JP2010132625A - 抗糖尿病剤 - Google Patents

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Toshitsugu Miyazaki
智恵子 北島
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Abstract

【課題】長期の摂取によっても人体にとって安全であり、糖尿病の治療および/または予防に優れた効果を有する抗糖尿病剤および該抗糖尿病剤を含有する飲食品を提供すること。
【解決手段】醗酵人参エキスを有効成分として含有する、抗糖尿病剤、および、該抗糖尿病剤を含有し、食後の血糖値の上昇を抑制する作用を有することを特徴とする、糖尿病の予防または治療のために用いられる旨の表示を付した飲食物。
【選択図】なし

Description

本発明は、代謝性疾患の1つである糖尿病の予防および/または治療に用いることのできる抗糖尿病剤に関する。

近年の日本では、食の欧米化、モータリゼーションなどの生活習慣の大きな変化に伴って、糖尿病患者が急増し、約1000万人が糖尿病を発症しているとの報告がある。特に過食、運動不足、ストレスなどの生活習慣と個々の遺伝的背景とが重なって発症する2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)患者数の激増は、国民の重要な問題となっている。

健常者では、食間および夜間にはインスリンの基礎分泌によって肝臓での糖放出と全身のインスリン作用組織での糖取り込みとがうまく釣り合い、血糖値が正常域に保持されている。摂食時には、血糖値は、食事中の糖質吸収によって上昇するが、これに即応して、インスリンの追加分泌が亢進し、肝臓での糖放出の低下および糖取り込みの亢進、ならびに筋・脂肪組織での糖取込みの上昇によって、通常血糖値へもどる。すなわち、インスリン分泌とその作用を受ける臓器との見事な協調作用より、血糖値が精密に調整されており、このような血糖値調整機構のいずれに乱れが生じても糖尿病が発症することになる。

大多数の2型糖尿病患者では、インスリンの追加分泌の欠如または不足、すなわち食後の血糖値上昇に対応して瞬時に分泌されるインスリン分泌の欠如または不足が認められる。さらに肝臓、筋肉、脂肪組織でインスリン抵抗性が認められる。一方、2型糖尿病患者に認められる空腹時高血糖は、内因性のインスリン基礎分泌の低下に加えて、食後高血糖持続時に増大したインスリン抵抗性によるものであるため、肝臓での糖放出が健常者に比べて上昇し、さらに全身の糖取り込みが増加しない結果、10時間以上にわたる絶食にもかかわらず、高血糖になる。このように2型糖尿病の発症およびその進行においては、インスリン分泌不足とそれに伴う高血糖、さらに高血糖状態により引き起こされるインスリン抵抗性が悪循環し、病状が悪化していく。

このような背景の下、各種の治療薬が開発、販売されている。例えば、2型糖尿病の特質の一つであるインスリン分泌不良に対する治療薬として、スルホニル尿素薬(SU薬)がある。スルホニル尿素薬は、膵臓のβ細胞に作用し、インスリン分泌を促進する。また、αグルコシダーゼ阻害薬は、おもにショ糖や麦芽糖などの2糖類の単糖類への分解を抑制し、小腸からの吸収を遅らせることで、食後の高血糖状態を改善する。また、インスリン標的臓器でのインスリン抵抗性を改善する目的で、チアゾリジン誘導体などのインスリン抵抗性改善薬が開発され、治療に使われている。

しかしながら、これら治療薬には、さまざまな副作用が知られている。例えば、スルホニル尿素では、その長期使用により膵臓β細胞が疲弊してしまうことが知られている。また、チアゾリジン誘導体では、副作用として浮腫が認められ、体内貯留の結果、心不全が発症することが知られている。さらに、このような治療薬は、糖尿病治療を目的に開発されており、その使用には、医師の診断と経過観察が必要である。

一方、オタネニンジン、三七ニンジン、アメリカニンジンなどのウコギ科人参は、薬用人参として、漢方薬などの伝統医薬として、また、保健用食品として、広く使用されている。これらの人参には、抗がん作用、免疫賦活作用などのさまざまな薬効の他に、糖尿病治癒効果が報告されている。例えば、非特許文献1には、実験的糖尿病病態モデルにおけるオタネニンジンの血糖降下作用が報告されている。また、非特許文献2および非特許文献3には、オタネニンジンの血糖降下作用を示す活性成分として、糖鎖グリカンの関与が報告されている。また、非特許文献4には、アメリカニンジンの食後高血糖抑制作用が示され、その活性成分として人参サポニン成分が重要であること、さらに他の成分の関与も否定できないことが報告されている。さらに、非特許文献5には、アメリカニンジンの健常者および2型糖尿病患者の食後高血糖の改善効果が報告されている。また、非特許文献6には、竹節ニンジンに糖尿病病態マウスに対して、抗糖尿病作用があり、その活性成分が人参サポニンであることが報告されている。また、非特許文献7には、人参に含まれるプロトパナキサジオール型サポニンの活性代謝物である20(S)−プロトパナキサジオール 20−O−β−d−グルコピラノサイドが、膵臓β細胞からのインスリンの分泌を促進して血中インスリン量を高め、食後の血糖値の上昇を抑制することが報告されている。

