JP2002241516A - 金属板ラミネート用ポリエステル系フィルム、フィルムラミネート金属板および金属容器 - Google Patents

金属板ラミネート用ポリエステル系フィルム、フィルムラミネート金属板および金属容器

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JP2002241516A
JP2002241516A JP2001040438A JP2001040438A JP2002241516A JP 2002241516 A JP2002241516 A JP 2002241516A JP 2001040438 A JP2001040438 A JP 2001040438A JP 2001040438 A JP2001040438 A JP 2001040438A JP 2002241516 A JP2002241516 A JP 2002241516A
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film
polyester
metal plate
laminated
layer
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Hidemoto Igushi
英基 伊串
Akihiro Yoshizawa
晃宏 吉沢
Hidenori Shimizu
秀紀 清水
Hiromu Nagano
煕 永野
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れ、製缶工程等における熱履歴を
受けても金属板の表面を安定して被覆することができ、
バリヤー性や耐食性にも優れ、特にフィルムラミネート
操業性やハンドリング性が良好なレベルとなるフィルム
強度を有する食料品用の金属容器を形成する材料として
好適に使用されるポリエステル系フィルム、製缶加工性
に優れたフィルムラミネート金属板、ならびに耐食性や
内容物となる食料品の保護性に優れた金属容器を提供す
ること。 【解決手段】 ポリエステル系樹脂からなるフィルムで
あって、該フィルムの衝撃強度が0.25J以上であ
り、かつ熱収縮率が0%を超え、5.0%以下であり、
該フィルム中のエチレンテレフタレート環状三量体含有
量が0.70重量%以下であり、さらに金属板の片面に
ラミネートしてフィルムラミネート金属板を形成した場
合、該フィルム表面における80℃での動摩擦係数が
0.45以下であり、かつ210℃の雰囲気中で2分間
の熱処理をしたときの寸法変化率が2.0%以下である
こと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、清涼飲料、ビー
ル、缶詰等の食料品用への金属容器の腐食防止等を目的
に使用されるポリエステル系フィルム、該フィルムを金
属板にラミネートしたフィルムラミネート金属板、およ
び該フィルムラミネート金属板を成形してなる金属容器
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属缶の内面および外面の腐食防
止には一般的には塗料が塗布され、その塗料としては熱
硬化性樹脂が使用されている。
【0003】熱硬化性樹脂塗料を塗装する方法では、そ
の多くは溶剤型塗料が用いられる。その塗膜の形成には
150〜250℃で数分という高温・長時間の加熱が必
要であり、かつ焼き付け時に多量の有機溶剤が飛散する
ため、工程の簡素化や公害防止等の改良が要望されてい
る。
【0004】また、前述のような条件で形成される塗膜
中には、結果的に少量の有機溶剤が残存することも避け
られず、例えば、上記塗膜を形成させた金属缶に食料品
を充填した場合、有機溶剤が食料品に移行し、食料品の
味や臭いに悪影響を及ぼすことがある。さらに、塗料中
に含まれる添加剤や架橋反応の不完全さに起因する低分
子量物質が食料品に移行し、前述の残存有機溶剤の場合
と同様の悪影響を及ぼすことがある。
【0005】また、他の方法として、熱可塑性樹脂フィ
ルムを用いる方法がある。例えば、ポリプロピレンフィ
ルム等のポリオレフィン系フィルムやポリエステル系フ
ィルムを、加熱したティンフリースチールにラミネート
し、該フィルムラミネート金属板を金属缶に利用すると
いうものである。
【0006】熱可塑性樹脂フィルムを用いる方法によ
り、上記課題のうち、工程の簡素化や公害防止等の課題
は解決できる。
【0007】しかし、熱可塑性樹脂フィルムのうち、例
えば、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレ
フィン系フィルムを用いた場合は、耐熱性に劣るため製
缶工程での熱履歴や、製缶後におけるレトルト処理等の
熱履歴を受けた場合、フィルムラミネート金属板からフ
ィルムが剥離することがある。
【0008】一方、熱可塑性樹脂フィルムとして、ポリ
エステル系フィルムを用いる方法は、上記ポリオレフィ
ン系フィルムが有する問題点が改良されるので、最も好
