JP4863633B2 - 熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents
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Description
したがって、例えば、半導体ウェハー等の搬送に用いられるウェハーボックス、半導体チップ等の搬送、加工等に用いられるチップトレーなどの成形に用いられる樹脂として、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート等の純度が高い樹脂が使用されている。また、樹脂によっては、帯電し易い性質を有していることから、静電気障害の問題が発生することがあり、前述の分野での使用に制限の生じる場合があった。
これらの手法によってスチレン系樹脂の帯電防止性をかなり向上させることはできるが、近年、電気・電子分野において、更に良好な帯電防止性が求められている。また、スチレン系樹脂に関しても、アウトガスの発生が高度に抑制されたものが求められている。また、スチレン系樹脂以外の他の熱可塑性樹脂に対しても同様の要求がある。
また、本発明は、アウトガスの発生量が極めて少なく、かつ、帯電防止性、耐磨耗性、耐衝撃性、透明性などにも優れた成形体を与える熱可塑性樹脂組成物及びその成形体を提供することを目的とする。
したがって、本発明の一つの局面によれば、熱可塑性樹脂(A)を含有してなる熱可塑性樹脂組成物であって、アウトガス量が1500μg/g以下であることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物が提供される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、更に表面固有抵抗低減物質(B)を上記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して0.1〜70質量部含有することが好ましい。
また、本発明の好ましい実施形態によれば、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)としてスチレン系樹脂を含有する。
また、上記ポリアミドエラストマーは、屈折率1.5〜1.53、融点130〜160℃、溶液粘度1.35〜1.70、および、表面固有抵抗1×108〜1×1011Ωの各物性値を備えるものが好ましい。
また、本発明の更に他の局面によれば、上記本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形された、表面固有抵抗値が1×1011Ω以下である樹脂成形体が提供される。
該樹脂成形体は、テーパー磨耗指数が30未満であることが好ましい。
本発明の樹脂成形体は、半導体関連部品、半導体関連機器、液晶関連部品及び液晶関連機器からなる群より選ばれた少なくとも1種を収容する容器として用いるのに好適である。
更に、ポリアミドエラストマーなどの表面固有抵抗低減物質を、スチレン系樹脂などの上記熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜70質量部含有させた場合は、アウトガス量を容易に1500μg/g以下、さらには1000μg/g以下に低減させることが可能となるとともに、表面固有抵抗値を1×1011Ω以下に低減させることが可能となり、かくして塵埃等の樹脂成形体への付着を十分に抑えることができ、しかもその場合でも、耐磨耗性、耐衝撃性、透明性などを良好に維持することができ、電気・電子分野での使用に適した熱可塑性樹脂組成物及び樹脂成形体が提供される。
また、上記ポリアミドエラストマーが、屈折率1.5〜1.53、融点130〜160℃、溶液粘度1.35〜1.7、および、表面固有抵抗1×108〜1×1011Ωの各物性値を備えるものである場合も、塵埃等の樹脂成形体への付着を十分に抑えることができ、耐磨耗性、耐衝撃性、透明性などを良好に維持することができる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形した樹脂成形体は、表面固有抵抗が1×1011Ω以下とすることができ、塵埃等の樹脂成形体への付着を十分に抑えることができる。
更に、樹脂成形体が、半導体関連部品、半導体関連機器、液晶関連部品及び液晶関連機器のうちの少なくとも1種を収容する容器として用いられる場合は、これらの部品及び機器へのアウトガスの付着による汚染を抑えることができる。
なお、本明細書において、「(共)重合」および「(共)重合体」は、夫々、「単独重合」および/または「共重合」、並びに、「単独重合体」および/または「共重合体」を意味し、「(メタ)アクリル」および「(メタ)アクリレート」は、夫々、「アクリル」および/または「メタクリル」、並びに、「アクリレート」および/または「メタクリレート」を意味する。
これらのうち、本発明は、特に、スチレン系樹脂を含有する熱可塑性樹脂(A)に適用するのに好都合である。スチレン系樹脂と他の樹脂をブレンドして使用する場合、この他の樹脂の配合量は、スチレン系樹脂100質量部に対して、5〜200質量部が好ましく、5〜150質量部が更に好ましい。
