JP4859484B2 - 複合グリーンシートの加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は導体層が形成された複合グリーンシートへの貫通孔を形成する方法、及び/又は、形成された貫通孔をさらに加工する加工方法に関するものである。
積層電子部品の製造方法として次のようなものがある。まず、無機粉末と有機バインダを有するグリーンシートを作成し、前記グリーンシートにスクリーン印刷等で導体層を形成して複合グリーンシートを作成する。続いて、前記複合グリーンシートには貫通孔が形成され、少なくとも一部の貫通孔は導体層を貫通し、該貫通孔の内壁に導体層が露出される。さらに、前記貫通孔には貫通孔導体が充填あるいは塗布される。前記加工の行われた複合シートが複数層積層され、積層体が形成される。
積層体の中に形成された前記貫通孔には、貫通孔導体が充填あるいは塗布され、導電経路や外部電極となる。前記複合グリーンシートに貫通孔を加工する方法としては、レーザー光の照射、金型による打抜き、マイクロドリルによる加工等がある。しかしながら、レーザー光の照射により前記貫通孔を形成する場合、複合グリーンシートの有機バインダや無機粉末及びそれらがレーザー光により変性した物質などが貫通孔の内壁面や縁に残渣として残る。また、マイクロドリルによる加工や金型による打抜きの場合も、グリーンシートの削り屑や内壁面が崩れた部分が残渣として残り、いずれにしても複合グリーンシートの加工くずが残渣として内壁面やふちに残ってしまう。この状態で、貫通孔に導電性ペーストを充填すると、導電性ペーストの充填を阻害して充填不良が発生したり、残渣により導体層が貫通孔内に露出しなくなってしまい導体層と貫通孔導体が接続されなかったり、あるいは、導電性ヘーストの充填後に残渣部分が取れたりして、結果として貫通孔内に異物が存在してしまうことになる。これにより、貫通孔形状異常による製品寸法の規格外れや導通特性に不具合が発生していた。
この問題を解決するため、図8に示すように、貫通孔を形成するグリーンシート1をPET(ポリエチエンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)等などの固体の樹脂部材からなる台材20を配置して、グリーンシートの表面側からレーザー光を照射して、貫通孔5を形成するとともに、PETやPENから成る台材20にレーザー光を到達させて、照射することにより、台材20の成分が揮発して、この揮発圧力により貫通孔内の残渣を除去することが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−340818号公報
しかしながら、図8に示す従来のグリーンシートへの貫通孔の形成方法では、PETやPEN等の隔離フィルムからレーザー光照射により揮発して発生するガスの量が少なく、揮発圧力で貫通孔内の残渣の除去が充分でないという問題があった。さらに、逆に、PETやPEN等の成分またはそれらがレーザー光により変性したものが貫通孔に残渣として残ってしまうこともあった。このように、従来の技術において、貫通孔に残渣が残る場合もあり、先の場合と同様に、貫通孔充填工程における充填不良、後で残渣部が取れることによる異物混入、孔形状異常による製品寸法の規格外れ等の問題を完全に防止できるものではなかった。特に、複合グリーンシートに貫通孔の内壁に導体層が露出する様に導体層を形成する場合、グリーンシートの残渣や、PETやPEN等の成分またはそれらがレーザー光により変性した残渣が、内壁の導体層部に残って導体層の露出が妨げられると、貫通孔に充填あるいは塗布される貫通孔導体と導体層が接続されなくなる。
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、貫通孔の内壁面に残存しうる残渣を少なくして、導体層をより確実に貫通孔の内壁面に露出させることができる複合グリーンシートの加工方法を提供することにある。
本発明の複合グリーンシートの加工方法は、導体層とグリーンシートから成る複合シートを準備する工程Aと、前記複合シートの一方の面を、液体を含む台材に配置する工程Bと、前記複合シートの他方の面にレーザー光を照射し、前記複合シートを貫通する貫通孔を形成するとともに前記液体を蒸発させる工程Cと、を含み、前記グリーンシートには、前記液体に溶解する第1の有機バインダが含まれており、前記導体層は、前記液体に溶解する第2の有機バインダを含み、前記液体に対する前記第2の有機バインダの25℃における溶解度が、前記液体に対する前記第1の有機バインダの25℃における溶解度よりも低いことを特徴とするものである。
また前記加工方法は、前記貫通孔が形成された複合グリーンシートを前記台材から脱離する工程Dを含むことを特徴とするものである。
また本発明の複合グリーンシートの加工方法は、導体層とグリーンシートから成る複合グリーンシートを準備する工程Eと、前記複合グリーンシートの所定の位置に貫通孔を形成する工程Fと、前記複合グリーンシートを、液体を含む台材上に配置させる工程Gと、前記貫通孔に対応する部分の台材にレーザー光を照射し、前記液体を蒸発させる工程Hと、を含み、前記グリーンシートには、前記液体に溶解する第1の有機バインダが含まれており、前記導体層は、導電粒子および前記液体に溶解する第2の有機バインダを含み、前記液体に対する前記第2の有機バインダの25℃における溶解度が、前記液体に対する前記第1の有機バインダの25℃における溶解度よりも低いことを特徴とするものある。