ましい方法である。
【0009】缶の内面側において、ポリエステル系フィ
ルムは、耐熱性に優れ、かつ低分子量物質の生成も少な
いため、ポリオレフィン系フィルムに比べて該低分子量
物質の移行による食料品の味や臭いの劣化が生じにく
い。所謂、耐フレーバー性に優れている。
【0010】しかし、ポリエチレンテレフタレートを主
成分とするポリエステル系フィルムを当該用途に用いる
場合においても、ラミネート加工後の製缶加工時に、缶
の仕上がりを良好とすること、または缶の接合部分には
フィルムの非被覆部があるため、帯状のフィルムや粉末
状の熱可塑性樹脂等を用いて補修すること等を目的とし
た熱処理を施す場合、ポリエステル系フィルムの耐熱性
が不十分なため、結果としてフィルムラミネート金属板
のフィルム部分のみに寸法変化が生じ、余ったフィルム
がだぶついたり、金属板の表面を完全に被覆できない場
合があるという問題があった。
【0011】この寸法変化という問題の解決策として、
例えばフィルムの製膜時に熱固定を高温で行い、寸法安
定性を維持することが挙げられる。しかしながらこの熱
固定を高温で行うことはフィルムの強度低下を同時に招
き、ラミネートを実際に行う段階でフィルムの破断トラ
ブルを起こし、操業性やハンドリング面での問題が避け
られない場合があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性に優れ、製缶工程等における熱履歴を受けても金属板
の表面を安定して被覆することができ、バリヤー性や耐
食性にも優れ、特にフィルムラミネート操業性やハンド
リング性が良好なレベルとなるフィルム強度を有する食
料品用の金属容器を形成する材料として好適に使用され
るポリエステル系フィルム、製缶加工性に優れたフィル
ムラミネート金属板、ならびに耐食性や内容物となる食
料品の保護性に優れた金属容器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、ポリエステル系樹
脂からなるフィルムであって、該フィルムの衝撃強度が
0.25J以上であり、かつ熱収縮率が0%を超え、
5.0%以下であり、該フィルム中のエチレンテレフタ
レート環状三量体含有量が0.70重量%以下であり、
さらに金属板の片面にラミネートしてフィルムラミネー
ト金属板を形成した場合、該フィルム表面における80
℃での動摩擦係数が0.45以下であり、かつ210℃
の雰囲気中で2分間の熱処理をしたときの寸法変化率が
2.0%以下であるフィルムにより、上記目的を達成す
ることができることを見出し、本発明に到達した。
【0014】即ち、本発明は、ポリエステル系樹脂から
なるフィルムであって、該フィルムの衝撃強度が0.2
5J以上であり、かつ熱収縮率が0%を超え、5.0%
以下であり、該フィルム中のエチレンテレフタレート環
状三量体含有量が0.70重量%以下であり、さらに金
属板の片面にラミネートしてフィルムラミネート金属板
を形成した場合、該フィルム表面における80℃での動
摩擦係数が0.45以下であり、かつ210℃の雰囲気
中で2分間の熱処理をしたときの寸法変化率が2.0%
以下であることを特徴とする金属板ラミネート用ポリエ
ステル系フィルムを提供する。
【0015】好適な実施態様においては、上記フィルム
は、融点が240〜260℃であるポリエステルからな
るA層と、融点が200〜235℃であるポリエステル
からなるB層とから構成されるA/Bの二層構成であ
り、かつフィルムラミネート金属板がB層を金属板側に
してラミネートされて形成される。
【0016】また、好適な実施態様において、上記フィ
ルムは、二軸配向フィルムである。
【0017】さらに、好適な実施態様において、上記フ
ィルムは、架橋高分子粒子および/または無機微粒子を
含有する。
【0018】また、本発明は、上記ポリエステル系フィ
ルムを金属板の少なくとも片面にラミネートしてなるフ
ィルムラミネート金属板を提供する。
【0019】また、本発明は、上記フィルムラミネート
金属板を成形してなる金属容器を提供する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル系フィルム
は、ポリエステル系樹脂からなるフィルムであって、該
フィルムの衝撃強度が0.25J以上であり、かつ熱収
縮率が0%を超え、5.0%以下であり、該フィルム中
のエチレンテレフタレート環状三量体含有量が0.70
重量%以下であり、さらに金属板の片面にラミネートし
てフィルムラミネート金属板を形成した場合、該フィル
ム表面における80℃での動摩擦係数が0.45以下で
あり、かつ210℃の雰囲気中で2分間の熱処理をした
ときの寸法変化率が2.0%以下であることを特徴とす
る。
【0021】上記ポリエステル系フィルムに用いられる
ポリエステルは、主としてポリカルボン酸と多価アルコ
ールが重縮合されてなるものである。
【0022】上記ポリカルボン酸成分としてはジカルボ
ン酸が挙げられ、例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジ
カルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカン
ジカルボン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸;シ
クロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸等が
挙げられる。
【0023】また、多価アルコール成分としてはグリコ
ールが挙げられ、例えば、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジ
オール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ドデカメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族
ジオール;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオ
ール;ビスフェノール誘導体のエチレンオキサイド付加
体等の芳香族ジオール類等が挙げられる。
【0024】上記ポリエステルとしては、テレフタル酸
およびイソフタル酸から選ばれるジカルボン酸と、エチ
レングリコール、ジエチレングリコールおよびブタンジ
オールから選ばれるグリコールとが重縮合されてなるこ
とが好ましい。
【0025】また、該ポリエステルの融点は、好ましく
は200〜260℃、より好ましくは210〜260
℃、さらに好ましくは215〜255℃である。融点が
200℃未満であると製缶工程等での熱履歴によって流
動性が増大し、寸法変化が大きくなる可能性があるから
であり、一方、260℃を超えるものは製造費用が高く
なり、経済的に不利となるからである。
【0026】また、上記ポリエステルの極限粘度は、衝
撃強度確保の点から、好ましくは0.5〜1.5であ
り、より好ましくは0.55〜1.2である。特に高粘
度、即ち高分子量のポリエステルが好適であるが、製膜
工程中の樹脂溶融押出工程での設備能力によっても適正
化がなされる。
【0027】本発明のポリエステル系フィルムは、後記
測定方法により測定される寸法変化率、要約すれば、例
えばティンフリースチールからなる金属板の片面にラミ
ネートされてフィルムラミネート金属板を形成した場
合、該フィルムラミネート金属板を210℃の雰囲気中
で2分間の熱処理をしたときの寸法変化率が2.0%以
下であり、好ましくは1.0%以下、より好ましくは
0.8%以下である。該寸法変化率を2.0%以下にす
ることで、ポリエステル系フィルムは、製缶工程等にお
いて熱処理されても金属板の表面を安定して被覆するこ
とができるようになる。
【0028】上記フィルムの熱収縮率および寸法変化率
を2.0%以下にする方法としては、特に限定はされな
いが、例えば、上記ポリエステルの成分としてブタンジ
オールを共重合させて、結晶化速度を高めることによっ
て結晶化度の高いフィルムとし、寸法安定性を良くする
方法、該ポリエステル系フィルムが後述の二層構成およ
び二軸延伸フィルムである場合、後述のような温度条件
で熱固定をし、寸法安定性を良くする方法、該ポリエス
テル系フィルムが後述の延伸フィルムである場合、延伸
後に緩和工程を設けることによって寸法安定性を良くす
る方法等が挙げられる。
【0029】特に熱固定をし、寸法安定性を良くする方
法においては、用いるポリエステルの融点より40℃低
い温度以上15℃低い温度以下、好ましくは35℃低い
温度以上20℃低い温度以下、用いるポリエステルが数
種におよぶ場合は最高の融点を示すものの融点から40
℃低い温度以上15℃低い温度以下、好ましくは35℃
低い温度以上20℃低い温度以下で実施することが前記
の該フィルムラミネート金属板を210℃の雰囲気中で
2分間の熱処理をしたときの寸法変化率やラミネート時
の寸法安定性、そしてフィルムの破断トラブルなどに関
係するフィルムの衝撃強度を両立させる上でも好ましい
実施態様である。
【0030】また、上記フィルムは、後記寸法変化率の
測定方法に従ってフィルムラミネート金属板を形成した
ときの80℃での表面の動摩擦係数が0.45以下、好
ましくは0.43以下、より好ましくは0.40以下で
ある。該動摩擦係数が0.45以下であることで、製缶
工程等においてフィルムの疵付きや、フィルム削れ等に
よる製缶工程汚染等を防止することができる。
【0031】上記フィルム表面の動摩擦係数を0.45
以下にする方法としては、例えば、後記架橋高分子粒子
および/または無機微粒子をフィルムに含有させる方
法、ポリエステル樹脂の微細な球晶を形成させる方法等
の方法が挙げられる。
【0032】また、上記フィルムは、後記寸法変化率の
測定方法に従ってフィルムラミネート金属板を形成した
ときのエチレンテレフタレート環状三量体含有量が0.
70重量%以下、好ましくは0.50重量%以下であ
る。該エチレンテレフタレート環状三量体含有量が0.
