JP4503951B2 - 糖尿病疾患予防・治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は、沖縄に生育するゲットウ植物由来の生理活性物質を利用した糖尿病疾患予防・治療剤や、糖尿病疾患の予防・改善用機能性食品又は食品素材に関する。
従来から、沖縄に自生している植物について抗酸化活性作用等の有効成分を含有する優れた天然資源の開発が行われている。例えば、薬用されているウコンの根茎を適用し食味を改善した加工食品(例えば、特許文献1参照。)や、また、食材として利用されていない植物繊維を利用した抗酸化性植物繊維やその加工食品(例えば、特許文献2参照。)や、グアバの葉、月桃、ヨモギ、茶葉等を使用し発酵処理により薬効を増進し食味を改善した加工食品(例えば、特許文献3参照。)等が開発されている。また、ゲットウ 、アカメガシワ、ヒラミレモン、クダモノトケイソウおよびストレリチアからなる群から選ばれた1種類以上の植物の乾燥粉末または抽出物を有効成分とすることを特徴とするα−アミラーゼ活性を阻害するための物質(例えば、特許文献4参照。)等も報告されている。
また、ゲットウ(Alpinia Speciosa K. Schum )はショウガ科(Zingiberaceae)に属し、別名アルピニアといい、九州南部から中国南部〜熱帯アジアに分布し、葉に芳香があるので食物を包み,葉鞘は網や綱の原料として利用されているが、食用としても充分な利用がなされていない。
特開平11−289973号公報 特開2002−204674号公報 特開2002−330725号公報 特開2001−333733号公報
本発明の課題は、植物に含まれる優れた生理活性物質を見い出し、その植物の有効利用を図り、植物由来成分として容易に入手して、生体に対し副作用が少なく安全性が高い抗糖尿病剤を提供することにある。
本発明者らは、沖縄に自生するゲットウ、特に葉について特定の発酵処理を施すことにより、血清中のグルコース、インスリン、総コレステロール、一酸化窒素の含有量を低下させ、血糖値を低下させると共に、腎LPOを低下させる作用があることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)ゲットウをラクトバシルス・プランタリム、ストレプトコッカス・サーモフィルス、バシルス・ズブチルスの混合菌により発酵させて得られる発酵処理物を有効成分とすることを特徴とする糖尿病疾患予防・治療剤に関する。
また、本発明は、(2)発酵処理物が、ゲットウの葉の発酵処理物であることを特徴とする上記(1)記載の糖尿病疾患予防・治療剤に関する。
本発明の抗糖尿病疾患予防・治療剤は、優れた生理活性を有することを見い出し、食用として充分な利用がされていなかったゲットウにおいて優れた生理活性物質の有効利用を図り、植物由来成分として容易に入手でき、生体に対し副作用が少なく安全性が高い糖尿病疾患予防・治療剤や、糖尿病疾患の予防・改善用機能性食品又は食品素材を提供することにある。
本発明の糖尿病疾患予防・治療剤は、ゲットウを乳酸菌、乳酸菌と酵母、乳酸菌と枯草菌、又は乳酸菌と酵母と枯草菌により発酵させて得られる発酵処理物を有効成分として含有するものであれば、特に限定されるものではなく、上記ゲットウの使用部位は、根、根茎等の地下部や、茎、葉、花、果実等の地上部であってもよく、また、これらの二種以上の混合物であってもよいが、葉の発酵処理物が特に好ましい。
本発明の糖尿病疾患予防・治療剤に用いられるゲットウの発酵処理物は、ゲットウを醗酵させたものであり、発酵処理するために使用される微生物としては、乳酸菌、酵母、枯草菌を挙げることができ、より詳しくは乳酸菌を用いることが好ましく、乳酸菌単独、乳酸菌と酵母、乳酸菌と枯草菌、又は、乳酸菌と酵母と枯草菌の組み合わせを挙げることができる。
かかるゲットウの発酵処理に用いられる乳酸菌としては、ストレプトコッカス属(Storeptococcus)、ラクトバシルス属(Lactobacillus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)又はテトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)のいずれかに属する菌が好ましく、特にラクトバシルス属が好ましい。上記ストレプトコッカス属に属する菌としては、ストレプトコッカス・サーモフィルス(S. thermophilus)であることが好ましく、ストレプトコッカス・サーモフィルスIFO13957菌株を具体的に例示することができる。