JP4862276B2 - 地図表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、DVD等に格納されている地図データの一部を切り出してコリド用メモリに取り込み、この取り込んだ地図データに基づいて地図表示を実行するコリド機能を備えた地図表示装置に関する。
従来より、カーナビゲーション装置の1つの機能として、コリド機能が知られている(例えば特許文献1参照)。このコリド機能は、DVD等に格納されている地図データの一部(または全部)を切り出してRAM等の別媒体、即ち、コリド用メモリに取り込み、このコリド用メモリ上に取り込まれている地図データを用いて経路案内等のナビ機能を実行する機能のことである。
特許2663003号公報
一般的にコリド用メモリは容量が制限されているため、地図データの全部を格納することができない。このため、コリド用メモリの容量に応じて限られた一部分の地図データを切り出してコリド用メモリに格納し、これを用いてナビ機能を実行している。この場合、全部の地図データを使用する場合に比べて、使用できる地図データのデータ量が制限されるので、ナビ機能も制限されてしまう。このため、ナビ機能になるべく制限を加えないようにするために、地図データの切り出し方を工夫する必要がある。
例えば特許文献1に記載された構成においては、ユーザーが設定した経路に沿って地図データを切り出すことによって、切り出す地図データ(コリド用メモリ)の容量を制限すると共に、ナビ機能(経路案内機能)になるべく制限を加えないようにしている。この地図データの切り出し方について、図13、図14を参照して説明する。図13は、ユーザーが設定した経路と、地図とを示す図である。そして、図14は、上記図13の地図の上に、地図データの最小単位(地図データを切り出す大きさの単位)を重ねて示すと共に、経路に沿って切り出す地図データの領域(斜線領域)も示している。
しかし、上記したように、ユーザーが設定した経路に沿って地図データを切り出した場合、経路の再探索を実行すると、再探索前の経路とほとんど変わらない経路しか算出することができず、最適な経路を算出できないという欠点があった。具体的には、図14に示すように、地図データを切り出した場合、コリド機能中において経路の再探索を実行するときには、図15に示すように、経路以外に使用できる道路は、D−E−IとN−O−Rとだけである。したがって、再探索前の経路とほとんど変わらない経路しか算出できないことがわかる。また、地図表示を実行する場合も、コリド用メモリに切り出されていない地図(詳細地図)を表示できないことから(但し、広域地図は表示できる)、地図表示機能が制限されるという不具合があった。
そこで、本発明の目的は、コリド用メモリの容量の制限があっても、地図表示機能をできるだけ制限しないようにすることができる地図表示装置を提供するにある。
本発明の地図表示装置は、地図データ入力部から地図データの一部を切り出してコリド用メモリに取り込み、この取り込んだ地図データに基づいて地図表示を実行するコリド機能を備えた装置において、所定の地点を中心としてその回りの領域に対応する地図データを切り出す場合に、切り出す地図データの領域を拡大させる手順として4つのパターンを備え、前記所定の地点が存在する地図データの最小単位の領域を上下左右に4等分し、これら4等分した4つの領域のいずれに前記所定の地点が存在するかによって、前記4つのパターンの中の1つのパターンを選択設定するように構成されているところに特徴を有する。
上記構成によれば、所定の地点を中心としてその回りの領域に対応する地図データを切り出すように構成したので、コリド用メモリの容量の制限があっても、地図表示機能をできるだけ制限しない構成とすることができる。
また、上記構成の場合、所定の地点は、車両の現在地であることが好ましい。更に、所定の地点は、複数の地点であることがより一層好ましい。この場合、複数の地点は、少なくとも車両の現在地と、目的地とを含むことが良い構成である。また、前記コリド用メモリを、前記複数の地点毎に切り出した複数の地図データを格納するための複数のメモリ領域にわけるときに、均等にわけるように構成することが好ましい。