また前記加工方法は、前記貫通孔が洗浄された複合グリーンシートを前記台材から脱離する工程Iを含むことを特徴とするものである。
本発明の複合グリーンシートの加工方法は、前記複合グリーンシートが、グリーンシートと導体層とが複数積層して成ることを特徴とするものである。
また更に、本発明の複合グリーンシートの加工方法は、前記液体が水であることを特徴とするものである。
更にまた、本発明の複合グリーンシートの加工方法は、前記液体が、分子量400程度以下の低分子量の有機材料で構成されていることを特徴とするものである。
また更に、本発明の複合グリーンシートの加工方法は、前記液体が、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、アジピン酸エステル、ハイドロクロロフロロカーボン(HCFC)から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とするものである。
更にまた、本発明の複合グリーンシートの加工方法は、前記液体に対する前記第1の有機バインダの25℃における溶解度が0.1〜10%であることを特徴とするものである。
また更に、本発明の複合グリーンシートの加工方法は、前記液体に対する前記第2の有機バインダの25℃における溶解度が1%以下(0は含まない)であることを特徴とするものである。
更にまた、本発明の複合グリーンシートの加工方法は、前記台材が多孔質または繊維状の物質から成り、前記台材中に前記液体が含浸されていることを特徴とするものである。
また更に、本発明の複合グリーンシートの加工方法は、前記台材がフィルム状であることを特長とするものである。
更にまた、本発明の複合グリーンシートの加工方法は、前記台材と前記グリーンシートとの間に隔離フィルムが介在されていることを特徴とするものである。
本発明の複合グリーンシートの加工方法によれば、導体層とグリーンシートから成る複合グリーンシートを液体が含まれる台材に配置して、前記複合グリーンシートの表面側(台材側と反対の面側)より所定の位置にレーザー光を照射し、前記複合グリーンシートに貫通孔を形成するとともに、前記レーザー光を前記台材にまで到達させる。台材にまで到達したレーザー光の熱エネルギーにより,台材に含有される液体が大量に且つ瞬間的に蒸発し、高温・高圧の気体が発生する。同時に、貫通孔内部には発生した気体により貫通孔の開口部に向かう気流が生じる。貫通孔の内壁および縁に付着している残渣は、高温・高圧状態の気体に接触することで剥れ易くなり、貫通孔内部に発生した気流によって外部に放出される。これにより、貫通孔の内壁や縁に付着している残渣が除去され、貫通孔の内壁に導体層を確実に露出させることが出来る。
また、本発明の複合グリーンシートの加工方法では、複合グリーンシートに予め貫通孔を形成しておいてから、この複合グリーンシートを台材に配置させ、前記貫通孔に対応した部分の台材にレーザー光を照射するようにしてもよい。このように貫通孔の形成と貫通孔の内壁面の残渣の除去を別に行えば、液体を蒸発させるレーザーのエネルギー量は、複合グリーンシートに貫通孔を開けるエネルギー量の影響を受けなくなるため、安定したエネルギー量で液体を蒸発させることができ、これによって形状が均一化された貫通孔が得られる。
また、本発明の複合グリーンシートの加工方法によれば、レーザー光によって台材に含まれる液体を大量に且つ瞬間的に蒸発させている。このため、従来のように樹脂フィルム材料の成分を揮発させて残渣を除去する方法に比べて、高温・高圧状態のガスを貫通孔内部に発生させることができ、貫通孔の残渣を確実に除去することができる。
更にまた、本発明の複合グリーンシートの加工方法によれば、前記グリーンシートが、無機粉末及び液体に溶解する第1の有機バインダとを有することにより、貫通孔の内壁面や縁に付着している残渣をより確実に除去することができるようになる。これは、貫通孔内部に発生したガスの一部が、残渣に衝突した際、凝縮して液体に戻り、この液体が残渣の中に含まれる第1の有機バインダ部分を溶かすためである。また、残渣の中に含まれる第1の有機バインダだけでなく、貫通孔の内壁面に露出するグリーンシートに含まれている第1の有機バインダも凝縮した液体に溶解し、貫通孔の内壁面が削られることによって、残渣を除去する効果が高くなる。
また更に、本発明の複合グリーンシートの加工方法によれば、前記導体層が、導電粒子及び液体に溶解する第2の有機バインダとを有することにより、貫通孔の内壁面や縁に付着している残渣をより確実に除去することができるようになる。これも先に述べた第1の有機バインダと同様の理由により、貫通孔内部に発生したガスの一部が、残渣に衝突した際、凝縮して液体に戻り、この液体が残渣の中に含まれる第2の有機バインダ部分を溶かすためである。
更にまた、本発明の複合グリーンシートの加工方法によれば、液体として水を用いることにより、取り扱いが極めて容易となり、液体として有機成分を使用した場合と比較して引火などの問題は一切発生しない。そのため、引火等の事故を防ぐために加工条件が制限されることがなくなり、加工条件の選択の範囲が広がる。例えば、レーザー光のエネルギーを高くすることができるので、蒸発した液体が勢いよく貫通孔の内壁面に接することにより、残渣を吹き飛ばす効果が高められ、除去効果が高くなる。
また更に、本発明の複合グリーンシートの加工方法によれば、液体として分子量が400以下の有機材料の液体を用いることにより、少ないエネルギー量のレーザー光で多くの気体を蒸発させることができるため、洗浄効果を向上させることができる。
