JP4884376B2 - 変位検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、真円度測定機、表面粗さ/形状測定機などに使用され、被測定物(ワーク)の表面に接触する接触子の位置(変位)を検出する変位検出器に関し、特に接触子が異なる方向に伸び、切り替え動作などを行わずに方向が異なる面の位置を検出可能な変位検出器に関する。
真円度測定機、表面粗さ/形状測定機などでは、回転自在に支持されたアームの一方の端に接触子を設け、接触子がワークの表面に接触するようにアームを付勢し、アームの他方の端の変位を検出することにより、ワークの表面位置を検出することが行われている。アームの他方の端の変位は、例えば、アームの他方の端に設けた円筒状の鉄心(コア)と、回転に伴ってコアが内部を移動するように連続して配置された2つのトランスと、を設け、一方のトランスに交流信号を印加した時に他方のトランスに誘起される交流信号がコアの位置により変化することを利用して変位を検出する差動トランス方式や、アームの他方の端に設けた光学格子の回転に伴う移動を干渉計で検出する格子干渉方式などで検出することが広く知られている。本発明は、回転自在に支持されたアームの一方の端に接触子を設け、他方の端の変位を検出する方式であれば、どのような方式にも適用可能である。以下の説明では、差動トランス方式を使用した場合を例として説明を行うが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1Aは、従来の差動トランス方式を使用した変位検出器の基本構成を示す図である。図1Aに示すように、従来の差動トランス方式を使用した変位検出器は、回転支点13に回転自在に支持されたアーム11と、アーム11の一方の端から伸びる部分に設けられた接触子12と、接触子12が左側に回転するようにアーム11を付勢するバネ14と、アーム11の他方の端からアームの回転に応じて回転支点を中心とした円弧上を移動するように設けられたコア15と、内部をコア15が移動するように設けられた円筒状のボビン16と、ボビン16に信号を印加してコア15の位置により変化する信号を検出する検出部17と、を有する。なお、参照番号18は、変位検出器の筐体を示し、回転支点13は筐体18に設けられ、バネ14及びボビン16は筐体18に固定される。検出部17も筐体18に設けられる。なお、以下の図では、簡単にするために、筐体は図示しない。
ボビン16は、少なくとも2つのコイルを有する。検出部17が、少なくとも1つのコイルに交流信号を印加すると、鉄心(コア)15の位置により残りのコイルに誘起される交流信号の強度が単純変化するので、検出部17はこの誘起交流信号の強度を検出してボビン16におけるコア15の位置を検出する。差動トランス方式の変位検出器については、特許文献1及び2などに記載されているので、これ以上の説明は省略する。
図1Bは、図1Aの変位検出器を使用してワークWの右側の面Aの表面粗さなどを測定する場合の様子を示す図である。図示のように、変位検出器をワークWの右側に移動し、接触子12がワークWの右側の面Aに接触するように配置する。この状態で、アーム11はバネ14により接触子12が左側に移動するように付勢されており、接触子12はバネ14により規定される測定圧でワークWの右側の面Aに接触する。そして、ワークW又は変位検出器を上下方向に移動すると、ワークWの右側の面Aの表面形状に応じて接触子12が変位し、それに応じてコア15が変位するのでその変位を検出する。
ボビン16におけるコア15の位置が検出できる検出範囲は、コア15がボビン16に対して所定の位置関係にある範囲である。従って、検出できるワークWの表面位置を最大にするには、ワークWの表面の平均位置がこの所定位置関係範囲の中間に対応するように設定する。例えば、図1Bにおいて接触子12が接触しているワークWの右側の面Aが表面の平均位置と予測される時には、図示のように、コア15がボビン16に対して所定位置関係範囲の中間に位置するようにする。
図1Cは、図1Aの変位検出器を使用してワークWの左側の面Bを測定する場合を説明する図である。図1Aの変位検出器は、検出可能な方向が、接触子12の左側がワークに接触する一方向だけであるため、ワークWの左側の面Bを測定する場合には、図1Cに示すように、変位検出器全体の向きを180度変えて測定方向を反転させた上で、接触子12をワークWの左側の面Bに接触させる。このような動作は、ワークの左右の面を測定する場合だけでなく、表面と裏面、上下面、内径と外径を測定する場合にも必要である。
真円度測定機、表面粗さ/形状測定機などで図1Aに示したような変位検出器を使用して測定を行う場合、接触子12のワークの表面との接触位置を調整するため、ワークを保持して移動するワーク移動台、又は変位検出器を保持して移動する変位検出器を移動機構、すなわち変位検出器をワークに対して相対的に移動する移動機構を設けるのが一般的である。そのため、変位検出器をワークに対して移動することは容易であるが、上記のように180度異なる面を測定するために変位検出器を回転させるのは煩雑な作業である。例えば、測定位置は、移動機構による移動を自動制御することにより、自動的に変更することも可能であるが、変位検出器を回転させる機構を設けるので1つ制御系が増える。そのため、変位検出器を回転させることなく、180度異なる面を測定可能な変位検出器が求められている。