更にまた、前記コリド用メモリを、前記複数の地点毎に切り出した複数の地図データを格納するための複数のメモリ領域にわけるときに、地点の属性に応じて配分割合を変えるように構成しても良い。また、前記コリド用メモリを、前記複数の地点毎に切り出した複数の地図データを格納するための複数のメモリ領域にわけるときに、前記格納する地図データの密度に応じて配分割合を変えるように構成しても良い。
た、前記切り出す地図データの領域を拡大するに際して、前記地図データの最小単位の領域を拡大の単位として1個ずつ拡大するように構成しても良い。更に、前記切り出す地図データの領域を拡大するに際して、前記地点の周りを一回りするように拡大するように構成しても良い。
また、前記複数の地点について前記切り出す地図データの領域を拡大する場合、拡大させる領域が重複しないように構成することが好ましい構成である
以下、本発明をカーナビゲーション装置に適用した第1の実施例について、図1ないし図8を参照して説明する。まず、図1は、本実施例のカーナビゲーション装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。この図1に示すように、カーナビゲーション装置1は、制御回路2と、位置検出器3と、地図データ入力器4と、操作スイッチ群5と、送受信機6と、外部メモリ7と、表示装置8と、リモコンセンサ9とから構成されている。
上記制御回路2は、カーナビゲーション装置1の動作全般を制御する機能を有しており、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバス(いずれも図示しない)を備えて構成されている。本実施例の場合、制御回路2がコリド機能を有していると共に、制御回路2内のRAMによりコリド用メモリが構成されている。
位置検出器3は、地磁気センサ10と、ジャイロスコープ11と、距離センサ12と、GPS(Global Positioning System )受信機13とから構成されている。位置検出器3は、上記4つのセンサ10〜13により互いに補間しながら車両の現在位置を検出するように構成されており、高精度の位置検出機能を有している。尚、位置検出精度をそれほど必要としない場合には、4つのセンサ10〜13のうちの何れかで(または複数のセンサの組み合わせで)位置検出器3を構成しても良い。また、車両のステアリングの回転センサや、ホイールの車輪センサなどを適宜組み合わせて、位置検出器3を構成しても良い。
地図データ入力器4は、CD−ROM、DVD−ROM、HDD、メモリ等を読み取り可能な読取装置で構成されており、地図データやマップマッチング用データや目印データや音声認識用辞書データ等の各種データを入力するための装置である。操作スイッチ群5は、表示装置8の表示画面の上面に設けられたタッチスイッチ(タッチパネル)と、表示装置8の周辺部に設けられたメカニカルなプッシュスイッチ(図示しない)等とから構成されている。
送受信機6は、例えばVICS通信装置や、携帯電話機(専用の携帯電話端末や汎用の携帯電話機等)などで構成されている。この送受信機6を介して外部の情報供給センタ(例えばVICSセンタ14や種々の情報センタ等)との間でデータを送受信することができるように構成されている。外部メモリ7は、メモリスティックやメモリカードや磁気テープ等の読取装置で構成されており、地図データや音楽データや映像データ等を入力するための装置である。
表示装置8は、地図を表示するための例えばカラー液晶ディスプレイで構成されており、地図データ(道路データ、文字データ及び背景データ等)、自車位置マーク、誘導経路等の付加データ等を重ねて表示することが可能なように構成されている。尚、ユーザーは、リモコン15を操作することにより、リモコンセンサ9を介して制御回路2へ操作信号を与えることが可能なように構成されている。
また、制御回路2は、現在位置(出発地)から目的地までの最適経路(誘導経路)を自動的に計算して設定する機能(経路計算機能)を備えており、この自動的に最適経路を設定する方法としては、例えばダイクストラ法等を使用している。尚、目的地は、ユーザーが操作スイッチ群5やリモコン15などを操作して設定することが可能なように構成されている。
