JP4865406B2 - 半導体素子実装構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、容易にリペアすることができる半導体素子実装構造体に関する。
近年、電子機器の小型化、高性能化および高速化が進んでいる。これに伴い、半導体装置の小型化、薄型化、高速化、多端子化および高密度実装化が要求されるようになってきている。これらの要求に対応するため、CSP(チップサイズパッケージ)の高性能化、小型化、それに用いられる電子部品の小型化および回路基板の狭ピッチ配線化、更には微細接続による高密度実装化が進められている。このため、実装基板1枚に対する付加価値は益々大きくなり、基板1枚当たりの単価が高くなりつつある。
従来から、半導体素子の回路基板上への実装は、リフローによるはんだ付けで行われている。はんだ付け後、半導体素子と回路基板との間に樹脂組成物を充填し、半導体素子と回路基板の電極部を封止することが一般に行われている。樹脂組成物による封止は、実装基板がヒートサイクルや高温高湿下での信頼性を満足するために必要不可欠である。高い信頼性を確保するために、樹脂組成物は半導体素子の電極部と回路基板の電極部とを確実に密着させる必要がある。また、外部からの水分や熱応力に起因する剥がれ、クラックなどをなくすことが重要である。
上記のような観点から樹脂組成物の開発と改良が進められているため、一旦半導体素子を回路基板に実装し、樹脂組成物で封止すると、半導体素子を取り外すことは大変に困難である。したがって、誤って不良を有する半導体素子を実装した場合、かつては1枚の回路基板をまるごと不良品として処理しなければならなかった。
そこで、近年では、封止が完了した後に検査により半導体素子の不良が見つかった場合でも、半導体素子を取り外すことができるように、リペア性を有する樹脂組成物が用いられている。不良を有する半導体素子を取り外すことにより、回路基板を再利用できるようになる(特許文献1、2)。リペア性を有する樹脂組成物は、一旦硬化させた後でも、はんだが溶融する温度まで加熱すると軟化する。軟化した硬化物にシェアをかけると半導体素子を回路基板から取り外すことができる。
しかし、軟化した硬化物は、粘着性が高いため、半導体素子を取り外すときに回路基板に大きな応力がかかり、回路基板が大きなダメージを受ける。また、半導体素子を取り外すことができても、回路基板上に軟化した硬化物が残存し、完全に取り除くことが困難である。
そこで、特許文献3は、回路基板に残留した樹脂に、より高い粘着性を有する接着剤を塗布し、剥離用の板を用いて加熱し、取り外す方法を提案している。さらに、特許文献4は、回路基板に残った樹脂を研削カッターで除去する方法を提案している。それでも剥がれない場合には、テトラヒドロフランなどの有機溶剤で回路基板を洗浄する必要がある。
特開平10−107095号公報 特開平10−209342号公報 特開平5−109838号公報 特開平6−5664号公報
本発明は、上記を鑑み、リペア処理を行う温度(半導体素子と回路基板とをはんだで接合した場合には、はんだの溶融温度:例えば230℃付近)において、一旦封止された半導体素子を回路基板から容易に取り外すことが可能な半導体素子実装構造体を提供することを目的とする。
本発明は、第1接続用電極部を有する半導体素子と、第2接続用電極部を有する回路基板と、第1接続用電極部と第2接続用電極部とを対向させて導電性材料で接合した接合部とを有する半導体素子実装構造体であって、半導体素子と回路基板との間で、かつ前記接合部以外の部分に、樹脂組成物の硬化物が充填されており、樹脂組成物は、樹脂成分および2種以上の絶縁性フィラーを含むことを特徴とする半導体素子実装構造体に関する。
2種以上の絶縁性フィラーは、比重の異なる絶縁性フィラーであり、硬化物の半導体素子側には、比重の小さい絶縁性フィラーが分布し、硬化物の回路基板側には、比重の大きい絶縁性フィラーが分布する。
なくとも1種のフィラー成分の熱膨張率、樹脂成分の熱膨張率と異なることが好ましい。また、少なくとも1種のフィラー成分の比重、樹脂成分の比重と異なることが好ましい。
重の異なる絶縁性フィラーは、無機酸化物からなるフィラーと樹脂粒子からなるフィラーであることが好ましい。無機酸化物からなるフィラーの比重は、1.5以上であり、樹脂粒子からなるフィラーの比重は、1.1未満であることが好ましい。
比重の異なる絶縁性フィラー、および樹脂成分の比重の関係は、
比重の小さい絶縁フィラー < 樹脂成分 < 比重の大きい絶縁フィラー
で表わすことができる。
本発明の半導体素子実装構造体によれば、半導体素子と回路基板との間に樹脂組成物を充填し、電極部を封止した後でも、回路基板に損傷を与えることなく、容易に半導体素子を回路基板から取り外すことができる。よって、不良を有する半導体素子の交換および回路基板の修理が可能であり、半導体素子の不良に起因する回路基板のロスを大きく低減することができる。