70重量%以下であることで、食料品の保護効果が得ら
れ、また缶の美観を損なうことを防ぐことができる。
【0033】上記フィルム中のエチレンテレフタレート
環状三量体含有量を0.70重量%以下にする方法とし
ては、例えば、減圧加熱処理法、固相重合法等の該環状
三量体含有量の少ないポリエステルを製造する方法、ポ
リエステル製造後やフィルム製膜後に水や有機溶剤によ
り該環状三量体を抽出する方法およびこれらの方法を組
合せた方法等を挙げることができる。
【0034】上記フィルムは、未延伸フィルムであって
も延伸フィルム(一軸延伸フィルムおよび二軸延伸フィ
ルム)であってもよいが、好ましくは二軸延伸フィルム
である。ポリエステル系フィルムを二軸延伸することで
ポリエステル系フィルムの具備する耐フレーバー性をさ
らに優れたものにすることができる。二軸延伸する方法
としては、特に限定されず、公知の二軸延伸法(同時ま
たは逐次等)を使用することができる。この場合、縦方
向の延伸倍率としては、好ましくは2〜5倍、より好ま
しくは2.5〜4倍であり、延伸温度としては、好まし
くは80〜120℃、より好ましくは90〜110℃で
ある。横方向の延伸倍率としては、好ましくは2〜5
倍、より好ましくは2.5〜4倍であり、延伸温度とし
ては、好ましくは80〜120℃、より好ましくは90
〜110℃である。
【0035】また、上記フィルムの厚みは、4〜65μ
mの範囲が好ましく、5〜30μmの範囲がより好まし
い。厚みが4μm未満であるとバリヤー性に劣り、耐食
性が悪くなるからであり、一方65μmを越えると経済
的に不利であるからである。
【0036】上記フィルムは、単層であっても多層であ
ってもよいが、好ましくは融点が240〜260℃であ
るポリエステル層(A層とする)と、融点が200〜2
35℃、好ましくは210〜235℃であるポリエステ
ル層(B層とする)より構成されるA/Bの二層構成で
ある。これは、A層には製缶工程での耐熱性が必要であ
り、B層にはA層と同様の耐熱性に加え、熱圧着による
ラミネート密着性が必要であるからである。また、該ポ
リエステル系フィルムを金属板にラミネートしたフィル
ムラミネート金属板から金属容器を形成する場合、A層
は内容物である食料品に接する層または容器の表面にな
る層であり、B層は金属板側にラミネートされる層であ
る。
【0037】A層に使用されるポリエステルとしては、
上記ジカルボン酸およびグリコールから得られるものが
挙げられるが、好ましくは、テレフタル酸−エチレング
リコール成分系とテレフタル酸−ブタンジオール成分系
の併用系である。さらに好ましくは、その重量比(テレ
フタル酸−エチレングリコール成分系/テレフタル酸−
ブタンジオール成分系)が98/2〜50/50、特に
好ましくは95/5〜70/30であるものが挙げられ
る。
【0038】上記A層に使用されるポリエステルの融点
は、240〜260℃であり、好ましくは245〜25
5℃である。融点が240℃未満であると製缶工程等で
の耐熱性が不十分になるので好ましくない。また、融点
が260℃を超えると製造費用が多くなり、経済的に不
利になるからである。
【0039】上記A層は、後記寸法変化率の測定法法に
従ってフィルムラミネート金属板を形成したときに表面
層となるので、上記フィルム表面の80℃での動摩擦係
数におけるフィルム表面はA層表面である。該A層表面
の80℃での動摩擦係数を0.45以下にする方法とし
ては、上述した方法が挙げられる。
【0040】また、上記A層は、食料品の保護効果や、
缶の美観を損なわないために、エチレンテレフタレート
環状三量体の含有量が少ないことが好ましいので、当該
A層に使用されるポリエステルとしては、エチレンテレ
フタレート環状三量体含有量が少ないものを使用するこ
とが好ましい。当該ポリエステル中のエチレンテレフタ
レート環状三量体含有量は、好ましくは0.70重量%
以下、より好ましくは0.50重量%以下である。当該
環状三量体含有量が少ないポリエステルは、例えば、減
圧加熱処理法、固相重合法等の該環状三量体含有量の少
ないポリエステルを製造する方法、ポリエステル製造後
に水や有機溶剤により該環状三量体を抽出する方法およ
びこれらを組み合わせた方法等により製造することがで
きる。
【0041】上記B層に使用されるポリエステルの融点
は、200〜235℃、好ましくは210〜235℃で
あり、より好ましくは215〜230℃である。該融点
が200℃未満であると製缶工程等での熱履歴によって
B層の流動性が増加し、A層の寸法変化が大きくなるこ
とがあるので好ましくない。一方、融点が235℃を超
えるとA層の融点に近づいてくるため、A層の残留収縮
応力の低減または除去が不十分となり、やはりA層の寸
法変化が大きくなることがあるので好ましくない。この
ようなポリエステルとしてはA層と同様に上記ジカルボ
ン酸およびグリコールから得られるものが挙げられる
が、好ましくは、酸成分がテレフタル酸およびイソフタ
ル酸〔好ましくはそのモル比(テレフタル酸/イソフタ
ル酸)が95/5〜80/20、特に好ましくは95/
