JP4883484B2 - カード用転写フィルム - Google Patents

カード用転写フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP4883484B2
JP4883484B2 JP2006281597A JP2006281597A JP4883484B2 JP 4883484 B2 JP4883484 B2 JP 4883484B2 JP 2006281597 A JP2006281597 A JP 2006281597A JP 2006281597 A JP2006281597 A JP 2006281597A JP 4883484 B2 JP4883484 B2 JP 4883484B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
card
resin
transfer film
layer
transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006281597A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008094057A (ja
Inventor
真理 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2006281597A priority Critical patent/JP4883484B2/ja
Publication of JP2008094057A publication Critical patent/JP2008094057A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4883484B2 publication Critical patent/JP4883484B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、カード用転写フィルムに関するものであり、詳しくは、カードに耐スクラッチ性および耐磨耗性に優れた表面を形成することのできるカード用転写フィルムに関するものである。
熱転写に適したカード基材としては、例えば、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂からなる単層或いは複数層からなるものが挙げられる。
このカード基材の任意箇所に設けられた磁気ストライプと、カード基材の表面側と裏面側に設けられるコーティング層又はフィルム状シート等の被覆層とから、その主要部が構成されているものが公知である。
特許文献1には、支持体上に、プライマー層および色材がバインダーに分散してなる熱溶融性インク層が順次積層され、熱転写の際に支持体とプライマー層との界面で剥離が生ずるように、プライマー層が互いに相溶しない少なくとも2種の樹脂を含有する熱転写記録媒体が開示されている。
また、熱転写層が形成された転写フィルムを、カード形状等を有する熱軟化性の基材表面上に転写する方法としては、例えば、図2に示すように加熱手段11とこれに圧接して配設された加圧手段12との間へ、基材3と転写フィルム4を互いに重ねた状態でかつ転写フィルム4側を加熱手段11側と接触させた状態で挿通し、転写フィルム4の熱転写層42を基材3表面に接着させて転写する一方、支持体41を剥離除去する。
ここで、上記加熱手段11は、通常、熱伝導性に優れかつ圧力を伝え易い金属からなるロール状物で構成されており、他方、加圧手段12は加熱手段11の圧力を基材3に均一に伝えるためシリコーンゴム等の弾性材料からなるロールもしくは盤状物で構成されている。また、上記加熱手段11の表面温度は、転写に際し転写フィルム4を充分に基材3に接着させる必要から基材3の軟化点付近の適宜温度に設定されている。
ところでカードは様々な分野で多用されており、とくにカードの所持者の顔などをカード上面に形成してなる識別機能を備えるものがあり、このようなカード表面の画像等を保護するために保護層が設けられている。
上記保護層の役割として長年使用し得る耐久性付与は勿論のこと、生産時の収率向上も必須のことである。
しかし前述した熱転写方法により形成される保護層では製造工程内でカード表面にキズが付いてしまい、工程内の見直しだけでは満足できる改善効果はいまのところ得られていないのが現状である。
また保護層の改善以外でも工程内のプロセスの見直し、簡略化による収率アップを検討することも重要となっている。
特開平11−11029号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、カードに耐スクラッチ性および耐磨耗性に優れた表面を形成することのできるカード用転写フィルムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、支持体の片面に、少なくとも保護層および接着層をこの順で有する転写層を形成してなるカード用転写フィルムであって、前記支持体の片面がマット処理されてなり、前記保護層が、ポリテステル粒子の表面をポリエチレンでコーティングしたポリエステルワックスパウダーを含有することを特徴とするカード用転写フィルムである。
請求項2に記載の発明は、前記支持体の片面の十点表面粗さRz(JIS B0601−1994)が、0.5〜5μmであることを特徴とする請求項1に記載のカード用転写フィルムである。
