JP4866733B2 - 水性液吸収剤の製造方法 - Google Patents
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Description
近年、おむつなどの衛生材料の薄型化のニーズに伴い、吸収体中の吸水性樹脂の割合が増加する傾向にある(例えば、特許文献1参照)。
このような水性液吸収剤に必要な性能としては、無加圧下、加圧下において水性液を吸収、保持する性能はもとより、繊維材の性能が大きく寄与している水性液を迅速に吸収する性能や、水性液を吸収した後に水性液を拡散させる性能、水性液を吸収した後に水性液を保持できる性能がある。
本発明の課題は、上記性能を備えた衛生材料用途その他の用途に適した水性液吸収剤の製造方法を提供することにある。
そこで、この吸水性樹脂粒子を必須とすることを前提として、つぎに、水性液吸収剤の性能設計につき、種々検討を重ねた。その結果、この吸水性樹脂粒子を必須とする水性液吸収剤は、その吸水倍率(CRC)が5〜25g/gであり、かつ、その吸収速度(FSR)が0.2g/g/s以上であることが必要であることが分かった。そして、水性液吸収剤が水性液を吸収した後、さらに水性液を垂直方向や水平方向に迅速に拡散するためには、生理食塩水流れ誘導性(SFC)が400×10−7cm3・s/g以上であることが必要であり、他方、水性液吸収剤が水性液を吸収した後、さらに水性液を保持できる水性液保持力を有するためには、湿潤下粒子間間隙率(Wet Porosity)が20%以上であることが必要であることも分かり、このことを具体化するための構成と製法も、構想し、作成し、実施し、その作用効果を確認して、本発明を完成した。
上記本発明にかかる水性液吸収剤の製造方法においては、
前記粉砕ゲル粒子は、少なくとも一部が造粒物であることができ、
前記モノマー水溶液中のモノマー濃度が35重量%以上かつ飽和濃度以下であることができる。
本発明で用いることができる吸水性樹脂粒子は、水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合して得られ内部に架橋構造を有する水不溶性水膨潤性ヒドロゲル形成性重合体の粒子であって、水膨潤性とは、吸水倍率が好ましくは5倍以上を示し、水不溶性とは、可溶分量が好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%以下、さらには後述の範囲である。また、少なくとも生理食塩水の吸水倍率が5倍以上である。粒子形状としては、例えば、球形、球が凝集した形状、球が偏平したような形状、不定形破砕形状、不定形破砕物が造粒した形状、孔を有する発泡した形状のものである。なお、本発明においては、吸水性樹脂粒子を単に吸水性樹脂と称することもある。
なお、水性液体としては、水に限らず、尿、血液、糞、廃液、湿気や蒸気、氷、水と有機溶媒ないし無機溶媒の混合物、雨水、地下水など、水を含めば特に限定されないが、好ましくは、尿、特に人尿の吸収固化剤とされる。
<製法1>
不飽和単量体水溶液を特定範囲の高架橋剤量の存在下に架橋重合した後、得られた含水ゲルを特定孔径の多孔構造から押し出して粉砕して、さらに粉砕ゲルを乾燥する方法。
<製法2>
不飽和単量体水溶液を特定範囲の高架橋剤量および発泡剤の存在下に架橋重合した後、得られた含水ゲルを粉砕して、さらに粉砕ゲルを乾燥する方法。
不飽和単量体水溶液を特定範囲の高架橋剤量の存在下に架橋重合した後、得られた含水ゲルを粉砕して、さらに粉砕ゲルを乾燥した後、次いで造粒する方法。
これらの製法1〜3では、好ましくは、粉砕ゲルは造粒粒子であり、また、好ましくは、乾燥後に表面架橋や通液性向上剤の添加が行われ、また、好ましくは、重合は特定高濃度の水溶液で行われる。
以下、本発明の水性液吸収剤の製造方法(製法1〜3、特に製法1)、さらには本発明の水性液吸収剤について順次説明する。
本発明で用いることができる吸水性樹脂粒子は、アクリル酸および/またはその塩を含む単量体を重合して得られるポリアクリル酸(塩)系架橋重合体からなる吸水性樹脂粒子であることが好ましい。
本発明においてポリアクリル酸(塩)系架橋重合体とは、アクリル酸および/またはその塩を好ましくは50〜100モル%、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%含む単量体を重合して得られる、内部に架橋構造を有する重合体である。また、重合体中の酸基は、その25〜100モル%が中和されていることが好ましく、50〜99モル%が中和されていることがより好ましく、55〜80モル%が中和されていることがさらに好ましく、塩としてはナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの1種または2種以上を例示する事ができる。塩を形成させるための酸基の中和は、重合前に単量体の状態で行っても良いし、あるいは重合途中や重合後に重合体の状態で行っても良いし、それらを併用してもよい。
他の単量体の具体例としては、メタアクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸などのアニオン性不飽和単量体およびその塩;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−ビニルアセトアミドなどのノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびそれらの四級塩などのカチオン性不飽和単量体などを挙げることができる。これらアクリル酸および/またはその塩以外の単量体の使用量は、全単量体中0〜30モル%が好ましく、より好ましくは0〜10モル%である。
本発明に用いられる吸水性樹脂粒子に内部架橋構造を導入する方法として、架橋剤を使用しない自己架橋によって導入する方法や、1分子中に2個以上の重合性不飽和基および/または2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させて導入する方法等を例示できる。
これらの内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ポリ(メタ)アリロキシアルカンなどの共重合性架橋剤や、共重合性基と共有結合性基を有する内部架橋剤として、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
本発明において用いることができる吸水性樹脂粒子は、本発明の効果を十分に発揮させるために、高架橋の重合体であることが好ましい。内部架橋剤の使用量としては、全単量体(内部架橋剤以外の水溶性エチレン性不飽和モノマー)に対して0.005〜3モル%が好ましく、より好ましくは0.01〜2モル%、さらに好ましくは0.2〜2モル%、特に好ましくは0.4〜1.5モル%である。特に、全単量体(内部架橋剤以外の水溶性エチレン性不飽和モノマー)に対して0.2モル%以上の内部架橋剤を用いると、本発明の効果がより一層発揮できるために好ましい。
重合に際しては、澱粉−セルロ−ス、澱粉−セルロ−スの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子を全単量体(内部架橋剤以外の水溶性エチレン性不飽和モノマー)に対して0〜30重量%添加しても良いし、次亜リン酸(塩)等の連鎖移動剤を全単量体(内部架橋剤以外の水溶性エチレン性不飽和モノマー)に対して0〜1重量%添加してもよい。
重合を行うにあたり、飽和濃度を超えるスラリー状態でも良いが、使用するモノマー水溶液中のモノマー濃度が35重量%以上で飽和濃度以下であることが好ましく、37重量%以上で飽和濃度以下であることがより好ましい。モノマー水溶液の温度は、0〜100℃が好ましく、10〜95℃がより好ましい。なお、飽和濃度とは、モノマー水溶液の温度で規定される。