5〜85/15である〕であり、グリコール成分がエチ
レングリコールである共重合ポリエステルが挙げられ
る。
【0042】上記A層の厚さは、製缶加工性、製缶加工
時の熱履歴による寸法安定性、フィルムのラミネート操
業性やハンドリング性、バリヤー性、耐食性、経済性等
の点より、3〜50μmの範囲が好ましく、4〜40μ
mの範囲がより好ましい。一方、上記B層の厚さは、密
着性、製缶加工時の熱履歴に対する耐熱性等の点より、
1〜15μmの範囲が好ましく、1〜10μmの範囲が
より好ましい。
【0043】上記A/Bの二層構成であるポリエステル
系フィルムの製造方法としては、上記の要件を満足する
フィルムが製造できれば特に限定されないが、例えば、
多層押出し法、押出しラミネート法等が挙げられる。
【0044】A/Bの二層構成であるポリエステル系フ
ィルムが二軸延伸フィルムである場合、A層の二軸延伸
による残留収縮応力は、熱固定法等によって低減または
除去されていることが好ましい。そうすることによって
製缶工程等での熱履歴による寸法変化を低減させること
ができるからである。また、B層は、A層が熱固定等さ
れることにより、残留収縮応力を低減または除去際に、
その熱履歴等によって非晶または無配向化されることが
好ましい。これにより予熱させた金属板に該フィルムを
ラミネートさせる際、金属板をB層の融点まで予熱させ
なくても十分なラミネート密着力を得ることができるか
らであり、ラミネート工程の低温化および高速化が実現
できるからである。当該A層の二軸延伸による残留収縮
応力の低減または除去、ならびにB層の非晶または無配
向化は、好ましくは当該フィルムを、当該B層を構成す
るポリエステルの融点より5℃低い温度以上、A層を構
成するポリエステルの融点より15℃低い温度以下、よ
り好ましくは当該B層を構成するポリエステルの融点よ
り2℃低い温度以上、A層を構成するポリエステルの融
点より20℃低い温度以下、の温度条件で熱固定するこ
と上記の衝撃強度、所謂ラミネート操業性またはハンド
リング性の確保も含めて達成することができる。また、
上記温度条件の設定が可能である範囲内でA層の融点と
B層の融点が決定されるものである。
【0045】本発明のポリエステル系フィルムは、好ま
しくは架橋高分子粒子および/または無機微粒子を含有
する。架橋高分子粒子および/または無機微粒子を含有
することにより製缶加工性を良好にすることができ、耐
疵付き性(耐スクラッチ性)を付与することができる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用しても
よい。
【0046】上記架橋高分子粒子としては、ポリエステ
ルの溶融成形時の温度に耐え得る耐熱性を有するもので
あれば特に制限はない。また、そのような架橋高分子粒
子を形成する材料としては、例えば、アクリル酸、メタ
アクリル酸、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エス
テル等のアクリル系単量体、スチレンやアルキル置換ス
チレン等のスチレン系単量体等と、ジビニルベンゼン、
ジビニルスルホン、エチレングリコールジメタクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペン
タエリスリトールテトラメタクリレート等の架橋性単量
体との共重合体;メラミン系樹脂;ベンゾグアナミン系
樹脂;フェノール系樹脂;シリコーン系樹脂等が挙げら
れる。該架橋高分子粒子は、これらの材料より従来公知
の乳化重合法や懸濁重合法等により製造することができ
る。また、該架橋高分子粒子の粒子径や粒径分布を調整
するために、粉砕や分級等を行ってもよい。
【0047】上記無機微粒子としては、ポリエステルに
不溶性で、かつ不活性なものであれば特に制限はない。
具体例としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化
チタン等の金属酸化物;カオリン、ゼオライト、セリサ
イト、セピオライト等の複合酸化物;硫酸カルシウム、
硫酸バリウム等の硫酸塩;リン酸カルシウム、リン酸ジ
ルコニウム等のリン酸塩;炭酸カルシウム等の炭酸塩等
を挙げることができる。これらの無機微粒子は天然品で
あっても合成品であってもよい。また、粒子の形状も特
に制限はない。
【0048】上記架橋高分子粒子および/または無機微
粒子の粒径は、好ましくは0.5〜5.0μm、より好
ましくは0.8〜4.0μmである。粒径が0.5μm
未満であると高温でのフィルムと金属との滑り性の向上
効果が小さくなり、フィルムに疵がつきやすくなるから
であり、一方、5.0μmを越えると上記の効果が飽和
したり、粒子の脱落が起こりやすくなったり、フィルム
の製膜時にフィルムの破断を引き起こしやすくなった
り、衝撃強度が低下する等の傾向があるからである。
【0049】上記架橋高分子粒子および/または無機微
粒子のポリエステル系フィルム中の含有量は、好ましく
はポリエステル系フィルムの全量に対して0.3〜5.
