JP5544337B2 - 真円度測定機 - Google Patents

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本発明は、被測定物の真円度を測定するようにした真円度測定機に関するものである。
被測定物の真円度の測定をするために使用可能な測定器として、差動トランスを使用する電気マイクロメータがあり、この種の電気マイクロメータには一対の測定子を備え、一対の測定子で丸棒状又は円筒状の被測定物を挟んでその外径を測定するようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
そこで、従来では、一対の測定子を備える電気マイクロメータを固定受台に移動調整自在に締結具で固定すると共に、固定受台を機械テーブルに移動調整自在に締結具で固定し、電気マイクロメータ及び固定受台を移動調整して、一対の測定子で被測定物を上下に挟んでその外周面に接触させ、この状態で被測定物を軸心廻りに回転させて、被測定物の外径を周方向全周に亘って測定するようにしていた(特許文献としては存在しないが出願人が実際にこのようにしていた)。
特開昭10−19544号公報
しかし、従来は、被測定物であるロール、シャフト等の大小で、一対の測定子の配置が面倒であり、段取りが大変で作業効率が悪かった。また、被測定物であるロール、シャフト等に段差や径差のある部分の測定には時間がかかっていた。
本発明は上記問題点に鑑み、被測定物の真円度の測定を迅速かつ正確になすことができる真円度測定機を提供することを目的としている。
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、変位測定器2の測定子19を被測定物7の外周面に接触させた状態で、被測定物7を回転手段12にて軸心廻りに回転させて、被測定物7の外周面の変位を変位測定器2により測定し、該測定結果(軸心廻りの回転角に関連づけて測定した外周面の変位)の情報を管制部4に送信し、管制部4で前記情報により算出された極座標に表された結果により被測定物7の真円度の測定を行うようにした真円度測定機であり、
機械テーブル33に吸着解除可能に吸着されるマグネット吸着部30とマグネット吸着部30に対して移動調整可能とされた測定器取付部41とを有するマグネットスタンド3を具備し、前記変位測定器2をマグネットスタンド3の測定器取付部41に取り付けて、変位測定器2の測定子19を被測定物7の外周面に接触させるようにした点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記マグネットスタンド3は、マグネット吸着部30から上方に突出された第1シャフト31と、第1シャフト31に対して上下移動可能でかつ傾斜移動可能に結合された第2シャフト32とを有し、第2シャフト32の一端部に測定器取付部41が設けられ、第2シャフト32の移動調整により変位測定器2の測定子19が被測定物7に対して接離移動可能に支持されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記変位測定器2は、中途部を支点に揺動自在に支持された揺動プローブ17を備え、揺動プローブ17の先端に前記測定子19が設けられ、被測定物7の外周面の凹凸に応じて揺動プローブ17が中途部を支点に揺動するのを作動トランス23によって検知するようにしたてこ式の変位測定器であり、前記揺動プローブ17はバネ26によりその測定子19が被測定物7の外周面に接近する方向に付勢されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記被測定物7、変位測定器2及びマグネットスタンド3が、被測定物7を研削する研削盤10に配置されており、被測定物7の研削と同時に真円度を測定してその良否を判定するようにしている点にある。
本発明によれば、マグネットスタンドの吸着位置を変更することにより、変位測定器による測定位置を自由に変更することができて、任意の位置での測定が簡単かつ迅速にできるようになる。しかも、マグネット吸着部に対する測定器取付部の移動調整により、被測定物の所望のポイントに変位測定器の測定子を正確かつ迅速に合わせることができる。従って、被測定物の真円度の測定を迅速かつ正確になすことができる。
本発明の一実施形態を示す真円度測定機を上方から見た全体構成図である。 同真円度測定機の要部の側面断面図である。 同マグネットスタンドの正面図である。 同変位測定器の原理説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明の一実施形態を示している。図1及び図2において、真円度測定機1は、測定子19を有する変位測定器2とマグネットスタンド3と管制部4とを備える。本実施形態では、真円度測定機1の測定対象である被測定物7は円筒状のテンションレベラーロールにより構成されている。