上記ゴム強化樹脂(A1)は、ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物および必要に応じて芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を含むビニル系単量体(b)を重合して得られる。
上記共重合体(A2)は、ゴム質重合体(a)の不存在下に、芳香族ビニル化合物および必要に応じて芳香族ビニル化合物と共重合可能な他のビニル単量体を含むビニル系単量体(b)を重合して得られる。
尚、上記ゲル含率は、以下に示す方法により求めることができる。すなわち、ゴム質重合体1gをトルエン100mlに投入し、室温で48時間静置したのち、100メッシュの金網(質量をW1グラムとする)で濾過したトルエン不溶分と金網を80℃で6時間真空乾燥して秤量(質量W2グラムとする)し、下記式(1)により算出する。
ゲル含率は、ゴム質重合体の製造時に、分子量調節剤の種類および量、重合時間、重合温度、重合転化率等を適宜設定することにより調整される。
(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル、およびメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート及び2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル等が挙げられ、これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。(メタ)アクリル酸エステル化合物を使用すると、透明性が付与され、しかも表面硬度が向上するので好ましい。(メタ)アクリル酸エステル化合物を使用する場合、その使用量は、(b)成分全体を100質量%として、好ましくは1〜93質量%、さらに好ましくは2〜85質量%、特に好ましくは5〜80質量%である。なお、透明性を付与するためには、(A1)成分中の(a)成分及び(b)成分並びに(A2)成分の屈折率を同じとするか、近接させる必要がある。例えば、(a)成分としてポリブタジエンなどのジエン系ゴム質重合体を使用する場合は、(メタ)アクリル酸エステル化合物の使用量は、(b)成分全体を100質量%として、好ましくは30〜95質量%、さらに好ましくは40〜90質量%、特に好ましくは50〜85質量%である。
マレイミド化合物としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N―フェニルマレイミド、N―シクロヘキシルマレイミド等のα,β−不飽和ジカルボン酸のマレイミド化合物が挙げられ、これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、マレイミド単位を導入するために、無水マレイン酸を共重合させ、後イミド化してもよい。マレイミド化合物を使用すると、耐熱性が付与される。マレイミド化合物を使用する場合、その使用量は、(b)成分全体を100質量%として、好ましくは1〜60質量%、さらに好ましくは5〜50質量%である。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられ、これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
水酸基含有不飽和化合物としては、ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシ−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキシ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロペン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N―(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等が挙げられ、これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸無水物基含有不飽和化合物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられ、これらは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
置換または非置換のアミノ基含有不飽和化合物としては、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、N―ビニルジエチルアミン、N―アセチルビニルアミン、アクリルアミン、メタクリルアミン、N―メチルアクリルアミン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N―メチルアクリルアミド、p―アミノスチレン、その他のアミノスチレン等があり、これらは、1種単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