図2Aは、このような要望を満たす従来の変位検出器の基本構成を示す図であり、図2B及び図2Cは、ワークWの左右の面を測定する場合を説明する図である。
図1Aと比較して明らかなように、図2Aの変位検出器は、図1Aの基本構成において、アーム11の一方の端から、略180度異なる方向に伸びる第1及び第2接触子12A及び12Bを設けると共に、アーム11を付勢するバネ14の回転機構を設けて、バネ14によるアーム11の付勢方向を180度変更できるようにした点が異なる。具体的には、アーム11にバネ14の一端を係止する部材19を設け、バネ14の他端を係止する部材20を回転させる機構を筐体に設ける。
図2Bに示すように、ワークWの右側の面Aを測定する時には、バネ14がアーム11の右側に位置するように回転機構を設定し、接触子12Aが左側に移動するようにアーム11を付勢した上で、接触子12AがワークWの右側の面Aに接触するように設定して測定を行う。
図2Cに示すように、ワークWの左側の面Bを測定する時には、バネ14がアーム11の左側に位置するように回転機構を設定し、接触子12Bが右側に移動するようにアーム11を付勢した上で、接触子12BがワークWの左側の面Bに接触するように設定して測定を行う。
検出範囲については、図1Aの例と同じである。
特開平8−210804号公報 特開2005−10019号公報
しかし、図2Aに示した変位検出器においては、測定方向の切り替えは、回転機構を操作してバネ14の方向を変更する必要があり、オペレータの操作又は自動で操作する機構が必要であるという問題があった。
また、回転機構は複雑で大きなスペースを必要とするという問題もある。
本発明は、このような問題を解決して、切り替え操作を必要とせずに異なる2つの測定方向の測定が可能な変位検出器を、実現することを目的とする。
本発明の第1の態様の変位検出器は、回転支点に回転自在に支持されたアームと、前記アームの一方の端から、略180度異なる方向に伸びる第1及び第2接触子と、前記アームの他方の端から略180度異なる方向に伸び、前記アームの回転に応じて前記回転支点を中心とした円弧上を移動するように設けられた第1及び第2移動検出要素と、前記第1及び第2移動検出要素の移動に応じてそれぞれ相対的な位置関係が変化するように設けられた第1及び第2固定検出要素と、前記第1及び第2移動検出要素が、前記第1及び第2固定検出要素に対してそれぞれ所定位置関係範囲内にある時に、それぞれの位置関係に応じた検出信号を生成する検出部と、前記アームを基準回転位置に向けて回転するように付勢する手段であって、前記基準回転位置からの回転方向に応じて前記アームを逆方向に付勢するアーム付勢手段と、を備え、前記アームが前記基準回転位置より一方の側に回転した時には、前記第1移動検出要素が前記第1固定検出要素に対して前記所定位置関係範囲内にあり、前記検出部は、前記第1移動検出要素の前記第1固定検出要素に対する位置関係に応じた検出信号を生成し、前記アームが前記基準回転位置より他方の側に回転した時には、前記第2移動検出要素が前記第2固定検出要素に対して前記所定位置関係範囲内にあり、前記検出部は、前記第2移動検出要素の前記第2固定検出要素に対する位置関係に応じた検出信号を生成することを特徴とする。
また、本発明の第2の態様の変位検出器は、回転支点に回転自在に支持されたアームと、前記アームの一方の端から、略180度異なる方向に伸びる第1及び第2接触子と、前記アームの他方の端に、前記アームの回転に応じて前記回転支点を中心とした円弧上を移動するように設けられた移動検出要素と、前記移動検出要素の移動に応じて相対的な位置関係が変化するように設けられた固定検出要素と、前記移動検出要素が前記固定検出要素に対して所定位置関係範囲内にある時に、位置関係に応じた検出信号を生成する検出部と、前記アームを基準回転位置に向けて回転するように付勢する手段であって、前記基準回転位置からの回転方向に応じて前記アームを逆方向に付勢するアーム付勢手段と、を備え、前記アームが前記基準回転位置にある時に、前記移動検出要素は前記固定検出要素に対して、前記所定位置関係範囲の略中間位置することを特徴とする。
本発明の第1及び第2の態様では、アームを基準回転位置に向けて回転するように付勢し、アームが基準回転位置から回転するとその回転方向に応じてアームを逆方向に付勢するアーム付勢手段を設ける。これにより、アームを基準回転位置に対してどちらに回転させた状態で接触子をワーク表面に接触させるかで、測定方向を設定することができるようになる。
そして第1の態様では、コアに相当する移動検出要素とボビンに相当する固定検出要素の組を2組設け、一方の組で一方の測定方向の時のアームの他方の端の変位を検出し、他方の組で他方の測定方向の時のアームの他方の端の変位を検出する。また、第2の態様では、1組の移動検出要素と固定検出要素を設け、1組の移動検出要素と固定検出要素で検出できる移動検出要素の固定検出要素に対する所定位置関係範囲の略中間位置がアームの基準回転位置に対応するように設定し、所定位置関係範囲の半分で一方の測定方向の時のアームの他方の端の変位を検出し、所定位置関係範囲の残りの半分で他方の測定方向の時のアームの他方の端の変位を検出する。従って、第1の態様と第2の態様で、同じ移動検出要素(コア)と固定検出要素(ボビン)を使用した時には、第2の態様の検出可能範囲は、第1の態様の検出可能範囲の半分以下となる。