得られた含水ゲルは、そのまま乾燥を行ってもよいが、好ましくは、孔径0.3〜6.4mmの多孔構造から押し出して粉砕することによって、粉砕ゲル粒子とする。このように、好ましくは高架橋(高内部架橋)の含水ゲルを特定の孔径の多孔構造から押し出して粉砕することによって、本発明の効果を十分に発揮できる粉砕ゲル粒子とすることが可能となる。孔の形状としては、円形、正方形、長方形、などの四方形、三角形、六角形など、特に限定されないが、好ましくは、円形の孔から押し出される。なお、前記の孔径とは、目開き部の外周を円の外周に換算した場合の直径で規定できる。
多孔構造の孔径が0.3mmよりも小さいと、ゲルが紐状になったり、あるいはゲルを押出すことができなくなったりするおそれがある。多孔構造の孔径が6.4mmよりも大きいと、本発明の効果を発揮することができないおそれがある。
粉砕ゲル粒子を得るための押し出し粉砕を行うための装置としては、例えば、含水ゲル状重合体を多孔板より押し出すことで破砕するもので、押し出す機構としては、スクリュー型、回転ロール型によるもの等、含水ゲル状重合体をその供給口から多孔板に圧送できる形式のものが用いられる。スクリュー型押し出し機は、一軸あるいは多軸でもよく、通常、食肉、ゴム、プラスチックの押し出し成型に使用されるもの、あるいは、粉砕機として使用されるものでもよい。例えば、ミートチョッパーやドームグランが挙げられる。
特に好ましい態様としては、前述のように、特定の内部架橋剤量を含む特定濃度のモノマー水溶液を重合して、得られた含水ゲルを特定の条件、すなわち、孔径0.3〜6.4mmの多孔構造から押し出して粉砕することによって、ゲル粉砕と同時に造粒できることが見出された。この場合、粉砕と同時に造粒を行うために、水や内部架橋剤の例示に記載の多価アルコール、水と多価アルコールの混合液、水に内部架橋剤の例示に記載の多価金属化合物を溶解した溶液あるいはこれらの蒸気等を添加しても良い。すなわち、含水ゲルを押し出して粉砕することによって得られる粉砕ゲル粒子は、好ましくは、その少なくとも一部が造粒物である。なお、造粒物とは、細かく粉砕されたゲル粒子同士が接着、凝集した形状である造粒物や、一つの粒子に、それよりも小さい粒子が接着した形状である造粒物である。造粒物であることは、複数の粒子が結合している状態を光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて確認することも可能であり、また、別途、水性液吸収剤が粒子状の場合、造粒によって、嵩比重が低下することでも確認できる。
重合によって得られた含水ゲルは、好ましくは上述のように孔径0.3〜6.4mmの多孔構造から押し出して粉砕することによって粉砕ゲル粒子を得る工程を経た後、乾燥を行うことが好ましく、乾燥の後にさらに粉砕を行うことが好ましい。
乾燥することにより、含水ゲルまたは粉砕ゲル粒子は、固形分(180℃で3時間乾燥した際の乾燥減量を除した重量の乾燥前の重量に対する割合で規定)が、好ましくは70〜99.8重量%、より好ましくは80〜99.7重量%、さらに好ましくは90〜99.5重量%である。この範囲を外れると、吸水性樹脂の表面処理(架橋)による物性向上が得られにくい。
本発明において用いることができる吸水性樹脂粒子は、例えば、さらに分級することなどによって、重量平均粒子径を好ましくは150〜500μm、より好ましくは200〜400μm、さらに好ましくは250〜380μmに調整する。また、対数標準偏差(σζ)を好ましくは0.45〜0.20、より好ましくは0.35〜0.22、さらに好ましくは0.30〜0.25に調整する。本発明において用いることができる吸水性樹脂粒子について、重量平均粒子径と対数標準偏差(σζ)をこのように調整することによって、本発明の効果をより一層発揮することができる。
本発明で用いることができる吸水性樹脂粒子は、本発明の効果をより一層発揮するため、粒子径が150〜600μmの粒子を90〜100重量%含むことが好ましく、95〜100重量%含むことがより好ましい。また、粒子径が150〜500μmの粒子を90〜100重量%含むことがさらに好ましく、95〜100重量%含むことが特に好ましい。粒子径が150μm未満の粒子が多いと、通液性が悪くなって本発明の効果が十分に発揮できないおそれがある。粒子径が600μmより大きい粒子が多いと、実使用の場面において例えば人体に触れた場合に不快感を与えるおそれがある。
通液性向上のための処理としては、特に限定されないが、通液性向上剤を添加することで行うことが好ましい。
本発明において、通液性向上のための処理は、後述の表面処理(架橋)の前、同時、後のいずれに行っても良いが、本発明の効果をより発揮するために、好ましくは、表面処理(架橋)の後であり、表面処理(架橋)とは別に行うことが好ましい。
通液性向上剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、カリウム明礬、アンモニウム明礬、ナトリウム明礬、(ポリ)塩化アルミニウム、これらの水和物などの多価金属化合物;ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミンなどのポリカチオン化合物;シリカ、アルミナ、ベントナイトなどの無機微粒子;などが挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、硫酸アルミニウム、カリウム明礬などの水溶性多価金属塩が、生理食塩水流れ誘導性(SFC)や湿潤下粒子間間隙率(Wet Porosity)が向上する点で好ましい。
通液性向上剤の添加方法は、特に限定されず、ドライブレンドでもよいし、水溶液として添加しても良いし、熱融着による方法でもよい。
より詳細には、ドライブレンドとは、固体で粉体状である多価金属化合物あるいは無機微粒子等の上記通液性向上剤を、乾燥粉砕後の吸水性樹脂粒子に均一に混合する方法であり、必要に応じて、混合後、水や多価アルコールの水溶液をさらに添加混合しても良いし、さらに加熱しても良い。水溶液添加とは、多価金属化合物やポリカチオン化合物等の水溶液を吸水性樹脂粒子に添加混合する方法であり、多価金属化合物やポリカチオン化合物の濃度が高いほうが好ましい。また、混合後、必要により加熱しても良い。熱融着とは、硫酸アルミニウム、カリウム明礬、アンモニウム明礬、ナトリウム明礬等の多価金属水和物と吸水性樹脂粒子を混合と同時あるいは混合した後、加熱するまたはあらかじめ加熱した吸水性樹脂粒子に多価金属化合物を混合することで、多価金属水和物を溶融させ、吸水性樹脂粒子に接着させる方法であり、必要により加熱前に水を添加しても良い。
吸水性樹脂粒子の表面を架橋する工程は、前記通液性向上のための処理を施す工程の前、同時、および後から選ばれる少なくとも1つにおいて行うことが好ましい。
表面架橋処理に用いることの出来る表面架橋剤としては、吸水性樹脂粒子の有する官能基、特に、カルボキシル基と反応し得る官能基を2個以上有する有機表面架橋剤や多価金属化合物、ポリカチオンなどが挙げられる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化合物や、それらの無機塩ないし有機塩(例えば、アゼチジニウム塩等);2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;尿素、チオ尿素、グアニジン、ジシアンジアミド、2−オキサゾリジノン等の炭酸誘導体;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物、および、その多価アミン付加物(例えばハーキュレス製カイメン:登録商標);γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、3−ブチル−3−オキセタンエタノール、3−クロロメチル−3−メチルオキセタン、3−クロロメチル−3−エチルオキセタン、多価オキセタン化合物などのオキセタン化合物;亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物又は塩化物等の多価金属化合物等が挙げられる。これら表面架橋剤は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも多価アルコールは、安全性が高く、吸水性樹脂粒子表面の親水性を向上させることができる点で好ましい。また、多価アルコールを使用することで、吸水性樹脂粒子表面の多価金属粒子との馴染みが良くなり、多価アルコール残基と多価金属表面との相互作用により吸水性樹脂粒子表面に多価金属粒子をより均一に存在させることが可能となる。
