JP2006205544A - グリーンシートの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
グリーンシートに加工時の残渣が残らないように貫通孔を形成する。
【解決手段】
グリーンシート1を準備する工程と、前記グリーンシート1を液体が含有される台材12に配置する工程と、前記グリーンシート1側からレーザー光13を照射し、必要に応じて貫通孔を形成するとともに、台材12に含まれる液体を蒸発させて貫通孔5の内壁面の残渣15を洗浄・除去する工程と、を含むグリーンシートの加工方法。
【選択図】図2

Description

本発明はグリーンシートへの貫通孔を形成する方法、及び/又は、形成された貫通孔を優れた加工方法に関するものである。
積層電子部品の製造方法として、無機粉末と有機バインダから成るグリーンシートを作成し、前記グリーンシートを加工し、積層するものがある。そのグリーンシートの加工の中にグリーンシートに貫通孔を形成するものがある。前記貫通孔は貫通孔導体が充填あるいは塗布され、導電経路や外部電極となったり、あるいは、積層電子部品に貫通孔のまま残り機械的接続に使用されたりしていた。前記グリーンシートに貫通孔を加工する方法としては、レーザー光の照射、金型による打抜き、マイクロドリルによる加工等がある。しかしながら、レーザー光の照射の場合、グリーンシートの有機バインダや無機粉末及びそれらがレーザー光により変性した物質が貫通孔の内壁面やふちに残渣として残り、マイクロドリルによる加工や金型による打抜きの場合も、グリーンシートの削り屑や内壁面が崩れた部分が残渣として残り、いずれにしてもグリーンシートの加工くずが残渣として内壁面やふちに残ってしまう。この状態で、貫通孔に導電性ペーストを充填すると、導電性ペーストの充填を阻害して充填不良が発生したり、あるいは、導電性ヘーストの充填後に残渣部分が取れたりして、結果として貫通孔内に異物が存在してしまうことになる。これにより、貫通孔形状異常による製品寸法の規格外れや導通特性に不具合が発生していた。
この問題を解決するため、図4に示すように、貫通孔を形成するグリーンシート1をPET(ポリエチエンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)等などの固体の樹脂部材からなる台材22を配置して、グリーンシートの表面側からレーザー光を照射して、貫通孔2を形成するとともに、PETやPEN等の台材22にレーザー光を到達させて、照射することにより、PETやPEN等の台材22の成分が揮発して、この揮発圧力により貫通孔内の残渣を除去することが提案されている。(例えば特許文献1参照)
特開2003−340818号公報
しかしながら、上述の多層電子部品の製造方法では、PETやPEN等の台材のレーザー光照射により揮発して発生する物質の量が少なく、揮発圧力で貫通孔内の残渣の除去が充分でないという問題があった。さらに、逆に、PET、PEN等の成分またはそれらがレーザー光により変性したものが貫通孔に残渣として残ってしまうこともあった。このように、従来の技術において、貫通孔に残渣が残る場合もあり、先の場合と同様に、貫通孔充填工程における充填不良、後で残渣部が取れることによる異物混入、孔形状異常による製品寸法の規格外れ等の問題を完全に防止できるものではなかった。
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、内壁面に残渣が存在しない貫通孔を有するグリーンシートの加工方法を提供することにある。
本発明は、グリーンシートを準備する工程Aと、前記グリーンシートの一方の面に液体を含む台材を配置する工程Bと、前記グリーンシートの他方の面にレーザー光を照射し、前記グリーンシートを貫通する貫通孔を形成するとともに、前記液体を蒸発させて、前記貫通孔の内壁面を洗浄する工程Cと、を含むグリーンシートの加工方法である。なお、前記貫通孔が洗浄されたグリーンシートは、前記台材から脱離する工程Dを含むことを特徴とする。
また、グリーンシートを準備する工程Eと、前記グリーンシートの所定の位置に貫通孔を形成する工程Fと、前記グリーンシートを、液体を含む台材上に配置させる工程Gと、前記貫通孔部に対応した部分の台材にレーザー光を照射し、前記液体を蒸発させて、前記貫通孔の内壁面を洗浄する工程Hと、を含むグリーンシートの加工方法である。なお、前記貫通孔が洗浄されたグリーンシートは、前記台材から脱離する工程Iを含むことを特徴とする。
