JP4867141B2 - ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

本発明はポリエステルフィルムに関するものである。詳しくは、有機顔料を含有しているために意匠性に優れており、包装材料として使用することに適したポリエステルフィルムに関するものである。
包装材料には、内容物保護性、加工適性、機械適性、利便性、衛生性、経済性、意匠性など様々な適性が求められる。ポリエステルフィルムはそれらの特性に非常に優れているために、包装材料として幅広く用いられている。特にレトルトパウチやキャンディなどの個包装、金属容器の外面被覆用などに用いられることが増加してきている。
近年は、消費者嗜好やユーザーニーズの多様化により、包装材料の特性の中でも消費者に購買意欲をわかせるための意匠性が非常に重要となってきている。
このため、着色顔料、染料を使用して、フィルムに意匠性をもたせる方法が多く提案されている。例えば、金属容器の外面被覆用として、着色顔料、染料を含有するポリエステルフィルムが提案されている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、ここで提案されているフィルムでは、湿式熱処理や、乾熱処理による殺菌処理工程でフィルム中の着色顔料が変色してしまい外観を損ねる問題があった。
また、同じく金属容器の外面被覆用として、ポリエステルフィルムに黄色顔料、染料を含有したり、コーティングすることによる黄色く着色したポリエステルフィルムが提案されている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、ここで提案されているフィルムを回収し、再び原料として使用する場合、顔料が変色してしまい、色調の再現性がないために回収原料としては使用できないという問題があった。
特開平9−277477号公報 特開2002−26823号公報
本発明の目的は、上記した課題を解決し、ポリエステルフィルム中に耐熱性に優れた、有機顔料を含有し意匠性に優れたフィルムであって、かつ、フィルムを回収原料として使用した場合の色調再現性に優れたポリエステルフィルムを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のポリエステルフィルムは、有機顔料を0.01〜5重量%含有する単層フィルム、又は、有機顔料を0.01〜5重量%含有するポリエステル樹脂層(A)の少なくとも片面に他のポリエステル樹脂層(B)が積層されてなる積層フィルムであって、かつ、200℃で120分間の熱処理を施した際の色差ΔE*abが10未満であることを特徴とするものである。
本発明のポリエステルフィルムは、意匠性に優れたフィルムであって、さらに、熱処理を施してもフィルムの変色が殆ど起こらず、また回収原料として使用した場合の色調再現性に優れるので、意匠性、経済性に優れ、特に包装用に好適なポリエステルフィルムを提供することができる。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂とは、主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高分子化合物の総称であって、通常ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによって得ることができる。ここでジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキシンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などを挙げることができる。
また、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族グリコールなどを挙げることができる。
これらの、ジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上併用してもよい。また、本発明に用いるポリエステルは1種のポリエステルであっても、2種以上のポリエステルのブレンドであってもよい。
特に好ましく用いられるポリエステルはテレフタル酸あるいはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル化反応もしくはエステル交換反応による重縮合反応によって得ることができるエチレンテレフタレートを主たる構成成分とすることが機械強度、加工性、熱特性、湿度特性などに優れるため好ましい。なおここで、主たるというのは、ポリエステル中のエチレンテレフタレート成分が30モル%以上であることを言う。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂を製造するに際しては、反応触媒、着色防止剤を使用することができる。反応触媒としては、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物ゲルマニウム化合物などを、また着色防止剤としては、リン化合物などを使用することができるが、本発明では特にこれらに限定するものではない。
通常、ポリエステルの製造が完結する以前の任意の段階において、重合触媒として、アンチモン化合物、ゲルマニウム化合物及び/またはチタン化合物を添加することが好ましい。このような方法としては、例えば、ゲルマニウム化合物を例にすると、ゲルマニウム化合物粉体をそのまま添加する方法や、ポリエステルの出発原料であるグリコール成分中にゲルマニウム化合物を溶解させて添加する方法を使用することができる。
かかるゲルマニウム化合物としては、例えば、二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム水和物あるいは、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムエチレングリコキシドなどのゲルマニウムアルコキシド化合物、ゲルマニウムフォノキシド化合物、リン酸ゲルマニウム、亜リン酸ゲルマニウムなどのリン酸含有ゲルマニウム化合物、酢酸ゲルマニウムなどを使用することができる。中でも二酸化ゲルマニウムが好ましく用いられる。