請求項に記載の発明は、前記ポリエステルワックスパウダーの添加量が、前記保護層中、1〜10重量%であることを特徴とする請求項に記載のカード用転写フィルムである。
請求項に記載の発明は、前記保護層が、樹脂成分としてアクリル変性ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカード用転写フィルムである。
請求項に記載の発明は、前記アクリル変性ポリウレタン樹脂におけるアクリル成分が、70重量%以上であることを特徴とする請求項に記載のカード用転写フィルムである。
請求項に記載の発明は、前記支持体が、融点100℃以上の高分子プラスチックフィルムからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカード用転写フィルムである。
請求項に記載の発明は、前記支持体と接する転写層における層が、離型処理されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカード用転写フィルムである。
請求項に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載のカード用転写フィルムを用い、転写法により前記カード用転写フィルムを表面に転写してなるカードである。
本発明によれば、カードに耐スクラッチ性および耐磨耗性に優れた表面を形成しすることのできるカード用転写フィルムを提供することができ、カード表面上へのキズ付き防止、品質の向上、生産効率の改善が達成される。
また本発明によれば、当該カード用転写フィルムを用い、転写法によりこれをカード基材表面に転写することにより、耐スクラッチ性および耐磨耗性に優れた表面を有するカードを提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明のカード用転写フィルムの一実施形態の断面図である。
カード用転写フィルム(20)の基本構成として図1に示すように、片面がマット処理されてなる支持体(21)上に、保護層(22a)および接着層(22b)からなる転写層(22)が積層されている。
支持体(21)と接する転写層表面に、離型処理を施すことにより、転写層(22)の支持体(21)からの剥離が容易となり、カード基材への転写を効果的に行える。離型処理としてはフッ素処理、シリコン処理等の表面処理が一般的である。
本発明のカード用転写フィルムに使用される材料、層の厚さ等について以下に記述する。カード用転写フィルム(20)の支持体(21)は、転写時の熱圧で軟化変形しない耐熱性を有するものであればよく、その材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等の合成樹脂、天然樹脂、紙、合成紙などから単独で選択されたもの、または上記より選択されて組み合わされた複合体が使用可能である。また、その厚みは、操作性、加工性を考慮し2〜200μmのものが使用可能であるが、転写適性や加工性などのハンドリング性を考慮すると、6〜100μm程度のものが望ましい。また、他層との密着性を向上させるため、コロナ放電処理やグロー放電処理等の表面処理や易接着層を設けても良い。また、支持体の裏面に、滑剤、帯電防止剤等を含むバックコートを必要に応じて設けても良い。
支持体(21)は、融点が100℃以上の透明な高分子プラスチックフィルムからなるのが好ましい。融点が100℃未満であると、転写時の熱圧により軟化・変形を起こし、伸びや歪みを生じるため被転写基材への転写がうまくいかないことがある。その材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルフィルム、ポリフェニルサルフォンフィルム、ポリプロピレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、硬質ポリ塩化ビニルフィルム、軟質ポリ塩化ビニルフィルム、アセテートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルサルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリサルフォンフィルム、ポリフタルアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリケトンフィルム、ポリアリレートフィルム等が一例として挙げられる。上記フィルムは、無延伸タイプ、一軸延伸タイプ、二軸延伸タイプのいずれかが必要に応じて選ばれる。また、他層との密着性を向上させるため、コロナ放電処理やグロー放電処理等の表面処理や易接着層を設けても良い。
また支持体(21)の片面は、マット処理が施されている。マット処理としては具体的には例えば、サンドブラスト処理、ケミカルマット処理、練り込みマット処理等が挙げられ、支持体(21)の片面をマット処理することにより、カード基材に転写された表面の表面粗さを任意にコントロールすることが可能となる。特に支持体の片面の十点表面粗さRz(JIS B0601−1994)が、0.5〜5μmであることが望ましい。さらに望ましくは2〜3μmであることが望ましい。このようなマット処理により、耐スクラッチ性および耐磨耗性が非常に高まる。