更に、本発明の第3の態様の変位検出器は、回転支点に回転自在に支持された第1及び第2アームと、前記第1アームの一方の端から伸びる第1接触子と、前記第2アームの一方の端から伸びる第2接触子と、前記第1アームの他方の端に設けられ、前記第1アームの回転に応じて前記回転支点を中心とした円弧上を移動する第1検出要素と、前記第2アームの他方の端に設けられ、前記第2アームの回転に応じて前記回転支点を中心とした円弧上を、前記第1検出要素に対して相対的な位置関係が変化するように移動する第2検出要素と、前記第1検出要素が前記第2検出要素に対して所定位置関係範囲内にある時に、位置関係に応じた検出信号を生成する検出部と、前記第1アームを第1接触子の伸びる方向に向けて付勢する第1付勢手段と、前記第2アームを第2接触子の伸びる方向に向けて付勢する第2付勢手段と、前記第1付勢手段により前記第1アームが回転する範囲を制限する第1ストッパと、前記第2付勢手段により前記第2アームが回転する範囲を制限する第2ストッパと、を備え、前記第1ストッパにより前記第1アームの回転が制限され、前記第2ストッパにより前記第2アームの回転が制限された状態で基準回転位置になり、前記第2ストッパにより前記第2アームの回転が制限された状態で、前記第1アームが前記基準回転位置から回転すると、前記第1検出要素の前記第2検出要素に対する位置関係が、前記所定位置関係範囲内にあり、前記第1ストッパにより前記第1アームの回転が制限された状態で、前記第2アームが前記基準回転位置から回転すると前記第1検出要素の前記第2検出要素に対する位置関係が、前記所定位置関係範囲内にあることを特徴とする。
更に、本発明の第4の態様の変位検出器は、延伸回転支点に回転自在に支持された接触アームと、前記接触アームの一方の端から、略180度異なる方向に伸びる第1及び第2接触子と、回転支点に回転自在に支持され、一方の端がそれぞれ前記接触アームの他方の端に接触する第1及び第2アームと、前記第1アームの他方の端に設けられ、前記第1アームの回転に応じて前記回転支点を中心とした円弧上を移動する第1検出要素と、前記第2アームの他方の端に設けられ、前記第2アームの回転に応じて前記回転支点を中心とした円弧上を、前記第1検出要素に対して相対的な位置関係が変化するように移動する第2検出要素と、前記第1検出要素が前記第2検出要素に対して所定位置関係範囲内にある時に、位置関係に応じた検出信号を生成する検出部と、前記第1アームの一方の端を第1方向に向けて付勢する第1付勢手段と、前記第2アームの一方の端を第2方向に向けて付勢する第2付勢手段と、前記第1付勢手段により前記第1アームが回転する範囲を制限する第1ストッパと、前記第2付勢手段により前記第2アームが回転する範囲を制限する第2ストッパと、を備え、前記第1ストッパにより前記第1アームの回転が制限され、前記第2ストッパにより前記第2アームの回転が制限された状態で、前記接触アームの他方の端に前記第1及び第2アームの一方の端が接触した基準回転位置になり、前記接触アームが前記基準回転位置から第1方向に回転すると、前記接触アームの他方の端が前記第1アームの一方の端を、第2方向に向けて回転させ、前記第1検出要素の前記第2検出要素に対する位置関係が、前記所定位置関係範囲内にあり、前記接触アームが前記基準回転位置から第2方向に回転すると、前記接触アームの他方の端が前記第2アームの一方の端を、第1方向に向けて回転させ、前記第1検出要素の前記第2検出要素に対する位置関係が、前記所定位置関係範囲内にあることを特徴とする。
本発明の第3の態様では、回転支点に回転自在に支持された第1及び第2アームに第1検出要素(コア)と第2検出要素(ボビン)がそれぞれ設けられるので、第1アームが回転しても第2アームが回転しても、第1検出要素と第2検出要素の相互位置関係が変化する。第1及び第2アームの一方の端にそれぞれ検出方向が逆の接触子を設ければ、測定方向が180度異なる測定系が実現できる。第1ストッパが第1アームに接触して回転を制限し、第2ストッパが第2アームに接触して回転を制限した状態を基準回転位置として、第2ストッパが第2アームの回転を制限した状態で、第1アームが基準回転位置から回転すると、第1の測定系のみが回転可能で測定可能な状態になり、第1ストッパが第1アームの回転を制限した状態で、第2アームが基準状態から回転すると、第2の測定系のみが回転可能で測定可能な状態になる。
本発明の第4の態様では、第3の構成において、延伸回転支点に回転自在に支持された接触アームが設けられ、第1及び第2接触子は接触アームの一方の端に設けられ、接触アームの他方の端には第1及び第2アームの一方の端が接触する。そして、第1及び第2アームの一方の端が両方とも接触アームの他方の端に接触した状態を基準回転位置とする。接触アームが基準回転位置から第1方向に回転すると、第1アームが回転して第1ストッパから離れて自由状態になり、第1の測定系のみが測定可能な状態になり、接触アームが基準回転位置から第2方向に回転すると、第2アームが回転して第2ストッパから離れて自由状態になり、第2の測定系のみが測定可能な状態になる。
本発明によれば、第1又は第2接触子をワークの表面に接触させることにより、測定方向を設定することが可能であり、切り替え操作を必要とせずに異なる2つの測定方向の測定が可能な変位検出器が実現される。
図1Aから図1Cは、変位検出器の従来例の概略構成図及び使用方法の説明図である。
図2Aから図2Cは、変位検出器の別の従来例の概略構成図及び使用方法の説明図である。