また、アンチモン化合物としては特に限定されないが、例えば三酸化アンチモンなどの酸化物、酢酸アンチモンなどが使用できる。また、さらにチタン化合物としては、特に限定しないが、チタンテトラエトキシド、チタンテトラブトキシドなどのチタンテトラアルコキシドを好ましく用いることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、単層フィルムである場合には、このフィルムが有機顔料を0.01〜5重量%含有することが必要である。また、積層フィルムである場合には、そのうちの1層であるポリエステル樹脂層(A)が有機顔料を0.01〜5重量%含有することが必要である。
有機顔料を0.01〜5重量%含有することで意匠性を付与することができる。含有量が0.01重量%未満であると、フィルム厚みにもよるが、着色剤を添加した効果が明確でない場合があり、逆に5重量%を超えて添加しても色調の変化が飽和してしまい、さらにはポリマーの溶融粘度が高くなりすぎて溶融押出できなくなってしまう場合がある。有機顔料含有量は0.1〜1重量%であるとさらに好ましく、0.3〜0.8重量%であれば最も好ましい。
本発明のポリエステルフィルムに有機顔料を添加し、着色する方法は特に限定されないが、原料となるポリエステル樹脂にあらかじめ高濃度で着色剤を溶融混練し、製膜時に希釈樹脂にて所定の濃度となるようにするマスターバッチ法を好ましく用いることができる。
ここで、マスターバッチを製造する具体的な方法について説明する。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂を低温で凍結粉砕し、粉末状にしたものに所定の有機顔料からなる着色剤を添加し、均一となるように混合した後、ベント式二軸押出機に供給し溶融混練する。この時に、着色剤の分散助剤としてステアリルステアレートやステアリル酸マグネシウムなどをマスターバッチ中に0.01〜1重量%添加しても良い。このようにして着色混練した樹脂をストランド状に押出し、水中で冷却固化した後、カッターで所望のサイズにカッティングしてマスターバッチを得ることができる。さらに、非晶性のポリエステル樹脂を用いて、ニーダーなどのミキサーにてあらかじめ顔料を20〜60重量%含有する高濃度顔料添加樹脂を準備した後、所定のマスターバッチ濃度となるようにポリエステル樹脂とのコンパウンドを行っても良い。なお、マスターバッチ中の着色剤濃度としては経済的な観点からは高濃度、例えば30重量%以上などとすることが好ましいが、分級などによるフィルム長手方向での色むらを防止する観点から、マスターバッチ濃度は1〜30重量%であることが好ましく、2〜20重量%であればさらに好ましい。
本発明で使用する有機顔料は特に限定されないが、例えば、縮合アゾ系、アンスラキノン系、イソインドリン系、キノフタロン系、ベンズイミダゾロン系、ジケトピロロピロール系やイソインドリノン系などの有機顔料を挙げることができる。これらの有機顔料は2種類以上併用しても良い。
単層フィルムの場合の本発明のポリエステルフィルム中に含有される有機顔料、また、積層フィルムの場合にポリエステル樹脂層(A)中に含有される有機顔料は、その分子量が610〜1000であることが好ましい。分子量が610未満の場合には、高温長時間の殺菌処理などの熱処理で顔料がフィルム内部から析出し易いので、包装材料として用いた場合、消費者の体や衣服などに色写りする場合がある。また、本ポリエステルフィルムを回収し、回収原料として再び使用する際の製膜工程における乾燥時や熱処理時において顔料が析出してしまう場合があり、工程汚れの原因となる場合がある。
分子量が610〜1000である有機顔料としては、カラーインデックス・ピグメントイエロー16(分子量726)、カラーインデックス・ピグメントイエロー81(分子量754)、カラーインデックス・ピグメントイエロー93(分子量937)、カラーインデックス・ピグメントイエロー94(分子量957)、カラーインデックス・ピグメントイエロー95(分子量917)、カラーインデックス・ピグメントイエロー110(分子量642)、カラーインデックス・ピグメントイエロー113(分子量795)、カラーインデックス・ピグメントイエロー124(分子量750)、カラーインデックス・ピグメントイエロー168(分子量920)、カラーインデックス・ピグメントイエロー169(分子量911)、カラーインデックス・ピグメントイエロー180(分子量732)、カラーインデックス・ピグメントオレンジ17(分子量792)、カラーインデックス・ピグメントレッド42(分子量733)、カラーインデックス・ピグメントレッド144(分子量826)、カラーインデックス・ピグメントレッド166(分子量794)、カラーインデックス・ピグメントブルー25(分子量793)などを挙げることができる。中でも包装材料として用いる場合の色調の点でカラーインデックス・ピグメントイエローが好ましく、さらに耐熱性の点でカラーインデックス・ピグメントイエロー95、カラーインデックス・ピグメントイエロー180が最も好ましく用いられる。
有機顔料を含有する本発明のポリエステル単層フィルムや、積層フィルムを構成する樹脂層(A)は、エチレンテレフタレート環状三量体の含有量が0.2〜0.9重量%であることが好ましい。環状三量体含有量を0.2重量%未満にすることは原理的には可能であっても、製造コストが莫大となり経済的に不利となるので好ましくない。また、0.9重量%より多くなると、レトルト熱処理や乾熱処理による殺菌処理を行った際に、環状三量体の析出、結晶化物が認められ、外観を損ねる問題がある。0.3〜0.85重量%含有することがより好ましく、0.4〜0.8重量%であることがさらに好ましい。経済性、フィルムの耐熱性、取扱いやすさを考えれば、0.5〜0.8重量%であることが特に好ましい。
エチレンテレフタレート環状三量体含有量を上記の範囲とする方法としては、製膜前の原料樹脂段階でのオリゴマー含有量を低減しておくことが好ましい。その方法としては、融点以下の温度において減圧下または不活性ガス雰囲気下で固相重合反応を行う方法が挙げられる。また、水中で固化した樹脂を熱処理する方法や溶媒により固化した樹脂からオリゴマーを抽出する方法も挙げることができる。これらの手法の中でも固相重合法がより好ましい方法である。
