JP4860833B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

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    • H01L21/02667Crystallisation or recrystallisation of non-monocrystalline semiconductor materials, e.g. regrowth

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置を構成するアクティブマトリクス基板に用いられる薄膜トランジスタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置を構成するアクティブマトリクス基板として、非晶質シリコン薄膜トランジスタをスイッチ素子とするアクティブマトリクス基板が一般的に知られている。
【0003】
このようなアクティブマトリクス基板においては、例えば、特開昭56−35407号公報に記載されているように、非晶質シリコン薄膜トランジスタは、一般的に、ガラス基板上に形成されている。
【0004】
しかしながら、ガラスは、その比重が大きいため、ガラス基板を用いたアクティブマトリクス基板は比較的重いものとならざるを得ない。
【0005】
特に、ガラスは割れやすいため、ガラス基板の厚さを大きくしなければならず、その結果、アクティブマトリクス基板は不可避的に重いものとなっていた。
【0006】
近年、液晶表示装置は軽量化及び薄型化が求められており、そのためには、アクティブマトリクス基板自体を軽量化及び薄型化することが不可欠である。
【0007】
しかしながら、上記の理由により、ガラス基板を用いたアクティブマトリクス基板を備える液晶表示装置を軽量化及び薄型化することには限界があった。
【0008】
このため、液晶表示装置の軽量化及び薄型化を図るため、ガラス基板よりも軽量であり、かつ、ガラス基板よりも薄くすることが可能な樹脂基板をガラス基板に代えて用いることが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、特開平11−103064号公報は、樹脂基板上に形成された薄膜ポリシリコンからなる薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)をスイッチ素子として備えるアクティブマトリクス基板を提案している。
【0010】
しかしながら、樹脂基板上に非晶質シリコン膜からなる薄膜トランジスタを形成する場合、次のような問題点があった。
【0011】
現在使用されている樹脂基板の耐熱温度は摂氏約180度である。プラズマCVD(PECVD)によってガラス基板上に非晶質シリコン膜を形成する場合、成膜温度は摂氏約300度であるが、この温度は樹脂基板の耐熱温度を超えているため、プラズマCVD(PECVD)によって樹脂基板上に非晶質シリコン膜を形成することは不可能である。
【0012】
成膜温度を樹脂基板の耐熱温度以下、すなわち、摂氏180度以下にすれば、プラズマCVDを用いて、樹脂基板上に非晶質シリコン膜を形成することは可能であるが、成膜温度を摂氏200度以下に設定すると、プラズマCVDで成膜した非晶質シリコン膜は膜密度が低く、膜中の水素濃度が高く、かつ、電気的には好ましくないSi−H2結合が増加する。
【0013】
例えば、摂氏約300度で成膜を行うと、Si−H結合をなしているHの個数は約4E21個/cm3であり、Si−H2結合の個数はSi−H結合の個数の1/40以下である。これに対して、摂氏約200度で成膜を行うと、Si−H結合をなしているHの個数は約7E21個/cm3であり、Si−H2結合の個数はSi−H結合の個数の1/4以上となる。このように、摂氏約200度で成膜された非晶質シリコン膜におけるSi−H2結合の個数は摂氏約300度で成膜された非晶質シリコン膜におけるSi−H2結合の個数よりも極めて多い。
【0014】
また、水素雰囲気内におけるスパッタリングを行うことにより、非晶質シリコン膜は低温で成膜することが可能であるが、そのような非晶質シリコン膜は水素含有量が少ない。また、水素がシリコンの置換位置に配置せず、侵入型原子の位置に配置されてしまう。すなわち、水素で終端されないダングリングボンドが数多く残存している。
【0015】
また、上述の特開昭56−35407号公報に記載されているように、スパッタリングにより形成した非晶質シリコン膜に水素をイオン注入することも可能であるが、イオン注入した水素をシリコンに結合させるためには、摂氏200度以上の温度でのアニール処理が必要となる。
【0016】
前述のように、現在使用されている樹脂基板の耐熱温度は摂氏約180度であるので、このようなアニール処理を施すと、樹脂基板の破損の原因となる。