前記グリーンシートは、無機粉末及び有機バインダから成ることを特徴とする。また、前記液体は水であることを特徴とする。また、前記液体は、分子量400程度以下の低分子量の有機材料で構成されていることを特徴とする。また、前記液体は、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、アジピン酸エステル、ハイドロクロロフロロカーボン(HCFC)から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする。
前記液体を蒸発させて前記貫通孔の内壁面に露出するグリーンシートの有機バインダを溶解させながら洗浄することを特徴とする。
また、前記液体に対する前記有機バインダの25℃における溶解度が0.1〜10%であることを特徴とする。
また、前記台材が多孔質であり、前記台材中に前記液体が含浸されていることを特徴とする。
前記台材がフィルム状であることを特徴とする。また、前記台材と前記グリーシシートとの間に支持フィルムを介在されたことを特徴とする。
本発明のグリーンシートの加工方法によれば、グリーンシートを液体が含まれる台材を配置して、前記グリーンシートの表面側(台材側と反対の面側)より所定の位置にレーザー光を照射し、前記グリーンシートに貫通孔を形成するとともに、前記レーザー光を前記台材にまで到達させる。この結果、この台材に含有される液体が、レーザー光照射による少ない熱エネルギーによって、多量に蒸発することになる。その結果、貫通孔の内壁面および縁に付着している残渣を除去(洗浄)することができる。
また、本発明のグリーンシートの加工方法によれば、上述のグリーンシートの加工の様にレーザー光による貫通孔形成と貫通孔の内壁面の残渣の除去を同時に行うのではなく、グリーンシートに予め貫通孔を形成しておき、このようなグリーンシートを台材に配置して、貫通孔内の残渣の除去を行ってもよい。貫通孔の形成と貫通孔の内壁面の残渣の除去を別に行えば、液体を蒸発させるレーザーのエネルギー量は、グリーンシートに貫通孔を開けるエネルギー量の影響を受けなくなるため、安定したエネルギー量で液体を蒸発させることが出来、安定した貫通孔の洗浄効果が得られる。
本発明では、液体をレーザー光によって台材に含まれる液体を蒸発させている。このため、従来のように樹脂フィルム材料の成分を揮発させて得られる揮発量に比較して、液体から蒸発する気体が非常に多量に得られることから、貫通孔の残渣を容易に貫通孔の外部に除去することができる。
更に、液体として水を用いることにより、取り扱いが容易となり、有機成分に比較して引火などの問題は一切発生しない。そのため、引火等の事故を防ぐために加工条件が制限されることがなくなり、加工条件の選択の範囲が広がる。例えば、レーザー光のエネルギーを高くすることができるので、蒸発した液体が勢いよく貫通孔の内壁面に接するので、残渣を吹き飛ばす効果が高められ、除去効果が高くなる。
また更に、液体として分子量が400以下の有機材料の液体を用いることにより、少ないエネルギー量のレーザー光で多くの気体を蒸発させることができるため、洗浄効果を向上させることができる。
更にまた、グリーンシートの有機バインダに応じて台材に含有させる液体を適宜選択することにより、液体のの蒸発時に前記貫通孔の内壁面のグリーンシートに含まれる有機バインダを溶解させることができるため、残渣の除去の効果が一層向上する。
また更に、液体に対する有機バインダの25℃における溶解度が0.1%〜10%に設定することが重要である。なお、液体の有機バインダの25℃における溶解度が0.1%未満では、上述の有機バインダを溶解する効果が小さく、溶解度が10%を越えると、貫通孔内壁面で台材の近傍のシートでの溶解度合いが大きく、台材の反対側では溶解度合いが小さくなり、貫通孔の形状が不安定となってしまう。
更にまた、前記台材が多孔質であり、前記台材中に前記液体が含浸されていることから、蒸発した液体はレーザー光が照射された貫通孔直下の台材からだけでなく、レーザー光の熱の伝わる周囲の部分からも発生し、洗浄効果が高くなる。
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(d)は本発明のグリーンシート各プロセスにより加工されたグリーンシートの一形態である。グリーンシート1には、貫通孔2が形成されている。グリーンシート1は、無機物粉末と有機バインダから成っており、その厚みは例えば、1〜200μmに設定される。無機物粉末としては、例えば、BaTiO、CaTiO、SrTiO等を主成分とする高誘電率の誘電体材料が用いられる。有機バインダとしては、例えば、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレートが用いられる。ポリビニルアセタールは有機バインダの靱性が高いため、グリーンシートの強度が強くなり、グリーンシートの加工精度が高くなるため好ましい。ポリアクリレート、ポリメタクリレートは有機バインダの熱分解が低い温度でおこり、誘電体層の層間剥離がおこりにくいため好ましい。グリーンシート1の貫通孔2には、この後、例えば導体ペースト等が充填、あるいは内壁面に塗布される等の加工が行われる。その後、グリーンシート1は複数積層され、積層電子部品の製造に用いられる。