本発明で使用するポリエステル樹脂の製造方法の具体的な例としては、次のようなものが挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレートを製造するに際して、重合触媒として三酸化アンチモンを添加する場合には、ジカルボン酸のエステル形成誘導体であるテレフタル酸ジメチル100重量部に、グリコールであるエチレングリコール67重量部を添加し、それに酢酸マグネシウム0.04重量部、三酸化アンチモン0.03重量部を加え徐々に昇温し、反応によって生成するメタノールを反応系外に留出させながら最終的に220℃にてエステル交換反応を行う。ついで、リン酸85%水溶液0.025重量部添加し、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、1hPaまで昇温、減圧し所望の極限粘度となるまで重縮合反応を行うことによりポリエチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、回収して繰り返し使用する場合の色調再現性のために、200℃で120分間の熱処理を施した際の色差ΔE*abが10未満であることが必要である。上記の条件で熱処理を施した際の色差ΔE*abが10以上であると、ポリエステルフィルムを回収し、再び原料として用いる場合、本来の色調を再現することができず、回収原料の再使用が実用上困難である。より好ましくは、ΔE*abが8未満であり、5未満であると最も好ましい。このため、本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂層(A)に含有される有機顔料は200℃においても変色しない、耐熱性の高いものを使用することが好ましい。
有機顔料の耐熱性は化学構造に起因するが、本発明において、特に優れた耐熱性を示す有機顔料は、縮合アゾ系、イソインドリン系、アンスラキノン系である。これらの有機顔料を使用することで本発明のポリエステルフィルムは特に優れた回収原料再現性を示すことができる。さらに、有機顔料の耐熱性を向上させる手段としては、例えば親水性基を導入する方法や、顔料粒子の粒径をコントロールし、取扱い性及び、透明性などが悪化しない程度に微細化を抑える方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、有機顔料の耐熱性は展色剤の影響を受けるため、顔料粉末の耐熱性が高ければよいというわけではなく、ポリエステル樹脂に混練した状態での耐熱性が高いことが重要である。
本発明のポリエステルフィルムを回収原料として、再び使用する場合の回収原料の添加量は特に限定されないが、色調の再現性の点で90重量%未満であることが好ましい。また、回収原料を再使用することによって得られる経済性の観点からは10重量%以上添加することが好ましい。より好ましくは20〜80重量%であり、30〜70重量%であると最も好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、意匠性の観点から、透過法で測定されるフィルムのL*a*b*表色系におけるL*値が80〜95であることが好ましい。より好ましくは85〜95である。前記数値範囲内であれば、透明で見た目の美しさを活用することができる。L*値が80未満であれば、着色剤の濃度むらが顕著になるだけでなく、成形加工による厚みの変化による色むらが顕著になってしまうことがある。また、添加顔料濃度が高くなり、経済的に不利になるだけでなく、溶融押出時のポリマーの溶融粘度が高くなりすぎる場合がある。一方、L*値を95を超える値にしようとすると、有機顔料添加量を少なくするか、フィルムを薄くしなければならず、特に後者の場合、包装材料として使用した場合、内容物の保護や取扱い性の点で問題となる場合がある。なお、ここでのL*a*b*表色系におけるL*値の測定はJIS Z−8722−2000に基づき、フィルム1枚を用いた透過測定にて行った。
また、本発明のポリエステルフィルムは、包装材料としての意匠性の点からL*a*b*表色系におけるb*値が10〜40であることが好ましい。さらに好ましくは10〜35であり、15〜30であれば特に好ましい。
また、L*a*b*表色系におけるa*値が−12〜0であることが包装材料として使用する際の外観の点から好ましい。−10〜−2であればより好ましい。
L*a*b*表色系におけるL*値、a*値、b*値を上記好ましい範囲内にするには、着色剤の種類と添加量を調整することにより制御することができる。
また、レトルト処理時のフィルム白化による色調変化および、ばらつきを抑制するためには、有機顔料を含有するポリエステル樹脂層(A)の少なくとも片面に積層されたポリエステル樹脂層(B)が、スルホン酸アルカリ金属塩を有する残基を0.1〜20モル%含有するポリエステル樹脂層であることが好ましい。このポリエステル樹脂層(B)におけるスルホン酸アルカリ金属塩を有する残基の含有量は、生産性、経済性、フィルム取扱い性の観点から0.1〜15モル%であることが好ましく、1〜10モル%が特に好ましい。スルホン酸アルカリ金属塩を有する残基が0.1モル%未満の含有量ではレトルト処理時にフィルムが白化してしまう場合がある。また、20モル%を超えて含有すると、ポリエステル樹脂の取扱いが難しくなることがある。
ここで、スルホン酸アルカリ金属塩を有する残基をポリエステル樹脂中に導入するために共重合させるモノマ成分としては、エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化合物、例えば5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、2−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸などのアルカリ金属塩及び、これらのエステル形成誘導体などを挙げることができる。これらの中でも取扱い性などの点で、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸のナトリウム塩もしくはカルシウム塩を用いることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムが積層フィルムである場合の好ましい積層厚み比(樹脂層(A)厚み/全体厚み)は0.5〜1である。製膜性の観点からより好ましい積層厚み比は0.6〜0.95であり、0.7〜0.9であれば特に好ましい。また、フィルム全体の厚みとしては、単層フィルム、積層フィルムどちらの場合でも5〜100μmが好ましい。基材に貼り合わせた後に包装容器に成形加工することを考慮すると5〜30μmであることが好ましく、8〜25μmであることがより好ましい。