上記その他の各種官能基含有不飽和化合物の使用量は、これらの合計量で、(b)成分全体を100質量%として、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましい。
重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、p―メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert―ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
また、重合開始助剤として、各種還元剤、含糖ピロリン酸鉄処方、スルホキシレート処方等のレドックス系を用いることが好ましい。
連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n―ドデシルメルカプタン、t―ドデシルメルカプタン、n―ヘキシルメルカプタン、ターピノーレン類等が挙げられる。
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の脂肪族スルホン酸塩、ラウリル酸カリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カリウム、パルミチン酸カリウム等の高級脂肪酸塩、ロジン酸カリウム等のロジン酸塩等を用いることができる。
重合温度は、好ましくは80〜140℃、更に好ましくは85〜120℃の範囲である。
重合に際し、重合開始剤を用いてもよいし、重合開始剤を使用せずに、熱重合で重合してもよい。重合開始剤としては、ケトンパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、ハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物等が好ましく用いられる。
また、連鎖移動剤を用いる場合、例えば、メルカプタン類、ターピノレン類、α―メチルスチレンダイマー等を用いることができる。
また、塊状重合、懸濁重合で製造する場合、溶液重合において説明した重合開始剤、連鎖移動剤等を用いることができる。
上記(A1)成分のグラフト率は、好ましくは5〜200質量%、更に好ましくは20〜200質量%、より更に好ましくは30〜150質量%、特に好ましくは40〜120質量%であり、グラフト率は、下記式(2)により求めることができる。
上記式(2)中、Tは(A1)成分1gをアセトン(ただし、ゴム質重合体(a)がアクリル系ゴムを使用したものである場合、アセトニトリル)20mlに投入し、振とう機により2時間振とうした後、遠心分離機(回転数;23,000rpm)で60分間遠心分離し、不溶分と可溶分とを分離して得られる不溶分の質量(g)であり、Sは(A1)成分1gに含まれるゴム質重合体の質量(g)である。
上記(A1)成分中に分散するグラフト化ゴム質重合体粒子の平均粒径は、好ましくは500〜30,000Å、更に好ましくは1,000〜20,000Å、特に好ましくは、1,500〜8,000Åの範囲である。平均粒径は、電子顕微鏡を用いる公知の方法で測定できる。
前記ゴム質重合体(a)の使用量は、成分(A1)全体を100質量%とした場合、通常3〜90質量%、好ましくは3〜80質量%、耐衝撃性の面からは好ましくは3〜70質量%、さらに好ましくは5〜60質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。また、前記ゴム質重合体(a)の使用量の本発明の熱可塑性樹脂組成物(A)全体に対する割合は、熱可塑性樹脂組成物(A)全体を100質量%として、耐衝撃性の面から好ましくは1〜50質量%、更に好ましくは3〜40質量%、より更に好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜20質量%程度である。
本発明において、スチレン系樹脂は、成分(A1)単独、成分(A2)単独、成分(A1)と成分(A2)との混合物の何れであってもよいが、アウトガスを低減させるためには成分(A1)単独で構成する方がよい場合があり、特に、ビニル系単量体(b)として芳香族ビニル化合物と(メタ)アクリル酸エステル化合物とを組み合わせて用いる場合に成分(A1)単独で構成することが好ましい。このようにしてスチレン系樹脂を成分(A1)単独で構成する場合、ゴム質重合体(a)の使用量は、上記と同様である。
ゴム強化樹脂と他のポリマーとをブレンドした場合は、両者の相溶性を向上させるために、官能基含有不飽和化合物として、エポキシ基含有不飽和化合物、カルボキシル基含有不飽和化合物または水酸基含有不飽和化合物を用いるのが好ましく、さらに好ましくは水酸基含有不飽和化合物であり、特に好ましくは2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートである。
