JP4863686B2 - 排水ポンプ - Google Patents

Description

本発明は排水ポンプ、特に空気調和機に装備される排水ポンプに関する。

空調機の室内ユニットは、冷房運転時に熱交換器に空気中の水分が凝縮して付着し、熱交換器の下方に設けられるドレンパン内に滴下する。このドレンパン内に溜ったドレン水を排水するために排水ポンプが用いられる。この排水ポンプは、下部に吸込口を形成し、上部を開口すると共に、側方に吐出口を設けたポンプ本体であるハウジング内に羽根を回転自在に設け、この羽根をハウジングの開口の上部にカバーを介して固定したモータにより回転させている。そのモータの駆動軸は、カバーに形成された貫通穴を回転自在に貫通して羽根のシャフト部に連結され、モータを駆動して、羽根が回転すると、ドレンパン内に貯溜したドレン水は、吸込口の羽根の下端から吸込まれ、遠心力により、ハウジング内面に沿って揚水され、ケーシングの吐出口から外部に吐出される。
この種の排水ポンプは、例えば、本出願人に係る特許文献１、特許文献２に開示されている。
特開２０００−２１３７７０号公報 特開２００４−１３８０７５号公報

本出願の発明者は、種々の実験を行った結果、吸込口の羽根の形状が騒音の発生に関係することを確認した。
本発明は、実験結果に基づき、運転音を低減する排水ポンプを提供するものである。

本発明の排水ポンプは、基本的手段として、モータと、該モータの出力軸に連結される回転羽根と、該回転羽根を収容するポンプ室を有するポンプハウジングとを備え、前記ポンプハウジングは、前記ポンプ室の下端部に設けられる吸込口と前記ポンプ室の側部に設けられる吐出口とを有し、前記回転羽根は、前記モータの出力軸に連結される軸部と、該軸部から放射方向に延びる板状の大径羽根と、該大径羽根と連結部を介して連結されるとともに前記吸込口に挿入される小径羽根と、前記大径羽根の外周部を連結するリング部材と、該リング部材の下端部に連結される中空ディスク部材とを有するものである。
そして、前記小径羽根は、柱状の軸部と、該軸部から放射方向に突出する複数の羽根部とを有し、前記小径羽根の底部は前記軸部の軸線に直交するように形成されるとともに前記吸込口の端面に対して所定の寸法だけ上方に位置しており、さらに前記小径羽根の底部の前記吸込口の端面に対する投影面積は前記吸込口の内径面積に対して６０％乃至７０％の範囲に設定されるものである。

本発明は、以上の構成を備えることにより、吸込量を抑制して騒音を低減させることができる。

図１は、本発明を適用する排水ポンプの説明図である。
全体を符号１で示す排水ポンプは、電動モータ１０を有し、電動モータ１０は、リード線１１を介して給電される。電動モータ１０は、ポンプハウジング５０（ポンプ本体）の上部に取付けられる蓋部材３０に立設された支持柱２０に取り付けられる。

ポンプハウジング５０はプラスチックでつくられ、内部にポンプ室５２が形成される。ポンプハウジング５０には、ポンプ室５２に連通される吸込口６０と吐出口７０とが一体に形成される。
ポンプ室５２内には、回転羽根１００が配設され、ポンプ室５２の開口部は蓋部材３０で覆われる。ポンプハウジング５０と蓋部材３０との間にはシール部材４０が挿入され、ポンプ室からのドレン水の漏水が防止される。

回転羽根１００は軸部１１０を有し、軸部１１０の穴に電動モータ１０の出力軸１２が挿入される。軸部１１０から放射方向に延びる板状の大径羽根１２０は、外周側が円筒状のリング部材１５０に接続される。

大径羽根１２０の下縁部は、ディスク部材１６０に接続される。ディスク部材１６０の中心側には、開口部１７０を有し、吸込口からのドレン水が小径羽根１４０、連結部１３０を介して大径羽根１２０側へ送られる。
本発明の排水ポンプ１にあっては、ポンプハウジング５０の底面５４の水平面に対する角度α_１は略１５度に設定されている。
また、回転羽根１００のディスク部材１６０の水平面に対する角度β_１は略１５度に設定されている。

図２は、小径羽根１４０の詳細な形状を示す。
小径羽根１４０は、円柱状の軸部１４１と、軸部１４１から放射方向に突出する４枚の板状の羽根部１４２と、軸部の軸線に直交する羽根部の底部１４４を有する。羽根部１４２と底部１４４の間は面取り部１４３で接続される。そして、吸込口６０の端面６１と小径羽根１４０の底部１４４の間には、高さ寸法Ｈ_１が設定される。
本発明の排水ポンプは、この小径羽根の形状と吸込口との間に設けられる寸法Ｈ_１の存在により吸込量が抑制され、騒音の発生が防止される。

