点距離:100mmの寸法で切り出した試験片について引張試験を行ったときの破断荷重(N)を、引張試験片の幅1cmあたりに換算した引張強度が20N/cm以上であること、に要旨を有するものである。
Figure 0004886905
エッチングによる孔開け加工は、圧延金属箔にレジストを塗布する工程、開口の形状および配列を描写したマスクを配置する工程、露光および現像し、開口予定部を露出する工程、開口予定部をエッチングによって開口する工程、残存するレジスト硬化物を除去する工程、を含むものが挙げられる。本発明のスクリーン印刷用メッシュ部材における好ましい実施形態としては、孔の外観形状(開口の厚さ方向形状)が印刷対象物に向かって広がるように形成する構成が挙げられる。また本発明で製造されるスクリーン印刷用メッシュ部材の素材となる圧延金属箔としては、特に限定されるものではないが、ステンレス鋼、チタン若しくはチタン合金、ニッケル若しくはニッケル合金、銅若しくは銅合金、およびアルミ合金のいずれかが挙げられる。
本発明方法によれば、スキージが引っ掛かりやすいためペーストを均等に引き伸ばし難い原因となるスキージ接触面での凹凸部がなく、厚さが25μm以下で、メッシュ部材として必要で均一な強度を有し、高精細な印刷に必要なメッシュ数を有するスクリーン印刷用メッシュ部材が得られる。
スクリーン印刷に通常使われている印刷版の部分拡大説明図である。 従来技術でのスクリーン印刷におけるペーストの充填状態を説明するための図である。 本発明のメッシュ部材を用いたときのスクリーン印刷におけるペーストの充填状態を説明するための図である。 単位幅当りの最小断面積(mm2/cm)と、単位幅当りの引張強度(N/cm)の関係を示すグラフである。 孔の開口形状を説明するための図である。 孔の外観形状を説明するための図である。 実施例1で得られたメッシュ部材の形状を示す図面代用写真である。 実施例2で得られたメッシュ部材の形状を示す図面代用写真である。 実施例3で得られたメッシュ部材の形状を示す図面代用写真である。 実施例4での各試験片の単位幅当りの引張強度(N/cm)を示すグラフである。
上記の課題を解決するために、本発明者らは様々な角度から検討を重ねた。その結果、素材として圧延により製造された金属箔(以下、「圧延金属箔」と呼ぶ)を用い、この圧延金属箔に孔開け加工を施してメッシュ部材を構成することにより、線部を構成する少なくとも片面(スキージが接触する面)が平坦で、厚さが25μm以下で、しかも強度のばらつきがない高精細なスクリーン印刷用メッシュ部材が実現できることを見出し、本発明を完成した。
本発明のメッシュ部材では、その素材として圧延金属箔を用いることが重要な要件である。このような圧延金属箔は、その表面が平坦で、厚みが薄く均一であり、高い引張強さを有すると共に、強度のばらつきが極めて少なく、こうした圧延金属箔を素材としてメッシュ部材を作製した場合には、厚みや強度のばらつきが殆どないものとなる。
また、メッシュ部材の厚さは圧延金属箔の厚さに反映することになるので、厚さが25μm以下の圧延金属箔に、同じ開口部(孔)の形状で多数の孔開け加工をすることにより、ペーストが透過するための開口部(孔)と、メッシュ部材にした場合の強度を維持するための線部(後記図3の1aで示す)を有する、厚さが25μm以下のメッシュ部材が実現できる。
上記のような圧延金属箔に孔開け加工して厚さが25μm以下のメッシュ部材を構成することにより、図3に示すように、スキージ6が接触するメッシュ部材や感光性乳剤4の表面が平坦でスキージ6の動きが滑らかであるため[図3(a)]、ペーストを均等に引き伸ばし易いと共に[図3(b)]、印刷膜厚d2が薄い高精細なパターンの印刷を行うことができる[図3(c)]。尚、このときの印刷膜厚d2は、厚さが25μm以下で且つ開口率が60%以下のメッシュ部材によって、計算上15μm以下とできることになる(前記表1参照)。
上述のごとく、メッシュ部材の厚みを薄くするほど、印刷膜厚も薄くできるが、現在の圧延技術では厚さが5μm未満の圧延金属箔は安定して入手することが極めて困難である。また圧延金属箔厚さが5μm未満となると、メッシュ部材として必要な強度を確保するためには十分な開口率を得ることが出来なくなる。こうしたことから、本発明のメッシュ部材の厚さは5μm以上、25μm以下のものとなる。
