JP2009132146A - 成型加飾用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

成型加飾用積層ポリエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は上記した問題点を解消することにある。すなわち、見る角度によって色が変化するパール光沢という特殊な加飾機能を有し、さらに成形性に優れる、成形用加飾フィルムに適したポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】
ポリエステルフィルム全体を100質量%としてパール顔料を0.001〜10質量%含有しており、150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の100%伸長時応力(F100値)が1〜70MPaである加飾用ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明はポリエステルフィルムに関し、パール調を示し、成型応力が低いことから成型加飾用に好適に使用することができる、成型加飾用積層ポリエステルフィルムに関するものである。
近年、自動車部材、電子機器、建材分野で、溶剤レス塗装、六価クロム代替などの環境低負荷化の要望が高まり、成型用加飾シート、成型用加飾フィルムを使用した成型部材の加飾方法の導入が進んでいる。
成型用加飾フィルムとしては、ポリエステルフィルムに金属を蒸着させて金属光沢調を発現させ、電子機器や自動車部品に使用する例が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この提案では金属光沢調を発現するものであり、最近のトレンドである見る角度によって色が変化するパール調といった特殊な加飾機能は保有していない。
また、パール顔料を含有させ、ポリエステルフィルムに半透過反射性能を付与させて、液晶表示装置の光源部に用いられる提案がされている(例えば特許文献2参照)。 ここでは、フィルムの透過、反射光の制御のためにパール顔料を使用しているため、パール顔料濃度が高いため、意匠性は低く、さらに成型性に劣るものであるため、成形加飾用途には使用できるものではなかった。
特開2006−297853号公報 特開2007−016056号公報
本発明の課題は上記した問題点を解消することにある。すなわち、見る角度によって色が変化するパール光沢という特殊な加飾機能を有し、さらに成型性に優れる、成型用加飾フィルムに適したポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。すなわち、
(1)ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、パール顔料を10〜70質量%含有したコート層を積層してなり、190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の100%伸長時応力(F100値)が1〜60MPaである成型加飾用積層ポリエステルフィルム、
(2)190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の破断伸度が180〜800%である(1)に記載の成型加飾用積層ポリエステルフィルム、
(3)フィルムを任意の方向に2倍延伸した後のコーティング層の表面光沢の変化率が0〜15%である(1)または(2)に記載の成型加飾用積層ポリエステルフィルム、
(4)ポリエステルフィルム全体を100質量%としてパール顔料を0.001〜10質量%含有する、(1)〜(3)のいずれか記載の成型加飾用積層ポリエステルフィルム、
(5)初期色調E1と、耐候試験を行なった後の色調E2との差(E1−E2)が1.2以下である(1)〜(4)記載の成型加飾用積層ポリエステルフィルム。
(6)ポリエステルフィルムを構成するグリコール残基成分の40〜90モル%がエチレングリコール残基、10〜60モル%が1,4−ブタンジオール残基および/または1,3−プロパンジオール残基、0〜20モル%がその他のグリコール成分である(1)〜(4)のいずれかに記載の成型加飾用積層ポリエステルフィルム、
(7)インサート成型用途に使用する(1)〜(6)のいずれかに記載の成型加飾用ポリエステルフィルム、
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の成型加飾用積層ポリエステルフィルムを成形部材用基材に貼合わせた成形加飾用積層シート、
(9)(8)に記載の成形加飾用積層シートを成型してなる成型部材、
である。
本発明の成型加飾用積層ポリエステルフィルムは、成型用加飾フィルムとして使用することで、優れた外観の成型部材を作製することができる。
本発明の成型加飾用積層ポリエステルフィルムは、意匠性の高いパール調を発現させるために、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、パール顔料をコート層を基準として10〜70質量%含有しているコート層を積層されてなる。コート層中のパール顔料が10質量%未満であれば、濃度が低すぎて優れたパール調を発現することができない場合がある。また、パール顔料を70質量%よりも多く含有する場合は、パール感が強くなりすぎて、逆に意匠性が低下してしまう。より好ましいパール顔料の含有量は15〜65質量%であり、20〜60質量%であれば最も好ましい。
ここでいうパール顔料とは、薄片状粒子の表面に金属を薄膜被覆させ、薄膜干渉効果によってパール光沢を発現させる顔料のことを指す。金属薄膜層の層厚みを制御することで、干渉波長を変化させ、様々なパール光沢を発現させるものである。一般的には薄片状雲母粒子の表面を酸化チタンまたは酸化鉄により被覆したものが用いられている。
本発明で用いるパール顔料は、フィルムへのコート性、優れたパール光沢の発現性の点で、平均長径が1〜120μmであることが好ましい。平均長径が120μmより大きい場合は、コーティング時に斑になってしまう場合があるので好ましくない。また、平均長径が1μm未満の場合は、優れたパール光沢を発現しない場合があるので好ましくない。パール顔料の平均長径は好ましくは、1〜100μmであり、2〜80μmであれば最も好ましい。
また、パール顔料の短径は、フィルムへのコート性、優れたパール光沢の発現性の点から、0.01〜10μmであることが好ましい。平均短径が10μmより大きい場合は、フィルムへのコーティング時に斑になってしまう場合があるので好ましくない。また、平均短径0.01μm未満の場合は、優れたパール光沢を発現しない場合があるので好ましくない。パール顔料の平均短径は好ましくは、0.01〜9μmであり、0.02〜9μmであれば最も好ましい。
パール顔料は扁平の形状をとっていることが多く、パール顔料は扁平の形状をとっていることが多く、平均長径とは、測定断面における粒子の重心をとおる最も長い径の長さを意味する。また、平均短径とは、同様に最も短い粒子の径の長さを意味する。
ここで、パール顔料の平均長径および平均短径の測定方法については特に限定されないが、例えば、フィルムの断面を走査型電子顕微鏡などを用いて、1000倍の倍率で場所を変えてパール顔料を100個観察して、観察した画像をイメージアナライザーなどに取り込んで、画像解析することによって測定することができる。
ここでいう平均粒径とは数平均粒径のことを指し、平均長径が300μm以上の粗大顔料が存在する場合は、それを除いて平均値を算出する。
本発明において、パール顔料をコートする方法としては特に限定されないが、押出ラミネート法、メルトコーティング法を用いてもよいが、高速で薄膜コートできる点で、例えば、グラビアコート、リバースコート、スプレーコート、キッスコート、ダイコート、あるいはメタリングバーコートすることにより積層する方法が好ましく使用される。また、コーティング層をフィルム製造工程内でインラインで設ける方法として、少なくとも一軸延伸を行ったポリエステルフィルム上にパール顔料とバインダー樹脂を水に分散させたものをメタリングバーなどを用いて均一に塗布させ、延伸を行いながら塗剤を乾燥させる方法が好ましく、塗布前にコロナ処理を行うことが好ましい。
本発明におけるコート層には、バインダー樹脂としては特に限定されないが、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等が使用でき、
本発明の効果を損なわない範囲ないで各種の添加剤、耐候剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、増粘剤、分散剤等が配合されてもよい。