表面架橋剤と吸水性樹脂粒子との混合の際には水を用いてもよい。水の使用量は、吸水性樹脂粒子の固形分100重量部に対して、0.5を越え、10重量部以下が好ましく、1〜5重量部の範囲内がより好ましい。
表面架橋剤やその水溶液を混合する際には、親水性有機溶媒や、第三物質を混合助剤として用いてもよい。
親水性有機溶媒を用いる場合には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、メトキシ(ポリ)エチレングリコール等のエーテル類;ε−カプロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール類等が挙げられる。なお、多価アルコール類は、温度や時間を適宜選択することによって架橋剤として用いても良いし、全く反応させず、溶媒として用いても良いし、これらを併用しても良い。
吸水性樹脂粒子と表面架橋剤とをより均一に混合するため、非架橋性の水溶性無機塩基類(好ましくは、アルカリ金属塩,アンモニウム塩,アルカリ金属水酸化物、および、アンモニアあるいはその水酸化物)や、非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤(好ましくは炭酸水素塩、リン酸二水素塩、リン酸水素塩等)を、吸水性樹脂粒子と表面架橋剤とを混合する際に共存させても良い。これらの使用量は、吸水性樹脂粒子の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂粒子の固形分100重量部に対して0〜10重量部の範囲内が好ましく、0.05〜5重量部の範囲内がより好ましい。
吸水性樹脂粒子と表面架橋剤とを混合した後、通常好ましくは加熱処理を行い、架橋反応を遂行させる。上記加熱処理温度は、用いる表面架橋剤にもよるが、40℃以上250℃以下が好ましく、150℃以上250℃以下がより好ましい。処理温度が40℃未満の場合には、加圧下の吸収倍率等の吸収特性が十分に改善されない場合がある。処理温度が250℃を越える場合には、吸水性樹脂粒子の劣化を引き起こし、性能が低下する場合があり注意を要する。加熱処理時間は、好ましくは1分〜2時間、より好ましくは5分〜1時間である。
本発明にかかる水性液吸収剤は、通液性向上のための処理を施されていない吸水性樹脂粒子を含む場合には、前述の含有割合でさらに通液性向上剤を含むことが好ましい。
本発明にかかる水性液吸収剤は、通液性向上のための処理を施された吸水性樹脂粒子を含む場合には、その吸水性樹脂粒子のみをもって本発明にかかる水性液吸収剤としてもよい。
本発明にかかる水性液吸収剤は、消臭剤、抗菌剤、還元剤、酸化剤、キレート剤などを、吸水性樹脂粒子に対して好ましくは0〜10重量%の範囲で含んでいても良い。
本発明にかかる水性液吸収剤は、吸水倍率(CRC)が5〜25g/gであり、より好ましくは10〜20g/gである。吸水倍率(CRC)が5g/gよりも小さいと、水性液吸収剤の使用量が多くなり、例えば、おむつが厚くなってしまう。吸水倍率(CRC)が25g/gよりも大きいと、通液性に劣るおそれがある。
本発明にかかる水性液吸収剤は、加圧下吸収倍率(AAP)を吸水倍率(CRC)で割った値(AAP/CRC)が1.00〜2.20であることが好ましく、より好ましくは1.10〜2.00、さらに好ましくは1.15〜1.90である。加圧下吸収倍率(AAP)を吸水倍率(CRC)で割った値(AAP/CRC)が1.00よりも小さいと、水性液吸収剤の使用量が多くなり、例えば、おむつが厚くなってしまう。加圧下吸収倍率(AAP)を吸水倍率(CRC)で割った値(AAP/CRC)が2.20より大きいと、例えば、おむつの使用において、戻り量が多くなってしまうので好ましくない。従来の吸水性樹脂粒子は、AAP/CRCが1.00未満であるが、本発明の水性液吸収剤は、上記の好ましい範囲であることも特徴とする。
本発明にかかる水性液吸収剤は、生理食塩水流れ誘導性(SFC)が400×10−7cm3・s/g以上であり、より好ましくは500×10−7cm3・s/g以上、さらに好ましくは700×10−7cm3・s/g以上、特に好ましくは1000×10−7cm3・s/g以上である。上限値は特に限定されないが、好ましくは4000×10−7cm3・s/g以下、より好ましくは3000×10−7cm3・s/g以下である。生理食塩水流れ誘導性(SFC)が400×10−7cm3・s/gよりも小さいと、例えば、尿が吸収体内で拡散されにくくなることでおむつに吸収されにくくなり、漏れを起こすおそれがある。
本発明にかかる水性液吸収剤は、吸収速度(FSR)が0.2g/g/s以上、吸水倍率(CRC)が5〜25g/g、生理食塩水流れ誘導性(SFC)が400×10−7cm3・s/g以上、湿潤下粒子間間隙率(Wet Porosity)が20%以上であるという、4つの物性をバランス良く両立させているため、本発明の効果を十分に発揮できる。これらの物性の中のひとつでも欠けてしまうと、本発明の効果が十分に得られないおそれがある。
本発明で用いる水性液吸収剤が粒子状である場合、水性液吸収剤の粒径や粒径分布に特に制限は無いが、本発明の効果をより一層発揮するため、重量平均粒子径が、好ましくは150〜500μm、より好ましくは200〜400μm、さらに好ましくは250〜380μmである。また、対数標準偏差(σζ)が、好ましくは0.45〜0.20、より好ましくは0.35〜0.22、さらに好ましくは0.30〜0.25である。
本発明にかかる水性液吸収剤は、粒子状の水性液吸収剤の場合、本発明の効果をより一層発揮するため、粒子径が150〜600μmの粒子を90〜100重量%含むことが好ましく、95〜100重量%含むことがより好ましい。また、粒子径が150〜500μmの粒子を90〜100重量%含むことがさらに好ましく、95〜100重量%含むことが特に好ましい。粒子径が150μm未満の粒子が多いと、通液性が悪くなって本発明の効果が十分に発揮できないおそれがある。粒子径が600μmより大きい粒子が多いと、実使用の場面において例えば人体に触れた場合に不快感を与えるおそれがある。
実施例および比較例における、測定方法および評価方法を以下に示す。
また、特に記載がない限り、下記の測定や評価は、室温(25℃)、湿度50RH%の条件下で行われたものとする。
なお、以下の測定対象は、水性液吸収剤として記載しているが、吸水性樹脂(粒子)や吸水性樹脂組成物などに適用してもよい。また、市販品の吸水性樹脂や、おむつから取り出した吸水性樹脂について測定する際は、適宜、減圧乾燥(例えば、60〜80℃で16時間乾燥)し、固形分を90〜100重量%にした後に測定する。
水性液吸収剤0.200gを不織布製(南国パルプ工業(株)製、商品名:ヒートロンペーパー、型式:GSP−22)の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、25℃に調温した生理食塩水(以下、全て生理食塩水とは、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液を指す)中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機(株式会社コクサン社製、遠心機:型式H−122)を用いて250cm/s2(250G)の遠心力で3分間水切りを行った後、袋の重量W1(g)を測定した。また、同様の操作を水性液吸収剤を用いずに行い、その時の重量W0(g)を測定した。そして、これらW1、W0から、下記の式に従ってCRC(g/g)を算出した。