本発明の参考形態に係る半導体素子実装構造体の縦断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体素子実装構造体の縦断面図である。 半導体素子実装構造体の製造工程の一例を示す工程図である。 半導体素子実装構造体のリペア処理の一例を示す工程図である。
本発明は、第1接続用電極部(例えば端子電極)を有する半導体素子と、第2接続用電極部(例えば電極ランド)を有する回路基板とを有し、第1接続用電極部と第2接続用電極部とを対向させて半導体素子を回路基板に搭載した半導体素子実装構造体に関する。
第1接続用電極部と第2接続用電極部とは、導電性材料(例えばはんだ)により、電気的に接合されている。第2接続用電極部は、半導体素子の第1接続用電極部に対応する位置に形成されている。
半導体素子と回路基板との間には、樹脂組成物の硬化物が充填されている。樹脂組成物は、樹脂成分および絶縁性フィラーを含む。硬化物の半導体素子側の熱膨張率αupperと硬化物の回路基板側の熱膨張率αlowerは、リペア処理が行われる90〜250℃のいずれかの温度において異なるように設計されている。絶縁性フィラーは、樹脂組成物の流動性、硬化物の弾性率、硬化物の吸湿性などを調整する役割の他に、αupperとαlowerとの間に差を設ける役割を果たす。
ここで、硬化物の半導体素子側および回路基板側とは、半導体素子と回路基板との間の中心で、硬化物を回路基板と平行な平面で切断するとき、それぞれ半導体側および回路基板側に付着している硬化物に相当する。
半導体素子実装構造体をリペア処理を行う温度に加熱すると、硬化物が熱膨張する。硬化物の半導体素子側の熱膨張率αupperと回路基板側の熱膨張率αlowerとが異なる場合、硬化物は、熱膨張する際に変形し、回路基板から剥がれやすくなる。
硬化物に含まれる樹脂成分のガラス転移温度(Tg)以下の温度環境では、上記のような熱膨張率の差は明確に現れない。よって、αupperとαlowerとが異なっている場合でも、半導体素子実装構造体は、ヒートサイクルなどの熱衝撃試験に対しては、高い信頼性を維持できる。ヒートサイクルなどの熱衝撃試験では、通常、上限温度が125℃程度に設定される。よって、樹脂成分のガラス転移温度は、130℃以上であることが好ましく、150℃以上であることが更に好ましい。
樹脂成分の比重ρrは、絶縁性フィラーの比重ρfと異なることが好ましい。樹脂成分の比重ρrと絶縁性フィラーの比重ρfとが異なることにより、硬化物内における絶縁性フィラーの分布に勾配を設けることが容易となる。また、硬化物内における絶縁性フィラーの分布に勾配を設けることにより、αupperとαlowerとの間に差を設けることが容易となる。
例えば、樹脂組成物を硬化させる際に、絶縁性フィラーを、敢えて、沈降もしくは浮遊させることにより、絶縁性フィラーの分布に勾配が生じる。絶縁性フィラーの熱膨張率が樹脂成分よりも小さい場合、フィラーが多く分布する領域では、フィラーの分布が少ない領域よりも、硬化物の熱膨張率が小さくなる。逆に、絶縁性フィラーの熱膨張率が樹脂成分よりも大きい場合、フィラーが多く分布する領域では、フィラーの分布が少ない領域よりも、硬化物の熱膨張率が大きくなる。
特に、絶縁性フィラーの比重ρfと樹脂成分の比重ρrとの比:ρf/ρrが、ρf/ρr<0.5または2<ρf/ρrの場合に、絶縁性フィラーの分布に勾配が生じやすい。例えば、樹脂成分の主成分がエポキシ樹脂である場合、樹脂成分の比重は1.17程度となる。この場合、例えば比重が3.0程度のアルミナ微粒子を用いることが好ましい。この組み合わせの場合、ρf/ρr=2.56となる。
硬化物内における絶縁性フィラーの分布に勾配を設けることによりαupperとαlowerとの間に差を設ける場合、リペア処理を行う温度において、樹脂成分の熱膨張率βrと絶縁性フィラーの熱膨張率βfとが異なることが要求される。リペア処理は、一般に160〜250℃で行われる。よって、リペア処理を効率よく行う観点から、90〜250℃のいずれかの温度において、βfとβrとの比:βf/βrが、βf/βr<1または1<βf/βrであることが好ましい。
絶縁性フィラーは、比重の異なる2種以上のフィラー成分を含むこともできる。樹脂成分の比重より比重の小さいフィラー成分は、樹脂組成物を硬化させる際に鉛直上方に分布し、比重の大きいフィラー成分は、鉛直下方に分布しやすい。例えば、無機酸化物からな
るフィラー成分と、樹脂粒子からなるフィラー成分との組み合わせが好適である。この場合、無機酸化物からなるフィラー成分の比重は1.5以上であり、樹脂粒子からなるフィラー成分の比重は1.1未満であることが好ましい。