本発明の成型加飾用積層ポリエステルフィルムは、基材フィルムとしては、単層フィルムでもA/B2層以上の積層フィルムでもよい。A/B/Cの3層構成とする場合は、経済性、生産性の観点からは、C層を構成するポリエステルをA層を構成するポリエステルと同じにすることが好ましい。さらに、経済性、生産性を向上させるために、A層とC層の積層厚みは等しくすることが好ましい。
A/B2層構成とする場合は、両面ともにパール顔料をコーティングしていても、A層、B層どちらかの片面のみにコーティングしていてもよいが、A層、B層のどちらか片方のみにパール顔料をコーティングさせる方が、設備面で経済的に好ましい。また、コーティング厚みを制御することで、パール顔料の配向を制御することができるため、より効率的にパール光沢を発現できるため好ましい態様である。
また、A/B2層構成で、少なくとも1層に着色剤をコンパウンドし、片面にパール顔料をコーティングする構成も、その他の着色剤の層が下地の役割を果たすため、下地の色にパール光沢を付与する効果があるため、好ましい構成である。
A/B/A3層構成とする場合も、片面にパール顔料をコーティングさせる構成や、両面にパール顔料、B層にその他の着色剤を含有させる構成などが好ましく用いられ得る。
本発明の成型加飾用積層ポリエステルフィルムは、フィルムを任意の方向に2倍延伸した後のコーティング層の表面光沢の変化率が0〜15%であることが好ましい。ここで、光沢度とはJIS Z−8741(1997年)に基づいて測定した60度鏡面光沢の値を示す。2倍延伸した後のコーティング層の表面光沢の変化率が15%より大きいと、成型時に優れたパール調を発現することができない場合がある。コーティング層の表面光沢の変化率が0〜10%がより好ましく、0〜5%であれば最も好ましい。
また、光沢度の表面変化率を0〜15%に調整するには、コーティング層の厚みを0.01μm〜3μmとすることが好ましい。ここで、コーティング層の厚みとは、コーティング後の乾燥厚みのことをいう。コーティング層を3μm以上にしようとすると、成型時に割れや、粗れが発生してしまう場合がある。逆に0.01μm未満であれば、コーティング層のなかのパール顔料の配向が制御出来ずに、パール調が発現しない場合があるので好ましくない。コーティング層の層厚みは、コーティング剤の固形分濃度を調整したり、また、例えばメタリングバーであれば、メタリングバーの番手によってもコーティング層の厚みを調整することができる。コーティング層のより好ましい層厚みは0.05μm〜2μmであり、0.05μm〜1.5μmであれば最も好ましい。
コーティング剤の固形分濃度は10〜50質量%が好ましい。固形分濃度が50質量%以上にしようとすると、コーティング剤の粘度が高すぎ、コーティング時に斑が発生する場合がある。コーティング剤の固形分濃度のより好ましい濃度は、10〜45%である。
本発明の成型加飾用積層ポリエステルフィルムは、成型部材の成型加工時に要求される成型性の点から、190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の100%伸長時応力(F100値)が1〜60MPaであることが必要である。
成型加飾用積層フィルムの加工工程においては、赤外線ヒーターなどによる予熱工程を経た後に真空成型、圧空成型、プラグアシスト成型などの熱成型される工程を有する。成型加飾用積層フィルムは成型用部材に貼合せて成型する場合が多く、成型用部材としては、熱可塑性樹脂シート、金属板、紙、木材などが挙げられる。中でも、成型性の点で熱可塑性樹脂シートが好ましく用いられることから、基材の成型しやすい温度である190℃程度で成型されることが多い。このため、成型加飾用積層フィルムとしても190℃での成型応力を低くすることで、均一性成型が可能となり、成型後も優れた外観を保持することができる。
190℃における100%伸長時応力(F100値)が1MPa未満であると、成型加工での予熱工程でフィルム移送のための張力に耐えることができず、フィルムが変形、場合によっては破断してしまう場合があり、成型加飾用積層フィルムとして使用できない場合がある。逆に60MPaを越えると、熱成型時に変形が不十分であり、成型加飾用積層フィルムとしての使用に耐えないものとなってしまう。取扱い性、成型追従性の点で、190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の100%伸長時応力(F100値)は3〜50MPaであれば好ましく、5〜30MPaであれば最も好ましい。
また、成型加飾用積層ポリエステルフィルムは、複雑な形状、さらに高成型倍率への成型が可能となるため、190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の伸度が180〜800%であることが好ましい。
伸度が180%未満であると、高成型倍率の成型部材を成型する場合に、フィルムが破断してしまう場合があり、成型加飾用積層フィルムとして使用できない場合がある。また、800%を超えるフィルムの設計は、経済的ではなく、また耐熱性に劣る場合もあるため好ましくない。成型性、耐熱性、経済性の点で、フィルム長手方向および幅方向の伸度は250〜700%であれば好ましく、300〜600%であれば最も好ましい。
ここで本発明における190℃におけるフィルムの100%伸長時応力(F100値)、および伸度について説明する。試験長50mmの矩形型に切り出したフィルムサンプルを190℃に設定した恒温層中で90秒間の予熱後、300mm/分のひずみ速度で引張試験を行った際の100%伸長時における応力の値を100%伸長時応力(F100値)、フィルムが破断したときのフィルムの伸び率を伸度とした。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、190℃におけるフィルムの100%伸長時応力、伸度を上記の範囲とする方法としては、積層フィルムの製造時、フィルムの長手方向および幅方向に各々90〜130℃の温度において2.5〜3.5倍する条件であり、なおかつ、面倍率(長手方向延伸倍率×幅方向延伸倍率)が7〜11倍であることが好ましい。延伸温度は、使用する原料により適宜変更できるが、延伸温度は高温にするほど、配向が抑制されるため、好ましい。さらに、延伸前の熱処理温度も、延伸温度と同等またはそれ以上に設定すると、より配向が抑制されるため好ましい。また、延伸後の熱固定工程において、熱処理温度を高温にすることで延伸による配向を緩和する点で好ましいことである。好ましい温度範囲は、200〜250℃、さらに好ましくは210〜245℃、最も好ましくは220〜240℃である。さらに、使用するポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート系の樹脂(A)とポリブチレンテレフタレート系樹脂および/またはポリトリメチレンテレフタレート系樹脂から選択されるポリエステル系の樹脂(B)を含んでなることが好ましい。
ここで、ポリエチレンテレフタレート系の樹脂(A)とは、100モル%ポリエチレンテレフタレートを構成成分とする樹脂、または、ポリエチレンテレフタレートに30モル%未満、好ましくは20モル%未満の共重合成分を共重合したポリエチレンテレフタレート(ただし、副生成するジエチレングリコールは共重合成分としては除く)を構成成分とする樹脂である。ポリエチレンテレフタレートへの共重合成分としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジヒドロキシ化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物などが挙げられるが、成形性、取扱い性の点で、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく使用される。また、好ましいジカルボン酸成分としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などを挙げることができる。また、ジカルボン酸エステル誘導体としては上記ジカルボン酸化合物のエステル化物、たとえばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸2−ヒドロキシエチルメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、ダイマー酸ジメチルなどを挙げることができるが、成形性、取扱い性の点で、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸が好ましく使用される。また、ポリエチレンテレフタレート系の樹脂(A)は、共重合成分を含まない100モル%ポリエチレンテレフタレートからなる樹脂(a1)と、共重合成分を20モル%未満含むポリエチレンテレフタレート系の樹脂(a2)のように、2種類以上のポリエチレンテレフタレート系の樹脂から構成されていてもよい。さらに、ポリエチレンテレフタレート系樹脂(a1)も共重合成分を30モル未満含んでいてもよく、ポリエチレンテレフタレート系の樹脂(A)は、3種類以上のポリエチレンテレフタレート系の樹脂をブレンドしてもよい。