0重量%、より好ましくは0.5〜3.0重量%であ
る。0.3重量%未満であると高温でのフィルムと金属
との滑り性の向上効果が小さくなり、フィルムに疵がつ
き易くなるからであり、5.0重量%を越えると上記の
効果が飽和したり、フィルムの製膜性が低下したり、衝
撃強度が低下する等の傾向があるからである。
【0050】上記架橋高分子粒子および/または無機微
粒子のポリエステル系フィルムへの配合は、ポリエステ
ル系樹脂の製造工程で行ってもよいし、ポリエステル系
樹脂に上記成分を加えて溶融混練してもよい。また、上
記成分を高濃度に含むポリエステル系樹脂を製造し、こ
れをマスターバッチとして、上記成分を含まないか、ま
たは少量含むポリエステル系樹脂と共に溶融混練するこ
ともできる。
【0051】また、本発明のポリエステル系フィルム
は、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、可塑剤、顔料、帯電防止剤、潤滑剤、結晶核剤等を
含有することができる。
【0052】本発明のフィルムラミネート金属板は、上
記ポリエステル系フィルムを金属板の少なくとも片面に
ラミネートして得られるものであって、製缶加工性に優
れたものである。
【0053】上記フィルムラミネート金属板に用いられ
る金属板としては、特に限定されないが、例えば、ブリ
キ、ティンフリースチール、アルミニウム等が挙げられ
る。また、その厚さは、特に限定されないが、材料の費
用や製缶加工速度等に代表される経済性、一方では材料
強度の確保の点から、好ましくは100〜500μm、
より好ましくは150〜400μmである。
【0054】また、上記ポリエステル系フィルムを金属
板の少なくとも片面にラミネートする方法としては、従
来公知の方法が適用でき、特に限定されないが、好まし
くはサーマルラミネート法が挙げられ、特に好ましくは
金属板を通電加熱させてサーマルラミネートする方法が
挙げられる。また、ポリエステル系フィルムは、金属板
の両面にラミネートされていてもよい。ポリエステル系
フィルムを金属板の両面にラミネートする場合、同時に
ラミネートしても逐次でラミネートしてもよい。
【0055】また、上記A/Bの二層構成であるポリエ
ステル系フィルムを金属板の少なくとも片面にラミネー
トする場合、上記のようにB層を金属板側にラミネート
させる層として用いるが、この場合、B層のバリヤー性
や耐食性を優れたものとし、またラミネート密着性を更
に向上させるために、熱硬化性樹脂を主成分とした従来
公知の接着剤を予めB層に塗布しておき、ラミネートを
実施してもよい。
【0056】本発明の金属容器は、前述のフィルムラミ
ネート金属板を用いて成形することによって得られる。
金属容器の形状は特に限定されないが、例えば、缶状、
瓶状、樽状等とすることができる。また、金属容器の成
形方法も特に限定されないが、例えば、絞り成形法、し
ごき成形法、絞りしごき成形法等の公知の方法を使用す
ることができる。
【0057】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明の
内容および効果を具体的に説明するが、本発明は、その
要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0058】なお、実施例および比較例におけるフィル
ムの各特性の測定方法を以下に記載する。
【0059】(1)フィルムラミネート金属板の熱処理
におけるポリエステル系フィルムの寸法変化率の測定方
法 脱脂処理した厚さ190μmの金属板(ティンフリース
チール、Lタイプブライト仕上げ、表面粗さ0.3〜
0.5μm、新日本製鐵社製)を200℃に予熱してお
き、該金属板と、厚さ12μmとしたポリエステル系フ
ィルム試料の片面とを合わせ、圧力を500N/cmと
したゴムロールとゴムロールとの間を、速度10m/分
の条件で通過、次いで急水冷させてフィルムラミネート
金属板〔厚さ202μm(ポリエステル系フィルム/金
属板=12μm/190μm)〕を得た。得られたフィ
ルムラミネート金属板を、1辺がフィルム縦延伸方向
(二軸延伸フィルム)またはフィルム延伸方向(一軸延
伸フィルム)またはフィルム製膜方向(未延伸フィル
ム)に対して平行となるよう、フィルム試料部と金属板
部の面積を合同にして60mm×60mmの正方形に裁
断した。次いで、このフィルムラミネート金属板試料を
風速1〜10m/秒、温度210℃に調整した熱風オー
ブン中にオーブンの真ん中になるように天井からつる
し、2分間熱処理を行った後、該フィルムラミネート金
属板試料をオーブンより取り出し、直ちに25℃以下の
水に1秒間以上浸漬して急水冷させた。次いで、試料の
フィルム部分において、フィルム横延伸方向(二軸延伸
フィルム)、またはフィルム延伸方向(一軸延伸フィル
ム)もしくはフィルム面内で製膜方向(未延伸フィル
ム)に直交する方向の長さを読み取り、熱処理後の寸法
(I:単位mm)とした。得られたIから以下の式によ
り寸法変化率を算出した。
【0060】(数1) 寸法変化率(%)=(|60−I|/60)×100
【0061】(2)融点の測定方法 試料を300℃で5分間加熱溶融した後、液体窒素で急
冷した。その10mgを試料とし、10℃/分の速度で
昇温していった際に現れる結晶融解に基づく吸熱ピーク
温度を示差走査型熱量計で測定した。
【0062】(3)極限粘度の測定方法 フェノール/テトラクロロエタンの混合溶媒(重量比で
6/4)に、試料を濃度0.4g/dlとなるように溶
解し、ウベローデ型粘度管を用いて温度30℃で測定し
た。
【0063】(4)動摩擦係数の測定方法 上記(1)のようにして得たフィルムラミネート金属板
を、長辺がフィルム縦延伸方向(二軸延伸フィルム)ま
たはフィルム延伸方向(一軸延伸フィルム)またはフィ
ルム製膜方向(未延伸フィルム)に対して平行となるよ
う、フィルム試料部と金属板部の面積を合同にして15
0mm×100mmの長方形に裁断し、試料とした。次
いで、50mm×70mmの接触面積を有する重量1.