上記のように、本発明のポリエステル積層フィルムは、有機顔料を含有するポリエステル樹脂層(A)の少なくとも片面にスルホン酸アルカリ金属塩を有する残基を0.1〜20モル%含有するポリエステル樹脂層(B)を積層していることが好ましいが、積層構成はこれに限定されるものではなく、さらに他の高分子成分からなる層を配置した積層フィルムであってもよい。しかしながら、有機顔料を含有する樹脂層(A)のみからなる単層フィルムの場合では、金属板に貼り合わせて使用しレトルト熱処理を施した際に、フィルムに水玉模様の白化が発生してしまう場合がある。また、樹脂層(A)の両面に樹脂層(B)を積層したB/A/Bの3層積層フィルムとした場合、レトルトの水蒸気でフィルム表面に凹み状の欠点ができてしまい、外観を損なわれる場合があるので、A/B型の2層フィルムとすることが特に好ましい。また、このような積層フィルムの場合には樹脂層(B)側を接着面とすることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムは取扱い性と加工性を向上させるために、平均粒子径0.01〜10μmの内部粒子、無機粒子および/または有機粒子を0.01〜3重量%含有することが好ましい。内部粒子の析出法としては、例えば、特開昭48−61556号公報、特開昭51−12860号公報、特開昭53−41355号公報、特開昭54−90397号公報などに記載の技術を採用することができる。さらに特開昭55−20496号公報や特開昭59−204617号公報などの他の粒子を併用することもできる。なお、10μmを超える平均粒子径を有する粒子を使用すると、フィルムに欠陥が生じることがあるので注意を要する。
かかる無機粒子としては、例えば、湿式及び乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミ、マイカ、カオリン、クレーなどを使用することができる。中でも、湿式及び乾式シリカ、アルミナなどの無機粒子スチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする粒子を使用することが好ましい。さらに、これらの内部粒子無機粒子及び有機粒子は2種類以上併用してもよい。
本発明のポリエステルフィルムの製造方法は特に限定されないが、例えばポリエステル樹脂を必要に応じて乾燥した後、公知の溶融押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出し、静電印加などの方式により、キャスティングドラムに密着させ、冷却固化し未延伸シートを得た後、かかる未延伸シートを延伸する方法が挙げられる。
かかる延伸方式としては、同時二軸延伸、逐次二軸延伸のいずれでもよい。すなわち、未延伸シートをフィルムの長手方向及び幅方向に延伸、熱処理し、目的とする面配向度のフィルムを得る方法が採用される。これらの方式の中では、フィルムの品質の点で、テンター方式によるものが好ましく、長手方向に延伸した後に、幅方向に延伸する逐次二軸延伸方式、または長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方式などが面配向係数のばらつき抑制、厚みむら抑制の点から好ましく用いられる。
かかる延伸方法において、採用される延伸倍率としては、それぞれの方向に好ましくは1.6〜4.2倍、さらに好ましくは2.4〜4.0倍である。また、延伸速度は100〜200000%/分であることが望ましく、延伸温度はポリエステルのガラス転移点〜ガラス転移点+100℃の温度範囲であれば任意の温度とすることができるが、好ましくは、80〜170℃、特に好ましくは長手方向の延伸温度を90〜150℃、幅方向の延伸温度を100℃〜150℃とするのがよい。フィルムに非常に優れた成形性を付与するためには、特に長手方向の延伸温度を100〜130℃とすることが好ましく、特に縦延伸前において、100℃以上の高温で1〜100秒間程度結晶化しない範囲において予熱した後、延伸することは、均一な延伸による優れた平面性、配向むら抑制による優れた成形性の発現などの点で好ましいことである。さらに、延伸は各方向に対して複数回行ってもよい。
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行うことができる。この熱処理は、オーブン中、加熱されたロール上など従来公知の任意の方法により行うことができる。熱処理温度は、延伸温度〜原料の融点の範囲の任意の温度とすることができるが、成形加工性と耐衝撃性の点から160〜235℃の熱処理温度であることが好ましい。かかる温度より低温であれば、耐衝撃性が悪化し、高温であれば成形加工性が悪化することがある。また、熱処理時間は他の特性を悪化させない範囲においては任意とすることができるが、通常1〜30秒間行うのが好ましい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向及び/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。
本発明のポリエステルフィルムは有機顔料を含有しているために意匠性に優れており、包装材料として好ましく使用される。例えば、フィルム上にアルミニウムなどの金属化合物や、アルミナ、シリカなどの金属酸化物を蒸着したり、アルミ箔を貼り合わせてガスバリア包材として使用できる。また、その際、直接あるいは間接的にポリエチレン、ポリプロピレンなどの無延伸フィルムをシーラントとして接着剤を用いて貼り合わせたり、押出ラミネートして用いても良い。さらには、金属板、プラスチックシート、紙などの基材に貼り合わせた後に容器などに成形加工して用いることは好ましいことである。特に金属板に貼り合わせた後に成形加工して用いることは、金属特有の光沢を利用でき、本発明のポリエステルフィルムの有する、優れた意匠性をさらに引き立てることとなるので特に好ましい。
(物性・評価)
ポリマー、フィルムの物性や特性は以下の方法にて測定、評価した。
(1)ポリエステル樹脂の融点(Tm)
ポリエステル樹脂を約5mgとり、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製RDC220型)により、20℃/分の昇温速度で熱特性を測定し、融解のピーク温度を融点(Tm)とした。