また、ポリブチレンテレフタレート系樹脂およびポリトリメチレンテレフタレート系樹脂から選択されるポリエステル系の樹脂(B)とは、100モル%ポリブチレンテレフタレートを構成成分とする樹脂および/または100モル%ポリトリメチレンテレフタレートを構成成分とする樹脂、または、ポリブチレンテレフタレートおよび/もしくはポリトリメチレンテレフタレートに20モル%未満、好ましくは10モル%未満の共重合成分を共重合したポリエステルを構成成分とする樹脂である。また、ポリブチレンテレフタレート系の樹脂とポリトリメチレンテレフタレート系の樹脂を混合して用いても良い。ポリエステル系の樹脂(B)への共重合成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジヒドロキシ化合物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物などが挙げられる。また、好ましいジカルボン酸成分としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などを挙げることができる。また、ジカルボン酸エステル誘導体としては上記ジカルボン酸化合物のエステル化物、たとえばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸2−ヒドロキシエチルメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、ダイマー酸ジメチルなどを挙げることができる。
本発明の成形加飾用ポリエステルフィルムは、外観をさらに向上させるために、着色剤を添加してもよい。使用する着色剤としては、染料、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。しかし、染料ではポリエステルからの昇華が起こりやすく、製造工程を汚染する場合があるために無機、有機顔料が好ましく使用される。使用される無機顔料としては、例えば、ベンガラ、モリブデンレッド、カドミウムレッド、などの赤色顔料、赤口黄鉛、クロムパーミリオンなどの橙色顔料、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルーなどの青色顔料、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、コバルトグリーンなどの緑色顔料、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエローなどの黄色顔料、マンガンバイオレット、ミネラルバイオレットなどの紫色顔料、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸亜鉛などの白色顔料、カーボンブラック、黒色酸化鉄などの黒色顔料などが挙げられる。また、使用される有機顔料としては縮合アゾ、フタロシアニン、キナクリドン、ジオキサジン、イソインドリノン、キノフタロン、アンスラキノン系などを挙げることができる。これらの顔料の中でも、よりパール顔料のパール光沢を発現させる点で、無彩色である白色顔料、黒色顔料が好ましく使用される。これらの顔料の中でも、よりパール顔料のパール光沢を発現させる点で、無彩色である白色顔料、黒色顔料が好ましく使用される。
これらの着色剤の好ましい添加量はポリエステルフィルム全体を100質量%として、0.01〜30質量%であり、0.05〜20質量%であればさらに好ましく、0.1〜10質量%であれば最も好ましい。より好ましくは0.2〜25質量%含有していることが好ましく、0.5〜20質量%含有していれば最も好ましい。
さらに、上記着色剤以外に、パール顔料を添加するのが好ましい態様である。パール顔料の配合量については、ポリエステルフィルム全体を100質量%としてパール顔料を0.001〜10質量%含有せしめることが好ましい。パール顔料を含有するせしめる方法としては特に限定されないが、ポリエステル重合時に添加させたり、製膜時にポリエステル樹脂にドライブレンドさせたり、多量の顔料を含有したマスターペレットを作製しておき、製膜時に希釈して所定の顔料量に調整させるマスターバッチ法などが挙げられるが、均一分散性、経済性の点でマスターバッチ法が好ましく用いられる。
ここで、マスターバッチを製造する具体的な方法について説明する。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂を低温で凍結粉砕し、粉末状にしたものに所定のパール顔料を添加し、均一となるように混合した後、ベント式二軸押出機に供給し溶融混練する。この時に、パール顔料の分散助剤としてステアリルステアレートやステアリル酸マグネシウムなどを、マスターバッチ全体を100質量%として、0.01〜1質量%添加しても良い。このようにして着色混練した樹脂をストランド状に押出し、水中で冷却固化した後、カッターで所望のサイズにカッティングしてマスターバッチを得ることができる。なお、マスターバッチ中の着色剤濃度としては経済的な観点からは高濃度、例えばマスターバッチ全体を100質量%として、30質量%以上などとすることが好ましいが、分級などによるフィルム長手方向での色むらを防止する観点から、マスターバッチ中のパール顔の濃度は1〜30質量%であることが好ましく、1.5〜20質量%であればさらに好ましい。
本発明の成形加飾用ポリエステルフィルムは、取り扱い性、成形性、成形後の外観の観点から、構成するグリコール残基成分は、10〜90モル%がエチレングリコール残基、10〜90モル%が1,4−ブタンジオール残基および/または、0〜10モル%がその他のグリコール残基成分であることが好ましい。成形性、透明性の点からはその他のグリコール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール残基が好ましく用いられる。成形性の点からは1,4−ブタンジオール残基成分および/または1,3−プロパンジオール残基成分は、10〜60モル%であればより好ましく、10〜40モル%であれば特に好ましい。また、その他のグリコール残基成分は複数のグリコール残基成分であっても良く、ポリエチレンテレフタレートの製造段階において副生成するジエチレングリコール残基もその他のグリコール残基成分に含まれる。このようなグリコール残基成分からなるためには、ポリエチレンテレフタレート系の樹脂(A)とポリブチレンテレフタレート系樹脂および/または、ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂から選択されるポリエステル系の樹脂(B)とをフィルム全体を基準として、樹脂(A)が10〜90質量%、および樹脂(B)が90〜10質量%で混合されてなるポリエステル系樹脂組成物からなるフィルムであることが好ましい。樹脂(A)が90質量%を越えると、樹脂(B)と混合することで発現する成形性向上効果が認められず、逆に樹脂(B)が90質量%を越えると樹脂の結晶化速度が速くなりすぎて製膜性、特に延伸性が悪化したり、結晶化による白化が顕著となる。樹脂(A)と樹脂(B)の混合比率としては、フィルム全体を基準として、樹脂(A)が40〜90質量%および樹脂(B)が60〜10質量%であれば製膜安定性、耐熱性、成形性の点でより好ましく、樹脂(A)が60〜90質量%および樹脂(B)が40〜10質量%であれば特に好ましい。
さらには、樹脂(B)がポリブチレンテレフタレート系の樹脂(b1)とポリトリメチレンテレフタレート系の樹脂(b2)を含む混合物からなり、樹脂(A)、樹脂(b1)、樹脂(b2)からなると、延伸時の配向・結晶化が抑制されるので、成形シートとの成形追従性が向上するため、非常に好ましい。ここで、ポリブチレンテレフタレート系の樹脂(b1)とポリトリメチレンテレフタレート系の樹脂(b2)の混合比率は樹脂(b1)と樹脂(b2)の総量を基準として樹脂(b1)が10〜90質量%および樹脂(b2)が90〜10質量%で混合されていることが好ましい。樹脂(b1)が30〜70質量%および樹脂(b2)が70〜30質量%で混合されていればより好ましく、樹脂(b1)が40〜60質量%および樹脂(b2)が60〜40質量%で混合されていれば特に好ましい。