本発明によれば、メッシュ部材に要求される強度特性を満足するものとなるが、このときの強度に関する研究の経緯は次の通りである。まず厚さの異なる(厚さ5μm以上、25μm以下)ステンレス鋼箔に、エッチングによって孔開け加工を施し、開口率の異なる各種メッシュ部材を作製した。このときのメッシュ部材の作製においては、マスクに開口パターンを描画し、圧延ステンレス鋼箔にレジストを塗布した後に、マスクの開口パターンを露光、現像した。その後エッチングにより孔開け加工した後に、レジストを剥離して各種メッシュ部材を作製した。
作製したメッシュ部材(後記表2の試験No.1〜11)の厚さを、マイクロメーター(株式会社ミツトヨ製)で測定した。また光学顕微鏡観察によって、線部1aを構成する面(即ち、スキージが接触する面)が平坦であることを確認すると共に、撮影した顕微鏡画像を汎用画像処理ソフト(ナノシクテム株式会社製)により、線幅(線部1aの幅)と開口幅(孔の幅)を測定し、ピッチ(線幅と開口幅の合計)からメッシュ数(本/インチ)を計算した。また開口幅とピッチから、開口率[開口幅(μm)2/ピッチ(μm)2×100(%)]を算出した。更に、単位幅当りの開口部間の線部の断面積に相当する[単位幅当りの最小断面積](mm2/cm)を、10mm×厚さ(mm)×(1−√開口率(%))÷1cmの計算式から算出した。尚、上記「√開口率(%)」とは、例えば開口率が50%の場合は、√(0.5)として計算することを意味する。
また作製したメッシュ部材から、幅:15mm、標点距離:100mmの試験片を切り出し、引張試験機(株式会社オリエンテック製)で引張試験を実施した。引張試験を行ったときの破断荷重(N)を引張試験片の幅1cm当りに換算したものを単位幅当りの引張強度として求めた。
上記の結果[メッシュの厚さ(μm)、メッシュ数(本/インチ)、単位幅当りの最小断面積(mm2/cm)、開口率(%)、単位幅当りの引張強度(N/cm)]を、下記表2に示す(表2に示した「負荷試験」については、後述する)。尚、作製した全てのメッシュ部材は、スキージが接触する面の線部1aは平坦であることが確認できた。
Figure 0004886905
上記引張試験の結果から、本発明者らが、メッシュ部材の引張強度に影響を及ぼしている要因を解析したところ、圧延金属箔に孔開け加工して作製したメッシュ部材の単位幅当りの引張強度(N/cm)は、単位幅当りの最小断面積(mm2/cm)に比例することを見出した。単位幅当りの最小断面積(mm2/cm)と、単位幅当りの引張強度(N/cm)の関係を図4に示す。即ち、印刷版作成時にメッシュ部材を引張った際に、最も応力が大きくなるのは、断面積が最も小さい開口部間の線部であり、圧延金属箔に孔開け加工して作製したメッシュ部材では、その単位幅当りの引張強度は単位幅当りの最小断面積に比例することになる。
メッシュ部材を作製する前の圧延金属箔の強度は、通常引張強さ(N/mm2)で表され、圧延金属箔の種類により特定の引張強さを示すことから、圧延金属箔から作製したメッシュ部材の単位幅当りの引張強度(N/cm)の計算上の最大値は、[圧延金属箔の引張強さ(N/mm2)]×[単位幅当りの最小断面積(mm2/cm)]となる。
本発明者らは、作製したメッシュ部材が、薄い印刷膜厚で高精細なスクリーン印刷版用メッシュ部材としての強度を有するかを評価するために負荷試験を行った。このときの負荷試験では、印刷版のアルミ枠にメッシュ部材を張った状態でスキージの印圧(押圧荷重)に耐えられるかを模擬的に評価するために、印刷版のアルミ枠を模擬した金属製クランプでメッシュ部材の四辺を挟み、スクリーン印刷版作製と同様に、テンションゲージ(株式会社プロテック製)をメッシュ部材の中央部に置いてメッシュ部材の沈み込み量(mm)を計測しながら、メッシュ部材を挟んだクランプを移動させてメッシュ部材を張った。メッシュ部材を張った状態で、圧縮試験機(インストロン社製)を用いてチャックに挟んだスクリーン印刷用ウレタンゴム製のスキージをスクリーン印刷時と同様にメッシュ部材に押しあて、メッシュ部材にかかる張力とスキージの印圧に耐えられるかを観察した。メッシュ部材の線部が破れるときは、メッシュ部材全体が破損するため、観察は目視により行い、メッシュ部材の線部に破れがなかった場合を「○」、メッシュ部材の線部が1箇所でも破れた場合を「×」と判定した。その結果、を上記表2に併記した。
