JP4871495B2 - 制電性組成物、その製造方法、及びそれを用いた成形品 - Google Patents
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Description
本発明で用いるイオン性塩は、1個以上のアリル基を有する窒素オニウムカチオンと、弱配位性アニオンとからなるイオン性塩である。
本発明に用いるイオン性塩は、公知の方法(例えば、渡邊正義他「イオン性液体の機能創生と応用」エヌ・ティー・エス(2004))を用いて製造できる。例えば、第3級アミンをハロゲン化アルキルまたはジアルキルスルホン酸で、4級化した後、目的のアニオンを有する塩を用いてアニオン交換反応を行うことによって、合成できる。第3級アミンの沸点が低い場合は、オートクレーブ反応によって、合成できる。
本発明の組成物に用いられる重合体およびエラストマーは、特に制限がなく、公知の重合体およびエラストマーを使用することができる。
また、これらの重合体およびエラストマーは、1種類に限られず、複数の重合体およびエラストマーを組み合わせて使用してもよい。
本発明の制電性重合体組成物は、重合体および/またはエラストマー(B)100質量部に対して、前記イオン性塩(A)を、0.01質量部以上30質量部以下、好ましくは0.05質量部以上25質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以上15質量部以下含む。
本発明の制電性組成物は、上記(A)成分と、(B)成分の2成分であっても、十分に効果を奏する。しかし、さらに、重合体型帯電防止剤を含めることで、優れた制電性を発揮する。使用できる重合体型帯電防止剤としては、例えばポリエーテルブロックポリオレフィン共重合体又はポリオキシアルキレン系共重合体(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジル共重合体を含む)が挙げられる。
本発明の制電性重合体組成物は、上記(B)成分として活性エネルギー線硬化性官能基を有する重合性化合物を用いることで、優れた制電性を維持できる。使用できる活性エネルギー線硬化性官能基を有する重合性化合物としては、例えばアクリレート基、メタクリレート基、ビニル基などを有する重合性化合物が挙げられる。
本発明の制電性重合性組成物には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドのアルカリ金属塩、およびトリフルオロメタンスルホン酸のアルカリ金属塩を、さらに他の帯電防止剤として添加しても良い。このような他の帯電防止剤を添加することで、制電性に相乗効果をもたらすことができる。他の帯電防止剤は、前記イオン性塩に対して、0.01〜200モル%の割合で含有させればよい。アルカリ金属塩としては、例えばリチウム塩が挙げられる。
本発明の制電性重合体組成物には、さらに酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤、顔料、抗菌・抗カビ剤、耐光剤、可塑剤、粘着付与剤、分散剤、消泡剤、硬化触媒、硬化剤、レベリング剤、カップリング剤、フィラー、加硫剤、加硫促進剤、有機化酸化物、架橋助剤、光重合開始剤などの公知の添加剤を必要に応じて添加することができる。
本発明の組成物は、例えば以下のようにして、製造される。
(2)イオン性塩(A)を、重合体型帯電防止剤に添加して混合し、この混合物を、少なくとも1種類の重合体および/またはエラストマー(B)を配合する。
(3)複数の重合体および/またはエラストマーを用いる場合に、まず、複数の重合体および/またはエラストマーを混合して調整する。この後に、イオン性塩(A)と、重合体型帯電防止剤とを添加して混合する。あるいは、あるいは重合体および/またはエラストマーのプレポリマーなどを用いる場合に、最初に、原料を混合して調整することもできる。
なお、以下の実施例において、「部」および「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を意味する。
Δlog10ρV=log10ρV(10℃、相対湿度15%)−log10ρV(32.5℃、相対湿度90%)・・・・(1)
ここで、ρVは、体積抵抗率を表す。
幅6cm×長さ6cm×厚さ0.3cmのフィルムゲート式の試験片を作製し、温度40℃、相対湿度90%の雰囲気下で7日間放置し、7日間経過後の試験片の状態を下記の評価基準により、目視評価した。
◎:ブリードが全く認められない場合
○:ブリードがごくわずかに認められるが、使用上問題のないレベルの場合
△:ブリードがやや認められ、使用上やや問題がある場合
×:ブリードがかなり認められ、使用できない場合
(イオン性塩の合成)
トリアリルエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(A−1)の合成;
トリアリルアミン 1モル(137.2g)を、90℃に加熱し、攪拌しながら、ジエチル硫酸を1.2モル(184.8g)滴下した。滴下後、この液を130℃に昇温して、60分間攪拌し、トリアリルアミン−ジメチル硫酸4級化物(291g)を得た。次に、得られたトリアリルアミン−ジメチル硫酸4級化物(100g)を、イオン交換水600mlに希釈し、この溶液に、カリウムビス(パーフルオロメタンスルホニル)イミド110gをイオン交換水200mlに希釈したものを、55℃の加熱下で滴下し、39分間攪拌した。この反応液を20時間静置した後、上層の水層を分離除去した。下層の油層部分をイオン交換水で3回洗浄した後、減圧下、90℃で脱水し、トリアリルエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(A−1)205g(融点48℃の単黄色固体)を得た。
1,3−エチルアリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(A−2)の合成;
A−1の合成反応において、トリアリルアミンの代わりに1,3−エチルアリルアミンを使用した以外は、同様に合成反応を行い、1,3−エチルアリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(A−2)200gを得た。
トリアリルオクチルアンモニウム2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメタンスルホニル)アセトアミド(A−3)の合成;
A−1の合成反応において、トリアリルアミンの代わりにトリアリルオクチルアミンを使用し、カリウムビス(パーフルオロメタンスルホニル)イミドの代わりに、カリウム2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミドを使用した以外は、同様に合成反応を行い、トリアリルオクチルアンモニウム2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミド(A−3)100gを得た。
表1に示す重合体および/またはエラストマー100部に対して、上記A−1〜A−3のイオン性塩を所定量配合した。次に、重合体および/またはエラストマーの加工温度に設定したニーダを用いて、混練した後、射出成形して、幅6cm×長さ6cm×厚さ0.3cmの実施例1〜5の試験片を作成した。
上記実施例1〜5において、上記イオン性塩を添加しなかった以外は、実施例1〜5と同様にして、比較例1〜5の試験片を作成した。
ポリ(エチレンブチレンアジペート)ポリオール(平均分子量2000、官能基数2)と、プレポリマー[ポリ(エチレンブチレンアジペート)ポリオール(平均分子量2000、官能基数2)−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート反応物、−NCO基16%]と、硬化剤(1,4−ブタンジオール:トリメチロールプロパン=7:3)とを、ポリオール中の水酸基のモル数と、プレポリマー中のイソシアネート基のモル数と、硬化剤中の水酸基のモル数との比が、1:2.7:1.6となるように秤取した溶液に、イオン性塩(A−1)を1.0%となるように添加して攪拌混合した。次に、この溶液を、130℃の遠心成形機で、約1時間硬化させた。その後、遠心成形機から成形物を取り出し、室温にて、12時間熱熟成させ、厚さ2mmのシート状の試料を得た。この試料の体積抵抗率は、2.9×106Ω・cmであった。この試料を用いて、感度が、露光波長780nmで、帯電極性がマイナスである直径30mmのOPCドラムに対する汚染性を評価した。短冊状の試験片をOPCに接触させ、40℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽室中で2週間放置した。その後、OPCの試験片接触部分を目視で観察した結果、全く曇りを生じていなかった。
実施例6において、イオン性塩(A−1)の代わりに、エチルメチルイミダゾリウム・P6Fを添加した以外は、実施例6と同様にして比較例6のシート状の試料を得た。このシート状の試料の体積抵抗率は、1.3×1010Ω・cmであった。実施例6と同様に、OPCの汚染性を観察した結果、曇りを生じていた。
プロピレングリコール系ポリエーテルポリオール(水酸基価(OHV):56)(三井武田ケミカル(株)製、アクトコールMN−3050BM)90部と、イオン性塩(A−2)を10%溶解したプロピレングリコール系ポリエーテルポリオール(水酸基価(OHV):56)10部との混合物に、水4.5部、ペンタメチレントリアミン0.1部、シリコーン系界面活性剤(UCC(株)製、シリコーンオイル L−520)2.0部を添加して、混合し、調整液を得た。この調整液に、トリレンジイソシアネート56部を混合し、攪拌して反応させ、フォームの泡数48個/立法インチの良好な軟質ウレタンフォームを得た。表面抵抗率は、9×107Ω/sqであった。
実施例7において、イオン性塩(A−2)を使用しなかった以外は、実施例7と同様にして比較例7の軟質ウレタンフォームを得た。この軟質ウレタンフォームの表面抵抗率は、1014Ω/sq以上であった。
水素添加スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ(株)製、セプトン2104)20部、ポリプロピレン(日本ポリケム(株)製、ノバテックPP BC6)15部、オイル35部を含む混合液中に、ゴム分が65部である油展EPDMを含む組成物を動的架橋により分散させた。その後、この混合液に、重合体型帯電防止剤(三洋化成工業(株)製、ペレスタット300)に予めイオン性塩(A−1)を5%およびリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドをイオン性塩(A−1)量に対して、100モル%混練したものを5部混入し、再度混練機で5分間混練した。これをさらに、樹脂押出機にて加熱しながら、ローラ状に成形した。得られた試料の体積抵抗率は、8×106Ω・cmであった。上記(1)式を用いて、環境依存性を算出したところ、環境依存性は、0.6であった。この成形品の表面には、ブリード物の存在は認められなかった。ローラ状の成形物に、1KVの定電圧を連続して100時間印加した後の体積抵抗率は、8×106Ω・cmであった。
実施例8において、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを添加せず、また、イオン性塩(A−1)の代わりに、アリル基を含まないトリイソプロピルエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを5%混練した以外は、実施例8と同様にして比較例8のローラ状の成形体を得た。得られた試料の体積抵抗率は、5×109Ω・cmであった。環境依存性は、2.0であった。ローラ状の成形物に、1KVの定電圧を連続して100時間印加した後の体積抵抗率は、10×1010Ω・cmであった。
イオン性塩(A−2)を10部溶解したペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄化学(株)製、ライトアクリレート PE−3A)4部と、ペンタエリスリトールトリアクリレート96部とを混合した。この混合液に、光重合開始剤ベンジルジメチールケタール4部を添加して、液状組成物を得た。この組成物を、凹部を有する平板状の型に注いだ後に、積算光量500mj/cm2相当の紫外線を照射し、注型成形法により、表面が均一で、厚さ2mmの硬化樹脂組成物成形体を得た。この成形体の体積抵抗率は、2×109Ω・cmであった。この成形体を湿度90%、温度70℃の雰囲気に9時間放置した後の、体積抵抗率は、7×109Ω・cmであった。
実施例9において、イオン性塩(A−2)の代わりに、ジメチルオレイルエチルアンモニウムイソプロピルアリルスルホネートを10部混練した以外は、実施例9と同様にして比較例9の硬化樹脂組成物成形体を得た。この成形体の体積抵抗率は、2×1010Ω・cmであった。この成形体を湿度90%、温度70℃の雰囲気に9時間放置した後の、体積抵抗率は、5×1014Ω・cmであった。
イオン性塩(A−1)を2部添加したポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学(社)製、NKエステル A−200)55部と、ウレタンアクリレート[ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)製、M−305)250部と、イソホロンジイソシアネート(和光純薬(株)製)50部から合成]45部とを混合し、光開始剤(チバ・スペシャルィー・ケミカルズ(株)製、Irg184)3部を添加して紫外線硬化性帯電防止性組成物を得た。この組成物を、バーコータを用いて、厚さ100μmのPET(東洋紡績(株)製、A4300)の表面に塗布して、水銀ランプを用いて積算光量300mj/cm2の紫外線で硬化させ、塗膜が形成された帯電防止性塗装品を得た。この塗装品の表面抵抗率は、1×108sqであった。このフィルムを湿度90%、温度70℃の雰囲気に9時間放置した後の、表面抵抗率は、5×108Ω・cmであった。
実施例10において、イオン性塩(A−1)を使用しなかった以外は、実施例10と同様にして比較例10の塗膜が形成された塗装品を得た。この塗装品の表面抵抗率は、2×1014Ω/sq以上であった。
イオン性塩(A−2)を15部溶解したN,N−ジメチルアセトアミド溶液3.4部と、ポリウレタン紡糸原液96.6部を混合し、この混合液を4個の細孔を有する紡糸口金より180℃の気流中に吐出して乾式紡糸した。紡糸中に走行系にジメチルシリコーン(10cst)をオイルローラを用いて、繊維に対して6%になるように付与した後、毎分500mの速度でボビンに巻き取り、44dtexマルチフィラメントチーズ(巻き量400gr)を得た。得られたチーズを、35℃、50%RHの雰囲気中に48時間放置して評価に供した。
静電気発生量(KV)100m/分およびローラ静電気発生量(KV)は、それぞれ0.7および1.5であった。
静電気発生量(KV)100m/分およびローラ静電気発生量(KV)は、それぞれ1.0および2.0であった。
実施例11において、イオン性塩(A−2)の代わりに、トリオクチルメタンアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを3.4部添加した以外は、実施例11と全く同様にして、比較例11の繊維を得た。静電気発生量(KV)100m/分およびローラ静電気発生量(KV)は、それぞれ4.4および7.7であった。
経時劣化促進試験後の静電気発生量(KV)100m/分およびローラ静電気発生量(KV)は、それぞれ7.3および10.9であった。
Claims (13)
- 1個以上のアリル基を有する窒素オニウムカチオンと、パーフルオロアルカンスルホニル基を有する弱配位性アニオンとからなるイオン性塩(A)と、
重合体、エラストマー、又はアクリレート基、メタクリレート基あるいはビニル基を有する重合性化合物(B)とを含み、
前記重合体は、ポリオレフィン系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリアミド系重合体、塩化ビニル系重合体、ポリアセタール系重合体、ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリカーボネート系重合体、アクリレート系重合体、メタクリレート系重合体、ポリアクリロニトリル系重合体、エポキシ系重合体、フェノール系重合体、ジアリールフタレート系重合体、メラミン系重合体、フッ素系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリフェニレンエーテル系重合体、ポリイミド系重合体及びシリコーン系重合体からなる群より選択され、
前記エラストマーは、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選択され、
前記イオン性塩(A)は、前記重合体、前記エラストマー又は前記重合性化合物(B)100質量部に対して、0.01質量部以上30質量部以下の割合で含まれている制電性組成物。 - 前記イオン性塩(A)は、トリアリルエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,3−エチルアリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド又はトリアリルオクチルアンモニウム2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミドを含む、請求項1に記載の制電性組成物。
- 前記アリル基を有する窒素オニウムカチオンが、第4級アミンである、請求項1に記載の制電性組成物。
- 前記イオン性塩(A)は、有機溶媒、重合性モノマー、プレポリマーまたはオリゴマーに溶解させて添加されており、
前記重合性モノマーは、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの3モルプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチルプロパンの6モルエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタンエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのカプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれ、
前記オリゴマーは、不飽和ポリエステル、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれ、
前記プレポリマーは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネートからなる群より選ばれるジイソシアネートと、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物である、請求項1に記載の制電性組成物。 - 前記組成物は、さらに、ポリエーテルブロックポリオレフィン共重合体又はポリオキシアルキレン系共重合体からなる重合体型帯電防止剤を含み、
前記重合体型帯電防止剤は、前記重合体、エラストマー又は活性エネルギー線硬化性官能基を有する重合性化合物(B)100質量部に対して、0.05質量部以上65質量部以下の割合で含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制電性組成物。 - ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドのアルカリ金属塩、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチドのアルカリ金属塩、およびトリフルオロメタンスルホン酸のアルカリ金属塩からなる群より選択された少なくとも1種のアルカリ金属塩を、前記イオン性塩(A)に対して、0.01〜200モル%の割合で添加することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の制電性組成物。
- 1個以上のアリル基を有する窒素オニウムカチオンとパーフルオロアルカンスルホニル基を有する弱配位性アニオンとからなるイオン性塩(A)を、ポリエーテルブロックポリオレフィン共重合体又はポリオキシアルキレン系共重合体からなる重合体型帯電防止剤に添加して、混合する工程と、
前記混合物を、重合体又はエラストマー(B)に配合する工程とを備え、
前記重合体は、ポリオレフィン系重合体、ポリスチレン系重合体、ポリアミド系重合体、塩化ビニル系重合体、ポリアセタール系重合体、ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリカーボネート系重合体、アクリレート系重合体、メタクリレート系重合体、ポリアクリロニトリル系重合体、エポキシ系重合体、フェノール系重合体、ジアリールフタレート系重合体、メラミン系重合体、フッ素系重合体、ポリスルホン系重合体、ポリフェニレンエーテル系重合体、ポリイミド系重合体及びシリコーン系重合体からなる群より選択され、
前記エラストマーは、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、塩素化ポリエチレン、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム及び熱可塑性エラストマーからなる群より選択され、
前記イオン性塩(A)を、前記重合体又はエラストマー(B)100質量部に対して、0.01質量部以上30質量部以下の割合で配合し、
前記重合体型帯電防止剤を、前記重合体またはエラストマー(B)100質量部に対して、0.05質量部以上65質量部以下の割合で配合することを特徴とする、制電性組成物の製造方法。 - 1個以上のアリル基を有する窒素オニウムカチオンとパーフルオロアルカンスルホニル基を有する弱配位性アニオンとからなるイオン性塩(A)を、アクリレート基、メタクリレート基あるいはビニル基を有する重合性化合物(B)100質量部に対し、0.01質量部以上30質量部以下の割合で混合し、
この混合液を、型に注入したもの、あるいは成形品の表面に塗布したものに、活性エネルギー線を照射して、前記重合性化合物を硬化させる制電性成形物の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の制電性組成物を成形したことを特徴とする成形品。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の制電性組成物を成形したフィルム。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の制電性組成物を含む塗料。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の制電性組成物を含む繊維。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の制電性組成物を、成形品表面で硬化させた制電性被覆物。
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