JP4859393B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、貯留タンクに貯留された遊技球を排出するための球排出ユニットを備えたパチンコ遊技機等の遊技機に関する。
遊技球を使用して遊技を行う遊技機の代表的なものとしてパチンコ遊技機がある。このパチンコ遊技機の裏面側の上部には、遊技球を貯留する貯留タンクが設けられており、遊技球が入賞すると、球排出装置が作動して貯留タンクに貯留された遊技球を賞球としてパチンコ遊技機前面の上皿に排出するように構成されている。また、球貸し操作が行われた場合にも同様に球排出装置が作動して貯留タンクの球を上皿に排出する。従来、球排出装置は、貯留タンクの下方に延設された排出流路の途中に設けられているものが一般的であったが、近年では、部品点数を低減して配置スペースやコストを削減するべく、例えば、特許文献1のように、途中に排出流路を介さずに貯留タンクに直接取り付けられたものも提案されている。
この特許文献1に開示されている球排出装置(賞球払出装置)は、遊技球を保持可能な複数の保持孔が周縁に形成された回転体を、貯留タンクの底部の傾斜下端側に開設された球入口部の下方に取り付けている。そして、球入口部から導入した遊技球を保持孔に保持した状態で回転体が回転し、この回転体の下方に開設された払出口に遊技球を誘導してこの払出口から払い出すように構成されている。
特開平08−141175号公報
ところが、上記特許文献1の構成では、球入口部の周囲に多数の遊技球が幾重にも重なって滞留し易く、この滞留した遊技球の重みによって回転体の回転が妨げられてしまう虞がある。これにより、貯留タンクの遊技球を円滑に排出することが困難となる問題があった。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、貯留タンク内の遊技球を効率的に球排出ユニット側に誘導して、遊技球を円滑に排出することが可能な遊技機を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、一側から他側に向けて下り傾斜した底部を有し、内部に遊技球を貯留する貯留タンクと、
該貯留タンクの他側に配設され、この貯留タンクに貯留された遊技球を排出口を通じて1個宛排出する球排出ユニットと、
を備え、
前記球排出ユニットは、
外周縁部に形成された球保持部に遊技球を保持し、保持した遊技球を回転しながら前記排出口に誘導する保持回転体を貯留タンクの底部に配設し、
前記保持回転体の上方に、短冊状の球案内部材を、その先端を貯留タンクの一側に向けて突出した状態で貯留タンクの幅方向に複数並べて櫛歯状に設け、
回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の剛性を、上流側に位置する球案内部材の剛性よりも弱め、
各球案内部材によって流路の高さを規制しつつ遊技球を保持回転体側に案内することを特徴とする遊技機である。
なお、球保持部とは、遊技球を受け入れて保持可能な切欠や貫通孔等を意味する。
また、回転体回転方向とは、遊技球を排出口に案内するときの保持回転体の回転方向(正転方向)を意味する。
さらに、回転体回転方向の上流側及び下流側とは、貯留タンクの一端側から保持回転体を見た状態での回転方向の上流及び下流を意味する。
請求項2に記載のものは、回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の肉厚を、上流側に位置する球案内部材の肉厚よりも薄くしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機である
請求項3に記載のものは、回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の面積を、上流側に位置する球案内部材の面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機である。
請求項4に記載のものは、回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の長さを、上流側に位置する球案内部材の長さよりも短くしたことを特徴とする請求項に記載の遊技機である。
請求項5に記載のものは、回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材のを、上流側に位置する球案内部材のよりも狭くしたことを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技機である。