好ましい共重合体(A2)の単量体の組み合わせとしては、(i)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物、(ii)芳香族ビニル化合物/(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(iii)芳香族ビニル化合物/シアン化ビニル化合物/(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(iv)芳香族ビニル化合物/マレイミド化合物/シアン化ビニル化合物、および、(v)芳香族ビニル化合物/2−ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート/シアン化ビニル化合物が挙げられる。
共重合体(A2)は、単一組成の共重合体であってもよいし、組成の異なる2種以上の共重合体のブレンドであってもよい。
共重合体(A2)の固有粘度(メチルエチルケトン中、30℃で測定)は、通常0.2〜1.5であり、好ましくは0.3〜1.3dl/g、より好ましくは0.4〜1.0dl/g、特に好ましくは0.4〜0.8dl/gである。この固有粘度は、連鎖移動剤、重合時間、重合温度などによって制御することができる。
上記表面固有抵抗低減物質(B)の配合量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、通常0.1〜70質量部、好ましくは1〜60質量部、さらに好ましくは2〜50質量部、特に好ましくは5〜40質量部である。(B)成分が0.1質量部未満では表面固有抵抗値の低減効果または帯電防止性能が劣ることがあり、一方70質量部を超えると剛性などが低下することがある。
ハードセグメント(X)として用いられるポリアミド成分は特に限定されず、例えば、ジアミンとジカルボン酸との反応により生成するポリアミド;ラクタム類の開環重合により生成するポリアミド;アミノカルボン酸の反応により生成するポリアミド;これらのポリアミドの生成に用いられる単量体を共重させてなるポリアミド;これらのポリアミドの混合物等が挙げられる。
ハードセグメント(X)の分子量は特に限定されないが、数平均分子量が500〜10,000、特に500〜5,000のものが好ましい。また、ハードセグメント(X)は直鎖状であっても、または分岐状であってもよい。
ラクタム類の開環重合によって導かれるポリアミドとしては、炭素数が12のラクタム類を開環重合させてなるポリアミドが挙げられる。この炭素数が12のラクタム類としては、具体的には、ラウロラクタムが挙げられる。
アミノカルボン酸から導かれるポリアミドとしては、例えば、炭素数が12のアミノカルボン酸を反応させてなるポリアミドが挙げられる。この炭素数が12のアミノカルボン酸としては、具体的には、12−アミノドデカン酸が挙げられる。
上記第3成分として用いるジカルボン酸としては、代表的には、芳香族、脂環族または脂肪族ジカルボン酸を用いることができる。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜20のものが挙げられ、具体的には、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3−スルホイソフタル酸ナトリウムなどが挙げられる。脂環族ジカルボン酸としては、具体的には、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、具体的には、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で、または、2種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、特にテレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、セバシン酸、アジピン酸、ドデカンジカルボン酸が、重合性、色調、および物性の点から好ましく用いられる。
ソフトセグメント(Y)の分子量は、特に限定されないが、数平均分子量で好ましくは200〜20,000、さらに好ましくは300〜10,000、特に好ましくは300〜4,000である。
さらに、ポリアミドエラストマーの融点は、130〜160℃が好ましく、さらに好ましくは140〜150℃である。130℃未満及び160℃超のいずれの場合も、熱可塑性樹脂(A)との相溶性が劣るため、衝撃強度が低下し、また、成形品外観も劣ることがある。
さらに、ポリアミドエラストマーの溶液粘度(溶媒としてギ酸使用)は、1.35〜1.70が好ましく、さらに好ましくは1.40〜1.60、特に好ましくは1.45〜1.55である。1.35未満及び1.70超のいずれの場合も、熱可塑性樹脂(A)との相溶性が劣るため、衝撃強度が低下し、また、成形品外観も劣ることがある。
さらに、ポリアミドエラストマーの表面固有抵抗値は、1×108〜1×1011Ωの範囲であることが好ましい。この範囲外であると、本発明の熱可塑性樹脂組成物の表面固有抵抗値が発現しにくくなることがある。