更に、制御回路2は、表示装置8に表示されている地図上に上記目的地までの最適経路(誘導経路)を重ねて表示する機能や、現在位置を上記地図上に位置付けるマップマッチング処理を実行する機能等を備えている。また、制御回路2には、車両に搭載されたオーディオ装置(図示しない)が接続されており、制御回路2によってオーディオ装置をコントロールすることが可能なように構成されている。
次に、上記構成のカーナビゲーション装置1の作用、特には、地図データ入力器4から地図データの一部を切り出してコリド用メモリ(制御回路2)に取り込む際の制御(コリド機能の制御)について、図2ないし図8も参照して説明する。本実施例においては、1つの地点、例えば車両の現在地を中心としてその回りの領域に対応する地図データを切り出してコリド用メモリに記憶(格納)させるようにしている。
具体的には、まず、図2のステップS10において、地図データを切り出すための1つの地点を、車両の現在地に決める。続いて、ステップS20へ進み、現在地周辺の領域に対応する地図データを読み出して、コリド用メモリに記憶させる。そして、ステップS30へ進み、コリド用メモリに空きがあるか否かを判断する。
ここで、コリド用メモリに空きがあれば、ステップS30にて「YES」へ進み、ステップS20へ戻り、地図データを読み出してコリド用メモリに記憶させる処理を続ける。この場合、現在地周辺の領域を拡大し、この拡大した領域に対応する地図データを読み出して、コリド用メモリに記憶させるように構成されている。尚、現在地周辺の領域を拡大させる具体的な制御方法については、後述する。
そして、ステップS30において、コリド用メモリに空きがなくなると、ステップS30にて「NO」へ進み、地図データを読み出してコリド用メモリに記憶させる処理を終了するようになっている。
ここで、現在地周辺の領域(即ち、切り出す領域)を拡大させる制御について説明する。この場合、現在地周辺の領域を拡大させる場合、拡大手順としては4つのパターン(図4ないし図7)がある。そして、現在地が存在する地図データの最小単位の領域を上下左右に4等分したときに、これら4等分した4つの領域(図3参照)のいずれに前記現在地が存在するかによって、上記4つのパターンのうちの1つが選択設定されるように構成されている。
この構成の場合、現在地が、地図データの最小単位を4等分した4つの領域((a)〜(d))のいずれに存在するかによって、上記4つのパターンのうちの1つを選択設定するように構成する理由は、切り出した地図データの領域の中の中心に、現在地(即ち、地点)をできる限り位置させるためである。そして、このように構成すると、切り出すことができる地図データのサイズをあまり大きくすることができないような(例えばコリド用メモリのサイズが比較的小さいような)場合に、特に効果的に、現在地を、切り出した地図データの領域の中の中心に位置させることが可能となり、経路を再探索(再計算)するときに再探索の自由度(再探索ルートのバリエーション)が大きくなる。
次に、現在地の存在位置と、拡大手順の4つのパターンとの関係について、具体的に説明する。まず、4等分した4つの領域のうちの左上の領域(a)内に現在地が存在する場合には、拡大手順は第1のパターン(図4参照)となる。また、4つの領域のうちの右上の領域(b)内に現在地が存在する場合には、拡大手順は第2のパターン(図5参照)となり、4つの領域のうちの左下の領域(c)内に現在地が存在する場合には、拡大手順は第3のパターン(図6参照)となり、4つの領域のうちの右下の領域(d)内に現在地が存在する場合には、拡大手順は第4のパターン(図7参照)となる。以下、これら拡大手順の4つのパターンについて、具体的に説明する。
第1のパターンの場合、図4(a)に示すように、現在地(読み込み地点、星印のマークで示す)が左上の領域(a)(図3参照)内に存在する。この場合、まず、図4(b)に示すように、現在地が存在する領域の左隣の領域を読み取る(切り出す)。続いて、図4(c)に示すように、既に読み込んだ領域(既に切り出した領域、この場合、2個の領域)の上側の2個の領域を読み取る。そして、図4(d)に示すように、既に読み込んだ領域(4個の領域)の右側の2個の領域を読み取る。
