JP4084163B2 - 金属板貼合せ深絞り成形加工用ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板貼合せ深絞り成形加工用ポリエステルフィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは製膜性に優れ、金属板に貼合せて絞り加工等の製缶加工をする際優れた成形加工性を示し、レトルト後外観、ゴールド発色性等に優れた金属缶、例えば飲料缶、食品缶等を製造し得る金属板貼合せ深絞り成形加工用ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
金属缶には内外面の腐蝕防止として一般に塗装が施されているが、最近、工程簡素化、衛生性向上、公害防止の目的で、有機溶剤を使用せずに防錆性を得る方法の開発が進められ、その一つとして熱可塑性樹脂フィルムによる被覆が試みられている。すなわち、ブリキ、ティンフリースチール、アルミニウム等の金属板に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした後、絞り加工等により製缶する方法の検討が進められている。
【0003】
缶の外観上に高級感を与えるために、ゴールド色に発色する塗料が広く使用されているが、これを着色フィルムのラミネートで代替する提案がされている。しかし、この着色フィルムのラミネートでは、解決するべき多くの課題がある。
【0004】
例えば特開2001−301025号公報では、エチレンテレフタレートを主たる構成成分とした着色ポリエステルフィルムが提案されているが、フィルムの融点が高いことから金属板上への良好な密着性を得られるラミネートが難しく、また成形性が低い浅搾り缶程度しか用いることができず、最も広く普及している飲料缶のような成形加工度の高い用途には適応ができないという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−301025号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では高度な成形加工性を有し、かつレトルト後外観、ゴールド発色性のすべてを満足するものはなかった。
【0007】
本発明はこのような従来技術での課題を解決するためのものであり、本発明の目的は、優れた深絞り成形加工性を有し、レトルト後外観、ゴールド発色性に優れた、金属缶、例えば飲料缶、食品缶を製造し得る、金属板貼合せ深絞り成形加工用ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、融点が210〜250℃のエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリエステル(I)10〜70重量%と、融点が170〜223℃のブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(II)30〜90重量%とからなるポリマー100重量部および着色剤0.05〜5.0重量部からなるポリエステル組成物からなるフィルムであって、フィルムの最短半結晶化時間が30〜100秒であり、かつ色差計によるa値が−20〜−3、b値が10〜50である、金属板貼合せ深絞り成形加工用ポリエステルフィルムである。
【0009】
[共重合ポリエステル(I)]
本発明において、共重合ポリエステル(I)は、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリエステルである。共重合成分は、酸成分でも、アルコール成分でも良い。共重合成分としては、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸の如き脂肪族ジカルボン酸が例示できる。アルコール成分としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールの如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオールが例示できる。これらは単独または二種以上を使用することができる。これらの中で、イソフタル酸または2,6−ナフタレンジガルボン酸が好ましい。
【0010】
共重合成分は、その種類にもよるが、結果としてポリマーの融点が、好ましくは210〜250℃、さらに好ましくは215〜245℃の範囲になる割合である。融点が210℃未満では耐熱性が劣ることになる。一方、融点が250℃を超えると、ポリマーの結晶性が高過ぎて成形加工性が損なわれる。
【0011】
共重合ポリエステル(I)の固有粘度は、好ましくは0.52〜0.80、さらに好ましくは0.54〜0.70、特に好ましくは0.57〜0.65である。固有粘度が0.52未満では缶成形時の成形加工性や、耐熱脆化等の特性が不十分であり、0.8を超えるとフィルム製膜時の押出成形性が低下して好ましくない。
【0012】
ここで、共重合ポリエステルの固有粘度は、ο−クロロフェノールに溶解後、35℃で測定する。また、共重合ポリエステルの融点測定は、Du Pont Instruments910DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピークを求める方法による。サンプル量は20mgとする。