続いて、本発明による第1の実施形態であるグリーンシートの加工方法を説明する。
図1(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態によるグリーンシートの加工方法の断面図である。本発明によるグリーンシート1の加工方法は、工程A〜工程Dを経て貫通孔2が形成される。
(工程A) BaTiO、CaTiO、SrTiO等を主成分とする誘電体材料の粉末に適当な有機溶剤、ガラス粉末、有機バインダとしてポリビニルブチラール等を加えて混合してスラリーを作成し、得られたスラリーを公知のドクターブレード法等によって所定形状、所定寸法の誘電体層となるグリーンシート1を形成する。
(工程B) 図1(b)に示す様に、グリーンシート1の一方の面を、液体を含んだ台材12の支持面に配置する。
(工程C) 図1(c)に示す様に、グリーンシート1の他方の面側より所定の位置にレーザー光13を照射し、グリーンシート1に貫通孔2を形成するとともに、レーザー光13を台材12の支持面にまで到達させる。これにより、台材12中の液体が多量の気体が蒸発して、貫通孔2の内壁面およびへりに付着している残渣を除去することが出来る。この台材12に含有された液体にかえて、例えば、固体や固体状の高分子物質を用いた場合、固体から揮発する物質の体積は少ない。すなわち、固体状が高分子物質の場合はレーザー光13により分解されてもモノマーやCO、HO、NO等の高分子物質に含まれる個別の分子状態まで分解されるとは限らないため揮発分の体積は少ない。また、固体や固体状の高分子物質あるいは、それらから変成された分解が不充分な固形物が貫通孔2の内壁面に付着してしまうこともある。本願発明のように台材12に液体を含有させれば少ないエネルギーで液体から大量の成分を蒸発させることが出来る。なお、液体の材料としては、例えば、水、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、アジピン酸エステル、ハイドロクロロフロロカーボン(HCFC)等を用いることが出来る。液体が水を用いた場合には、レーザー光の熱エネルギーにより、有機物に比較して引火等の事故が起きることはない。そのため、引火等の事故を防ぐために加工条件が制限されることがなくなり、加工条件の選択の範囲が広がる。このため、レーザー光のエネルギーを高くすることができるため、蒸発した水分(水蒸気)が高速・高圧力で貫通孔2の内壁面に接するため、残渣を吹き飛ばす効果が高められ、洗浄効果が高くなる。
なお、液体としては水に限らず分子量400程度以下の低分子量の液体を使用すればよい。分子量400以下とすれば、レーザー光の照射により、充分な量の気体が発生する。分子量400以下の液体としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジオクチル、HCFC−123、HCFC−124等が例示できる。さらに分子量100程度以下の液体を使用すれば、蒸発後の体積が大きくなるため、洗浄効果が高くなるため好ましい。分子量100以下の液体としてはHCFC−22、水等が例示できる。
また、台材12に含有される液体の含有率を20重量%以上とすれば、液体の蒸発量が多くなり、洗浄効果が高くなる。さらに、洗浄剤の蒸発量を多くして洗浄効果を更に高くするため、台材12に含有する液体の含有率を50%以上であることが好ましい。
更に、液体に対するグリーンシート1の有機バインダの25℃における溶解度を0.1%以上とすることにより、液体は単に蒸発して物理的に残渣を吹き飛ばすだけでなく、材質がグリーンシート1又はグリーンシート1が変性したできた残渣、および、残渣が付着している部分のグリーンシート1を容易に溶解するため、より高い洗浄効果が得られる。また、液体に対するグリーンシート1の有機バインダの25℃における溶解度が10%以下あることから、グリーンシート1の貫通孔2の台材付近での洗浄効果と、グリーンシート1の表面側での洗浄効果の差を少なくし、形状の差を少なくしている。なお、形状の差を少なくするため、洗浄剤に対するグリーンシート1の有機バインダの25℃における溶解度は2%以下であるのがより好ましい。