更に、図4(e)に示すように、既に読み込んだ領域(6個の領域)の下側の3個の領域を読み取る。以下、同様な手順で読み込む領域を、コリド用メモリが一杯になるまで拡大していけば良い。尚、例えば9個の領域でコリド用メモリが一杯になったとすると、図4(f)に示す状態で領域拡大が完了する。
次に、第2のパターンの場合、図5(a)に示すように、現在地(読み込み地点)が右上の領域(b)(図3参照)内に存在する。この場合、まず、図5(b)に示すように、現在地が存在する領域の右隣の領域を読み取る。続いて、図5(c)に示すように、既に読み込んだ領域(2個の領域)の上側の2個の領域を読み取る。そして、図5(d)に示すように、既に読み込んだ領域(4個の領域)の左側の2個の領域を読み取る。
更に、図5(e)に示すように、既に読み込んだ領域(6個の領域)の下側の3個の領域を読み取る。以下、同様な手順で読み込む領域を、コリド用メモリが一杯になるまで拡大していけば良い。尚、例えば9個の領域でコリド用メモリが一杯になったとすると、図5(f)に示す状態で領域拡大が完了する。
次に、第3のパターンの場合、図6(a)に示すように、現在地(読み込み地点)が左下の領域(c)(図3参照)内に存在する。この場合、まず、図6(b)に示すように、現在地が存在する領域の左隣の領域を読み取る。続いて、図6(c)に示すように、既に読み込んだ領域(2個の領域)の下側の2個の領域を読み取る。そして、図6(d)に示すように、既に読み込んだ領域(4個の領域)の右側の2個の領域を読み取る。
更に、図6(e)に示すように、既に読み込んだ領域(6個の領域)の上側の3個の領域を読み取る。以下、同様な手順で読み込む領域を、コリド用メモリが一杯になるまで拡大していけば良い。尚、例えば9個の領域でコリド用メモリが一杯になったとすると、図6(f)に示す状態で領域拡大が完了する。
次に、第4のパターンの場合、図7(a)に示すように、現在地(読み込み地点)が右下の領域(d)(図3参照)内に存在する。この場合、まず、図7(b)に示すように、現在地が存在する領域の右隣の領域を読み取る。続いて、図7(c)に示すように、既に読み込んだ領域(2個の領域)の下側の2個の領域を読み取る。そして、図7(d)に示すように、既に読み込んだ領域(4個の領域)の左側の2個の領域を読み取る。
更に、図7(e)に示すように、既に読み込んだ領域(6個の領域)の上側の3個の領域を読み取る。以下、同様な手順で読み込む領域を、コリド用メモリが一杯になるまで拡大していけば良い。尚、例えば9個の領域でコリド用メモリが一杯になったとすると、図7(f)に示す状態で領域拡大が完了する。
そして、上述したようにして、現在地を中心として例えば9個の領域がコリド用メモリに読み込まれたとする。この読み込まれた地図データと、この地図データの周囲の地図データとの関係を、図8に示す。この場合、太い実線で示す9個の領域に対応する地図データが切り出されてコリド用メモリに格納されたことになる。尚、実際には、コリド用メモリの容量がある程度大きいことから、現在地を中心としてその回りの領域に対応する地図データがかなりのデータ量だけ切り出されてコリド用メモリに格納される。
このような構成の本実施例によれば、所定の地点である例えば車両の現在地を中心として、その回りの領域に対応する地図データを切り出してコリド用メモリに記憶させるように構成したので、コリド用メモリの容量の制限があっても、ナビ機能、例えば経路案内機能をできるだけ制限しない構成とすることができる。即ち、上記構成の場合、現在地を中心として、その回り360度のいずれの方向に目的地を設定しても、経路案内計算を十分に実行することができる。
次に、図9及び図10は、本発明の第2の実施例を示すものである。尚、第1の実施例と同一構成には同一符号を付している。この第2の実施例においては、地図データを切り出すための地点(所定の地点)を複数の地点とすると共に、これら複数の地点を例えば車両の現在地と目的地としたものである。
具体的には、図9のステップS110において、制御回路2内のコリド用メモリを、2つに均等にわけ、現在地周辺の地図データを格納(保存)するメモリ領域と、目的地周辺の地図データを格納(保存)するメモリ領域とする。続いて、ステップS120へ進み、現在地周辺の領域に対応する地図データを読み出して、コリド用メモリの中の現在地周辺の地図データを格納するメモリ領域に記憶させる。そして、ステップS130へ進み、現在地周辺の地図データを格納するメモリ領域(コリド用メモリ)に空きがあるか否かを判断する。