また、ラクトバシリルス属に属する菌としては、ラクトバシルス・プランタリム(L. plantrum)、ラクトバシルス・デルブリッキ(L. delbruckii)、ラクトバシルス・ペントサス(L. pentosus)又はラクトバシルス・カセイ(L. casei)のいずれかに属する菌であることが好ましく、これらの菌のうち、特にラクトバシルス・プランタリムが好ましい。かかるラクトバシルス・プランタリムとしてIFO14712菌株やIFO14713菌株を、ラクトバシルス・デルブリッキとしてIFO13953菌株を、ラクトバシルス・ペントサスとしてIFO12011菌株を、ラクトバシルス・カセイとしてIFO15883菌株を、それぞれ具体的に例示することができる。また、テトラジェノコッカス属に属する菌としては、テトラジェノ・ハロフィルス(T. halophilus)であることが好ましく、テトラジェノ・ハロフィルスIFO12172菌株を具体的に例示することができる。これら乳酸菌は、ゲットウの葉の乾物1gあたり、通常103〜107個、特に106〜107個用いることが好ましい。
また、ゲットウの発酵処理において用いられる酵母は、主として香りの改善のために添加され、かかる酵母としては、カンジダ属(Candida)又はサッカロマイセス属(Saccharomyces)に属する菌が好ましい。かかるカンジダ属に属する菌として、カンジダ・ビルサチルス(Candida versatilis)であることが好ましく、カンジダ・ビルサチルスとしてIFO10038菌株を具体的に例示することができる。サッカロマイセス属に属する菌として、サッカロマイセス・セレビシアエ(S. cerevisiae)であることが好ましく、サッカロマイセス・セレビシアエとしてIFO0555菌株を具体的に例示することができる。これら酵母菌は、モモタマナの葉の乾物1gあたり、通常103〜107個、特に106〜107個用いることが好ましい。
更に、ゲットウの発酵処理において用いられる枯草菌としては、バシルス・ズブチルス(B. subtilis)IFO3013菌株を具体的に例示することができる。これら枯草菌は、ゲットウの葉の乾物1gあたり、通常103〜107個、特に106〜107個用いることが好ましい。
かかるゲットウの発酵処理において、好ましく用いられる微生物群としては、乳酸菌、酵母及び枯草菌を含む微生物群が好ましく、これら微生物群の中でも、ラクトバシルス・プランタリム、ストレプトコッカス・サーモフィルス、バシルス・ズブチルスの混合菌であることが好ましく、これらはゲットウの葉の乾物に対し、菌数として同数を使用することが好ましい。このような菌数の組合せにおいて菌を使用することにより、発酵時間の短縮を図り、ひいては雑菌の繁殖を抑制することができる。
上記ゲットウの発酵処理においては、ゲットウの葉の乾燥体を、3mm以下、好ましくは0.5〜1.0mmの粒径まで粉砕する。3mm以下の粒径とすることにより、発酵菌との接触面積を十分に確保することができ、発酵を効果的に進行させることができ、0.5〜1.0mmの範囲の粒径であれば、かかる効果がより顕著に得られる。このような植物の粉砕物に、発酵の進行を促進するため、乾物1重量部に対し、1〜10重量部、特に4〜6重量部程度の水分を添加することが好ましい。かかる粉砕植物に、上述の菌又は菌群を添加する。菌群は各々菌を培養後、培地へ添加する前に予め混合し、乾燥体である場合の植物の重量に対して、1〜10重量%添加することが好ましい。発酵は、温度20〜50℃、好ましくは40℃で行われることが好ましく、発酵時間は、pHや、菌数等の条件による発酵の進行状況や、嗜好により適宜選択することができ、例えば、pH4〜5、菌数106以上であれば、約72時間とするのが好ましい。発酵処理時、必要に応じてエアレーションや脱酸素処理を行うことができるが、脱酸素処理後に静置培養において発酵させることができる。発酵形式は、液体培養でなく固体培養が好ましい。
かかる発酵処理において、発酵菌の資化剤として炭水化物や蛋白質を添加することができる。資化剤としての炭水化物は市販のブドウ糖、蔗糖、廃糖蜜等の糖が好ましく、これらの添加量としては培地当たり1〜10重量%が好ましく、特に3重量%前後が適当である。資化剤としての蛋白質は米糠、ふすま等が好ましく、これらの添加量としては培地当たり1〜5重量%が好ましい。これらの資化剤は1種を単独で、又は2種以上を混合して用いてもよい。
発酵終了後、乾燥機により水分値が10重量%以下となるように乾燥することが好ましく、乾燥方法としては、加熱乾燥や凍結乾燥によることができ、加熱乾燥の場合は、品温が100℃以下で行われることが、生理活性成分の失活を防止することができるため好ましい。乾燥後、必要に応じて加熱等公知の方法により滅菌処理を行い、糖尿病疾患予防・治療剤や、食品又は食品素材の原料として使用されるゲットウの発酵処理物が得られる。