前記被測定物7、変位測定器2及びマグネットスタンド3は、テンションレベラーロールを研削する研削盤10に配置されており、被測定物7の研削と同時に真円度の測定が行えるようにしている。
被測定物7はその両端を挟むことにより水平状に保持されると共に回転手段12に連結されおり、被測定物7を回転手段12により軸心廻りに回転させながら研削盤10で研削できるようになっている。
前記変位測定器2はてこ式の変位測定器であって、図4に示すように、支点15で中途部が揺動自在に支持された揺動プローブ17を備え、揺動プローブ17の先端には測定子19が設けられ、後端には鉄心20が設けられている。
鉄心20はコイル21と共に作動トランス23を構成している。コイル21と支点15とはべース25に固定されていて、べース25と揺動プローブ17とはバネ26で連結されている。
従って、被測定物7の外周面の凹凸に応じて揺動プローブ17が中途部を支点に揺動するのを作動トランス23によって検知するように構成され、揺動プローブ17はバネ26によりその測定子19が被測定物7の外周面に接近する方向に付勢されている。
図2及び図3に示すように、前記マグネットスタンド3は、ブロック状のマグネット吸着部30と第1シャフト31と第2シャフト32とを備える。マグネット吸着部30は、水平な機械テーブル33に磁気的に吸着して固定するもので、内部に強力な電磁石が入っており、操作ハンドル35を回転操作することにより機械テーブル33に吸着したり吸着解除したりできるようになっている。
第1シャフト31はマグネット吸着部30から上方に突出されている。第2シャフト32は、第1シャフト31の中間部に移動可能に挟着されたU字形の関節部材37と、この関節部材37を通して螺合された固定ねじ38とを介して、第1シャフト31に対して上下移動可能でかつ傾斜移動可能でさらに第2シャフト32の長手方向にも移動可能に結合されている。
第2シャフト32の一端部には固定ねじ40により変位測定器2を着脱自在に取り付ける測定器取付部41が設けられ、測定器取付部41は第2シャフト32の移動によりマグネット吸着部30に対して移動調整可能とされている。
而して、変位測定器2をマグネットスタンド3の測定器取付部41に取り付けて、変位測定器2の測定子19を被測定物7の外周面に接触させ、この状態で被測定物7を回転手段12にて軸心廻りに回転させて、被測定物7の外周面の変位を変位測定器2により測定し、該測定結果(軸心廻りの回転角に関連づけて測定した外周面の変位)の情報を管制部4に送信するように構成され、管制部4では、前記情報により算出された極座標に表された結果により被測定物7の真円度を測定して、閾値と比較することにより真円度の良否を判定するように構成されている。
上記実施形態によれば、被測定物7の真円度を測定する場合、まず、測定器取付部41に固定ねじ40により変位測定器2を固定し、この状態で、研削盤10の基準となる水平な機械テーブル33上に、操作ハンドル35を回転操作してマグネット吸着部30を吸着させて固定する。
その後、固定ねじ38を緩めて第2シャフト32を第1シャフト31上で適宜上下移動させると共に傾斜させて、被測定物7の所望のポイントに測定子19が接触するように位置合わせし、次に固定ねじ38を締め付けて第2シャフト32を固定する。
このようにして、変位測定器2の測定子19の高さ方向及び傾斜角を微調整して、測定子19を被測定物7の所要のポイントに接触させ、この状態で被測定物7を回転手段12にて軸心廻りに回転させて、被測定物7の研削と同時に又はその後に、被測定物7の外周面の変位を変位測定器2により測定すればよい。
従って、マグネット吸着部30の吸着位置を変更することにより、変位測定器2による測定位置を自由に変更することができて、任意の位置での測定が簡単かつ迅速にできるようになる。
しかも、マグネット吸着部30に対する測定器取付部41の移動調整により、被測定物7の所望のポイントに変位測定器2の測定子19を正確かつ迅速に合わせることができ、1台の真円度測定機1で被測定物7の所望のすべてのポイントでの真円度の測定を迅速かつ正確になすことができる。
また、被測定物7、変位測定器2及びマグネットスタンド3が、被測定物7を研削する研削盤10に配置されており、被測定物7の研削と同時に真円度を測定してその良否を判定することができるため、被測定物7を研削しながらその真円度をリアルタイムで確認することができ、被測定物7の研削と真円度の測定とを迅速になし得る。
このため、例えば、従来では円筒状のテンションレベラーロールの加工時間に30分〜40分かかり、その真円度の測定に同程度の時間がかかっていたものが、加工時間が20分〜30分で済み、真円度の測定が3分〜5分以内にできるようになった。