図3Aから図3Cは、本発明の第1実施例の変位検出器の概略構成図及び使用方法の説明図である。
図4は、第1実施例の変位検出器の変形例を示す図である。
図5Aから図5Cは、本発明の第2実施例の変位検出器の概略構成図及び使用方法の説明図である。
図6は、本発明の第3実施例の変位検出器の概略構成図である。
図7A及び図7Bは、第3実施例の変位検出器の使用方法の説明図である。
図8は、第3実施例の変位検出器の変形例の概略構成図である。
図9A及び図9Bは、第3実施例の変位検出器の変形例の使用方法の説明図である。
図10は、本発明の第4実施例の変位検出器の概略構成図である。
図11A及び図11Bは、第4実施例の変位検出器の使用方法の説明図である。
21 アーム
22A 第1接触子
22B 第2接触子
23 回転支点
24 バネ(付勢手段)
25、25A、25B コア(検出要素)
26、26A、26B ボビン(検出要素)
27 検出部
図3Aは本発明の第1実施例の変位検出器の概略構成を示す図であり、図3B及び図3Cはその使用の様子を示す図である。
図3Aに示すように、第1実施例の変位検出器は、回転支点23に回転自在に支持されたアーム21と、アーム21の一方の端から180度異なる方向に伸びるように設けられた第1接触子22A及び第2接触子22Bと、アーム21の他方の端から略180度異なる方向に伸び、アーム21の回転に応じて回転支点23を中心とした円弧上を移動するように設けられた第1コア(第1移動検出要素)25A及び第2コア(第2移動検出要素)25Bと、第1コア25A及び第2コア25Bが内部を移動するように設けられた円筒状の第1ボビン(第1固定検出要素)26A及び第2ボビン(第2固定検出要素)26Bと、アーム21の他方の端に係止されたバネ24と、第1ボビン26A内の第1コア25Aの位置に応じた信号及び第2ボビン26B内の第2コア25Bの位置に応じた信号を生成する検出部27と、を有する。第1及び第2コア25A及び25Bは従来例と同じ鉄心であり、第1及び第2ボビン26A及び26Bは従来例と同じように複数のコイルで構成され、検出部27は従来例と同様の原理で第1ボビン26A内の第1コア25Aの位置及び第2ボビン26B内の第2コア25Bの位置を検出する。
ここでは、図3Aに示した状態を基準回転位置と称する。バネ24は、基準回転位置において、アーム21の他方の端の係止された部分と回転支点23とを結ぶ直線上に位置するように配置される。したがって、アーム21が基準回転位置から回転すると、バネ24は、アーム21を基準回転位置に戻すように付勢する。例えば、接触子22Aが右側に移動するように回転すると、バネ24は接触子22Aが左側に移動するような回転を行うようにアーム21に力を加える。また、接触子22Bが左側に移動するように回転すると、バネ24は接触子22Bが右側に移動するような回転を行うようにアーム21に力を加える。言い換えれば、バネ24は、基準回転位置からの回転方向に応じてアーム21を逆方向に付勢する。
コア(鉄心)とボビン(複数のコイル)による差動トランス方式の変位検出器は、ボビン内のコアの位置を検出できる検出可能範囲を有する。例えば、ボビンが2個のコイルで構成される場合には、コアの少なくとも一部が両方のコイル内に位置することが必要である。格子干渉計方式など他の検出方式も、同様に検出可能範囲を有する。第1コア25Aと第1ボビン26Aによる第1差動トランスは、基準回転位置にある時に検出可能範囲の一方の限界に近く(検出可能範囲外でもよい)、接触子22Aが右側に移動するようにアーム21が回転すると検出可能範囲の中心になるように設定する。そして、第2コア25Bと第2ボビン26Bによる第2差動トランスは、基準回転位置にある時に検出可能範囲の一方の限界に近く(同様に検出可能範囲外でもよい)、接触子22Bが左側に移動するようにアーム21が回転すると検出可能範囲の中心になるように設定する。
第1実施例の変位検出器を使用してワークWの右側の面Aの表面粗さ又は表面形状を測定する時には、図3Bに示すように、接触子22Aが基準回転位置から右側に移動するようにアーム21が回転した状態で、接触子22AがワークWの右側の面Aに接触するように設定する。この時、バネ24は、接触子22Aが左側に移動するようにアーム21を付勢する。この付勢力が、接触子22Aの面Aに対する接触圧になる。この状態は、第1コア25Aと第1ボビン26Aによる第1差動トランスの検出可能範囲内にあり、第1差動トランスにより、第1コア25Aの第1ボビン26A内の位置、すなわち、アーム21の回転角度、更にいえば接触子22Aの位置(変位)が検出される。この時、第2コア25Bと第2ボビン26Bによる第2差動トランスは検出可能範囲外の状態であり、その信号は無視される。
ワークWの左側の面Bの表面粗さ又は表面形状を測定する時には、図3Cに示すように、接触子22Bが基準回転位置から左側に移動するようにアーム21が回転した状態で、接触子22BがワークWの左側の面Bに接触するように設定する。この時、バネ24は、接触子22Bが右側に移動するようにアーム21を付勢する。この付勢力が、接触子22Bの面Bに対する接触圧になる。この状態は、第2コア25Bと第2ボビン26Bによる第2差動トランスの検出可能範囲内にあり、第2差動トランスにより、第2コア25Bの第2ボビン26B内の位置、すなわち、アーム21の回転角度、更にいえば接触子22Bの位置(変位)が検出される。この時、第1コア25Aと第2ボビン26Aによる第1差動トランスは検出可能範囲外の状態であり、その信号は無視される。