請求項6に記載のものは、各球案内部材は、先端に向かうに連れて徐々に上方に反らせた状態に設けられ、
回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の反りを、上流側に位置する球案内部材の反りよりも緩やかにしたことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の遊技機である。
請求項7に記載のものは、前記貯留タンクの底部を、回転体回転方向の上流側から下流側に向けて下り傾斜させ、
当該底部の回転体回転方向の上流側に、他の部分よりも一段高い段差部を設け、
当該段差部の回転体回転方向の下流側の側縁を、回転体回転方向の下流側に向けて傾斜させたことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の遊技機である。
本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、外周縁部に形成された球保持部に遊技球を保持し、保持した遊技球を回転しながら排出口に誘導する保持回転体を貯留タンクの底部に配設し、保持回転体の上方に、短冊状の球案内部材を、その先端を貯留タンクの一側に向けて突出した状態で貯留タンクの幅方向に複数並べて櫛歯状に設け、回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の剛性を、上流側に位置する球案内部材の剛性よりも弱め、各球案内部材によって流路の高さを規制しつつ遊技球を保持回転体側に案内するようにしたので、一度に多くの遊技球が保持回転体側に流れ込んで幾重にも余分に積み重なった状態で保持回転体の上方に溜まることを抑制することができる。これにより、上方の遊技球に妨げられることなく保持回転体を円滑に回転させることができ、その結果、効率良く遊技球を排出することが可能となる。
また、回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の剛性を、上流側に位置する球案内部材の剛性よりも弱めたので、遊技球は、剛性の強い上流の球案内部材側よりも剛性の低い下流の球案内部材側を流れやすくなる。したがって、遊技球を回転体回転方向の下流側へと誘導することができる。これにより、保持回転体に保持された状態で回転している遊技球と、貯留タンクの一側から流下してきた遊技球とが上流側で衝突する等して保持回転体の回転を阻害することを可及的に抑制することができ、より効率良く遊技球を排出することが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の肉厚を、上流側に位置する球案内部材の肉厚よりも薄くしたので、遊技球は、肉厚が厚く剛性の高い(即ち、流路抵抗が大きい)上流側の球案内部材よりも、肉厚が薄く剛性の低い(即ち、流路抵抗が小さい)下流側の球案内部材の下方を流れ易くなる。したがって、肉厚を変更するという簡単な構成で遊技球を回転体回転方向の下流側へと案内することができる。
請求項に記載の発明によれば、回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の面積を、上流側に位置する球案内部材の面積よりも小さくしたので、球案内部材の肉厚を変えずに耐久性上必要な強度を確保しつつ、遊技球を回転体回転方向の下流側へと案内することができる。
請求項に記載の発明によれば、回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の長さを、上流側に位置する球案内部材の長さよりも短くしたので、より簡単な構成で遊技球を回転体回転方向の下流側へと案内することができる。
請求項に記載の発明によれば、回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の幅を、上流側に位置する球案内部材の幅よりも狭くしたので、より簡単な構成で遊技球を回転体回転方向の下流側へと案内することができる。
請求項に記載の発明によれば、各球案内部材を、先端に向かうに連れて徐々に上方に反らせた状態に設け、回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の反りを、上流側に位置する球案内部材の反りよりも緩やかにしたので、肉厚や幅或いは長さを変えることなく耐久性上必要な各球案内部材の強度をより確実に確保しつつ、遊技球を回転体回転方向の下流側へとより効果的に誘導することができる。