上述の溶解度を満足させるグリーンシート1を構成する有機バインダと液体の組合せとしては、例えば、有機バインダとしてポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等と、液体として水の組合せが例示できる。なお、この場合、ポリアクリレート、ポリメタクリレートはカルボキシル基、水酸基等の極性基を付加して水への溶解度を高くする必要がある。
また、別の組合せとしては、有機バインダとしてポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等と、液体としてフタル酸エステル、アジピン酸エステルの組合せが例示できる。
なお、液体の蒸発による有機バインダの溶解性を評価する方法として、沸騰している液体に対する有機バインダの溶解度を測定してもよく、沸騰時の液体に対するグリーンシート1の有機バインダの溶解度は、溶解性をよくするため20%以上好ましく、さらには、貫通孔2の台材側の部分とその反対側の部分の形状の差を少なくするため100%以下が好ましい。
台材12としては、例えば、紙、多孔質のPET、多孔質のPEN等の多孔質の基材に液体を含浸させたものが用いられる。このとき、台材12の基材が多孔質であれば、液体は台材12のレーザー光13が照射された貫通孔2の直下部分だけではなく、レーザー光の熱の伝わる周囲の部分からも発生して洗浄効果が高くなる。なお、レーザー光を照射して液体を蒸発させている際、台材12のグリーンシート1が配置された面と反対面から液体を供給するようにすれば、複数の貫通孔2が近接したグリーンシート1であって、貫通孔2を1つずつ加工する場合でも、近接しあう貫通孔2すべてに対して安定した洗浄効果が得られる。
また、台材12の形態がフィルム状とすれば加工装置内で台材12とグリーンシート1を同時に搬送したり、台材12をローラー等で送ることにより加工に使用した台材12を加工に使用していない台材12に入れ替えたりすることが容易となる。
(工程D) このようにして、貫通孔2および貫通孔2の内壁面が洗浄されたグリーンシート1を、台材12の支持面から脱離する。
続いて、本発明による第2の実施形態であるグリーンシートの加工方法を第1の実施例に基づいて説明する。ただし、前述の実施例と重複する説明は省く。
図3(b)は本発明の第2の実施形態によるグリーンシート加工方法の主要工程における断面図である。具体的には、グリーンシート1と台材12との間に、第2の台材である支持フィルム14を介在させた。
本発明によるグリーンシート1の加工方法は、工程A〜工程Dを経て貫通孔2が形成されるものであるが、前述の工程A〜工程Dと比較して以下の変更をおこなったものである。
工程Aにおいて、グリーンシート1を、液体の含有率が2重量%以下である支持フィルム14を貼着する。支持フィルム14の材質としては、液体成分が2%以下である通常のPETやPENが例示できる。なお、グリーンシート1と支持フィルム14の貼着は、スラリーを支持フィルム14上に塗布して支持フィルム14上にグリーンシート1を成形することで行ってもよい。
工程Bにおいて、グリーンシート1と支持フィルム14の支持フィルム側を液体である洗浄剤の含有率が20重量%以上である台材12の支持面に配置する。
工程Cにおいて、グリーンシート1の所定の位置にレーザー光13を照射し、グリーンシート1と支持フィルム14に貫通孔2を形成するとともに、レーザー光13を台材12の支持面まで到達させ、台材12から液体を多量に蒸発させ、貫通孔2の内壁面およびへりに付着している残渣を除去することが出来る。このときの液体の蒸発する経路16を模式的に表したのが図3(b)である。支持フィルム14が無い場合、図3(a)に示すようにグリーンシート1の台材12の近傍部分は、台材12から離れた部分と比較して、液体の蒸発分が垂直かつ多くグリーンシート1の貫通孔2の内壁面に接触するため、グリーンリートの1の溶解する量が大きくなり、グリーンシート1の貫通孔2の台材12側の部分と離れる側の部分で貫通孔2の形状に差ができることがあったが、支持フィルム14を介在させることにより、グリーンシート1の貫通孔2の台材12近傍部分と台材12から離れた部分とで液体の蒸発分のあたる角度、量共に差が少なくなり、グリーンシート1の貫通孔2の形状の差を少なくすることができる。
さらに、支持フィルム14の厚さtと貫通孔2の直径dの関係をt≧dとすれば、支持フィルム14を通り抜けて、グリーンシート1の貫通孔2に到達した蒸発した液体はグリーンシート1の貫通孔2の内壁面に略平行に当たるようになり、貫通孔2の形状の差を少なく出来るためさらに好ましい。
