JP2019098393A - 紙材料の微細加工方法及びレーザー加工用の紙 - Google Patents

紙材料の微細加工方法及びレーザー加工用の紙 Download PDF

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Abstract

【課題】紙材料の表面に欠陥の少ない優れた形状の微細構造を形成可能な、紙材料の微細加工方法及びそのレーザー加工に適したレーザー加工用の紙を提供する。【解決手段】[1]波長が紫外域、且つ、パルス幅が1ps以上100ns以下、又は、波長が可視域、且つ、パルス幅が0.1ps以上1000ps以下、のパルスレーザーを紙材料の一方の面に照射することにより、前記一方の面に微細構造を形成する、紙材料の微細加工方法。[2]前記紙材料のJIS B 0601:1994に規定された算術平均粗さRaの値が2μm以下であることを特徴とする、[1]に記載の紙材料の微細加工方法。[3]JIS B 0601:1994に規定された算術平均粗さRaの値が2μm以下である、レーザー加工用の紙。【選択図】なし

Description

本発明は、紙材料の微細加工方法及びレーザー加工用の紙に関する。
従来、非金属又は金属の被加工物に対して非接触でマイクロホールやマイクロ流路等の微細構造を加工する方法としてレーザー加工が知られている(例えば、特許文献1)。
被加工物としては、サファイア、耐熱ガラス、シリコン、ステンレス鋼、樹脂等が用いられている。これらの材料は耐熱性があり、高強度なため、レーザーによる微細加工が可能だが、高価であり、硬質であるため人体接触用途には使用できない等の問題点がある。これに対し、紙は安価で、安全な材料であるが、繊維集合体であり、内部に繊維間の空隙を持つため、紙材料の表面に微細構造を形成することは難しい。また、樹脂含浸や、圧密処理により内部空隙を減らした高密度紙を用いた場合、レーザー光による熱影響のため紙中の繊維の持つ水分が気化する一方で、内部空隙がないため発生した水蒸気が逃げられないため、紙層中で破裂することによる局所破壊を生じる。そのため紙材料の具体的な微細レーザー加工についてはこれまで検討されてこなかった。
特開2012−143814号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、紙材料の表面に欠陥の少ない優れた形状の微細構造を形成可能な、紙材料の微細加工方法及びそのレーザー加工に適したレーザー加工用の紙を提供する。
[1] 波長が紫外域、且つ、パルス幅が1ps以上100ns以下、又は、波長が可視域、且つ、パルス幅が0.1ps以上1000ps以下、のパルスレーザーを紙材料の一方の面に照射することにより、前記一方の面に微細構造を形成する、紙材料の微細加工方法。
[2] 前記紙材料のJIS B 0601:1994に規定された算術平均粗さRaの値が2μm以下であることを特徴とする、[1]に記載の紙材料の微細加工方法。
[3] 前記紙材料の空隙率が35%以下であることを特徴とする[1]または[2]に記載の紙材料の微細加工方法。
[4] JIS B 0601:1994に規定された算術平均粗さRaの値が2μm以下であることを特徴とするレーザー加工用の紙。前記レーザー加工用の紙の空隙率は35%以下であることが好ましい。
[5] 空隙率が35%以下であることを特徴とするレーザー加工用の紙。
本発明の紙材料の微細加工方法によれば、紙材料の表面に欠陥の少ない優れた形状のマイクロホール、マイクロ流路等の微細構造を容易に形成することができる。
本発明のレーザー加工用の紙を用いれば、その表面に、欠陥の少ない優れた形状の微細構造を容易に形成することができる。具体的には、例えば、微細構造の壁面、底面及び微細構造近傍の紙表面に、ささくれ、毛羽、陥没等が少なく、紙表面に対してシャープな角を有する壁面と平滑な底面を有する微細構造を形成できる。
実施例1でグラシン紙に形成したマイクロホールアレイのSEM画像である。 実施例1でグラシン紙に形成したマイクロ流路のSEM画像である。 実施例2でグラシン紙に形成したマイクロホールアレイのSEM画像である。 実施例2でグラシン紙に形成したマイクロ流路のSEM画像である。 実施例3でグラシン紙に形成したマイクロホールアレイのSEM画像である。 実施例3でグラシン紙に形成したマイクロ流路のSEM画像である。 比較例1でグラシン紙にレーザーを照射した箇所のSEM画像である。 比較例1でグラシン紙にレーザーを照射した箇所のSEM画像である。
《紙材料の微細加工方法》
本発明の第一態様は、下記の波長及びパルス幅のパルスレーザーを紙材料の一方の面に照射することにより、前記一方の面に微細構造を形成する、紙材料の微細加工方法である。