更にまた、本発明の複合グリーンシートの加工方法によれば、前記液体が、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、アジピン酸エステル、ハイドロクロロフロロカーボン(HCFC)から選ばれる少なくとも1種類であることにより、レーザー光照射時の液体の発火の危険が少なく、特別な発火対策を行わなくてもよい。
また更に、本発明の複合グリーンシートの加工方法によれば、液体の蒸発時に前記貫通孔の内壁面のグリーンシートに含まれる第1の有機バインダを溶解させ、導体層を貫通している貫通孔の内壁に導体層を突出させることにより、貫通孔導体と導体層の接続を確実に行うことが出来る。なお、貫通孔の内壁に導体層を突出させるには、グリーンシートに含まれる第1の有機バインダに応じて台材に含有させる液体を適宜選択すればよい。
更にまた、本発明の複合グリーンシートの加工方法では、前記液体に対する前記第2の有機バインダの25℃における溶解度を、前記液体に対する前記第1の有機バインダの25℃における溶解度よりも低く設定しておくことが好ましい。これにより導体層よりもグリーンシートの方が液体に溶解しやすくなり、導体層を貫通孔の内壁に突出させることが容易に出来るため、貫通孔導体と導体層の接続を確実に行うことが出来る。
また更に、本発明の複合グリーンシートの加工方法によれば、液体に対する第1の有機バインダの25℃における溶解度を0.1%〜10%に設定することが好ましい。液体の第1の有機バインダの25℃における溶解度が0.1%未満では、上述の第1の有機バインダを溶解する効果が小さく、溶解度が10%を越えると、貫通孔の複合グリーンシートが溶解する度合いが大きく、必要以上に貫通孔が広がる可能性が高くなり、貫通孔の内壁面に露出させる必要のない導体層まで露出した場合、不要な短絡が起こる。
更にまた、本発明の複合グリーンシートの加工方法によれば、前記液体に対する前記第2の有機バインダの25℃における溶解度が1%以下(0は含まない)に設定することが好ましい。溶解度が1%を越えると、貫通孔内壁面に露出すべき導体層が必要以上に溶解されてしまう可能性が高くなり、貫通孔導体と導体層の接続が不安定になってしまう。
また更に、前記台材が多孔質または繊維状の物質から成り、前記台材中により多くの液体を含浸することができ、レーザー光が照射された貫通孔直下の台材からだけでなく、レーザー光の熱の伝わる周囲の部分からも高温・高圧の気体が発生し、残渣の除去効果が高くなる。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(d)は本発明のグリーンシート各プロセスにより加工された複合グリーンシートの一形態である。グリーンシート1には、導体層2が形成されて複合グリーンシート3と成っており、更に貫通孔5が形成されている。グリーンシート1は、無機物粉末と有機バインダを有しており、その厚みは例えば、1〜200μmに設定される。無機物粉末としては、例えば、BaTiO、CaTiO、SrTiO等を主成分とする高誘電率の誘電体材料が用いられる。有機バインダとしては、例えば、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレートが用いられる。ポリビニルアセタールは有機バインダの靱性が高いため、グリーンシートの強度が強くなり、グリーンシートの加工精度が高くなるため好ましい。ポリアクリレート、ポリメタクリレートは有機バインダの熱分解が低い温度でおこり、誘電体層の層間剥離がおこりにくいため好ましい。
導体層2は導電粒子と第2の有機バインダを有しており、その厚みは例えば、0.5〜30μmに設定される。導電粒子の材質としては、例えば、Ni、Cu、Ag、Cu−Ni、Ag−Pd等の金属を主成分とするものが用いられる。第2の有機バインダの材質としては、例えば、エチルセルロース等のセルロースエーテル、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレートが用いられる。セルロースエーテルは、導体層2を形成するのに導体ペーストを用いてスクリーン印刷で行う際には、導体ペーストのチクソ性を高く出来、印刷性がよくなるため好ましい。ポリアクリレート、ポリメタクリレートは有機バインダの熱分解が低い温度でおこり、誘電体層の層間剥離がおこりにくいため好ましい。
複合グリーンシート3の貫通孔5には、この後、例えば導体ペースト等が充填、あるいは内壁に塗布される等の加工が行われる。その後、複合グリーンシート3は複数積層され、積層電子部品の製造に用いられる。
続いて、本発明による第1の実施形態である複合グリーンシートの加工方法を説明する。
図1(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態による複合グリーンシートの加工方法の断面図である。本発明による複合グリーンシート1の加工方法は、工程A〜工程Dを経て貫通孔5が形成される。
(工程A) BaTiO、CaTiO、SrTiO等を主成分とする誘電体材料の粉末にブチルカルビトールアセテート等の適当な溶剤、ガラス粉末、第1の有機バインダとしてポリビニルブチラール等を加えて混合してスラリーを作成し、得られたスラリーを公知のドクターブレード法等によって所定形状、所定寸法の誘電体層となるグリーンシート1を形成する。