<加圧下吸収倍率(AAP)>
加圧下吸収倍率(AAP)は、生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)に対する4.83kPaでの60分の加圧下吸収倍率を表す。
図1に示す装置を用いて測定した。
内径60mmのプラスチックの支持円筒100の底に、ステンレス製400メッシュの金網(目の大きさ38μm)101を融着させ、室温(23.0±2.0℃)、湿度50RH%の条件下で、金網上に水性液吸収剤(102)0.90gを均一に散布し、その上に、水性液吸収剤に対して、4.83kPa(0.7psi)の荷重を均一に加えることができるよう調整された、外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒の内壁面との間に隙間が生じず、かつ上下の動きが妨げられないピストン103と荷重104とをこの順に載置して、この測定装置一式の重量Wa(g)を測定した。
測定装置一式を前記湿った濾紙上に載せ、液を荷重下で所定時間吸収させた。この吸収時間は、測定開始から算出して、1時間後とした。具体的には、1時間後、測定装置一式を持ち上げ、その重量Wb(g)を測定した。この重量測定はできるだけすばやく、かつ振動を与えないように行わなくてはならない。そして、Wa、Wbから、次式によって加圧下吸収倍率(AAP)(g/g)を算出した。
<吸収速度(FSR)>
下記式(a)により算出される水性液吸収剤を小数点以下4桁まで正確に秤量した(単位:g)(WA)。秤量した水性液吸収剤を25mlガラス製ビーカー(直径32−34mm、高さ50mm)に入れた。この際、ビーカーに入れた水性液吸収剤の上面が水平となるようにした。必要により、慎重にビーカーをたたくなどの処置を行うことで水性液吸収剤表面を水平にしても良い。次に、23.0±2.0℃に調温した生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)20mlを50mlのガラス製ビーカーに量り取り、重さ(単位:g)を小数点以下4桁まで測定した(W1)。量り取った生理食塩水を、水性液吸収剤の入った25mlビーカーに丁寧に素早く注いだ。注ぎ込んだ生理食塩水が水性液吸収剤と接触したと同時に時間測定を開始した。そして、生理食塩水を注ぎ込んだビーカー中の生理食塩水液上面を約20゜の角度で目視した際、始め生理食塩水液表面であった上面が、水性液吸収剤が生理食塩水を吸収することにより、生理食塩水を吸収した水性液吸収剤表面に置き換わる時点で、時問測定を終了した(単位:秒)(ts)。次に、生理食塩水を注ぎ込んだ後の50mlビーカーに付着残存した生理食塩水の重さ(単位:g)を小数点以下4桁まで測定した(W2)。注ぎ込んだ生理食塩水の重さ(WF、単位:g)を下記式(b)により求めた。
式(a):
WA(g)=20(g)/(0.75×CRC(g/g))
式(b):
WF(g)=W1(g)−W2(g)
式(c):
FSR(g/g/s)=WF/(ts×WA)
1つのサンプルにつき、同様の測定を3回繰り返し行い、測定結果は、3回の測定値の平均値とした。
(SFC測定装置)
この測定は、加圧下で生理食塩水を吸収し膨潤した水性液吸収剤に形成されたゲル層の生理食塩水流れ誘導性(SFC)を測定する。
生理食塩水流れ誘導性(SFC)の測定には、Darcyの法則および定常流法を使用する(例えば、“Absorbency”、P.K. Chatterjee編集、Elsevier, 1985,42−43頁、およびChemical Engineering Vol.II,第3版、J.M.CoulsonおよびJ.F.Richarson,Pergamon Press,1978,125−127頁参照)。
図3に関して、SFC器具は、基本的に、下部にステンレスワイヤーメッシュを備えたシリンダー(214)(LEXANRまたは同等品を加工することで得られる)、ピストン(212)(LEXANRまたは同等品を加工することで得られる)、液配送用チューブの挿入口を備えたカバー(213)(LEXANRまたは同等品を加工することで得られる)、および重り(211)からなる。ピストン(212)は、図3に示したように穴の開いたピストンヘッド(215)を備えている。ピストンヘッド(215)の穴は、図4に示すようにピストンヘッド(215)の上下方向に貫通した円筒状の構造となっている。ピストンヘッド(215)の下面には、400メッシュ(目開き38μm)のワイヤーメッシュ(Weisse & Eschrich社製、材質:SUS304、メッシュ幅:0.038mm、ワイヤー径:0.025mm)(216)が接着されている。ピストンヘッド(215)は、シリンダー(214)の内径より僅かに小さい直径を有し、シリンダー(214)の内側を上下の動きが妨げられること無く滑り移動できる大きさを有する。ピストン(212)のシャフトの上部は重りを設置できるように加工されている。シリンダー(214)は、内径6.00cm(底面積:28.27cm2)、壁面の厚み0.5cm、および高さ6.0cmを有する。シリンダー(214)の底面には、400メッシュ(目開き38μm)のワイヤーメッシュ(Weisse & Eschrich社製、材質:SUS304、メッシュ幅:0.038mm、ワイヤー径:0.025mm)(216)が接着されている。カバー(213)は、ピストン(212)のシャフトの外径より僅かに大きい穴を有し、ピストン(212)のシャフトの上下の動きが妨げられること無く滑り移動できる大きさを有する。また、カバー(213)は、液配送用チューブの挿入口を備えている。重り(211)とピストン(212)の重さを合計した重量は、シリンダーの底面に対して2.07kPa(0.3psi)となるよう調整されている。
まず、水性液吸収剤を入れる前、すなわち、空状態のシリンダー(214)、ピストン(212)、カバー(213)、および重り(211)からなるSFC器具の高さ(h0:単位mm、有効数字4桁)、重さ(W0:単位g、有効数字4桁)を測定した。次に、3.00±0.05gの水性液吸収剤を秤量した(W:単位g、有効数字4桁)。秤量する水性液吸収剤の量は、後に示すd finalが10mmから20mmの範囲になるように調整されることが好ましく、例えば、吸水倍率(CRC)は5から15g/gの範囲の場合は3.00±0.05g、吸水倍率(CRC)は16から20g/gの範囲の場合は2.00±0.03g、21から28g/gの範囲の場合は1.60±0.03g、28g/gより大きい場合は0.90±0.01gの量である。秤量した水性液吸収剤をシリンダー(214)の下面全体に、丁寧に均一に分散し入れた。水性液吸収剤を入れた後、ピストン(212)、カバー(213)と重り(211)を設置し、SFC器具の高さ(h1:単位mm)を測定する。次に、少なくとも、直径16cm以上、高さ4cm以上のペトリ皿に生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)をSFC器具が下部から、少なくとも3cm以上浸漬するよう加えた。ペトリ皿の内側底面に、直径90mmの濾紙(ADVANTEC社製濾紙:No.2)を敷いた。ろ紙の上に水性液吸収剤の入ったSFC器具を載せ、60分間水性液吸収剤を膨潤させた。60分後、ペトリ皿からSFC器具を取り出し、水性液吸収剤が膨潤した後のSFC器具の高さ(h2:単位mm、有効数字4桁)、重さ(W2:単位g、有効数字4桁)を測定した。その後、SFC器具をSFC測定装置の支持体(209)の上へ移動設置し、フレキシブルチューブ(210)を挿入口に設置した。次に、バルブ(205)を開くことにより、液の配送を開始した。