請求項に記載の発明によれば、貯留タンクの底部を、回転体回転方向の上流側から下流側に向けて下り傾斜させ、当該底部の回転体回転方向の上流側に、他の部分よりも一段高い段差部を設け、当該段差部の回転体回転方向の下流側の側縁を、回転体回転方向の下流側に向けて傾斜させたので、貯留タンク内の遊技球を全体的に回転体回転方向の下流側へ向けて流下させつつ、回転体回転方向の上流側に向かって貯留タンクの底部を流下する遊技球を、段差部の側縁に沿って強制的に下流側へと案内することができる。また、段差部を設けることによって、流路における段差部から球案内部材までの高さがより規制されて低くなるので、遊技球が上流側に流下し難くなり、これにより、遊技球をより下流側に誘導し易くすることができる。
以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて、本発明の実施の最良の形態を図面に基づき説明する。図1はパチンコ遊技機1の背面斜視図、図2は裏機構ユニット4の前面斜視図である。なお、以下の説明においては、便宜上、特記しない限りパチンコ遊技機1の遊技者側を「前」として前後方向および左右方向を示す。
パチンコ遊技機1は、外枠(機枠あるいは本体枠)2に、大きな開放開口を有する額縁状の内枠(前面枠)3の一側を開閉可能に取り付け、この内枠3の裏面側に裏機構ユニット4を取り付けている。この裏機構ユニット4には、液晶表示装置などの表示装置5を前方から嵌め込み、この表示装置5の前面側に遊技盤(図示せず)を装着している。この遊技盤は、ガイドレールなどの区画部材により遊技部を区画し、この遊技部内のほぼ中央に設けたセンターケースの開口部内に表示装置5を臨ませて前面側(つまり遊技者側)から表示部を視認することができるように構成されている。裏機構ユニット4の下方には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置6、排出制御装置7、電源装置8、中継基板9等をそれぞれ配設している。また、裏機構ユニット4の上方には、遊技球を貯留する貯留タンク11を配設し、この貯留タンク11には、球排出ユニット12を取り付けて一体化している。即ち、球導出流路(いわゆるシュート)を間に介在させずに球排出ユニット12を貯留タンク11に直結することで、部品点数や配置スペースを削減している。この球排出ユニット12は、排出制御装置7からの制御信号に基づいて貯留タンク11に貯留されている遊技球の排出を実行するように構成されているユニットである。この球排出ユニット12の下方には、排出した遊技球をパチンコ遊技機1の前面の上皿(図示せず)へ案内する球流下路13、および、貯留タンク11内の遊技球を遊技機島内下部の球回収樋へ案内するための球抜流路14の計2条の流路を裏機構ユニット4内に延設している。なお、球排出ユニット12についての詳細は後述する。
裏機構ユニット4は、表示装置5を取り付ける取付フレーム17と、この取付フレーム17の右側縁から前方に突設した固定壁部18と、この固定壁部18とは反対側の取付フレーム17の左側に形成した流路収納部19とから構成されている。固定壁部18は、前方側先端面の上下に止着穴21a,21bを開設しており、この止着穴21a,21bに雄ネジなどの止着部材を通して内枠3側の雌ネジ部に螺合することで内枠3に固定される。流路収納部19は、内部空間を収納空部とした縦長な略筒状の部材であり、収納空部内に上記球流下路13および球抜流路14を収納している。この流路収納部19は蓋部材22を備えており、この蓋部材22を開くことで保守作業を行うことができる。
次に、裏機構ユニット4の上部に配設された貯留タンク11および球排出ユニット12について説明する。
図3は、貯留タンク11および球排出ユニット12の分解斜視図、図4は、貯留タンク11に球排出ユニット12を取り付けた状態の斜視図、図5は、貯留タンク11に球排出ユニット12を取り付けた状態の平面図である。また、図6は、図5におけるA−A線断面図であり、貯留タンク11に遊技球を貯留した状態を示している。貯留タンク11は、上面が開口した横長な有底箱体状に形成されており、その底部23を長手方向の一側(遊技機1の正面から見て右側)から他側(遊技機1の正面から見て左側)に向けて下り傾斜させている。そして、この貯留タンク11の他側の側壁を平面視円弧状に形成すると共に、その上半部分を切り欠いている。そして、この円弧状の側壁で囲まれた部分を排出ユニット取付部24としている。この排出ユニット取付部24の下部には、略円筒状のスプロケット収容部24´を下方に向けて突設している。