本発明の成型用耐候性ポリエステルフィルムは、初期色調E1と、耐候試験を行なった後の色調E2との差(E1−E2)が1.2以下であることが、成型加飾用積層ポリエステルフィルムとしての可とう性や耐カール、耐亀裂性、透明性、機械的強度、成型性、耐候性等の面から好ましい。
初期色調と耐候試験後色調との差(E1−E2値)が、1.2を越えると、フィルムに白化、黄変が発生しているため、成型用耐候性ポリエステルフィルムとして、使用に耐えるものではなくなる。より好ましくは、1.1以下であり、最も好ましくは1.0以下である。下限は特に限定されるものではないが、色調の大幅な変化は歓迎されるものではないため、−2.0以上が好ましく、より好ましくは−1.0以上、さらに好ましくは0.0以上である。
E1−E2値を上記範囲とするためには、公知のUV(紫外光)吸収能を有する耐候剤を含有せしめた層を、コーティング等によって、フィルム表面に積層することが好ましい。
なお、本発明において、耐候性とは、少なくとも波長350〜360nm以下の光エネルギーを吸収し、非常に速いエネルギー変換により無害な熱エネルギー、燐光や蛍光を放射し、ポリマー中の不純物の光励起、光化学反応を抑制し、白化、脆化、亀裂、黄変などを防止する機能を指す。
本発明の成型加飾用積層ポリエステルフィルムは耐熱性、寸法安定性などの観点から融点が210〜270℃であることが好ましい。融点が210℃未満では耐熱性に劣り、熱成形などを行う際に熱負けによるフィルム表面の粗れが、発生してしまい、外観が低下してしまう場合がある。また、逆に融点が270℃を越えると、融点が高くなりすぎるために、熱成形性に劣る場合がある。耐熱性、成型性の双方の観点からは、融点が220〜265℃であれば好ましく、246〜255℃であればより好ましい。ここで、ポリエステルフィルムの融点としては示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度20℃/分で測定を行った際の融解現象で発現する吸熱ピーク温度である。異なる組成のポリエステル樹脂をブレンドして使用し、フィルムとした場合には複数の融解に伴う吸熱ピークが現れる場合があるが、その場合、最も高温に現われる吸熱ピーク温度を本発明のポリエステルフィルムの融点とする。
ポリエステルフィルムの融点を掛かる温度範囲とする方法としては、フィルム製膜時に使用するポリエステル樹脂段階において、融点を210〜270℃の範囲としておくことが好ましく、また、異なる組成のポリエステル樹脂を用いる場合でも、融点が210℃以上であるポリエステル樹脂を使用し、また、融点が低いポリエステル樹脂をブレンドして使用する場合においても、溶融混練時の樹脂間でのエステル交換反応による融点降下を抑制するために、予め樹脂中に残存している触媒を失活させたり、触媒能を低減させるためにリン化合物を添加する。また、残存触媒量の低いポリエステル樹脂を準備するなどをすることで、融点を210〜270℃の範囲にすることができる。
本発明で使用するポリエステル樹脂については、市販されているポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂およびそれらの共重合体を購入し、用いることができるが、たとえば、ポリエチレンテレフタレート樹脂の場合、以下のように重合することができる。
テレフタル酸ジメチル100質量部、およびエチレングリコール70質量部の混合物に、0.09質量部の酢酸マグネシウムと0.03質量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行う。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020質量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行する。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、所望の極限粘度、たとえば極限粘度0.65のポリエチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。
ポリブチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートについても同様に重合することが可能であり、たとえば、ポリブチレンテレフタレートの場合、テレフタル酸100質量部、および1,4−ブタンジオール110質量部の混合物を窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、0.054質量部のオルトチタン酸テトラ−n−ブチルと、0.054質量部のモノヒドロキシブチルスズオキサイドとを添加しエステル化反応を行う。ついで、0.066質量部のオルトチタン酸テトラ−n−ブチルを添加して、減圧下で重縮合反応を行い、所望の極限粘度、たとえば極限粘度0.9のポリブチレンテレフタレート樹脂を得ることができる。
これらの樹脂を用いて、本発明の積層フィルムを製造する際の好ましい方法について、具体的に記述する。
まず、使用するポリエチレンテレフタレート系の樹脂(A)とポリブチレンテレフタレート系の樹脂(b1)および/またはポリトリメチレンテレフタレート系の樹脂(b2)とパール顔料マスターペレットを必要に応じて、所定の割合で計量し、混合する前もしくは混合した後に窒素雰囲気もしくは真空雰囲気で乾燥を行う。乾燥は乾燥後の樹脂中の水分率が50ppm以下とすることが好ましい。そして、混合したポリエステル樹脂を単軸もしくは二軸押出機に供給し溶融押出する。ついで、フィルターやギヤポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を各々行い、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、高電圧を掛けた電極を使用して静電気で冷却ドラムと樹脂を密着させる静電印加法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度をポリエステル樹脂のガラス転移点〜(ガラス転移点−20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
本発明の積層フィルムは、無延伸のまま使用しても優れた成型性、外観を発現するが、二軸配向フィルムとすることで、成型時の予熱工程や、成型工程での耐熱性、さらには成型部材を作製した後の耐熱性、耐経時変化性が向上するため、好ましいことである。二軸配向フィルムは、未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行うことで得ることができる。
かかる延伸方法における延伸倍率としては、それぞれの方向に、好ましくは、2.5〜3.5倍、さらに好ましくは2.8〜3.5倍、特に好ましくは3〜3.4倍が採用される。また、延伸速度は1,000〜200,000%/分であることが望ましい。また延伸温度は、好ましくは90〜130℃、さらに好ましくは長手方向の延伸温度を100〜120℃、幅方向の延伸温度を90〜110℃とするのが良い。また、延伸は各方向に対して複数回行っても良い。
また、コーティング層を設ける方法については、一軸に延伸した後、インラインでコーティング層を積層する。また、その他、延伸前にコーティングした後、同時二軸延伸を行う方法や、長手方向に一軸に延伸した後にコーティングし、幅方向に延伸する方法を用いることもできる。
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行う。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行うことができる。この熱処理は120℃以上ポリエステルの融点以下の温度で行われるが、200〜250℃の熱処理温度とするのが好ましい。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは1〜60秒間、より好ましくは1〜30秒間行うのがよい。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。さらに、インク印刷層や接着剤、蒸着層との接着力を向上させるため、少なくとも片面にコロナ処理を行ったり、コーティング層を設けることもできる。