図３の（ａ），（ｂ），（ｃ）は、小径羽根の種々の変形例を示すものである。
図３の（ａ）に示す小径羽根１４０ａは、円柱状の軸部１４１ａを有し、放射方向に突出する４枚の板状の羽根部１４２ａを有する。そして、羽根部１４２ａと底部１４４ａは面取り部１４３ａで接続される。
この小径羽根１４０ａにあっては、軸部１４１ａの底部１４５ａは、羽根部１４２ａの底部１４４ａよりも高い位置に設定される。
羽根部１４２ａの底部１４４ａと吸込口の間の高さ寸法Ｈ_１が設けられることは、先の実施例と同様である。
この小径羽根の形状と吸込口との間に設けられる寸法Ｈ_１の存在と小径羽根の形状により騒音の発生が防止される。

図３の（ｂ）に示す小径羽根１４０ｂは、円柱状の軸部１４１ｂを有し、放射方向に突出する４枚の板状の羽根部１４２ｂを有する。そして、羽根部１４２ｂと底部１４４ｂは面取り部１４３ｂで接続される。
この小径羽根１４０ｂにあっては、軸部１４１ｂの底部１４５ｂは、羽根部１４２ｂの底部１４４ｂよりも高い位置に設定される。
羽根部１４２ｂの底部１４４ｂと吸込口の間の高さ寸法Ｈ_１が設けられることは、先の実施例と同様である。
この小径羽根の形状と吸込口との間に設けられる寸法はＨ_１の存在と小径羽根の形状により騒音の発生が防止される。

図３の（ｃ）に示す小径羽根１４０ｃは、円柱状の軸部１４１ｃを有し、放射方向に突出する４枚の板状の羽根部１４２ｃを有する。そして、羽根部１４２ｃと底部１４４ｃは面取り部１４３ｃで接続される。
この小径羽根１４０ｃにあっては、軸部１４１ｃの底部１４５ｃは、羽根部１４２ｃの底部１４４ｃよりも高い位置に設定される。
羽根部１４２ｃの底部１４４ｃと吸込口の間の高さ寸法Ｈ_１が設けられることは、先の実施例と同様である。
この小径羽根の形状と吸込口との間に設けられる寸法はＨ_１の存在と小径羽根の形状により騒音の発生が防止される。

図４、図５は、本発明の小径羽根の投影面積が吸込口の内径の面積に対する関係を示す説明図である。
図４は、図３の（ａ）に示す小径羽根１４０ａが挿入された吸込口６０の下面図である。
吸込口６０の内径の面積をＳ_１とし、小径羽根１４０ａの投影面積をＳ_２としたときに、Ｓ_２はＳ_１の６０％から７０％に設定される。
この面積比を採用することにより、小径羽根による吸込量が抑制され、騒音の低減を図ることができる。
図５は、図３の（ｂ）に示す小径羽根１４０ｂが挿入された吸込口６０の下面図である。
吸込口６０の内径の面積をＳ_１とし、小径羽根１４０ｂの投影面積をＳ_２としたときに、Ｓ_２はＳ_１の６０％から７０％に設定される。
この面積比を採用することにより、小径羽根による吸込量が抑制され、騒音の低減を図ることができる。

なお、上述した実施例にあっては、α_１，β_１を略１５度に設定した排水ポンプの例を説明したが、角度α_１，β_１は、例えば略５度とした排水ポンプについても実施できる。
また、角度α_１，β_１がそれぞれ異なる排水ポンプに適用しても同様の騒音低減効果を得ることができる。

本発明の排水ポンプの説明図。 小径羽根の詳細な形状を示す説明図。 小径羽根の種々の変形例を示す説明図。 小径羽根と吸込口の面積の関係を示す説明図。 小径羽根と吸込口の面積の関係を示す説明図。

符号の説明

１ 排水ポンプ
１０ 電動モータ
５０ ポンプハウジング
１００ 回転羽根
１２０ 大径羽根
１４０ 小径羽根
１５０ リング部材
１６０ ディスク部材

Claims (1)

1. モータと、該モータの出力軸に連結される回転羽根と、該回転羽根を収容するポンプ室を有するポンプハウジングとを備え、前記ポンプハウジングは、前記ポンプ室の下端部に設けられる吸込口と前記ポンプ室の側部に設けられる吐出口とを有する排水ポンプであって、
   前記回転羽根は、前記モータの出力軸に連結される軸部と、該軸部から放射方向に延びる板状の大径羽根と、該大径羽根と連結部を介して連結されるとともに前記吸込口に挿入される小径羽根と、前記大径羽根の外周部を連結するリング部材と、該リング部材の下端部に連結される中空ディスク部材とを有し、
   前記小径羽根は、柱状の軸部と、該軸部から放射方向に突出する複数の羽根部とを有し、前記小径羽根の底部は前記軸部の軸線に直交するように形成されるとともに前記吸込口の端面に対して所定の寸法だけ上方に位置しており、さらに前記小径羽根の底部の前記吸込口の端面に対する投影面積は前記吸込口の内径面積に対して６０％乃至７０％の範囲に設定される排水ポンプ。

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