かかるゲットウの発酵処理物は、そのまま本発明の糖尿病疾患予防・治療剤の有効成分として用いることもできるが、さらに、抽出処理など他の処理を施すこともできる。かかる抽出処理に使用する溶媒としては、例えば、水、メチルアルコール、エチルアルコール等の低級1価アルコールや、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の液状多価アルコール、ヘキサン等の非極性溶媒の一種又は二種以上を挙げることができる。好ましい抽出方法としては、例えば、水濃度0〜100容量%のメチルアルコール、エチルアルコール等を用い、0〜80℃で30分〜5日間等、好ましくはエチルアルコール水溶液を用い、室温で24時間抽出した後濾過する方法等を挙げることができる。更に、得られた抽出処理物の溶媒を除去した後凍結乾燥した凍結乾燥処理物を有利に使用することができ、また、必要に応じてこれらの抽出物を溶媒と混合し混合液としたものも使用することができる。
上記ゲットウの発酵処理物を有効成分とする本発明の糖尿病疾患予防・治療剤は、血清中のグルコース、インシュリン、総コレステロール、一酸化窒素の含有量の低減作用を有し、腎LPO含有量の低減作用を有し、血糖値の低減作用を有し、α−アミラーゼ阻害活性を有する。
本発明の糖尿病疾患予防・治療剤は、上記ゲットウの発酵処理物の他、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤等の各種調剤用配合成分を添加することができる他、他の糖尿病性高血糖症、糖尿病性高脂血症、糖尿病性骨粗鬆症等の糖尿病性疾患の治療薬と併用することもできる。
本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤の調製方法としては、上記ゲットウの発酵処理物をそのまま用い、あるいは発酵処理物の水、エタノール溶液による抽出物の凍結乾燥物等を、ミキサー等で粉末とし、得られた粉末を常法により顆粒化、カプセル化、錠剤化したり、溶剤に溶解、縣濁、分散等させて液剤を調製する方法等を具体例に例示することができる。
本発明において糖尿病性疾患とは、II型糖尿病及びII型糖尿病に起因する種々の合併症等の疾病の症状を呈する疾病をいい、糖尿病性疾患としては、糖尿病性骨粗鬆症、糖尿病性高血糖症、糖尿病性高脂血症、糖尿病により体重が減少する症状や、糖尿病により血中ミネラル濃度が変動する症状、神経障害や網膜症や腎臓障害等の合併症などの症状を呈した状態を具体的に例示することができる。そして、本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤は、糖尿病性骨粗鬆症、糖尿病性高血糖症、糖尿病性高脂血症等の糖尿病性疾患の予防・改善作用を有することから、糖尿病患者又は糖尿病予備軍の人に経口投与することによる糖尿病性疾患の予防・治療方法に、あるいは、食品に添加配合することにより該食品を糖尿病性疾患の予防・改善作用を有する機能性食品や、薬理組成物食品素材として、有利に用いることができる。かかる本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤は通常経口投与され、治療剤として用いる場合は、ゲットウの発酵処理物として1日あたり1mg〜5g/Kg体重、好ましくは10〜1000mg/Kg体重の範囲で摂取することにより、糖尿病性疾患を改善することができるが、症状、性別、年齢等に応じて、摂取量は適宜調整することができる。また、本発明の糖尿病性疾患の予防薬として使用する場合は、予め摂取することにより糖尿病性疾患の罹患率を低下させることができる。予防剤としての摂取方法は治療剤として用いる場合と同様の方法によることができ、摂取量は治療剤より少量から同量とすることができる。
ゲットウの発酵処理物を有効成分として含有する本発明の糖尿病性疾患の予防・改善用機能性食品又は食品素材は、ゲットウの発酵処理物を飲食品原料の一部として用いたり、あるいは製造工程又は製造後に添加・配合することにより得ることができる。かかる機能性食品としては特に制限されるものではなく、クッキー、パン、ケーキ、煎餅などの焼き菓子、ラムネ菓子等などの錠菓、羊羹などの和菓子、プリン、ゼリー、アイスクリーム類などの冷菓、チューインガム、キャンディ等の菓子類や、クラッカー、チップス等のスナック類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、チーズ、バターなどの乳製品や、みそ、しょう油、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ、スープ、シチュー等の各種総菜や、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料などを具体的に例示することができる。