JP2003340818A - セラミックグリーンシートの穴加工方法 - Google Patents
セラミックグリーンシートの穴加工方法Info
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Abstract
陥を有しないレーザー光によるビアホール形成方法を実
現することを目的とする。 【解決手段】 上記課題を解決するために、セラミック
グリーンシート4にレーザー光2を照射する際、レーザ
ー光2を照射する面と反対の面にレーザー光2の照射に
より揮発する成分を含む溶融物除去材6をセラミックグ
リーンシート4に密着させた状態でレーザー光2を照射
することにより、構造欠陥のない高信頼性のセラミック
積層デバイスを実現することができる。
Description
されるセラミック積層デバイスを製造する場合などに用
いられるセラミックグリーンシートの穴加工方法に関す
るものであり、特にレーザー光によりセラミックグリー
ンシートにビアホールとして機能させるための微小な貫
通穴を形成する際のセラミックグリーンシートの穴加工
方法に関するものである。
に実用化されているセラミック積層デバイスの製造はセ
ラミックグリーンシートを用いた積層工法が一般的に実
用化されている。この工法はセラミックグリーンシート
に所定の内部配線パターンをスクリーン印刷などの方法
を用いて必要層数分作製し、これらのセラミックグリー
ンシートを積層・焼成・個片分割することによりセラミ
ック積層デバイスを製造している。
された内部電極パターンの電気的層間接続はセラミック
グリーンシートに形成されたビアホール(貫通穴)に導
電性ペーストを充填してビア電極を形成することによっ
て行われている(上記セラミックグリーンシートには低
温焼結化の観点からガラスを添加したガラス・セラミッ
クグリーンシートも含んでおり、本発明においてはこれ
らを総称してセラミックグリーンシートと呼ぶ)。
アホールを形成するための方法は金型を用いたパンチン
グ法によりセラミックグリーンシートを打ち抜く加工法
がよく用いられている。
イスの小型化、高機能化、複合モジュール化に伴い、セ
ラミックグリーンシートに形成されるビアホールの径を
小さくすること及び穴数の増大に伴う加工時間の短縮が
要求されるようになってきている。
グ法はビアホールの径が小さくなるほど金型の部品であ
るピンやダイス金型の寿命が短くなり、特に100μm
φ以下の穴加工には適用が困難であるという問題点があ
る。
た。
ーザー、エキシマレーザー等を用いたレーザー加工法が
用いられるようになってきており、この加工法であれば
100μm以下の穴加工も十分可能であり、金型交換等
のメンテナンスも不要であるという特徴を有している。
ラミックグリーンシートへの照射をガルバノスキャンミ
ラーの反射角度を電子制御によって変えて、光学的に照
射を繰り返すことによって高速で穴開け加工することも
可能であり、所定の領域においてセラミックグリーンシ
ートを移動させることなく穴加工を行うことができるこ
とから、パンチング法の100倍以上の加工速度を得る
ことが可能となる。
ー光の照射による穴加工法を用いてセラミックグリーン
シートを加工する場合、加工時にセラミックグリーンシ
ートが一部溶融状態となり、図4に示したようにビアホ
ール8の周囲にセラミックグリーンシートの溶融物9が
残渣として残るという問題点がある。
として付着すると、後工程におけるビアホール8への導
電性ペーストの充填が不十分となったり、前記ビアホー
ル8の周囲が照射された熱によって変質していることに
より、ビア電極10として充填する導電性ペーストとセ
ラミックグリーンシートとの密着性や濡れ性が低下しや
すくなるなどの問題点を有していた。
いてセラミックグリーンシートにビアホール8を形成し
た後、このビアホール8に導電性ペーストを充填したセ
ラミックグリーンシートを積層・焼成して得られたセラ
ミック焼結体12は、図5に示すようなビア電極10の
周辺に空洞からなる構造欠陥11が生じ、結果としてビ
ア電極10の接続信頼性やセラミック積層デバイスの耐
湿性が低下し、長期信頼性に問題が生じる。
クグリーンシートに穴開け加工を行うときに生ずる上記
問題点を解決することが可能なセラミックグリーンシー
トの穴加工方法を提供することを目的とするものであ
る。
に本発明の請求項1に記載の発明は、セラミックグリー
ンシートにレーザー光を照射して穴開け加工を行うにあ
たり、セラミックグリーンシートのレーザー光を照射す
る面と反対の面にレーザー光の照射により揮発する成分