以上説明したように、第1実施例の変位検出器は、アーム21を基準回転位置に対してどちらに回転させた状態で接触子をワーク表面に接触させるかで、測定方向を設定することができる。なお、アーム21が基準回転位置の時に、2個の差動トランスが検出可能範囲外である時には、アーム21が基準回転位置付近にある状態は、測定に使用されないことになり、アーム21をどちらの方向に回転する場合でも、アーム21を基準回転位置からある程度回転させた位置から、検出可能範囲が始まる。この場合には、検出可能範囲であれば、接触子22A又は22Bはかならずある程度以上の接触圧で測定する面に接触する。
図3Aの第1実施例の変位検出器は、アーム21を基準回転位置に戻すように付勢する付勢手段を、基準回転位置においてアーム21の他方の端の係止された部分と回転支点23とを結ぶ直線上に位置するように配置したバネ24で実現したが、他の構成で実現することも可能である。図4は、このような付勢手段を別の構成で実現した変形例を示す。
図4に示した変形例では、バネ24の代わりに、2個の同じ特性のバネ24A及び24Bを使用し、バネ24Aは横(右)方向に回転モーメントを印加するようにアーム21に係止され、バネ24Bは逆(左)方向に回転モーメントを印加するようにアーム21の同じ部分に係止される。基準回転位置では、2個のバネ24A及び24Bによる回転モーメントが均衡する。アーム21が、基準回転位置から接触子22Aが右側に移動するように回転すると、バネ24Aが伸びて印加する回転モーメントが増加し、バネ24Bが縮んで印加する回転モーメントが減少するので、接触子22Aが左側に移動するようにアーム21を回転させる付勢力が働く。アーム21が、基準回転位置から接触子22Bが左側に移動するように回転すると、バネ24Bが伸びて印加する回転モーメントが増加し、バネ24Aが縮んで印加する回転モーメントが減少するので、接触子22Bが右側に移動するようにアーム21を回転させる付勢力が働く。
図5Aは本発明の第2実施例の変位検出器の概略構成を示す図であり、図5B及び図5Cはその使用の様子を示す図である。
第1実施例の変位検出器は2個の差動トランスを使用したのに対して、第2実施例の変位検出器は1個の差動トランスのみを使用する点が異なる。具体的には、第2実施例の変位検出器は、回転支点23に回転自在に支持されたアーム21と、アーム21の一方の端から180度異なる方向に伸びるように設けられた第1接触子22A及び第2接触子22Bと、アーム21の他方の端から伸び、アーム21の回転に応じて回転支点23を中心とした円弧上を移動するように設けられたコア25と、コア25が内部を移動するように設けられたボビン26と、アーム21の他方の端に係止されたバネ24と、を有する。検出部は図示を省略している。
第1実施例と同様に、バネ24は、基準回転位置において、アーム21の他方の端の係止された部分と回転支点23とを結ぶ直線上に位置するように配置され、アーム21が基準回転位置から回転すると、アーム21を基準回転位置に戻すように付勢する。コア25とボビン26による差動トランスは、アーム21が基準回転位置にある時に、検出可能範囲の中間に位置するように設定される。
ワークWの右側の面Aを測定する時には、図5Bに示すように、接触子22Aが基準回転位置から右側に移動するようにアーム21が回転した状態で、接触子22AがワークWの右側の面Aに接触するように設定する。この時、バネ24は、接触子22Aが左側に移動するようにアーム21を付勢する。この付勢力が、接触子22Aの面Aに対する接触圧になる。この状態は、差動トランスの検出可能範囲の中間から一方にずれた範囲内にあり、差動トランスにより、コア25のボビン26内の位置、すなわち、アーム21の回転角度、更にいえば接触子22Aの位置(変位)が検出される。
ワークWの左側の面Bを測定する時には、図5Cに示すように、接触子22Bが基準回転位置から左側に移動するようにアーム21が回転した状態で、接触子22BがワークWの左側の面Bに接触するように設定する。この時、バネ24は、接触子22Bが右側に移動するようにアーム21を付勢する。この付勢力が、接触子22Bの面Bに対する接触圧になる。この状態は、差動トランスの検出可能範囲の中間から他方にずれた範囲内にあり、差動トランスにより、コア25のボビン26内の位置、すなわち、アーム21の回転角度、更にいえば接触子22Bの位置(変位)が検出される。
以上説明したように、第2実施例の変位検出器は、アーム21を基準回転位置に対してどちらに回転させた状態で接触子をワーク表面に接触させるかで、測定方向を設定することができる。しかし、1個の差動トランスによる検出可能範囲を2つに分割して、分割した一方の範囲を、アーム21を基準回転位置から一方に回転した時の変位検出に使用し、分割した他方の範囲を、アーム21を基準回転位置から他方に回転した時の変位検出に使用するので、差動トランスの検出可能範囲が同じであれば、検出可能範囲は第1実施例の半分以下になる。
図6は本発明の第3実施例の変位検出器の概略構成を示す図であり、図7A及び図7Bはその使用の様子を示す図である。