本発明の一態様では、硬化物を回路基板に垂直な平面で切断し、得られた断面の面積を回路基板に平行な直線で2つの同じ面積を有する領域に分割するとき、半導体素子側の領域の単位面積あたりに観測される絶縁性フィラーの面積S1と回路基板側の領域の単位面積あたりに観測される絶縁性フィラーの面積S2とが、S1<S2またはS2<S1を満たす。このような態様は、絶縁性フィラーを半導体素子側または回路基板側に偏在させることにより、熱膨張率αupperとαlowerとの間に差を設ける場合に達成される。また、S1とS2とが1.2<S2/S1または1.2<S1/S2を満たす場合、αupperとαlowerとの差を十分に確保することができる。なお、半導体素子の外周から硬化物がはみ出ている場合、はみ出た硬化物を除いてS1とS2を求めることが望ましい。
本発明の別の一態様では、硬化物を回路基板に平行な平面で2つの同じ体積を有する領域に分割するとき、半導体素子側の領域の単位体積あたりの重量W1と回路基板側の領域の単位体積あたりの重量W2とが、W1<W2またはW2<W1を満たす。このような態様は、例えば樹脂成分の比重と絶縁性フィラーの比重との間に差を設けたり、比重の異なる2種以上のフィラー成分を用いたりすることにより、熱膨張率αupperとαlowerとの間に差を設ける場合に達成される。また、W1とW2とが1.2<W2/W1または1.2<W1/W2を満たす場合、αupperとαlowerとの差を十分に確保することができる。なお、半導体素子の外周から硬化物がはみ出ている場合、はみ出た硬化物を除いてW1とW2を求めることが望ましい。
次に、参考形態の半導体素子実装構造体の一例を図1に示す。
半導体素子実装構造体10は、半導体素子(例えばLSI等のベアチップ)11と、これを搭載した回路基板14とを具備する。半導体素子11は、その下面に、キャリア基材12を備える。キャリア基材12の下面には、はんだバンプ13が設けられている。はんだバンプ13は第1接続用電極部を構成する。
回路基板14の上面には、電極ランド15が設けられている。電極ランド15は、第2接続用電極部を構成する。電極ランド15の上には、半導体素子11を回路基板14に載置するのに先立って、導電性材料16(例えばはんだペースト)が塗布される。導電性材料16とはんだバンプ13とを接触させた状態で、半導体素子11を搭載した回路基板14をリフロー炉に導入することにより、半導体素子11と回路基板14との接合が行われる。
半導体素子11と回路基板14との接合が完了した後、キャリア基材12と回路基板14との間に、樹脂組成物17が導入される。樹脂組成物17は、樹脂成分17aと絶縁性フィラー17bとを含む。樹脂成分17aは熱硬化性を有するため、樹脂組成物17を加熱すると、樹脂組成物17は硬化物に変化する。硬化物は、封止剤として、半導体素子11と回路基板14との接合の信頼性を高める役割を果たす。
硬化物は、半導体素子11と回路基板14との間の空間を完全に埋め尽くす必要はない。硬化物は、ヒートサイクルによる応力を緩和できる程度に、半導体素子11と回路基板14との間の空間に充填されていれば良い。
図1では、絶縁性フィラー17bが、回路基板14側に偏在している。よって、絶縁性フィラー17bの熱膨張率が樹脂成分17aよりも小さい場合、回路基板14側で、硬化物の熱膨張率が小さくなる。逆に、絶縁性フィラー17bの熱膨張率が樹脂成分17aよりも大きい場合、回路基板14側で、硬化物の熱膨張率が大きくなる。いずれの場合にも、硬化物は加熱されると変形し、回路基板14から剥がれやすくなる。
図2は、本発明の半導体素子実装構造体の一例を示す。図2において、図1と同じ要素には同じ番号を付している。半導体素子実装構造体20は、樹脂組成物27の組成が異なること以外、半導体素子実装構造体10と同じ構造を有する。樹脂組成物27は、樹脂成分27aと、第1絶縁性フィラー27bと、第2絶縁性フィラー27cとを含む。第1絶縁性フィラー27bの比重は、第2絶縁性フィラー27cの比重より小さく、かつ、樹脂成分の比重より小さくなっている。よって、自然法則に従い、第1絶縁性フィラー27bは鉛直上方(半導体素子側)に偏在し、樹脂成分の比重より比重の大きい第2絶縁性フィラー27bは鉛直下方(回路基板側)に偏在する。ここで、第1絶縁性フィラー27bの熱膨張率が第2絶縁性フィラー27cよりも小さい場合、回路基板14側で、硬化物の熱膨張率が大きくなる。逆に、第1絶縁性フィラー27bの熱膨張率が第2絶縁性フィラー27cよりも大きい場合、回路基板14側で、硬化物の熱膨張率が小さくなる。
樹脂組成物に含まれる絶縁性フィラーの好適な含有量は、絶縁性フィラーの粒度分布や、樹脂成分および絶縁性フィラーの熱膨張率に応じて異なるため、特に限定されない。ただし、樹脂組成物の粘度や、取り扱いの容易さを考慮すると、絶縁性フィラーの量は、樹脂成分100重量部あたり、例えば1〜50重量部が好ましく、10〜30重量部が更に好ましい。