導電粒子としてNiと、α−テルピノール等の適当な溶剤と、第2の有機バインダとしてエチルセルロース等を加えて導体ペーストを作成する。導体ペーストは、スクリーン印刷等の公知の方法でグリーンシート1上に塗布、乾燥され、導体層2となり、複合グリーンシート3が得られる。
(工程B)図1(b)に示す様に、複合グリーンシート3の一方の面を、液体を含んだ台材12の支持面に配置する。
(工程C)図1(c)に示す様に、グリーンシート3の他方の面側より所定の位置にレーザー光13を照射し、複合グリーンシート3に貫通孔5を形成するとともに、レーザー光13を台材12の支持面にまで到達させる。これにより、台材12中の液体が大量の気体が蒸発して、貫通孔5の内壁面および縁に付着している残渣を除去することが出来、導体層2を貫通している貫通孔5の内壁に導体層2を露出させることが出来る。これにより、後から形成される貫通孔導体4と導体層2の接続が確実に出来る。この台材12に含有された液体にかえて、例えば、固体や固体状の高分子物質を用いた場合、固体から揮発する物質の体積は少ない。すなわち、固体状が高分子物質の場合はレーザー光13により分解されてもモノマーやCO、HO、NO等の高分子物質に含まれる個別の分子状態まで分解されるとは限らないため揮発分の体積は少ない。また、固体や固体状の高分子物質あるいは、それらから変成された分解が不充分な固形物が貫通孔5の内壁面に付着してしまうこともある。本願発明のように台材12に液体を含有させれば少ないエネルギーで液体から大量の成分を蒸発させることが出来る。なお、液体の材料としては、例えば、水、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、アジピン酸エステル、ハイドロクロロフロロカーボン(HCFC)等を用いることが出来る。液体として水を用いた場合には、レーザー光の熱エルギーにより、有機物に比較して引火等の事故が起きることはない。そのため、引火等の事故を防ぐために加工条件が制限されることがなくなり、加工条件の選択の範囲が広がる。このため、レーザー光のエネルギーを高くすることができ、蒸発した水分(水蒸気)が高速・高圧力で貫通孔5の内壁面に接するため、残渣を吹き飛ばす効果が高められ、洗浄効果が高くなる。
なお、液体としては水に限らず分子量400程度以下の低分子量の液体を使用すればよい。分子量400以下とすれば、レーザー光の照射により、充分な量の気体が発生する。分子量400以下の液体としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジオクチル、HCFC−123、HCFC−124等が例示できる。これらの物質は、レーザー光照射時の液体の発火の危険が少なく、特別な発火対策を行わなくてもよい。さらに分子量100程度以下の液体を使用すれば、蒸発後の体積が大きくなるため、洗浄効果が高くなるため好ましい。分子量100以下の液体としてはHCFC−22、水等が例示できる。
また、台材12に含有される液体の含有率を台材12の全重量に対し、20重量%以上とすれば、液体の蒸発量が多くなり、洗浄効果が高くなる。より好ましくは、台材12に含有する液体の含有率は50重量%以上である。
グリーンシート1には、液体に溶解する第1の有機バインダが含まれていることが好ましい。液体が蒸発することにより発生した高温・高圧のガスは、残渣に衝突した際、凝縮して液体に戻り、この液体が残渣の中に含まれている第1の有機バインダを溶かし、これによって残渣を除去することが出来る。このように、グリーンシートに含まれる第1の有機バインダを溶解させることにより、図6に示す如く、導体層2を貫通している貫通孔5の内壁に導体層2を突出させることが出来る。これにより、貫通孔内に導体を充填または塗布することにより形成される貫通孔導体(図示せず)と導体層2との接続を確実に行うことが出来る。
また更に、前記導体層2には、液体に溶解する第2の有機バインダが含まれていることが好ましい。液体が蒸発することにより発生した高温・高圧のガスは、残渣に衝突した際、凝縮して液体に戻り、この液体が残渣の中に含まれている第2の有機バインダを溶かし、これによって
また更に、前記液体に対する前記第2の有機バインダの25℃における溶解度を、前記液体に対する前記第1の有機バインダの25℃における溶解度よりも低くすることにより、導体層2に比べグリーンシート1の方が前記液体に溶解しやすくなっている。これにより、導体層2を貫通孔5の内壁により確実に突出させることが出来るため、貫通孔導体4と導体層2との接続をより確実に行うことが出来る。例えば、液体として水を使用する場合は、第1の有機バインダの水に対する溶解度を第2の有機バインダの水に対する溶解度より高くする必要がある。主要なバインダを水に対する溶解度の高い順に示せば、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、エチルセルロースとなり、これらの中から溶解度を考慮して選定することが可能となる。なお、バインダの側鎖や主鎖の一部の官能基を変えることにより、液体に対する溶解度を変えることが可能となる。例えば、カルボキシル基や水酸基等の極性基が加わることにより、水に対する溶解度が高くなり、アルキル基等の非極性基が加わることにより、水に対する溶解度が低くなる。これを利用すれ、例えば同じポリアクリレートでも主鎖の一部の官能基を変えて水の溶解度に差をつけることが出来る。また、主鎖の一部の官能基を変える量を増やす等すれば、前述の各種バインダの水に対する溶解度の順を入れ替えることも可能である。例えば、ポリアクリレートにアクリル基を付加し、ポリアクリレートにカルボキシル基を付加することによりポリアクリレートとそれより水に対する溶解度の高いポリメタクリレートを得ることが出来る。以上のような、バインダの選定やバインダの一部を改変することによる溶解度の調整は水以外の液体の場合にも行うことができる。