保護層(22a)の材料としては、支持体(21)からの剥離を容易にし、かつ最終製品に耐スクラッチ性および耐摩耗性を付与するものであり、その材料としては、ポリエチレンワックス、ポリエステルワックスパウダー、パラフィンワックス、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属石鹸類、有機カルボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、シランカップリング剤の反応化合物、シリコーンゴム、シリコーンコンパウンド、シリコーンワックス等の滑剤を単体もしくは2種以上混合したものを、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フェノキシ樹脂、エチルセルロース樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアクリル酸エチル樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、石油樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、NBR、SBR、MBR等の各種合成ゴム等のバインダーに混合したものが挙げられる。
中でも保護層は、ポリエステルワックスパウダーを含有することが好ましく、ポリテステル粒子の表面をポリエチレンでコーティングしたポリエステルワックスパウダーを含有するのがさらに好ましい。
このようなポリエステルワックスパウダーの添加量は、前記保護層中、1〜10重量%であることが好ましい。さらに好ましくは3〜6重量%であることが好ましい。
一方、保護層は、樹脂成分としてアクリル変性ポリウレタン樹脂を含有することが好ましい。当該アクリル変性ポリウレタン樹脂のアクリル変性量は、70重量%以上、好ましくは70〜80重量%である。本発明でとくに好ましい形態において、アクリル変性ポリウレタン樹脂は、一液硬化型熱可塑性のアクリル変性ポリエステル系ポリウレタン樹脂であり、無黄変性のものである。
また、保護層(22a)に添加して表面の膜の滑り性を向上させ、かつ耐スクラッチ性、耐磨耗性を向上させる、上記のポリエステルワックスパウダーに代表される固体滑剤の粒径としては0.5〜7μm程度で真球状のものが望ましい。また液状ワックスでは適当量の溶剤に希釈(NV15%程度)して使用する。使用溶剤はMEK / TL(= 55 / 45)が望ましい。
保護層(22a)は、上記樹脂、ワックス、その他所望の添加剤を有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散せしめ、これを例えばワイヤーコーティグ法等の公知のコーティング方法により、支持体上に塗布し、乾燥することで形成することができる。乾燥は80℃のオーブンで30秒ほど行うが特に規定はない。保護層(22a)の厚みは、通常0.1〜5μm程度、好ましくは0.5〜1.3μm程度である。
接着層(22b)は、転写層とカード基材とを強固に接着・融着させるものであり、その材料としては通常熱可塑性樹脂が用いられ、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フェノキシ樹脂、エチルセルロース樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアクリル酸エチル樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、石油樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチレンエチルアクリレート樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、NBR、SBR、MBR等の各種合成ゴム等が挙げられるが、これに限定される物ではない。また、これらを2種以上混合して用いても良い。また、ブロッキング防止や吸水性を目的として、各種フィラーを添加することができる。例えば、テフロン(登録商標)系微粒子、フッ素樹脂系粒子(例えば、テトラフルオロエチレンフロン系微粒子)、シリコン樹脂微粒子、ベンゾグアナミン樹脂−メラミン樹脂縮合物微粒子、デンプン、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、カオリン、プロテインパウダー、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、シリカ、多孔質シリカ等が挙げられる。これらの添加量は熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜20重量部が好ましい。さらに、紫外線吸収剤、製膜助剤、塗液安定剤、レベリング剤、帯電防止剤、老化防止剤等の各種添加剤を必要に応じて添加する事もできる。
接着層(22b)は、保護層(22a)上に、例えば熱可塑性アクリル樹脂を適当量の有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散せしめて、ワイヤーコーティグ法等の公知のコーティング方法により、塗布し、乾燥することにより形成される。接着層(22b)の厚みは、通常0.01〜2.0μm程度、好ましくは0.1〜0.5μm程度である。
保護層(22a)及び接着層(22b)に使用する樹脂、例えばアクリル系樹脂は、保護層(22a)の場合、Tgが100℃以上、接着層の場合、Tgが70℃以上、両者において重量平均分子量(Mw)が10000〜150000、好ましくは20000〜90000のものがよい。