【0013】
[ポリエステル(II)]
本発明において、ポリエステル(II)は、ブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルであり、ホモポリマーでもコポリマーでもよい。コポリマーの場合の共重合成分は、酸成分でもアルコール成分でも良い。共重合成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸の如き脂肪族ジカルボン酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸が例示できる。アルコール成分としては、ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等の如き脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオールが例示できる。これらは単独または二種以上を使用することができる。これらの中で、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジガルボン酸またはアジピン酸が好ましい。
【0014】
共重合成分は、その種類にもよるが、結果としてポリマー融点が、好ましくは170〜223℃、さらに好ましくは180〜223℃の範囲になる割合である。融点が170℃未満では耐熱性が劣ることになる。なお、ポリブチレンテレフタレートホモポリマーの融点は223℃である。
【0015】
ポリエステル(II)の固有粘度は、好ましくは0.70〜2.00、さらに好ましくは0.80〜1.70、特に好ましくは0.85〜1.50である。
【0016】
なお、ポリエステル(II)の融点および固有粘度の測定方法は、前述の共重合ポリエステルの測定方法とそれぞれ同じである。
【0017】
[着色剤]
着色剤としては、クルクミン誘導体、リボフラビン誘導体、タートラジン誘導体、キノリン誘導体、ナフタレンスルホン酸誘導体およびアンスラキノン誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の着色剤、好ましくはアンスラキノン誘導体を用いる。着色剤として好ましい化合物は、Curcumin、Riboflavin、Riboflavin phosphate、Tartrazine、Quinoline yellow、Sunset yellow FCF、Orange yellow S、1,1'-[(6-phenyl-1,3,5-triazine-2,4-diyl)diimino]bisanthraquinoneであり、最も好ましいものは1,1'-[(6-phenyl-1,3,5-triazine-2,4-diyl)diimino] bisanthraquinoneである。
【0018】
着色剤として、色調を調整するために、さらに他の成分を併用してもよい。その場合、着色剤としては、耐熱性の良好なものが好ましく、またその用途上、食品衛生面での安全性が認められているものが好ましい。
【0019】
着色剤の添加方法としては、フィルムを構成するポリマーの重合工程にて添加してもよいし、高濃度のマスターチップを、例えば二軸押出機によって作成しておき、このマスターチップを着色剤を含有しないポリマーのチップと混合することにより配合してもよい。この方法では所望の濃度に調整しやすい。また、例えばスクリューフィーダーを使用して製膜工程の押出機に着色剤を粉体のままで直接添加してもよい。
【0020】
[組成比]
本発明において、フィルムを構成するポリエステル組成物は、ポリマーと着色剤からなる。このポリマーは、共重合ポリエステル(I)とポリエステル(II)とからなり、共重合ポリエステル(I)は、ポリマー100重量%あたり、10〜70重量%、好ましくは30重量%を超え60重量%未満であり、ポリエステル(II)は、ポリマー100重量%あたり、30〜90重量%、好ましくは40重量%を超え70重量%未満である。着色剤は、ポリマー100重量部あたり0.05〜5.0重量部、好ましくは0.10〜1.0重量部である。
【0021】
ポリエステル(II)が30重量%未満で、共重合ポリエステル(I)が70重量%を超えると、最短結晶化時間が100秒を超えるため、レトルト処理後の外観が斑点状に乳白色に変色し易い。ポリエステル(I)が90重量%を超え、共重合ポリエステル(I)が10重量%未満であると、最短結晶化時間が30秒未満となり結晶性が上がり過ぎるため製膜性が悪化する。
【0022】
本発明において、着色剤はポリマー100重量部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜1.0重量部配合する。0.05重量部未満では着色性に乏しく、良好なゴールド発色性が得られない。他方5重量部を超えると着色剤の分散状態が悪化し製膜性が低下する。
【0023】
[ポリマーの製造方法]
本発明において、共重合ポリエステル(I)およびポリエステル(II)は、従来から公知の方法で製造することができる。
【0024】