図6に示すように、本発明の第3実施例の変位検出器は、回転支点23に回転自在に支持された第1及び第2アーム21A及び21Bと、第1アーム21Aの一方の端から、回転支点23を中心とした円弧の接線方向に伸びる第1接触子22Aと、第2アーム21Bの一方の端から、回転支点23を中心とした円弧の接線方向に、第1接触子22Aと逆方向に伸びる第2接触子22Bと、第1アーム21Aの他方の端に設けられ、第1アーム21Aの回転に応じて回転支点23を中心とした円弧上を移動するボビン(第1検出要素)26と、第2アーム21Bの他方の端に設けられ、第2アーム21Bの回転に応じて回転支点23を中心とした円弧上を移動するコア(第2検出要素)25と、第1アーム21Aを第1接触子22Aの伸びる方向に向けて付勢する第1バネ24Aと、第2アーム21Bを第2接触子22Bの伸びる方向に向けて付勢する第2バネ24Bと、第1バネ24Aにより第1アーム21Aが回転する範囲を制限する第1ストッパ30Aと、第2バネ24Bにより第2アーム21Bが回転する範囲を制限する第2ストッパ30Bと、を備える。コア25とボビン26により構成される差動トランスにおいてコア25のボビン26に対する位置を検出する信号を生成する検出部は、図示を省略している。
第1アーム21Aと第2アーム21Bは交差しているが、これは接触子22A及び22Bがそれぞれ外側に向かって伸びているためであり、内側に向かって伸びる場合には交差する必要はない。
第3実施例では、図6に示した第1アーム21Aが第1ストッパ30Aに接触し、第2アーム21Bが第2ストッパ30Bに接触した状態を、基準回転位置とする。第1アーム21Aは、この基準回転位置から、接触子22Aが右側に移動するように回転することが可能である。また、第2アーム21Bは、この基準回転位置から、接触子22Bが右側に移動するように回転することが可能である。
コア25とボビン26により構成される差動トランスは、アーム21A及び21Bが基準回転位置にある時に、検出可能範囲の端に近い状態にあり、アーム21A又はアーム21Bが基準回転位置から回転すると検出可能範囲の中間に向かうように設定する。
第3実施例の変位検出器を使用してワークWの右側の面Aの表面粗さ又は表面形状を測定する時には、図7Aに示すように、接触子22Aが基準回転位置から右側に移動するように第1アーム21Aが回転した状態で、接触子22AがワークWの右側の面Aに接触するように設定する。この時、バネ24Aは、接触子22Aが左側に移動するように第1アーム21Aを付勢する。この付勢力が、接触子22Aの面Aに対する接触圧になる。この時、第2アーム21Bは、ストッパ30Bに接触しており、基準回転位置のまま移動しない状態である。この状態は、コア25とボビン26による差動トランスの検出可能範囲内にあり、差動トランスにより、コア25に対するボビン26の位置、すなわち、第1アーム21Aの回転角度、更にいえば接触子22Aの位置(変位)が検出される。
ワークWの左側の面Bの表面粗さ又は表面形状を測定する時には、図7Bに示すように、接触子22Bが基準回転位置から左側に移動するように第2アーム21Bが回転した状態で、接触子22BがワークWの左側の面Bに接触するように設定する。この時、バネ24Bは、接触子22Bが右側に移動するように第2アーム21Bを付勢する。この付勢力が、接触子22Bの面Bに対する接触圧になる。この時、第1アーム21Aは、ストッパ30Aに接触しており、基準回転位置のまま移動しない状態である。この状態も、コア25とボビン26による差動トランスの検出可能範囲内にあり、差動トランスにより、コア25のボビン26内の位置、すなわち、第2アーム21Bの回転角度、更にいえば接触子22Bの位置(変位)が検出される。
以上説明したように、第3実施例の変位検出器は、第1アーム21Aと第2アーム21Bの一方を基準回転位置に保持したまま、他方を基準回転位置に対して所定の方向に回転させた状態で接触子をワーク表面に接触させることにより、測定方向を設定することができる。なお、第3実施例の変位検出器の検出可能範囲は、第1アーム21Aと第2アーム21Bのいずれを使用する場合も、コア25とボビン26による差動トランスの検出可能範囲である。
図8は、第3実施例の変位検出器の変形例の概略構成を示す図である。図8に示すように、この変形例は、第3実施例の変位検出器において、第2アーム21Bの一方の端を若干伸ばした上で第1接触子22Aが伸びる方向に曲げ、更にその先端から第1接触子22Aが伸びる方向に垂直な方向に第2接触子22Bを伸ばした点が異なり、他の部分は第3実施例と同じである。この変形例では、ワークの右側の面と上面が、変位検出器の方向を変えることなく測定できる。
図9A及び図9Bは、図8の変形例の使用方法を説明する図である。図9Aに示すように、ワークWの右側の面Aの表面粗さ又は表面形状を測定する時には、図7Aと同じように測定を行う。ワークWの上側の面Cの表面粗さ又は表面形状を測定する時には、図9のBに示すように、第2接触子22Bを面Cに接触させる。動作は、図7Bの場合と同じであるので、説明は省略する。
図10は本発明の第4実施例の変位検出器の概略構成を示す図であり、図11A及び図11Bはその使用の様子を示す図である。