本態様における第一のパルスレーザーは、波長が紫外域、且つ、パルス幅が1ps以上100ns以下のパルスレーザーである。
紫外域の波長範囲は、例えば、150nm以上380nm以下とすることができる。この波長範囲は、150〜380nmが好ましく、150〜360nmがより好ましく、150〜260nmがさらに好ましい。上記の好適な範囲であると、欠陥の少ない微細構造をより容易に形成できる。
具体的には、例えば、波長157nm程度のFレーザー、波長193nm程度のArFエキシマレーザー、波長222nm程度のKrClエキシマレーザー、波長248nm程度のKrFエキシマレーザー、波長308nm程度のXeClエキシマレーザー、波長351nm程度のXeFエキシマレーザー、波長266nm程度のYVOレーザーの四倍高調波、波長355nm程度のYVOレーザーの三倍高調波、波長355nm程度のYAGレーザーの三倍高調波等が挙げられる。
波長が短いほど、熱による被照射物のダメージが少なく、また、光学的な焦点サイズも小さくできるため、より微細な加工が可能になるが、装置がより高価になり、また加工速度も低下するため、加工形状、被加工材料に応じて、選択することができる。
第一のパルスレーザーのパルス幅は、100ns以下のいわゆるフェムト秒〜ピコ秒〜ナノ秒オーダーの範囲であれば特に限定されない。パルス幅は、100ns以下が好ましく、50ns以下がより好ましく、1ns以下がさらに好ましい。パルス幅の下限値としては、例えば1ps以上が挙げられる。パルス幅が狭いほど、欠陥の少ない微細構造をより容易に形成できる。ただし、パルス幅が狭い装置は高価で、光学系も複雑になる場合が多いので、具体的には、例えば、エキシマレーザーであれば3ns〜50ns程度が適切なパルス幅として挙げられる。上記範囲であると、欠陥が少ない微細構造をより容易に形成することができる。
本明細書において、「パルス幅」とは、JIS C 6802:2011(IEC 60825‐1:2007)の3.67項で説明されている「パルス持続時間」のことであり、パルスの立ち上がり半値点と立ち下がり半値点との間の時間幅のことをいう。この定義から、「パルス幅」はパルス半値幅(FWHM)と同義である。
第一のパルスレーザーのスポット径(照射径)は、1μm〜50μmが好ましく、1μm〜30μmがより好ましく、1μm〜10μmがさらに好ましい。上記の好適な範囲であると、欠陥の少ない微細構造をより容易に形成できる。通常、形成する微細構造の寸法よりも小さいスポット径が選択される。
なお、レーザーの照射スポットは必ずしも円形、楕円形でなくてもよく、例えばマスクを用いて整形した矩形状の照射スポットであってもよい。例えば、直線の溝を加工する場合には、矩形の照射スポットが好適である。この場合、照射スポットの短辺(巾)が加工する溝巾と同一かそれ以下であればよく、例えば30μm巾の溝であれば例えば6mm×30μmの矩形スポット等が好適に用いられる。
また、単一のレーザー光源からの照射スポットは、必ずしも一つでなくてもよく、マスクや干渉、光学的分割等を用いて、多点に分割して同時照射してもよい。
また、加工対象物に対するレーザー加工装置は必ずしも1台でなくてもよく、複数台を並べて同時加工に実施することにより、大面積、広幅を加工できるようにしてもよい。
第一のパルスレーザーの繰り返し周波数は、レーザーが安定に発振、照射できればよく特に限定されないが、例えば、10Hz〜100kHz程度とすることができる。この繰り返し周波数は、レーザー発信機の種類に応じて、安定発振する周波数が用いられる。
第一のパルスレーザーのパルスエネルギーは、例えば、1μJ〜2000mJ程度とすることができる。このパルスエネルギーは、10μJ〜200mJが好ましく、50μJ〜50mJがより好ましく、100μJ〜10mJがさらに好ましい。
上記の好適な範囲であると、欠陥の少ない微細構造をより容易に形成できる。パルスエネルギーが過大であると、加工部位周囲へのダメージや、意図せぬ貫通等を生じやすい。一方、パルスエネルギーが過小であると加工効率が悪く非経済的である。
第一のパルスレーザーの単位面積あたりの照射エネルギーは、紙厚、加工深さ、形状によって調節されるが、例えば、0.001mJ/μm〜1000mJ/μm程度とすることができる。このパルスエネルギーは、0.01mJ/μm〜100mJ/μmが好ましく、0.05mJ/μm〜50mJ/μmがより好ましく、0.1mJ/μm〜10mJ/μmがさらに好ましい。