例えば、共重合ポリエステル(I)は、テレフタル酸、エチレングリコール及び共重合成分をエステル化反応させ、ついで得られる反応生成物を重縮合反応させて共重合ポリエステルとする方法、あるいはジメチルテレフタレート、エチレングリコール及び共重合成分をエステル交換反応させ、ついで得られる反応生成物を重縮合反応させて共重合ポリエステルとする方法で製造することができる。
【0025】
共重合ポリエステルおよびポリエステルポリマーの製造においては、必要に応じ、他の添加剤例えば蛍光増白剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤等も添加することができ、また白色顔料や黄色顔料の添加により着色することもできる。
【0026】
また、本発明におけるフィルムは、フィルム製造工程における取扱い性、特に巻取り性、を改良するため、平均粒径2.5μm以下、好ましくは0.01〜1.8μmの微粒子を、ポリマー100重量部に対し0.005〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部含有させることが特に推奨される。
【0027】
微粒子としては、無機系、有機系のいずれも用いることができるが、無機系が好ましい。無機系微粒子としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムが例示できる。有機系微粒子としては、架橋ポリスチレン粒子、架橋シリコーン樹脂粒子が例示できる。いずれも平均粒径が2.5μm以下であることが望ましく、微粒子の平均粒径が2.5μmを超える場合は、成形加工により変形した部分の、粗大粒子(例えば10μm以上の粒子)が起点となり、ピンホールを生じたり、場合によっては破断することもあり好ましくない。
【0028】
特に、耐ピンホール性の点で好ましい微粒子は、平均粒径が2.5μm以下であると共に、粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2である単分散微粒子である。このような微粒子としては、真球状シリカ、真球状二酸化チタン、真球状ジルコニウム、真球状架橋シリコーン樹脂粒子が例示できる。
【0029】
[最短半結晶化時間]
本発明において、フィルムの最短半結晶化時間は5〜100秒、好ましくは30〜100秒、さらに好ましくは30〜70秒、特に好ましくは30〜50秒である。最短半結晶化時間が5秒未満であると結晶性が上がり過ぎるため製膜性が悪化し、最短結晶化時間が100秒を超えるとレトルト処理後の外観が斑点状に乳白色に変色する。
【0030】
本発明における最短半結晶化時間は、樹脂の結晶化が生じる温度範囲で半結晶化時間を測定し、該温度範囲の中で最も短かった半結晶化時間であり、ポリマー結晶化速度測定装置(コタキ製作所(株)製、MK−801型)を用いて、直交した偏光板の間に置いた試料の結晶化に伴い増加する光学異方性結晶成分による透過光を各試料温度で測定(脱偏光強度法)し、下記のアブラミ式を用いて結晶化度が1/2となる時間を算出した各試料温度での値の中で最も短い時間である。
【0031】
【数1】
Figure 0004084163
【0032】
なお、試料(試料重量:8mg)は該装置に組み込まれた融解炉で樹脂の最高融点+50℃の温度で窒素中で1分間加熱後、直ちに試料を移動させて、結晶化浴中に浸漬し、10秒以内に試料温度を平衡な測定温度になるようにして測定を開始する。
【0033】
また、ここでの最高融点とは示差走査熱量計(Du Pont Instruments 910 DSC型)により20℃/分の昇温速度で昇温した時、1つあるいは2つ以上の吸熱ピークが認められるが、それらの吸熱ピークの最大深さを示す温度の中で最高の温度をいう。
【0034】
該脱偏光強度法は、新実験化学講座(丸善)および高分子化学 Vol.29.No.139、323および336(高分子学会)にも記載されているように、早い結晶化速度を測定する時、有効な方法である。
【0035】
なお、試料が熱平衡に達するまでの時間を考慮し、結晶化浴中に試料を移動して10秒経過した時点をt=0秒として測定する。t=0秒で測定した脱偏光透過強度がIo、Log tに対して脱偏光透過強度をプロットして結晶化温度曲線が直線になりはじめた点の脱偏光透過強度をIgとする。
【0036】
フィルムのポリエステル組成物を構成する共重合ポリエステル(I)とポリエステル(II)は、製膜前までに溶融混練されていることが好ましい。
【0037】
[COOH末端量]
本発明において、共重合ポリエステル(I)とポリエステル(II)のCOOH末端量がフィルムの最短半結晶化時間に大きく関係する。
【0038】
本発明の最短半結晶化時間を達成するためには、溶融混合前の共重合ポリエステル(I)のCOOH末端量を10〜50当量/トンとし、ポリエステル(II)のCOOH末端量を10〜60当量/トンとすることが好ましい。このようにすると、最短半結晶化時間を本発明の範囲に制御することができる。
【0039】
共重合ポリエステル(I)のCOOH末端量が10当量/トン未満であると、かかる最短半結晶化時間が長くなり過ぎて、ポリマーの劣化によるフィルムの製膜性が低下し易くなり、またレトルト処理後の外観が斑点状に乳白色に変色するため好ましくない。COOH末端量が50当量/トンを超えるものは最短半結晶化時間が短くなり過ぎて、製膜工程中、特に延伸工程中で結晶化を起こしてしまい、局所的な厚み斑や幅変動の原因となり製膜性が低下し易く好ましくない。
