JP2012035451A - スクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属箔に塗布したフォトレジストに露光した孔の開口サイズのばらつきを少なくし、高精度に孔開け加工ができるようなスクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のスクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法は、エッチングによって金属箔に多数の孔開け加工してスクリーン印刷用メッシュ部材を製造するに当り、厚さが5〜50μmの金属箔にフォトレジストを塗布した後に、露光用マスクに描画した孔の形状を露光するときのエネルギー量を120〜240mJ/cm2として操業する。
【選択図】なし

Description

本発明は、スクリーン印刷に用いられるメッシュ部材を製造する方法に関するものであり、特に金属箔にエッチングによって孔開け加工するに際し、高精度な孔の形状を金属箔に加工することのできる方法に関するものである。
金属細線を編んだメッシュ織物(金属メッシュ織物)は、溶液の濾過やスクリーン印刷等の分野で広く利用されている。このうち、スクリーン印刷は、積層チップコンデンサ等の電子部品の製造をはじめ、太陽電池の表面電極の形成にも利用されている。また、スクリーン印刷においては、金属メッシュ織物は、印刷したい領域のみにインク(ペースト)が透過するように、感光性乳剤を用いて印刷パターンを形成し、使用されている。スクリーン印刷には、開口率(孔の合計面積率)が50〜60%程度の金属メッシュ織物が利用されるのが通常である。
電子部品の小型化や太陽電池の発電効率の向上のために、スクリーン印刷で印刷する電極の幅を細く、且つ電極高さを高くするための努力がなされている。これは、電極の抵抗値は断面積に依存するので、電子部品の小型化のためや、太陽電池の受光面積を大きくして発電効率を高めるためには、電極を細く、且つ高くして断面積をなるべく大きくし、電極の抵抗値が高くならないようにするためである。しかしながら、金属メッシュ織物を使って印刷した場合にはメッシュ痕(後述する)が残りやすく、印刷の高低差にばらつきが出やすいという問題がある。また、印刷後(印刷用スキージが通過した後)、印刷版のメッシュ織物の細線が交差した部分にペーストが残存し、印刷(電極)高さが低くなることがある。その結果、印刷パターン幅をより小さくしたときには、印刷かすれが生じやすく、電極高さが低い部分が存在することがあり、このような場合には目的の電気抵抗値を得られないことがある。
表面に凹凸部がないメッシュ部材を使用すれば、メッシュ痕が残りにくく、印刷の高低差を少なくできることが期待できる。表面に凹凸部のないメッシュ部材を製造する方法としては、電鋳法(電解析出)によりニッケルなどをメッシュ状に堆積させ、スクリーン印刷用のメッシュ部材とする方法も提案されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、電鋳法により作製したメッシュ部材(以下、これを「電鋳メッシュ」と呼ぶことがある)を、比較的薄い印刷膜厚で高精度なスクリーン印刷に適用するメッシュ部材とするに当たっては以下のような問題を有している。
電鋳法では、ニッケルなどの金属を含む電解溶液(電解浴)中で電圧をかけることにより、正電荷の金属イオンがアノード電極に移動し、移動した金属イオンが堆積(電着)して金属の膜を形成するものである。この原理は広く使われている金属めっきと同じ原理である。電鋳法においては、電圧や時間を調整することによって、厚みの異なる電鋳膜を得ることができる。電極側の金属が析出する基板が平板の場合には、金属箔となるが、作製したい形状の基板(母型)を用いて電鋳すると、様々な形状の電鋳品を得ることができる。一定の間隔で凸部を有する基板を用いて、凸部の隙間にニッケルなどの金属を析出させ、凸部の上面以下で電着を止めると線部と開口部を有するメッシュ形状の金属箔ができる。これを基板から剥がすことにより、線部と開口部を有する電鋳メッシュを得ることができる。