例えば、上記ゲットウの発酵処理物を微粉末化し、該微粉末を常法に従い打錠することにより錠菓を製造することができ、この場合かかる微粉末を造粒した後に打錠することもできる。また、ゲットウの発酵処理物を微粉末化し、これに乳糖、デキストリン、乾燥酵母等を配合したものを打錠することもできる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[サンプルの調製]発酵処理物の製造
乾燥したゲットウの葉30gを0.1〜3mmの粒径に粉砕し容器に入れた。ゲットウを入れた容器に水30g、糖蜜0.9gを添加した。かかる粉砕ゲットウを収納した容器に、ラクトバシルス・プランタリム、ストレプトコッカス・サーモフィルス、バシルス・ズブチルスの各々の菌を培養後、菌数1:1:1の割合で混合し、ゲットウの重量に対し、10重量%を添加し、容器を密閉し、静置培養により発酵を行った。発酵温度は40℃、発酵時間は72時間とした。その後、乾燥機により水分値が10重量%以下になるまで60℃で乾燥した後、滅菌処理(130℃蒸気、5〜15秒)を行い、発酵ゲットウ30gを得た。その後、乾燥した発酵ゲットウの葉1gに対して10mlの割合になるように水を加え、80℃、20分熱水抽出し、上澄みをプールし、沈殿1gに対して10mlの割合になるように再度、水を加え、80℃、20分熱水抽出し、前述の上澄みと合わせて熱水抽出エキスとして凍結乾燥させた。以下このゲットウの熱水抽出凍結乾燥物をサンプルとした。
比較例として、乾燥した未発酵のゲットウの葉をミルサーにて1分間粉砕し、粉砕葉1gに対して10mlの割合になるように水を加え、サンプルと同様の方法にて未発酵抽出物を調製した。
[投与方法]
KKマウスに肥満遺伝子Ayが導入され、KKマウスより早期(7〜8週齢)かつ重度に肥満・高血糖を発現する2型糖尿病モデルとして改良されたKK−Ay糖尿病雄モデルマウス(4週齢)(日本クレア社から入手)を用いた。群分けは、
1)蒸留水5ml/kgを投与したコントロール群(C)(10匹)
2)発酵ゲットウ抽出物(サンプル)250mg/5ml・kgを投与した群(10匹)
3)未発酵ゲットウ抽出物250mg/5ml・kgを投与した群(9匹)
とし、サンプルの投与は7週齢から開始し、曜日を決めて3回/週、投与時刻を17〜18時とし経口投与した。
[血糖値の測定]
サンプルを投与して絶食させ、サンプル投与から16〜19時間後にマウスの尾の先端をカミソリで傷つけて採血を行い、血糖値を簡易測定キット(簡易血糖自己測定器ノボアシスト:ノボルディスクファーマ社製)により測定した。以後同様に、2週間に1回の割で採血し、血糖値を測定した。血糖の測定値より、血糖値の測定値からサンプル投与群のコントロール群に対する血糖値の割合を求め、その結果を表1に示す。未発酵ゲットウ抽出物投与群についても同様にして、コントロール群に対する血糖値の割合を求め、その結果を表1に示す。
Figure 0004503951
表1に示される結果から、サンプル投与群の血糖値は、サンプル投与開始直後は未発酵ゲットウ抽出物投与群の血糖値より僅かに高いものの、サンプル投与を継続すると、サンプル群において12週目あたりから未発酵ゲットウ抽出物投与群に比較して、血糖値が顕著に低減していくことがわかった。
[採血]
前日にサンプルを投与した17週齢のマウスを、翌朝4時間絶食後に断頭により殺し、断頭切口から血液を試験管に採取した。その後腹部を切開し、腎、肝を摘出し重量を測ってホイルで包み灌流は行わず−80℃で保存した。血液は3000r.p.m15分で1回遠心してエッペンドルフに血清を分離し、さらに同じ条件で再度遠心して同じエッペンドルフに血清を分離した。このエッペンドルフを冷却遠心(4℃、3000r.p.m、2分)して、別のエッペンドルフと試験管(血清Glu用)に分注してエッペンドルフに取ったものは−80℃で保存した。
[血清グルコースの測定]
実施例4で得た血清のグルコース含有量をグルコースCII・テストワコー(ム
タローゼ・GOD法)(Wako社製)を使用して測定した。結果を図2に示す。図2に示される結果から、サンプル投与群において、血清中のグルコース含有量が低減されることが明かになった。
[血清インスリンの測定]