上記の単位面積あたりの照射エネルギーは、1回のレーザーパルスによって与えてもよく、弱いパルスを複数回照射して分割して与えてもよい。好適な範囲であると、欠陥の少ない微細構造をより容易に形成できる。1回のパルスで加工すると、照射間の照射位置ずれがなく、高精度の加工が可能である。一方、複数回のパルスで加工すると、強いパルスによるダメージを避けることができる。単位面積あたりの照射パルスエネルギーを上記好適範囲にすることにより、加工部位周囲へのダメージや、意図せぬ貫通等を避けることができる。また、一方、単位面積あたりの照射パルスエネルギーを上記好適範囲にすることにより加工が不充分になることを避けることができる。
第一のパルスレーザーの、パルスエネルギーと繰り返し周波数の積で表される平均出力は、例えば、0.1W〜1500W程度とすることができる。この平均出力は、0.1〜20Wが好ましく、0.3〜10Wがより好ましく、0.5〜8Wがさらに好ましい。
上記の好適な範囲であると、欠陥の少ない微細構造をより精細かつ高効率に形成できる。レーザー出力が過大であると、加工部位周囲へのダメージや、意図せぬ貫通等を生じやすい。一方、レーザー出力が過小であると加工効率が悪く非経済的である。
本態様における第二のパルスレーザーは、波長が可視域、且つ、パルス幅が0.1ps以上1000ps以下の可視光短パルスレーザーである。
可視域の波長範囲は、例えば、380nm超830nm未満とすることができる。この波長範囲では、紙の主構成成分であるセルロースは吸収を持たないが、短パルスレーザーを用いることにより、多光子吸収プロセスにより微細加工が可能になる。また、短パルスレーザーの照射では、熱が周囲へ拡散するよりも照射部位の局所的な昇華や、分解速度が速くなるため、熱ダメージを抑制しながら微細加工が可能になる。
可視光領域で、上記短パルスを発生できるレーザーとして、上記波長、パルス幅を満たすものであればよく、特に限定されないが、例えば、波長532nm程度のYVOレーザーの二倍高調波、波長532nm程度のYAGレーザーの二倍高調波(グリーンレーザー)等が挙げられる。
第二のパルスレーザーのパルス幅は、0.1ps以上1000ps以下のいわゆるサブピコ秒〜ピコ秒オーダーの範囲であれば特に限定されない。このパルス幅は、0.1〜1000psが好ましく、0.1〜100psがより好ましく、0.1〜20psがさらに好ましい。上記の好適な範囲であると、欠陥の少ない微細構造をより容易に形成できる。具体的には、例えば、上記のYVOレーザー又はYAGレーザーであれば1〜30ps程度が挙げられる。
第二のパルスレーザーのスポット径(照射径)は、例えば、1μm〜50μm程度とすることができる。このスポット径は、1〜50μmが好ましく、1〜40μmがより好ましく、1〜30μmがさらに好ましい。上記の好適な範囲であると、欠陥の少ない微細構造をより容易に形成できる。通常、形成する微細構造の寸法よりも小さいスポット径が選択される。また、一般に20μm以下の微細形状は、目視視認が難しくなるため、目視視認されないような形状を加工する場合は20μm以下のスポット径が好ましい。
第二のパルスレーザーの繰り返し周波数は、例えば、10Hz〜100kHz程度とすることができる。この繰り返し周波数は、レーザー発信機の種類に応じて、安定発振する周波数が用いられる。
第二のパルスレーザーのパルスエネルギーは、例えば、1μJ〜2000mJ程度とすることができる。このパルスエネルギーは、10μJ〜1000mJが好ましく、50μJ〜500mJがより好ましく、100μJ〜100mJがさらに好ましい。
上記の好適な範囲であると、過大なパルスエネルギーによる損傷を防ぎ、また過小なエネルギーによる加工時間の増大がなく、欠陥の少ない微細構造をより容易により高効率に形成できる。
第二のパルスレーザーの単位面積あたりの照射エネルギーは、紙厚、加工深さ、形状によって調節されるが、例えば、0.001μJ/μm〜1000μJ/μm程度とすることができる。このパルスエネルギーは、0.01μJ/μm〜100μJ/μmが好ましく、0.05μJ/μm〜50μJ/μmがより好ましく、0.1μJ/μm〜10μJ/μmがさらに好ましい。
上記の単位面積あたりの照射エネルギーは、1回のレーザーパルスによって与えてもよく、弱いパルスを複数回照射して分割して与えてもよい。好適な範囲であると、欠陥の少ない微細構造をより容易に形成できる。1回のパルスで加工すると、照射間の照射位置ずれがなく、高精度の加工が可能である。一方、複数回のパルスで加工すると、強いパルスによるダメージを避けることができる。単位面積あたりの照射パルスエネルギーを上記好適範囲にすることにより、加工部位周囲へのダメージや、意図せぬ貫通等を避けることができる。また、一方、単位面積あたりの照射パルスエネルギーを上記好適範囲にすることにより加工が不充分になることを避けることができる。