本発明の成型加飾用積層ポリエステルフィルムは、屋外環境で使用する際の品質保持の観点からフィルムの少なくとも片面に耐候性コーティング層を設けることが好ましい。コーティング層を設ける方法としては上述の製膜工程内でのインラインコーティングだけでなく、オフラインコーティングを用いても良い、コーティング層厚みが1μm以上必要な場合などはオフラインでコーティングを実施する方が生産上好ましい。耐候性コーティング層に用いる塗剤としては特に限定されるものではないが、塗布のために使用する溶媒として水を用いることが可能な組成物であることが好ましい。
また、本発明の成形加飾用ポリエステルフィルムは、成形加飾用に好ましく用いられるが、例えばインサート成形用途に好ましく使用される。インサート成形とは、一般的にフィルムなどプラスチック材料をあらかじめ金型内に設置しておき、そこに樹脂を射出成型して充填する成形方法のことを指す。金型内にフィルムそのものを設置して、樹脂圧で所望の形状にしてもよいが、より複雑な形状を出すためには、金型内に設置するフィルムを真空成形、真空圧空成形、プラグアシスト成形などで、あらかじめ所望の形状にプレ成形しておき、その形状に樹脂を充填する方法が好ましく用いられる。
インサート成形用途に用いられる場合は、射出成型する樹脂との密着性を高めるため、樹脂側の表面に易接着層を設置してもよい。射出成型用樹脂としてはポリカーボネート、ABS(Acrylnitrile−butadiene−styrene)、AS(Acrylnitrile−styrene)、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、TPO(Thermo Plastic Olefin elastomer)またこれらの混合樹脂が好ましく用いられるため、これらの樹脂との密着性が高いことが好ましい。易接着層としては特に限定されないが、ポリエステル系、ウレタン系、アクリル系、塩化ポリプロピレン系などが挙げられる。
本発明の成型加飾用ポリエステルフィルムは、インサート成形用途に用いられる場合、成形後の成形体の深み性、形状保持性の点で、厚みは75〜500μmであることが好ましく、100〜300μmであればさらに好ましく、150〜250μmであれば最も好ましい。
また、本発明の成型加飾用積層ポリエステルフィルムは、成型加飾用に好ましく用いられるが、例えば、成型用基材に貼合せて用いることができる。成型用基材と貼合せることで、成型用基材/成型加飾用積層ポリエステルフィルムから構成される成型用加飾シートとなる。さらに、成型加飾用積層ポリエステルフィルムに耐候性コーティングが施されている場合は、成形用基材/加飾用ポリエステルフィルム/耐候層といった構成となる。
成型用基材としては特に限定されないが、樹脂シート、金属板、紙、木材などが挙げられる。中でも、成型性の点で樹脂シートが好ましく用いられ、高成型性の点で、熱可塑性樹脂シートが好ましく用いられる。
ここで、熱可塑性樹脂シートとしては、熱成型が可能な重合体シートであれば特に限定されないが、アクリル系シート、ABS(Acrylnitrile−butadiene−styrene)シート、ポリスチレンシート、AS(Acrylnitrile−styrene)シート、TPO(Thermo Plastic Olefin elastomer)シート、TPU(Thermo Plastic Uretane elastomer)などが好ましく用いられる。該シートの厚みとしては、50μm〜2000μm、より好ましくは100μm〜1800μm、さらに好ましくは250〜1500μmである。
また、本発明の成型加飾用積層ポリエステルフィルムは成型用基材との接着性を高めるために、接着層を設けることが好ましい。接着層としては特に限定されないが、ポリエステル系、ウレタン系、アクリル系、塩化ポリプロピレン系などが好ましく使用される。
以上のような構成の成型用加飾シートの成型方法について、具体的に説明するが、成型方法はこれに限定されるものではない。
成型加飾用シートを150〜400℃の遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が30〜200℃の温度になるように加熱し、金型を突き上げ、真空引きすることによって、所望の形に成型する。成型倍率の大きい成型の場合は、シートにさらに圧空をかけて、成型することで、より深い成型が可能となる。このように成型された成型加飾用シートはトリミングを行い成型部材となる。またこの成型部材は、このまま使用してもよいが、成型品としての強度を付与させるために、金型を押し当てて凹んだ部分にTPO、ポリカーボネート、ABS樹脂などをインジェクションしてもよい。このようにして、成型部材が完成する。
本発明の成型加飾用積層ポリエステルフィルムは優れた成型加工性を有し、真空、圧空型形などの熱成型において金型に追従した成型部品を容易に作製することができる。また、パール顔料を特定量含有していることから外観に優れているため、建材、自動車部品や携帯電話や電機製品などの部品の加飾用途として好ましく使用される。
(1)融点
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用いて測定した。フィルム5mgをサンプルに用い、25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際の吸熱ピーク温度を融点とした吸熱ピークが複数存在する場合は、最も高温側の吸熱ピークのピーク温度を融点とした。
(2)ポリエステルの極限粘度
ポリエステル樹脂およびフィルムの極限粘度は、ポリエステルをオルトクロロフェノールに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃にて測定した。
(3)ポリエステルの組成
ポリエステル樹脂およびフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、H−NMRおよび13C−NMRを用いて各モノマー残基や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量した。
(4)100%伸長時の応力
フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分としてフィルムの長手方向と幅方向にそれぞれ引張試験を行った。測定は予め190℃に設定した恒温層中にフィルムサンプルをセットし、90秒間の予熱の後で引張試験を行った。サンプルが100%伸長したとき(チャック間距離が100mmとなったとき)のフィルムにかかる荷重を読み取り、試験前の試料の断面積(フィルム厚み×10mm)で除した値を100%伸長時応力(F100値)とした。なお、測定は各サンプル、各方向に5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
(5)伸度
(4)と同様の方法で、フィルムの長手方向と幅方向にそれぞれ引張試験を行い、フィルムが破断したときの伸度をそれぞれの伸度とした。なお、測定は各サンプル、各方向に5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
(6)光沢度
フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅30mmの矩形に切り出しサンプルとした。フィルムの光沢度をJIS−Z−8741(1997年)に規定された方法に従って、スガ試験機製デジタル変角光沢度計UGV−5Dを用いて、60°鏡面光沢度を測定した。測定はn=5で行い、最大値と最小値を除いた平均値を光沢度とし、評価を行った。
(7)光沢度変化率
フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅30mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分としてフィルムの長手方向と幅方向にそれぞれ2倍に伸張を行った。測定は予め190℃に設定した恒温層中にフィルムサンプルをセットし、90秒間の予熱の後で引張試験を行った。サンプルが2倍伸長したとき(チャック間距離が100mmとなったとき)のフィルムの光沢度をJIS−Z−8741(1997年)に規定された方法に従って、スガ試験機製デジタル変角光沢度計UGV−5Dを用いて、60°鏡面光沢度を測定した。測定はn=5で行い、最大値と最小値を除いた平均値を光沢度とし、評価を行った。(6)の方法で得られた光沢度(ア)と該評価で得られた光沢度(イ)とを、下記式により光沢度変化率%(ウ)とし、評価を行った。
(1−(イ)÷(ア))×100=(ウ)。
(8)耐候試験