球排出ユニット12は、排出ステージ部材25、スプロケット26、駆動軸27、モーター取付ベース28、及び、駆動モーター29から構成されている。排出ステージ部材25は、略シャーレ状のステージ本体31と、このステージ本体31の上部開口を塞ぐ蓋部材32と、ステージ本体31に開設された排出口33を通過する遊技球を1個宛検出可能な通過センサ34とから成る。ステージ本体31の底部の略中央には、スプロケット26の下方から突設された回転軸26´(図6参照)を支持する軸受部35を突設し、この軸受部35よりも外周側には、球流下路13に連通する排出口33と、球抜流路14に連通する球抜口36を開設してある。排出口33の周囲には、この排出口33を囲繞する囲繞壁を立設し、この部分をセンサ収容部37としている。このセンサ収容部37の内側に通過センサ34を収容すると、通過センサ34に開設されたスルーホール34´と排出口33が連通するようになっている。通過センサ34は、スルーホール34´と感磁素子(図示せず)を有し、遊技球がスルーホール34´を通過した際の磁界強度変化を検出して検出信号を出力するように構成されている。即ち、通過センサ34は、排出口33を通過する遊技球を検出することができる。
蓋部材32の上面の略中央には、軸受部35に連通する軸穴39を開設してあり、その周囲の平坦な部分は、スプロケット26に保持された遊技球がスプロケット26の回転に伴って摺動する摺動ステージ40となっている。図7に示すように、この摺動ステージ40の周縁部であって、通過センサ34のスルーホール34´に対応する位置には、このスルーホール34´を露出させる露出穴41を開設し、そのスプロケット正転方向R(遊技球を排出口33から排出するときのスプロケット26の回転方向であり、本発明における回転体回転方向に相当する。)の両側と奥側(摺動ステージ40側とは反対側)には、遊技球の移動方向を規制する規制壁部42(42a,42b,42c)を立設し、この規制壁部42で囲まれた空間を球排出路43としている。なお、露出穴41の摺動ステージ中央寄りの縁部41´は、摺動ステージ40側からスルーホール34´側に向けて下り傾斜させてあり、摺動ステージ40上の遊技球を球排出路43に円滑に案内するようになっている。
球排出路43の奥側の規制壁部42bの内壁面からは案内爪44を摺動ステージ40側に向けて突設している。この案内爪44は、下側から上側に向かうにしたがって徐々に摺動ステージ40側に突出するように形成されており、その先端を球1個分スルーホール34´の上方に位置させて、球排出路43に流入してきた遊技球を1個ずつスルーホール34´に案内する。また、規制壁部42a,42bの上端面には、スルーホール34´の上方を跨ぐように天井部45を形成している。なお、スプロケット収容部24´において、球排出路43の上方に対応する部分には、スプロケット収容部24´の側壁下縁から内側(スプロケット26側)に向けて遮蔽板50(図10参照)を突設してあり、下から2段目の遊技球(即ち、摺動ステージ40上を摺動する最下段の遊技球より1つ上段の遊技球)が球排出路43の上方に移動してきた際に、この遮蔽板50によってこの2段目の遊技球が球排出路43へ流入するのを阻止するようになっている。これにより、摺動ステージ40上の遊技球を排出口33から1つずつ確実に排出することができる。
露出穴41のスプロケット正転方向Rの先方側に位置する規制壁部42cは、他の規制壁部42a,42bよりも横方向に肉厚なブロック状に形成されている。この規制壁部42cの上端面は、スプロケット収容部24´への取付状態で上記遮蔽板50の上面と連続するようになっており、下から2段目の遊技球がスプロケット26の回転に伴ってこの上端面を摺動する。また、摺動ステージ40において、露出穴41(スルーホール34´)とは規制壁部42cを挟んで反対側には、球抜口36と連通する球抜穴46を開設している。そして、規制壁部42cの球抜穴46側の側面からは、庇部47を球抜穴46側に向けて延出している。この庇部47は、上記案内爪44とほぼ同様な形状を呈し、その先端を球抜穴46の上方に位置させている。そして、スプロケット26の正転時(回転方向R)には、規制壁部42cの上端面を摺動してきた遊技球(下から2段目の遊技球)の球抜穴46への流入をこの庇部47によって阻止する一方、スプロケット26の逆転時(図7において反時計回り)には、このスプロケット26の回転に伴って摺動ステージ40を摺動してきた遊技球を球抜穴46に案内するようになっている。即ち、本実施形態においてはスプロケット26を逆転させることで、貯留タンク部11内の遊技球の球抜きを行うことができる。