負荷試験の結果、作製したメッシュ部材のうち、試験No.1、2(図4に示した比較例)は破損したが、試験No.3〜11(図4に示した実施例)では破損しなかった。メッシュ部材が破損したもの(試験No.1、2)の単位幅当りの引張強度はいずれも20N/cm未満であり、単位幅当りの引張強度が20N/cm以上を有するその他のメッシュ部材(試験No.3〜11)は、いずれも破損しなかった。この試験の結果から、メッシュ部材の単位幅当りの引張強度を20N/cm以上とすることにより、スクリーン印刷に用いることができるメッシュ部材が実現できることが判明した。この結果から、メッシュ部材の引張試験を行ったときの破断荷重(N)を引張試験片の幅1cm当りに換算した単位幅当りの引張強度を20N/cm以上と規定した。
本発明者らは、スクリーン印刷用メッシュ部材のメッシュ数と印刷精度の関係についても検討した。その結果、高粘度のペーストを用いた方が、印刷滲みが少なくなって、高精度の印刷が実現できるのであるが、こうした高精度の印刷を実現するためには、メッシュ数を250(本/インチ)以上にする必要がある。こうしたことから、本発明のメッシュ部材では、そのメッシュ数は微細なパターンを印刷することができる250(本/インチ)以上の細かさを有するものとした。圧延金属箔に孔を開けたメッシュ数が250(本/インチ)以上のメッシュ部材は、線幅と開口幅の合計であるピッチを100μm以下とすることにより得ることができる。
圧延金属箔に孔開け加工したメッシュ部材は、開口率が小さいほど強度は高くなるが、開口率が小さくなると開口部におけるペーストの充填量が少なくなって、印刷かすれが発生することがある。そこで開口率を変えたメッシュ部材を試作し、スクリーン印刷用印刷版を作成して印刷試験を行ったところ、開口率25%未満では印刷かすれが発生するが、開口率25%以上では良好な印刷ができることが分かった。
前述のとおり、メッシュ部材の単位幅当りの引張強度(N/cm)の計算上の最大値は、[圧延金属箔の引張強さ(N/mm2)]×[単位幅当りの最小断面積(mm2/cm)]であり、単位幅当りの最小断面積は10mm×厚さ(mm)×(1−√開口率(%))÷1cmであることから、単位幅当りの引張強度(N/cm)の計算上の最大値は、圧延金属箔の引張強さ(N/mm2)×10mm×厚さ(mm)×(1−√開口率(%))÷1cmとなり、開口率が大きいほど単位幅当りの引張強度(N/cm)の計算上の最大値は小さくなる。
メッシュ部材の負荷試験の結果から、スクリーン印刷用のメッシュ部材としては単位幅当りの引張強度が20N/cm以上必要であることから、厚みが異なる場合でも少なくとも単位幅当りの引張強度が20N/cmとなる開口率(計算上の最大開口率)以下の開口率とする必要がある。計算上の最大開口率は、20N/cm=圧延金属箔の引張強さ(N/mm2)×10mm×厚さ(mm)×(1−√開口率(%))÷1cmの関係式から算出できるため、計算上の最大開口率は、下記(1)式で算出できることになる。
Figure 0004886905
即ち、メッシュ部材の開口率は、スクリーン印刷に必要な開口率である25%以上を確保するとともに、単位幅当りの引張強度20N/cm以上を確保するために、上記(1)式で算出される計算上の最大開口率以下とする必要がある。
メッシュ部材の開口率を25%以上とすると共に、上記(1)式で算出される計算上の最大開口率以下とした場合に、単位幅当りの引張強度が20N/cm以上を確保できるかを検討した。このとき用いたステンレス箔の引張強さは1430N/mm2であることから、ステンレス箔からなるメッシュ部材の計算上の最大開口率は[1−20(N/cm)÷1430(N/mm2)÷厚さ(mm)÷10]2×100(%)で算出でき、厚さが6μmでは開口率:59%、厚さが10μmでは開口率:74%、厚さが11μmでは開口率:76%、厚さが21μmでは開口率:87%となる。検討の結果、上記試験No.3〜11のメッシュ部材では、いずれも計算上の最大開口率以下となっており、単位幅当りの引張強度が20N/cm以上であった。試験No.1,2のものでは、いずれも厚さ6μmでの計算上の最大開口率である59%を超える開口率となっており、単位幅当りの引張強度が20N/cm未満であった。