【0017】
また、樹脂基板に熱処理を施すと、基板からガスが放出されるという問題がある。通常は、樹脂基板の耐熱温度よりも低い温度でプリアニールを長時間行い、可能な限り多量のガスを最初に放出させる。
【0018】
しかしながら、プリアニールによって全てのガスが放出されることはなく、プリアニール後に、樹脂基板は空気中の水分を吸収したり、あるいは、フォトレジスト工程におけるウェットプロセスの度に水分を吸収したりするため、新たにガスを放出することになる。このため、樹脂基板に対するアニール工程を増やすことは避けなければならない。
【0019】
本発明は以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、樹脂基板の耐熱温度以上の温度での熱処理を施すことなく、樹脂基板上に非晶質シリコン膜からなる薄膜トランジスタを製造する方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、水素を含有した非晶質シリコン膜を樹脂基板上に形成する第1の過程と、非晶質シリコン膜が結晶化するしきい値強度以下の強度でレーザー光を非晶質シリコン膜に照射する第2の過程と、を備えることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
【0021】
また、本発明は、水素を含有した非晶質シリコン膜を樹脂基板上に形成する第1の過程と、非晶質シリコン膜に電界を印可する第2の過程と、を備えることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
【0022】
本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法における非晶質シリコン膜へのレーザー光の照射及び非晶質シリコン膜への電界の印加は何れも熱エネルギーを利用せずに室温で処理可能なプロセスである。このため、耐熱温度の低い樹脂基板に対して、その耐熱温度以上の温度負荷が作用することなく、非晶質シリコン膜からなる薄膜トランジスタを樹脂基板上に形成することが可能になる。
【0023】
例えば、第1の過程は、スパッタリングにより、非晶質シリコン膜を樹脂基板上に形成する第3の過程と、非晶質シリコン膜に水素をイオンドーピングする第4の過程と、から構成することができる。
【0024】
第2の過程において照射されるレーザー光の強度は、しきい値強度の70%以上、かつ、しきい値強度未満であることが好ましい。
【0025】
本発明は、樹脂基板上に絶縁膜を形成する第1の過程と、絶縁膜上にゲート電極を形成する第2の過程と、ゲート電極を覆って絶縁膜上にゲート絶縁膜を形成する第3の過程と、ゲート絶縁膜上に第1の非晶質シリコン膜を形成する第4の過程と、第1の非晶質シリコン膜上にチャネル保護膜を形成する第5の過程と、チャネル保護膜上から第1の非晶質シリコン膜にレーザー光を照射する第6の過程と、チャネル保護膜をアイランド化する第7の過程と、不純物を含有する第2の非晶質シリコン膜をチャネル保護膜を覆って第1の非晶質シリコン膜上に形成する第8の過程と、第2の非晶質シリコン膜、第1の非晶質シリコン膜及びゲート絶縁膜をアイランド化する第9の過程と、第9の過程においてアイランド化された第2の非晶質シリコン膜の一部が露出するように、第2の非晶質シリコン膜、第1の非晶質シリコン膜及びゲート絶縁膜の周囲に金属配線層を形成する第10の過程と、金属配線層をマスクとして、第2の非晶質シリコン膜を除去し、第7の過程においてアイランド化されたチャネル保護膜を露出させる第11の過程と、全面に層間絶縁膜を形成する第12の過程と、金属配線層に到達するコンタクトホールを層間絶縁膜に形成する第13の過程と、コンタクトホールが埋まるように層間絶縁膜上に画素電極となる金属膜を形成する第14の過程と、を備える薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
【0026】
また、本発明は、樹脂基板上に絶縁膜を形成する第1の過程と、絶縁膜上にゲート電極を形成する第2の過程と、ゲート電極を覆って絶縁膜上にゲート絶縁膜を形成する第3の過程と、ゲート絶縁膜上に第1の非晶質シリコン膜を形成する第4の過程と、第1の非晶質シリコン膜に水素を導入する第5の過程と、第1の非晶質シリコン膜に選択的に不純物を導入し、不純物形成領域を形成する第6の過程と、不純物形成領域を含む第1の非晶質シリコン膜の全面にレーザー光を照射する第7の過程と、不純物形成領域が含まれるように、第1の非晶質シリコン膜をアイランド化する第8の過程と、第8の過程においてアイランド化した第1の非晶質シリコン膜に接して金属配線層を形成する第9の過程と、全面に層間絶縁膜を形成する第10の過程と、金属配線層に到達するコンタクトホールを層間絶縁膜に形成する第11の過程と、コンタクトホールが埋まるように層間絶縁膜上に画素電極となる金属膜を形成する第12の過程と、を備える薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