樹脂組成物は、半導体素子と回路基板との間に容易に浸透するか、少なくとも加熱時に粘度が低下して容易に浸透する物性を有することが望ましい。例えば、半導体素子と回路基板との間の空間の厚みが100〜200μmであるならば、樹脂組成物の25℃における粘度は50000mPa・s以下が好ましく、30000mPa・s以下が特に好ましい。よって、このような粘度が達成されるように、樹脂組成物の構成成分の配合を選択することが望ましい。
樹脂組成物の樹脂成分は、熱硬化性を有するものであれば、特に限定されない。樹脂成分は、例えば主剤と硬化剤を含む。なお、樹脂組成物は、予め主剤と硬化剤とを混合した1液の樹脂組成物であってもよく、主剤と硬化剤とを別々に保存し、使用前にこれらを混合する2液の樹脂組成物であってもよい。ただし、1液の樹脂組成物の硬化剤には、潜在性硬化剤(例えばジシアンジアミドなど)を用いることが好ましい。
主剤には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂などを用いることができるが、吸湿性、熱膨張率、硬化収縮率などの点で、特にエポキシ樹脂が好ましい。通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、3〜60重量部の硬化剤を用いることが好ましく、5〜40重量部の硬化剤を用いることが特に好ましい。
エポキシ樹脂には、一般的な多官能性エポキシ樹脂を単独で用いることができるが、反応性希釈剤(架橋密度調節剤)である単官能エポキシ樹脂と多官能性エポキシ樹脂との混合物を用いることもできる。多官能性エポキシ樹脂と単官能エポキシ樹脂との合計に占める単官能エポキシ樹脂の含有量は、例えば0〜30重量%が好ましく、0〜20重量%が特に好ましい。
多官能性エポキシ樹脂とは、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物である。多官能性エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。ただし、樹脂組成物の粘度や物性を考慮すると、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が多官能性エポキシ樹脂全体の10〜100重量%を占めることが好ましく、50〜100重量%を占めることが特に好ましい。
単官能エポキシ樹脂とは、分子内に1個のエポキシ基を有する化合物である。単官能エポキシ樹脂は、炭素数6〜28のアルキル基を有することが好ましい。例えばC6〜C28のアルキルグリシジルエーテル、C6〜C28の脂肪酸グリシジルエステル、C6〜C28のアルキルフェノールグリシジルエーテルなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうちでは、特にC6〜C28のアルキルグリシジルエーテルが好ましい。
硬化剤は、特に限定されないが、アミン化合物、イミダゾール化合物、変性アミン化合物、変性イミダゾール化合物、酸無水物、フェノール化合物などを用いることができる。
アミン化合物としては、例えばジシアンジアミド、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミンなどの脂肪族ポリアミン;m−キシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミン;イソホロンジアミン、メンセンジアミンなどの脂環族ポリアミン;ポリアミドなどを挙げることができる。
イミダゾール化合物としては、例えば2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどを挙げることができる。
変性アミン化合物としては、エポキシ基にアミン化合物を付加させたエポキシ化合物などを挙げることができる。
変性イミダゾール化合物としては、エポキシ基にイミダゾール化合物を付加させたエポキシ化合物などを挙げることができる。
硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、変性アミン化合物とジシアンジアミドとを併用することが好ましい。リペア性を考慮すると、変性アミン化合物とジシアンジアミドとの合計に占める変性アミン化合物の含有量は、5〜95重量%であることが好ましく、70〜95重量%であることが特に好ましい。
絶縁性フィラーの平均粒径(体積基準の粒度分布における50%値)は、0.1〜50μmが好ましく、0.1〜30μmが特に好ましい。平均粒径が0.1μmより小さいと、絶縁性フィラーの流動(沈降もしくは浮遊)が起こりにくくなる傾向がある。また、平均粒径が50μmを超えると、樹脂組成物を半導体素子と回路基板との間に充填しにくくなる。
絶縁性フィラーは、特に限定されず、無機フィラーを用いてもよく、有機フィラーを用いてもよく、これらを混合して用いてもよい。例えば、無機物粉末、樹脂ビーズなどを用いることが好ましい。無機物としては、二酸化珪素、酸化チタン、アルミナなどが好ましく、樹脂ビーズとしては、アクリル樹脂ビーズ(例えばポリアクリル酸ビーズ)、ポリスチレンビーズなどが好ましい。絶縁性フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