第二のパルスレーザーの、パルスエネルギーと繰り返し周波数の積で表される平均出力は、例えば、0.1W〜1500W程度とすることができる。この平均出力は、0.1〜1000Wが好ましく、0.1〜100Wがより好ましく、1〜20Wがさらに好ましい。
上記の好適な範囲であると、過大なエネルギーによる発火等を防ぎ、また過小なエネルギーによる加工時間の増大がなく、安全かつ高効率に加工できる。
第一及び第二のパルスレーザーを紙材料の一方の面に照射する方法としては、例えば、レーザーを紙材料に照射する際、レーザーが集光する照射スポットと紙材料を相対的に移動させながら、レーザーの照射スポットを走査させる方法が挙げられる。
第一のパルスレーザーの走査速度は、例えば、1mm/s〜1000mm/sとすることができる。この走査速度は、10〜1000mm/sが好ましく、10〜500mm/sがより好ましく、200〜500mm/sがさらに好ましい。
上記の好適な範囲であると、欠陥の少ない微細構造をより容易に形成できる。
走査速度は速すぎると、所望の加工が行えなかったり、加工が断続的になったりすることがあり望ましくない。逆に遅すぎると、熱影響により、被加工物表面が破裂したり、熱膨張により波打ったり、位置がずれたりする。
同一の被加工箇所に対する、レーザー走査、照射は必ずしも一回で行わなくてもよく、複数回に分けて実施しても構わない。複数回に分けて、加工することにより、熱影響を回避して深い加工を行うことができる。
走査速度は、必ずしも単一である必要はなく、加工形状(深さ、形状、直線/曲線)に応じて変化させることも可能である。
第二のパルスレーザーの走査速度は、例えば、1mm/s〜1000mm/sとすることができる。この走査速度は、10〜1000mm/sが好ましく、10〜500mm/sがより好ましく、200〜500mm/sがさらに好ましい。
上記の好適な範囲であると、欠陥の少ない微細構造をより容易に形成できる。
以上で説明したパルスレーザーを照射する装置は、市販のレーザー発振器、光学系、マスク、ステージを用いて構成される。パルスレーザーを照射する装置の対物レンズの焦点距離は特に限定されないが、5〜200mmが好ましく用いられる。
レーザー加工によって生じる臭気、および分解生成物による光学系、駆動系の汚染を防止するために、圧縮気体を被加工物に吹き付けてもよい。また、被加工部位周辺を吸引排気してもよい。
被加工物が薄い場合は、被加工物裏面を、ステージ等に接着、粘着、静電気吸着あるいは吸引固定してもよい。
第一及び第二のパルスレーザーを照射する紙材料の照射面におけるJIS B 0601:1994に規定された算術平均粗さRaの値は、例えば、0.1μm〜3μmとすることができる。このRaは、2μm以下が好ましく、0.1〜1μmがより好ましく、0.1〜0.7μmがさらに好ましい。
上記好適な範囲のRa値を有する滑らかな照射面であるようにすると、紙表面の凹凸に影響されることが少なく、欠陥が少ない所望の微細構造をより容易に形成することができる。
上記範囲のRa値を有する紙材料としては、例えば、グラシン紙、パラフィン紙、キャスト紙、アート紙等が挙げられる。
第一及び第二のパルスレーザーを照射する紙材料の坪量は、紙の使用用途、レーザー加工形状(深さ)に応じて選択すればよく、特に限定されないが例えば、10g/m〜500g/mとすることができる。この坪量は、15〜300g/mが好ましく、30〜300g/mがより好ましく、30〜200g/mがさらに好ましい。
第一及び第二のパルスレーザーを照射する紙材料の厚みは、紙の使用用途、レーザー加工形状(深さ)に応じて選択すればよく、特に限定されないが例えば、10μm〜500μmの紙が好適に用いられる。紙材料の厚みは、無作為に選択される5箇所の厚みをJIS8118:2014に規定された厚み測定方法で測定した値の算術平均として求められる。
第一及び第二のパルスレーザーを照射する紙材料の空隙率は、例えば、0〜50%とすることができる。この空隙率は、0〜40%が好ましく、0〜35%がさらに好ましい。
紙材料の空隙率は、1−(紙の見かけ密度/紙の構成材料の真の密度)で求められる。この場合の紙の見かけ密度はJIS P8118で規定されたものであり、真の密度(g/cm)=坪量(g/m)/厚さ(mm)×1000で、坪量を厚さで割って求めたものである。なお、本定義による空隙率では、「厚さ」が紙表面近傍の凹凸を含む値であり、そのため紙層内部の空隙だけでなく、紙表面の凹凸により形成される空間も含んでいる。
空隙率が上記範囲になるように調整した紙材料を用いることにより、レーザー加工により、微細な形状を賦与することができる。空隙率が50%超であると、紙内部の繊維間の空隙が大きく、レーザーで加工した部位の断面、底面が内部空隙と連通することにより平滑にならず、所望の微細加工形状を得ることができなくなる。