【0027】
さらに、本発明は、樹脂基板上に絶縁膜を形成する第1の過程と、絶縁膜上にゲート電極を形成する第2の過程と、ゲート電極を覆って絶縁膜上にゲート絶縁膜を形成する第3の過程と、ゲート絶縁膜上に第1の非晶質シリコン膜を形成する第4の過程と、第1の非晶質シリコン膜に水素を導入する第5の過程と、第1の非晶質シリコン膜に選択的に不純物を導入し、不純物形成領域を形成する第6の過程と、不純物形成領域が含まれるように、第1の非晶質シリコン膜をアイランド化する第7の過程と、第7の過程においてアイランド化した第1の非晶質シリコン膜に接して金属配線層を形成する第8の過程と、全面に層間絶縁膜を形成する第9の過程と、金属配線層に到達するコンタクトホールを層間絶縁膜に形成する第10の過程と、コンタクトホールが埋まるように層間絶縁膜上に画素電極となる金属膜を形成する第11の過程と、薄膜トランジスタのソースとなる不純物形成領域とドレインとなる不純物形成領域との間に電界を印可する第12の過程と、を備える薄膜トランジスタの製造方法を提供する。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法の各工程における薄膜トランジスタの断面図である。以下、図1を参照して、本実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を説明する。
【0029】
先ず、図1(A)に示すように、耐熱温度が摂氏約220度のポリイミド(PI)製の樹脂基板1上にカバー膜として二酸化シリコン膜2を、スパッタ法により、膜厚が2000オングストロームになるように成膜した。
【0030】
次いで、二酸化シリコン膜2上にクロム膜を成膜した後、フォトレジストをクロム膜上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、クロム膜をドライエッチングによりパターニングし、ゲート電極3を形成した。
【0031】
次いで、図1(B)に示すように、プラズマCVD(PECVD)により、連続的に、ゲート電極3を覆って二酸化シリコン膜2上に窒化シリコンからなるゲート絶縁膜4を形成し、ゲート絶縁膜4上に活性層としての非晶質シリコン膜5を形成し、さらに、非晶質シリコン膜5上に窒化シリコンからなるチャネル保護膜6を形成した。成膜温度は摂氏200度であった。膜厚は、ゲート絶縁膜4が4000オングストローム、非晶質シリコン膜5が1000オングストローム、チャネル保護膜6が1000オングストロームであった。
【0032】
次いで、図1(C)に示すように、チャネル保護膜6上から非晶質シリコン膜5にエキシマレーザー光を照射した。
【0033】
照射条件は次の通りであった。
【0034】
光源:XeCl光源
エネルギー密度:270mJ/cm2
ビーム径:250×0.4mm
スキャン照射ピッチ:0.04mm
このレーザー光照射によって、非晶質シリコン膜5中の水素濃度は14%から10%に低減し、含有水素におけるSi−H結合の割合は78%から90%へと増加した。
【0035】
なお、レーザー光照射の工程において、レーザー光のエネルギー密度を300mJ/cm2としたところ、非晶質シリコン膜5は結晶化してしまい、ポリシリコン膜となった。
【0036】
このことから、発明者はレーザー光のエネルギー密度の適切な強度範囲を求めるための実験を行った。この実験においては、レーザー光のエネルギー密度を種々の値に変化させ、各エネルギー密度における非晶質シリコン膜の結晶化の有無及び水素濃度の変化を測定した。
【0037】
実験結果を以下に示す。
Figure 0004860833
以上の結果から明らかであるように、上記の条件の下では、レーザー光照射工程におけるレーザー光のエネルギー密度は300mJ/cm2が、非晶質シリコン膜5が結晶化するしきい値強度であることが判明した。
【0038】
さらに、非晶質シリコン膜5の含有水素濃度を有効に低減させるためには、しきい値強度の70%以上のエネルギー密度、すなわち、210mJ/cm2のエネルギー密度を有するレーザー光を非晶質シリコン膜5に照射することが望ましいことが判明した。
【0039】
また、210mJ/cm2以上の条件では、薄膜トランジスタの信頼性も向上することが明らかになった。これは、レーザの効果がa−Si表面からa−Si/SiN界面にまでおよび、界面の改質をも果たしたためと考えられる。
【0040】
また、しきい値強度近傍では急激に水素濃度が低下し始める。従って、レーザ照射条件としては、しきい値強度の約70%乃至約95%が適当である。
【0041】