続いて、本発明による第3の実施形態であるグリーンシートの加工方法を説明する。ただし、前述の実施例と重複する説明は省く。
図2(a)〜(e)は本発明の第3の実施形態によるグリーンシートの加工方法を示す主要工程の断面図である。本発明によるグリーンシート1の加工方法は、工程E〜工程Iを経て貫通孔2が形成される。
(工程E) まず、所定形状、所定寸法のグリーンシート1を形成する。
(工程F) 図2(b)に示す様に、グリーンシート1の所定の位置に貫通孔2を形成する。貫通孔2の形成方法としては、レーザー光の照射、マイクロドリルによる加工、金型による打抜き等が例示できる。レーザー光の照射の場合、グリーンシート1の有機バインダや無機粉末及びそれらがレーザー光により変性した物質が貫通孔2の内壁面に残渣15が残り、マイクロドリルによる加工や金型による打抜きの場合も、グリーンシート1の削り屑や内壁面が崩れた部分が残渣15として残り、いずれにしても残渣15が内壁面に残ってしまう。
(工程G) 図2(c)に示す様に、グリーンシート1を液体の含有する台材12の支持面に配置する。液体の含有率は20重量%以上である。
(工程H) 図2(d)に示す様に、台材12の貫通孔2に対応した部分にレーザー光13を照射することにより、台材12中の液体を多量に蒸発させ、貫通孔2の内壁面およびへりに付着している残渣15を除去することが出来る。これにより、液体を蒸発させるレーザー光13のエネルギー量はグリーンシート1に貫通孔2を開けるエネルギー量のバラツキに影響されることなく一定になるため、安定した貫通孔2の洗浄効果が得られる。なお、各断面図ではレーザー光13をグリーンシート側から照射しているが、その反対側の面である台材12側から照射してもかまわない。
(工程I) グリーンシート1を台材12の支持面から脱離する。
以上の工程によってグリーンシート1に内壁面に残渣の無い貫通孔2を形成することが出来る。
この方法においても、上述したように、貫通孔を予め形成したグリーンシート1と台材12との間に、支持フィルム14を介在させてもよい。この場合の支持フィルム14においても、貫通孔2に対応する位置に、予め貫通孔を形成しておいてよい。また、グリーンシート1に形成された貫通孔を介して、レーザー光を支持フィルムに照射して、支持フィルム14に貫通孔を形成するとともに、台材12に含有された液体を蒸発させるようにしてもよい。
これにより、図3(b)に示すように、支持フィルム14に介在させることにより、グリーンシート1の貫通孔2の形状の差を少なくすることが出来る。
工程Iのあとにグリーンシート1から支持フィルム14を剥離する。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更、改良等が可能である。
例えば、図面には、台材はレーザー光が当たった部分に貫通孔が形成されていない状態を示したが、加工後の台材はレーザー光の照射された部分に貫通孔が形成されていてもよい。
また、貫通孔の形成と貫通孔洗浄に使用するレーザーは、それぞれCOレーザー、UV−YAGレーザー、あるいはエキシマレーザー等が使用できる。
なお、洗浄工程で発生した液体が、グリーンシートに微量付着することがある。これに対して、自然放置による乾燥、グリーンシートへの吸収、あるいは、必要に応じて加温等により強制乾燥を行ってもよい。
また更に、台材または液体に吸光剤を加えて、照射されるレーザー光の利用効率を高めて、加工時間を短縮したり、洗浄剤の蒸発する速度を高めて洗浄効率を高めたりしてもよい。
更にまた、上述の貫通孔の加工は、グリーンシート1枚に対して行うものに限定されるものではなく、複数のグリーンシートを積層した積層体に対して行ってもよい。
(a)〜(d)は、本発明によるグリーンシートの加工方法の主要工程の断面図である。 (a)〜(e)は、本発明による別のグリーンシートの加工方法の主要工程の断面図である。 (a)は、グリーンシートの加工方法で、グリーンシートの貫通孔の形状に差の発生した状態の断面図であり、(b)はさらに別のグリーンシートの加工方法の主要工程の断面図である。 従来のグリーンシートの加工方法の工程の断面図である。
符号の説明
1・・・グリーンシート
2・・・貫通孔
12・・・液体を含んだ台材
13・・・レーザー光
14・・・支持フィルム
15・・・貫通孔加工の残渣
16・・・液体の蒸発経路

Claims (22)

  1. グリーンシートを準備する工程Aと、