フィルムをA4サイズに切り出しサンプルとした。耐候試験機(岩崎電気(株)メタルハライドランプ式アイスーパーUVテスター、SUV−W131)を用いて、60℃×50%RH、100mW/cm、24hrで耐候試験を行った。
(9)色調差
耐候試験前フィルムおよび、耐候試験後フィルムを、長手方向および幅方向に長さ150mm×幅30mmの矩形に切り出しサンプルとした。フィルムの色調差を分光式色彩計(SE-2000 日本電色工業社製)を用いて測定した。なお、測定は各サンプル、5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
(10)成型性
本発明の成型加飾用積層ポリエステルフィルムに、接着層として東洋モートン(株)製の接着剤AD503と硬化剤CAT10と酢酸エチルを20:1:20で混合した接着剤を塗布した。接着層に厚さ1500μmのABSシートを貼合せて、ラミネーターを用いて、加熱圧着(80℃、0.1MPa、3m/min)させ、成型加飾用シートを作製した。該成型加飾用シートを、400℃の遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が150℃の温度になるように加熱し、70℃に加熱した金型(底面直径50mm)に沿って真空成形を行った。金型に沿って成形できた状態を成型度合い(絞り比:成形高さ/底面直径)を用いて以下の基準で評価した。
S:絞り比0.5以上で成型できた。
A:絞り比0.5〜0.3で成型できた。
B:絞り比0.3で成型できた。
C:追従性が低く、絞り比0.3の形に成型できなかった
成形性−2
本発明の成形加飾用ポリエステルフィルムに、400℃の遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が150℃の温度になるように加熱し、70℃に加熱した金型(底面直径50mm)に沿って真空成形を行った。金型に沿って成形できた状態を成形度合い(絞り比:成形高さ/底面直径)を用いて以下の基準で評価した。
S:絞り比0.5以上で成形できた。
A:絞り比0.5〜0.3で成形できた。
B:絞り比0.3で成形できた。
C:追従性が低く、絞り比0.3の形に成形できなかった。
(11)パール光沢外観
(10)の方法で得られた成型品について、20代男性、女性、30代男性、女性、40代男性、女性、50代男性、女性それぞれ2名ずつ(合計16名)に、パール光沢感をそれぞれ10点満点で評価してもらい、その平均点を以下のような基準で表し、評価結果とした。
S:8点以上。
A:6点〜8点未満。
B:4〜6点未満。
C:4点未満。
(12)成型品耐熱性
(11)の方法で得られた成型品を、80℃で5分間、熱風オーブン中で熱処理を行う前後の成型品の外観について、表面性、白化の有無の観点から20代男性、女性、30代男性、女性、40代男性、女性、50代男性、女性それぞれ2名ずつ(合計16名)に観察してもらい、以下の基準で評価を行った。
S:10名とも熱処理前後で全く外観に変化がないと評価した。
A:9名が熱処理前後で全く外観に変化がないと評価した。
B:7名〜8名が熱処理前後で全く外観に変化がないと評価した。
C:熱処理前後で全く外観に変化がないと評価した人数が7名未満であった。
以下に本発明の成型加飾用積層ポリエステルフィルム等の製造に関する一例を記載する。
(ポリエステルの製造)
製膜に供したポリエステル樹脂は以下のように準備した。
(PET)
テレフタル酸ジメチル100質量部、およびエチレングリコール70質量部の混合物に、0.09質量部の酢酸マグネシウムと0.03質量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020質量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行した。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、固有粘度0.65,副生したジエチレングリコールが2モル%共重合されたポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。
(粒子マスター)※表中では粒子Mと表記
上記ポリエチレンテレフタレートを製造する際、エステル交換反応後に平均粒子径2.4μmの凝集シリカ粒子のエチレングリコールスラリーを添加してから重縮合反応を行い、ポリマー中の粒子濃度2質量%の粒子マスターを作製した。
(PBT)
テレフタル酸100質量部、および1,4−ブタンジオール110質量部の混合物を、窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.054質量部、モノヒドロキシブチルスズオキサイド0.054質量部を添加し、エステル化反応を行った。次いで、オルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.066質量部を添加して、減圧下で重縮合反応を行い、固有粘度0.88のポリブチレンテレフタレート樹脂を作製した。その後、140℃、窒素雰囲気下で結晶化を行い、ついで窒素雰囲気下で200℃、6時間の固相重合を行い、固有粘度1.22のポリブチレンテレフタレート樹脂とした。
(PTT)
テレフタル酸ジメチル100質量部、1,3−プロパンジオール80質量部を窒素雰囲気下でテトラブチルチタネートを触媒として用い、140℃から230℃まで徐々に昇温し、メタノールを留出しつつエステル交換反応を行った。さらに、250℃温度一定の条件下で3時間重縮合反応を行い、極限粘度[η]が0.86のポリトリメチレンテレフタレート樹脂を得た。
(PET−G)
テレフタル酸ジメチルを100質量部、エチレングリコール60質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール20質量部の混合物に、酢酸マンガンを0.04質量部を加え、徐々に昇温し、最終的には220℃メタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。次いで、リン酸85%水溶液0.045質量部、二酸化ゲルマニウム0.01質量部を添加して、徐々に昇温、減圧し、最終的に275℃、1hPaまで昇温、減圧し、極限粘度が0.67となるまで重縮合反応を行い、その後ストランド状に吐出、冷却し、カッティングして1,4−シクロヘキサンジメタノールを8モル%共重合したポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。該ポリマーを3mm径の立方体に切断し、回転型真空重合装置を用いて、1hPaの減圧下、225℃で極限粘度が0.8になるまで固相重合を行なった。
(PET−I)
テレフタル酸ジメチル82.5質量部、イソフタル酸ジメチル8質量部、およびエチレングリコール70質量部の混合物に、0.09質量部の酢酸マグネシウムと0.03質量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。ついで、該エステル交換反応生成物に0.020質量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行した。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、287℃で重縮合反応を行い、固有粘度0.7,副生したジエチレングリコールが2モル%共重合されたイソフタル酸8モル%共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。
(パールA)
上記のように作製したPETと、パール顔料(日本光研製 PEAL GLAZE MM−100R)を、質量比80:20で混合し、ベント式二軸押出機を用いて、280℃で混練し、パール顔料20質量%のマスターペレット(パールA)を得た。
(着色剤Y)
上記のように作製したPETと、平均粒径が0.02μmのカーボンブラックを質量比75:25で混合し、均一に混合した後、2軸ベント式押出機に供給し、溶融混練し、ストランド状に押出し、水中で冷却後、チップ状にカットして、着色剤マスターペレット(着色剤Y)を得た。
(塗剤1)
水87.6重量部、ウレタンアクリレート(AP201:大日本インキ(株)社製)8重量部、パール顔料(PEAL GLAZE MM−100R:日本光研製)2.4重量部、界面活性剤(4051F )2重量部の混合塗布組成物を作製した。
(塗剤2)
水88.8重量部、ウレタンアクリレート(AP201:大日本インキ(株)社製)8重量部、パール顔料(PEAL GLAZE MM−100R:日本光研製)1.2重量部、界面活性剤(4051F )2重量部の混合塗布組成物を作製した。