ただし、上記のしきい値強度は、a−Si膜厚、レーザ光の波長、レーザー光のパルス幅などのプロセス条件によって変化する。
【0042】
次いで、フォトレジストをチャネル保護膜6上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、図1(D)に示すように、チャネル保護膜6をドライエッチングによりパターニングし、チャネル保護膜6をアイランド化した。
【0043】
次いで、マスクを除去した後、プラズマCVD(PECVD)法により、n導電型非晶質シリコン膜7を、アイランド化したチャネル保護膜6を覆って、非晶質シリコン膜5上に摂氏200度で成膜した。
【0044】
次いで、フォトレジストをn導電型非晶質シリコン膜7上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、図1(E)に示すように、n導電型非晶質シリコン膜7、非晶質シリコン膜5及びゲート絶縁膜4をドライエッチングによりパターニングし、アイランド化した。
【0045】
次いで、マスクを除去した後、全面にクロム膜をスパッタリングにより成膜した。
【0046】
次いで、フォトレジストをクロム膜上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、図1(F)に示すように、クロム膜をドライエッチングによりパターニングし、アイランド化したチャネル保護膜6の上方が開口している金属配線層8を形成した。
【0047】
次いで、図1(G)に示すように、金属配線層8をマスクとして、アイランド化したチャネル保護膜6上のn導電型非晶質シリコン膜7をドライエッチングにより除去した。
【0048】
次いで、層間絶縁膜9としての窒化シリコン膜をPECVD法により摂氏180度で全面に形成した。
【0049】
次いで、フォトレジストを層間絶縁膜9上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、図1(H)に示すように、ドライエッチングにより、金属配線層8に到達するコンタクトホール9aを層間絶縁膜9に形成した。
【0050】
次いで、スパッタ法により、コンタクトホール9aが埋まるように、層間絶縁膜9上にインジウム錫酸化物(ITO)その他の透明導電膜を成膜した。
【0051】
次いで、透明導電膜上にフォトレジストを塗布した後、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスクを形成した。このマスクを用いて、図1(I)に示すように、透明導電膜をパターニングし、画素電極10を形成した。
【0052】
最後に、コンタクト抵抗を改善するために、摂氏200度、1時間のアニール処理を行った。
【0053】
以上の工程により、樹脂基板1上に良好な電気特性を示すチャネル保護型非晶質シリコン薄膜トランジスタが形成された。
【0054】
この薄膜トランジスタの移動度は0.7cm2/Vsであった。
【0055】
非晶質シリコン膜5へのレーザー光照射の効果を確認するために、上記の薄膜トランジスタの製造方法において、図1(D)に示した非晶質シリコン膜5へのレーザー光照射の工程は実施せず、他の工程は全て同様に実施し、比較対象としての薄膜トランジスタを製造した。
【0056】
この比較対象の薄膜トランジスタの移動度は0.1cm2/Vsであり、本実施形態に係る薄膜トランジスタの移動度の1/7であった。この比較試験により、本実施形態に係る薄膜トランジスタの有効性が確認された。
【0057】
図2は、本発明の第2の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法の各工程における薄膜トランジスタの断面図である。以下、図2を参照して、本実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を説明する。
【0058】
先ず、図2(A)に示すように、耐熱温度が摂氏約180度のポリエーテルスルホン(PES)製の樹脂基板11上にカバー膜として二酸化シリコン膜12をスパッタ法により成膜した。
【0059】
次いで、二酸化シリコン膜12上にクロム膜を成膜した後、フォトレジストをクロム膜上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、クロム膜をドライエッチングによりパターニングし、ゲート電極13を形成した。
【0060】
次いで、図2(B)に示すように、スパッタリングにより、連続的に、ゲート電極13を覆って二酸化シリコン膜12上に窒化シリコンからなるゲート絶縁膜14を形成し、さらに、ゲート絶縁膜14上に活性層としての非晶質シリコン膜15を形成した。
【0061】
次いで、図2(C)に示すように、イオンドーピング法により、水素を非晶質シリコン膜15の全面に導入した。このイオンドーピングにより、水素は非晶質シリコン膜15のみならず、非晶質シリコン膜15の直下に形成されているゲート絶縁膜14中にも導入される。