また、液体に対するグリーンシート1の第1の有機バインダの25℃における溶解度は、0.1%以上とすることが好ましい。これにより、液体は単に蒸発して物理的に残渣を吹き飛ばすだけでなく、グリーンシート1が変性したできた残渣、および、残渣が付着している部分のグリーンシート1を容易に溶解するため、残渣の除去効果をより高めることができる。さらには、液体に対するグリーンシート1の有機バインダの25℃における溶解度を10%以下とすることが好ましい。有機バインダの25℃における溶解度が10%を越えると、貫通孔内壁面で台材12の近傍のシートでの溶解度合いが大きく、台材12の反対側では溶解度合いが小さくなり、貫通孔5の形状が不均一となってしまう。したがって、液体に対するグリーンシート1の有機バインダの25℃における溶解度10%以下とすることにより、貫通孔5の形状を均一にすることができる。なお、貫通孔5の形状の差をより少なくするためには、液体に対する第1の有機バインダの25℃における溶解度は2%以下であるのが好ましい。
このようにグリーンシート1が液体に溶解する第1の有機バインダを含んでいる場合、第1の有機バインダが液体に溶けることにより貫通孔5の孔径を大きくする加工が可能である。直径の拡大は、2μm程度から100μm程度まで可能であり、これによりあらかじめ直径50μmから500μmで開けた貫通孔の孔径を52μmから600μmに広げることが出来る。ただし、レーザー光の出力を高くしすぎると導体層2中の導電粒子が溶融し、導体層2が貫通孔5の内壁面よりグリーンシート1の内側に向かって凹んでしまう。
また更に、液体に対する前記第2の有機バインダの25℃における溶解度が0〜1%に設定することにより、導体層2が液体に溶かされることがなくなり、導体層2の貫通孔5への突出させることが出来る。これにより、後で充填あるいは塗布される貫通孔導体4と導体層2の接続が確実になる。液体に対する前記第2の有機バインダの25℃における溶解度が1%を超えると、貫通孔5の周囲の導体層2が溶けて、導体層2が貫通孔5の内壁面よりグリーンシート1の内側に向かって凹んでしまう。
上述の溶解度を満足させる第1の有機バインダと第2の有機バインダと液体の組み合わせとしては、第1の有機バインダとしてポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等と、第2の有機バインダとしてセルロースエーテル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等と、液体として水を組み合わせたもの、が例示できる。また、別の組み合わせとして、第1の有機バインダとしてポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレートと、第2の有機バインダとしてセルロースエーテルと、液体としてフタル酸エステル、アジピン酸エステル等を組み合わせたもの等が例示できる。なお、セルロースエーテルの液体への溶解度はセルロースの水酸基を置換するエーテルの種類と置換度により調整することが出来る。例えば、液体として水を使用する場合には、エトキシル基の置換度を40〜55mol%としたエチルセルロースが好ましい。また、液体の蒸発による有機バインダの溶解性を評価する方法として、沸騰している液体に対する有機バインダの溶解度を測定してもよく、沸騰時の液体に対するグリーンシート1の有機バインダの溶解度は、溶解性をよくするため20%以上が好ましく、さらには、貫通孔5の台材側の部分とその反対側の部分の形状の差を少なくするため100%以下が好ましい。
台材12としては、例えば、多孔質のPET、多孔質のPEN等の多孔質の基材に液体を含浸させたものや、紙などの繊維状の基材に液体を含浸させたものが用いられる。このとき、台材12が多孔質あるいは繊維状の基材から形成されることにより、液体は台材12のレーザー光13が照射された貫通孔5の直下部分だけではなく、レーザー光の熱の伝わる周囲の部分からも蒸発してより多量の気体が発生し、残渣の除去効果が高くなる。なお、レーザー光を照射して液体を蒸発させている際、台材12の複合グリーンシート3が配置された面とは反対側の面から液体を供給するようにすれば、複合グリーンシートに、複数の貫通孔5を近接させた状態で1つずつ加工する場合でも、近接しあう貫通孔5すべてに対して安定的に残渣を除去することができる。
また、台材12の形態をフィルム状とすれば加工装置内で台材12と複合グリーンシート3を同時に搬送したり、台材12をローラー等で送ることにより加工に使用した台材12を加工に使用していない台材12に入れ替えたりすることが容易となる。
(工程D)このようにして、貫通孔5および貫通孔5の内壁が洗浄された複合グリーンシート3を、台材12の支持面から脱離する。
続いて、本発明による第2の実施形態である複合グリーンシートの加工方法を第1の実施形態に基づいて説明する。ただし、第1の実施形態と重複する説明は省く。
図3(b)は本発明の第2の実施形態によるグリーンシート加工方法の主要工程における断面図である。具体的に第1の実施形態と異なるのは、複合グリーンシート3と台材12との間に、隔離フィルム14を介在させたことである。