(塗剤3)
水84重量部、ウレタンアクリレート(AP201:大日本インキ(株)社製)8重量部、パール顔料(PEAL GLAZE MM−100R:日本光研製)8重量部の混合塗布組成物を作製した。
(塗剤4)
水73.33重量部、ウレタンアクリレート(AP201:大日本インキ(株)社製)8重量部、パール顔料(PEAL GLAZE MM−100R:日本光研製)18.67重量部の混合塗布組成物を作製した。
(塗剤5)
水87.5重量部、ウレタンアクリレート(AP201:大日本インキ(株)社製)8重量部、パール顔料(PEAL GLAZE MM−100R:日本光研製)2.4重量部、界面活性剤(4051F)2重量部、分散剤(ゼタシーガム)0.1重量部の混合塗布組成物を作製した。
(塗剤6)
水81.9重量部、ポリビニルアルコール(PVA:日本酢ビポバール(株)社製)8重量部、パール顔料(PEAL GLAZE MM−100R:日本光研製)8重量部、界面活性剤(4051F)2重量部、分散剤(ゼタシーガム)0.1重量部の混合塗布組成物を作製した。
(塗剤7)
水56重量部、ポリビニルアルコール(PVA:日本酢ビポバール(株)社製)8重量部、パール顔料(PEAL GLAZE MM−100R:日本光研製)36重量部の混合塗布組成物を作製した。
(塗剤8)
水89.2重量部、ウレタンアクリレート(AP201:大日本インキ(株)社製)10重量部、パール顔料(PEAL GLAZE MM−100R:日本光研製)0.8重量部の混合塗布組成物を作製した。
(塗剤9)
耐候剤:UX−0823(株式会社ADEKA社製、ウレタン系、固形分濃度32重量%、溶媒:MNP)95.5重量部、パール顔料(PEAL GLAZE MM−100R:日本光研製)4.5重量部の混合塗布組成物を作製した。
(塗剤10)
ポリエステル系樹脂(高松油脂社製、A−515GE、固形分濃度30重量%)98.7重量部、パール顔料(PEAL GLAZE MM−100R:日本光研製)1.2重量部、分散剤0.1重量部の混合塗布組成物を作製した。
(実施例1)
A/B/Aの3層積層フィルムとした。A層を構成するポリエステルとして、PETとPBTと粒子マスターとを質量比69:30:1で混合して使用した。B層を構成するポリエステルとしては、PETとPBTとを質量比70:30で混合して使用した。
各々混合したポリエステル樹脂を個別に真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、別々の単軸押出機に供給、280℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にてA層/B層/A層(積層厚み比は表参照)となるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、予熱温度を110℃、延伸温度を105℃で長手方向に3.0倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。この一軸延伸フィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、その処理面にコーティング液として塗剤1をメタリングバー(#6)を用いて、コーティングした。次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度120℃で幅方向に3.0倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度240℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
該フィルムは上記(6)、(7)、(10)〜(12)のテストで加飾用フィルムとして優れた特性を示していた。
(実施例2)
A/B/Aの3層積層フィルムとした。A層を構成するポリエステルとして、PETとPBTとPTTと粒子マスターとを質量比69:15:15:1で混合して使用した。B層を構成するポリエステルとしては、PETとPBTとPTTとを質量比70:15:15で混合して使用した。その後は、積層厚み比を変更した以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、メタリングバー(#6)を用いて、塗剤2をコーティングし、100℃の熱風乾燥機中で、60秒乾燥させて、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
該フィルムは、(7)、(10)、(12)のテストで加飾用フィルムとして優れた特性を示していた。
(実施例3)
A/B/Aの3層積層フィルムとした。A層を構成するポリエステルとして、PETとPBTと粒子マスターとを質量比49:30:1で混合して使用した。B層を構成するポリエステルとしては、PETとPET−Gとを質量比50:50で混合して使用した。
その後は、積層厚み比を変更した以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み20μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフィルムにコーティング剤として塗剤3をコーとした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
該フィルムは、パール顔料濃度が高めだったので、パール光沢外観にやや白濁感が見られたが、加飾用フィルムとして優れた特性を示していた。
(実施例4)
単層フィルムとした。PETとPET−Gと粒子マスターを質量比89.2:10:0.8で混合して使用した。
その後は、長手方向の予熱温度を95℃、延伸倍率を3.1倍、幅方向の延伸倍率を3.1倍にした以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフィルムにコーティング剤として塗剤4をコートした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
該フィルムは、190℃でのF100値が高かったため成型性がやや低下したが、加飾用フィルムとして問題ないレベルであった。
Figure 2009132146
(実施例5)
A/Bの2層積層フィルムとした。A層を構成するポリエステルとして、PETとPBTとパールBと粒子マスターとを質量比89:10:1で混合して使用した。B層を構成するポリエステルとしては、PETとPBTとを質量比80:20で混合して使用した。
その後は、積層厚み比を変更した以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフィルムにコーティング剤として塗剤6をコートした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。該フィルムは、190℃でのF100値がやや高かったため成型性が若干低下したが、加飾用フィルムとして優れた特性を示していた。
(実施例6)
A/B/Aの3層積層フィルムとした。A層を構成するポリエステルとして、PET−Iを使用した。B層を構成するポリエステルとしては、PETを100質量%使用した。
その後は、実施例1と同様にして、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフィルムにコーティング剤として塗剤5をコートした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
該フィルムは、成型応力がやや高かったため成形性が若干低下し、パール顔料の濃度がやや低かったためパール光沢感がやや低く、融点が低かったため、成型品の耐熱性がやや低下したものの、加飾用フィルムとして優れた特性を示していた。
(実施例7)
A/B/Aの3層積層フィルムとした。A層を構成するポリエステルAとして、PETと粒子マスターを99:1で混合して用いた。B層を構成するポリエステルとしては、PETとPBTと着色剤Yとを85:5:10で混合して使用した。
各々混合したポリエステル樹脂を個別に真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、別々の単軸押出機に供給、280℃で溶融し、別々の経路にてフィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイの上部に設置したフィードブロック内にてA層/B層/A層(積層厚み比は表参照)となるように積層した後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。この未延伸ポリエステルフィルムにコーティング剤として塗剤2をコートした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した未延伸ポリエステルフィルムを得た。