めっき法や電鋳法により作製した金属膜や金属箔には、内部応力が残留することが知られており、この応力は残留応力や電着応力とも呼ばれ、メッシュ部材の強度等に大きな影響を及ぼすと考えられている。同じ種類の電鋳浴からの電鋳であっても、電着応力に差が生じると共に強度も異なるものとなる。またメッシュ部材の強度を高めるために、ニッケルにコバルトなどを含有させることもあるが、このような合金中でも内部の電着応力などが問題となり、電鋳メッシュごとの強度が大きく異なることが知られている。こうしたことから、電鋳メッシュでは強度のばらつきが大きくなり、部分的に強度の低いメッシュ部材となる可能性が懸念される。
また電鋳メッシュでは、基板の形状や表面構造を忠実に複製するために、基板を作製する際に生じたわずかなバリ、傷や亀裂までも転写してしまうことになる。即ち、基板表面にバリがあると、基板のバリを転写したわずかな傷や亀裂が存在することとなる。このような傷や亀裂の存在は、メッシュ部材を引っ張った際に、その部分に応力が集中してメッシュ部材が破損しやすくなる。また、基板表面の傷や亀裂を転写して、メッシュ部材の表面に突起形状が存在すると、印刷時のスキージとの接触の繰り返しにより突起形状部が取り除かれ、突起形状部が取り除かれた後の傷や亀裂からメッシュ部材が破断する恐れがある。
更に、電鋳メッシュは基板からメッシュ部材を剥がす必要があるため、基材からメッシュ部材を剥がす際に線と線が交差する部分に亀裂が入りやすいという欠点もある。特に、厚さが薄い状態(例えば50μm以下)でメッシュ数の多いメッシュ部材を電鋳法で作製すると、線幅が狭く、厚みが薄いために、基板からの剥離中に線部に亀裂が入ることが多い。メッシュ部材の表面に傷や亀裂があると、メッシュ部材を張ったときやスキージで印刷するときなどに傷や亀裂部分に応力が集中するため、傷や亀裂部分からメッシュ部材が破断することがある。
一方、金属箔に孔開け加工する手段として、レーザ照射による方法やエッチングによる方法等が提案されている(例えば、特許文献2)。このうち、レーザ照射による方法では、孔の形状のばらつきが大きくなるため、スクリーン印刷用メッシュ部材のように微細で、高精度の孔を開ける必要がある場合には、適していない。
上記特許文献2の実施例には、エッチングによる方法として、厚さ0.05mm(50μm)の金属プレートにエッチングレジストを塗布乾燥し、ドットネガパターンフィルムで露光・現像した後、エッチングレジストを剥離して金属プレートのメッシュ部材を形成する方法についても提案されている。
しかしながら、スクリーン印刷用メッシュ部材のように、金属箔の厚さとして5〜50μm程度の薄いことが要求されるものに対しては、金属箔が折れ曲がりやすくなり、フォトレジストを塗布した金属箔と露光用マスク(フォトマスク)との距離(ギャップ)に数μm〜数十μm程度のばらつきが生じることになる。このようにギャップにばらつきが生じると、露光する光の散乱度合いが場所によって異なり、フォトレジストでの露光した孔(開口部)の大きさ(開口サイズ)にばらつきが生じることになる。その結果、エッチングおよびフォトレジストの剥離後に得られるメッシュ部材の孔の形状にばらつきが生じることになり、高精度の孔開け加工が要求される用途、特にスクリーン印刷用メッシュ部材への適用が困難となる。
上記のような露光時のギャップのばらつきの影響を低減する方法として、一般的に露光時に基板とフォトマスクを強く密着させる露光方法(ハードコンタクト露光)等が採用されることがある。しかしながら、スクリーン印刷用メッシュ部材のように、薄い金属箔を基板として用いる場合には、基本的に密着させること自体が難しいものとなる。仮に特殊な治具を用いたり、空気圧の適用によって両者を密着させることができたとしても、フォトレジストがフォトマスクに付着して基板からが剥がれてしまったり、逆にフォトマスク上のわずかな異物が転写される等、パターンの欠陥を誘発しやすいという問題がある。また、上記のようなギャップの影響をうけにくい投影露光法(プロジェクション露光)等の方法も、別の用途では広く適用されているが、装置・設備の点で高価となり、スクリーン印刷用メッシュ部材を製造する方法としては適した方法とは言えない。
特許第3516882号公報 特開平9−226265号公報