第2の実施形態にかかる複合グリーンシート3の加工方法は、下記の工程A〜工程Dを経て貫通孔5が形成されるものである。
まず工程Aにおいて、複合グリーンシート3を、隔離フィルム14に貼着する。隔離フィルム14の材質としては、台材12に含まれている液体に対し、難溶解性のものが好ましく、液体が水の場合、PETやPENが例示できる。なお、複合グリーンシート3と隔離フィルム14との貼着は、スラリーを隔離フィルム14上に塗布して隔離フィルム14上にグリーンシート1を成形してから、該グリーンシート上に導体層2を形成することで行うようにしてもよい。
次に工程Bにおいて、複合グリーンシート3と隔離フィルム14の隔離フィルム側を台材12の支持面に配置する。台材12に含有される液体の含有率は、上述した第1の実施形態と同様に、台材12の全重量に対し、20重量%以上とすることが好ましい。
次に工程Cにおいて、複合グリーンシート3の所定の位置にレーザー光13を照射し、複合グリーンシート3と隔離フィルム14に貫通孔5を形成するとともに、レーザー光13を台材12の支持面まで到達させ、台材12から液体を大量且つ瞬間的に蒸発させ、貫通孔5の内壁面および縁に付着している残渣を除去することが出来る。このときの液体の蒸発する経路16を模式的に図3(b)に矢印で示している。隔離フィルム14が無い場合、図3(a)に示すように、複合グリーンシート3の台材12の近傍部分と台材12から離れた部分(図では複合グリーンシートの上側)とで、複合グリーンシート3の貫通孔5の内壁面に衝突する気体の量、内壁面に対する気体の衝突角度に差があるため、複合グリーンリートの3の溶解する量に差が生じやすくなる。その結果、貫通孔5が円筒状ではなく歪んだ形状、特に、台材12の近傍部分で貫通孔5の口径が必要以上に広がる傾向がある。一方、図3(b)に示すように、隔離フィルム14を介在させておけば、複合グリーンシート3の貫通孔5の台材12近傍部分と台材12から離れた部分とで、気体が衝突する角度、量が均一化され、複合グリーンシート3の貫通孔5を所望の形状、例えば、歪みの少ない円筒状に形成することができる。
さらに、隔離フィルム14の厚さtと貫通孔5の直径dの関係をt≧dとすれば、隔離フィルム14を通り抜けて、グリーンシート1の貫通孔5に到達した蒸発した液体は複合グリーンシート3の貫通孔5の内壁面に略平行に当たるようになり、貫通孔5の形状の差を少なく出来るためさらに好ましい。
続いて、本発明による第3の実施形態であるグリーンシートの加工方法を説明する。ただし、前述の実施例と重複する説明は省く。
図2(a)〜(e)は本発明の第3の実施形態によるグリーンシートの加工方法を示す主要工程の断面図である。本実施形態によるグリーンシート1の加工方法は、次の工程E〜工程Iから成る。
(工程E)まず、図2(a)に示すように、所定形状、所定寸法のグリーンシート1を成形し、導体層2を形成して、複合グリーンシート3を形成する。
(工程F)次に図2(b)に示すように、複合グリーンシート3を台材12に配置する前に予め、所定の位置に貫通孔5を形成しておく。貫通孔5の形成方法としては、レーザー光の照射、マイクロドリルによる加工、金型による打抜き等が例示できる。レーザー光の照射の場合、複合グリーンシート3の有機バインダや無機粉末及びそれらがレーザー光により変性した物質が貫通孔5の内壁面に残渣15が残り、マイクロドリルによる加工や金型による打抜きの場合も、複合グリーンシート3の削り屑や内壁面が崩れた部分が残渣15として残り、この段階においては、いずれにしても残渣15が内壁面に残ることとなる。
(工程G)工程Fにおいて貫通孔5を形成した複合グリーンシート3を、図2(c)に示すように、液体が含有されている台材12の支持面に配置する。液体の含有率は、20重量%以上が好ましい。
(工程H)図2(d)に示す様に、台材12の貫通孔5から露出する部分にレーザー光13を照射することにより、台材12中の液体を大量に且つ瞬間的に蒸発させる。このとき、高温・高圧の気体が発生するので、この気体によって貫通孔5の内壁面および縁に付着している残渣15を除去することが出来る。このように複合グリーンシート3に前もって貫通孔5を形成しておくことによって、レーザー光を台材12に照射する際、レーザー光のエネルギーが貫通孔5を形成するために消費されることがなく、台材12へ照射されるエネルギー量が一定になるため、各貫通孔5の形状がばらつくのを防止することができる。
(工程I)複合グリーンシート3を台材12の支持面から脱離する。
以上の工程によって複合グリーンシート3に内壁面に残渣の無い貫通孔5を形成することが出来る。
この方法においても、上述したように、貫通孔5を予め形成した複合グリーンシート3と台材12との間に、隔離フィルム14を介在させてもよい。この場合、前記工程Eにおいて複合グリーンシートを形成した後、かかる複合グリーンシートに隔離フィルム14を貼着させ、次の工程Fにおいて、複合グリーンシートとともに隔離フィルム14にも貫通孔を形成することが好ましい。これにより、工程Hにおいてレーザー光を台材12に照射する際、レーザー光のエネルギーが貫通孔5を形成するために消費されることがなく、台材12へ照射されるエネルギー量が一定になるため、各貫通孔5の形状がばらつくのを防止することができる。
隔離フィルム14に介在させることにより、複合グリーンシート3の貫通孔5の形状の差を少なくすることが出来る。
工程Iのあとに複合グリーンシート3から隔離フィルム14を剥離する。