該フィルムは、パール顔料の濃度が低かったためパール光沢感が低く、未延伸フィルムであるため、成形品の耐熱性が低下したものの、加飾用フィルムとして問題ないレベルであった。
(実施例8)
A/B/Aの3層積層フィルムとした。A層を構成するポリエステルとして、PET−Iを使用した。B層を構成するポリエステルとしては、PETを使用した。
その後は、実施例1と同様にして、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフィルムにコーティング剤として塗剤1をコートした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。該フィルムは、190℃でのF100値が高かったため成形性が低下したが、加飾用フィルムとしては問題のないレベルであった。
(実施例9)
A/B/Aの3層積層フィルムとした。A層を構成するポリエステルとして、PETとPBTとPTTと粒子マスターとを69:15:15:1で混合して使用した。B層を構成するポリエステルとしては、PETとPBTとPTTとパールAとを質量比65:15:15:5で混合して使用した。
その後は、積層厚み比を変更した以外は、実施例1と同様にして、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフィルムにコーティング剤として塗剤1をコートした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。該フィルムは、(6)〜(10)のテストで加飾用フィルムとしては問題のないレベルであった。
Figure 2009132146
(実施例10)
実施例2と同様に得た、二軸配向ポリエステルフィルムに、メタリングバー(#26)を用いて、塗剤9をコーティングした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。該フィルムは、(6〜12)のテストで加飾用フィルムとして、優れた特性を示した。
(実施例11)
実施例2と同様に得た、二軸配向ポリエステルフィルムに、メタリングバー(#20)を用いて、塗剤10をコーティングした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。該フィルムは、(6〜12)のテストで加飾用フィルムとして、優れた特性を示した。
Figure 2009132146
(比較例1)
単層フィルムとした。PETと粒子マスターを質量比97:3で混合して使用した。
その後は、実施例1と同様にして、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフィルムにコーティング剤として塗剤1をコートした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。
該フィルムは、190℃でのF100値が高く、成形性に劣り加飾用フィルムとして使用に耐えないものであった。
(比較例2)
A/Bの2層積層フィルムとした。A層を構成するポリエステルとして、PETとPBTと粒子マスターとを質量比84:15:1で混合して使用した。B層を構成するポリエステルとしては、PETとPBTとを質量比85:15で混合して使用した。
その後は、積層厚み比を変更した以外は、実施例7と同様にして、フィルム厚み50μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸ポリエステルフィルムにこの二軸配向ポリエステルフィルムにコーティング剤つぃて塗剤1をコートした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した未延伸ポリエステルフィルムを得た。該フィルムは、190℃でのF100値が極度に低く、成形品の耐熱性に劣るため、加飾用フィルムとして使用に耐えないものであった。
(比較例3)
A/B/Aの3層積層フィルムとした。A層を構成するポリエステルとして、PETと粒子マスターとを質量比99:1で混合して使用した。B層を構成するポリエステルとしては、PETとPBTとを質量比80:20で混合して使用した。
その後は、実施例1と同様にして、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフィルムにコーティング剤として塗剤7を、メタリングバー(#6)としてコートした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。該フィルムは、コーティング層の固形分濃度が高過ぎたため斑が発生し、パール光沢感が全く見られず、加飾用フィルムとして使用に耐えないものであった。
(比較例4)
A/Bの2層積層フィルムとした。A層を構成するポリエステルとして、PETとPBTと粒子マスターとを質量比69:30:1で混合して使用した。B層を構成するポリエステルとしては、PETとPBTとを質量比70:30で混合して使用した。
その後は、積層厚み比を変更した以外は実施例1と同様にして、フィルム厚み25μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この二軸配向ポリエステルフィルムにコート剤として塗剤8を、メタリングバー(#6)としてコートした以外は実施例2と同様に、コーティング層を積層した二軸配向ポリエステルフィルムを得た。該フィルムは、コーティング層の固形分濃度が薄すぎたため、パール光沢感が全く見られず、加飾用フィルムとして使用に耐えないものであった。
Figure 2009132146
本発明はポリエステルフィルムに関し、優れたパール光沢を示し、成形応力が低いことから成形加飾用に好適に使用することができる。特に、建材、自動車部品や携帯電話や電機製品などの部品の加飾用途として好ましく使用される。

Claims (9)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、パール顔料を10〜70質量%含有したコート層を積層してなり、190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の100%伸長時応力(F100値)が1〜60MPaである成型加飾用積層ポリエステルフィルム。
  2. 190℃におけるフィルム長手方向および幅方向の破断伸度が180〜800%である請求項1に記載の成型加飾用積層ポリエステルフィルム。
  3. フィルムを任意の方向に2倍延伸した後のコーティング層の表面光沢の変化率が0〜15%である請求項1または2に記載の成型加飾用積層ポリエステルフィルム。
  4. ポリエステルフィルム全体を100質量%としてパール顔料を0.001〜10質量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の成型加飾用積層ポリエステルフィルム。
  5. 初期色調E1と、耐候試験を行なった後の色調E2との差(E1−E2)が1.2以下である請求項1〜4記載の成型加飾用積層ポリエステルフィルム。
  6. ポリエステルフィルムを構成するグリコール残基成分の40〜90モル%がエチレングリコール残基、10〜60モル%が1,4−ブタンジオール残基および/または1,3−プロパンジオール残基、0〜20モル%がその他のグリコール成分である請求項1〜5のいずれかに記載の成型加飾用積層ポリエステルフィルム。
  7. インサート成型用途に用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の成型加飾用ポリエステルフィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の成型加飾用積層ポリエステルフィルムを成型部材用基材に貼合わせた成型加飾用積層シート。
  9. 請求項8に記載の成型加飾用積層シートを成形してなる成型部材。
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JP2011156848A (ja) * 2010-02-04 2011-08-18 Toyobo Co Ltd 積層ポリエステルフィルム
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