図10に示すように、本発明の第4実施例の変位検出器は、延伸回転支点43に回転自在に支持された接触アーム41と、接触アーム41の一方の端から、略180度異なる方向に伸びる第1及び第2接触子42A及び42Bと、回転支点23に回転自在に支持され、一方の端22A及び22Bがそれぞれ接触アーム41の他方の端に接触する第1及び第2アーム21A及び21Bと、第1アーム21Aの他方の端に設けられ、第1アーム21Aの回転に応じて回転支点23を中心とした円弧上を移動するコア(第1検出要素)25と、第2アーム21Bの他方の端に設けられ、第2アーム21Bの回転に応じて回転支点23を中心とした円弧上を、コア25を内部に収容しながら移動するように配置されたボビン(第2検出要素)26と、第1アーム21Aを付勢する第1バネ24Aと、第2アーム21Bを付勢する第2バネ24Bと、第1バネ24Aにより第1アーム21Aが回転する範囲を制限する第1ストッパ30Aと、第2バネ24Bにより第2アーム21Bが回転する範囲を制限する第2ストッパ30Bと、を備える。コア25とボビン26により構成される差動トランスにおいてコア25のボビン26に対する位置を検出する信号を生成する検出部は、図示を省略している。また、延伸回転支点43も、図示していない筐体内に設けられる。
第4実施例では、図10に示した第1アーム21Aが第1ストッパ30Aに接触し、第2アーム21Bが第2ストッパ30Bに接触して、第1アーム21Aの先端22A及び第2アーム21Bの先端22Bの両方が接触アーム41の他方の端に接触した状態を、基準回転位置とする。この基準回転位置から、接触子42Aが右側に移動するように接触アーム41が回転すると、第1アーム21Aは先端22Aが左側に移動するように回転する。また、接触子42Bが左側に移動するように接触アーム41が回転すると、第2アーム21Bは、第2アーム21Bは先端22BAが右側に移動するように回転する。
コア25とボビン26により構成される差動トランスは、接触アーム41、アーム21A及び21Bが基準回転位置にある時に、検出可能範囲の端に近い状態にあり(検出可能範囲内でも検出可能範囲にあり、接触アーム41がどちらかに回転して、アーム21A又はアーム21Bが基準回転位置から回転すると検出可能範囲の中間に向かうように設定する。
第4実施例の変位検出器を使用してワークWの右側の面Aの表面粗さ又は表面形状を測定する時には、図11Aに示すように、接触子42Aが基準回転位置から右側に移動するように接触アーム41を回転し、これに応じて第1アーム21Aが回転した状態で、接触子42AがワークWの右側の面Aに接触するように設定する。この時、バネ24Aは、先端22Aが右側に移動するように第1アーム21Aを付勢し、それにより接触アーム41は接触子42Aが左側に移動するように付勢される。この付勢力が、接触子42Aの面Aに対する接触圧になる。この時、第2アーム21Bは、ストッパ30Bに接触しており、基準回転位置のまま移動しない状態である。この状態は、コア25とボビン26による差動トランスの検出可能範囲内にあり、差動トランスにより、コア25のボビン26に対する位置、すなわち、第1アーム21Aの回転角度、更にいえば接触アーム41の回転角度、そして接触子42Aの位置(変位)が検出される。
ワークWの左側の面Bの表面粗さ又は表面形状を測定する時には、図11Bに示すように、接触子42Bが基準回転位置から左側に移動するように接触アーム41を回転し、これに応じて第2アーム21Bが回転した状態で、接触子42BがワークWの右側の面Bに接触するように設定する。この時、バネ24Bは、先端22Bが左側に移動するように第2アーム21Bを付勢し、それにより接触アーム41は接触子42Bが右側に移動するように付勢される。この付勢力が、接触子42Bの面Bに対する接触圧になる。この時、第1アーム21Aは、ストッパ30Aに接触しており、基準回転位置のまま移動しない状態である。この状態は、コア25とボビン26による差動トランスの検出可能範囲内にあり、差動トランスにより、コア25のボビン26に対する位置、すなわち、第2アーム21Bの回転角度、更にいえば接触アーム41の回転角度、そして接触子42Bの位置(変位)が検出される。
以上説明したように、第4実施例の変位検出器は、接触アーム41を基準回転位置からどちらかの方向に回転させた状態で接触子をワーク表面に接触させることにより、測定方向を設定することができる。なお、第4実施例の変位検出器の検出可能範囲は、接触アーム41をどちらの方向に回転させた場合も、コア25とボビン26による差動トランスの検出可能範囲である。
以上、本発明の実施例を説明したが、各種の変形例が可能であるのはいうまでもなく、前述のように、格子干渉計などの差動トランス以外の各種の検出方式を使用した変位検出器にも適用可能であり、アームの形状、バネ及びストッパの配置などについては、当業者であれば、各種の変形を想到することができる。
本発明は、測定方向の切り替えをマニュアル操作無しに行うことができるので、測定を完全自動で行う場合に使用される変位検出器に適用すると特に効果的である。

Claims (4)

  1. 回転支点に回転自在に支持されたアームと、
    前記アームの一方の端から、略180度異なる方向に伸びる第1及び第2接触子と、
    前記アームの他方の端から略180度異なる方向に伸び、前記アームの回転に応じて前記回転支点を中心とした円弧上を移動するように設けられた第1及び第2移動検出要素と、
    前記第1及び第2移動検出要素の移動に応じてそれぞれ相対的な位置関係が変化するように設けられた第1及び第2固定検出要素と、
    前記第1及び第2移動検出要素が、前記第1及び第2固定検出要素に対してそれぞれ所定位置関係範囲内にある時に、それぞれの位置関係に応じた検出信号を生成する検出部と、
    前記アームを基準回転位置に向けて回転するように付勢する手段であって、前記基準回転位置からの回転方向に応じて前記アームを逆方向に付勢するアーム付勢手段と、を備え、