これまで提案されている技術のうち、金属箔にエッチングで孔開け加工してメッシュ部材を製造することが比較的問題の少ない方法であると言える。こうした方法では、金属箔にエッチングで孔開け加工するために、金属箔に塗布したフォトレジストに露光用マスクに描画した孔の形状を露光し、その後現像してエッチング液を接触させる部分のみ金属箔を露出させる必要がある。しかしながら、スクリーン印刷用メッシュ部材のように薄い金属箔を用いると、折れ曲がり易いために、露光用マスクとの間の距離(ギャップ)を一定にすることが困難であり、露光した孔の大きさ(開口サイズ)にばらつきが生じやすくなる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、金属箔に塗布したフォトレジストに露光した孔の開口サイズのばらつきを少なくし、高精度に孔開け加工ができるようなスクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成することのできた本発明に係るスクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法とは、エッチングによって金属箔に多数の孔開け加工してスクリーン印刷用メッシュ部材を製造するに当り、厚さが5〜50μmの金属箔にフォトレジストを塗布した後に、露光用マスクに描画した孔の形状を露光するときのエネルギー量を120〜240mJ/cm2として操業する点に要旨を有するものである。
本発明の製造方法においては、フォトレジストは液状ポジタイプのものであり、その塗布厚さが3μm以下であるものが好ましい。
本発明方法で適用する金属箔としては、圧延されたものであることが好ましい。また、この金属箔の素材としては、ステンレス鋼、チタン若しくはチタン合金、ニッケル若しくはニッケル合金、銅若しくは銅合金、およびアルミ合金のいずれかからなるものが挙げられる。
本発明のスクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法によれば、所定厚さの薄い金属箔に、エッチングによって多数の孔開け加工するに際して、前記金属箔にフォトレジストを塗布した後に、露光用マスクに描画した孔の形状を露光するときのエネルギー量を適切に制御することによって、金属箔に高精度に孔開け加工したスクリーン印刷用メッシュ部材が実現できた。
現像時間を60秒としたときの、露光時の照射エネルギー量の違いが得られたメッシュ部材の開口幅のばらつきに与える影響を示したグラフである。 現像時間を180秒としたときの、露光時の照射エネルギー量の違いが得られたメッシュ部材の開口幅のばらつきに与える影響を示したグラフである。 本発明方法を適用したときのメッシュ部材の開口幅のばらつきを示すヒストグラムである。 比較方法を適用したときのメッシュ部材の開口幅のばらつきを示すヒストグラムである。 実施例1で得られたメッシュ部材の一部を拡大した形状を示す図面代用レーザ顕微鏡写真である。
本発明のスクリーン印刷用メッシュ部材は、エッチングによって金属箔に多数の孔開け加工を施すことによって製造されるが、その素材となる金属箔、特に厚さが50μm以下の薄い金属箔は腰がなく、「折れ」が発生しやすくなる。そこで、薄いガラス板(例えば厚さ2mm程度)または樹脂フィルム(例えば厚さが200μm程度)等の基材(以下、これを「固定板」と呼ぶことがある)に、金属箔を貼り付けて固定するのが良い。金属箔をガラス板または樹脂フィルム等に貼り付けることによって、折れ等を防ぎ均一な厚みのフォトレジストを金属箔に塗布することができる。尚、固定板に貼り付けて固定する代わりに、ロール状の金属箔を皺(しわ)がないように張った状態でフォトレジストを塗布してもよい。
後記するように金属箔は圧延されたものが好ましく用いられるが、現在の圧延技術では厚さが5μm未満となる金属箔(圧延金属箔)は安定して入手することが極めて困難である。また金属箔の厚さが5μm未満となると、メッシュ部材として必要な強度を確保するためには十分な開口率を得ることが出来なくなる。こうしたことから、本発明で用いる金属箔の厚さは5μm以上とした。
金属箔を固定板に貼った状態でフォトレジストと塗布し、露光用マスクに描画したメッシュ部材の孔(開口部)の形状(パターン)を露光する。このとき露光用マスクに描画した微細な開口部パターンを金属箔に塗布したフォトレジストに正確に露光するために、露光用マスクと、フォトレジストを塗布した金属箔とをなるべく近づけることが好ましい(即ち、ギャップはできるだけ小さい方が良い)。より好ましくは露光用マスクとフォトレジストがわずかに接触する程度とするのがよい。