液配送開始後、天秤に表示されるゲル層を通り抜け捕集される液量が約200gとなるまでの問に、シリンダー中の静水高さが5cmを保つよう調整した。この調整は、ラボジャッキ(203)の高さを調整することで行っても良いし、貯蔵タンク(202)の上部から挿入されているガラス管の下部の高さを調整することで行っても良い。シリンダー内の静水高さが5cmを保つよう調整された時点で、天秤と接続したコンピューターによりゲル層を通過捕集された液重さデータの取り込みを開始した。データの取り込みは5sec間隔で、180secまで行った。但し、データ取り込み開始後、捕集した液量が、180secまでの問に2kg以上となった場合は、この時点(例えば120sec)でデータの取り込みを終了した。データ取り込み終了後、速やかにバルブ(205)を閉じた。バルブ(205)を閉じた後、SFC器具のシリンダー(214)の下部から流れ落ちる液がおよそ無くなった時点(シリンダー(214)内の静水面の高さが、ゲル層の高さと一致する時点)でSFC器具の高さ(h3:単位mm、有効数字4桁)を測定した。その後、SFC器具をシリンダーと同じ内径を有する円筒器具の上へ移動し、30分間水切り(drip−off)した。この操作は、SFC器具を円筒器具の上に置くことで、シリンダー内の水性液吸収剤が配置されているワイヤーメッシュの直下面が何にも接触しない状態で、水切りが好適に行われるようにすることである。30分間水切りを行った後、SFC器具の高さ(h4:単位mm、有効数字4桁)、重さ(W4:単位g、有効数字4桁)を測定した。
コンピューターに取り込まれた時間t(sec)をX軸、捕集された液の重さ(g)をY軸として、グラフにプロットした。このプロットを最小二乗法により直線近似し、この直線の傾き(rate:単位g/s)を求めた。
SFCは次の式により求めた。
SFC(×10−7cm3・s/g)
=(d final×rate)/(Area×Density×Pressure)×10000000
ここで、
Area(cm2)=28.27
Density(g/cm3)=1.005(20℃における0.9重量%生理食塩水の密度を用いる)
d final(cm)={(h2−h0)+(h3−h0)}/2/10
である。
湿潤下粒子間間隙率(Wet Porosity)は、生理食塩水流れ誘導性(SFC)の測定に引き続いて行われる。
水平な実験台上に、5枚重ねたフィルターペーパー(10cm×10cm、Ahlstrom社製、Grade:989)を設置した。5枚重ねたフィルターペーパー上に、30分間水切り(drip−off)したSFC器具を10分間置いた。10分後、別に、準備した前記と同様の新しい5枚重ねたフィルターペーパー上にSFC器具を移動した。16±2hr後、SFC器具の高さ(h5:単位mm)、重さ(W5:単位g)を測定した。尚、前記フィルターペーパーの仕様はEDANA strikethrough testに記載されている。
Wet Porosity(単位:%)
=[(W3−W4−0.7)/{h4−h0}×28.27]]×100
<粒子径>
粉砕後の吸水性樹脂粒子または水性液吸収剤を目開き850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、45μmのJIS標準ふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、重量平均粒子径(D50)を読み取った。
吸水性樹脂粒子または水性液吸収剤を目開き850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、45μmのJIS標準ふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。そこで、X1をR=84.1重量%、X2を15.9重量%の時のそれぞれの粒径とすると、対数標準偏差(σζ)は下記の式で表され、σζの値が小さいほど粒度分布が狭いことを意味する。
σζ=0.5×ln(X2/X1)
粒子径、粒度分布における対数標準偏差(σζ)を測定する際の分級方法は、吸水性樹脂粒子または水性液吸収剤10.0gを、目開き850μm、710μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、45μmのJIS標準ふるい(THE IIDA TESTING SIEVE:径8cm)に仕込み、振動分級器(IIDA SIEVE SHAKER、TYPE:ES−65型、SER.No.0501)により、5分間、分級を行った。
吸水性樹脂粒子ないし水性液吸収剤の嵩比重は、edana460.1−99記載の方法で測定した。
<可溶分量>
250ml容量の蓋付きプラスチック容器に、生理食塩水(0.9重量%塩化ナトリウム水溶液)の184.3gを測り取り、その水溶液中に吸水性樹脂ないし水性液吸収剤1.00gを加え、16時間攪拌することにより、樹脂中の可溶分を抽出した。この抽出液を濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社、品名:(JIS P 3801 No.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を用いて濾過することにより得られた濾液の50.0gを、測り取り測定溶液とした。
同様の滴定操作を測定溶液についても行うことにより滴定量([NaOH]ml、[HCl]ml)を求めた。
例えば、既知量のアクリル酸とそのナトリウム塩からなる吸水性樹脂の場合、そのモノマーの平均分子量と上記操作により得られた滴定量をもとに、吸水性樹脂中の可溶分量を下記式によって算出した。未知量の場合には、滴定により求めた中和率を用いてモノマーの平均分子量を算出した。
中和率(モル%)=[1−([NaOH]−[bNaOH])/([HCl]−[bHCl])]×100
〔実施例1〕
(操作1−1)
断熱材である発泡スチロールで覆われた、内径80mm、容量1リットルのポリプロピレン製容器に、アクリル酸190.18g、ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量523)6.9g(0.5モル%)、および1.0重量%ジエチレントリアミン5酢酸・5ナトリウム水溶液1.13gを混合した溶液(A)と、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液130.60gと50℃に調温したイオン交換水166.80gを混合した溶液(B)を作成した。マグネチックスターラーで攪拌した溶液(A)に、溶液(B)をすばやく加え混合することで単量体水溶液(C)を得た。単量体水溶液(C)は、中和熱と溶解熱により、液温が約100℃まで上昇した。
単量体水溶液がバットに注がれて間もなく重合は開始した。水蒸気を発生し上下左右に膨張発泡しながら重合は進行し、その後、底面よりもやや大きなサイズにまで収縮した。この膨張収縮は約1分以内に終了し、4分間重合容器中に保持した後、含水重合体(含水ゲル)を取り出した。なお、これら一連の操作は大気中に開放された系で行った。
得られた含水重合体(含水ゲル)を幅3cmの短冊状に切った後、球面状ダイを有する前押し出し式スクリュー型押し出し造粒機(ドームグラン、不二パウダル株式会社製、MODEL:DG−L1、ダイ孔径=1.2mm、ダイ厚み1.2mm、押し出し作用部とダイの隙間=1mm)により粉砕および造粒し、細分化された含水重合体(粉砕ゲル粒子)を得た。押し出し造粒機で粉砕および造粒する際、含水重合体を300g/分で供給し、同時に純水を90g/分で添加しながら粉砕および造粒を行った。なお、スクリューの回転数は50rpmで行った。