ここで、メモリ領域に空きがあれば、ステップS130にて「YES」へ進み、ステップS120へ戻り、地図データを読み出してコリド用メモリの中の現在地周辺の地図データを格納するメモリ領域に記憶させる処理を続ける。この場合、現在地周辺の領域を拡大し、この拡大した領域に対応する地図データを読み出して、上記メモリ領域に記憶させるように構成されている。尚、現在地周辺の領域を拡大させる具体的な制御方法は、第1の実施例の制御方法(図3ないし図7参照)と同じである。
そして、ステップS130において、現在地周辺の地図データを格納するメモリ領域(コリド用メモリ)に空きがなくなると、ステップS130にて「NO」へ進み、現在地周辺の地図データを読み出して、現在地周辺の地図データを格納するメモリ領域に記憶させる処理を終了し、ステップS140へ進む。
このステップS140においては、目的地周辺の領域に対応する地図データを読み出して、コリド用メモリの中の目的地周辺の地図データを格納するメモリ領域に記憶させる。そして、ステップS150へ進み、目的地周辺の地図データを格納するメモリ領域(コリド用メモリ)に空きがあるか否かを判断する。
ここで、メモリ領域に空きがあれば、ステップS150にて「YES」へ進み、ステップS140へ戻り、目的地周辺の地図データを読み出して、コリド用メモリの中の目的地周辺の地図データを格納するメモリ領域に記憶させる処理を続ける。この場合、目的地周辺の領域を拡大し、この拡大した領域に対応する地図データを読み出して、上記メモリ領域に記憶させるように構成されている。尚、目的地周辺の領域を拡大させる具体的な制御方法は、上記現在地周辺の領域を拡大させる具体的な制御方法(即ち、第1の実施例の制御方法(図3ないし図7参照))と同じである。
そして、ステップS150において、目的地周辺の地図データを格納するメモリ領域(コリド用メモリ)に空きがなくなると、ステップS150にて「NO」へ進み、地図データを読み出して目的地周辺の地図データを格納するメモリ領域に記憶させる処理を終了するようになっている。
ここで、現在地及び目的地をそれぞれ中心として例えば各9個の領域が、コリド用メモリの現在地周辺の地図データを格納するメモリ領域及び目的地周辺の地図データを格納するメモリ領域に読み込まれたとする。これら読み込まれた地図データと、これら地図データの周囲の地図データとの関係を、図10に示す。尚、図10に示す状態においては、現在地と目的地が設定され、更に経路が計算されて表示されている状態となっているが、現在地と目的地が設定された状態(即ち、経路が計算されていない状態)で、地図データを切り出してコリド用メモリに格納するようにしても良い。
また、上記図10に示す状態では、太い実線で示す各9個の領域に対応する地図データが切り出されてコリド用メモリに格納されているが、実際には、コリド用メモリの容量がある程度大きいことから、現在地及び目的地をそれぞれ中心としてその回りの領域に対応する地図データがかなりのデータ量だけ切り出されてコリド用メモリに格納されることになる。
このような構成の第2の実施例によれば、車両の現在地及び目的地をそれぞれ中心としてその回りの領域に対応する地図データを切り出してコリド用メモリに記憶させるように構成したので、コリド用メモリの容量の制限があっても、ナビ機能、例えば経路案内機能をできるだけ制限しない構成とすることができる。特に、上記実施例によれば、経路を再計算するときに、前とは異なる経路を算出する自由度が大幅に大きくなる。
尚、上記第2の実施例においては、複数の地点として、2つの地点(現在地及び目的地)を設定し、これら2つの地点を中心としてその回りの領域に対応する地図データを切り出してコリド用メモリに記憶させるように構成したが、これに限られるものではなく、3つ以上の地点を設定して、これら3つ以上の地点をそれぞれ中心としてその回りの領域に対応する地図データを切り出してコリド用メモリに記憶させるように構成しても良い。尚、3つ目の地点としては、例えば立ち寄り地点などを設定することが好ましい。そして、上記した3つ以上の地点を設定する構成の場合、コリド用メモリを3つ以上のメモリ領域に均等にわけるように構成することが好ましい。