以上で説明した特性を有する紙材料は、レーザー加工用の紙として好適である。
第一及び第二のパルスレーザーを照射した紙材料の一方の面に形成する微細構造としては、例えば、穴、溝(スリット)等が挙げられる。溝(スリット)はそのまま、液体流路等として用いてもよく、また、導電ペーストや高熱伝導材料等を充填して、電導路、熱伝導路としてもよい。
前記穴は紙材料を貫通した穴でもよいし、非貫通の穴でもよい。非貫通の穴として、未加工の被加工部材の持つ隔離性(例えば抗菌性)などを損なわずに、透気性、透湿性を高めることも可能である。
前記穴の開口縁の形状は円、楕円、矩形、不定形の何れでもよい。
開口縁を含む最小円の直径は、例えば、1μm〜100μm程度が挙げられる。
形成する前記穴の数は特に限定されず、例えば、アレイ状に5μm〜100μm程度のピッチで数十〜数百個を形成することができる。
前記溝としては、例えば、その長手方向に直交する断面形状がU字又はV字に近似し得る溝が挙げられる。
前記断面形状における幅としては、例えば、5μm〜100μm程度が挙げられる。
前記断面形状における深さとしては、例えば、5μm〜500μm程度が挙げられる。
前記溝の長手方向の長さとしては、例えば、1mm〜100mm程度が挙げられる。
前記溝の長手方向の形状(溝によって形成される流路の経路)は、直線状でもよいし、曲線状でもよいし、直線と曲線を組み合わせた形状でもよい。
形成する前記溝の数は特に限定されない。複数の溝を所定間隔で並べた、ライン&スペースを形成する場合、そのスペース(ピッチ)としては、例えば、5μm〜500μm程度が挙げられる。
前記断面形状における、幅、深さ、長さ、スペース等は、デジタルマイクロスコープやレーザー顕微鏡等の公知方法で測定した値の算術平均として求められる。
<作用効果>
以上で説明したように、本発明の紙材料の微細加工方法においては、第一のパルスレーザーの波長が紫外域であり、そのパルス幅がピコ秒〜ナノ秒オーダーの範囲であるので、非熱加工のアブレーションによって微細構造が形成されると考えられる。この非熱加工によって、紙材料に対する熱影響が少なくなり、欠陥が少なく、穴の開口縁及び溝の上端部の紙構造の乱れが少ない明確な形状の微細構造を形成することができる、と推測される。
また、第二のパルスレーザーの波長が可視域であり、そのパルス幅がサブピコ秒〜ピコ秒オーダーの範囲であるので、第一のパルスレーザーの場合と同様に、非熱加工のアブレーションによって微細構造が形成されると考えられる。ただし、第一のパルスレーザーと比べて第二のパルスレーザーの波長が長いため、紙材料に与える熱的影響は第二のパルスレーザーの方が大きくなる傾向がある。このため、第一のパルスレーザーの方が熱的影響の少ない分、より欠陥の少ない優れた形状の微細構造を形成できると考えらえる。
[実施例1]
下記のグラシン紙(王子エフテックス社製)に対して、ArFエキシマレーザー(Mlace社製、機種名:MLI-200)のビームを、円形の透過孔を有するマスクパターンで成形し、対物レンズで円形焦点に集光して照射した。
<紙材料の特性>
・算術平均粗さRa(JIS B 0601:1994)=0.7μm
・坪量=30.5g/m
・厚み=27.4μm
・密度=1.11g/m
・空隙率26.0%
<レーザー照射条件>
・波長=193nm
・スポット径=3μm
・パルス幅=5ns
・繰り返し周波数=50Hz
・平均出力=0.3W=パルスエネルギー6mJ×繰り返し周波数50Hz
・一箇所当たりのショット数=5ショット
・照射エネルギー=約4mJ/μm
<結果>
(1)上記の照射条件で得たレーザー光の焦点位置をガルバノミラーで移動させながら、上記のグラシン紙に照射し、直径3〜4μmの円形のマイクロホールが20μmの間隔で、3×3のグリッドで配置されたマイクロホールアレイを形成した。形成したマイクロホールを走査型電子顕微鏡で観察したところ、各マイクロホールの開口部は、ほぼ正円形の滑らかな周縁を有する、欠陥の少ない優れた形状であった。そのSEM画像を図1に示す。図1において、形成したマイクロホール間の離間距離をL1で示し、マイクロホールの孔径をL2で示した。
(2)上記の照射条件で得たレーザー光の焦点移置を500mm/sの速度で直線的に走査(線走査)しながら、上記のグラシン紙に照射し、溝巾10μm、溝深さ10μm、長さ5cmのマイクロ流路を形成した。形成したマイクロ流路の形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、溝の端面が精度良く切り立った、欠陥の少ない優れた形状であった。そのSEM画像を図2に示す。図2において上記グラシン紙の厚みをH2で示し、上記溝巾をWで示し、溝深さをH1で示した。