このように構成された排出ステージ部材25は、摺動ステージ40を上に向けた状態で、スプロケット収容部24´の下部にその開口を塞ぐように取り付ける。排出ステージ部材25をスプロケット収容部24´の下部に取り付けると、スプロケット収容部24´の内側には摺動ステージ40が臨む。つまり、スプロケット収容部24´への取付状態において、摺動ステージ40は、スプロケット収容部24´の底面としても機能する。そして、この摺動ステージ40上に、回転軸26´を軸穴39に差し込んだ状態でスプロケット26を回転可能に取り付ける。スプロケット26は、本発明における保持回転体として機能する部材であり、その外周縁部には、遊技球を受け入れてこの遊技球を保持可能な縦溝状の球保持部51を複数備えている。本実施形態における球保持部51は、平面視において遊技球の外形に倣った円弧状の切欠によって構成し、スプロケット26の周方向に等間隔で合計10箇所形成している。また、隣り合う球保持部51同士を区画する区画壁(羽)51´に関し、スプロケット26の下部側では上部側よりもスプロケット径方向の突出長さを短くして、遊技球の球排出路43への流入を妨げないようにしている。ここで、スプロケット収容部24´の内径は、スプロケット26の外径よりも若干大きく設定している。このスプロケット収容部24´の内周面と、スプロケット26の球保持部51とにより形成される各空間内に遊技球が最大3個積み重なった状態で保持される(図6,10参照)。
スプロケット26の上部には山高帽状を呈した駆動軸27の基端部を固着し、この駆動軸27の先端部には、モーター取付ベース28を間に介在させた状態で駆動モーター29を取り付けている。駆動モーター29は、例えばステップモーターにより構成し、排出制御装置7によってその作動が制御される。この駆動モーター29を作動させることでスプロケット26を所望の角度だけ回転(正転或いは逆転)させることができる。この駆動モーター29を取り付けるモーター取付ベース28は、排出ユニット取付部24の上部開口の形状に倣った略半円状の板材により構成し、排出ユニット取付部24の円弧状側壁の上端面にビスなどの止着部材によって取り付けることで、スプロケット収容部24´の上部開口を塞ぐようになっている。したがって、このモーター取付ベース28は、排出ユニット取付部24の蓋部材としても機能し、その下面は排出ユニット取付部24の天井面として機能する。
上記モーター取付ベース28は、略中央に貫通孔52を開設し、この貫通孔52に駆動モーター29の軸を通して駆動軸27に接続した状態で、上面に駆動モーター29を取り付けるようになっている。また、モーター取付ベース28の一側縁(貯留タンク11側の側縁)からは、遮蔽壁53を上方に向けて立設している。この遮蔽壁53は、横長な矩形の板状部材であり、その幅の寸法は貯留タンク11の幅の寸法に揃えてある。また、この遮蔽壁53の高さは、排出ユニット取付部24への取付状態において上端面が貯留タンク11の側壁の上端面と揃うように設定している。そして、この遮蔽壁53は、貯留タンク11内の遊技球が駆動モーター29側に流入するのを防止する。さらに、モーター取付ベース28の一側縁には、短冊状の球案内部材55を、その先端を貯留タンクの一側に向けて突出させた状態で貯留タンク11の幅方向に複数並べて櫛歯状に配設している。即ち、これらの球案内部材55は、スプロケット26の上方(詳しくは斜め上方)に設けられており、各球案内部材55と貯留タンク11の底部23との間に形成される空間を、スプロケット26への案内流路56(本発明における流路に相当)としている。本実施形態においては、図5に示すように、合計8つの球案内部材55(55a〜55h)を櫛歯状に並べて配設し、各球案内部材55は、基端(モーター取付ベース28側)から先端に向かうに連れて徐々に上方に反らせた状態に形成してある。これにより、図6に示すように、案内流路56は、貯留タンク11の一側から球排出ユニット12側に向かうにしたがって次第に高さが低くなる。即ち、球案内部材55は、案内流路56の高さを規制しつつ遊技球をスプロケット26側に案内するようになっている。これにより、一度に多くの遊技球がスプロケット26側に流れ込んで幾重にも積み重なった状態でスプロケット26の上方に溜まることを抑制することができる。これにより、上方の遊技球に妨げられることなくスプロケット26を円滑に回転させることができ、その結果、効率良く遊技球を排出することが可能となる。
ところで、遊技球が貯留タンク11の一側から他側のスプロケット26に流入する際に、スプロケット回転方向R(以下、特に明記しない限りはスプロケット26の正転方向を意味する)の上流側に遊技球が流れ込むと、この遊技球が、スプロケット26に保持されながら回転している遊技球に対して流れに逆らう状態で衝突する等してスプロケット26の円滑な回転を阻害する虞がある。そのため、上記パチンコ遊技機1では、遊技球が貯留タンク11の一側から他側のスプロケット26に流入する際に、遊技球を可及的にスプロケット回転方向Rの下流側へと誘導するように構成している。以下、この点について説明する。