しかしながら、人参サポニンは腸内細菌によって分子内の糖鎖がさまざまな程度に切断されてはじめて腸管から吸収され、その生理作用を示すことが明らかにされている(非特許文献8)。さらに、各個人の腸内細菌叢の違いが原因で人参サポニンの作用に差が生じ、その結果、人参の作用の発現に重大な影響を与えることが明らかにされている(非特許文献9)。
J Pharmacobiodyn.1981 Jun;4(6):402−9 J Ethnopharmacol.1985 Nov−Dec.14(2−3):255−9 J Ethnopharmacol.1985 Sep;14(1):69−74 Eur J Clin Nutr.2003 Feb.57(2):243−8 Arch Intern Med. 2000 Apr 10.160(7):1009−13 BMC Complement Altern Med.2005 Apr 6.5.9 Biol.Pharm.Bull. 2007 30(11):2196−2200 J.Pharmacol Sci 2004 95,153−157 Biol.Pharm.Bull. 2004 27(10):1580−1583

本発明は、上記に示すような治療薬の有する問題点を解決し、長期の摂取によっても人体にとって安全であり、糖尿病の治療および/または予防に優れた効果を有する抗糖尿病剤および該抗糖尿病剤を含有する飲食物を提供することにある。

本発明によれば、抗糖尿病剤が提供される。該抗糖尿病剤は、醗酵人参エキスを有効成分として含有する。
好ましい実施形態においては、上記人参が、ウコギ科薬用人参である。
好ましい実施形態においては、上記人参が、オタネニンジン(高麗人参;Korean ginseng:Panax C.A.Meyer)、三七ニンジン(Panax notoginseng Burk.)、アメリカニンジン(Panax quinquefolium L.)、竹節ニンジン(Panax japonicus C.A.Meyer)、ヒマラヤニンジン(Panax Pseudo−ginseng Qall.Subsp.Himalaicus Hara)、およびベトナムニンジン(Panax Vuetnamensis Ha etGrushy)からなる群より選択される少なくとも1種のウコギ科薬用人参である。
好ましい実施形態においては、上記人参が、アメリカニンジンである。
好ましい実施形態においては、上記醗酵人参が、β−グルコシダーゼ、α−アラビノシダーゼおよびα−ラムノシダーゼからなる群より選択される少なくとも1種の酵素を生産する微生物を用いて醗酵された人参である。
好ましい実施形態においては、上記微生物が、ラクトバチルス カゼイ ハセガワ菌株(FERM BP−10123)である。
好ましい実施形態においては、上記醗酵人参エキスが、20(S)−プロトパナキサジオール 20−O−β−d−グルコピラノサイド(M1)と20(S)−プロトパナキサトリオール(M4)とを1以上の含有量比[M1/M4:重量比]で含む。
好ましい実施形態においては、上記抗糖尿病剤は、医薬組成物、食品組成物または飼料組成物である。
本発明の別の局面によれば、飲食物が提供される。該飲食物は、上記抗糖尿病剤を含有し、食後の血糖値の上昇を抑制する作用を有することを特徴とし、糖尿病の予防または治療のために用いられる旨の表示が付される。

本発明の抗糖尿病剤は、醗酵により食後の血糖値の上昇を抑制する成分がバランスよく生成した醗酵人参エキスを含有するので、食後高血糖を改善および/または予防し得る。また、本発明の抗糖尿病剤は、その有効成分が天然物に由来するものであるため、安全性に優れるという効果を奏し得る。

1.抗糖尿病剤
本発明の抗糖尿病剤は、醗酵人参エキスを有効成分として含有する。醗酵人参エキスとしては、本発明の効果が得られる限りにおいて、任意の適切なものが用いられ得る。なお、本明細書中に用いられる用語「エキス」とは、液体、粉末体、ペーストおよびこれらの組み合わせでなる形態を包含する、混合物でなる広義の抽出物をいい、必ずしも抽出液に限定されない。したがって、「醗酵人参エキス」は、例えば、人参を醗酵させた際の醗酵物(培養液)そのものであってもよく、醗酵物を乾燥させたものであってもよく、醗酵物をカラムクロマトグラフィーなどで分画精製し、目的とする成分(例えば、人参サポニン成分)を濃縮したものであってもよい。

発酵に用いられる人参としては、任意の適切な人参が用いられ得る。人参は、好ましくはウコギ科薬用人参であり、より好ましくはそのアグリコンがプロトパナキサジオールである人参サポニン(例えば、Rb1、Rb2、Rc、Rdなどのプロトパナキサジオール系人参サポニン;以下、「人参サポニン」を「ジンセノサイド」と称することがある)を豊富に含有するウコギ科薬用人参である。プロトパナキサジオール系ジンセノサイドは、後述の醗酵によって分解されて、以下の式(I)で表される20(S)−プロトパナキサジオール 20−O−β−d−グルコピラノサイド(以下、「M1」と称することがある)となり、本発明の抗糖尿病剤の作用機序において、重要な役割の1つを果たすと考えられるからである。なお、本発明の抗糖尿病剤の作用機序は明らかではないが、醗酵により生じたM1および他の種々の成分の複合的な相乗効果により、食後の血糖値の上昇を抑制する作用(以下、「食後高血糖抑制作用」と称することがある)を発揮するものと推測される。したがって、本発明の抗糖尿病剤によれば、M1のみまたは非醗酵人参エキスよりも優れた食後高血糖抑制作用が発揮され得る。