    前記アームが前記基準回転位置より一方の側に回転した時には、前記第1移動検出要素が前記第1固定検出要素に対して前記所定位置関係範囲内にあり、前記検出部は、前記第1移動検出要素の前記第1固定検出要素に対する位置関係に応じた検出信号を生成し、
    前記アームが前記基準回転位置より他方の側に回転した時には、前記第2移動検出要素が前記第2固定検出要素に対して前記所定位置関係範囲内にあり、前記検出部は、前記第2移動検出要素の前記第2固定検出要素に対する位置関係に応じた検出信号を生成することを特徴とする変位検出器。
  2. 回転支点に回転自在に支持されたアームと、
    前記アームの一方の端から、略180度異なる方向に伸びる第1及び第2接触子と、
    前記アームの他方の端に、前記アームの回転に応じて前記回転支点を中心とした円弧上を移動するように設けられた移動検出要素と、
    前記移動検出要素の移動に応じて相対的な位置関係が変化するように設けられた固定検出要素と、
    前記移動検出要素が前記固定検出要素に対して所定位置関係範囲内にある時に、位置関係に応じた検出信号を生成する検出部と、
    前記アームを基準回転位置に向けて回転するように付勢する手段であって、前記基準回転位置からの回転方向に応じて前記アームを逆方向に付勢するアーム付勢手段と、を備え、
    前記アームが前記基準回転位置にある時に、前記移動検出要素は前記固定検出要素に対して、前記所定位置関係範囲の略中間位置することを特徴とする変位検出器。
  3. 回転支点に回転自在に支持された第1及び第2アームと、
    前記第1アームの一方の端から伸びる第1接触子と、
    前記第2アームの一方の端から伸びる第2接触子と、
    前記第1アームの他方の端に設けられ、前記第1アームの回転に応じて前記回転支点を中心とした円弧上を移動する第1検出要素と、
    前記第2アームの他方の端に設けられ、前記第2アームの回転に応じて前記回転支点を中心とした円弧上を、前記第1検出要素に対して相対的な位置関係が変化するように移動する第2検出要素と、
    前記第1検出要素が前記第2検出要素に対して所定位置関係範囲内にある時に、位置関係に応じた検出信号を生成する検出部と、
    前記第1アームを第1接触子の伸びる方向に向けて付勢する第1付勢手段と、
    前記第2アームを第2接触子の伸びる方向に向けて付勢する第2付勢手段と、
    前記第1付勢手段により前記第1アームが回転する範囲を制限する第1ストッパと、
    前記第2付勢手段により前記第2アームが回転する範囲を制限する第2ストッパと、を備え、
    前記第1ストッパにより前記第1アームの回転が制限され、前記第2ストッパにより前記第2アームの回転が制限された状態で基準回転位置になり、
    前記第2ストッパにより前記第2アームの回転が制限された状態で、前記第1アームが前記基準回転位置から回転すると、前記第1検出要素の前記第2検出要素に対する位置関係が、前記所定位置関係範囲内にあり、
    前記第1ストッパにより前記第1アームの回転が制限された状態で、前記第2アームが前記基準回転位置から回転すると、前記第1検出要素の前記第2検出要素に対する位置関係が、前記所定位置関係範囲内にあることを特徴とする変位検出器。
  4. 延伸回転支点に回転自在に支持された接触アームと、
    前記接触アームの一方の端から、略180度異なる方向に伸びる第1及び第2接触子と、
    回転支点に回転自在に支持され、一方の端がそれぞれ前記接触アームの他方の端に接触する第1及び第2アームと、
    前記第1アームの他方の端に設けられ、前記第1アームの回転に応じて前記回転支点を中心とした円弧上を移動する第1検出要素と、
    前記第2アームの他方の端に設けられ、前記第2アームの回転に応じて前記回転支点を中心とした円弧上を、前記第1検出要素に対して相対的な位置関係が変化するように移動する第2検出要素と、
    前記第1検出要素が前記第2検出要素に対して所定位置関係範囲内にある時に、位置関係に応じた検出信号を生成する検出部と、
    前記第1アームの一方の端を第1方向に向けて付勢する第1付勢手段と、
    前記第2アームの一方の端を第2方向に向けて付勢する第2付勢手段と、
    前記第1付勢手段により前記第1アームが回転する範囲を制限する第1ストッパと、
    前記第2付勢手段により前記第2アームが回転する範囲を制限する第2ストッパと、を備え、
    前記第1ストッパにより前記第1アームの回転が制限され、前記第2ストッパにより前記第2アームの回転が制限された状態で、前記接触アームの他方の端に前記第1及び第2アームの一方の端が接触した基準回転位置になり、
    前記接触アームが前記基準回転位置から第1方向に回転すると、前記接触アームの他方の端が前記第1アームの一方の端を、第2方向に向けて回転させ、前記第1検出要素の前記第2検出要素に対する位置関係が、前記所定位置関係範囲内にあり、
    前記接触アームが前記基準回転位置から第2方向に回転すると、前記接触アームの他方の端が前記第2アームの一方の端を、第1方向に向けて回転させ、前記第1検出要素の前記第2検出要素に対する位置関係が、前記所定位置関係範囲内にあることを特徴とする変位検出器。
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