【0062】
次いで、フォトレジストを非晶質シリコン膜15上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、図2(D)に示すように、イオンドーピング法により、リン(P)を非晶質シリコン膜15内に導入し、n型の不純物導入領域16を形成した。
【0063】
なお、不純物導入領域16の形成は、イオンドーピング法に代えて、イオン注入法を用いてもおこなうことができる。
【0064】
次いで、マスクを除去した後、図2(E)に示すように、不純物導入領域16を含む非晶質シリコン膜15の全面にエキシマレーザー光を照射した。
【0065】
次いで、フォトレジストを非晶質シリコン膜15上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、図2(F)に示すように、非晶質シリコン膜15をドライエッチングによりパターニングし、不純物導入領域16を含む非晶質シリコン膜15をアイランド化した。
【0066】
次いで、スパッタリングによりクロム膜を全面に成膜した。
【0067】
次いで、フォトレジストをクロム膜上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、図2(G)に示すように、クロム膜をドライエッチングによりパターニングし、アイランド化した非晶質シリコン膜15が上面において露出している金属配線層17を形成した。
【0068】
次いで、層間絶縁膜18としての二酸化シリコン膜をスパッタリングにより全面に形成した。
【0069】
次いで、フォトレジストを二酸化シリコン膜上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、図2(H)に示すように、ドライエッチングにより、金属配線層17に到達するコンタクトホール18aを層間絶縁膜18に形成した。
【0070】
次いで、スパッタ法により、コンタクトホール18aが埋まるように、層間絶縁膜18上にインジウム錫酸化物(ITO)その他の透明導電膜を成膜した。
【0071】
次いで、透明導電膜上にフォトレジストを塗布した後、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスクを形成した。このマスクを用いて、図2(I)に示すように、透明導電膜をパターニングし、画素電極19を形成した。
【0072】
最後に、コンタクト抵抗を改善するために、アニール処理を行った。
【0073】
以上の工程により、樹脂基板11上に良好な電気特性を示すコプラナ型非晶質シリコン薄膜トランジスタが形成された。
【0074】
次いで、上述の製造方法の一具体例を以下に挙げる。
【0075】
先ず、図2(A)に示すように、耐熱温度が摂氏約180度のポリエーテルスルホン(PES)製の樹脂基板11上にカバー膜として二酸化シリコン膜12を、スパッタ法により、膜厚が2000オングストロームになるように成膜した。
【0076】
次いで、二酸化シリコン膜12上にクロム膜を成膜した後、このクロム膜をフォトリソグラフィー及びドライエッチングによりパターニングし、ゲート電極13を形成した。
【0077】
次いで、図2(B)に示すように、スパッタリングにより、連続的に、ゲート絶縁膜14と非晶質シリコン膜15とを形成した。成膜温度は摂氏180度であった。膜厚は、ゲート絶縁膜14が4500オングストローム、非晶質シリコン膜15が800オングストロームであった。
【0078】
次いで、図2(C)に示すように、イオンドーピング法により、水素を非晶質シリコン膜15の全面に導入した。
【0079】
ドーピング条件は、加速電圧40keV、導入量は5×1016cm-2とした。
【0080】
次いで、非晶質シリコン膜15上にマスク(図示せず)を形成し、このマスクを用いて、図2(D)に示すように、イオンドーピング法により、リン(P)を非晶質シリコン膜15内に導入し、n型の不純物導入領域16を形成した。
【0081】
ドーピング条件は、リンが非晶質シリコン膜15にのみ導入されるように、加速電圧20keV、導入量は2×1015cm-2とした。
【0082】
次いで、マスクを除去した後、図2(E)に示すように、不純物導入領域16を含む非晶質シリコン膜15の全面にエキシマレーザー光を照射した。
【0083】
照射条件は次の通りであった。
【0084】
光源:XeCl光源
エネルギー密度:180mJ/cm2
ビーム径:250×0.4mm
スキャン照射ピッチ:0.04mm
このレーザー光照射後の非晶質シリコン膜15中の水素濃度は10%であり、含有水素におけるSi−H結合の割合は90%以上であった。
【0085】
なお、本条件における非晶質シリコン膜15が結晶化するレーザー光のエネルギー密度は210mJ/cm2であった。