このようなウコギ科薬用人参の例としては、オタネニンジン(高麗人参;Korean ginseng:Panax C.A.Meyer)、三七ニンジン(Panax Pseudo−ginseng Wall)、アメリカニンジン(Panax quinquefolium L.)、竹節ニンジン(Panax japonicus C.A.Meyer)、ヒマラヤニンジン(Panax Pseudo−ginseng Qall.Subsp.Himalaicus Hara)、ベトナムニンジン(Panax Vuetnamensis Ha etGrushy)、およびそれらの組合せが挙げられる。本発明においては、入手が容易である点、Rb1、Rb2、Rc、Rdなどのプロトパナキサジオール系ジンセノサイドが豊富に含まれている点、および醗酵によって生じた成分(M1を含む)間の高い相乗効果が期待できる点から、アメリカニンジンまたはオタネニンジンを用いることが好ましく、アメリカニンジンを用いることがさらに好ましい。

上記人参の使用部位としては、任意の適切な部位が用いられ得る。例えば、根、茎、葉、花蕾、果実または全草、あるいはそれらの組合せのいずれが用いられてもよい。上記人参としてアメリカニンジンが用いられる場合、プロトパナキサジオール系ジンセノサイドが他の部位に比べてより豊富に含まれている点から、好ましくは根、より好ましくは側根が用いられ得る。また、オタネニンジンが用いられる場合も同様の点から、好ましくは根、より好ましくは側根が用いられ得る。

上記人参は、生の状態のものであってもよく、乾燥状態のものであってもよい。乾燥方法としては、任意の適切な乾燥方法を用いることができる。

上記人参を醗酵させることにより醗酵人参エキスが得られる。醗酵人参エキスの製造方法としては、任意の適切な方法が用いられ得る。例えば、醗酵人参エキスは、以下の方法を用いて製造され得る。

醗酵人参エキスの第1の製造方法について以下に説明する。該製造方法においては、所定の大きさ(好ましくは平均長径が0.2mm以下)に細かく裁断、粉砕またはペースト状になるまですり潰された乾燥、または、生の人参の所定部位が、所定容量を有する培養槽に適量の醗酵助剤および水と共に仕込まれる。次いで、代表的には、微生物の仕込み前に加熱滅菌処理されて、醗酵前の仕込み液が得られる。次いで、当該培養槽に、微生物が仕込まれ、醗酵が行われる。なお、上記加熱滅菌処理により、人参サポニンなどが仕込み液中へ効率良く溶出する。

上記醗酵前の仕込み液に用いられる水としては、好ましくは蒸留水、イオン交換水などが挙げられる。上記微生物の醗酵助剤としては、ペプトン、ポリペプトンなどの窒素栄養源、微量生育栄養素を含む酵母エキス、炭酸カルシウムなどのpH緩衝剤、微量必須元素などが挙げられる。1つの好ましい実施形態において、醗酵前の仕込み液は、酵母エキス10g/L、大豆ペプチド5g/L、炭酸カルシウム10g/Lを含有する。醗酵前の仕込み液のpHとしては、好ましくは3〜7、より好ましくは5〜6.5である。

上記醗酵前の仕込み液に用いられる人参の量は、人参の種類、乾燥状態、培養条件などに応じて、当業者によって適宜選択され得る。例えば、人参と醗酵前の仕込み液との割合[人参の乾燥重量(g)/醗酵前の仕込み液量(g)]は、好ましくは1/100〜50/100、より好ましくは5/100〜20/100、さらに好ましくは10/100〜15/100である。

上記微生物としては、サポニン分解能を有するものが好ましい。サポニン分解能を有する微生物は、非醗酵人参中に含まれるプロトパナキサジオール系ジンセノサイドから、醗酵を通じてM1を生成し得るからである。

本発明で好適に用いられる微生物としては、醗酵中における、Rb1、Rb2、Rc、Rdなどのプロトパナキサジオール系ジンセノサイドとの作用効率が高く、かつ、Rg1などのプロトパナキサトリオール系ジンセノサイドとの作用効率が低い微生物が好ましい。このような微生物によれば、醗酵を通じて、M1が効率良く生成され、かつ、20(S)−プロトパナキサトリオール(以下、「M4」と称することがある)の生成が低減される。1つの好ましい実施形態において、醗酵後の仕込み液において、M1の含有量は、重量を基準としてM4の含有量よりも多く、好ましくはM4の含有量の3倍よりも多く、より好ましくはM4の含有量の5倍よりも多い。