5kgの滑走子に該フィルム試料を表面にしてフィルム
縦延伸方向(二軸延伸フィルム)またはフィルム延伸方
向(一軸延伸フィルム)またはフィルム製膜方向(未延
伸フィルム)が滑走方向と平行となるようセットし、8
0℃のティンフリースチール板上を速度250mm/分
で滑走させたときの動摩擦係数を測定した。
【0064】(5)エチレンテレフタレート環状三量体
の定量方法 試料をヘキサフルオロイソプロピルアルコール/クロロ
ホルム=2/3(V/V)に浸漬してポリエステルを溶
解させた。次いで、メタノールでポリエステルを沈澱さ
せ、沈澱したポリエステルを濾別し、乾燥した後、その
量を測定した。また、沈殿したポリエステルを濾別した
際に得られた濾液を蒸発乾固した後、該蒸発乾固物を
N,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた。該溶液を
液体クロマトグラフィー法で展開し、エチレンテレフタ
レート環状三量体量を定量した。
【0065】(6)オリゴマー析出の判定方法 上記(1)のようにして得たフィルムラミネート金属板
を、1辺がフィルム縦延伸方向(二軸延伸フィルム)ま
たはフィルム延伸方向(一軸延伸フィルム)またはフィ
ルム製膜方向(未延伸フィルム)に対して平行となるよ
う、フィルム試料部と金属板部の面積を合同にして10
0mm×100mmの正方形に裁断し、試料とした。こ
の試料を500ccの蒸留水とともに、120℃で30
分間レトルト処理をした。該処理後のフィルムラミネー
ト金属板を風乾し、そのフィルム表面の状態をルーペで
観察し、以下に示す基準に基づきオリゴマー析出の有無
を判定した。 有:フィルム表面にオリゴマーの結晶が観察される。 無:フィルム表面にオリゴマーの結晶が観察されない。
【0066】(7)衝撃強度の測定法 東洋精機(株)社製、「フィルムインパクトテスター」
によってフィルムの衝撃強度を測定した。
【0067】(8)熱収縮率の測定法 JIS C−2318に基づいて、フィルム平面内の全
方向における150℃、30分後の熱収縮率を測定し
た。測定方向は縦方向、横方向の2方向とした。
【0068】[実施例] (ポリエステル系フィルムの製造)A層用のポリエステ
ルとして、平均粒径1.5μmの凝集タイプのシリカ
0.3重量%および平均粒径3.0μmであるトリメチ
ロールプロパントリメタクリレートで架橋した球状のポ
リメチルメタクリレート粒子1.0重量%を含み、抽出
法でエチレンテレフタレート環状三量体量を低下させ
た、エチレンテレフタレート環状三量体含有量が0.3
3重量%、かつ固層重合法により極限粘度が0.75
で、融点が254℃のポリエチレンテレフタレート95
重量部と、極限粘度が1.10、融点が224℃のポリ
ブチレンテレフタレート5重量部との混合物(融点25
0℃、極限粘度0.75)を用いた。一方、B層用のポ
リエステルとして、平均粒径1μmの球状シリカ0.1
重量%を含むテレフタル酸/イソフタル酸(モル比90
/10)とエチレングリコールとの共重合ポリエステル
(融点215℃、極限粘度0.65)を用いた。これら
のA層用およびB層用のポリエステルをそれぞれ別々の
押出し機で溶融させ、この溶融体をダイ内で合流させた
後、冷却ドラム上に押出し、無定形シートとした。その
後、上記無定形シートを90℃で縦方向に3.7倍、横
方向に3.7倍延伸し、220℃で熱固定して、A層厚
さ9μmおよびB層厚さ3μm(総厚さ12μm)のポ
リエステル系フィルムを得た。このポリエステル系フィ
ルムのB層はジクロロメタンによって容易に侵され、実
質的に無配向化されているものであった。上記に示す方
法での衝撃強度は0.35Jであり、フィルムの熱収縮
率は縦方向が2.2%、横方向が0.9%であった。
【0069】(フィルムラミネート金属板の製造)脱脂
処理した厚さ190μmの金属板(ティンフリースチー
ル、Lタイプブライト仕上げ、表面粗さ0.3〜0.5
μm、新日本製鐵社製)を200℃に予熱しておき、該
金属板と上記ポリエステル系フィルムのB層側の面とを
合わせ、圧力を500N/cmとしたゴムロールとゴム
ロールとの間を速度10m/分の条件で通過、次いで急
水冷させてフィルムラミネート金属板〔厚さ202μm
(ポリエステル系フィルム(A層/B層)/金属板=1
2μm(9μm/3μm)/190μm)〕を得た。こ
の時にフィルムの破断等、ハンドリング性に問題は生じ
ず、かつラミネート時に熱収縮を原因とする皺の発生も
なく良好なものであった。得られたフィルムラミネート
金属板について上記に示すポリエステル系フィルムの熱
処理による寸法変化率を測定したところ、0.5%であ
った。また、フィルム表面の80℃での動摩擦係数、お
よびフィルム中のエチレンテレフタレート環状三量体含
有量を測定したところ、それぞれ0.39および0.4
1重量%であった。さらに、オリゴマーの析出の有無を
観察したところ、フィルム表面にオリゴマーの析出は観
察されなかった。
【0070】(金属容器の製造)前述のフィルムラミネ
ート金属板を用い、3ピース缶として製缶したところ、
製缶工程において高速度で製缶をすることができ、該工
程での熱処理後においてもフィルムのだぶつきや金属板
の表面露出等の問題は生じなかった。また、こうして得
られた缶に食料品を充填して125℃、30分間のレト
ルト処理を実施し、40℃、6ヶ月間の貯蔵テストを実
施したところ、耐食性の良好な、食料品の保護性に優れ
たものであった。
【0071】[比較例]上記実施例におけるA層用のポ
リエステルとして、ポリブチレンテレフタレートを用い
ずに上記エチレンテレフタレート環状三量体含有量0.