を含む材料を密着させた状態でレーザー光を照射するセ
ラミックグリーンシートの穴加工方法であり、溶融物や
変質層を揮発時の圧力を利用して除去することが可能と
なり、後工程での導電ペーストの充填不良がなく、さら
にセラミックグリーンシートと導電ペーストとの十分な
密着性や濡れ性を得ることも可能となる。
ーンシートがキャリアフィルムにより支持されており、
このキャリアフィルムがレーザー光の照射により揮発す
る成分を含んでいる請求項1に記載のセラミックグリー
ンシートの穴加工方法であり、生産性に優れるとともに
集光レンズとセラミックグリーンシートとの距離を一定
に保つことができるので寸法精度と位置精度の高い加工
ができる。
射により揮発する成分がポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ
フェニルサルファイド(PPS)の中で少なくとも一種
類を含有している請求項1に記載のセラミックグリーン
シートの穴加工方法であり、請求項1と同じ作用を有す
る。
ーンシートのレーザー光を照射する面に保護用フィルム
を密着させてレーザー光を照射加工する請求項1に記載
のセラミックグリーンシートの穴加工方法であり、セラ
ミックグリーンシートの表面に加工残渣が付着すること
を防止することができる。
射により揮発する成分を含む材料が樹脂フィルムである
請求項1に記載のセラミックグリーンシートの穴加工方
法であり、連続生産性に優れた穴加工方法を提供するこ
とが可能となる。
厚みが100μm以上である請求項5に記載のセラミッ
クグリーンシートの穴加工方法であり、加工穴周囲の溶
融物を完全に除去することができる。
ンシートの穴加工方法について実施の形態及び図面を用
いて説明する。
体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する
ものではない。
態1におけるセラミックグリーンシートへのCO2レー
ザーを用いた穴加工方法について示したものである。
ートであり、一般的にはセラミック原料粉末と樹脂バイ
ンダーと可塑剤とを有機溶剤にて分散させてスラリーと
し、ドクターブレード法を用いてキャリアフィルム5上
に塗布しながら連続的に乾燥させてシート化することに
よって作製することができる。本実施の形態1では、前
記セラミックグリーンシート4はAl2O3を主成分とす
るセラミック粉末とアルカリ土類金属酸化物を含む珪酸
ガラスを無機成分とし、有機バインダー、可塑剤、溶剤
を混合してスラリーとし、このスラリーをドクターブレ
ード法でキャリアフィルム5上にシート状に供給してシ
ート状とした後、乾燥工程を連続的に行って形成したも
のを用いた。
リエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用し
たが、特にPETフィルムに限定されるものではない。
上記キャリアフィルム5付きのセラミックグリーンシー
ト4をレーザー加工装置のXYテーブル7上に配置す
る。このとき、キャリアフィルム5があるとセラミック
グリーンシート4の取り扱いが容易になるばかりでな
く、セラミックグリーンシート4の変形や歪みの発生を
抑制して集光レンズ1とセラミックグリーンシート4と
の距離を一定に保つことができ、貫通穴であるビアホー
ル8の寸法精度や位置精度を向上させることができる。
ザー光2を照射する面と反対の面にはレーザー光2の照
射により揮発する成分を含む材料(以下溶融物除去材と
よぶ)6を密着させた状態でレーザー光の照射により穴
加工を行う。この溶融物除去材6がレーザー光2の熱エ
ネルギーにより揮発する際の圧力を利用して、穴加工の
際にビアホール8の周囲に付着した溶融物9や変質層が
生じた場合においてもこれらを除去することが可能とな
る。
等の板状樹脂でも可能であるが、前記板状樹脂を多数回
使用することにより、板状樹脂に貫通穴が開いてしま
い、上記溶融物9の除去効果が期待できなくなり、その
都度交換する必要がある。
ィルムにして用いることにより、ロール状態で連続供給
することが可能となり、レーザー光の照射による穴加工
後の上記樹脂フィルムとセラミックグリーンシート4と
を別々に巻き取ることで生産性を高めることができる。
を使用する場合のフィルム厚みが薄いとレーザー光の照
射による穴加工の際に発生する揮発成分の量も少なく、
さらに樹脂フィルムに貫通穴が開いてしまうことで揮発
成分のはねかえりの効果がより少なくなる。この結果、
薄い樹脂フィルムを使用した場合にはビアホール8の周