転写層(22)の厚みは保護層(22a)と接着層(22b)とを併せて2.0μm以下になるようにするのがよい。
また、本発明のカード用転写フィルムは、インク層(絵柄層)を設けることもできる。この場合、支持体/保護層/インク層/接着層や、支持体/保護層/接着層/インク層/接着層等の構成が挙げられる。インク層の成分、厚み、形成方法等は、公知技術と同様であることができる。
以上説明したような本実施形態によれば、マット処理を施した支持体上に転写層(22)を設けるだけで、耐スクラッチ性、耐摩耗性に優れた表面を有するカードを容易に製造することができる。また、保護層の表面形状を任意にコントロールすることも可能となる。
また本発明により、従来技術よりも層構成が簡略化しているため製造工程も少なくなりプロセス面でも困難を要することがなく、製造コストを低減することができる。
以下実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
アクリル成分が70重量%の一液硬化型熱可塑性の無黄変性のアクリル変性ポリエステル系ポリウレタン樹脂(三洋化成社製商品名IB580)をメチルエチルケトンとトルエン混合溶媒(55:45重量比)に溶解させ、ここに滑剤であるポリテステル粒子の表面をポリエチレンでコーティングしたポリエステルワックスパウダーを、保護層中、6重量%となるように添加し、これを、厚さ26μmのポリエチレンテレフタレートマットフィルム(マットPET)上に塗布した。ポリエチレンテレフタレートマットフィルムのRzは2.2μmであった。その後、80℃で、溶剤を揮散させて、厚み1μmの保護層を形成し、樹脂積層体を得た。
前述した樹脂積層体上に接着層としてラッカータイプのアクリル樹脂(Tg 75℃)を塗布し、80℃で溶剤を揮散させ厚み2μmの転写層を得、本発明のカード用転写フィルムを作製した。
[実施例2]
アクリル成分が30重量%の一液硬化型熱可塑性の無黄変性のアクリル変性ポリエステル系ポリウレタン樹脂(三洋化成社製商品名IB582)を用いたこと以外は、実施例1を繰り返し、カード用転写フィルムを作製した。
[比較例]
支持体として、マット処理を施していない、超平滑の厚さ26μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(超平滑PET)を用いたこと以外は、実施例1を繰り返し、カード用転写フィルムを作製した。
上記実施例および比較例で得られたカード用転写フィルムを、カード基材であるポリ塩化ビニル(PVC)シートに120℃、90秒間熱プレス後、25℃になるまで常温放置し、その後カード用転写フィルムのPETフィルムを剥離し、PVCカード基材上に保護層を形成した。得られた保護層について以下の試験を行い、その結果を表1にまとめた。まず表面の滑り性については連続荷重引掻き試験機(ヘイドン タイプ22)にて、荷重一定( = 500g)条件下でボール圧子を使用し、試料台上に圧子を滑らせ、その時にかかる抵抗値を測定した(値は電圧値に換算)。また、これに併せて爪引掻きによる評価も行った。次に表面強度試験は、ナノインデンター(MTS社DCM-SA2)によりヤング率(Modulus)およびビッカス硬度(Hardness)の測定を行った。さらにヘッドパス試験機により5000回往復させ、カード表面の耐摩耗性についても測定した。
Figure 0004883484
表1に示されるように、実施例1で得られたカード用転写フィルムは、実施例2で得たものよりも表面硬度およびヤング率が大きく強度が高いことがわかった。またキズ付き難さの指標として表面の滑り性が考えられるが、この点においても測定したところ表に示すように実施例1は2より数段値が低く(=滑りやすい)キズがつき難いことが推測された。また原始的な手法ではあるが爪引掻きテストを実施したところ、推測通り実施例1が2を上回った。さらに表面測定機において、表面をダイヤモンド針R=0.3mmで一定荷重でキズをつけたところ、実施例1のキズの方が2より浅いことがわかった。
これに対して、比較例で得られたカード用転写フィルムは、支持体として超平滑PETを用いているため、表面の凹凸がない分、キズが付くとやはり目立ってしまう。爪引掻き試験での表面強度としては実施例と遜色はないものの、傷の見えにくさでは実施例のフィルムに劣る結果となった。
本実施例では、アクリル樹脂、およびアクリル−ウレタン樹脂層を用いており、塩化ビニル樹脂を全く使用していないから、焼却廃棄する際にも塩素ガス等の有害ガスを発生することがなく、環境適応性が高いことが言える。また層構成の簡略化により製造工程を簡略化でき、製造コストの低減につながる。さらに、マット処理された支持体を使用することで表面の形状を容易にコントロールでき、かつ表面強度を向上することができ、表面強度が要求される用途にも使用することが可能となる。
本発明によれば、カードに耐スクラッチ性および耐磨耗性に優れた表面を形成することのできるカード用転写フィルムを提供することができるので、カード表面の画像等を有する、各種カードを製造する上でとくに有用である。
本発明のカード用転写フィルムの一実施形態の断面図である。 熱転写装置の構成を示す説明図である。
符号の説明
20……転写フィルム、21……支持体、22……転写層、22a……保護層、22b……接着層、3……基材、4……転写フィルム、11……加熱手段、12……加圧手段、42……熱転写層、41……支持体。