また、特許第3386612号明細書の記載に従い、ポリアミドエラストマーとして、その重合前、重合中あるいは重合後エラストマーの分離・回収前に、カリウム化合物を存在させて製造されたものを使用することもできる。この場合、本発明の熱可塑性樹脂組成物の衝撃強さを低下させることなく、帯電防止性能を向上させることができる。カリウム化合物の使用量は、ポリアミドエラストマー中に、カリウム原子換算で10〜50,000ppm、好ましくは20〜3,000ppm、さらに好ましくは50〜1,000ppmである。その使用量が10ppm未満では帯電防止効果の向上が少ない場合があり、一方50,000ppmを超えると成形品の表面外観が劣る場合がある。
また、ポリアミドエラストマーは、塩化リチウム、臭化リチウム等のリチウム化合物を含有してもよく、この場合、表面抵抗をより低減させることができる。また、リチウム化合物に加えて又は代わりに、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属、ならびに、これらの有機酸塩、スルホン酸塩、無機酸塩及びハロゲン化物等から選ばれた少なくとも1種を使用してもよい。なお、これらの金属化合物は、ポリアミドエラストマーの重合時もしくは重合後または本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する際に配合しても良い。
上記測定サンプルとしては、ペレットなどの形態の樹脂組成物自体、この樹脂組成物を用いて測定サンプルとして成形した成形体、この成形体から切り出した測定サンプル、及び容器等の製品形状に成形された成形体から切り出した測定サンプルなどを用いることができる。本発明においては、成形体のアウトガス量が1500μg/g以下であることが重要であるが、本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られた成形体のアウトガス量は、通常、成形材料としての熱可塑性樹脂組成物自体のアウトガス量と同等かそれ以下と考えられる。したがって、アウトガス量が1500μg/g以下の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の成形体を得るための成形材料として有用である。本発明の熱可塑性樹脂組成物および成形体の何れの場合も、アウトガス量は、1000μg/gであることが好ましく、900μg/g以下であることが更に好ましく、特に好ましくは800μg/g以下である。
(1)カラムの種類 ;BPX−5(Supelco社製)
(2)カラムの長さ ;30m
(3)カラムの温度 ;200℃(ヘッドスペースパージアンドトラップ法)
(4)キャリアガスの種類;ヘリウムガス
(5)キャリアガスの流量;50ml/分
測定装置としては、例えば、ガスクロマトグラフ測定装置としてはAgliment社製、型式「5890 SERIES II」、質量分析装置としては日本電子データム社製、型式「JEOL JMS AX505W」等を用いることができる。
また、ガスクロマトグラフィ/質量分析法において、リテンションタイム12分を越え20分までの間に測定される化合物としては、オリゴマー等が挙げられ、それ以降のリテンションタイムでは、更に沸点の高い、例えば、脂肪酸等が検出される。オリゴマーが分離、検出されるリテンションタイム20分までの化合物の合計量は、1200ppm以下であるのが好ましく、さらに好ましくは1000ppm以下、特に好ましくは800ppm以下である。更に、脂肪酸等が分離、検出されるリテンションタイム30分までの化合物の合計量、すなわち「アウトガス量」は前記のとおりである。
尚、相手材がステンレス鋼である場合も、摩耗量は3.0mg以下、動摩擦係数は3.0以下であることが好ましい。
また、樹脂成形体は所定のテーパー磨耗指数を有していることが好ましく、テーパー磨耗指数は30未満であることが好ましい。
(1−1)アウトガス量の測定
圧縮成形法により210℃で80×55×2.4mmのシートを成形し、このシートから質量50mgの測定サンプルを切り出し、この測定サンプルを加熱追い出し管に充填し、測定サンプルの両端側の各々にシラン処理した石英ウールをそれぞれ10mg充填した。その後、この加熱追い出し管を加熱炉に収容し、室温(25℃)で1分間、50ml/分の流速でヘリウムガスを流通させ、次いで、60℃/分の速度で昇温させ、150℃で30分間保持して加熱した。このようにして測定サンプルから発生し、捕集されたアウトガスを、ガスクロマトグラフ測定装置(Agliment社製、型式「5890 SERIES II」)の試料注入口より充填し、分離されたアウトガスを、質量分析装置(日本電子データム社製、型式「JEOL JMS AX505W」)により定量した。尚、表1のアウトガス量は、リテンションタイムが30分までのアウトガスの合計量である。
直径100mm、厚さ2mmの円板形の樹脂成形体を作製し、温度23℃、相対湿度50%で7日間状態調節した後、超絶縁抵抗計(横河ヒューレット・パッカード社製、型式「4329A」)を用いて表面固有抵抗を測定した。
(1−3)耐摩耗性(1)の測定
射出成形により80×50×2.4mmの試験片を作成した。次に、25×25mmの大きさに切削し、8インチ用ウェハーケースの底4隅に、両面テープで貼りつけた。ケースの総質量を4kgになるように、ケースの中に重量物を入れた。そして、このケースを製品棚(φ3.8mmステンレス丸棒で作られた棚)に載せ、この直下(20cm)にガラス板を設置した。ケースを10回出し入れした後、ガラス板に落ちた摩耗粉を目視で数え、その個数を磨耗量とした。