[実施例2]
下記のグラシン紙(王子エフテックス株式会社社製)に対して、3倍波YAGレーザー(OPIレーザー社製、機種名:OLMUV-355-3W)を対物レンズで円形焦点に集光して照射した。
<紙材料の特性>
・算術平均粗さ(JIS B 0601:1994)=0.8μm
・坪量=35g/m
・厚み=29.5μm
・密度=1.19g/m
・空隙率21%
<レーザー照射条件>
・波長=355nm
・スポット径=20μm
・パルス幅=5ns
・繰り返し周波数=20kHz
・平均出力=1W=パルスエネルギー50μJ×繰り返し周波数20kHz
・一箇所当たりのショット数=200ショット
・照射エネルギー=約3μJ/μm
<結果>
(1)上記の照射条件で得たレーザー光の焦点位置をガルバノミラーで移動させながら、上記のグラシン紙に照射し、長径30μm、短径20μmの楕円形のマイクロホールが100μmの間隔で、2×4のグリッドで配置されたマイクロホールアレイを形成した。形成したマイクロホールを走査型電子顕微鏡で観察したところ、各マイクロホールの開口部は、楕円形の滑らかな周縁を有する、欠陥の少ない優れた形状であった。そのSEM画像を図3に示す。
(2)上記の照射条件で得たレーザー光を500mm/sの速度で線走査しながら、上記のグラシン紙に照射し、溝巾20μm、溝深さ10μm、構成要素(各直線、各曲線)長さ0.1〜5mm程度、のマイクロ流路を形成した。形成したマイクロ流路の形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、その上端の縁に高さ5μm以下の微小なメクレが発生していたが、全体として欠陥の少ない良好な形状であった。そのSEM画像を図4に示す。
[実施例3]
下記のグラシン紙(王子エフテックス社製)に対して、短パルスグリーンレーザー(浜松ホトニクス社製、機種名:MOIL−ps)を対物レンズで円形焦点に集光して照射した。
<紙材料の特性>
・算術平均粗さ(JIS B 0601:1994)=0.8μm
・坪量=35g/m
・厚み=29.5μm
・密度=1.19g/m
・空隙率21%
<レーザー照射条件>
・波長=532nm
・スポット径=20μm
・パルス幅=1ps
・繰り返し周波数=20kHz
・レーザー走査速度=500mm/s
・平均出力=2.5W=パルスエネルギー125μJ×繰り返し周波数20kHz
・一箇所当たりのショット数=10ショット
・照射エネルギー=約4μJ/μm
<結果>
(1)実施例1と同様にガルバノミラーを用いて照射し、直径25μmの円形のマイクロホールが100μmの間隔で、3×4のグリッドで配置されたマイクロホールアレイを形成した。形成したマイクロホールを走査型電子顕微鏡で観察したところ、各マイクロホールの開口部は、俯瞰的(大まか)には円形の周縁を有する形状であった。その周縁には、細かいササクレやメクレが発生していたが、全体としては欠陥が少ない形状であった。そのSEM画像を図5に示す。
(2)実施例1と同様に線走査して照射し、溝巾30μm、溝深さ10μm、長さ5cmのマイクロ流路を形成した。形成したマイクロ流路の形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、その上端の縁には、細かいササクレやメクレが発生していたが、全体としては欠陥が少ない形状であった。そのSEM画像を図6に示す。
[比較例1]
実施例1で用いたものと同じグラシン紙(王子エフテックス社製)に対して、YVO4の2倍波グリーンレーザーマーカー(アマダミヤチ社製、機種名:ML−9100)を、対物レンズで円形焦点に集光して照射した。
<レーザー照射条件>
・波長=532nm
・スポット径=40μm
・パルス幅=20ns
・繰り返し周波数=20kHz
・平均出力=2.4W=パルスエネルギー200μJ×繰り返し周波数20kHz
・一箇所当たりのショット数=10ショット
・照射エネルギー=約1.6 μJ/μm
<結果>
(1)実施例1と同様にガルバノミラーを用いて照射し、直径80μmの円形のマイクロホールが100μmの間隔で、3×4のグリッドで配置されたマイクロホールアレイを形成した。形成したマイクロホールを走査型電子顕微鏡で観察したところ、各マイクロホールの開口部は、円形であるとは判別し難い周縁を有する形状であった。その周縁には、高さ数十μmもある激しいササクレやメクレが多数発生していた。そのSEM画像を図7に示す。
(2)マイクロ流路を形成する目的で、走査速度=150mm/sで上記レーザーを線走査して照射したところ、照射箇所が、高さ数十μmもある激しいササクレやメクレを伴う破損箇所となり、マイクロ流路を形成できなかった。そのSEM画像を図8に示す。
[比較例2]