(2)積層厚み比
フィルムの断面を超薄切片法で透過型電子顕微鏡(日立製作所製TEM H7100)にて写真撮影し、フィルムの積層厚み比を測定した。測定はフィルム幅方向での中央部の任意の5ヶ所について倍率20000倍で観察し、その平均値から積層厚み比を求めた。また、フィルム全体の厚みはダイヤルゲージを用いて任意の5ヶ所を測定し平均値を採用した。
(3)スルホン酸アルカリ金属塩を有する残基量
蛍光X線測定により、スルホン酸基が有するイオウ元素についてピーク強度を求め、ピーク強度と検量線の関係を予め作成しておくことでイオウ元素の含有量を定量した。イオウ元素の含有量からスルホン酸アルカリ金属塩を有する残基量を算出した。なお、スルホン酸アルカリ金属塩を有する残基の構造が特定されない場合は、樹脂をヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)はHFIPとクロロホルムの混合溶媒など良溶媒に溶解後、H−NMR及び13C−NMRを用いて構造と含有量を定量することができる。
(4)有機顔料濃度
フィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解後、H−NMR及び、13C−NMRを用いて着色剤濃度を測定した。なお、積層フィルムの場合は、有機顔料含有層を削り取り測定することで定量を行った。なお、有機顔料の特定はラマン分光法における共鳴ラマン効果を用いてフィルム中の顔料からのラマンバンドを励起波長を変更することで得て、顔料標準サンプルのラマンバンドと比較することにより行うことができる。
(5)フィルム中の環状三量体量
フィルム100mgをオルソクロロフェノール1mLに溶解し、液体クロマトグラフィー(Varian社製モデル8500)で環状三量体量を測定した。なお、積層フィルムの場合は、層(A)を削り取り、測定することで定量を行った。
(6)フィルムの耐熱変色性(色差ΔE*ab)
JIS Z 8722(2000年)に基づき、分光式色差計(日本電色工業製SE−2000、光源 ハロゲンランプ 12V4A、0°〜−45°後分光方式)を用いて、各フィルムの色調(L*値、a*値、b*値)を透過法により測定した。測定は温度23℃、湿度65%の雰囲気中で行った。フィルムの任意の5ヶ所を選び出して測定を行い、その平均値を採用した。
また、200℃、120分で熱処理した後、60分間、上記雰囲気条件下で保存した後に、上記と同様に色調を測定した。
熱処理前の測定値と熱処理後の測定値から、その差ΔL*、Δa*、Δb*を求めた。その後、ΔE*abを以下の式より求めた。
ΔE*ab=(Δa* Δb*+ΔL*1/2
(7)回収原料再現性(回収原料耐変色性)
回収原料とバージン原料とを所定割合で混合した樹脂原料から製膜されたフィルムの色調(L*値、a*値、b*値)を、前記した方法で測定した。バージン原料100%の樹脂原料から製膜されたフィルムの色調との差ΔL*、Δa*、Δb*を求めた。その後、ΔE*abを以下の式より求めた。
ΔE*ab=(Δa* Δb*+ΔL*1/2
回収原料を含有する樹脂原料から製膜されて得られたフィルムと、バージン原料100%の樹脂原料から製膜されて得られたフィルムとの色調対比、及び、ΔE*abの値から、以下の基準で、回収原料再現性の評価を行った。
○: バージン原料で製膜したフィルムと回収原料を含有する樹脂原料で製膜したフィルムの色調の違いが目視では認識できず、ΔE*abが2.0未満であった。
△: バージン原料で製膜したフィルムと回収原料を含有する樹脂原料で製膜したフィルムの色調の違いが目視では認識できないが、ΔE*abが3.0以上であった。
×: バージン原料で製膜したフィルムと回収原料を含有する樹脂原料で製膜したフィルムの色調の違いが目視で認識できた。
(8)耐有機顔料析出性
フィルムを20cm×30cmの金属枠に両面テープで貼り付けて固定し、その上に白色のポリエステルシートを重ね、さらにその上に、500gのおもりを載せ、熱風オーブンにて150℃120分の乾熱処理を行った。熱処理後、白色のポリエステルシートを観察し、以下の基準で評価した。
○:白色のポリエステルシートに変化はなかった。
×:白色のポリエステルシートに着色剤が色写りした。
(9)耐レトルト白化性
フィルムを285℃に加熱した鋼板(厚さ0.25mm)の両面に30m/分の速度で貼り合わせ、25℃の水で急冷し、フィルムラミネート鋼板を作成した。該鋼板をレトルト釜にて、130℃5分間のレトルト熱処理を行った。その際、鋼板の上に20℃の水を500mL入れたステンレス製のバットを静置した。その後、バットと反対面のフィルムの状態について以下の基準で評価を行った。なお、積層フィルムの場合は層(B)が鋼板と接触するように貼り合わせを行った。
○:レトルト熱処理でフィルムに変化が見られなかった。
×:レトルト熱処理でフィルムに水玉模様の白化が発生した。
(10)耐オリゴマー析出性
(9)と同様の方法でフィルムラミネート鋼板を作成し、得たサンプル鋼板をレトルト釜にて120℃120分間のレトルト熱処理を行った。その後、ラミネート鋼板の表面状態を目視及び、光学顕微鏡で観察(倍率400倍)し、以下の基準で評価を行った。
○:目視では白粉は確認されなかった。
×:目視で、白粉が観察された。
(ポリエステル樹脂原料の製造方法)
以下の実験において使用したポリエステル樹脂原料は以下のようにして製造した。
(ポリエステルX)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール70重量部の混合物に酢酸マンガン0.04重量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながら、エステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.025重量部、二酸化ゲルマニウム0.02重量部を添加し、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.67となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングしてポリエチレンテレフタレート(ポリエステルX)を得た。なお、このポリエステルXの融点は255℃であった。
(ポリエステルY)