囲の溶融物9の除去効果は少なくなってしまい、場合に
よっては殆どなくなってしまう。以上のことから、上記
樹脂フィルムの厚みは100μm以上であることが好ま
しい。
物除去材6に樹脂フィルムを使用する場合にPETフィ
ルムを例に説明したが、ポリエチレン(PE)、ポリプ
ロピレン(PP)、ポリエチレンナフタレート(PE
T)、ポリフェニルサルファイド(PPS)等レーザー
光の照射により揮発する成分を含む樹脂フィルムである
ならば特に限定されるものではない。
用いているが、YAGレーザー、エキシマレーザー等も
用いることが可能である。
態2におけるセラミックグリーンシート4へのCO2レ
ーザーを用いた穴加工方法について示したものである。
レーザー光2の照射により揮発する成分を含んだ溶融物
除去材6とセラミックグリーンシート4とが直接接触す
る場合には、両者の界面において加工時に融着が生じ、
剥離時にセラミックグリーンシート4の剥がれや破れ等
の破損が生じる場合がある。これを回避するために溶融
物除去材6の上に直接セラミックグリーンシート4を載
せるのではなく、図2のようにキャリアフィルム5を下
にして溶融物除去材6に密着させ、セラミックグリーン
シート4側からレーザー光2を照射する方が好ましい。
このときのキャリアフィルム5がレーザー光2を透過さ
せる材料であればよい。
レーザー光2を照射する場合、セラミックグリーンシー
ト4に直接レーザー光2を照射するため加工時にセラミ
ックグリーンシート4の表面が加工残渣により汚れが生
じるということが問題となる。このため、図2に示すよ
うにレーザー光2の照射面に発生する加工残渣から表面
を保護するためのフィルム、具体的には粘着剤を塗布し
たPETフィルム等の保護用フィルム3を密着させるこ
とが好ましい。このときの保護用フィルム3は前記キャ
リアフィルム5と同じようにレーザー光2を透過させる
材料であればよい。
脂フィルムをセラミックグリーンシート4に密着させる
ことが可能であるならば、特に粘着層を有しないもので
あっても十分利用可能である。
グリーンシート4に密着させ、且つ保護用フィルム3が
レーザー光2の照射により揮発する成分を含んでいる場
合にはレーザー光2の照射方向は特に限定する必要性は
なくなる。つまり、保護用フィルム3をセラミックグリ
ーンシート4に密着させた状態で図1のようにキャリア
フィルム5側よりレーザー光2を照射してもよい。
O3を主成分とするセラミック粉末とアルカリ土類金属
酸化物を含有する珪酸ガラスからなる無機成分を用いて
いるが、上記組み合わせに限定されるものではない。
である低温焼成材料においてはレーザー加工により溶融
物9が生じやすいため、本発明の穴加工法が有効であ
る。
用いているが、本発明においてはYAGレーザー、エキ
シマレーザー等の他のレーザーを用いることも十分可能
である。
穴加工を行った後、ビアホール8へ導電性ペーストの充
填を行うことで層間接続用のビア電極を形成し、さらに
内層配線パターンをスクリーン印刷などによって形成す
る。
ミックグリーンシート4を位置合わせし、熱圧着によっ
て積層することでセラミックグリーンシート4の積層体
ブロックを形成する。この積層体ブロックを350〜6
00℃で脱脂後、850〜950℃で焼成を行うことに
より構造欠陥のないビア電極10をもった多層構造のセ
ラミック焼結体12(図3参照)が得られる。さらに、
必要に応じてIC,SAWフィルタ、チップ部品等を実
装した後、所定のサイズにダイシングやブレイクにより
個片分割を行うことで所望のセラミック積層デバイスを
得ることが可能となる。
セラミックグリーンシートへの穴加工方法は、従来のレ
ーザー加工によりセラミックグリーンシートのビアホー
ルに生じていた溶融物と変質層の除去が可能となり、そ
の結果焼成後に生じていたビア電極の構造欠陥が無くな
ることにより高信頼性のセラミック積層デバイスの製造
方法を提供することができるものである。
ーンシートの穴加工方法を示す原理図
ーンシートの穴加工方法を示す原理図
法による焼成後のビア電極近傍の断面図
Claims (6)
- 【請求項1】 セラミックグリーンシートにレーザー光
を照射して穴開け加工を行うにあたり、セラミックグリ
ーンシートのレーザー光を照射する面と反対の面にレー
ザー光の照射により揮発する成分を含む材料を密着させ
た状態でレーザー光を照射するセラミックグリーンシー
トの穴加工方法。 - 【請求項2】 セラミックグリーンシートがキャリアフ
ィルムにより支持されており、このキャリアフィルムが