上記微生物の例としては、特開2004−049154号公報に記載の微生物、すなわち、β−グルコシダーゼ、α−アラビノシダーゼおよびα−ラムノシダーゼからなる群より選択される少なくとも1種の酵素を生産する微生物であって、好ましくは食品に添加することができる微生物が挙げられる。より具体的には、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidphilus)、ラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri)、ラクトバチルス・マリ(L.mali)、ラクトバチルス・プランタラム(L.plantarum)、ラクトバチルス・ブヒネリ(L.buchneri)、ラクトバチルス・カゼイ(L.casei)、ラクトバチルス・ジョンソニー(L.johnsonii)、ラクトバチルス・ガリナラム(L.gallinarum)、ラクトバチルス・アミロボラス(L.amylovorus)、ラクトバチルス・ブレビス(L.brevis)、ラクトバチルス・ラムノーザス(L.rhamnosus)、ラクトバチルス・ケフィア(L.kefir)、ラクトバチルス・パラカゼイ(L.paracasei)、ラクトバチルス・クリスパタス(L.crispatus)などのラクトバチルス属細菌;ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptcoccus thermophilus)などのストレプトコッカス属細菌;ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)などのラクトコッカス属細菌;ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B.longum)、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティス(B.adolescentis)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(B.infantis)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B.breve)、ビフィドバクテリウム・カテヌラータム(B.catenulatum)などのビフィドバクテリウム属細菌;バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)などのバチルス属細菌;サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyses cerevisiae)などのサッカロマイセス属酵母;トルラスポラ・デルブルエッキー(Torulaspora delbrueckii)などのトルラスポラ属酵母;キャンジダ・ケフィアなどのキャンジダ属酵母などが挙げられる。なかでも、ラクトバチルス属、ストレプトコッカス属、ラクトコッカス属に属する乳酸菌、ビフィドバクテリウム属細菌、およびサッカロマイセス属酵母がサポニン分解物の生成量、生成比、醗酵人参の風味などの点から好ましい。

より具体的な例としては、ラクトバチルス カゼイ ハセガワ菌株(FERM BP−10123)、ラクトバチルス・ガセリDSM20243株、ラクトバチルス・プランタラムATCC14947株およびATCC10241株、ラクトバチルス・ブヒネリATCC4005株、ラクトバチルス・カゼイATCC393株、ラクトバチルス・マリATCC27304株、ラクトバチルス・ガリナラムJCM2011株、ラクトバチルス・アミロボラスJCM1126株、ラクトバチルス・ブレビスATCC14869株、ラクトバチルス・ラムノーザスATCC7469株およびATCC53103株、ラクトバチルス・ケフィアNRIC1693株、ラクトバチルス・パラカゼイNCDO−151株、ラクトコッカス・ラクチスATCC15577株、ビフィドバクテリウム・ビフィダムJCM7002株、ビフィドバクテリウム・アドレスセンティスATCC15703株、サッカロマイセス・セレビシエIFO−0309株およびIFO−2018株が挙げられる。上記微生物は単独で使用してもよく、あるいは醗酵効率を高める目的で組合わせて使用してもよい。

上記微生物のなかでも、ラクトバチルス カゼイ ハセガワ菌株(FERM BP−10123)が特に好ましい。該菌株によれば、食後高血糖抑制作用の発揮に関与する成分(M1を含む種々の成分)をバランスよく生成するので、食後高血糖抑制作用の高い醗酵人参エキスを生成し得る。さらに、漬物などの一般食品から分離された微生物であることから、安全性が高いという利点を有する。

醗酵は、上記の適切な仕込み液の存在下、培養槽内を、好ましくは25℃〜37℃、より好ましくは28℃〜33℃の温度範囲に設定して行われる。醗酵時間は、仕込み液の組成、植菌量、醗酵温度などに応じて適切に設定され得る。醗酵時間は、好ましくは2日〜21日、より好ましくは7日〜14日である。代表的には、加熱滅菌により、醗酵を終了させる。この場合、加熱によりM1などの人参サポニン代謝物が分解するのを防ぐために、醗酵後の仕込み液のpHを5以上にすることが好ましい。この醗酵によって、上記人参中に含まれるジンセノサイドのうち、Rb1、Rb2、Rc、Rdなどのプロトパナキサジオール系ジンセノサイドが上記微生物による作用を受けて、M1が効率的に生成され得る。なお、醗酵方法の具体的な手順などは、例えば、特許3678362号公報に記載されており、当業者に公知である。該醗酵の結果、本発明に用いられる醗酵人参エキスが得られる。

醗酵人参エキスの第2の製造方法について以下に説明する。該製造方法においては、所定の大きさ(好ましくは平均長径が0.2mm以下)に細かく裁断、粉砕またはペースト状になるまですり潰された乾燥、または、生の人参の所定部位が、抽出溶媒中に浸漬され、抽出が行われる。これにより、ジンセノサイドを含む溶解画分が得られる。得られた溶解画分と醗酵助剤とが混合され、次いで、該混合物に微生物が仕込まれることにより、醗酵が行われる。