実施例1で用いたものと同じグラシン紙(王子エフテックス社製)に対して、COレーザー加工機(ユニバーサルレーザー社製、機種名:Versamark)を対物レンズで円形焦点に集光して照射した。
<レーザー照射条件>
・波長=10600nm(連続波)
・スポット径=125μm
・平均出力=30W
・照射エネルギー=約1.6 μJ/μm
<結果>
(1)実施例1と同様に、縦横100μmの間隔で上記レーザーを照射したところ、照射領域が焼損し、連続して貫通した欠落領域となり、マイクロホールアレイを形成できなかった。また、加工中に発煙を生じた。
(2)実施例1と同様にマイクロ流路を形成する目的で、走査速度=150mm/sで上記レーザー光を線走査して照射したところ、照射領域が焼損し、不規則な縁をもつ巾150μ以上の連続した擬似直線状の焼損部を生じ、マイクロ流路を形成できなかった。
[比較例3]
下記のクラフト紙(王子製紙社製)を用いた以外は、比較例1と同様にレーザー照射を行った。
<紙材料の特性>
・算術平均粗さRa(JIS B 0601:1994)=7μm
・坪量=86g/m
・厚み=122μm
・密度=0.7g/m
・空隙率53%
<レーザー照射条件>
・波長=532nm
・スポット径=40μm
・パルス幅=20ns
・繰り返し周波数=20kHz
・平均出力=2.4W=パルスエネルギー200μJ×繰り返し周波数20kHz
・一箇所当たりのショット数=10ショット
・照射エネルギー=約1.6 μJ/μm
<結果>
(1)ガルバノミラーを用いてレーザー光を照射し、マイクロホールアレイを形成したところ、比較例1の結果と同様であった。
(2)マイクロ流路を形成する目的で、走査速度=150mm/sで上記レーザー光を線走査して照射したところ、マイクロ流路を形成できなかった。
[比較例4]
下記のトレーシングペーパー(王子エフテックス社社製)を用いた以外は、比較例2と同様にレーザー照射を行った。
<紙材料の特性>
・算術平均粗さ(JIS B 0601:1994)=3.2μm
<結果>
(1)レーザー光を照射したところ、マイクロホールアレイを形成できなかった。
(2)マイクロ流路を形成する目的で、走査速度=150mm/sで上記レーザー光を線走査して照射したところ、マイクロ流路を形成できなかった。
[実施例4]
下記のトレーシングペーパー(王子エフテックス社製)を用いた以外は、実施例1と同様にレーザー照射を行った。
<紙材料の特性>
・算術平均粗さRa(JIS B 0601:1994)=3.2μm
・坪量=41.7g/m
・厚み=47μm
・密度=0.89g/m
・空隙率40.8%
<レーザー照射条件>
・波長=193nm
・スポット径=3μm
・パルス幅=5ns
・繰り返し周波数=50Hz
・平均出力=0.3W=パルスエネルギー6mJ×繰り返し周波数50Hz
・一箇所当たりのショット数=5ショット
・照射エネルギー=約4mJ/μm
<結果>
(1)ガルバノミラーを用いて、上記のグラシン紙にレーザー光を照射し、直径3〜4μmの円形のマイクロホールが20μmの間隔で、3×3のグリッドで配置されたマイクロホールアレイを形成した。形成したマイクロホールを走査型電子顕微鏡で観察したところ、各マイクロホールの開口部は、ほぼ正円形の滑らかな周縁を有する、欠陥の少ない優れた形状であった。しかし、実施例1で形成したマイクロホールの形状と比べると、周縁が少しササクレており、劣っていた。
(2)レーザー光を線走査しながら、上記のグラシン紙に照射し、溝巾10μm、溝深さ10μm、長さ5cmのマイクロ流路を形成した。形成したマイクロ流路の形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、溝の端面が精度良く切り立った、欠陥の少ない優れた形状であった。しかし、実施例1で形成したマイクロ流路の形状と比べると、溝の端面が少しササクレており、劣っていた。
[実施例5]
下記のトレーシングペーパー(王子エフテックス社製)を用いた以外は、実施例2と同様にレーザー照射を行った。
<紙材料の特性>
・算術平均粗さRa(JIS B 0601:1994)=3.2μm
・坪量=41.7g/m
・厚み=47μm
・密度=0.89g/m
・空隙率40.8%
<レーザー照射条件>
・波長=355nm
・スポット径=20μm
・パルス幅=5ns
・繰り返し周波数=20kHz
・平均出力=1W=パルスエネルギー50μJ×繰り返し周波数20kHz
・一箇所当たりのショット数=200ショット
・照射エネルギー=約3μJ/μm
<結果>