絶縁性フィラーが、比重の異なる第1絶縁性フィラーと第2絶縁性フィラーを含む場合、第1絶縁性フィラーの比重ρf1と第2絶縁性フィラーの比重ρf2とは、ρf1<ρrかつρr<ρf2またはρf2<ρrかつρr<ρf1を満たすことが好ましい。絶縁性フィラーの比重の差により、αupperとαlowerとの間に十分な差を設けるには、第1絶縁性フィラーと第2絶縁性フィラーとの合計に占める一方の絶縁性フィラーの割合を、30〜50重量%とすることが好ましい。
樹脂組成物には、必要に応じて、更に、硬化促進剤、脱泡剤、レベリング剤、染料、顔料など、様々な添加物を配合することができる。
次に、半導体素子実装構造体の製造方法について、図3を参照しながら説明する。
(i)回路基板31が備える電極ランド32上に、マスク33とスキージ34を用いて、クリームはんだ35を印刷する(図3(a))。クリームはんだ35が溶剤を含む場合は、適宜溶剤を乾燥させる。なお、ここではクリームはんだを用いたが、半導体素子と回路基板との電気的な接続に用いる導電性材料は、クリームはんだに限られることはなく、例えばはんだボール、導電性接着剤、異方性導電性接着剤などを用いてもよい。導電性材料の付与は、回路基板と半導体素子のどちらに行ってもよい。はんだの融点や(異方性)導電性接着剤の軟化温度等は、リペア処理の必要性を考慮して、適宜選択する。
(ii)吸引機36を用いて、半導体素子37をマウントする(図3(b))。その際、電極ランド32上に塗布されたクリームはんだ35と、半導体素子37が具備する端子電極(はんだバンプ)38とを接触させる。
(iii)半導体素子37を搭載した回路基板31を、リフロー炉39に導入する。この工程で、はんだが溶融し、半導体素子37の端子電極38と、回路基板31の電極ランド32とが電気的に接続される(図3(c))。
(iv)ディスペンサ等の塗布手段301を用い、熱硬化性を有する樹脂組成物302を、半導体素子37と回路基板31との間に導入する(図3(d))。樹脂組成物302は、毛細管現象により、半導体素子37が具備するキャリア基材(図示せず)と回路基板31との間に浸透する。樹脂組成物302の量は、半導体素子と回路基板との間の空間が、ほぼ完全に充填されるように、適宜調整する。
(v)樹脂組成物302を加熱し、硬化させる(図3(e))。初期の加熱により、樹脂組成物の粘度は大きく低下し、その流動性が高められる。その結果、回路基板31と半導体素子37との間の空間に、樹脂組成物302が更に浸透しやすくなる。回路基板31には、予め空気の抜け穴(図示せず)を設けておくことが好ましい。このような空気の抜け穴が存在すると、回路基板31と半導体素子37との間の空間全体に、樹脂組成物302を浸透させることが容易となる。
樹脂組成物を硬化させる際に、硬化反応がほとんど進行しない温度で予備加熱を行うと、樹脂組成物の粘度が低下した状態で、絶縁性フィラーの流動(沈降もしくは浮遊)が起こる。これにより、絶縁性フィラーの分布に勾配が生じる。その状態で、硬化反応が進行しやすい温度まで昇温すると、図1または2に示したような硬化物が得られる。すなわち、硬化物の半導体素子側の熱膨張率αupperと硬化物の回路基板側の熱膨張率αlowerとが異なっている半導体素子実装構造体が得られる。
半導体素子37の回路基板31への実装が完了した後、半導体素子37の特性、半導体素子37と回路基板31との接続状態、その他の電気的特性、封止状態等を検査する。万一、不良が発見された場合には、リペア処理が行われる。
次に、半導体素子実装構造体のリペア処理について、図4を参照しながら説明する。
(i)不良を有する半導体素子37aを、はんだが溶融する温度(例えば190〜260℃)で、10秒〜1分間程度、加熱する(図4(a))。加熱手段41は特に制限されないが、不良を有する半導体素子37aだけを加熱できる手段を用いることが好ましい。例えば、不良を有する半導体素子37aに、熱風を当てたり、加熱ツールを接触させたりする。
(ii)はんだが溶融する温度では、樹脂組成物302の硬化物が軟化するとともに、熱膨張を起こし、変形する。よって、硬化物と回路基板31との接合界面には、大きな応力が発生する。この応力を利用して、半導体素子37aを、剥離ツール42と吸引機43を用いて引き剥がす(図4(b))。
(iii)半導体素子37aを剥がした後、回路基板31上に、樹脂組成物302の硬化物の残渣302aと、はんだの残渣35aとが残る場合がある(図4(c))。このようなときには、硬化物の残渣302aやはんだの残渣35aを、所定温度に加熱したり、硬化物の残渣302aに有機溶剤を含浸させたりして、硬化物の残渣302aやはんだの残渣35aを軟化もしくは溶融させる。