この細分化された粉砕ゲル粒子を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、180℃で40min間熱風乾燥を行い、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き600μmと目開き150μmのJIS標準篩で分級することにより、重量平均粒子径324μm、対数標準偏差(σζ)0.32の不定形破砕状の吸水性樹脂(固形分96重量%)を得た。
(操作1−4)
得られた吸水性樹脂100重量部に1,4−ブタンジオール0.3重量部、プロピレングリコール0.6重量部、純水3.0重量部、イソプロピルアルコール1.0重量部の混合液からなる表面架橋剤溶液を均一に混合した。表面架橋剤溶液を混合した吸水性樹脂をステンレス製の容器(幅約22cm、奥行き約28cm、高さ約5cm)に均一に広げ、200℃に調温した熱風乾燥器(ETAC社、MODEL:HISPEC HT320)で30分間加熱処理した。加熱処理後、得られた吸水性樹脂を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕することで、表面が架橋された吸水性樹脂を得た。
得られた表面が架橋された吸水性樹脂100重量部に硫酸アルミニウム水和物(13〜14水和物、住友化学工業株式会社より入手)1重量部を均一に混合し、水性液吸収剤(1)を得た。水性液吸収剤(1)の諸物性を表1に示す。
〔実施例2〕
実施例1(操作1−2)のドームグランのダイ孔径を1.5mmに変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、水性液吸収剤(2)を得た。水性液吸収剤(2)の諸物性を表1に示す。
実施例1(操作1−1)のポリエチレングリコールジアクリレートの量を13.8g(1.0モル%)に変更し、実施例1(操作1−2)のドームグランのダイ孔径を1.5mmに変更し、純水の添加速度を85g/分に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、水性液吸収剤(3)を得た。水性液吸収剤(3)の諸物性を表1に示す。
〔実施例4〕
実施例1(操作1−2)のドームグランのダイ孔径を1.5mmに変更し、純水の添加速度を54g/分に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、水性液吸収剤(4)を得た。水性液吸収剤(4)の諸物性を表1に示す。
実施例1(操作1−2)のドームグランを、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32型、多孔板の孔径3.1mm、多孔板の厚み4.0mm、スクリュー回転数:26rpm)に変更し、含水ゲルを1300g/minで供給すると同時に水を300g/minで供給することで含水ゲルを粉砕および造粒した。実施例1(操作1−5)の硫酸アルミニウム水和物1重量部を、48重量%硫酸アルミニウム水溶液2.1重量部に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、水性液吸収剤(5)を得た。水性液吸収剤(5)の諸物性を表1に示す。
実施例1(操作1−1)の3重量%の過硫酸ナトリウム水溶液4.4gを、2重量%のV−50(2,2‘−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩)水溶液7.5gに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、水性液吸収剤(6)を得た。水性液吸収剤(6)の諸物性を表1に示す。
〔実施例7〕
(操作7−1)
シグマ型羽根を2本有する内容積10リットルのジャケット付きステンレス型双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器中で、60モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5378.9g(単量体濃度39.9重量%)にポリエチレングリコールジアクリレート65.79g(0.5モル%)を溶解させて反応液とした。次にこの反応液を窒素ガス雰囲気下で、20分間脱気した。続いて、反応液に10重量%過硫酸ナトリウム水溶液30.19gおよび0.1重量%L−アスコルビン酸水溶液25.16gを攪拌しながら添加したところ、およそ1分後に重合が開始した。そして、生成したゲルを粉砕しながら、20〜95℃で重合を行い、重合が開始して30分後に含水重合体(含水ゲル)を取り出した。得られた含水重合体(含水ゲル)は、その径が約5mm以下に細分化されていた。
得られた含水重合体(含水ゲル)を、球面状ダイを有する前押し出し式スクリュー型押し出し造粒機(ドームグラン、不二パウダル株式会社製、MODEL:DG−L1、ダイ孔径=3.4mmおよび2.0mm、孔数比3.4mm/2.0mm=1:2、ダイ厚み1.2mm、押し出し作用部とダイの隙間=1mm、スクリュー回転数:50rpm)により粉砕および造粒し、細分化された含水重合体(粉砕ゲル粒子)を得た。なお、含水重合体は300g/分で供給した。
(操作7−3)
実施例1(操作1−3)と同様の操作を行った。得られた吸水性樹脂の固形分は95重量%であった。
前記(操作7−3)で得られた吸水性樹脂500重量部をレディゲミキサー(レディゲ社製、タイプ:M5R)に入れ、1,4−ブタンジオール1.5重量部、プロピレングリコール3.0重量部、純水15.0重量部、イソプロピルアルコール5.0重量部の混合液からなる表面架橋剤溶液を攪拌下、均一にスプレー混合した。表面架橋剤溶液を混合した吸水性樹脂を、攪拌機を備えたステンレス製の反応容器(直径約30cm、高さ約20cm)に入れた。反応容器を200℃に調温したオイルバスに浸漬し、攪拌下30分間加熱処理した。加熱処理後、得られた吸水性樹脂を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕することで、表面が架橋された吸水性樹脂を得た。
得られた表面が架橋された吸水性樹脂100重量部を150℃に加熱し、攪拌下にカリウムミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム12水和物)1.6重量部を均一に5分間混合し、水性液吸収剤(7)を得た。水性液吸収剤(7)の諸物性を表1に示す。
〔実施例8〕
実施例7(操作7−1)のポリエチレングリコールジアクリレート65.79g(0.5モル%)を92.11g(0.7モル%)に変更し、実施例7(操作7−2)のドームグランのダイ孔径を1.5mmに変更した以外は実施例7と同様の操作を行い、水性液吸収剤(8)を得た。水性液吸収剤(8)の諸物性を表1に示す。
実施例7(操作7−1)のポリエチレングリコールジアクリレート65.79g(0.5モル%)を92.11g(0.7モル%)に変更した以外は実施例7と同様の操作を行い、水性液吸収剤(9)を得た。水性液吸収剤(9)の諸物性を表1に示す。得られた水性液吸収剤(9)の可溶分量は4.2重量%であり、嵩比重は0.55g/mlであった。
〔実施例10〕
実施例7(操作7−1)のポリエチレングリコールジアクリレート65.79g(0.5モル%)を92.11g(0.7モル%)に変更し、実施例7(操作7−2)のドームグランを、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32、多孔板の孔径4.5mm、多孔板の厚み5.0mm、スクリュー回転数:26rpm)に変更し、含水重合体を1300g/分で供給した以外は実施例7と同様の操作を行った。ただし、実施例7(操作7−4)と同様の操作で得られた表面が架橋された吸水性樹脂を水性液吸収剤(10)とし、実施例7(操作7−5)を行わなかった。水性液吸収剤(10)の諸物性を表1に示す。
実施例10で得られた水性液吸収剤(10)に対して、実施例7(操作7−5)と同様の操作を行い、水性液吸収剤(11)を得た。水性液吸収剤(11)の諸物性を表1に示す。得られた水性液吸収剤(11)の可溶分量は5.7重量%であり、嵩比重は0.58g/mlであった。