(1−4)耐摩耗性(2)の測定
往復動摩擦摩耗試験機として東測精密工業社製、型式「AFT−15M」を使用し、前記の方法により測定した。試験片としては、JIS K7218 A法の摺動リングと80×55×2.4の平板とを使用し、平板を往復動させた。
(1−5)動摩擦係数の測定
上記(1−4)の摩耗量の測定時に同時に求めた。
射出成形により80×50×2.4mmの試験片を作成した。23℃、50%RHで2日間状態調節した後、Gardner社製haze−gard plusで曇価(Haze)を測定した。さらに、80℃、50%RHで1日状態調節した後、曇価を測定した。
(1−7)シャルピー衝撃強さ
ISO179に準じて評価を行なった。
JIS K7204に準じて、磨耗輪CS17、荷重1000g、回転回数1000回の条件で測定し、下記式に従ってテーパー磨耗指数を求めた。
テーパー磨耗指数=(1000/回転)×磨耗量(mg)
(2−1)ゴム強化樹脂(A1−1)の製造
撹拌機を備えた内容積7リットルのガラス製フラスコに、イオン交換水100部、ロジン酸カリウム1部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、ブタジエンゴムラテックス40部(固形分換算)、スチレン45部及びアクリロニトリル15部を投入し、撹拌しながら昇温させた。温度が50℃となった時点で、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.2部、硫酸第一鉄0.01部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート・2水和物0.2部及びイオン交換水10部からなる活性剤水溶液、並びにジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド0.2部を添加し、6時間反応させた。単量体の重合転化率は96%であった。その後、反応生成物であるラテックスを40℃の0.5%硫酸水溶液で凝固させ、得られたスラリーを90℃まで昇温させて5分間保持した。次いで、これを水洗し、その後、脱水した。次いで、75℃で24時間乾燥し、粉末状のゴム強化樹脂(A1−1)を得た。
攪拌機を備えた内容積7リットルのガラス製フラスコに、イオン交換水100部、ロジン酸カリウム2部、t−ドデシルメルカプタン0.5部、ブタジエンゴムラテックス30部(固形分換算)、スチレン16部、アクリロニトリル5部及びメタクリル酸メチル49部を投入し、攪拌しながら昇温させた。温度が50℃となった時点で、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム0.2部、硫酸第1鉄0.05部、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート・2水和物0.2部及びイオン交換水10部よりなる活性剤水溶液、並びにジイソプロプルベンゼンハイドロパーオキサイド0.2部を添加し、6時間反応させた。単量体の重合転化率は96%であった。その後、反応生成物であるラテックスを40℃の0.5%硫酸水溶液で凝固させ、得られたスラリーを90℃まで昇温させて5分間保持した。次いで、これを水洗し、その後、脱水した。次いで、75℃で24時間乾燥し、粉末状のゴム強化樹脂(A1−2)を得た。
リボン型攪拌翼、助剤連続添加装置及び温度計を装備した容積20リットルのステンレス製オートクレーブに、エチレン・プロピレンゴム30部、スチレン45部、アクリロニトリル25部及びトルエン110部を投入し、内部の温度を75℃に昇温させ、内容物を1時間攪拌して均一溶液とした。その後、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート0.45部を添加し、内部の温度を更に昇温させて100℃とし、この温度を保持しながら、攪拌翼の回転数を100rpmとして反応させた。反応開始から4時間経過後、内部の温度を更に昇温させて120℃とし、この温度を保持しながら更に2時間反応させた。単量体の重合転化率は85%であった。次いで、内部の温度を100℃まで冷却し、その後、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)−プロピオネート0.2部を添加し、次いで、反応混合物をオートクレーブより抜き出し、水蒸気蒸留により未反応物と溶媒を留去し、シリンダー径40mmのベント付き押出機によりペレット化し、ゴム強化樹脂(A1−3)を得た。
表1に記載の処方に従った以外、ゴム強化樹脂(A1−1)と同様の方法で調製して、ゴム強化樹脂(A1−4)を得た。
(3−1)共重合体(A2−1)の製造