ここで、硬化物に含浸させる有機溶剤には、例えば、塩化メチレン等の塩化アルキル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル類;コハク酸ジエチル等の2塩基酸のジエステル類;N−メチル−2−ピロリドン等を用いることができる。回路基板上に配線保護用のレジストが塗布されている場合には、グリコールエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン等が、レジストを損傷しない点で好ましい。
(iv)軟化した硬化物の残渣302aは、ウエス45などにより、拭き取る(掻き取る)ことができる(図4(d))。溶融状態のはんだの残渣35aは、例えば、はんだ吸い取り用の編組線等を用いて除去できる。
(v)上記のような操作により、半導体素子を再度実装することが可能となるように、電極ランドを露出させる(図4(e))。その後、回路基板31上に、不良の無い半導体素子を実装することで、半導体素子実装構造体のリペアが完了する。
次に、実施例に基づいて、本発明を更に具体的に説明する。
[参考例1]
(i)樹脂組成物の調製
樹脂成分には、主剤であるエポキシ樹脂と、硬化剤と、反応性希釈剤と、硬化促進剤との混合物を用いた。ただし、エポキシ樹脂には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社、エピコート806、比重1.20)を用いた。硬化剤には、ジシアンジアミド(味の素ファインテクノ株式会社、アミキュアAH−154)を用いた。反応性希釈剤には、アルキルグリシジルエーテル(ジャパンエポキシレジン株式会社、YED216M、比重1.09)を用いた。硬化促進剤には、味の素ファインテクノ株式会社製のアミキュアPN−23(比重1.21)を用いた。
硬化前の樹脂成分全体の比重は1.20であり、250℃における熱膨張率は100ppmであり、ガラス転移温度(Tg)は135℃であった。
絶縁性フィラーには、平均粒径(体積基準の粒度分布における50%値)5μmのシリカ粉末((株)龍森、PLV−6、比重2.2、250℃における熱膨張率0.6ppm)を用いた。
なお、樹脂成分および絶縁性フィラーの熱膨張率は、示差走査熱量計(SIIナノテクノロジー(株)製のTMA/SS6100)により測定した。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂を100重量部と、ジシアンジアミドを8重量部と、アルキルグリシジルエーテルを10重量部と、アミキュアPN−23を1重量部と、シリカ粉末を10重量部とを混合し、熱硬化性の樹脂組成物を得た。樹脂組成物の粘度は、25℃で、28000mPa・sであった。
(ii)半導体素子実装構造体の作製
半導体素子には、チップサイズ13mm角のベアチップと、アルミナからなるキャリア基材と、第1接続用電極部であるはんだバンプ(直径0.5mm、ピッチ0.8mm)とを具備するCSP(chip size package)を用いた。
回路基板には、第2接続用電極部である電極ランドの配線が施された、厚さ1.6mmのガラスエポキシ基板を用いた。
半導体素子と回路基板とを接合する導電性材料には、クリームはんだ(千住金属工業株式会社、M705−221BM5−K、融点238℃)を用いた。
図3に示した手順に従い、22個の半導体素子(CSP)を、1つの回路基板に実装した。回路基板の電極ランド上に塗布したクリームはんだの厚みは100μmとした。リフロー温度は250℃に設定した。
その後、上記の樹脂組成物を、ディスペンサを用いて、CSPの外周から、半導体素子と回路基板との間の空間に充填し、引き続き、80℃で30分間加熱した。その後、加熱温度を150℃に昇温し、更に60分間加熱して、樹脂組成物を硬化させた。このとき、樹脂組成物は、完全に硬化する前に、半導体素子と回路基板との間に十分に浸透した。また、絶縁性フィラーが、若干沈降した状態で硬化した。
(iii)硬化物の評価
得られた硬化物のTgを、動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製のQ800)で測定したところ、141℃であった。
また、1つのCSPの電極部を封止する硬化物を、回路基板に垂直な平面で切断し、得られた断面の面積を、回路基板に平行な直線で、2つの同じ面積を有する領域に分割した。このとき、半導体素子側の領域の単位面積あたりに観測される絶縁性フィラーの面積S1と、回路基板側の領域の単位面積あたりに観測される絶縁性フィラーの面積S2とが、S1<S2を満たしていた。
更に、別のCSPの電極部を封止する硬化物を、回路基板に平行な平面で、2つの同じ体積を有する領域に分割した。このとき、半導体素子側の領域の単位体積あたりの重量W1と、回路基板側の領域の単位体積あたりの重量W2とが、W1<W2を満たしていた。また、半導体素子側の領域から一部の硬化物を採取し、その熱膨張率を測定したところ、78ppmであった。同様に、回路基板側の領域から一部の硬化物を採取し、その熱膨張率を測定したところ、71ppmであった。