上記抽出溶媒としては、極性溶媒が好ましく、水、炭素数1〜4のアルコール、またはそれらの混合物(含水アルコール)がより好ましい。炭素数1〜4のアルコールの具体的な例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、およびそれらの組合わせが挙げられる。なかでも、エタノールが好ましい。生体に対する安全性が高いからである。

上記抽出溶媒の使用量は、使用する人参の部位、使用量または抽出温度などの各種条件に応じて、適切に設定され得る。人参100重量部(乾燥重量)に対して、通常、300〜3000重量部、好ましくは800〜1500重量部の抽出溶媒が用いられ得る。

上記人参の浸漬時間および温度もまた、各種条件に応じて、適切に設定され得る。温度は、好ましくは20℃〜150℃、より好ましくは50℃〜121℃である。該好適温度での浸漬時間としては、好ましくは0.1〜72時間、より好ましくは0.3〜1時間である。

上記抽出により、ジンセノサイドは抽出溶媒中に可溶化し、溶解画分に分配される。すなわち、該溶解画分は、ジンセノサイド可溶化抽出物である。該溶解画分は、濾過などの手段を用いることにより、食物繊維などの人参由来不溶成分と分離された状態で得ることができる。また、必要に応じて、減圧留去などの当業者に周知の手段を用いて、該溶解画分から炭素数1〜4のアルコールを除去してもよい。これらのアルコールは、微生物醗酵を抑制および/または阻害する可能性があるからである。さらに、カラムクロマトグラフィーなどにより該溶解画分の精製を行って、ジンセノサイドを高濃度に含む水性画分としてもよい。また、該溶解画分を乾燥させて粉末化してもよい。

上記のようにして得られたジンセノサイド可溶化抽出物(溶解画分)そのもの、または、該抽出物を水により溶解および/または適当量に希釈した希釈物と、微生物の醗酵助剤とを混合する。得られた混合物を、高圧蒸気滅菌、ろ過滅菌などの任意の適当な方法で混在する雑菌を除菌することにより、上記醗酵に供される前の、いわゆる非醗酵の人参エキスを得ることができる。微生物の醗酵助剤としては、上記第1の製造方法で記載したものが挙げられる。

上記のようにして得られた非醗酵の人参エキスに微生物を接種し、醗酵させることにより、本発明に用いられる醗酵人参エキスが得られる。微生物、醗酵条件および醗酵方法としては、上記第1の製造方法で記載したものが挙げられる。

上記第1および第2の製造方法によって得られる醗酵人参エキスは、そのまま用いられてもよく、ろ過など適切な方法で不溶性成分が除去されてもよく、さらには、必要に応じて濃縮、精製などの操作が行われてもよい。また、上記醗酵人参エキスは、スプレードライや凍結乾燥などの当業者に周知の手段により水分が除去され、固形物または粉末として用いられてもよい。

上記醗酵人参エキスは、他の成分と比べてM1を豊富に含有することが好ましい。該醗酵人参エキスにおいては、上記微生物の作用によって、Rg1、Reなどのプロトパナキサトリオール系ジンセノサイドに由来するM4の生成量よりも、Rb1、Rb2、Rc、Rdなどのプロトパナキサジオール系ジンセノサイドに由来するM1の生成量が多くなっていることが好ましい。より具体的には、得られた醗酵人参エキス中におけるM1およびM4の含有量比[M1/M4:重量比]は、好ましくは1以上である。例えば、得られた醗酵人参エキス中におけるM1の含有量は、重量を基準としてM4の含有量よりも多く、好ましくはM4の含有量の3倍よりも多く、より好ましくはM4の含有量の5倍よりも多い。このような相対含有量でM1およびM4を含有することにより、食後高血糖抑制作用が好適に発揮され得る。醗酵人参エキス中のM1およびM4の含有量およびその比は、当業者に公知の手段(例えば、液体クロマトグラフィー)を用いて容易に把握され得る。

抗糖尿病剤中における醗酵人参エキスの含有量としては、醗酵人参エキスの性状(醗酵液、濃縮物、乾燥物など)、用途などに応じて適切に設定され得る。該含有量は、抗糖尿病剤中、好ましくは0.1〜100重量%、より好ましくは0.5〜100重量%、さらに好ましくは2〜100重量%である。また、抗糖尿病剤中におけるM1の含有量は、好ましくは0.5重量%以上である。

上記抗糖尿病剤は、上記醗酵人参エキスが有する食後高血糖抑制作用を妨げない範囲において、任意の適切な添加物を含有し得る。該添加物としては、例えば、水;アルコール;食肉加工品;米、小麦、トウモロコシ、ジャガイモ、スイートポテト、大豆、コンブ、ワカメ、テングサなどの一般食品材料およびそれらの粉末;デンプン、水飴、乳糖、グルコース、果糖、スクロース、マンニトール、ラクトース、デキストリン、コーンスターチ、ソルビトール、結晶性セルロースなどの糖類;香辛料、甘味料、食用油、ビタミン類などの一般的な食品添加物;注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油などの希釈剤;界面活性剤;賦形剤;着色料;保存料;コーティング助剤;ポリビニルピロリドン;油分;保湿剤;増粘剤;防腐剤;香料;殺菌剤;安定剤ならびにこれらの組合せが挙げられる。上記抗糖尿病剤は、必要に応じて、他の薬剤(漢方薬を包含する)をさらに含有していてもよい。このような添加物および/または他の薬剤の含有量は、上記醗酵人参エキスが有する食後高血糖抑制作用を妨げない範囲であればよい。