〔実施例12〕
実施例7(操作7−1)のポリエチレングリコールジアクリレート65.79g(0.5モル%)を92.11g(0.7モル%)に変更し、実施例7(操作7−2)のドームグランを、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32型、多孔板の孔径4.5mm、多孔板の厚み5.0mm、スクリュー回転数:32.5rpm)に変更し、含水ゲルの供給速度を1300g/minとした。また、実施例7(操作7−4)を以下に示す(操作12−4)に変更し、実施例7(操作7−5)を行わなかった以外は実施例7と同様の操作を行った。ただし、(操作12−4)で得られた表面が架橋された吸水性樹脂を水性液吸収剤(12)とした。水性液吸収剤(12)の諸物性を表1に示す。
得られた吸水性樹脂500重量部に1,4−ブタンジオール1.5重量部、プロピレングリコール3.0重量部、純水15.0重量部の混合液からなる表面架橋剤溶液を均一に混合した後、混合物を200℃で30分間加熱処理した。さらに、その粒子を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕し、表面が架橋された吸水性樹脂を得た。
得られた、表面が架橋された吸水性樹脂を水性液吸収剤(12)とした。
〔実施例13〕
実施例12において、(操作12−4)の表面架橋剤溶液を1,4−ブタンジオール2.3重量部、プロピレングリコール4.5重量部、純水22.5重量部の混合液からなる表面架橋剤溶液に変更して操作を行い、得られた表面が架橋された吸水性樹脂に対して、実施例7(操作7−5)と同様の操作を行い、水性液吸収剤(13)を得た。水性液吸収剤(13)の諸物性を表1に示す。得られた水性液吸収剤(13)の可溶分量は0.3重量%であり、嵩比重は0.54g/mlであった。
実施例7(操作7−1)のポリエチレングリコールジアクリレート65.79g(0.5モル%)を92.11g(0.7モル%)に変更し、実施例7(操作7−2)のドームグランを、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32型、多孔板の孔径2.4mm、多孔板の厚み5.0mm、スクリュー回転数:32.5rpm)に変更し、含水ゲルの供給速度を1300g/minと変更した以外は実施例7と同様の操作を行い、水性液吸収剤(14)を得た。水性液吸収剤(14)の諸物性を表1に示す。
実施例7(操作7−1)のポリエチレングリコールジアクリレート65.79g(0.5モル%)を、ポリエチレングリコールジアクリレート46.06g(0.35モル%)およびグリセリン8.11g(0.35モル%)に変更し、実施例7(操作7−2)のドームグランを、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32型、多孔板の孔径4.5mm、多孔板の厚み5.0mm、スクリュー回転数:32.5rpm)に変更し、含水ゲルの供給速度を1300g/minと変更した以外は実施例7と同様の操作を行った。ただし、実施例7(操作7−4)と同様の操作で得られた、表面が架橋された吸水性樹脂を水性液吸収剤(15)とし、実施例7(操作7−5)を行わなかった。水性液吸収剤(15)の諸物性を表2に示す。
実施例15で得られた水性液吸収剤(15)に対して、実施例7(操作7−5)と同様の操作を行い、水性液吸収剤(16)を得た。水性液吸収剤(16)の諸物性を表2に示す。
〔実施例17〕
実施例7において、(操作7−2)を省き、実施例7(操作7−5)を以下に示す(操作17−5)に置き換えた以外は実施例7と同様の操作を行い、水性液吸収剤(17)を得た。水性液吸収剤(17)の諸物性を表2に示す。
得られた表面が架橋された吸水性樹脂100重量部に、カリウムミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム12水和物)1.6重量部を均一に混合した。
〔実施例18〕
実施例7(操作7−2)のドームグランを、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32型、多孔板の孔径9.5mm、多孔板の厚み5.0mm、スクリュー回転数:32.5rpm)に変更し、含水ゲルの供給速度を1300g/minとした。また、実施例7(操作7−5)を前記(操作17−5)に置き換えた以外は実施例7と同様の操作を行い、水性液吸収剤(18)を得た。水性液吸収剤(18)の諸物性を表2に示す。
実施例1(操作1−1)の3重量%の過硫酸ナトリウム水溶液4.4gを、15重量%のV−50(2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩)水溶液9.8gに変更し、実施例1(操作1−2)を変更し、はさみで含水重合体を縦3cm、横1cmの大きさに切った。また、実施例1(操作1−5)を前記(操作17−5)に置き換えた。その他の操作は実施例1と同様に行い、水性液吸収剤(19)を得た。水性液吸収剤(19)の諸物性を表2に示す。
〔実施例20〕
実施例7(操作7−1)のポリエチレングリコールジアクリレート65.79g(0.5モル%)を、ポリエチレングリコールジアクリレート13.16g(0.10モル%)およびグリセリン13.90g(0.60モル%)に変更し、実施例7(操作7−2)のドームグランを、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32型、多孔板の孔径4.5mm、多孔板の厚み5.0mm、スクリュー回転数:32.5rpm)に変更し、含水ゲルの供給速度を1300g/minに変更した。また、(操作7−4)を(操作12−4)に変更した以外は実施例7と同様の操作を行い、水性液吸収剤(20)を得た。水性液吸収剤(20)の諸物性を表2に示す。
実施例7(操作7−1)のポリエチレングリコールジアクリレート65.79g(0.5モル%)を、ポリエチレングリコールジアクリレート131.59g(1.0モル%)に変更し、実施例7(操作7−2)のドームグランを、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32型、多孔板の孔径4.5mm、多孔板の厚み5.0mm、スクリュー回転数:15rpm)に変更し、含水ゲルの供給速度を600g/minに変更した以外は実施例7と同様の操作を行い、水性液吸収剤(21)を得た。水性液吸収剤(21)の諸物性を表2に示す。
実施例7(操作7−1)のポリエチレングリコールジアクリレート65.79g(0.5モル%)を、ポリエチレングリコールジアクリレート6.58g(0.05モル%)および2−ヒドロキシエチルアクリレート20.43(0.7モル%)に変更し、実施例7(操作7−2)のドームグランを、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32型、多孔板の孔径4.5mm、多孔板の厚み5.0mm、スクリュー回転数:32.5rpm)に変更し、含水ゲルの供給速度を1300g/minに変更した以外は実施例7と同様の操作を行い、水性液吸収剤(22)を得た。水性液吸収剤(22)の諸物性を表2に示す。
(操作c1−1)
断熱材である発泡スチロールで覆われた、内径80mm、容量1リットルのポリプロピレン製容器に、アクリル酸185.40g、ポリエチレングリコールジアクリレート(分子量523)1.35g(0.1モル%)、および1.0重量%ジエチレントリアミン5酢酸・5ナトリウム水溶液1.13gを混合した溶液(A)と、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液148.53gと50℃に調温したイオン交換水159.31gを混合した溶液(B)を、マグネチックスターラーで攪拌しながら(A)に(B)を開放系ですばやく加え混合した。中和熱と溶解熱で液温が約100℃まで上昇した単量体水溶液が得られた。