(iv)半導体素子実装構造体の評価
得られた半導体素子実装構造体の熱衝撃試験(ヒートサイクル)を行った。−40℃×30分〜+85℃×30分を1サイクルとし、1000サイクルに達したときに導通試験を行い、CSPと回路基板との電気的接続を確認した。1000サイクル以上で導通が確認できたCSPは合格とし、1000サイクル未満で非導通となったCSPは不合格とした。本参考例の半導体素子実装構造体では、1000サイクルを越えても、20個のCSPの全てが合格であった。
(v)リペア処理
図4に示した手順に従い、20個のCSPのリペア処理を行った。
回路基板に実装され、樹脂組成物の硬化物で封止されたCSPの上部に、加熱手段を具備する吸引機を押し当て、CSPを250℃で1分間加熱した。その直後に、CSPと回路基板との間に金属片を差し込んだところ、CSPを容易に回路基板から取り外すことができた。
CSPを剥がした後の回路基板をホットプレート上に載置して、約100℃で保温した。その間に、回路基板上の硬化物の残渣を、溶剤(第一工業製薬株式会社製のPS−1またはロックタイト社製の7360)で膨潤させ、へらで掻き取った。また、回路基板上のはんだの残渣を、はんだ吸い取り用の編組線で除去した。リペアに要した時間は5分以内であり、十分に実用的なものであった。
(vi)CSPの再実装
CSPと残渣が取り除かれた回路基板上に、再度、クリームはんだを塗布し、上記と同様に、新たな20個のCSPを実装し、CSPの電極部を封止し、実装構造体を評価した。その結果、電気的接続が確実になされており、熱衝撃試験においても、すべてのCSPが合格であった
[実施例1]
参考例1の樹脂組成物に、更に、熱可塑性樹脂からなる絶縁性フィラーであるアクリル樹脂ビーズ(綜研化学株式会社製のMX−300、平均粒径(体積基準の粒度分布における50%値)3μm、比重1.19、25℃における熱膨張率80ppm、軟化点100℃)を、ビスフェノールF型エポキシ樹脂100重量部あたり、5重量部添加し、混合した。こうして得られた樹脂組成物を用いたこと以外、参考例1と同様の実装構造体を得た。
1つのCSPの電極部を封止する硬化物を、回路基板に平行な平面で、2つの同じ体積を有する領域に分割した。このとき、半導体素子側の領域の単位体積あたりの重量W1と、回路基板側の領域の単位体積あたりの重量W2とが、W1<W2を満たしていた。また、半導体素子側の領域から一部の硬化物を採取し、その熱膨張率を測定したところ、170ppmであった。同様に、回路基板側の領域から一部の硬化物を採取し、その熱膨張率を測定したところ、105ppmであった。
本実施例の熱衝撃試験では、すべてのCSPが合格であった。リペア処理に要した時間は5分以内であった。
[比較例1]
樹脂組成物をCSPの外周から、半導体素子と回路基板との間の空間に充填した後、樹脂組成物の温度を急激に150℃まで昇温し、60分間加熱して、樹脂組成物を硬化させたこと以外、参考例1と同様にして、半導体素子実装構造体を得た。本比較例では、絶縁性フィラーの沈降が起こる前に、樹脂組成物が硬化したと考えられる。
1つのCSPの電極部を封止する硬化物を、回路基板に垂直な平面で切断し、得られた断面の面積を、回路基板に平行な直線で、2つの同じ面積を有する領域に分割した。このとき、半導体素子側の領域の単位面積あたりに観測される絶縁性フィラーの面積S1と、回路基板側の領域の単位面積あたりに観測される絶縁性フィラーの面積S2とが、S1=S2を満たしていた。すなわち、絶縁性フィラーは、硬化物中に均一に分散していた。
更に、別のCSPの電極部を封止する硬化物を、回路基板に平行な平面で、2つの同じ体積を有する領域に分割した。このとき、半導体素子側の領域の単位体積あたりの重量W1と、回路基板側の領域の単位体積あたりの重量W2とが、W1=W2を満たしていた。また、半導体素子側の領域および回路基板側の領域から一部の硬化物を採取し、それらの熱膨張率を測定したところ、いずれも75ppmであった。
比較例の熱衝撃試験では、すべてのCSPが合格であったが、リペア処理の際に、樹脂組成物の硬化物の変形が起こりにくく、CSPを回路基板から引き剥がすのに大きな力を要した。また、多くの硬化物の残渣が回路基板に付着していたため、これを完全に取り除くまでに10分を要した。
[比較例2]
樹脂組成物の絶縁性フィラーとして、平均粒径5μmのシリカ粉末10重量部の代わりに平均粒径12nmのシリカ粉末(日本アエロジル株式会社、RY−200、比重2.0)を1重量部用いたこと以外、参考例1と同様の実装構造体を得た。本比較例では、絶縁性フィラーの平均粒径が極端に小さいため、絶縁性フィラーの沈降が起こりにくく、偏在しないと考えられる。