また、上記第2の実施例では、コリド用メモリを2つのメモリ領域に均等にわけるように構成したが、これに限られるものではなく、2つのメモリ領域の配分割合を不均等にしても良い。この場合、2つのメモリ領域の配分割合を変更するに当たっては、地点の属性に応じて配分割合を変えることが好ましい。例えば地点の属性が高速道路やサービスエリアやパーキング等のように、再探索のときにその地点周辺のルートを変更させる必要がなく、切り出す地図データの領域が小さくてもよいような属性である場合には、メモリ領域の配分割合を少なくし、反対に再探索のときにその地点周辺に変更可能な多数のルートがあり、切り出す地図データの領域を大きくしなければならないような属性である場合には、メモリ領域の配分割合を多くするように構成すれば良い。
また、格納する地図データの密度に応じてメモリ領域の配分割合を変えるように構成しても良い。即ち、大都市のように地図データの密度が大きい地点の地図データを格納するメモリ領域の配分割合を多くし、田舎のように地図データの密度が小さい地点の地図データを格納するメモリ領域の配分割合を少なくするように構成することがより一層好ましい。尚、3つ以上の地点を設定する構成の場合にも、メモリ領域の配分割合を例えば上記したように(即ち、地点の属性や地図データの密度に応じて)変更しても良い。
更に、上記各実施例や各変形例においては、図3に示すように、地点が存在する地図データの最小単位の領域を上下左右に4等分し、これら4等分した4つの領域のいずれに前記地点が存在するかによって、前記切り出す地図データの領域の拡大手順の4つのパターンを選択設定するように構成したが、これに代えて、現在地から目的地に対する方向を加味して切り出す地図データの領域の拡大手順(パターン)を設定するように構成しても良い。この構成を、図11に、第3の実施例として示す。
図11において、目的地が現在地(星印参照)の右斜め上の方向にあるとすると、現在地が地図データの最小単位の領域中のどこにあっても、現在地周辺の領域を拡大させる拡大手順は、図11に示すようなパターンとなるように設定されている。即ち、図11(a)、(b)に示すように、現在地(読み込み地点)が領域(a)〜(d)(図3参照)のどこにあっても、まず、現在地が存在する領域の右隣の領域を読み取る。
続いて、図11(c)に示すように、既に読み込んだ領域(2個の領域)の上側の2個の領域を読み取る。そして、図11(d)に示すように、既に読み込んだ領域(4個の領域)の右側の2個の領域を読み取る。
更に、図11(e)に示すように、既に読み込んだ領域(6個の領域)の上側の3個の領域を読み取る。以下、同様な手順で読み込む領域を、コリド用メモリが一杯になるまで拡大していけば良い。尚、例えば9個の領域でコリド用メモリが一杯になったとすると、図11(f)に示す状態で領域拡大が完了する。また、現在地から目的地に対する方向が、図11に示す方向と異なる場合についても、ほぼ同様にして(即ち、目的地側の地図データが広く且つ多くなるように)、切り出す地図データの領域を拡大するように設定すれば良い。
そして、上述した以外の第3の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じになっている。従って、第3の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第3の実施例においては、切り出す地図データの領域の拡大手順を設定するに際して、現在地から目的地に対する方向を加味して設定するように構成したので、経路を再計算するときに、前とは異なる経路を算出する自由度がより一層大きくなる。
また、上記各実施例や各変形例においては、切り出す地図データの領域を拡大するに際して、既に読み込んだ領域の右隣、左隣、上側、下側の1列分の領域を読み取るように構成したが、これに代えて、既に読み込んだ領域の外側の領域を一回りするように読み取って拡大するように構成しても良い。また、反対に、既に読み込んだ領域の右隣、左隣、上側、下側の領域において、地図データの最小単位の領域を単位として1個ずつ読み取って拡大するように構成しても良い。