【0086】
次いで、図2(F)に示すように、不純物導入領域16を含む非晶質シリコン膜15をアイランド化した。
【0087】
次いで、スパッタリングによりクロム膜を全面に成膜した後、クロム膜をドライエッチングによりパターニングし、アイランド化した非晶質シリコン膜15が上面において露出している金属配線層17を形成した。
【0088】
次いで、層間絶縁膜18としての二酸化シリコン膜をスパッタリングにより全面に形成した後、図2(H)に示すように、ドライエッチングにより、金属配線層17に到達するコンタクトホール18aを層間絶縁膜18に形成した。
【0089】
次いで、スパッタ法により、コンタクトホール18aが埋まるように、層間絶縁膜18上にインジウム錫酸化物(ITO)その他の透明導電膜を成膜した。
【0090】
次いで、この透明導電膜をパターニングし、画素電極19を形成した。
【0091】
最後に、コンタクト抵抗を改善するために、摂氏160度、1時間のアニール処理を行った。
【0092】
以上の工程により、樹脂基板11上に良好な電気特性を示すコプラナ型非晶質シリコン薄膜トランジスタが形成された。
【0093】
非晶質シリコン膜15へのレーザー光照射の効果を確認するために、上記の薄膜トランジスタの製造方法において、図1(E)に示した非晶質シリコン膜15へのレーザー光照射の工程は実施せず、他の工程は全て同様に実施し、比較対象としての薄膜トランジスタを製造した。
【0094】
上記の工程により製造された本実施形態に係る薄膜トランジスタは十分に作動したのに対して、比較対象の薄膜トランジスタは作動しなかった。この比較試験により、本実施形態に係る薄膜トランジスタの有効性が確認された。
【0095】
図3は、本発明の第3の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法の各工程における薄膜トランジスタの断面図である。以下、図3を参照して、本実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法を説明する。
【0096】
先ず、図3(A)に示すように、耐熱温度が摂氏約250度のシロキサン製の樹脂基板21上にカバー膜として二酸化シリコン膜22をスパッタ法により成膜した。
【0097】
次いで、二酸化シリコン膜22上にクロム膜を成膜した後、フォトレジストをクロム膜上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、クロム膜をドライエッチングによりパターニングし、ゲート電極23を形成した。
【0098】
次いで、図3(B)に示すように、スパッタリングにより、連続的に、ゲート電極23を覆って二酸化シリコン膜22上に窒化シリコンからなるゲート絶縁膜24を形成し、さらに、ゲート絶縁膜24上に活性層としての非晶質シリコン膜25を形成した。
【0099】
次いで、図3(C)に示すように、イオンドーピング法により、水素を非晶質シリコン膜25の全面に導入した。このイオンドーピングにより、水素は非晶質シリコン膜25のみならず、非晶質シリコン膜25の直下に形成されているゲート絶縁膜24中にも導入される。
【0100】
次いで、フォトレジストを非晶質シリコン膜25上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、図3(D)に示すように、イオンドーピング法により、リン(P)を非晶質シリコン膜25内に導入し、n型の不純物導入領域26を形成した。
【0101】
次いで、フォトレジストを非晶質シリコン膜25上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、図3(E)に示すように、非晶質シリコン膜25をドライエッチングによりパターニングし、不純物導入領域26を含む非晶質シリコン膜25をアイランド化した。
【0102】
次いで、スパッタリングによりクロム膜を全面に成膜した。
【0103】
次いで、フォトレジストをクロム膜上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、図3(F)に示すように、クロム膜をドライエッチングによりパターニングし、アイランド化した非晶質シリコン膜25が上面において露出している金属配線層27を形成した。
【0104】
次いで、層間絶縁膜28としての二酸化シリコン膜をスパッタリングにより全面に形成した。
【0105】
次いで、フォトレジストを二酸化シリコン膜上に塗布し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスク(図示せず)を形成した。このマスクを用いて、図3(G)に示すように、ドライエッチングにより、金属配線層27に到達するコンタクトホール28aを層間絶縁膜28に形成した。