単量体水溶液がバットに注がれて間もなく重合は開始した。水蒸気を発生し上下左右に膨張発泡しながら重合は進行し、その後、底面よりもやや大きなサイズにまで収縮した。この膨張収縮は約1分以内に終了し、4分間重合容器中に保持した後、含水重合体(含水ゲル)を取り出した。
得られた含水重合体(含水ゲル)を幅3cmの短冊状に切った後、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32型、多孔板の孔径9.5mm、多孔板の厚み5.0mm、スクリュー回転数:32.5rpm)により粉砕し、細分化された含水重合体(粉砕ゲル粒子)を得た。押し出し造粒機で粉砕および造粒する際、純水を300g/分で添加しながら粉砕および造粒を行った。なお、含水ゲルの供給速度は1300g/minとした。
(操作c1−3)
この細分化された粉砕ゲル粒子を50メッシュの金網上に広げ、180℃で40min間熱風乾燥を行い、乾燥物をロールミルを用いて粉砕し、さらに目開き600μmのJIS標準篩で分級することにより、重量平均粒子径330μm、対数標準偏差(σζ)0.35の不定形破砕状の吸水性樹脂を得た。
得られた吸水性樹脂100重量部に1,4−ブタンジオール0.3重量部、プロピレングリコール0.6重量部、純水3.0重量部、イソプロピルアルコール1.0重量部の混合液からなる表面架橋剤溶液を均一に混合した。表面架橋剤溶液を混合した吸水性樹脂をステンレス製の容器(幅約22cm、奥行き約28cm、高さ約5cm)に均一に広げ、200℃に調温した熱風乾燥器(ETAC社、MODEL:HISPEC HT320)で30分間加熱処理した。加熱処理後、得られた吸水性樹脂を目開き600μmのJIS標準篩を通過するまで解砕することで、表面が架橋された吸水性樹脂を得た。
得られた表面が架橋された吸水性樹脂100重量部を150℃に加熱し、攪拌下にカリウムミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム12水和物)1.6重量部を均一に5分間混合し、比較水性液吸収剤(1)を得た。比較水性液吸収剤(1)の諸物性を表2に示す。
〔比較例2〕
比較例1(操作c1−2)のスクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32型、多孔板の孔径9.5mm、多孔板の厚み5.0mm、スクリュー回転数:32.5rpm)の多孔板の孔径を2.4mmに変更した。孔径=2.4mmでは含水重合体(含水ゲル)は粉砕できずにスクリュウ式押し出し機の中で詰まってしまった。
実施例7(操作7−1)のアクリル酸ナトリウムの水溶液を70モル%のアクリル酸ナトリウムの水溶液5433.2g(単量体濃度39.5重量%)に変更し、ポリエチレングリコールジアクリレートの量を12.83g(0.1モル%)に変更し、10重量%過硫酸ナトリウム水溶液の量を29.43gおよび0.1重量%L−アスコルビン酸水溶液の量を24.53gに変更し、実施例7(操作7−2)の操作を省き、実施例7(操作7−5)の代わりに実施例1(操作1−5)と同様の操作を行った以外は実施例7と同様の操作を行い、比較水性液吸収剤(3)を得た。比較水性液吸収剤(3)の諸物性を表2に示す。なお、得られた比較水性液吸収剤(3)の嵩比重は0.68g/mlであった。
実施例7(操作7−1)のアクリル酸ナトリウムの水溶液の量を5385.1g(単量体濃度37.8重量%)に変更し、ポリエチレングリコールジアクリレートの量を62.42g(0.5モル%)に変更し、10重量%過硫酸ナトリウム水溶液の量を28.64gおよび0.1重量%L−アスコルビン酸水溶液の量を23.87gに変更し、実施例7(操作7−2)の操作を省き、実施例7(操作7−3)における目開き600μmJIS標準篩を目開き850μmのJIS標準篩に変更し、(操作7−4)における目開き600μmのJIS標準篩を850μmのJIS標準篩に変更した。また、実施例7(操作7−5)の代わりに実施例1(操作1−5)と同様に操作を行った以外は実施例7と同様の操作を行い、比較水性液吸収剤(4)を得た。比較水性液吸収剤(4)の諸物性を表2に示す。
比較例4において、(操作7−3)における目開き850μmおよび目開き150μmのJIS標準篩で分級するところを、目開き300μmのJIS標準篩を通過させた吸水性樹脂(150μm以下の粒子が13重量%含まれていた)を用いることとした以外は比較例4と同様の操作を行い、比較水性液吸収剤(5)を得た。比較水性液吸収剤(5)の諸物性を表2に示す。
〔比較例6〕
実施例7(操作7−1)のポリエチレングリコールジアクリレート65.79g(0.5モル%)を92.11g(0.7モル%)に変更し、実施例7(操作7−2)のドームグランを、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32型、多孔板の孔径4.5mm、多孔板の厚み5.0mm、スクリュー回転数:32.5rpm)に変更し、含水ゲルの供給速度を1300g/minとした。また、実施例7記載の(操作7−4)と(操作7−5)を行わず、(操作7−3)の後に得た吸水性樹脂を、比較水性液吸収剤(6)とした。比較水性液吸収剤(6)の諸物性を表2に示す。
実施例7(操作7−1)のポリエチレングリコールジアクリレート65.79g(0.5モル%)を92.11g(0.7モル%)に変更し、実施例7(操作7−2)のドームグランを、スクリュウ式押し出し機(平賀工作所製、チョッパー、MODEL:TB−32型、多孔板の孔径4.5mm、多孔板の厚み5.0mm、スクリュー回転数:32.5rpm)に変更し、含水ゲルを1300g/minで供給すると同時にグリセリンを300g/分で供給した。(操作7−3)と(操作7−5)は実施例7と同様に行ったが、(操作7−4)は行わずに得た吸水性樹脂粒子を比較水性液吸収剤(7)とした。比較水性液吸収剤(7)の諸物性を表2に示す。
101 ステンレス製400メッシュの金網
102 膨潤ゲル(水性液吸収剤)
103 ピストン
104 荷重(おもり)
105 ペトリ皿
106 ガラスフィルター
107 濾紙
108 生理食塩水
200 末端の開いたガラス管およびゴム栓部
201 ゴム栓部
202 貯蔵タンク
203 ラボジャッキ
204 バルブを備えたガラス管
205 バルブ
206 SFC器具
207 捕集タンク
208 天秤
209 支持体
210 フレキシブルチューブ
211 重り
212 ピストン
213 カバー
214 シリンダー
215 ピストンヘッド
216 400メッシュのワイヤーメッシュ
217 膨潤した水性液吸収剤
Claims (3)
- 水溶性エチレン性不飽和モノマーと該モノマーに対して0.2モル%以上の内部架橋剤を含むモノマー水溶液を調製する工程、前記モノマー水溶液中の水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合させるとともに内部架橋させて含水ゲルを形成する工程、前記含水ゲルを孔径0.3〜6.4mmの多孔構造から押し出すことにより粉砕して粉砕ゲル粒子を得る工程、前記粉砕ゲル粒子を乾燥して吸水性樹脂粒子を得る工程、前記吸水性樹脂粒子の表面を架橋する工程、ならびに、前記吸水性樹脂粒子に対して通液性向上のための処理として多価金属化合物およびポリカチオン化合物から選ばれる少なくとも1種の通液性向上剤を添加する工程を含む、吸水性樹脂粒子を必須として含む水性液吸収剤の製造方法。
- 前記粉砕ゲル粒子は、少なくとも一部が造粒物である、請求項1に記載の水性液吸収剤の製造方法。
- 前記モノマー水溶液中のモノマー濃度が35重量%以上かつ飽和濃度以下である、請求項1または2に記載の水性液吸収剤の製造方法。
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