33重量%のポリエチレンテレフタレートを100重量
部使用し、かつ製膜条件における熱固定温度を160℃
とした以外は上記実施例と同様にして、ポリエステル系
フィルムおよびフィルムラミネート金属板を製造した。
【0072】当該フィルムラミネート金属板の熱処理に
おけるポリエステル系フィルムの衝撃強度、フィルムの
熱収縮率(縦方向および横方向)、寸法変化率、動摩擦
係数およびエチレンテレフタレート環状三量体含有量
は、それぞれ0.4J、5.5%、7.5%、3.0
%、0.38および0.38重量%であった。
【0073】また、当該ポリエステル系フィルムを用い
てフィルムラミネート金属板を製造した際、フィルムに
皺が入り易く、収率は低いものであった。さらにこのフ
ィルムラミネート金属板の皺のない良好な部分を用いて
金属容器を製造したところ、製缶工程中の熱処理後に該
フィルムの収縮による接合部補修の仕上がり不良が発生
し、商品価値の低いものであった。
【0074】
【発明の効果】本発明のポリエステル系フィルムは、ラ
ミネート加工時のフィルム破断等のない、良好なハンド
リング性を示しながら、耐熱性に優れ、製缶工程等の熱
処理後においても金属板の表面を安定して被覆すること
ができることに加えて、バリヤー性、耐食性、耐フレー
バー性等も優れているので、金属板の表面露出等が無
く、缶の仕上がりが良好であり、かつ耐食性や内容物と
なる食料品の保護性に優れた金属容器を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/36 B32B 27/36 // B29K 67:00 B29K 67:00 105:16 105:16 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00 C08L 67:00 C08L 67:00 (72)発明者 永野 煕 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東 洋紡績株式会社犬山工場内 Fターム(参考) 4F071 AA43 AA43X AA45X AA46X AA84X AB26 AE17 AF23Y AF54Y AF61Y AH05 BA01 BB06 BC01 4F100 AA01A AA01B AB01C AB03C AK01A AK01B AK41A AK41B BA01 BA02 BA03 BA10B BA10C DE01A DE01B EJ05A EJ05B EJ38A EJ38B GB16 JA03A JA04A JA04B JK10A JK16A JL04A YY00A YY00B 4F210 AA24 AB11 AB23 AG01 AG03 QC05 QG01 QG15 QG18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系樹脂からなるフィルムで
    あって、該フィルムの衝撃強度が0.25J以上であ
    り、かつ熱収縮率が0%を超え、5.0%以下であり、
    該フィルム中のエチレンテレフタレート環状三量体含有
    量が0.70重量%以下であり、さらに金属板の片面に
    ラミネートしてフィルムラミネート金属板を形成した場
    合、該フィルム表面における80℃での動摩擦係数が
    0.45以下であり、かつ210℃の雰囲気中で2分間
    の熱処理をしたときの寸法変化率が2.0%以下である
    ことを特徴とする金属板ラミネート用ポリエステル系フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフィルムが融点が240
    〜260℃であって、ポリエステルからなるA層と、融
    点が200〜235℃であるポリエステルからなるB層
    とから構成されることを特徴とする金属ラミネート用ポ
    リエステル系フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1、2のいずれかに記載のフィル
    ムであって、二軸配向フィルムであることを特徴とする
    金属ラミネート用ポリエステル系フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかに記載のフ
    ィルムであって、架橋高分子粒子および/または無機微
    粒子を含有することを特徴とする金属ラミネート用ポリ
    エステル系フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3、4のいずれかに記載
    のフィルムを金属板の少なくとも片面にラミネートして
    なるフィルムラミネート金属板。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のフィルムラミネート金属
    板を成形してなる金属容器。
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