レーザー光の照射により揮発する成分を含んでいる請求
項1に記載のセラミックグリーンシートの穴加工方法。 - 【請求項3】 レーザー光の照射により揮発する成分が
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン
(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフ
タレート(PEN)、ポリフェニルサルファイド(PP
S)の中で少なくとも一種類を含有している請求項1に
記載のセラミックグリーンシートの穴加工方法。 - 【請求項4】 セラミックグリーンシートのレーザー光
を照射する面に保護用フィルムを密着させてレーザー光
を照射する請求項1に記載のセラミックグリーンシート
の穴加工方法。 - 【請求項5】 レーザー光の照射により揮発する成分を
含む材料が樹脂フィルムである請求項1に記載のセラミ
ックグリーンシートの穴加工方法。 - 【請求項6】 樹脂フィルムの厚みが100μm以上で
ある請求項5に記載のセラミックグリーンシートの穴加
工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002150306A JP2003340818A (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | セラミックグリーンシートの穴加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002150306A JP2003340818A (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | セラミックグリーンシートの穴加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003340818A true JP2003340818A (ja) | 2003-12-02 |
Family
ID=29768193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002150306A Pending JP2003340818A (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | セラミックグリーンシートの穴加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003340818A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006205544A (ja) * | 2005-01-28 | 2006-08-10 | Kyocera Corp | グリーンシートの加工方法 |
JP2006270086A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-10-05 | Kyocera Corp | 複合グリーンシートの加工方法 |
US7537667B2 (en) | 2005-02-25 | 2009-05-26 | Kyocera Corporation | Method of processing composite green sheet |
CN115156740A (zh) * | 2022-07-29 | 2022-10-11 | 上海泽丰半导体科技有限公司 | 一种生瓷片激光打孔方法 |
-
2002
- 2002-05-24 JP JP2002150306A patent/JP2003340818A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006270086A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-10-05 | Kyocera Corp | 複合グリーンシートの加工方法 |
US7537667B2 (en) | 2005-02-25 | 2009-05-26 | Kyocera Corporation | Method of processing composite green sheet |
CN115156740A (zh) * | 2022-07-29 | 2022-10-11 | 上海泽丰半导体科技有限公司 | 一种生瓷片激光打孔方法 |
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