しかしながら、金属箔に塗布したフォトレジストと露光用マスクの間の距離(ギャップ)は、金属箔の箇所によっては数μm〜数十μm程度の範囲で異なったものとなる。これは、金属箔を固定板に貼り付けたとしても大型の固定板にはわずかな反りや凹凸が残存することや、薄いフォトレジストを強くフォトマスクに押し当てる(ハードコンタクト露光と呼ばれる方法)ことを行なうと、レジストのダメージや欠損につながるため、実用的な生産には、わずかに隙間を空ける(プロキシミティ露光=近接露光と呼ばれる方法)か、弱く接触させる(ソフトコンタクト露光)方法が望ましいためである。
わずかに隙間を空けたり、弱く接触させるだけでは、元々の固定板の反りの影響や、間に入った空気の影響により、ギャップを完全に均一にすることはきわめて困難である。ギャップが均一でないと、露光時に光が散乱し、露光用マスクの開口部パターンが均一にフォトレジストに露光されず、結果的に箇所によっては孔の大きさ(開口サイズ:以下「開口幅」で代表する)が異なる(即ち、開口幅にばらつきがある)メッシュ部材となる。開口幅にばらつきがあると、線部の幅が狭く強度が低い部分が存在することになるため、部分的に強度の低いメッシュ部材となる。
一方、露光するときのエネルギー量(露光時の照射エネルギー量:mJ/cm2)は、通常では、提示された推奨条件の範囲内で実際に用いる基板(金属箔)や装置で、フォトマスクの幅に合わせた最適な露光条件が決定されることになる。即ち、通常採用される条件設定基準は、フォトマスクの設計サイズどおりの線幅にフォトレジストの線幅が形成されることが前提である。本発明者は、用いる基材上でハードコンタクト露光を用いて改めて適切な条件を求めたところ、露光時の照射エネルギー量が40〜90mJ/cm2程度が最も設計線幅に近い値となることが確認できた。
露光後、フォトレジストの成分に適合した現像液を選定し、現像液をフォトレジストに接触させることにより開口部のみのフォトレジストを除去して、開口部のみ金属箔を露出させた。例えば上述した東京応化工業株式会社製「PMER P」シリーズの場合、現像は指定現像液を15倍等に希釈して使用することが推奨される。金属箔に塗布したフォトレジストと露光用マスクとのギャップが不均一であっても、高精度に開口部パターンを露光するための方法を検討した。このとき、ステンレス鋼製圧延金属箔(厚さ15μm)を、樹脂フィルム(固定板)に貼り付け、20μmから90μmのギャップにおいて、露光時の照射エネルギー量と露光後の現像時間を変化させたときの開口幅のばらつきを測定した。またパターンには、開口サイズ(開口幅)は40μmを想定したものを用いた。
図1は、現像時間を60秒としたときの露光時の照射エネルギー量の違い(60〜240mJ/cm2)が得られたメッシュ部材の開口幅のばらつきに与える影響を示したグラフである。また、図2は、現像時間を180秒としたときの露光時の照射エネルギー量の違い(40〜240mJ/cm2)が得られたメッシュ部材の開口幅のばらつきに与える影響を示したグラフである。これらの結果から、次のように考察できた。
露光時の照射エネルギー量と開口幅のばらつき、および現像時間と開口幅のばらつきには相関関係が認められた。本発明者が検討したところによれば、実際に金属箔を用いて露光を行なった場合には、そのギャップは20〜60μm程度のばらつきが生じることが判明している(正確なギャップを算出することは現実には困難であるが、形成したパターンの寸法や形状からの推測した値である)。そして、本発明者が更に検討した結果、露光時の照射エネルギー量を120〜240mJ/cm2(好ましくは120〜180mJ/cm2)にしたときに、開口幅のばらつきを最も小さくできること(例えば、標準偏差σのばらつき3σで±1.2μm以内)が判明したのである。
上記の結果は、前記図1、2に示したように、現像条件に依存せず、現像条件が変わった場合にも成り立つことを見出している。こうした現象が生じる理由については、その全てが判明した訳ではないが、おそらく次のように考えることができた。即ち、ギャップが生じた際に回折により光が散乱するが、このとき散乱する光の強度がギャップに依存せずほぼ同じ強度となる光のエネルギー量が存在するものと考えられた。