テレフタル酸ジメチル100重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル8重量部、エチレングリコール82重量部の混合物に、酢酸マグネシウム0.06重量部、酢酸リチウム0.16重量部、三酸化アンチモン0.04重量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを系外に留出させながら、エステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.045重量部、数平均分子量1000のポリエチレングリコール1.1重量部を添加して、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.67となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして5−スルホイソフタル酸ナトリウムを5モル%共重合したポリエチレンテレフタレート樹脂(ポリエステルY)を得た。なお、このポリエステルYの融点は246℃であった
(ポリエステルZ)
ポリエステルXを回転型真空重合装置を用いて、1hPaの減圧下、230℃で極限粘度が0.72となるまで固相重合を行い、ポリエステルZを得た。なお、このポリエステルZの融点は255℃であった。
(粒子マスター)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール70重量部の混合物に酢酸マンガン0.04重量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながら、エステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.025重量部、二酸化ゲルマニウム0.02重量部を添加した。さらに、平均二次粒子径2.2μmの凝集粒子のエチレングリコールスラリーを粒子濃度が2重量%となるように添加して、徐々に昇温、減圧し、最終的に290℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.63となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして粒子マスター樹脂を得た。
(顔料マスターA)
ポリエステルXを粉末状に凍結粉砕し、縮合アゾ系の有機顔料カラーインデックス・ピグメントイエロー180(分子量732)を5重量%添加し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターAを得た。
(顔料マスターB)
ポリエステルXを粉末状に凍結粉砕し、縮合アゾ系の有機顔料カラーインデックス・ピグメントイエロー95(分子量917)を6重量%添加し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターBを得た。
(顔料マスターC)
ポリエステルXを粉末状に凍結粉砕し、イソインドリン系の有機顔料カラーインデックス・ピグメントイエロー139(分子量367)を6重量%添加し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターCを得た。
(顔料マスターD)
ポリエステルXを粉末状に凍結粉砕し、キノフタロン系の有機顔料カラーインデックス・ピグメントイエロー138(分子量694)を5重量%添加し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターDを得た。
(顔料マスターE)
ポリエステルXを粉末状に凍結粉砕し、ベンズイミダゾロン系の有機顔料カラーインデックス・ピグメントイエロー120(分子量453)を4重量%添加し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターEを得た。
(顔料マスターF)
ポリエステルXを粉末状に凍結粉砕し、アンスラキノン系の有機顔料カラーインデックス・ピグメントイエロー147(分子量600)を4重量%添加し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして顔料マスターFを得た。
(実施例1)
有機顔料を含有する層(A)のみから構成される単層フィルムを作製した。層(A)のポリエステル樹脂原料として、前記したポリエステルX、粒子マスター及び顔料マスターAを重量比で86.4:3.6:10の割合で混合して使用した。
混合されたポリエステル樹脂原料を真空乾燥機にて、180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、280℃で溶融し、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムとした。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度105℃で長手方向3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で5秒間の熱処理を行いフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。このフィルムの耐熱変色性及び耐有機顔料析出性を評価した。その結果は表1及び表5に示すとおりであり、このフィルムは良好な耐熱変色性を示し、耐有機顔料析出性にも優れたフィルムであった。
また、このフィルムを回収し、粉砕機にて細かく粉砕した。その後、この粉体を真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、ベント式二軸押出機に供給、280℃で溶融押出しし、ストランドカッターでカッティングし、ペレット状の回収原料を調製した。このときのペレットのサイズは、スクリューのかみ込みやすい大きさ(直径1〜5mm、高さ1〜5mm程度)とした。