実施例4で得た血清を−80℃で保存後、溶解して血清インスリンの測定に用いた。血清インスリンの測定にはインスリン測定キット(森永生科学研究所製)を使用し、これはマイクロプレートのELAサンドイッチ法を用いており、マイクロプレートリーダーで測定した。結果を図3に示す。図3に示される結果から、サンプル投与群において著しく血清インスリンの低減が見られ、未発酵抽出物投与群と比較しても、血清中のインスリン含有量が有意に低減されることが明かになった。残った血清は−20℃で冷凍保存した。
[血清一酸化窒素の測定]
−20℃で冷凍保存していた血清(実施例6参照)を溶解して血清一酸化窒素の測定に用いた。一酸化窒素の測定は、NOアナライザー(ENO−20酸化窒素分析計:エイコム社製)を用いて行った。検体の前処理として、血清100μlとメタノール100μlをエッペンドルフにとり、よく混和した後20分間静置し、冷却遠心(4℃、13,000r.p.m、10分)してその上清100μlをサンプル管に分注し、NOアナライザーにより一酸化窒素を測定した。前処理までの操作はすべて氷中で行った。結果を図4に示す。図4に示される結果から、モモタマナ群において、血清の一酸化窒素含有量が低減されることが明かになった。
[血清総コレステロールの測定]
実施例7において溶解した血清を一晩冷蔵(4℃)保存したものを用いた。血清10μlを試薬とともに半量で操作を行い、コレステロールC−テストワコー(コレステロールオキシダーゼ・フェニノール法)(Wako社製)を使用して総コレステロールを測定した。結果を図5に示す。図5に示される結果から、サンプル投与群、未発酵抽出物投与群共に、血清の総コレステロール含有量が著しく低減されることが明かになった。
[腎LPO]
実施例4で得た腎臓を−80℃で保存後、5ml/gの割合の1.15%KCl水溶液を用いて、超音波ホモジナイザー処理を行った。この超音波ホモジナイザー処理により腎臓がある程度砕けてから、30秒間遠心(氷中にて10,000r.p.m、)した。得られた上清をさらに上記KCl水溶液で2倍希釈してTBA法により腎ホモジネートのLPOを測定した。結果を図6に示す。図6に示される結果から、サンプル投与群において、腎LPOが低減されることが明かになった。
[α−アミラーゼ阻害活性]
実施例1の工程において、ゲットウの葉の発酵後、滅菌処理して得られた発酵ゲットウ1gに対し10mlの50%エタノール水溶液を添加し、12時間、室温にて抽出後ろ過した。残渣に再度10mlの50%エタノール水溶液を加え12時間、室温にて抽出後ろ過し50%エタノール抽出液として試料溶液を得た。得られた試料溶液0.5mlに4%デンプン溶液1ml(WAKO社製)とリン酸緩衝液1.5mlを混合後37℃、5分間加温したのち、5.5unit/mlのα−アミラーゼ溶液0.02ml(SIGMA社製)を加え、37℃、120分間反応させた。その後沸騰水中で10分間加温し反応停止後、生成したマルトース量を高速液体クロマトグラフィー(島津社製)で測定した。コントロール(サンプル無添加)の場合のマルトース生成量を100%としサンプル添加時のマルトース生成量の割合、すなわち、α−アミラーゼ活性として図7に示す。図7に示される結果から、サンプル投与群において、α−アミラーゼ活性が低下しており、α−アミラーゼ阻害活性が顕著であり、未発酵ゲットウ抽出物投与群と比較しても、有意であることが明かにされた。
本発明の抗糖尿病疾患予防・治療剤をKK−Ay糖尿病雄モデルマウスに適用した血糖値を示す図である。 本発明の抗糖尿病疾患予防・治療剤をKK−Ay糖尿病雄モデルマウスに適用した血清中のグルコース含有量を示す図である。 本発明の抗糖尿病疾患予防・治療剤をKK−Ay糖尿病雄モデルマウスに適用した血清中のインスリン含有量を示す図である。 本発明の抗糖尿病疾患予防・治療剤をKK−Ay糖尿病雄モデルマウスに適用した血清中の一酸化窒素含有量を示す図である。 本発明の抗糖尿病疾患予防・治療剤をKK−Ay糖尿病雄モデルマウスに適用した血清中のコレステロール含有量を示す図である。 本発明の抗糖尿病疾患予防・治療剤をKK−Ay糖尿病雄モデルマウスに適用した腎LPO含有量を示す図である。 本発明の抗糖尿病疾患予防・治療剤のα−アミラーゼ阻害活性を示す図である。

Claims (2)

  1. ゲットウをラクトバシルス・プランタリム、ストレプトコッカス・サーモフィルス、バシルス・ズブチルスの混合菌により発酵させて得られる発酵処理物を有効成分とすることを特徴とする糖尿病疾患予防・治療剤。
  2. 発酵処理物が、ゲットウの葉の発酵処理物であることを特徴とする請求項1記載の糖尿病疾患予防・治療剤。
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