上記抗糖尿病剤は、例えば、医薬組成物、食品組成物または飼料組成物として用いられ得る。例えば、医薬品、医薬部外品などの医薬組成物として、そのまま、または他の医薬組成物と組み合わせて用いられてもよく;一般の食品、健康食品(機能性食品)などの食品組成物として、そのまま、または他の食品と組み合わせて用いられてもよく;家畜または養殖魚などの生産分野に利用される飼料組成物として、そのままあるいは他の飼料用材料と組み合わせて用いられてもよい。

上記抗糖尿病剤が医薬組成物として使用される場合、経口組成物または非経口組成物のいずれの形態で使用されてもよい。また、その投与剤形としては、日本薬局方に記載の方法にしたがって、任意の適切な剤形に加工され得る。投与剤形のより具体的な例としては、経口投与を目的とする医薬組成物の場合、カプセル剤、錠剤、粉剤、顆粒剤、細粒剤、徐放剤などの剤形が挙げられる。非経口投与を目的とする医薬組成物の場合、静脈注射、皮下注射または筋肉注射を目的とした注射剤、輸液剤、軟膏などの塗布剤、直腸内投与のための坐剤などの剤形が挙げられる。該医薬組成物は、当業者に公知の方法によって目的の形態に加工され得る。

上記抗糖尿病剤が、食品組成物として使用される場合、その形態は、固形食品に限定されず、飲料(例えば、液体飲料)のようなものも包含される。具体的には、食品組成物は、液状、ペースト状、固形状などの形態であり得る。食品組成物の具体例としては、茶飲料、コーヒー飲料、清涼飲料、乳飲料、菓子類、シロップ類、果実加工品、野菜加工品、漬物類、畜肉製品、魚肉製品、珍味類、缶・ビン詰類、即席飲食物、内服液、肝油ドロップ、口中清涼剤、ゼリーなどが挙げられる。食品組成物である抗糖尿病剤中における醗酵人参エキスの含有量は、好ましくは0.1〜100重量%、より好ましくは0.5〜99.5重量%、さらに好ましくは2〜99重量%である。該食品組成物は、当業者に公知の手法によって製造され得る。

上記抗糖尿病剤が、飼料組成物として使用される場合、その形態は、家畜の種類などに応じて、適切に設定され、加工され得る。

上記抗糖尿病剤の用量は、摂取者の状況(血糖値上昇の程度、性別、年齢など)に応じて、適切に設定され得る。経口摂取する場合の用量としては、成人1日当たり、醗酵人参エキスの摂取量(乾燥重量)換算で、好ましくは1mg〜200mg/kg体重、より好ましくは3mg〜100mg/kg体重、さらに好ましくは6mg〜50mg/kg体重である。また、非経口摂取する場合の用量としては、成人1日当たり、醗酵人参エキスの摂取量換算で、好ましくは0.01mg〜20mg/kg体重、より好ましくは0.3mg〜10mg/kg体重、さらに好ましくは0.6mg〜5mg/kg体重である。上記抗糖尿病剤は、1回で摂取されてもよく、複数回に分けて摂取されてもよい。

2.飲食物
本発明の飲食物は、上記抗糖尿病剤を含有し、食後高血糖抑制作用を有する。具体的には、上記醗酵人参エキスの含有量が、好ましくは0.1〜100重量%、より好ましくは0.5〜99.5重量%、さらに好ましくは2〜99重量%となるように抗糖尿病剤を含有する。本発明の飲食物が含有し得る他の成分としては、食品添加物として許容され得るものであればよい。例えば、上記添加物が挙げられる。

上記飲食物は、食後高血糖抑制作用を有することから、糖尿病の予防または治療のために用いられる旨の表示がなされ得る。このような機能の表示を付した飲食物の例としては、特定保健用食品、特別用途食品が挙げられる。上記飲食物に対する機能の別の表示としては、例えば、糖尿病の予防または改善のために用いられる旨の表示、食後高血糖の改善ために用いられる旨の表示などが挙げられる。該表示は、使用者にとって上記のような機能が実質的に理解され得る様式で表されておればよい。例えば、当該飲食物の外装または内装パッケージ、商品カタログ、ポスターなどに対して表示が行われ得る。

本発明の抗糖尿病剤および飲食物によれば、醗酵人参エキスに含有されるM1およびその他の種々の成分が相俟って複合的に作用することにより、食後高血糖が抑制されるので、糖尿病に対する優れた予防作用または治療作用が発揮され得る。