内容積7リットルのリボン翼を備えたジャケット付き重合反応器を2基連結し、窒素置換した後、1基目の重合反応器にスチレン75部、アクリロニトリル25部、トルエン20部を連続的に投入した。次いで、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.1部をトルエン5部に溶解させた溶液、及び重合開始剤として1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)0.1部をトルエン5部に溶解させた溶液を連続的に供給した。1基目の重合反応器の温度は110℃に制御し、平均滞留時間を2時間として重合させた。重合転化率は60%であった。その後、得られた重合体溶液から、1基目の重合反応器の外部に設けられたポンプにより、スチレン、アクリロニトリル、トルエン、分子量調節剤及び重合開始剤の合計供給量と同量を連続的に取り出し、2基目の重合反応器に供給した。この2基目の重合反応器における重合温度は130℃、平均滞留時間は2時間として重合させた。重合転化率は80%であった。次いで、2基目の重合反応器から重合体溶液を取り出し、この重合体溶液を直接2軸3段ベント付き押出機に供給し、未反応単量体及び溶媒を除去し、共重合体(A2−1)を得た。この共重合体(A2−1)のアセトン可溶分の極限粘度[η]は0.48dl/gであった。
内容積30リットルのリボン翼を備えたジャケット付き重合反応器を2基連結し、窒素置換した後、1基目の重合反応器にスチレン21部、アクリロニトリル7部、メチルメタクリレート72部、トルエン20部を連続的に投入した。次いで、分子量調節剤としてt−ドデシルメルカプタン0.1部をトルエン5部に溶解させた溶液、及び重合開始剤として1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)0.1部をトルエン5部に溶解させた溶液を連続的に供給した。1基目の重合反応器の温度は110℃に制御し、平均滞留時間を2時間として重合させた。重合転化率は60%であった。その後、得られた重合体溶液から、1基目の重合反応器の外部に設けられたポンプにより、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、トルエン、分子量調節剤及び重合開始剤の合計供給量と同量を連続的に取り出し、2基目の重合反応器に供給した。この2基目の重合反応器における重合温度は130℃、平均滞留時間は2時間として重合させた。重合転化率は80%であった。次いで、2基目の重合反応器から重合体溶液を取り出し、この重合体溶液を直接2軸3段ベント付き押出機に供給し、未反応単量体及び溶媒を除去し、共重合体(A2−2)を得た。この共重合体(A2−2)のアセトン可溶分の極限粘度[η]は0.25dl/gであった。
攪拌機を備えた内容積7リットルのガラス製フラスコに、イオン交換水100部、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム2.5部、t−ドデシルメルカプタン0.1部、スチレン22.5部、アクリロニトリル7.5部、ヒドロキシエチルメタクリレート3.3部を投入し、撹拌しながら昇温させた。温度が50℃になった時点で、過硫酸カリウム0.1部及びイオン交換水5部からなる水溶液を添加し、2時間反応させた。その後、スチレン22.5部、アクリロニトリル7.5部、ヒドロキシエチルメタクリレート3.3部、過硫酸カリウム0.1部及びイオン交換水5部からなる水溶液を添加し、2時間反応させた。
さらに、スチレン22.5部、アクリロニトリル7.5部、ヒドロキシエチルメタクリレート3.4部、過硫酸カリウム0.1部及びイオン交換水5部からなる水溶液を添加し、3時間反応させた。
単量体の重合転化率は、98%であった。その後、反応生成物であるラテックスを40℃で10%の塩化カルシウム水溶液で凝固させ、得られたスラリーを90℃まで昇温させて、5分間保持した。次いでこれを水洗し、その後、脱水、75℃で24時間乾燥し、粉末状の重合体(A2−3)を得た。
ポリアミド12からなるハードセグメントとポリ(アルキレンオキシド)グリコールからなるソフトセグメントとで構成されるポリアミドエラストマー(PA12系ポリアミドエラストマー)として、屈折率1.514、融点148℃、溶液粘度1.51、表面固有抵抗値3×1010Ωの物性を備えるものを用いた。
ポリアミド6からなるハードセグメントとポリ(アルキレンオキシド)グリコールからなるソフトセグメントとで構成されるポリアミドエラストマー(PA6系ポリアミドエラストマー)として、屈折率1.514、融点195℃、溶液粘度1.51、表面固有抵抗値4×1010Ωの物性を備えるものを用いた。
ゴム強化樹脂(A1−1)〜(A1−3)、上記共重合体(A2−1)〜(A2−2)、及び表面固有抵抗低減物質であるポリアミドエラストマー(実施例I-4〜I-6及びI-8並びに比較例I-4〜I-6)又は導電性カーボン(実施例I-7及び比較例I-7)を、実施例I-1〜I-8の場合は、表2の質量比となるようにコーンブレンダーによりドライブレンドし、その後、シリンダー径40mmの3段ベント付押出機により、ダブルダルメージスクリューを用いて、シリンダー温度220℃で、水1部を添加し、真空度を表2のようにして脱揮させながら混練し、ペレット化した。一方、比較例I-1〜I-7の場合は、表3の質量比となるようにコーンブレンダーによりドライブレンドし、その後、シリンダー径40mmの1段ベント付押出機により、ダルメージ部を有さないスクリューを用いて、シリンダー温度220℃で、水を添加せず、又は1部添加し、真空度を表3のようにして脱揮させながら混練し、ペレット化した。