【0106】
次いで、スパッタ法により、コンタクトホール28aが埋まるように、層間絶縁膜28上にインジウム錫酸化物(ITO)その他の透明導電膜を成膜した。
【0107】
次いで、透明導電膜上にフォトレジストを塗布した後、フォトリソグラフィー及びドライエッチングにより、フォトレジストをパターニングし、マスクを形成した。このマスクを用いて、図3(H)に示すように、透明導電膜をパターニングし、画素電極29を形成した。
【0108】
次いで、コンタクト抵抗を改善するために、アニール処理を行った。
【0109】
次いで、図3(I)に示すように、薄膜トランジスタのドレインを構成する不純物領域26aとソースを構成する不純物領域26bとの間に電界を印加した。電界を印加するためには、ドレイン及びソースに接続する2つの電極を形成し、これら2つの電極間に電圧を印可すればよい。
【0110】
このように、薄膜トランジスタのドレイン及びソースの間に電界を印可することにより、薄膜トランジスタの移動度を大きくすることができた。
【0111】
以上の工程により、樹脂基板21上に良好な電気特性を示すコプラナ型非晶質シリコン薄膜トランジスタが形成された。
【0112】
次いで、上述の製造方法の一具体例を以下に挙げる。
【0113】
先ず、図3(A)に示すように、耐熱温度が摂氏約250度のシロキサン製の樹脂基板21上にカバー膜として二酸化シリコン膜22を、スパッタ法により、膜厚が2000オングストロームになるように成膜した。
【0114】
次いで、二酸化シリコン膜22上にクロム膜を成膜した後、このクロム膜をフォトリソグラフィー及びドライエッチングによりパターニングし、ゲート電極23を形成した。
【0115】
次いで、図3(B)に示すように、スパッタリングにより、連続的に、ゲート絶縁膜24と非晶質シリコン膜25とを形成した。成膜温度は摂氏180度であった。膜厚は、ゲート絶縁膜24が4500オングストローム、非晶質シリコン膜25が800オングストロームであった。
【0116】
次いで、図3(C)に示すように、イオンドーピング法により、水素を非晶質シリコン膜25の全面に導入した。
【0117】
ドーピング条件は、加速電圧40keV、導入量は5×1016cm-2とした。
【0118】
次いで、非晶質シリコン膜25上にマスク(図示せず)を形成し、このマスクを用いて、図3(D)に示すように、イオンドーピング法により、リン(P)を非晶質シリコン膜25内に導入し、n型の不純物導入領域26を形成した。
【0119】
ドーピング条件は、リンが非晶質シリコン膜25にのみ導入されるように、加速電圧20keV、導入量は2×1015cm-2とした。
【0120】
次いで、図3(E)に示すように、不純物導入領域26を含む非晶質シリコン膜25をアイランド化した。
【0121】
次いで、スパッタリングによりクロム膜を全面に成膜した後、クロム膜をドライエッチングによりパターニングし、図3(F)に示すように、アイランド化した非晶質シリコン膜25が上面において露出している金属配線層27を形成した。
【0122】
次いで、層間絶縁膜28としての二酸化シリコン膜をスパッタリングにより全面に形成した後、図3(G)に示すように、ドライエッチングにより、金属配線層27に到達するコンタクトホール28aを層間絶縁膜28に形成した。
【0123】
次いで、スパッタ法により、コンタクトホール28aが埋まるように、層間絶縁膜28上にインジウム錫酸化物(ITO)その他の透明導電膜を成膜した。
【0124】
次いで、この透明導電膜をパターニングし、画素電極29を形成した。
【0125】
最後に、コンタクト抵抗を改善するために、摂氏160度、1時間のアニール処理を行った。
【0126】
このようにして形成された薄膜トランジスタの動作状態を測定したところ、明瞭なトランジスタ動作を示すことはなく、逆に、抵抗体としての動作を示した。
【0127】
次いで、図3(I)に示すように、薄膜トランジスタのドレインを構成する不純物領域26aとソースを構成する不純物領域26bとの間に50Vの電界を印加した。
【0128】
この段階において、薄膜トランジスタの移動度を再測定したところ、明瞭なトランジスタ動作を示し、その移動度は0.6cm2/Vsであった。すなわち、電界の印加により、トランジスタが形成された。
【0129】
また、電界印加後の非晶質シリコン膜25中の水素濃度は10%であり、含有水素におけるSi−H結合の割合は90%以上であった。
【0130】
以上のように、第1乃至第3の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法における非晶質シリコン膜へのレーザー光の照射及び非晶質シリコン膜への電界の印加は何れも熱エネルギーを利用せずに室温で処理可能なプロセスである。このため、第1乃至第3の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法によれば、耐熱温度の低い樹脂基板に対して、その耐熱温度以上の温度負荷が作用することなく、非晶質シリコン膜からなる薄膜トランジスタを樹脂基板上に形成することが可能になる。