図12は、本発明の第4の実施例を示すものである。尚、第2の実施例と同一ステップには同一ステップ番号を付している。この第4の実施例においては、複数の地点である例えば現在地と目的地の2地点について切り出す地図データの領域を拡大する場合に、拡大させる領域が重複しないように構成したものである。
上記第4の実施例において、図12のステップS110からステップS130までは、第2の実施例と同じである。即ち、現在地周辺の地図データを読み出して、現在地周辺の地図データを格納するメモリ領域に記憶させる処理までは、第2の実施例と同じである。
この後、ステップS240へ進むと、目的地周辺の領域に対応する地図データを読み出して、コリド用メモリの中の目的地周辺の地図データを格納するメモリ領域に記憶させる。このとき、目的地周辺の地図データの領域を拡大する場合に、拡大させる領域が、上記現在地周辺の地図データの拡大領域と重複したときには、重複した領域を除くようにして目的地周辺の地図データの領域を拡大させるように構成されている。これによって、2地点についてそれぞれ切り出す地図データの領域を拡大させる場合に、拡大させる領域が重複しない構成となっている。
そして、ステップS150へ進み、目的地周辺の地図データを格納するメモリ領域(コリド用メモリ)に空きがあるか否かを判断する。ここで、メモリ領域に空きがあれば、ステップS150にて「YES」へ進み、ステップS240へ戻り、地図データを読み出して、コリド用メモリの中の目的地周辺の地図データを格納するメモリ領域に記憶させる処理を続ける。このとき、上述したように、目的地周辺の地図データの領域を拡大する場合に、拡大させる領域が重複しないように制御している。
そして、ステップS150において、目的地周辺の地図データを格納するメモリ領域(コリド用メモリ)に空きがなくなると、ステップS150にて「NO」へ進み、目的地周辺の地図データを読み出して、目的地周辺の地図データを格納するメモリ領域に記憶させる処理を終了する。
尚、上述した以外の第4の実施例の構成は、第2の実施例の構成と同じになっている。従って、第4の実施例においても、第2の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第4の実施例においては、2地点(現在地と目的地)についてそれぞれ切り出す地図データの領域を拡大する場合に、拡大させる領域が重複しないように構成したので、コリド用メモリを有効に活用することができ、コリド用メモリにより一層多くの地図データを格納することができる。尚、上記したように拡大させる領域が重複する事態は、2つの地点が比較的近い場合に発生する。
また、上記第4の実施例においては、先に現在地を中心としてその回りの領域に対応する地図データを切り出してコリド用メモリに記憶させ、その後、目的地を中心としてその回りの領域に対応する地図データを切り出してコリド用メモリに記憶させる際に、目的地側の拡大させる領域が重複しないように構成したが、反対に、先に目的地を中心としてその回りの領域に対応する地図データを切り出してコリド用メモリに記憶させ、その後、現在地を中心としてその回りの領域に対応する地図データを切り出してコリド用メモリに記憶させる際に、現在地側の拡大させる領域が重複しないように構成しても良い。更に、第4の実施例においては、現在地と目的地という2つの地点の構成に適用したが、これに限られるものではなく、3つ以上の地点の構成に適用しても良い。
尚、2地点(現在地と目的地)についてそれぞれ切り出す地図データの領域を拡大させる場合に、拡大させる領域が重複しない場合(例えば図10参照)、現在地から目的地までの経路計算を良好に実行できないような感じを受けるが、このような(重複領域がない、または、拡大させる領域が離れている)場合、本実施例においては、周知構成と同様にして、広域地図の地図データが読み込まれてコリド用メモリに格納されているので、経路計算を十分良好に実行することができる。