以下、本発明を実施例によって具体的に記述する。しかし、これらによって本発明は制限されるものではない。

<調製例1:醗酵アメリカニンジンエキスの製造>
ラクトバチルス・カゼイ・ハセガワ菌株(FERM BP−10123)を前培養培地(組成:グルコース30g/L、酵母エキス10g/L、大豆ペプチド5g/L、KHPO 2g/L、MgSO・7HO 0.5g/L)20mLに1白金耳植菌し、28℃にて48時間静置培養した。

上記培養後の培養液2mLを、新たな前培養培地120mLに植菌し、28℃にて48時間静置培養した。

上記培養後の培養液20mlを、高圧蒸気滅菌(121℃、20分間)した仕込み液(アメリカニンジン(側根)粉末130g/L、酵母エキス10g/L、大豆ペプチド5g/L、炭酸カルシウム10g/L)1Lに植菌し、28℃で10日間醗酵した。得られた培養液を、水酸化ナトリウムでpH5.0に調整し、次いで、噴霧乾燥することにより、醗酵アメリカニンジンエキス143gを得た。

得られた醗酵アメリカニンジンエキス中におけるM1およびM4の含有量を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定した。当該醗酵アメリカニンジンエキス中におけるM1の含有量は2.0重量%であり、M4の含有量は0.1重量%であった。

<比較調製例1:非醗酵アメリカニンジンエキスの製法>
調製例1において、ラクトバチルス・カゼイ・ハセガワ菌株(FREM BP−10123)を植菌しなかったこと以外は、調製例1と同様の操作を行うことにより、当該菌株による醗酵がなされなかった非醗酵アメリカニンジンエキス149gを得た。

<比較調製例2:M1の調製>
調製例1で得た醗酵アメリカニンジンエキス25gに50%エタノールを500ml加えて懸濁した後、遠心分離を行って、上清分画を回収した。得られた上清分画を、水で平衡化した分離精製用樹脂カラム(樹脂:三菱化学社製、(登録商標)ダイヤイオンHP20、カラム:φ200mm、高さ75cm)に導入し、カラム容積の3倍量の50%エタノールを流した。次に、カラム容積の3倍量の100%エタノールを流して吸着物を溶出させた。得られた溶出液中の溶媒を減圧留去し、凍結乾燥してM1を含むサポニン粗分画10gを得た。このサポニン粗分画5gをさらに逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メルク社製、シリカゲルRP−8,250g、溶出溶媒:80%メタノール)にて分離精製し、0.5gのM1を得た。得られたM1の純度は、95%以上であった。

<実施例1:マウスを用いた食後高血糖抑制効果の検証>
動物の選択および群分け方法:
5週齢の雄性ICRマウスを検疫馴化(7日間)後、体重を測定し、一般状態において異常が認められなかった動物を健康とみなして選択した。選択した動物の体重を指標とし、層別連続無作為化法により下記の群構成表(表1)のとおりに群分けを行った。ここで、B群は、その食後高血糖抑制作用がすでに報告されているM1を、報告に従ってマウスに単回投与(25mg/kg)して糖負荷試験を行う群である。C群は、D群に投与する醗酵アメリカニンジンエキスに含まれるM1と相等量のM1(0.5mg M1/25mg 醗酵アメリカニンジンエキス)をマウスに反復投与して糖負荷試験を行う群である。

被験物質投与方法と期間:
下記群構成表(表1)に従い投与した。具体的には、以下のとおりである。すなわち、被験物質を、注射筒(テルモ社製)および経口ゾンデを用いて5mL/kg体重の割合で1日2回、14日間強制経口投与した。各被験物質と媒体(0.3%カルボキシメチルセルロース水溶液)との混合物はスターラーで攪拌しながら注射筒に採取した。対照群には蒸留水を被験物質と同様の方法および投与液量で投与した。B群に関しては、下記の経口ブドウ糖負荷試験前の投与のみとした。投与期間中の体重測定は1回/週で行った。投与液量は、投与時における最新体重を基準に小数点第一位まで算出した。なお、試験期間全体を通じて、マウスの健康状態および体重には異常や群間の差が見られなかった。

2g/kg経口ブドウ糖負荷試験(OGTT):
投与14日目終了後に一昼夜絶食を行った。体重測定および被験物質の投与を行い、その1時間後に2g/kgの経口ブドウ糖負荷試験を実施した。糖負荷前、負荷後30、60および120分の時点で血糖値の測定を行った。血糖値の測定結果を図1および図2に示す。

統計処理:
得られた数値(血糖値)から、各群の平均値および標準誤差を算出し、以下の方法で統計処理を行った。A群とB群間およびA群とC群間のそれぞれ2群間においては、t−検定を行って有意差を算出した。A群に対してD群およびE群は、Bartlett法により等分散性の検定を行った。等分散の場合は、さらに一元配置分散分析を行い、有意な場合はDunnett法により平均値の比較を行った。不等分散の場合は、Kruskal−WallisのH検定を行い、有意な場合はDunnett法により平均順位の比較を行った。Bartlett法、一元配置分散分析およびKruskal−WallisのH検定については有意水準を危険率5%、t−検定およびDunnett法については有意水準を危険率5%および1%とした。

