JP4874532B2 - 睡眠改善剤 - Google Patents
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Description
アキノワスレグサの全草の乾燥物を0.1〜3mmの粒径に粉砕した。このアキノワスレグサの乾燥粉砕物30gを入れた容器に水150g、糖蜜0.9g、米ぬか0.9gを添加した。かかる粉砕アキノワスレグサを収納した容器に、ラクトバチルス・プランタリムIFO14712、ストレプトコッカス・サーモフィルスIFO13957、バチルス・ズブチルスIFO3013の各々の菌を培養後、菌数の割合が1:1:1となるように混合した培養液アキノワスレグサ重量に対し10重量%を添加・混合し、容器を密閉し、静置培養により発酵を行った。発酵温度は40℃、発酵時間は72時間とした。その後、乾燥機により水分値が10重量%以下になるまで60℃で乾燥した後、滅菌処理(130℃蒸気、5〜15秒)を行い、アキノワスレグサ醗酵処理物30gを得た。
アキノワスレグサの全草の乾燥物を0.1〜3mmの粒径に粉砕した。このアキノワスレグサの乾燥粉砕物30gを入れた容器に水150g、糖蜜0.9g、米ぬか0.9gを添加した。かかる粉砕アキノワスレグサを収納した容器に、サッカロマイセス・セレビシアエIFO0555の培養液をアキノワスレグサ重量に対し10重量%を添加・混合し、容器を密閉し、静置培養により発酵を行った。発酵温度は30℃、発酵時間は72時間とした。その後、乾燥機により水分値が10重量%以下になるまで60℃で乾燥した後、滅菌処理(130℃蒸気、5〜15秒)を行い、アキノワスレグサ醗酵処理物30gを得た。
アキノワスレグサの全草の乾燥物を0.1〜3mmの粒径に粉砕した。このアキノワスレグサの乾燥粉砕物30gを入れた容器に水150g、糖蜜0.9g、米ぬか0.9gを添加した。かかる粉砕アキノワスレグサを収納した容器に、アスペルギルス・アワモリIFO4033の培養後の菌体3g(湿重量)を添加・混合し、容器を密閉し、静置培養により発酵を行った。発酵温度は30℃、発酵時間は72時間とした。その後、乾燥機により水分値が10重量%以下になるまで60℃で乾燥した後、滅菌処理(130℃蒸気、5〜15秒)を行い、アキノワスレグサ醗酵処理物30gを得た。
実施例1〜3より得られた乾燥アキノワスレグサ醗酵処理物、及び乾燥アキノワスレグサ未発酵物を、沸騰させた熱水1リットル(L)に対し各5gずつの割合で加え、5分間抽出し、濾過した濾液を供試液とした。これら4種類の供試液の各々につき、寝つきが悪いか又は不眠症の5名の被験者(計20名)に各200ccを就寝前に4週間にわたり服用してもらい、服用前4週間及び服用後4週間の総睡眠時間及び寝つきの状況について調べた。各被験者には、調査期間中、日時、就寝時刻、入眠時刻、起床時刻、総睡眠時間、備考欄を設けたデータ用紙に記入してもらいデータとした。結果を表1に示す。5名の平均睡眠時間が、乾燥アキノワスレグサ未発酵物投与群では3.92時間から5.14時間と1.22時間延長されたが、実施例1の乳酸菌による発酵処理物投与群では3.98時間から5.46時間と1.48時間延長され、実施例2の酵母菌による発酵処理物投与群では3.98時間から5.45時間と1.47時間延長され、実施例3の麹菌による発酵処理物投与群では3.82時間から5.49時間と1.67時間延長され、これらはいずれも未発酵物投与群の睡眠延長時間を上回っていた。
実施例1で得られたアキノワスレグサ醗酵処理物と、発酵処理前のアキノワスレグサ乾燥粉砕物の各1gをそれぞれ80℃熱水25mlで20分間抽出し、これを2回繰り返し50mlに定溶した、抽出液を供試サンプルとして、以下の条件で、HPLC分析を行なった。
カラム:Develosil ODS−HG−5 φ4.6×250mm
波長:260nm
移動相:0.1%TFA−メタノールの0〜100%までのグラジエント分析
流速:1mL/min
注入量:10μL
アキノワスレグサ乾燥粉末の発酵前と醗酵後のそれぞれの熱水抽出液におけるHPLC分析の結果を図1及び2に示す。図1及び2から、明らかなようにアキノワスレグサ醗酵処理物では、発酵前のアキノワスレグサに比べ、10分付近にピークを示す物質(未同定)が有意に増加していることがわかった。
実施例1の乳酸菌によるアキノワスレグサ発酵処理物についてACE阻害活性を測定し、発酵前の未発酵アキノワスレグサのACE阻害活性と比較した。ACE(ウサギ肺アセトンパウダー由来、67mU/ml)50μlに、実施例1で得られたアキノワスレグサ醗酵処理物と、発酵処理前のアキノワスレグサ乾燥粉砕物の各1gをそれぞれ80℃熱水25mlで20分間抽出し、これを2回繰り返し50mlに定溶した抽出液それぞれ15μLを添加し37℃、5分間加温した。その後608mM塩化ナトリウムを含むホウ酸緩衝液(pH8.3)に7.6mMとなるように溶解したHippuryl L-histidyl L-leucineを125μL添加し、正確に37℃、30分間反応させた。反応停止には10%トリフルオロ酢酸(TEA)20μLを加え酵素を失活させた。ACE阻害活性は高速液体クロマトグラフィーを用いて遊離した馬尿酸を測定した。コントロールとして水を用いた場合をACE活性100%とした結果を図3に示す。この結果、アキノワスレグサを発酵処理することにより、ACE活性を約50%程度にまで阻害できることがわかった。
アキノワスレグサの発酵処理物について、嗜好性の試験を行った。実施例1〜3より得られた乾燥アキノワスレグサ醗酵処理物、及び乾燥アキノワスレグサ未発酵物を、沸騰させた熱水1リットル(L)に対し各5gずつの割合で加え、5分間抽出し、濾過した濾液を供試液とし、これら4種類の供試液の各々につき、10人のパネラーが試飲した。評価基準は、特に飲みやすい(5点)、飲みやすい(4点)、ふつう(3点)、飲みにくい(2点)、特に飲みにくい(1点)の5段階とし、乾燥アキノワスレグサ未発酵物の抽出液をふつう(3点)とし、10人のパネラーの平均値として評価したところ、実施例1の乳酸菌による発酵処理物の抽出液は4.2点、酵母菌による発酵処理物の抽出液は3.9点、麹菌による発酵処理物の抽出液は3.4点であった。以上の官能検査の結果から、アキノワスレグサを発酵処理することにより、食味が向上され、嗜好性の改善が図れたことが明らかとなった。