本発明のメッシュ部材において、多数形成される孔の形状(開口形状)は、円形でもよいが、図5のAに示すような四角形状(メッシュ部材の全体形状が格子状)が、開口率を確保しながら強度を保持する上で好適である。
また孔の外観形状(開口の厚さ方向形状)についても、限定するものではないが、印刷対象物に向かって広がるように形成されたものであることが好ましい。図6は、こうした形状を説明するための図である。図6(a)は、孔9の側壁が印刷対象物に向かって(6図の下方に向かって)垂直となる通常の孔の外観形状を示したものであり、図6(b)〜(d)は線部1aの断面形状を様々に工夫することによって、孔の外観形状を印刷対象物に向かって広がるように形成したものである。このうち、図6(b)は線部1aの断面形状を逆台形状となるように、図6(c)は線部1aの断面形状が半円形状、図6(d)は線部1aの断面形状が三角形状であることを夫々示している。
これらの形状のうち、通常の孔の形状[図6(a)]に比べて、印刷対象物に向かって広がるように形成されたものである場合には[図6(b)〜(d)]、ペーストの回り込みが良好なものとなるために、ペーストの粘度をあげることができ、印刷時の滲みをより少なくすることができる。こうした形状の孔を形成するには、例えば圧延金属箔の片面側にのみにレジストを塗布後、孔の開口パターンを露光・現像し、低濃度のエッチング液を使ってレジストを塗布した片面側のみからエッチングすることで、圧延金属箔の片面をより多く溶かすことにより、上記のような各種外観形状の孔9を形成することができる。尚、孔の形状を印刷対象物に向かって広がるように形成した場合のメッシュ部材の開口率は、スキージ面側と印刷対象物面側の開口率の平均値とする。
従来の金属細線を編んでメッシュ部材とする製品の多くがステンレス鋼細線を採用しており、ペーストなどの周辺部材がステンレス鋼のメッシュ部材を前提に作られているため、素材となる圧延金属箔はステンレス鋼(ステンレス箔)が最も実用的である。ステンレス箔よりも強度の低いチタン箔、ニッケル箔、銅箔、アルミ合金箔(Al95%〜98%)の引張試験を実施し、引張強さ(N/mm2)を測定した。測定した引張強さから、厚さ15μmの場合と最も強度が得られる厚さ25μmの場合での計算上の最大開口率を算出し、計算上の最大開口率が印刷かすれのない印刷に必要な開口率:25%以上となっているかを検討した。
チタン箔、ニッケル箔、銅箔、アルミ合金箔の引張強さから算出した厚さ:15μmと厚さ:25μmの場合の最大開口率は下記表3に示す通りであった。検討の結果、厚さ:15μmと厚さ:25μmの場合には、全ての圧延金属箔の計算上の開口率はスクリーン印刷用メッシュ部材として必要な開口率:25%以上が確保できていた。この結果から、ステンレス鋼の他、チタン若しくはチタン合金、ニッケルおよびニッケル合金、銅若しくは銅合金、アルミ合金が本発明品を作成するための圧延金属箔として実用可能であることが分かる。尚、本発明で圧延金属箔の素材として用いることのできるチタン合金、ニッケル合金、銅合金、アルミ合金とは、箔状にできるものであれば良く、例えばチタン合金であればJISH4600 80種等、ニッケル合金であればJISCS2520(1986)NCHRW1等、銅合金であればJISH3130 C1720R−H等、アルミ合金であればJISH4000 5052等が挙げられる。また、このような圧延金属箔は、一般的に市販されており、容易に入手できる。
Figure 0004886905
素材となる圧延金属箔に多数の孔を形成する方法については、エッチング加工、ショットブラスト加工、レーザー加工等を採用できる。本発明者らは、圧延金属箔に孔開け加工するために、エッチング加工、ショットブラスト加工、レーザー加工を試みた。
エッチング加工の場合は、圧延金属箔を張ってガラスなどの表面が平坦な固定板に貼り付けた状態、または圧延金属箔を巻きつけたロールを張った状態、即ち圧延金属箔に皺(しわ)がないように張った状態で以下の加工を行う。まず圧延金属箔に感光性レジストをなるべく薄く塗布した後、マスクに描画したメッシュの開口部のパターンを露光、現像して、開口部のパターンを圧延金属箔に形成する。このときマスクに描画した微細なパターンを圧延金属箔に正確に露光するために、マスクと圧延金属箔をなるべく近づけ、高解像度の露光を行うと共に、マスクに描画するパターンは露光・現像およびエッチングによるずれを計算した形状とする。現像により開口部のみの感光性レジストを除去して、開口部のみの圧延金属箔を露出させる。圧延金属箔の種類に応じたエッチング液を使用して、開口部のみの圧延金属箔にエッチング液を接触させて、孔開け加工を行う。孔開け加工後に、感光性レジストを剥離し、本発明のメッシュ部材を得ることができる。