    前記グリーンシートの一方の面に液体を含む台材を配置する工程Bと、
    前記グリーンシートの他方の面にレーザー光を照射し、前記グリーンシートを貫通する貫通孔を形成するとともに、前記液体を蒸発させて、前記貫通孔の内壁面を洗浄する工程Cと、
    を含むグリーンシートの加工方法。
  2. 前記貫通孔が洗浄されたグリーンシートは、前記台材から脱離する工程Dを含むことを特徴とする請求項1に記載のグリーンシートの加工方法。
  3. 前記グリーンシートは、無機粉末及び有機バインダから成ることを特徴とする請求項1に記載のグリーンシートの加工方法。
  4. 前記液体は水であることを特徴とする請求項1に記載のグリーンシートの加工方法。
  5. 前記液体は、分子量400程度以下の低分子量の有機材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のグリーンシートの加工方法。
  6. 前記液体は、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、アジピン酸エステル、ハイドロクロロフロロカーボン(HCFC)から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1に記載のグリーンシートの加工方法。
  7. 前記液体を蒸発させて前記貫通孔の内壁面に露出するグリーンシートの有機バインダを溶解させながら洗浄することを特徴とする請求項3に記載のグリーンシートの加工方法。
  8. 前記液体に対する前記有機バインダの25℃における溶解度が0.1〜10%であることを特徴とする請求項7に記載のグリーンシート加工方法
  9. 前記台材が多孔質であり、前記台材中に前記液体が含浸されていることを特徴とする請求項1に記載のグリーンシートの加工方法。
  10. 前記台材がフィルム状である請求項1に記載のグリーンシートの加工方法。
  11. 前記台材と前記グリーシシートとの間に支持フィルムを介在されたことを特徴とする請求項1に記載のグリーンシートの加工方法。
  12. グリーンシートを準備する工程Eと、
    前記グリーンシートの所定の位置に貫通孔を形成する工程Fと、
    前記グリーンシートを、液体を含む台材上に配置させる工程Gと、
    前記貫通孔部に対応した部分の台材にレーザー光を照射し、前記液体を蒸発させて、前記貫通孔の内壁面を洗浄する工程Hと、
    を含むグリーンシートの加工方法。
  13. 前記貫通孔が洗浄されたグリーンシートは、前記台材から脱離する工程Iを含むことを特徴とする請求項12に記載のグリーンシートの加工方法。
  14. 前記グリーンシートは、無機粉末及び有機バインダから成ることを特徴とする請求項12に記載のグリーンシートの加工方法。
  15. 前記液体は水であることを特徴とする請求項12に記載のグリーンシートの加工方法。
  16. 前記液体は、分子量400程度以下の低分子量の有機材料で構成されていることを特徴とする請求項12に記載のグリーンシートの加工方法。
  17. 前記液体は、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、アジピン酸エステル、ハイドロクロロフロロカーボンから選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項12に記載のグリーンシートの加工方法。
  18. 前記液体を蒸発させて前記貫通孔の内壁面に露出するグリーンシートの有機バインダを溶解させながら洗浄することを特徴とする請求項12に記載のグリーンシートの加工方法。
  19. 前記液体に対する前記有機バインダの25℃における溶解度が0.1〜10%であることを特徴とする請求項18に記載のグリーンシート加工方法。
  20. 前記台材が多孔質であり、前記台材中に前記液体が含浸されていることを特徴とする請求項12に記載のグリーンシートの加工方法。
  21. 前記台材がフィルム状である請求項12に記載のグリーンシートの加工方法。
  22. 前記台材と前記グリーシシートとの間に支持フィルムを介在されたことを特徴とする請求項12に記載のグリーンシートの加工方法。
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JPS63112078A (ja) * 1986-10-29 1988-05-17 Hitachi Ltd 穴又は溝の加工方法
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