【0131】
また、上記の第1乃至第3の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法により製造された薄膜トランジスタを液晶表示装置に用いることにより、液晶表示装置の軽量化及び薄型化を図ることが可能になる。
【0132】
なお、本薄膜トランジスタを適用する液晶表示装置の種類は問わない。透過型、COT(Color filter On TFT)型及び反射型の何れの液晶表示装置にも適用することが可能である。
【0133】
なお、上記の各実施形態の説明においては、本発明の特徴となる部分について主に説明し、本分野において通常の知識を有する者にとって既知の事項については特に詳述していないが、たとえ記載がなくてもこれらの事項は上記の者にとっては類推可能な事項に属する。
【0134】
なお、本明細書における「樹脂基板」の語は、板状のもののみならず、ダイオード素子を形成することができる全ての樹脂製材料を指すものとする。従って、例えば、樹脂フィルムも「樹脂基板」の中に含まれる。
【0135】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法においては、熱エネルギーを利用せずに室温で処理可能なプロセス、例えば、レーザー光の照射または電界の印加などのプロセスを用いているため、耐熱温度の低い樹脂基板に対して、その耐熱温度以上の温度負荷が作用することがない。このため、本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法によれば、電気的に良好な特性を有する非晶質シリコン膜からなる薄膜トランジスタを樹脂基板上に形成することが可能になる。
【0136】
また、本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法により製造された薄膜トランジスタを液晶表示装置に用いることにより、液晶表示装置の軽量化及び薄型化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法の各工程における薄膜トランジスタの断面図である。
【図2】図2は、本発明の第2の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法の各工程における薄膜トランジスタの断面図である。
【図3】図3は、本発明の第3の実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方法の各工程における薄膜トランジスタの断面図である。
【符号の説明】
1、11、21 樹脂基板
2、12、22 二酸化シリコン膜
3、13、23 ゲート電極
4、14、24 ゲート絶縁膜
5、15、25 非晶質シリコン膜
6 チャネル保護膜
7 n導電型非晶質シリコン膜
8、17、27 金属配線層
9、18、28 層間絶縁膜
9a、18a、28a コンタクトホール
10、19、29 画素電極
16、26 不純物導入領域

Claims (5)

  1. 水素を含有した非晶質シリコン膜を、ポリイミド製またはポリエーテルスルホン製の樹脂基板上に形成する第1の過程と、
    前記非晶質シリコン膜が結晶化するしきい値強度以下の強度でレーザー光を前記非晶質シリコン膜に照射する第2の過程と、
    を備えており、
    前記第1の過程は、
    スパッタリングにより、非晶質シリコン膜を前記基板上に形成する過程と、
    前記非晶質シリコン膜に水素をイオンドーピングする過程とを備えることを特徴とする、非晶質シリコン薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 前記第2の過程において、前記しきい値強度の70%以上、かつ、前記しきい値強度未満の強度のレーザー光を前記非晶質シリコン膜に照射することを特徴とする請求項1記載の非晶質シリコン薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 請求項1記載の非晶質シリコン薄膜トランジスタの製造方法により製造された非晶質シリコン薄膜トランジスタを用いて液晶表示装置を製造する方法。
  4. 請求項1記載の非晶質シリコン薄膜トランジスタの製造方法により製造された非晶質シリコン薄膜トランジスタを備える液晶表示装置。
  5. 前記樹脂基板が220℃の耐熱温度を有している、請求項1に記載の非晶質シリコン薄膜トランジスタの製造方法。
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