ショットブラスト加工によってメッシュ部材を製造する場合は、圧延金属箔を張ってガラスなどの硬く表面が平坦な固定板に貼り付けた状態で圧延金属箔にレジストを塗布した後、開口部パターンを露光、現像後に、炭化ケイ素(SiC)などの微粉研磨材を圧延金属箔にあてることにより、開口部を切削するようにすればよい。
レーザー加工によってメッシュ部材を製造する場合は、圧延金属箔にレーザーを照射することにより孔を開ける。各加工法の研究の結果、いずれの方法でも孔開けすることはできるが、開口の精度や速度の点からエッチング加工による孔開けが最も好適である。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
[実施例1]
市販のステンレス鋼圧延箔(東洋精箔株式会社製:規格SUS304−H)を用い、エッチングにより開口部の形状が四角形の孔開け加工してメッシュ部材を得た。このときのメッシュ部材の線部(図3、6に示した1a)は平坦であり、厚さは10μm、開口率は53%、メッシュ数は420(本/インチ)となっている。このメッシュ部材の詳細な作製方法は次の通りである。まずマスクに四角形状の開口パターン(ピッチ60μm)を描画し、ステンレス鋼圧延箔にフォトレジストを塗布し、パターンを露光した後に現像した。現像後、エッチングにより孔開け加工し、最後にフォトレジストを剥離することによりメッシュ部材を得た。このメッシュ部材を用いて実際の印刷を行ったところ、メッシュ部材の破れも無く印刷膜厚5μmの印刷が可能なことが確認できた。このとき得られたメッシュ部材の形状を図7(図面代用顕微鏡写真)に示す。
[実施例2]
市販のステンレス鋼圧延箔(東洋精箔株式会社製:規格SUS304−H)を用い、エッチングにより開口部の形状が丸型の孔開け加工してメッシュ部材を得た。得られたメッシュ部材の線部は平坦で、厚さは10μm、開口率は47%、メッシュ数は250(本/インチ)となっている。このメッシュ部材の詳細な作製方法は次の通りである。まずマスクに丸形状の開口パターン(ピッチ100μm)を描画した後に、ステンレス鋼圧延箔にフォトレジストを塗布し、パターンを露光した後に現像した。現像後、エッチングにより孔開け加工し、最後にフォトレジストを剥離することによりメッシュ部材を得た。このメッシュ部材を用いて実際の印刷を行ったところ、メッシュ部材の破れも無く印刷膜厚5μmの印刷が可能なことが確認できた。このとき得られたメッシュ部材の形状を図8(図面代用顕微鏡写真)に示す。
[実施例3]
市販のステンレス鋼圧延箔(東洋精箔株式会社製:規格SUS304−H)を用い、エッチングにより開口部の形状が丸型の孔開け加工してメッシュ部材を得た。メッシュ部材の線部は平坦で、厚さは21μm、開口率は55%、メッシュ数は250(本/インチ)となっている。このメッシュ部材の詳細な作製方法は次の通りである。まずマスクに丸形状の開口パターン(ピッチ100μm)を描画した後に、ステンレス鋼圧延箔にフォトレジストを塗布し、パターンを露光した後に現像した。現像後、エッチングにより孔開け加工し、最後にフォトレジストを剥離することによりメッシュ部材を得た。このメッシュ部材を用いて実際の印刷を行ったところ、メッシュ部材の破れも無く印刷膜厚12μmの印刷が可能なことが確認できた。このとき得られたメッシュ部材の形状を図9(図面代用顕微鏡写真)に示す。
[実施例4]
めっき法により作製された金属箔(電解箔)に孔開け加工した電解箔メッシュ部材と、本発明の圧延金属箔メッシュ部材の強度を比較検討するために、電解箔および圧延金属箔に孔開け加工したメッシュ部材の引張試験を行った。市販の電解ニッケル箔(福田金属箔粉工業株式会社製、Ni:99%以上)と圧延ニッケル箔(東洋精箔株式会社製、規格VNi−H)にエッチングで孔開け加工し、電解箔を加工したメッシュ部材(線部を構成する両面が平坦、厚さ25μm、メッシュ数250(本/インチ)、開口率62%、孔の側壁が垂直)と、圧延ニッケル箔を加工したメッシュ部材(線部を構成する両面が平坦、厚さ20μm、メッシュ数250(本/インチ)、開口率67%、孔の側壁が垂直)を作製した。作製したメッシュ部材から、幅:15mm、標点距離:100mmの試験片を切り出し、引張試験を実施した。