【0040】
また、ポリエステル(II)のCOOH末端量が10当量/トン未満であると、かかる最短半結晶化時間が長くなり過ぎて、ポリマーの劣化によるフィルムの製膜性が低下し易くなり、またレトルト処理後の外観が斑点状に乳白色に変色するため好ましくない。COOH末端量が60当量/トンを超えるものは最短半結晶化時間が短くなり過ぎて、製膜工程中、特に延伸工程中で結晶化を起こしてしまい、局所的な厚み斑や幅変動の原因となり製膜性が低下し易く好ましくない。
【0041】
なお、COOH末端量は、セイワ技研製COOH自動測定装置を用い、サンプル100mgにベンジルアルコール20mgを加え、窒素雰囲気下にて、200℃で4分間加熱した後、常温に冷却し、フェノールレッドを指示薬として0.02N水酸化ナトリウムベンジルアルコール溶液を滴下して、指示薬変色までの滴定量より下記式を用いて求められる。
【0042】
【数2】
COOH末端量(当量/トン)=滴定量(cc)×200
【0043】
[色相]
本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムは、色差計によるa値が−50〜0かつb値が5〜100、好ましくはa値が−20〜−3かつb値が10〜50である。b値が5未満では着色性に乏しく、良好なゴールド発色性が得られない。100を超えると着色剤の分散状態が悪化し、製膜性が低下する。a値とb値をこの範囲とすることで金属ラミネート後に外観上高級感のあるゴールド発色性を持たせることができる。
【0044】
[厚み]
本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムは、厚みが好ましくは3〜75μm、さらに好ましくは6〜50μm、特に好ましくは9〜30μmである。厚みが3μm未満では成形加工時に破れが生じやすくなり、75μmを超えるものは過剰品質であって不経済であり好ましくない。
【0045】
[金属板]
本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムが貼り合わせられる金属板、特に製缶用金属板としては、ブリキ、ティンフリースチール、ティンニッケルスチール、アルミニウムの板が適切である。
【0046】
金属板へのポリエステルフィルムの貼り合わせは、例えば下記(ア)、(イ)の方法で行うことができる。
【0047】
(ア)金属板をフィルムの融点以上に加熱しておいてフィルムを貼り合わせた後冷却し、金属板に接するフィルムの表層部(薄層部)を非晶化して密着させる。
【0048】
(イ)フィルムにあらかじめ接着剤をプライマーコートしておき、この面と金属板を貼り合わせる。接着剤としては公知の樹脂接着剤、例えばエポキシ系接着剤、エポキシ−エステル系接着剤、アルキッド系接着剤を用いることができる。
【0049】
接着剤に白色顔料や黄色顔料を分散させることにより着色外観を有するフィルムとしてもよい。
【0050】
[製造方法]
本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムは、未延伸フィルム、二軸配向フィルムであってよく、二軸配向フィルムであることが好ましいが、これらは、従来から知られている方法で製造することができる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例を掲げて本発明を更に説明する。なお、フィルムの特性は、以下の方法で測定、評価した。
【0052】
(1)融点:
Du Pont Instruments 910 DSCを用い、昇温速度20℃/分で融解ピーク温度を求める方法による。なおサンプル量は約20mgとする。
【0053】
(2)固有粘度:
フィルムをο−クロロフェノールに溶解後、遠心分離機により酸化チタン等のフィラーを取り除き、35℃の温度にて測定した。なお、固有粘度は未延伸フィルムの値である。
【0054】
(3)COOH末端量:
セイワ技研製COOH自動測定装置を用い、サンプル100mgにベンジルアルコール20mgを加え、窒素雰囲気下にて、200℃で4分間加熱した後、常温に冷却し、フェノールレッドを指示薬として0.02N水酸化ナトリウムベンジルアルコール溶液を滴下して、指示薬変色までの滴定量より下記式を用いて求められる。
COOH末端量(当量/トン)=滴定量(cc)×200
【0055】
(4)最短半結晶化時間:
コタキ製作所製ポリマー結晶化速度測定装置MK−801型を用い、サンプル8mgにて100〜180℃の範囲にて測定する。
【0056】
サンプルフィルムを、230℃に加熱した板厚0.25mmのティンフリースチールの両面に貼り合せ、水冷した後、150mm径の円板状に切り取り、絞りダイスとポンチを用いて4段階で深絞り加工し、55mm径の側面無継目容器(以下、缶と略す)を作成する。これらの缶について以下の観察及び試験を行い、各々下記の基準で評価する。
【0057】
(5)深絞り加工性:
缶の加工状況について観察した結果を次の基準で評価する。