本発明による第4の実施形態である複合グリーンシートの加工方法を第3の実施例に基づいて説明する。ただし、前述の実施例と重複する説明は省く。
図4は本発明の第4の実施形態により作製された積層電子部品10の断面図である。
図4に示す積層電子部品10は、主に積層体11と外部電極6とから成っている。積層体11はグリーンシート1と導体層2を複数積層し、少なくとも一部の導体層2を貫通するように貫通孔導体4が形成されたものを焼成して作られる。グリーンシート1の積層数は、例えば3〜2000層である。貫通孔導体4の直径は、例えば30〜300μmに設定される。貫通孔導体4が導体層2を貫通している部分で導体層2と貫通孔導体4は接続している。なお、図4には貫通孔導体4が貫通孔5内部に隙間無く充填されているタイプのものを示しているが、貫通孔導体4は貫通孔5の内壁に塗布されて中央が中空になっているタイプのものでもかまわない。
貫通孔導体4の材質としては、例えばNi、Cu、Ag、Cu−Ni、Ag−Pd等の金属を主成分とする導体材料が用いられる。外部電極6の一部は、積層体から露出した貫通孔導体4と接続しており、その材質としては、例えばNi、Cu、Au、Snである。外部電極4は、印刷と焼成、メッキ、あるいは、印刷と焼成と後のメッキ等により形成される。
図5(a)〜(c)は本発明の第4の実施形態であるグリーンシートの加工方法を示す主要工程の断面図である。本発明による複合グリーンシート1の加工方法は、工程E〜工程Iを経て貫通孔5が形成される。以下、実施例3と異なる部分を主に説明する。
(工程E)まず図5(a)に示すように、グリーンシート1に導体層2を形成したものを複数積層し、積層体11を準備する。
(工程F)積層体11を隔離フィルム14上に配置した後、図5(b)に示すように、積層体11の所定の位置に、積層体11と隔離フィルム14を貫通する貫通孔5を形成する。貫通孔5の形成方法としてレーザー光の照射、マイクロドリルによる加工、金型による打抜き等の方法が例示できる。この段階では、加工後に加工屑が残渣15として残っている。特に積層体11が500μm以上である場合、レーザー光の照射では、貫通孔5の第1の有機バインダが変成したと考えられる黒色の生成物が付着し、導体層2が貫通孔5の内壁に露出するのが妨げられる。完全には解っていないが、積層体11が厚くなり、貫通孔5が長くなると、貫通孔5の内部で酸素の供給が不足する状態になり、第1の有機バインダの揮発が妨げられて、黒色の物質が生成されると推定される。
(工程G)複合グリーンシート3を、液体を含有する台材12の支持面に配置する。
(工程H)図5(c)に示すように、台材12の貫通孔5に対応した部分にレーザー光13を照射することにより、台材12から液体であった洗浄剤を多量に揮発・飛散させ、貫通孔5の内壁およびへりに付着している残渣を除去することが出来る。このときの、通常の残渣15に加えて、上述の黒色の生成物も除去することが出来る。
(工程I)積層体11を台材12の支持面から脱離する
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更、改良等が可能である。
例えば、図面には、台材はレーザー光が当たった部分に貫通孔が形成されていない状態を示したが、加工後の台材はレーザー光の照射された部分に貫通孔が形成されていてもよい。
また、図面には複合グリーンシート3のグリーンシート1がある面を台材12に配置したものを示したが、導体層2のある面を台材12に配置してもかまわないし、グリーンシートの両面に導体層が形成された複合グリーンシートを台材12に配置して加工してもかまわない。
更にまた、貫通孔の形成と貫通孔洗浄に使用するレーザーは、それぞれCOレーザー、UV−YAGレーザー、あるいはエキシマレーザー等が使用できる。
なお、洗浄工程で発生した液体が、グリーンシートに微量付着することがある。これに対して、自然放置による乾燥、グリーンシートへの吸収、あるいは、必要に応じて加温等により強制乾燥を行ってもよい。
また更に、台材または液体に吸光剤を加えて、照射されるレーザー光の利用効率を高めて、加工時間を短縮したり、液体の蒸発する速度を高めて洗浄効率を高めたりしてもよい。
(a)〜(d)は、本発明による複合グリーンシートの加工方法の主要工程の断面図である。 (a)〜(e)は、本発明による別の複合グリーンシートの加工方法の主要工程の断面図である。 (a)は、グリーンシートの加工方法で、グリーンシートの貫通孔の形状に差の発生した状態の断面図であり、(b)はさらに別のグリーンシートの加工方法の主要工程の断面図である。 本発明による積層電子部品の断面図である。 (a)〜(c)は、本発明による導体層とグリーンシートが複数積層された複合グリーンシート(積層体)の加工方法の主要工程の断面図である。 本発明による別の導体層とグリーンシートが複数積層された複合グリーンシート(積層体)の加工終了状態の断面図である。 従来のグリーンシートの加工方法の工程の断面図である。 (a)〜(b)は、従来のグリーンシートの加工方法の工程の断面図である。
符号の説明
1・・・グリーンシート
2・・・導体層
3・・・複合グリーンシート
4・・・貫通孔導体
5・・・貫通孔
6・・・外部電極
10・・・積層電子部品
11・・・積層体(導体層とグリーンシートが複数積層された複合グリーンシート)
12・・・液体を含んだ台材
13・・・レーザー光
14・・・隔離フィルム
15・・・貫通孔加工の残渣
16・・・液体の蒸発経路