図10に各試験片の単位幅当りの引張強度を示す。従来の電解ニッケル箔メッシュ部材は、試験片ごとの単位幅当りの引張強度のばらつきが本発明の圧延ニッケル箔メッシュ部材よりも大きかった。
この結果より、圧延金属箔に孔開け加工することにより強度のばらつきが少ないメッシュ部材を実現できることが分かる。また、各試験片の単位幅当りの引張強度の平均値は電解ニッケル箔メッシュ部材が18N/cm、圧延ニッケル箔メッシュ部材が28N/cmであった。圧延ニッケル箔メッシュ部材のほうが、電解ニッケル箔メッシュ部材よりも厚みは薄く、開口率も大きいにもかかわらず、高い強度が得られた。
本発明のメッシュ部材では、線部に平坦な面を持つため、表面に凹凸を有する細線を編んだメッシュに比べてスキージの移動がスムースになり、ペーストを均等に引き伸ばし易いものとなる。また上記平滑な部分の存在によって、コンビネーションマスク(周辺が樹脂メッシュで中央部が金属メッシュのマスク)を製作時に樹脂メッシュとの接着が容易となるという利点もある。
ステンレス等の細線を編んだメッシュ部材では、感光性乳剤を塗布した後の露光の際に光が細線表面にあたり、反射方向が変わるために本来乳剤を硬化させないパターン部の乳剤まで硬化させてしまうことになる。開口率が大きいほど印刷版作成時の露光時のハレーションが少ないが、同じ開口率であっても、表面に平面形状を有する本発明のメッシュ部材では、細線を編んだメッシュ部材に比べて光の反射方向が一定となる。そのため、露光時のハレーションが少なくなり、印刷パターンの幅が均一となり、印刷版の解像度が高くなることが期待できる。
1 細線
2 開口部
3 印刷パターン部
4 樹脂(感光性乳剤)
5 印刷版
6 スキージ
7 インク(ペースト)
7a 滲み
8 印刷対象物
9 孔

Claims (4)

  1. スクリーン印刷用メッシュ部材を製造する方法であって
    予め厚さが5μm以上、25μm以下とされた圧延金属箔を用いること
    次いで縦方向と横方向の辺が同一長さの四角形状開口、または円形開口を、縦方向および横方向に複数列、且つメッシュ数が250(本/インチ)以上で、隣接する開口と開口の間の線部を構成する少なくとも片面が平坦であるようにエッチングによる孔開け加工を施すことによって形成すること
    作製されたスクリーン印刷用メッシュ部材の開口率の下限は25%以上、開口率の上限は下記(1)式から求められる値以下であること、
    且つ該スクリーン印刷用メッシュ部材から幅:15mm、標点距離:100mmの寸法で切り出した試験片について引張試験を行ったときの破断荷重(N)を、引張試験片の幅1cmあたりに換算した引張強度が20N/cm以上であること、
    を特徴とするスクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法。
    Figure 0004886905
  2. 圧延金属箔にレジストを塗布する工程、
    開口の形状および配列を描写したマスクを配置する工程、
    露光および現像し、開口予定部を露出する工程、
    開口予定部をエッチングによって開口する工程、
    残存するレジスト硬化物を除去する工程、
    を含む請求項1に記載のスクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法。
  3. 開口の厚さ方向形状が印刷対象物に向かって広がるように形成する請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記圧延金属箔は、ステンレス鋼、チタン若しくはチタン合金、ニッケル若しくはニッケル合金、銅若しくは銅合金、およびアルミ合金のいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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