1つのCSPの電極部を封止する硬化物を、回路基板に垂直な平面で切断し、得られた断面の面積を、回路基板に平行な直線で、2つの同じ面積を有する領域に分割した。このとき、半導体素子側の領域の単位面積あたりに観測される絶縁性フィラーの面積S1と、回路基板側の領域の単位面積あたりに観測される絶縁性フィラーの面積S2とが、S1=S2を満たしていた。すなわち、絶縁性フィラーは、硬化物中に均一に分散していた。
更に、別のCSPの電極部を封止する硬化物を、回路基板に平行な平面で、2つの同じ体積を有する領域に分割した。このとき、半導体素子側の領域の単位体積あたりの重量W1と、回路基板側の領域の単位体積あたりの重量W2とが、W1=W2を満たしていた。また、半導体素子側の領域および回路基板側の領域から一部の硬化物を採取し、それらの熱膨張率を測定したところ、いずれも80ppmであった。
比較例の熱衝撃試験では、すべてのCSPが合格であったが、リペア処理の際に、樹脂組成物の硬化物の変形が起こりにくく、CSPを回路基板から引き剥がすのに大きな力を要した。また、多くの硬化物の残渣が回路基板に付着していたため、これを完全に取り除くまでに10分を要した
[参考例2]
樹脂組成物に含ませる反応性希釈剤の量を50重量部に変えたこと以外、参考例1と同様の実装構造体を得た。
1つのCSPの電極部を封止する硬化物を、回路基板に垂直な平面で切断し、得られた断面の面積を、回路基板に平行な直線で、2つの同じ面積を有する領域に分割した。このとき、半導体素子側の領域の単位面積あたりに観測される絶縁性フィラーの面積S1と、回路基板側の領域の単位面積あたりに観測される絶縁性フィラーの面積S2とが、S1<S2を満たしていた。得られた硬化物のTgは100℃であった。
更に、別のCSPの電極部を封止する硬化物を、回路基板に平行な平面で、2つの同じ体積を有する領域に分割した。このとき、半導体素子側の領域の単位体積あたりの重量W1と、回路基板側の領域の単位体積あたりの重量W2とが、W1<W2を満たしていた。また、半導体素子側の領域から一部の硬化物を採取し、その熱膨張率を測定したところ、130ppmであった。同様に、回路基板側の領域から一部の硬化物を採取し、その熱膨張率を測定したところ、105ppmであった。
参考例の熱衝撃試験では、硬化物のTgが低いことから、若干の不良が発生したが、リペア処理に要した時間は5分以内であった。
本発明によれば、半導体素子と回路基板との間に樹脂組成物を充填し、電極部を封止した後でも、回路基板に損傷を与えることなく、容易に半導体素子を回路基板から取り外すことができる。本発明は、不良を有する半導体素子が発見された場合にリペア処理を行うことが望まれる半導体素子実装構造体において有用である。
10、20 半導体素子実装構造体
11 半導体素子
12 キャリア基材
13 はんだバンプ
14 回路基板
15 電極ランド
16 導電性材料
17、27 樹脂組成物
17a、27a 樹脂成分
17b 絶縁性フィラー
27b 第1絶縁性フィラー
27c 第2絶縁性フィラー
31 回路基板
32 電極ランド
33 マスク
34 スキージ
35 クリームはんだ
36 吸引機
37 半導体素子
38 端子電極(はんだバンプ)
39 リフロー炉
301 塗布手段
302 樹脂組成物
37a 不良を有する半導体素子
41 加熱手段
42 剥離ツール
43 吸引機
45 ウエス
302a 硬化物の残渣
35a はんだの残渣

Claims (4)

  1. 第1接続用電極部を有する半導体素子と、第2接続用電極部を有する回路基板と、前記第1接続用電極部と前記第2接続用電極部とを対向させて導電性材料で接合した接合部とを有する半導体素子実装構造体であって、
    前記半導体素子と前記回路基板との間で、かつ前記接合部以外の部分に、樹脂組成物の硬化物が充填されており、前記樹脂組成物は、樹脂成分および2種以上の比重の異なる絶縁性フィラーを含み、
    前記比重の異なる絶縁性フィラーのうち、前記硬化物の前記半導体素子側には、比重の小さい絶縁性フィラーが分布し、前記硬化物の前記回路基板側には、比重の大きい絶縁性フィラーが分布することを特徴とする半導体素子実装構造体。
  2. 記比重の異なる絶縁性フィラーが、無機酸化物からなるフィラーと樹脂粒子からなるフィラーである請求項1に記載の半導体素子実装構造体。
  3. 前記無機酸化物からなるフィラーの比重は、1.5以上であり、前記樹脂粒子からなるフィラーの比重は、1.1未満である請求項に記載の半導体素子実装構造体。
  4. 前記比重の異なる絶縁性フィラー、および前記樹脂成分の比重の関係が、
    比重の小さい絶縁フィラー < 樹脂成分 < 比重の大きい絶縁フィラー
    で表される請求項2または3に記載の半導体素子実装構造体。
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