この回収原料を真空乾燥機にて、180℃4時間乾燥した。前記したと同様の条件で乾燥したバージン原料に、乾燥した回収原料を所定割合で添加して、回収原料が50重量%もしくは95重量%含有された樹脂原料とし、これを単軸押出機に供給した。供給した原料を280℃で溶融し、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムとした。次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、最終的にフィルム温度105℃で長手方向3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却した。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度120℃で幅方向に3.2倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度230℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。
このようにして回収原料を含有させて製膜されたフィルムについて、色調(L*値、a*値、b*値)を測定した。バージン原料100%から製膜されたフィルム(前述したフィルム)の色調との対比及びΔE*ab値から回収原料再現性を評価した。
その結果は表2に示すとおりであり、回収原料50重量%含有の樹脂原料から製膜されたフィルムはΔE*abの値が低く回収原料再現性に優れていた。また、回収原料95重量%含有の樹脂原料から製膜されたフィルムは、回収原料50重量%含有の樹脂原料から製膜されたフィルムに比べ、ΔE*abの値がやや高く、回収原料再現性がやや劣っていた。
(実施例2)
有機顔料を含有する層(A)のみから構成される単層フィルムを作製した。層(A)のポリエステル樹脂原料として、前記したポリエステルXと粒子マスター及び顔料マスターBを重量比で86.4:3.6:10の割合で混合して使用した。
この混合されたポリエステル樹脂原料を使用した以外、実施例1と同様の方法でフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。このフィルムの評価結果は表1及び表6に示すとおりであり、このフィルムは良好な耐熱変色性を示した。
さらに、このフィルムから調整された回収原料を使用し、実施例1と同様の方法により、回収原料を含有する樹脂原料から、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。
得られた二軸配向フィルムについて評価した結果は表2に示すとおりであり、このフィルムは実施例1と同様、回収原料再現性に優れたフィルムであった。
(実施例3)
有機顔料を含有する層(A)のみから構成される単層フィルムを作製した。層(A)のポリエステル樹脂原料として、前記したポリエステルXと粒子マスター及び顔料マスターCを重量比で86.4:3.6:10の割合で混合して使用した。
この混合されたポリエステル樹脂原料を使用した以外、実施例1と同様の方法でフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。このフィルムの評価結果は表1及び表7に示すとおりであり、このフィルムは良好な耐熱変色性を示した。
さらに、このフィルムから調整された回収原料を使用し、実施例1と同様の方法により、回収原料を含有する樹脂原料から、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。
得られた二軸配向フィルムについて評価した結果は表2に示すとおりであり、このフィルムは実施例1と同様、回収原料再現性に優れたフィルムであった。
Figure 0004867141
Figure 0004867141
(比較例1)
有機顔料を含有する層(A)のみから構成される単層フィルムを作製した。層(A)のポリエステル樹脂原料として、前記したポリエステルXと粒子マスター及び顔料マスターDを重量比で86.4:3.6:10の割合で混合して使用した。
この混合されたポリエステル樹脂原料を使用した以外、実施例1と同様の方法でフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。このフィルムの評価結果は表2に示すとおりであり、このフィルムは熱処理を施すと、変色を起こし、耐熱変色性に劣っていた。
さらに、このフィルムから調整された回収原料を使用し、実施例1と同様の方法により、回収原料を含有する樹脂原料から、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。
得られた二軸配向フィルムについて評価した結果は表4に示すとおりであり、回収原料再現性に劣るフィルムであった。
(比較例2)
有機顔料を含有する層(A)のみから構成される単層フィルムを作製した。層(A)のポリエステル樹脂原料として、前記したポリエステルXと粒子マスター及び顔料マスターEを重量比で86.4:3.6:10の割合で混合して使用した。
この混合されたポリエステル樹脂原料を使用した以外、実施例1と同様の方法でフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。このフィルムの評価結果は表2に示すとおりであり、このフィルムは比較例1と同様、熱処理を施すと、変色を起こし、耐熱変色性に劣っていた。
さらに、このフィルムから調整された回収原料を使用し、実施例1と同様の方法により、回収原料を含有する樹脂原料から、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。
得られた二軸配向フィルムについて評価した結果は表4に示すとおりであり、回収原料再現性に劣るフィルムであった。
(比較例3)
層(A)のポリエステル樹脂原料として、前記したポリエステルXと粒子マスター及び顔料マスターBを重量比で9.6:0.4:90の割合で混合して使用し、実施例1と同様の方法により、有機顔料を含有する層(A)のみから構成される単層フィルムの製膜を試みた。
この混合されたポリエステル樹脂原料を単軸押出機に供給したところ、原料濃度が高かったため、せん断発熱が発生し、Tダイから出てきた樹脂に発砲ガスが含まれてしまい、フィルムを得ることができなかった。
Figure 0004867141
Figure 0004867141
(実施例4)
有機顔料を含有する層(A)のみから構成される単層フィルムを作製した。層(A)のポリエステル樹脂原料として、前記したポリエステルXと粒子マスター及び顔料マスターFを重量比で86.4:3.6:10の割合で混合して使用した。