○:フィルムに異状なく加工され、フィルムに白化や破断が認められない。
△:フィルムの缶上部に白化が認められる。
×:フィルムの一部にフィルム破断が認められる。
【0058】
(6)レトルト後外観:
前記(5)にて深絞り成型が良好であった缶に水を一杯まで充填した後、レトルト釜に入れ、スチームが直接サンプルに当らないようにして120℃の加圧水蒸気で30分レトルト処理を施し、深絞り缶の底のポリエステル樹脂層の表面外観の変化を肉眼で観察する。次の基準で評価する。
○:変化なし、
△:やや白濁した。
×:著しく斑点状に乳白色に変化した。
【0059】
(7)色相測定:
日本電色工業製自動色差計を用い、5cm角のサンプル1枚のa値およびb値を測定し、下記の基準でゴールド発色性について評価する。
○:a値が−50〜0、b値が5〜100
△:a値が−50〜0、b値が100を超えるもの
×:a値とb値が上記範囲外のもの
【0060】
[実施例1〜6、比較例1]
表1に示す着色剤を含むポリエステル組成物を常法により乾燥、270℃で溶融したあと、ダイから押出して急冷固化し、未延伸フィルムを作成した。
【0061】
次いで、この未延伸フィルムを68℃で3.4倍に縦延伸した後、75℃で3.8倍に横延伸し、185℃で熱固定して二軸配向積層フィルムを得た。得られたフィルムの厚みはいずれも12μmであった。このフィルムを評価した結果を表1および表2に示す。
【0062】
[比較例2]
実施例4において、共重合ポリエステル(I)とポリエステル(II)の比率を表1のとおり変更する以外は実施例4と同様にして製膜を行ない、二軸配向フィルムを得た。製膜時縦延伸工程において幅変動が激しく、かつ厚み斑が悪く切断が多発し製膜性は非常に悪かった。
【0063】
[比較例3]
実施例3において、共重合ポリエステル(I)を表1のとおり変更する以外は実施例3と同様にして製膜を行ない、二軸配向フィルムを得た。製膜時横延伸工程において切断が頻発し製膜性は悪かった。
【0064】
[比較例4]
実施例3において、共重合ポリエステル(I)を表1のとおり変更する以外は実施例3と同様にして製膜を行ない、二軸配向フィルムを得た。製膜時縦延伸工程において幅変動が大きく、切断が頻発し製膜性は悪かった。
【0065】
[比較例5]
実施例3において、ポリエステル(II)を表1のとおり変更する以外は実施例3と同様にして製膜を行ない、二軸配向フィルムを得た。製膜時横延伸工程において切断が頻発し製膜性は悪かった。
【0066】
[比較例6]
実施例3において、ポリエステル(II)を表1のとおり変更する以外は実施例3と同様にして製膜を行ない、二軸配向フィルムを得た。製膜時縦延伸工程において幅変動が激しく、かつ厚み斑が悪く切断が多発し製膜性は非常に悪かった。
【0067】
[比較例7]
実施例1において、着色剤を添加しない以外は実施例1と同様にして製膜を行ない、二軸配向フィルムを得た。ゴールド発色性がないことから外観は非常に悪かった。
【0068】
評価結果は表1および表2に示す通りであった。
【0069】
【表1】
Figure 0004084163
【0070】
【表2】
Figure 0004084163
【0071】
表2の結果から明らかなように、本発明のポリエステルフィルムを使用した缶では、優れた深絞り加工性を有し、レトルト後外観、ゴールド発色性に優れている。
【0072】
【発明の効果】
本発明の金属板貼合せ成形加工用ポリエステルフィルムは、優れた成形加工性、レトルト後外観、ゴールド発色性に非常に優れている。従って、清涼飲料水や食缶用などの金属缶の缶胴部や蓋材部に貼り合せて用いるのに、特に好適である。

Claims (4)

  1. 融点が210〜250℃のエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とする共重合ポリエステル(I)10〜70重量%と、融点が170〜223℃のブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル(II)30〜90重量%とからなるポリマー100重量部および着色剤0.05〜5.0重量部からなるポリエステル組成物からなるフィルムであって、フィルムの最短半結晶化時間が30〜100秒であり、かつ色差計によるa値が−20〜−3、b値が10〜50である、金属板貼合せ深絞り成形加工用ポリエステルフィルム。
  2. 着色剤が、1,1'-[(6-phenyl-1,3,5-triazine-2,4-diyl)diimino]bisanthraquinoneである、請求項1に記載の金属板貼合せ深絞り成形加工用ポリエステルフィルム。
  3. 共重合ポリエステル(I)がイソフタル酸共重合ポリエステルである、請求項1または2に記載の金属板貼合せ深絞り成形加工用ポリエステルフィルム。
  4. 共重合ポリエステル(I)が2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエステルである、請求項1または2に記載の金属板貼合せ深絞り成形加工用ポリエステルフィルム。
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