なお、実施例I-1、I-4、I-7及び比較例I-1、I-4、I-7はABS樹脂、実施例I-2、I-5及び比較例I-2、I-5は透明ABS樹脂、実施例I-3、I-6及び比較例I-3、I-6はAES樹脂、実施例I-8は非ゴム強化のスチレン系樹脂の各々であった。これらの実施例及び比較例で得られた各樹脂ペレットを上記各種物性の測定に供した。その結果を表2および表3に示す。
実施例I-1及び比較例I-1の各々におけるABS樹脂を用いて、射出成形機により金型温度を50℃として図1のウェハーボックス1及び図2のウェハートレー13を作製した。このウェハーボックス1は、直径8インチのウェハーを25枚収容することができる大きさである。更に、内部には、図2のような、ウェハートレー13が収納されており、このウェハートレーの内面の横方向の壁面には、相対向して26個のリブ131が突設されており、このリブにより半導体ウェハーを固定することができる。
実施例II-1〜II-10の場合、ゴム強化樹脂(A1−1)〜(A1−3)、上記共重合体(A2−1)〜(A2−3)、及び表面固有抵抗低減物質であるポリアミドエラストマー(実施例II-1〜II-10)を、表4に示す配合に従ってコーンブレンダーによりドライブレンドし、その後、シリンダー径40mmの3段ベント付押出機により、ダブルダルメージスクリューを用いて、シリンダー温度220℃で、表4の加工条件(脱気方法、真空度、水1部添加有)にて混練し、ペレット化した。実施例II-11〜II-12の場合、ゴム強化樹脂(A1−4)及び表面固有抵抗低減物質であるポリアミドエラストマーを用い、上記と同様の方法でペレット化した。
比較例II-1〜II-6の場合、ゴム強化樹脂(A1−1)〜(A1−3)、上記共重合体(A2−1)〜(A2−3)、及び表面固有抵抗低減物質であるポリアミドエラストマー(比較例II-2〜II-6)を、表5の配合に従ってコーンブレンダーによりドライブレンドし、その後、表5の加工条件(脱気方法、真空度、水1部添加有)にて混練し、ペレット化した。
得られた各ペレットを上記各種物性の測定に供した。その結果を表4および表5に示す。
Claims (6)
- スチレン系樹脂(A)と、上記スチレン系樹脂(A)100質量部に対して0.1〜70質量部の表面固有抵抗低減物質(B)とを含有してなる熱可塑性樹脂組成物であって、
前記表面固有抵抗低減物質(B)として、ポリアミド12からなるハードセグメントと、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールからなるソフトセグメントとを含んでなるポリアミドエラストマーを用い、
前記スチレン系樹脂(A)として、下記成分(A1)及び必要に応じて下記成分(A2)からなるスチレン系樹脂であって、下記ビニル系単量体(b)が、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び、前記ビニル系単量体(b)全体を100質量%として0〜15質量%のシアン化ビニル化合物を含有するものを用いることにより、
該熱可塑性樹脂組成物の150℃、30分におけるアウトガス量を1000μg/g以下にするとともに、表面固有抵抗値を1×10 10 Ω以下にしたことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
成分(A1):ゴム質重合体(a)の存在下に、芳香族ビニル化合物を必須単量体成分とて含むとともにシアン化ビニル化合物及び(メタ)アクリル酸エステル化合物から選ばれる1種又は2種を含むビニル系単量体(b)を重合して得られるゴム強化樹脂。
成分(A2):ゴム質重合体(a)の不存在下に、芳香族ビニル化合物を必須単量体成分として含むとともにシアン化ビニル化合物及び(メタ)アクリル酸エステル化合物から選ばれる1種又は2種を含むビニル系単量体(b)を重合して得られる共重合体。 - 前記ビニル系単量体(b)全体を100質量%として30〜95質量%の(メタ)アクリル酸エステル化合物を含有する請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- ポリアミドエラストマーが、屈折率1.5〜1.53、融点130〜160℃、溶液粘度1.35〜1.7、および、表面固有抵抗1×108〜1×1011Ωの各物性値を備えるものである請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形された、表面固有抵抗値が1×10 10 Ω以下である樹脂成形体。
- テーパー磨耗指数が30未満である請求項4に記載の樹脂成形体。
- 半導体関連部品、半導体関連機器、液晶関連部品及び液晶関連機器からなる群より選ばれた少なくとも1種を収容する容器として用いられる請求項4または5に記載の樹脂成形体。
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