Claims (20)
- アキノワスレグサ(Hemerocallis fulva var.sempervirens)を乳酸菌、枯草菌、酵母、麹菌又はこれらの混合物により発酵させて得られる発酵処理物を有効成分とすることを特徴とする睡眠改善剤。
- アキノワスレグサの全草の発酵処理物であることを特徴とする請求項1記載の睡眠改善剤。
- 乳酸菌が、ストレプトコッカス属(Storeptococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)又はテトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)のいずれかに属する微生物であることを特徴とする請求項1又は2記載の睡眠改善剤。
- 酵母が、カンジダ属(Candida)又はサッカロマイセス属(Saccharomyces)に属する微生物であることを特徴とする請求項1又は2記載の睡眠改善剤。
- 麹菌が、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)又はアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)であることを特徴とする請求項1又は2記載の睡眠改善剤。
- アキノワスレグサ(Hemerocallis fulva var.sempervirens)を乳酸菌、枯草菌、酵母、麹菌又はこれらの混合物により発酵させて得られる発酵処理物を含有することを特徴とする睡眠改善作用を有する機能性食品。
- アキノワスレグサの全草の発酵処理物であることを特徴とする請求項6記載の睡眠改善作用を有する機能性食品。
- 乳酸菌が、ストレプトコッカス属(Storeptococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)又はテトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)のいずれかに属する微生物であることを特徴とする請求項6又は7記載の睡眠改善作用を有する機能性食品。
- 酵母が、カンジダ属(Candida)又はサッカロマイセス属(Saccharomyces)に属する微生物であることを特徴とする請求項6又は7記載の睡眠改善作用を有する機能性食品。
- 麹菌が、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)又はアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)であることを特徴とする請求項6又は7記載の睡眠改善作用を有する機能性食品。
- アキノワスレグサ(Hemerocallis fulva var.sempervirens)を乳酸菌、枯草菌、酵母、麹菌又はこれらの混合物により発酵させて得られる発酵処理物を有効成分とすることを特徴とするACE阻害剤。
- アキノワスレグサの全草の発酵処理物であることを特徴とする請求項11記載のACE阻害剤。
- 乳酸菌が、ストレプトコッカス属(Storeptococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)又はテトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)のいずれかに属する微生物であることを特徴とする請求項11又は12記載のACE阻害剤。
- 酵母が、カンジダ属(Candida)又はサッカロマイセス属(Saccharomyces)に属する微生物であることを特徴とする請求項11又は12記載のACE阻害剤。
- 麹菌が、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)又はアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)であることを特徴とする請求項11又は12記載のACE阻害剤。
- アキノワスレグサ(Hemerocallis fulva var.sempervirens)を乳酸菌、枯草菌、酵母、麹菌又はこれらの混合物により発酵させて得られる発酵処理物を含有することを特徴とするACE阻害作用を有する機能性食品。
- アキノワスレグサの全草の発酵処理物であることを特徴とする請求項16記載のACE阻害作用を有する機能性食品。
- 乳酸菌が、ストレプトコッカス属(Storeptococcus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)又はテトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)のいずれかに属する微生物であることを特徴とする請求項16又は17記載のACE阻害作用を有する機能性食品。
- 酵母が、カンジダ属(Candida)又はサッカロマイセス属(Saccharomyces)に属する微生物であることを特徴とする請求項16又は17記載のACE阻害作用を有する機能性食品。
- 麹菌が、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)又はアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)であることを特徴とする請求項16又は17記載のACE阻害作用を有する機能性食品。
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