上述したように、上記現象は現像条件に依存しないものとなる。このことは、逆に言えば、上記の設定条件で操業した場合は、所望のパターンサイズにはなりにくいという事態を招くことにも繋がる。例えば、作製予定のメッシュ部材の開口幅が40μmであるとすると、仕上がり寸法とは若干のずれが生じていることが分かる。この点に関し、本発明方法で設定される照射エネルギー量は従来見落とされていた範囲に属するものとなる。但し、こうした不都合は、予め設計開口幅にそのずれ量を見込んで設計することにより補うことができる。
一般的には、まず生産ラインに適合した現像条件を決定しておき、設計サイズどおりにパターンが形成できる照射エネルギー量を設定することが通常である。しかしながら、本発明方法では、先にパターンサイズが安定となる照射エネルギー量を決定しておき、それに合わせて現像条件や、元々の設計開口幅を合わせるという逆転の発想に立脚したところに特徴がある。
ところで、一般的にフォトレジストの厚さは薄いほうが、高精度の露光が可能である。そのため、柔軟性のあるレジストを用いて、金属箔に薄く塗布するのが良い。塗布する厚さは3μm以下であることが好ましく、より好ましくは2μm以下である。このような薄いフォトレジストの塗布は、バーコーターあるいはスピンコーターなどによって塗布することができる。但し、塗布するフォトレジストの厚さが1μm未満の場合には、微小な異物が金属箔表面に残存しているとフォトレジストが塗布されず、目的としない部分にも孔を開けてしまう恐れがあるため、フォトレジストの厚さは1μm以上であることが好ましい。
またネガタイプ(現像により露光された部分のみフォトレジストが除去されるため、開口部のみ露光される露光用マスクを使用する)よりも、ポジタイプ(現像により露光された部分のみフォトレジストが残存するため、線部のみ露光される露光用マスクを使用する)のほうが基板(本発明の場合は金属箔)とフォトレジストの密着性が高いものとなる。
金属箔とフォトレジストの密着性が低い場合には、エッチング液で孔開けをする途中でフォトレジストが剥離し、本来エッチングしない線部までエッチングされる恐れがある。線部が必要以上にエッチングされると線幅が細くなり、部分的に強度の低いメッシュ部材となることが懸念される。そこで、フォトレジストの種類は、液状のポジタイプのものを使用することが望ましい。尚、液状ポジタイプのフォトレジストとしては、例えば東京応化工業株式会社製「PMER P」シリーズ等があり、これらは市販されているもので容易に購入できる。
金属箔の種類に応じたエッチング液(例えばステンレス鋼圧延金属箔の場合は、塩化第二鉄溶液)を使用して、開口部のみの圧延金属箔にエッチング液を接触させて、孔開け加工を行うことになる。孔開け加工後に、フォトレジストを除去すれば、本発明のメッシュ部材を得ることができる。
本発明方法によって金属箔に多数形成される孔の形状(開口部形状)については、限定されるものではなく、例えば円形、楕円形(前記「開口幅」は短径に相当する)、六角形(全体形状がハニカム状)、四角形(全体形状が格子状)、長方形でもよいが、線部が相互に交差する部分が略T字型のものであってもよい(後記図5参照)。また、孔の大きさ(開口サイズ)についても、限定されるものではなく、メッシュ部材として要求されるメッシュ数(例えば250〜420本/インチ程度)や開口率(孔の合計面積比率:40〜70%程度)によって、適宜設定されることになるが、30〜90μm程度が適切である。
本発明で用いる金属箔としては、強度の均一性や実用性を考慮すれば圧延されたものが好ましい。また、この金属箔の素材としては、ステンレス鋼の他、チタン若しくはチタン合金、ニッケルおよびニッケル合金、銅若しくは銅合金、アルミ合金等のいずれも用いることができる。尚、従来の金属細線を編んでメッシュ部材とする製品の多くがステンレス鋼細線を採用しており、ペーストなどの周辺部材がステンレス鋼のメッシュ部材を前提に作られているため、素材となる金属箔は圧延されたステンレス鋼(圧延ステンレス箔)が最も好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