Claims (23)

  1. 導体層とグリーンシートから成る複合シートを準備する工程Aと、
    前記複合グリーンシートの一方の面を、液体を含む台材に配置する工程Bと、
    前記複合グリーンシートの他方の面にレーザー光を照射し、前記複合グリーンシートを貫通する貫通孔を形成するとともに前記液体を蒸発させる工程Cと、
    を含む複合グリーンシートの加工方法であって、
    前記グリーンシートには、前記液体に溶解する第1の有機バインダが含まれており、
    前記導体層は、前記液体に溶解する第2の有機バインダを含み、前記液体に対する前記第2の有機バインダの25℃における溶解度が、前記液体に対する前記第1の有機バインダの25℃における溶解度よりも低いことを特徴とする複合グリーンシートの加工方法。
  2. 前記貫通孔が形成された複合グリーンシートを前記台材から脱離する工程Dを含むことを特徴とする請求項1記載の複合グリーンシートの加工方法。
  3. 前記複合グリーンシートは、グリーンシートと導体層とが複数積層して成ることを特徴とする請求項1記載の複合グリーンシートの加工方法。
  4. 前記液体は水であることを特徴とする請求項1記載の複合グリーンシートの加工方法。
  5. 前記液体は、分子量400程度以下の低分子量の有機材料で構成されていることを特徴とする請求項1記載の複合グリーンシートの加工方法。
  6. 前記液体は、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、アジピン酸エステル、ハイドロクロロフロロカーボン(HCFC)から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1記載の複合グリーンシートの加工方法。
  7. 記液体に対する前記第2の有機バインダの25℃における溶解度が1%以下(0は含まない)であることを特徴とする請求項記載の複合グリーンシート加工方法。
  8. 前記台材が多孔質または繊維状の物質から成り、前記台材中に前記液体が含浸されていることを特徴とする請求項1記載の複合グリーンシートの加工方法。
  9. 前記台材がフィルム状であることを特徴とする請求項1記載の複合グリーンシートの加工方法。
  10. 前記台材と前記グリーシシートとの間に隔離フィルムが介在されていることを特徴とする請求項1記載の複合グリーンシートの加工方法。
  11. 前記隔離フィルムは前記液体に対し、難溶解性の材質から成ることを特徴とする請求項10記載の複合グリーンシートの加工方法。
  12. 導体層とグリーンシートから成る複合グリーンシートを準備する工程Eと、
    前記複合グリーンシートの所定の位置に貫通孔を形成する工程Fと、
    前記複合グリーンシートを、液体を含む台材上に配置させる工程Gと、
    前記貫通孔に対応する部分の台材にレーザー光を照射し、前記液体を蒸発させる工程Hと、
    を含む複合グリーンシートの加工方法であって、
    前記グリーンシートには、前記液体に溶解する第1の有機バインダが含まれており、
    前記導体層は、導電粒子および前記液体に溶解する第2の有機バインダを含み、前記液体に対する前記第2の有機バインダの25℃における溶解度が、前記液体に対する前記第1の有機バインダの25℃における溶解度よりも低いことを特徴とする複合グリーンシートの加工方法。
  13. 前記貫通孔が洗浄された複合グリーンシートを前記台材から脱離する工程Iを含むことを特徴とする請求項12記載の複合グリーンシートの加工方法。
  14. 前記複合グリーンシートは、グリーンシートと導体層とを複数積層して成る複合グリーンシートであることを特徴とする請求項12記載の複合グリーンシートの加工方法。
  15. 前記液体は水であることを特徴とする請求項12記載の複合グリーンシートの加工方法。
  16. 前記液体は、分子量400程度以下の低分子量の有機材料で構成されていることを特徴とする請求項12記載の複合グリーンシートの加工方法。
  17. 前記液体は、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、アジピン酸エステル、ハイドロクロロフロロカーボンから選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項12記載の複合グリーンシートの加工方法。
  18. 前記液体に対する前記第1の有機バインダの25℃における溶解度が0.1〜10%であることを特徴とする請求項12記載の複合グリーンシート加工方法。
  19. 記液体に対する前記第2の有機バインダの25℃における溶解度が1%以下(0は含まない)であることを特徴とする請求項12記載の複合グリーンシート加工方法。
  20. 前記台材が多孔質または繊維状の物質から成り、前記台材中に前記液体が含浸されていることを特徴とする請求項12記載の複合グリーンシートの加工方法。
  21. 前記台材がフィルム状であることを特徴とする請求項12記載の複合グリーンシートの加工方法。
  22. 前記台材と前記グリーシシートとの間に隔離フィルムが介在されていることを特徴とする請求項12記載の複合グリーンシートの加工方法。
  23. 前記隔離フィルムは前記液体に対し、難溶解性の材質から成ることを特徴とする請求項22記載の複合グリーンシートの加工方法。
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