図1に示すとおり、M1を単回投与したB群は、対照のA群に対して糖負荷後30分および60分における血糖値が有意に低かった。M1を反復投与したC群は、有意差はみられなかったものの、対照のA群に対して糖負荷後30分および60分の血糖値が低い傾向を示した。これらの結果は、すでに報告されているM1自身の食後の血糖上昇を抑制する作用を示すものと考えられる。また、図2に示すとおり、非醗酵アメリカニンジンエキスを反復投与したE群は、有意差はみられなかったものの、対照のA群に対して糖負荷後30分および60分の血糖値が低い傾向を示した。この結果は、非特許文献4および5で報告されているアメリカニンジン自身の、すなわち、醗酵処理されていないアメリカニンジンの食後高血糖抑制作用を示すものと考えられる。

一方、図2に示すとおり、醗酵アメリカニンジンエキスを反復投与したD群は、対照のA群に対して糖負荷後30分における血糖値が有意に低く、負荷後60分における血糖値も低い傾向を示した。すなわち、D群における食後高血糖抑制効果は、C群よりも優れていた。ここで、D群およびC群におけるM1の投与量は同じである。したがって、醗酵アメリカニンジンエキスは、M1以外にも食後高血糖抑制作用を有する成分を含有するか、またはM1の食後高血糖抑制作用を増強する成分を含有すると考えられる。また、図2に示すとおり、D群における食後高血糖抑制効果はE群よりも優れていた。このことから、醗酵によって食後高血糖抑制作用を有する成分(M1を含む)および/またはM1の食後高血糖抑制作用を増強する成分などが生成され、これらの成分が複合的に作用すると考えられる。

上記のとおり、本発明の抗糖尿病剤は、M1および非醗酵のアメリカニンジンエキスよりも優れた食後高血糖抑制作用を有する。また、これまでに抗糖尿病効果を発揮し得ると報告されている非醗酵のニンジンエキスは、その効果発現の程度に各個体の腸内細菌叢が影響を及ぼすと考えられるが、本発明の抗糖尿病剤は、すでに醗酵処理がなされ、食後高血糖抑制作用を発揮する成分をバランスよく含むので、そのような影響を考慮する必要がない。本発明の抗糖尿病剤によれば、腸内細菌叢に影響されることなく上記成分の作用が安定して発揮されるので、摂取者の糖処理能力が向上し、その結果、食後高血糖、さらには高血糖状態に関連して発症し得るインスリン抵抗性が改善および/または予防され得る。

本発明の抗糖尿病剤は、食品または飲料として用いられ得る人参由来の成分を有効成分とするため、安全性が高い。したがって、日常的な使用が可能であり、食品、医薬品などに適用され得る。

糖負荷試験の結果を示すグラフである。各データは、8個体のマウスの平均±標準誤差を示す。 糖負荷試験の結果を示すグラフである。各データは、8個体のマウスの平均±標準誤差を示す。

Claims (9)

  1. 醗酵人参エキスを有効成分として含有する、抗糖尿病剤。
  2. 前記人参が、ウコギ科薬用人参である、請求項1に記載の抗糖尿病剤。
  3. 前記人参が、オタネニンジン(高麗人参;Korean ginseng:Panax C.A.Meyer)、三七ニンジン(Panax notoginseng Burk.)、アメリカニンジン(Panax quinquefolium L.)、竹節ニンジン(Panax japonicus C.A.Meyer)、ヒマラヤニンジン(Panax Pseudo−ginseng Qall.Subsp.Himalaicus Hara)、およびベトナムニンジン(Panax Vuetnamensis Ha etGrushy)からなる群より選択される少なくとも1種のウコギ科薬用人参である、請求項1に記載の抗糖尿病剤。
  4. 前記人参が、アメリカニンジンである、請求項1に記載の抗糖尿病剤。
  5. 前記醗酵人参が、β−グルコシダーゼ、α−アラビノシダーゼおよびα−ラムノシダーゼからなる群より選択される少なくとも1種の酵素を生産する微生物を用いて醗酵された人参である、請求項1〜4のいずれかに記載の抗糖尿病剤。
  6. 前記微生物が、ラクトバチルス カゼイ ハセガワ菌株(FERM BP−10123)である、請求項5に記載の抗糖尿病剤。
  7. 前記醗酵人参エキスが、20(S)−プロトパナキサジオール 20−O−β−d−グルコピラノサイド(M1)と20(S)−プロトパナキサトリオール(M4)とを1以上の含有量比[M1/M4:重量比]で含む、請求項1〜6のいずれかに記載の抗糖尿病剤。
  8. 医薬組成物、食品組成物または飼料組成物である、請求項1〜7のいずれかに記載の抗糖尿病剤。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の抗糖尿病剤を含有し、食後の血糖値の上昇を抑制する作用を有することを特徴とする、糖尿病の予防または治療のために用いられる旨の表示を付した飲食物。
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