(1)ガルバノミラーを用いて、上記のグラシン紙にレーザー光を照射し、長径30μm、短径20μmの楕円形のマイクロホールが100μmの間隔で、2×4のグリッドで配置されたマイクロホールアレイを形成した。形成したマイクロホールを走査型電子顕微鏡で観察したところ、各マイクロホールの開口部は、楕円形の滑らかな周縁を有する、欠陥の少ない優れた形状であった。しかし、実施例2で形成したマイクロホールの形状と比べると、周縁が少しササクレており、劣っていた。
(2)レーザー光を線走査しながら、上記のグラシン紙に照射し、溝巾30μm、溝深さ10μm、長さ5cm、のマイクロ流路を形成した。形成したマイクロ流路の形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、その上端の縁に高さ5μm以下の微小なメクレが発生していたが、全体として欠陥の少ない良好な形状であった。しかし、実施例2で形成したマイクロ流路の形状と比べると、溝の上端の縁に高さ5μm程度のササクレが形成されており、劣っていた。
[実施例6]
下記のトレーシングペーパー(王子エフテックス社製)を用いた以外は、実施例3と同様にレーザー照射を行った。
<紙材料の特性>
・算術平均粗さRa(JIS B 0601:1994)=3.2μm
・坪量=41.7g/m
・厚み=47μm
・密度=0.89g/m
・空隙率40.8%
<レーザー照射条件>
・波長=532nm
・スポット径=20μm
・パルス幅=1ps
・繰り返し周波数=20kHz
・レーザー走査速度=500mm/s
・平均出力=2.5W=パルスエネルギー125μJ×繰り返し周波数20kHz
・一箇所当たりのショット数=10ショット
・照射エネルギー=約4μJ/μm
<結果>
(1)ガルバノミラーを用いて上記のグラシン紙にレーザー光を照射し、直径25μmの円形のマイクロホールが100μmの間隔で、3×4のグリッドで配置されたマイクロホールアレイを形成した。形成したマイクロホールを走査型電子顕微鏡で観察したところ、各マイクロホールの開口部は、俯瞰的(大まか)には円形の周縁を有する形状であった。その周縁には、細かいササクレやメクレが発生していたが、全体としては欠陥が少ない形状であった。しかし、実施例3で形成したマイクロホールの形状と比べると、周縁のササクレやメクレが激しくなっており、劣っていた。
(2)レーザー光を線走査しながら、上記のグラシン紙に照射し、溝巾30μm、溝深さ10μm、長さ5cmのマイクロ流路を形成した。形成したマイクロ流路の形状を走査型電子顕微鏡で観察したところ、その上端の縁には、細かいササクレやメクレが発生していたが、全体としては欠陥が少ない形状であった。しかし、実施例3で形成したマイクロ流路の形状と比べると、溝の上端の縁におけるササクレやメクレが激しくなっており、劣っていた。
以上の実施例及び比較例の結果を下記表にまとめて示す。表中、「加工形状」は、相対的な評価であり、○は△よりも良く、△は×よりも良く、×は悪いことを表す。
<評価>
波長が紫外域、且つ、パルス幅が1ps以上100ns以下のパルスレーザーを用いた実施例1,2,4,5では、欠陥の少ない微細構造を形成できた。特に、実施例1,2では優れた形状の微細構造を形成できた。
波長が可視域、且つ、パルス幅が0.1ps以上1000ps以下のパルスレーザーを用いた実施例3,6でも、欠陥の少ない微細構造を形成できた。
比較例1,3では、波長が可視域、且つ、パルス幅が1000ps超えの20nsであったため、欠陥の多い微細構造が形成された。
比較例2,4では、波長が赤外域であったため、紙材料の焼損が激しく、目的の微細構造を形成できなかった。
本発明は、微細加工技術を利用する、電子部品分野、医療分野、化学分野、装飾・デザイン分野等において幅広く適用することができる。

Claims (5)

  1. 波長が紫外域、且つ、パルス幅が1ps以上100ns以下、又は、
    波長が可視域、且つ、パルス幅が0.1ps以上1000ps以下、
    のパルスレーザーを紙材料の一方の面に照射することにより、前記一方の面に微細構造を形成する、紙材料の微細加工方法。
  2. 前記紙材料のJIS B 0601:1994に規定された算術平均粗さRaの値が2μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の紙材料の微細加工方法。
  3. 前記紙材料の空隙率が35%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の紙材料の微細加工方法。
  4. JIS B 0601:1994に規定された算術平均粗さRaの値が2μm以下であることを特徴とするレーザー加工用の紙。
  5. 空隙率が35%以下であることを特徴とするレーザー加工用の紙。
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