更にまた、上記各実施例においては、複数の地点をそれぞれ中心としてその回りの領域に対応する地図データを切り出してコリド用メモリに保存するように構成したが、これに代えて、複数の地点が、車両の現在地と、目的地とであると共に、両地点が近い場合には、現在地と目的地の間の中間地点を中心として、その回りの領域に対応する地図データを切り出してコリド用メモリに保存するように構成しても良い。
尚、上記した各実施例や各変形例において実行されている地図データの切り出し制御(コリド機能)を、経路案内を行わない構成、即ち、地図表示を行う構成(地図表示装置)に適用するように構成しても良い。
本発明の第1の実施例を示すカーナビゲーション装置のブロック図 フローチャート 地図データの最小単位の領域を上下左右に4等分した状態を示す図 現在地周辺の領域を拡大させる拡大手順の第1のパターンを示す図 現在地周辺の領域を拡大させる拡大手順の第2のパターンを示す図 現在地周辺の領域を拡大させる拡大手順の第3のパターンを示す図 現在地周辺の領域を拡大させる拡大手順の第4のパターンを示す図 切り出された地図データとその周りの地図データとの関係を示す図 本発明の第2の実施例を示すフローチャート 図8相当図 本発明の第3の実施例を示す図4相当図 本発明の第4の実施例を示す図9相当図 従来構成を示すもので、経路を地図上に示す図 切り出された地図データとその周りの地図データとの関係を示す図 切り出された地図データを主として示す図
符号の説明
図面中、1はカーナビゲーション装置(地図表示装置)、2は制御回路(コリド機能、コリド用メモリ)、3は位置検出器、4は地図データ入力器、5は操作スイッチ群、8は表示装置、13はGPS受信機を示す。

Claims (10)

  1. 地図データの一部を切り出してコリド用メモリに取り込み、この取り込んだ地図データに基づいて地図表示を実行するコリド機能を備えた地図表示装置において、
    所定の地点を中心としてその回りの領域に対応する地図データを切り出す場合に、切り出す地図データの領域を拡大させる手順として4つのパターンを備え、
    前記所定の地点が存在する地図データの最小単位の領域を上下左右に4等分し、これら4等分した4つの領域のいずれに前記所定の地点が存在するかによって、前記4つのパターンの中の1つのパターンを選択設定するように構成されていることを特徴とする地図表示装置。
  2. 前記所定の地点は、車両の現在地であることを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
  3. 前記所定の地点は、複数の地点であることを特徴とする請求項1記載の地図表示装置。
  4. 前記複数の地点は、少なくとも車両の現在地と、目的地とを含むことを特徴とする請求項3記載の地図表示装置。
  5. 前記コリド用メモリを、前記複数の地点毎に切り出した複数の地図データを格納するための複数のメモリ領域にわけるときに、均等にわけるように構成したことを特徴とする請求項3又は4記載の地図表示装置。
  6. 前記コリド用メモリを、前記複数の地点毎に切り出した複数の地図データを格納するための複数のメモリ領域にわけるときに、地点の属性に応じて配分割合を変えるように構成したことを特徴とする請求項3又は4記載の地図表示装置。
  7. 前記コリド用メモリを、前記複数の地点毎に切り出した複数の地図データを格納するための複数のメモリ領域にわけるときに、前記格納する地図データの密度に応じて配分割合を変えるように構成したことを特徴とする請求項3又は4記載の地図表示装置。
  8. 前記切り出す地図データの領域を拡大するに際して、前記地図データの最小単位の領域を拡大の単位として1個ずつ拡大するように構成したことを特徴とする請求項乃至7のいずれかに記載の地図表示装置。
  9. 前記切り出す地図データの領域を拡大するに際して、前記地点の周りを一回りするように拡大するように構成したことを特徴とする請求項乃至8のいずれかに記載の地図表示装置。
  10. 前記複数の地点について前記切り出す地図データの領域を拡大する場合、拡大させる領域が重複しないように構成したことを特徴とする請求項3乃至9のいずれかに記載の地図表示装置。
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