なお、前記実施形態では、真円度が測定される被測定物7は円筒状のテンションレベラーロールで構成されているが、被測定物7は丸棒状のシャフトその他であってもよい。
また、変位測定器2は、測定子19を被測定物7に接触させた状態で測定子19を被測定物7の表面に沿って相対的に移動させることにより測定子19の変動に比例した信号を出力して被測定物の形状等を測定するものをいう。本発明の変位測定器2は、てこ式の変位測定器2に限らず、電気マイクロメータにより構成した測定子19を有する変位測定器2であってもよい。
ここで、電気マイクロメータとは、差動トランスを使用して変位を測定するものであって、差動トランスが3つのコイルと可動鉄心で構成され、例えば、1次コイルを交流(一定周波数電圧)で励磁すると、被測定物7に連動して動く可動鉄心により2次コイルに誘起電圧が発生し、これを差動結合して電圧差として取り出し、変位出力としているものをいう。
また、マグネットスタンド3は、吸着解除可能に吸着されるマグネット吸着部30とマグネット吸着部30に対して移動調整可能とされた測定器取付部41とを有していればよく、第1シャフト31と該第1シャフト31に対して移動可能に結合された第2シャフト32とを有しないものであってもよい。また、測定器取付部41に対して変位測定器2を前後又は左右等に移動調整自在に取り付けるようにしてもよい。
また、マグネットスタンド3の回転操作式の操作ハンドル35に代えて、押しボタン式のスイッチを設け、押しボタンの操作によりマグネット吸着部30が機械テーブル33に吸着したり吸着解除したりできるようにしてもよい。
また、管制部4は、マイクロコンピュータ等を有する制御部と記憶部とを有し、研削盤10や回転手段12等から被測定物7の軸心廻りの回転角を順次入力するようになっており、被測定物7の軸心廻りの回転角に関連づけて変位測定器2で測定した被測定物7の外周面の変位を認識できるようになっている。また、管制部4は、研削盤10や回転手段12等に指令信号を出力するようになっている。
1 真円度測定機
2 変位測定器
3 マグネットスタンド
4 管制部
7 被測定物
10 研削盤
12 回転手段
17 揺動プローブ
19 測定子
23 作動トランス
16 バネ
30 マグネット吸着部
31 第1シャフト
32 第2シャフト
33 機械テーブル
41 測定器取付部

Claims (3)

  1. 変位測定器(2)の測定子(19)を被測定物(7)の外周面に接触させた状態で、被測定物(7)を回転手段(12)にて軸心廻りに回転させて、被測定物(7)の外周面の変位を変位測定器(2)により測定し、軸心廻りの回転角に関連づけて測定した外周面の変位の情報を管制部(4)に送信し、管制部(4)で前記情報により算出された極座標に表された結果により被測定物(7)の真円度の測定を行うようにした真円度測定機であり、
    前記変位測定器(2)は、中途部を支点に揺動自在に支持された揺動プローブ(17)を備え、揺動プローブ(17)の先端に前記測定子(19)が設けられ、被測定物(7)の外周面の凹凸に応じて揺動プローブ(17)が中途部を支点に揺動するのを作動トランス(23)によって検知するようにしたてこ式の変位測定器であり、前記揺動プローブ(17)はバネ(26)によりその測定子(19)が被測定物(7)の外周面に接近する方向に付勢されていると共に、
    機械テーブル(33)に吸着解除可能に吸着されるマグネット吸着部(30)とマグネット吸着部(30)に対して移動調整可能とされた測定器取付部(41)とを有するマグネットスタンド(3)を具備し、前記変位測定器(2)をマグネットスタンド(3)の測定器取付部(41)に取り付けて、変位測定器(2)の測定子(19)を被測定物(7)の外周面に接触させるようにしたことを特徴とする真円度測定機。
  2. 前記マグネットスタンド(3)は、マグネット吸着部(30)から上方に突出された第1シャフト(31)と、第1シャフト(31)に対して上下移動可能でかつ傾斜移動可能に結合された第2シャフト(32)とを有し、第2シャフト(32)の一端部に測定器取付部(41)が設けられ、第2シャフト(32)の移動調整により変位測定器(2)の測定子(19)が被測定物(7)に対して接離移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の真円度測定機。
  3. 前記被測定物(7)、変位測定器(2)及びマグネットスタンド(3)が、被測定物(7)を研削する研削盤(10)に配置されており、被測定物(7)の研削と同時に真円度を測定してその良否を判定するようにしていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の真円度測定機。
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