厚さ15μmのステンレス鋼圧延箔(東洋精箔株式会社製、規格SUS304H)を、樹脂フィルム(ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製「FPCキャリアテープ」)に貼り付けた後に、柔軟性ポジタイプのフォトレジスト(東京応化工業株式会社製「PMER P」シリーズ)を、厚さ2μmで塗布した。
開口幅:40μm、ピッチ(開口部相互間距離):80μmの四角形開口のパターン(線部が相互に交差する部分が略T字型)を描画した露光用マスク(ガラスマスク)を、ソフトコンタクト露光の条件に設定し、照射エネルギー量を120mJ/cm2に設定して露光した。尚、「ソフトコンタクト露光」とは、具体的には、ガラスマスクと基板(金属箔)の間の空気をおおむね除くために、数kg〜数十kg程度の荷重で軽く押えつけた状態で露光したものである。また、露光時の照射エネルギー量は、高圧水銀灯光源を用い、365nm(i線)の光量センサーにて面照射(mW/cm2)を測定し、これに露光秒数を乗じた値として露光装置にて制御された値である。
露光後、上記フォトレジストに適した現像液である東京応化工業株式会社製現像液「P−3」を20倍に希釈したものに、露光あとの金属箔を、現像液に60秒間浸漬した。開口幅をレーザ顕微鏡(オリンパス工業株式会社製「LEXT OLS−3100」)で測定した。このとき、比較のため、照射エネルギー量を60mJ/cm2で露光し、30倍希釈現像液で30秒現像して作製した(他の条件は上記と同じ)メッシュ部材についても、同様に開口幅を測定した。尚、開口幅の測定に当たっては、フォトレジスト時点での線幅(開口幅に相当)で評価した。
上記測定は、面内8箇所、夫々5点(合計40点)、または面内9箇所、夫々9点(合計81点)の開口について、その開口幅を測定した。測定値を0.5μm間隔の範囲で分類し、その範囲に存在する値の数(=度数)にて表した(これを度数分布グラフ=ヒストグラムと呼ぶ)。上記40点または81点の測定データを用いて、標準偏差σおよびばらつき(3σ)を統計的に求めた。図3は、本発明方法を適用したときの開口幅のばらつき(3σ)を示すヒストグラムである。また図4は、比較方法を適用したときの開口幅のばらつき(3σ)を示すヒストグラムである。
これらの結果から、本発明方法を適用した場合には、開口幅のばらつきが3σ=±1.2μm以内(σ=標準偏差)であったのに対し、比較方法を適用した場合には開口幅のばらつきが3σ=±3.3μm程度となり、本発明方法により開口幅のばらつきを小さくできることが判明した。
本発明方法によって得られた露光−現像後の加工品を、第二鉄溶液でエッチング処理後、フォトレジストを除去し、メッシュ部材を得た。このとき得られたメッシュ部材の一部を拡大した形状を示す図5(図面代用レーザ顕微鏡写真)に示す。得られたメッシュ部材は、図5に示すように線部が相互に交差する部分が略T字型であり、メッシュ数:320本/インチ、開口率:65%、開口幅:70μmであった。

Claims (4)

  1. エッチングによって金属箔に多数の孔開け加工してスクリーン印刷用メッシュ部材を製造するに当り、厚さが5〜50μmの金属箔に、フォトレジストを塗布した後に、露光用マスクに描画した孔の形状を露光するときのエネルギー量を120〜240mJ/cm2として操業することを特徴とするスクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法。
  2. 前記フォトレジストが液状ポジタイプのものであり、その塗布厚さが3μm以下である請求項1に記載のスクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法。
  3. 前記金属箔は圧延されたものである請求項1または2に記載のスクリーン印刷用メッシュ部材の製造方法。
  4. 前記金属箔は、ステンレス鋼、チタン若しくはチタン合金、ニッケル若しくはニッケル合金、銅若しくは銅合金、およびアルミ合金のいずれかからなるものである請求項1〜3のいずれかに記載のメッシュ部材の製造方法。
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