Claims (8)

  1. 支持体の片面に、少なくとも保護層および接着層をこの順で有する転写層を形成してなるカード用転写フィルムであって、前記支持体の片面がマット処理されてなり、前記保護層が、ポリテステル粒子の表面をポリエチレンでコーティングしたポリエステルワックスパウダーを含有することを特徴とするカード用転写フィルム。
  2. 前記支持体の片面の十点表面粗さRz(JIS B0601−1994)が、0.5〜5μmであることを特徴とする請求項1に記載のカード用転写フィルム。
  3. 前記ポリエステルワックスパウダーの添加量が、前記保護層中、1〜10重量%であることを特徴とする請求項に記載のカード用転写フィルム。
  4. 前記保護層が、樹脂成分としてアクリル変性ポリウレタン樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカード用転写フィルム。
  5. 前記アクリル変性ポリウレタン樹脂におけるアクリル成分が、70重量%以上であることを特徴とする請求項に記載のカード用転写フィルム。
  6. 前記支持体が、融点100℃以上の高分子プラスチックフィルムからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカード用転写フィルム。
  7. 前記支持体と接する転写層における層が、離型処理されてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のカード用転写フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のカード用転写フィルムを用い、転写法により前記カード用転写フィルムを表面に転写してなるカード。
JP2006281597A 2006-10-16 2006-10-16 カード用転写フィルム Expired - Fee Related JP4883484B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006281597A JP4883484B2 (ja) 2006-10-16 2006-10-16 カード用転写フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006281597A JP4883484B2 (ja) 2006-10-16 2006-10-16 カード用転写フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008094057A JP2008094057A (ja) 2008-04-24
JP4883484B2 true JP4883484B2 (ja) 2012-02-22

Family

ID=39377416

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006281597A Expired - Fee Related JP4883484B2 (ja) 2006-10-16 2006-10-16 カード用転写フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4883484B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017052124A (ja) * 2015-09-07 2017-03-16 大日本印刷株式会社 転写箔及び印画物の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0745276B2 (ja) * 1988-01-27 1995-05-17 大日本印刷株式会社 賦型用フィルム
JP3998767B2 (ja) * 1997-09-02 2007-10-31 大日本印刷株式会社 感熱破壊転写箔
JP2003025746A (ja) * 2001-07-19 2003-01-29 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写シート
JP4542458B2 (ja) * 2005-03-30 2010-09-15 大日本印刷株式会社 保護層熱転写シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008094057A (ja) 2008-04-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN205734519U (zh) 耐磨微球制品
CN105980143B (zh) 具有高温稳定性的柔性微球体制品
JPH09509373A (ja) 図形転写物品
JP2004517760A (ja) 整合性多層シート材料
TW201249652A (en) Hard coating film
TW201637735A (zh) 成形體
JP2016523745A (ja) 耐汚染性マイクロスフェア物品
WO2011105594A1 (ja) ハードコートフィルムおよびその製造方法
CN115570910A (zh) 转印片及其制造方法、使用了该转印片的成型体
JP5680503B2 (ja) 積層体
JP4893289B2 (ja) カード用転写保護フィルム
JP2012128157A (ja) ハードコートフィルムおよびその製造方法
JP4883484B2 (ja) カード用転写フィルム
JP4957473B2 (ja) 樹脂積層体および印刷加工物
JP4566625B2 (ja) ガラス用装飾フィルム
JPH08207500A (ja) 転写シート
JP5239242B2 (ja) 樹脂積層体および転写シート
JP2011177938A (ja) ハードコートフィルム
JP2015214031A (ja) 転写フィルムおよび装飾成形品
JP6303725B2 (ja) 剥離基材付き柄印刷積層体の製造方法及び柄印刷積層体の製造方法、並びに剥離基材付き柄印刷積層体、柄印刷積層体及び中間積層体
WO2002078978A2 (en) Graphics-protection sheet and graphics-displaying sheet
JP2004345228A (ja) ハードコート転写材及びその製造方法並びにハードコート体
JP6467784B2 (ja) 転写フィルムおよび加飾成形品
JP2012020538A (ja) 積層体
JP6210407B2 (ja) 熱溶融型転写記録方式に使用する熱転写受容シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100917

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111114

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111127

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees