JP4869476B2 - カテーテル及びバルーンカテーテル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカテーテルチューブ(またはガイドワイヤー用チューブ)に装着される放射線不透過の金属マーカー(合成樹脂または合成ゴムに放射線線不透過の金属を添加したものを含む)の形態及び同金属マーカーの取付形態の形態の改良に関し、例えば脳カテーテル、マイクロカテーテル等のカテーテルやあるいは経皮的冠状動脈血管形成術(PTCA)等に使用するバルーンカテーテルの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
生体内へのカテーテルの挿入長の確認やカテーテル先端部の位置確認のため、例えば図11に示すようにX線不透過の金属マーカー63がカテーテルチューブ64に装着されて使用されている。これらの金属マーカー63は、白金、タングステン、イリジウム等の金属材料より構成され、長さが0.5から3.0mmで薄肉で管状の形態に形成されているため、柔軟性に乏しく、例えば図12に示すようにガイドワイヤーGWに通しながら屈曲した血管に挿入した場合、ガイドワイヤーGWにつかえて血管の屈曲部を速やかに通過できないという課題が指摘されていた。
また前記金属マーカー63は、カテーテルチューブ64に固定する際に、例えば図13(カテーテルチューブ64の断面図)に示すように瞬間接着剤S等によって、接着したり、あるいは図14(カテーテルチューブ64Aの断面図)に示すようスウェ−ジングマシンにより、カテーテルチューブ64Aをスウェ−ジングして凹部65を形成し、凹部65に金属マーカー63を固定している。
しかしながら、接着剤等による固定では、金属マーカー63とカテーテルチューブ64の間に、段差ができ、カテーテルの血管通過性を損なうことがある。またスウェージングによる固定では、金属マーカー63とカテーテルチューブ64Aの段差はなくなるが、カテーテルチューブ64Aの肉厚が凹部65で薄くなるので、カテーテルチューブ64Aの強度低下やスウェージング加工時のピンホール等の発生が懸念されていた。
そこで本発明者は以上の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果次の発明に到達した。
【0003】
[1]本発明は、カテーテルチューブ(4)と、柔軟な放射線不透過性マーカー(11)またはメッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)と、第1固定チューブ(12.1)及び第2固定チューブ(12.2)とを有し、当該第1固定チューブ(12.1)及び当該第2固定チューブ(12.2)は、それぞれ外周がテーパー状に形成されたものであり、
前記カテーテルチューブ(4)は、管状で、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)は、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、 柔軟性を有する合成樹脂、または柔軟性を有する合成ゴムによりなり、前記合成樹脂、または前記合成ゴムに、40質量パーセント以上の放射線不透過性金属を混合し、全体を円筒状に形成し、
前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)は、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
放射線不透過性金属製の細径線よりなり、当該細径線を編機で円筒状に編み、全体を円筒状に形成し、または
放射線不透過性の円筒状の金属パイプよりなり、当該金属パイプを、レーザー加工により、メッシュ状に切断し、全体を柔軟な構造を有する円筒状に形成し、
前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)は、それぞれ管状で、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
前記第1固定チューブ(12.1)は、第2端部から第1端部、すなわち前記カテーテルチューブ(4)の第1端部に向けて下るテーパー部(12.1T)を有し、
前記第2固定チューブ(12.2)は、第1端部から第2端部、すなわち、前記カテーテルチューブ(4)の第2端部に向けて下るテーパー部(12.2T)を有し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)、前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)は、それぞれの側部方向の内径は、前記カテーテルチューブ(4)の側部方向の外周に装着できる大きさを有し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)、前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)を、前記カテーテルチューブ(4)の外周に装着し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第1端部の近傍に第1固定チューブ(12.1)を装着し、並びに前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第2端部の近傍に第2固定チューブ(12.2)を装着し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第1端部と前記カテーテルチューブ(4)の側部方向の外周面、並びに前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第2端部と前記カテーテルチューブ(4)の側部方向の外周面との間に、段差が生じないように形成した、カテーテル(1a)を提供する。
[2]本発明は、ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)と、柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、またはメッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)と、第1固定チューブ(12.1)及び第2固定チューブ(12.2)とを有し、当該第1固定チューブ(12.1)及び当該第2固定チューブ(12.2)は、それぞれ外周がテーパー状に形成されたものであり、
前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)は、管状で、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)は、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
柔軟性を有する合成樹脂、または柔軟性を有する合成ゴムによりなり、前記合成樹脂、または前記合成ゴムに、40質量パーセント以上の放射線不透過性金属を混合し、全体を円筒状に形成し、
前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)は、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
放射線不透過性金属製の細径線よりなり、当該細径線を編機で円筒状に編み、全体を円筒状に形成し、または
放射線不透過性の円筒状の金属パイプよりなり、当該金属パイプを、レーザー加工により、メッシュ状に切断し、全体を柔軟な構造を有する円筒状に形成し、
前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)は、それぞれ管状で、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
前記第1固定チューブ(12.1)は、第2端部から第1端部、すなわち前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の第1端部に向けて下るテーパー部(12.1T)を有し、
前記第2固定チューブ(12.2)は、第1端部から第2端部、すなわち、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の第2端部に向けて下るテーパー部(12.2T)を有し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)、前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)は、それぞれの側部方向の内径は、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の側部方向の外周に装着できる大きさを有し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)、前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)を、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の外周に装着し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第1端部の近傍に第1固定チューブ(12.1)を装着し、並びに前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第2端部の近傍に第2固定チューブ(12.2)を装着し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第1端部と前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の側部方向の外周面、並びに前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第2端部と前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の側部方向の外周面との間に、段差が生じないように形成した、バルーンカテーテル(1A、1B、1C)を提供する。
[3]本発明は、シャフト(2)とバルーン(5)とを有し、前記シャフト(2)と前記バルーン(5)は、それぞれ長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、
前記長手方向の前方から後方に向けて、前記バルーン(5)、前記シャフト(2)の順に配置し、
前記シャフト(2)と前記バルーン(5)は、それぞれ前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有し、
前記シャフト(2)は、可とう性の前方部(2F)と、剛性の基端部(2B)とを有し、
前記前方部(2F)と前記基端部(2B)は、それぞれ長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、
前記前方部(2F)と前記基端部(2B)とは、それぞれ前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有し、
前記前方部(2F)の近位端に、前記基端部(2B)の遠位端を装着し、
前記前方部(2F)の遠位端に、前記バルーン(5)の近位端を装着し、
前記シャフト(2)の前方部(2F)の内腔に、ガイドワイヤー用チューブ(4A)を配置し、当該ガイドワイヤー用チューブ(4A)は、内腔にガイドワイヤールーメン(6)を有し、
当該ガイドワイヤールーメン(6)は、先端開口部(9F)と、後端開口部(9B)とを有し、
前記先端開口部(9F)は、前記バルーン(5)の内腔を経て前記バルーン(5)の遠位端に配置され、
前記後端開口部(9B)は、前記前方部(2F)の内腔を経て当該前方部(2F)の側部に配置され、
前記前方部(2F)の内壁面と前記ガイドワイヤー用チューブ(4A)の外壁面との間に形成される流体ルーメン(7)内に、補強体(3)を配置し、
当該補強体(3)は、長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有し、
前記[2]に記載の前記バルーンカテーテル(1A、1B、1C)と同様に、前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)と、前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)とを、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A)に装着することにより、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第1端部と前記第2端部と、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A)の側部方向の外周との間に、段差を生じることなく装着した、[2]記載のバルーンカテーテル(1A、1B)を提供する。
[4]本発明は、シャフト(12A)とバルーン(15)とを有し、前記シャフト(12A)と前記バルーン(15)は、それぞれ長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、
前記長手方向の前方から後方に向けて、前記バルーン(15)、前記シャフト(12A)の順に配置し、
前記シャフト(12A)と前記バルーン(15)は、それぞれ前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有し、
前記シャフト(12A)は、長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有し、
前記シャフト(12A)の内腔に、ガイドワイヤー用チューブ(14)を配置し、当該ガイドワイヤー用チューブ(14)は、内腔にガイドワイヤールーメン(16)を有し、
当該ガイドワイヤールーメン(16)は、先端開口部(19F)と、後端開口部(19B)とを有し、
前記先端開口部(19F)は、前記バルーン(15)の内腔を経て前記バルーン(15)の遠位端に配置され、
前記後端開口部(19B)は、前記シャフト(12A)の内腔を経て、当該シャフト(12A)の近位端に装着されたコネクタ(18)の近位端に配置され、
前記[2]に記載の前記バルーンカテーテル(1A、1B、1C)と同様に、前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)と、前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)とを、前記ガイドワイヤー用チューブ(14)に装着することにより、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第1端部と前記第2端部と、前記ガイドワイヤー用チューブ(14)の側部方向の外周との間に、段差を生じることなく装着した、[2]に記載のバルーンカテーテル(1C)を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のカテーテル及びバルーンカテーテルに装着する;柔軟な放射線不透過性マーカー11(以下、単に「マーカー11」という場合がある)の概略図で、図2と図3は前記マーカー11を装着したカテーテルの概略図で、図4は図3の縦断面図である。マーカー11は、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有する。
合成樹脂または合成ゴムに40質量パーセント以上の放射線不透過性金属を含有させ全体を円筒状(チューブ状または管状ともいう)に形成している。
【0005】
前記合成樹脂または合成ゴムは、柔軟性を有するものが好ましく、例えばポリウレタン、ポリアミド、ポリアミド系エラストマー、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム等の合成ゴム等が使用される。
前記放射線不透過性金属とは白金−ニッケル合金または金、白金、タンタル、タングステン、イリジウム、レニウム、鉛またはこれらの材料の合金等の金属材料が使用される。
前記マーカー11は前記合成樹脂または合成ゴムに前記放射線不透過性金属を混合して、細径のチューブ状に成形し、さらにこれらを0.5から3mmの長さに切断して製造することができる。マーカー11の放射線不透過性を良くするために、前記放射線不透過性金属は、前記合成樹脂または合成ゴムに対して40質量パーセント以上添加するのが良い。マーカー11は、接着剤、高周波溶着、超音波溶着、熱溶着等により、カテーテルチューブ(ガイドワイヤー用チューブ)に装着することができる。これらのカテーテルチューブ(ガイドワイヤー用チューブ)も前記マーカー11を構成する前記合成樹脂または合成ゴムと同様の材料により構成される。
【0006】
図5は本発明のカテーテル及びバルーンカテーテルに装着する;メッシュ状放射線不透過性マーカー11A(以下、単に「メッシュ状マーカー11A」という場合がある)をカテーテルチューブに装着したところの概略図で、メッシュ状マーカー11Aは、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、放射線不透過性の細径線により全体を円筒状(チューブ状または管状ともいう)に形成している。
前記放射線不透過性金属よりなる細径線で前記メッシュ状マーカー11Aを形成する場合は、例えば次の方法により製造することができる。
第一の方法として、細径線をブレーダーマシン等の編機で、円筒状に編む。この場合、編込用の細径線は2本から32本使用するのが良い。メッシュ状マーカー11Aの細径線の直径は0.01から0.06mmに形成するのが良い。
第二の方法として、前記放射線不透過性金属よりなる円筒状パイプを、レーザー加工機により、表面をメッシュ状に切断し、円筒状パイプ自体を柔軟な構造にする。
【0007】
以上のように形成したマーカー11、メッシュ状マーカー11Aは例えば次のようにカテーテル(1、1a)を構成するカテーテルチューブ4の外周に装着される。
(A)合成樹脂または合成ゴムに40質量パーセント以上の不透過性金属を含有させた円筒状のマーカー11の場合、図2のようにマーカー11をカテーテル1のカテーテルチューブ4の外周に装着した後、熱溶着する。これにより図3(参考例)と図4(参考例)のように、カテーテルチューブ4の構成材料(合成樹脂または合成ゴム)とマーカー11を構成する合成樹脂または合成ゴムが溶着し、マーカー11に添加した放射線不透過性金属は、カテーテルチューブ4の壁面内に埋設される。このためカテーテルチューブ4の壁面の肉厚を薄くすることなく、マーカー11の両端とカテーテルチューブ4の外周の間に、段差を生じることなく装着することができる。また必要によりマーカー11の両端に、後述するメッシュ状マーカー11Aと同様に、後述する第1固定チューブ12.1と第2固定チューブ12.2を装着しても良い。
カテーテル1の一例について、さらに詳述する。
カテーテル1は、カテーテルチューブ4と、前記柔軟な放射線不透過性マーカー11とを有する。
カテーテルチューブ4は、管状で、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、カテーテルチューブ4の前記側部方向の外周に、前記柔軟な放射線不透過性マーカー11を装着している。
前記放射線不透過性マーカー11は、カテーテルチューブ4に、熱溶着、高周波溶着、超音波溶着のいずれか一の手段により、溶着することにより、カテーテルチューブ4の構成材料と前記マーカー11の構成材料が溶着し、マーカー11に添加された放射線不透過性金属は、カテーテルチューブ4の壁面内に埋設される。
これによりマーカー11の第1端部及び第2端部と前記カテーテルチューブ4の側部方向の外周との間を、段差を生じることなく装着している。
(B)放射線放射線不透過性金属よりなる細径線より構成されるメッシュ状マーカー11Aの場合、図5のようにカテーテル1aのカテーテルチューブ4の外周にメッシュ状マーカー11Aを装着するとともに、該メッシュ状マーカー11Aの両側に外周がテーパーに形成された一対の第1固定チューブ12.1と第2固定チューブ12.2を装着し、前記メッシュ状マーカー11Aと第1固定チューブ12.1と第2固定チューブ12.2との間並びに第1固定チューブ12.1と第2固定チューブ12.2とガイドワイヤー用チューブ4との間に、段差が生じないように形成する。本発明で、「第1固定チューブ12.1(第2固定チューブ12.2)」とは、管状で、その外周は、メッシュ状マーカー11A(マーカー11)側の端部からこれと反対側のカテーテルチューブ4の外周方向へ向けて、なだらかなテーパーに形成されている。このためメッシュ状マーカー11A(マーカー11)とこれの両側に配置された第1固定チューブ12.1と第2固定チューブ12.2との間並びに第1固定チューブ12.1と第2固定チューブ12.2とカテーテルチューブ4との間には、段差がなく、血管への通過性を損なうことがない。
さらにカテーテル1aの一例について詳述する。
前記カテーテルチューブ4と、前記メッシュ状放射線不透過性マーカー11Aと、第1固定チューブ12.1及び第2固定チューブ12.2とを有する。
第1固定チューブ12.1及び第2固定チューブ12.2は、それぞれ管状で、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有する。
メッシュ状放射線不透過性マーカー11A、第1固定チューブ12.1及び第2固定チューブ12.2は、それぞれの側部方向の内径は、カテーテルチューブ4の側部方向の外周に装着できる大きさを有する。
メッシュ状放射線不透過性マーカー11A、第1固定チューブ12.1及び第2固定チューブ12.2を、カテーテルチューブ4の外周に装着し、メッシュ状放射線不透過性マーカー11Aの第1端部の近傍に第1固定チューブ12.1を装着し、及びメッシュ状放射線不透過性マーカー11Aの第2端部の近傍に第2固定チューブ12.2を装着している。
第1固定チューブ12.1は、第2端部から第1端部、すなわちカテーテルチューブ4の第1端部に向けて下るテーパー部12.1Tを有し、第2固定チューブ12.2は、第1端部から第2端部、すなわち、カテーテルチューブ4の第2端部に向けて下るテーパー部12.2Tを有する。
メッシュ状放射線不透過性マーカー11Aの第1端部とカテーテルチューブ4の側部方向の外周面、及びメッシュ状放射線不透過性マーカー11Aの第2端部とカテーテルチューブ4の側部方向の外周面との間に、段差が生じないように形成している。
またメッシュ状放射線不透過性マーカー11Aにかえて、柔軟な放射線不透過性マーカー11を、第1固定チューブ12.1及び第2固定チューブ12.2とともにカテーテルチューブ4の外周に装着することができる。
【0008】
本発明のカテーテル1、1aは、図6(a)、(b)に示すように、マーカー11、メッシュ状マーカー11A自体が柔軟に屈曲することで、ガイドワイヤーGWに通しながら血管の屈曲部にカテーテルチューブ4を挿入しても、マーカー11、メッシュ状マーカー11Aが容易に変形するので、血管の屈曲部に止まることなく、速やかに通過することができる。
以上説明したカテーテル1、1aのマーカー11、メッシュ状マーカー11Aを装着したカテーテルチューブ4は、以下に説明するバルーンカテーテル1A、1B、1Cのガイドワイヤー用チューブ4Aに、置き換えて使用することができる。すなわちガイドワイヤー用チューブ4Aの外周に前記マーカー11、メッシュ状マーカー11Aと前記固定チューブ12を装着する。
前記マーカー11、メッシュ状マーカー11Aと第1固定チューブ12.1、第2固定チューブ12.2のカテーテルチューブ4、ガイドワイヤー用チューブ4Aへの装着位置は、カテーテルチューブ4、ガイドワイヤー用チューブ4Aの外周であれば、同チューブ4、4Aの中間、先端、後端のいずれの位置でも良い。後述するバルーンカテーテル1A、1B、1Cのガイドワイヤー用チューブ4A、14へ装着する場合は、バルーン5(15)内もしくはその先端または前方部2F(シャフト12Aの前方部)内のいずれの位置でも良い。
バルーンカテーテル(1A、1B、1C)の一例について説明する。
バルーンカテーテル(1A、1B、1C)は、ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)と、メッシュ状放射線不透過性マーカー11Aと、第1固定チューブ(12.1)及び第2固定チューブ(12.2)とを有する。
ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)、メッシュ状放射線不透過性マーカー11A、第1固定チューブ12.1及び前記第2固定チューブ12.2は、それぞれ管状で、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有する。
メッシュ状放射線不透過性マーカー11A、第1固定チューブ12.1及び第2固定チューブ12.2は、それぞれの側部方向の内径は、ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の側部方向の外周に装着できる大きさを有する。
メッシュ状放射線不透過性マーカー11A、第1固定チューブ12.1及び第2固定チューブ12.2を、ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の外周に装着している。
メッシュ状放射線不透過性マーカー11Aの第1端部の近傍に第1固定チューブ12.1を装着し、及びメッシュ状放射線不透過性マーカー11Aの第2端部の近傍に第2固定チューブ(12.2)を装着している。
第1固定チューブ12.1は、第2端部から第1端部、すなわちガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の第1端部に向けて下るテーパー部(12.1T)を有し、第2固定チューブ(12.2)は、第1端部から第2端部、すなわち、ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の第2端部に向けて下るテーパー部(12.2T)を有する。
メッシュ状放射線不透過性マーカー11Aの第1端部とガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の側部方向の外周面、及びメッシュ状放射線不透過性マーカー11Aの第2端部とガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の側部方向の外周面との間に、段差が生じないように形成している。
またバルーンカテーテル(1A、1B、1C)は、メッシュ状放射線不透過性マーカー11Aに代えて、前記柔軟な放射線不透過性マーカー11を装着することができる。
前記柔軟な放射線不透過性マーカー11を、(第1固定チューブ12.1及び第2固定チューブ12.2とともに、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の側部方向の外周面に装着する代わりに、)カテーテル1のカテーテルチューブ4の場合と同様に、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)に溶着することにより、当該ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の構成材料と前記マーカー11の構成材料が溶着し、前記マーカー11に混合した放射線不透過性金属は、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の壁面内に埋設される。
柔軟な放射線不透過性前記マーカー11の第1端部と第2端部とを、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の側部方向の外周の間に、段差を生じることなく装着することができる。
【0009】
図7はいわゆるラピッドエクスチェンジタイプといわれる本発明のバルーンカテーテル1Aの一例を示す概略図(断面図、なお、コネクタ8付近の断面図は前方部2F付近の断面図より縮小化して記載されている)である。
本発明のバルーンカテーテル1Aはシャフト2の先端にバルーン5を装着し、シャフト2は少なくとも可とう性の前方部2F(合成樹脂管ともいう)と少なくとも剛性の基端部2B(シャフトパイプまたは金属管ともいう)より構成されている。
さらに前記剛性の基端部2Bの先端に細径部2Sが形成されている。細径部2Sは、さらに詳述すると、例えば図7に示すように、前記剛性の基端部2Bの先端にスリット2SLを形成しかつテーパー状の第一の細径部2S1(基端部2Bより細径に形成されている)を介して第二の細径部2S2(第一の細径部2S1より細径に形成されている)を一体成形ないし接続することにより形成される。前記剛性の基端部2Bは、例えば金属製シャフトパイプを延伸し(シャフトパイプの先端内径を補強体3の基端部3Bの外径と実質的に同一となるまで延伸する)、さらにシャフトパイプの径を細くし、さらに造影剤が注入できる程度のスリット2SLを形成することにより製造する。
【0010】
またシャフト2内に先端と後端にそれぞれ開口部9F、9Bを形成しかつガイドワイヤールーメン6を有するガイドワイヤー用チューブ4Aを前記前方部2Fの側面からバルーン5内を経てバルーン5の先端に至るまで配置している。さらに前記前方部2F内及びガイドワイヤー用チューブ4A外周の間に形成される流体ルーメン7内に補強体3の前方部3Fを配置する(シャフト2への開口部9Bの形成位置により前方部3Fと中間部3Mも配置されることがある)とともに前記補強体3の基端部3Bを前記基端部2Bの細径部に直接接着することなく固定している。さらに詳述すれば前記剛性の基端部2Bの先端にスリット2SLを形成した第一の細径部2S1に連続して形成される第二の細径部2S2に、前記補強体3の基端部3Bを直接接着することなく固定している。
【0011】
本発明の図7に記載のバルーンカテーテル1で前記「固定」とは前記補強体3の基端部3Bを前記細径部(第二の細径部2S2)に直接溶接等により接着しないで、単に圧入等により挿着またはこれらと実質的に同等の固定手段を意味する。本発明で、細径部2Sとは、前記図7に示した第一の細径部2S1(基端部2Bより細径に形成されている)と第二の細径部2S2(第一の細径部2S1より細径に形成されている)の形態に限定されず、要するに前記補強体3の基端部3Bを直接溶接等により接着しないで、単に圧入等により挿着またはこれらと実質的に同等の固定手段により固定できる形態であれば何でも良い。
また本発明で補強体3の前方部3Fは前記ガイドワイヤー用チューブ4Aの側部(外壁面)及び前方部2Fの側部(内壁面)の間に固定される。本発明の図5に記載のバルーンカテーテル1Aで、前記「固定」とは、図7のように補強体3の前方部3Fの側部をガイドワイヤー用チューブ4Aの側部(外壁面)及び/又は前方部2Fの側部(内壁面)に直接又はこれらの間に、溶着または接着剤等により固定すること、もしくはこれらの間に圧入して固定すること(挟持すること)を意味する。
【0012】
本発明に使用される補強体3としては、例えば図7に示すように基端部3Bから先端部3F方向へ向けて先細りテーパー状に形成されたコアワイヤーが使用されるが、これらのコアワイヤーと実質的に同様の機能を果たすものであれば、何でも使用することができる。
【0013】
本発明で前記可とう性の前方部2Fの構成材料は、柔軟性を有する合成樹脂が好ましく、例えばポリウレタン、ポリアミド、ポリアミド系エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル、ポリエステル系エラストマー、ポリイミド等の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー等の合成樹脂を使用することができる。
本発明で前記剛性の基端部2Bの構成材料は、例えばステンレス、Ni−Ti、Cu−Mn−Al系合金等の金属を使用することができる。前記可とう性の前方部2Fと剛性の基端部2Bは、例えば接着剤、熱溶着等の手段により接続することができる。
また剛性の基端部2Bの後方部はコネクタ8前方の管状体8a内に配置され、管状体8aの内周と剛性の基端部2Bの外周の間に接着剤10を充填することにより固定されている。あるいは剛性の基端部2Bの後方部とコネクタ8はインサート成形により固定することができる。コネクタ8後方の管状体8bの後端にはバルーンの拡張用流体を導入するための開口部8Bが形成されている。
【0014】
本発明の図7に記載のバルーンカテーテル1Aは前記補強体3の基端部3Bをシャフト2の前記基端部2Bをシャフト2の前記基端部2Bの細径部2Sに直接接着することなく固定するので、剛性の基端部2Bに溶接不可能な補強体3でも容易に固定することができる。
また造影剤をシャフト2の基端部2Bのスリット2SLから流入させることができるので、バルーン5を膨張させたり、萎ませるまでの時間を容易に調整することができる。
補強体3を後からシャフト2の基端部2B(シャフトパイプ)に接続できるため、前記補強体3の前方部3Fを、シャフト2の前方部2F(合成樹脂管)のガイドワイヤー用チューブの開口部9Bの前後付近の間に固定することができる。
シャフト2の基端部2B(シャフトパイプ)からのプッシャビリティとトラッカビリティが、単に基端部2B(シャフトパイプ)から前方部2F(合成樹脂管)に伝達されるだけでなく、補強体3からも前方部2F(合成樹脂管)に伝達されるので、バルーン5の挿入を容易に行うことができる。
【0015】
また本発明のラピッドエクスチェンジタイプのバルーンカテーテルは図7に記載した形態のバルーンカテーテル1Aの他に、図8(特願2000−216873号の図2に記載)に記載した形態のバルーンカテーテル1Bも含む。すなわち、バルーンカテーテル1Bは前方部2Fの基端部から途中に至るまで基端部2Bが延設され、前記前方部2F内に補強体3が配置されている。補強体3の基端部は基端部2Bの前方内壁面内に熱溶着または接着剤等により接続されている。また補強体3の基端部を前記基端部2Bの前方内壁面内に直接接着することなく、該補強体3の前方部と略中腹部の側部を前記ガイドワイヤー用チューブ4Aの側部(外壁面)及び前方部2Fの側部(内壁面)に熱溶着または接着剤等により接着しても良い。補強体3は基端部から先端部方向へ向けて先細りテーパー状に形成されたコアワイヤーが使用されるが、これらのコアワイヤーと実質的に同様の機能を果たすものであれば、何でも使用することができる。
本発明で「ガイドワイヤー用チューブ4A」とは、ガイドワイヤーGWを通すチューブを全て含み、本発明で前記「ガイドワイヤー用チューブ4A」を有する「バルーンカテーテル」とは、図7、図8に示したいわゆるラピッドエクスチェンジタイプといわれるバルーンカテーテル1A、1Bの他に、図9(図10は図9のB付近の断面図)に記載のいわゆるオーバーザワイヤータイプといわれるバルーンカテーテル1C(特願2000−216873号の図3ないし図4に記載)も含む。
すなわちバルーンカテーテル1Cは、ガイドワイヤー用チューブ14をバルーン15の先端からバルーン15内、可とう性のシャフト12A内を経てコネクタ18後端の開口部18Bに至るまで配置し、ガイドワイヤーを開口部19Fから挿入しシャフト12内を経て開口部19Bから排出するように形成されている。シャフト12内にはコネクタ18側部の開口部18Sとバルーン15内に連通する流体ルーメン17が形成されている。
【0016】
図7、図8のバルーンカテーテル(1A、1B)について説明する。
バルーンカテーテル(1A、1B)は、シャフト2とバルーン5とを有し、シャフト2とバルーン5は、それぞれ長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有する。
長手方向の前方から後方に向けて、バルーン5、シャフト2の順に配置し、シャフト2とバルーン5は、それぞれ長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ長手方向の後方側に近位端を有し、シャフト2は、可とう性の前方部2Fと、剛性の基端部2Bとを有する。
前方部2Fと基端部2Bは、それぞれ長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前方部2Fと基端部2Bとは、それぞれ長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ長手方向の後方側に近位端を有する。
前方部2Fの近位端に、基端部2Bの遠位端を装着し、前方部2Fの遠位端に、バルーン5の近位端を装着している。
シャフト2の前方部2Fの内腔に、ガイドワイヤー用チューブ4Aを配置し、当該ガイドワイヤー用チューブ4Aは、内腔にガイドワイヤールーメン6を有する。
当該ガイドワイヤールーメン6は、先端開口部9Fと、後端開口部9Bとを有し、先端開口部9Fは、バルーン5の内腔を経てバルーン5の遠位端に配置され、後端開口部9Bは、前方部2Fの内腔を経て当該前方部2Fの側部に配置されている。
前方部2Fの内壁面と前記ガイドワイヤー用チューブ4Aの外壁面との間に形成される流体ルーメン7内に、補強体3を配置し、当該補強体3は、長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有する。
前記バルーンカテーテル(1A、1B、1C)と同様に、前記柔軟な放射線不透過性マーカー11を、前記ガイドワイヤー用チューブ4Aに溶着することができる。
または前記バルーンカテーテル(1A、1B、1C)と同様に、前記柔軟な放射線不透過性マーカー11、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー11Aを、前記ガイドワイヤー用チューブ4Aに装着することができる。
図9(図10)のバルーンカテーテル1Cについて詳述する。
バルーンカテーテル1Cは、シャフト12Aとバルーン15とを有し、シャフト12Aとバルーン15は、それぞれ長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有する。
長手方向の前方から後方に向けて、バルーン15、シャフト12Aの順に配置し、シャフト12Aとバルーン15は、それぞれ長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ長手方向の後方側に近位端を有する。
シャフト12Aは、長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ長手方向の後方側に近位端を有する。
シャフト12Aの内腔に、ガイドワイヤー用チューブ14を配置し、当該ガイドワイヤー用チューブ14は、内腔にガイドワイヤールーメン16を有し、
ガイドワイヤールーメン16は、先端開口部19Fと、後端開口部19Bとを有する。
先端開口部19Fは、バルーン15の内腔を経てバルーン15の遠位端に配置され、後端開口部19Bは、シャフト12Aの内腔を経て、当該シャフト12Aの近位端に装着されたコネクタ18の近位端に配置される。
前記バルーンカテーテル(1A、1B、1C)と同様に、前記柔軟な放射線不透過性マーカー11を、前記ガイドワイヤー用チューブ14に溶着することができる。
または前記バルーンカテーテル(1A、1B、1C)と同様に、前記柔軟な放射線不透過性マーカー11、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー11Aを、前記ガイドワイヤー用チューブ14に装着することができる。
【0017】
【発明の作用効果】
〈1〉本発明のカテーテル1a及びバルーンカテーテル1A、1B、1Cのカテーテルチューブ4(ガイドワイヤー用チューブ4A、14)に装着した
柔軟な放射線不透過性マーカー11(メッシュ状放射線不透過性マーカー11A)は、それ自体が柔軟であるため血管の屈曲部への通過が容易である。
〈2〉カテーテル1a及びバルーンカテーテル1A、1B、1Cは、カテーテルチューブ4(ガイドワイヤー用チューブ4A、14)の肉厚を薄くすることなくかつ、柔軟な放射線不透過性マーカー11(メッシュ状放射線不透過性マーカー11A)を、カテーテルチューブ4(ガイドワイヤー用チューブ4A、14)に段差を生じることなく装着できるため、カテーテルチューブ4、ガイドワイヤー用チューブ4A、14の強度を低下させることがない。
〈3〉本発明のカテーテル1a及びバルーンカテーテル1A、1B、1Cは、血管通過性もスエージング加工のものと同じ効果を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するマーカーの概略図
【図2】図1のマーカーを装着したカテーテルの概略図
【図3】図1のマーカーを装着したカテーテル(参考例)の概略図
【図4】図3の縦断面図
【図5】本発明に使用するメッシュ状マーカーを装着したカテーテルの概略図
【図6】図3(図5)の使用状態図
【図7】本発明のバルーンカテーテルの一例を示す概略図(断面図)
【図8】本発明のバルーンカテーテルの一例を示す概略図(断面図)
【図9】本発明のバルーンカテーテルの一例を示す概略図
【図10】図9のB付近の断面図
【図11】従来のガイドワイヤー用チューブの拡大図
【図12】図9の使用状態図
【図13】従来のカテーテルチューブの断面図
【図14】従来のカテーテルチューブの断面図
【符号の説明】
1、1a カテーテル
1A バルーンカテーテル
1B バルーンカテーテル
1C バルーンカテーテル
2、12A シャフト
2F 前方部
2B 基端部
2S 細径部
2S1 第一の細径部
2S2 第二の細径部
2SL スリット
3 補強体
3F 前方部
3M 中間部
3B 基端部
4 カテーテルチューブ
4A、14 ガイドワイヤー用チューブ
5、15 バルーン
6、16 ガイドワイヤールーメン
7、17 流体ルーメン
8、18 コネクタ
8B、18B、18S、19B 開口部(コネクタ)
8a、8b 管状体
9F、9B 、19F 開口部(ガイドワイヤー用チューブ)
10 接着剤
11 マーカー
11A メッシュ状マーカー
12.1 第1固定チューブ
12.2 第2固定チューブ
12.1T テーパー部(第2端部側から第1端部側に向けて下る)
12.2T テーパー部(第1端部側から第2端部側に向けて下る)
Claims (4)
- カテーテルチューブ(4)と、柔軟な放射線不透過性マーカー(11)またはメッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)と、第1固定チューブ(12.1)及び第2固定チューブ(12.2)とを有し、当該第1固定チューブ(12.1)及び当該第2固定チューブ(12.2)は、それぞれ外周がテーパー状に形成されたものであり、
前記カテーテルチューブ(4)は、管状で、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)は、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、 柔軟性を有する合成樹脂、または柔軟性を有する合成ゴムによりなり、前記合成樹脂、または前記合成ゴムに、40質量パーセント以上の放射線不透過性金属を混合し、全体を円筒状に形成し、
前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)は、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
放射線不透過性金属製の細径線よりなり、当該細径線を編機で円筒状に編み、全体を円筒状に形成し、または
放射線不透過性の円筒状の金属パイプよりなり、当該金属パイプを、レーザー加工により、メッシュ状に切断し、全体を柔軟な構造を有する円筒状に形成し、
前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)は、それぞれ管状で、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
前記第1固定チューブ(12.1)は、第2端部から第1端部、すなわち前記カテーテルチューブ(4)の第1端部に向けて下るテーパー部(12.1T)を有し、
前記第2固定チューブ(12.2)は、第1端部から第2端部、すなわち前記カテーテルチューブ(4)の第2端部に向けて下るテーパー部(12.2T)を有し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)、前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)は、それぞれの側部方向の内径は、前記カテーテルチューブ(4)の側部方向の外周に装着できる大きさを有し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)、前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)を、前記カテーテルチューブ(4)の外周に装着し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第1端部の近傍に第1固定チューブ(12.1)を装着し、並びに前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第2端部の近傍に第2固定チューブ(12.2)を装着し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第1端部と前記カテーテルチューブ(4)の側部方向の外周面、並びに前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第2端部と前記カテーテルチューブ(4)の側部方向の外周面との間に、段差が生じないように形成した、ことを特徴とするカテーテル(1a)。 - ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)と、柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、またはメッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)と、第1固定チューブ(12.1)及び第2固定チューブ(12.2)とを有し、当該第1固定チューブ(12.1)及び当該第2固定チューブ(12.2)は、それぞれ外周がテーパー状に形成されたものであり、
前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)は、管状で、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)は、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
柔軟性を有する合成樹脂、または柔軟性を有する合成ゴムによりなり、前記合成樹脂、または前記合成ゴムに、40質量パーセント以上の放射線不透過性金属を混合し、全体を円筒状に形成し、
前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)は、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
放射線不透過性金属製の細径線よりなり、当該細径線を編機で円筒状に編み、全体を円筒状に形成し、または
放射線不透過性の円筒状の金属パイプよりなり、当該金属パイプを、レーザー加工により、メッシュ状に切断し、全体を柔軟な構造を有する円筒状に形成し、
前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)は、それぞれ管状で、長さ方向と、当該長さ方向に略垂直に交差する側部方向と、前記長さ方向に第1端部と第2端部とを有し、
前記第1固定チューブ(12.1)は、第2端部から第1端部、すなわち前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の第1端部に向けて下るテーパー部(12.1T)を有し、
前記第2固定チューブ(12.2)は、第1端部から第2端部、すなわち前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の第2端部に向けて下るテーパー部(12.2T)を有し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)、前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)は、それぞれの側部方向の内径は、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の側部方向の外周に装着できる大きさを有し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)、前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)を、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の外周に装着し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第1端部の近傍に第1固定チューブ(12.1)を装着し、並びに前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第2端部の近傍に第2固定チューブ(12.2)を装着し、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第1端部と前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の側部方向の外周面、並びに前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第2端部と前記ガイドワイヤー用チューブ(4A、14)の側部方向の外周面との間に、段差が生じないように形成した、ことを特徴とするバルーンカテーテル(1A、1B、1C)。 - シャフト(2)とバルーン(5)とを有し、前記シャフト(2)と前記バルーン(5)は、それぞれ長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、
前記長手方向の前方から後方に向けて、前記バルーン(5)、前記シャフト(2)の順に配置し、
前記シャフト(2)と前記バルーン(5)は、それぞれ前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有し、
前記シャフト(2)は、可とう性の前方部(2F)と、剛性の基端部(2B)とを有し、
前記前方部(2F)と前記基端部(2B)は、それぞれ長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、
前記前方部(2F)と前記基端部(2B)とは、それぞれ前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有し、
前記前方部(2F)の近位端に、前記基端部(2B)の遠位端を装着し、
前記前方部(2F)の遠位端に、前記バルーン(5)の近位端を装着し、
前記シャフト(2)の前方部(2F)の内腔に、ガイドワイヤー用チューブ(4A)を配置し、当該ガイドワイヤー用チューブ(4A)は、内腔にガイドワイヤールーメン(6)を有し、
当該ガイドワイヤールーメン(6)は、先端開口部(9F)と、後端開口部(9B)とを有し、
前記先端開口部(9F)は、前記バルーン(5)の内腔を経て前記バルーン(5)の遠位端に配置され、
前記後端開口部(9B)は、前記前方部(2F)の内腔を経て当該前方部(2F)の側部に配置され、
前記前方部(2F)の内壁面と前記ガイドワイヤー用チューブ(4A)の外壁面との間に形成される流体ルーメン(7)内に、補強体(3)を配置し、
当該補強体(3)は、長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有し、
前記請求項2に記載の前記バルーンカテーテル(1A、1B、1C)と同様に、前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)と、前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)とを、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A)に装着することにより、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第1端部と前記第2端部と、前記ガイドワイヤー用チューブ(4A)の側部方向の外周との間に、段差を生じることなく装着した、ことを特徴とする請求項2に記載のバルーンカテーテル(1A、1B)。 - シャフト(12A)とバルーン(15)とを有し、前記シャフト(12A)と前記バルーン(15)は、それぞれ長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、
前記長手方向の前方から後方に向けて、前記バルーン(15)、前記シャフト(12A)の順に配置し、
前記シャフト(12A)と前記バルーン(15)は、それぞれ前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有し、
前記シャフト(12A)は、長手方向と、当該長手方向と略垂直に交わる側部方向とを有し、前記長手方向の前方側に遠位端を有し、かつ前記長手方向の後方側に近位端を有し、
前記シャフト(12A)の内腔に、ガイドワイヤー用チューブ(14)を配置し、当該ガイドワイヤー用チューブ(14)は、内腔にガイドワイヤールーメン(16)を有し、
当該ガイドワイヤールーメン(16)は、先端開口部(19F)と、後端開口部(19B)とを有し、
前記先端開口部(19F)は、前記バルーン(15)の内腔を経て前記バルーン(15)の遠位端に配置され、
前記後端開口部(19B)は、前記シャフト(12A)の内腔を経て、当該シャフト(12A)の近位端に装着されたコネクタ(18)の近位端に配置され、
前記請求項2に記載の前記バルーンカテーテル(1A、1B、1C)と同様に、前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)と、前記第1固定チューブ(12.1)及び前記第2固定チューブ(12.2)とを、前記ガイドワイヤー用チューブ(14)に装着することにより、
前記柔軟な放射線不透過性マーカー(11)、または前記メッシュ状放射線不透過性マーカー(11A)の前記第1端部と前記第2端部と、前記ガイドワイヤー用チューブ(14)の側部方向の外周との間に、段差を生じることなく装着した、ことを特徴とする請求項2に記載のバルーンカテーテル(1C)。
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