この混合されたポリエステル樹脂原料を使用した以外、実施例1と同様の方法でフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。このフィルムの評価結果は表5に示すとおりであり、このフィルムは良好な耐熱変色性を示したが、熱処理を施した際の、耐有機顔料析出性に劣るフィルムであった。
さらに、このフィルムから調整された回収原料を使用し、実施例1と同様の方法により、回収原料を含有する樹脂原料から、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。
得られた二軸配向フィルムについて評価した結果は表5に示すとおりであり、このフィルムは実施例1と同様、回収原料再現性に優れたフィルムであった。
Figure 0004867141
(実施例5)
有機顔料を含有する層(A)と、含有しない層(B)でA/Bの2層積層フィルムを作製した。層(A)のポリエステル樹脂原料として、前記したポリエステルXと粒子マスター及び顔料マスターAを重量比で86.4:3.6:10の割合で混合して使用した。層(B)のポリエステル樹脂原料として、前記したポリエステルYと粒子マスターを重量比96:4の割合で混合して使用した。
各々混合されたポリエステル樹脂原料を個別に真空乾燥機にて、180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、別々の単軸押出機に供給、280℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内で、層(A)/層(B)となるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムとした。
次いで、実施例1と同様の延伸方法で延伸及び熱処理を行いフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。
このフィルムの評価結果は表6に示すとおりであり、このフィルムは良好な耐熱変色性を示し、かつレトルト熱処理を施した際の耐白化性にも優れたフィルムであった。
さらに、このフィルムから調整された回収原料を使用し、実施例1と同様の方法により、回収原料を含有する樹脂原料から、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。
得られた二軸配向フィルムについて評価した結果は表6に示すとおりであり、このフィルムは実施例1と同様、回収原料再現性に優れたフィルムであった。
Figure 0004867141
(実施例6)
有機顔料を含有する層(A)のみから構成される単層フィルムを作製した。層(A)のポリエステル樹脂原料として、前記したポリエステルZと粒子マスター及び顔料マスターCを重量比で86.4:3.6:10の割合で混合して使用した。
この混合されたポリエステル樹脂原料を使用した以外、実施例1と同様の方法でフィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。このフィルムの評価結果は表7に示すとおりであり、このフィルムは良好な耐熱変色性を示し、かつレトルト熱処理を施した際の耐オリゴマー析出性にも優れたフィルムであった。
さらに、このフィルムから調整された回収原料を使用し、実施例1と同様の方法により、回収原料を含有する樹脂原料から、フィルム厚み12μmの二軸配向フィルムを作製した。
得られた二軸配向フィルムについて評価した結果は表7に示すとおりであり、このフィルムは実施例1と同様、回収原料再現性に優れたフィルムであった。
Figure 0004867141
本発明によれば、ポリエステルフィルム中に、耐熱性に優れた有機顔料を含有し、熱処理を施した際の変色が抑制され、意匠性に優れたポリエステルフィルムが得られるために、食品の包装用途、特に熱処理などの殺菌処理の必要な食品包装用途に好適なフィルムを提供することができる。具体的には金属缶ラミネートフィルム、パウチ系容器などに用いることができる。特に金属缶の外面被覆用に好ましく適用できる。
また、本発明のポリエステルフィルムを回収原料として再使用した場合、バージン原料に比した色調再現性に優れているので、繰り返し使用可能であるために、環境への付加が少なく、また経済的にも優れたポリエステルフィルムである。

Claims (6)

  1. カラーインデックス・ピグメントイエロー180、カラーインデックス・ピグメントイエロー95、カラーインデックス・ピグメントイエロー139、および、カラーインデックス・ピグメントイエロー147からなる群より選ばれる有機顔料を0.1〜1重量%含有する層を有し、透過法で測定されるフィルムのL*a*b*表色系におけるL*値が80〜95であり、かつ、200℃で120分間の熱処理を施した際の色差ΔE*abが10未満であることを特徴とするポリエステルフィルム。
  2. カラーインデックス・ピグメントイエロー180、カラーインデックス・ピグメントイエロー95、カラーインデックス・ピグメントイエロー139、および、カラーインデックス・ピグメントイエロー147からなる群より選ばれる有機顔料を0.1〜1重量%含有するポリエステル樹脂層(A)の少なくとも片面に他のポリエステル樹脂層(B)が積層されてなるポリエステルフィルムであって、透過法で測定されるフィルムのL*a*b*表色系におけるL*値が80〜95であり、かつ、200℃で120分間の熱処理を施した際の色差ΔE*abが10未満であることを特徴とするポリエステルフィルム。
  3. 有機顔料の分子量が610〜1000であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリエステルフィルム。
  4. ポリエステル樹脂層(B)が、スルホン酸アルカリ金属塩を有する残基を0.1〜20モル%含有するポリエステル樹脂層(B)であることを特徴とする請求項2又は3に記載のポリエステルフィルム。
  5. 有機顔料を含有するポリエステル樹脂層(A)中におけるエチレンテレフタレート環状三量体の含有量が0.2〜0.9重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
  6. 金属板に貼り合わせて用いられるフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
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