図8は、図5におけるB−B線断面図である。同図に示すように、まず、貯留タンク11の底部23をスプロケット回転方向Rの上流側から下流側(図8において右側から左側)に向けて下り傾斜させている。これにより、貯留タンク11内の遊技球を全体的にスプロケット回転方向Rの上流側から下流側へ向けて流下させるようにすることができる。また、貯留タンク11の底部23における上流側には、他の部分よりも一段高い段差部59を設け、図5に示すように、この段差部59のスプロケット回転方向下流側の側縁60を、球排出ユニット12側に向かうに連れて次第に下流側に向けて傾斜させている。これにより、スプロケット回転方向Rの上流側に向かって貯留タンク11の底部23を流下する遊技球を、この段差部59の側縁60によって強制的に下流側へと案内することができる。また、この段差部59を設けることによって、段差部59を設けない部分と比較して球案内部材55までの距離が小さくなるので(即ち、案内流路56の高さが低くなるので)、遊技球が上流側に流下し難くなり、これにより、遊技球をより下流側に誘導し易くすることができる。
さらに、本実施形態においては、スプロケット回転方向Rの下流側に位置する球案内部材55の剛性を、上流側に位置する球案内部材55の剛性よりも弱めている。より具体的には、図8に示すように、下流側に位置する球案内部材55の肉厚を、上流側に位置する球案内部材55の肉厚よりも薄くすることで各々の剛性を変えている。即ち、最も上流側に位置する球案内部材55aの肉厚が最も厚く、55b、55c…と下流側の球案内部材55ほど徐々に厚さが薄くなり、最も下流側の球案内部材55hの肉厚が最も薄くなっている。この球案内部材55は、上述のように案内流路56の高さを規制しており、その剛性の強弱によって案内流路56の流路抵抗(遊技球に対する押さえ付け力)の大小が決まる。したがって、案内流路56を流下する遊技球は、肉厚が厚く剛性の高い(即ち、流路抵抗が大きい)上流側の球案内部材55よりも、肉厚が薄く剛性の低い(即ち、流路抵抗が小さい)下流側の球案内部材55の下方を流れ易くなる。これにより、貯留タンク11の底部23の傾斜や段差部59の側縁60による誘導作用と相俟って、遊技球をスプロケット回転方向Rの下流側へとより効果的に誘導することができる。その結果、スプロケット26に保持された状態で回転している遊技球と、貯留タンク11の一側から流下してきた遊技球とが上流側で衝突する等してスプロケット26の回転を阻害することを可及的に抑制することができ、より効率良く遊技球を排出することが可能となる。また、本実施形態においては、球案内部材55の肉厚を変えるという簡単な構成で遊技球を誘導することができる。
次に、以上のように構成された球排出ユニット12の動作について説明する。図9に示すように、貯留タンク11内に貯留された遊技球は、底部23の傾斜、段差部59の側縁60、球案内部材55によってスプロケット回転方向Rの下流側へと誘導されながらスプロケット26側へと流れ込み、このスプロケット26の球保持部材51に保持される。スプロケット26に保持しきれなかった遊技球はスプロケット26の上方に溜まるが、球案内部材55やモーター取り付けベース28によってスプロケット上方の空間の高さを規定しているので、スプロケット26の回転動作に支障を来すほど大量に溜まることを防止することができる。
本実施形態におけるスプロケット26は、図6に示すように、1つの球保持部51に縦方向に最大3つまで遊技球を保持することができ、最下段の遊技球は、図10に示すように、排出ステージ部材25の摺動ステージ40上に位置する。そして、遊技球が入賞すると、排出制御装置7の制御によって駆動モーター29が作動してスプロケット26が正転し、最下段の遊技球は、このスプロケット26の回転に伴って摺動ステージ40上を摺動する。最下段の遊技球が露出穴41まで移動すると、この露出穴41の縁部41´が摺動ステージ40側からスルーホール34´側に向けて下り傾斜しているので、この遊技球は、球排出路43側(図10における矢印A)に流入する。この球排出路43に流入した遊技球は、案内爪44によって通過センサ34に開設されたスルーホール34´に案内され、このスルーホール34´を通過する。通過センサ34は、この遊技球の通過を検出し、検出信号を排出制御装置7に出力する。そして、スルーホール34´を通過した遊技球は、排出口33から排出される。
一方、球排出路43に流入する遊技球の1つ上(2段目)の遊技球は、スプロケット収容部24´の側壁下縁から内側に向けて突設された遮蔽板50の上部に移動し(図10における矢印B)、球排出路43への流入が阻止される。したがって、この2段目の遊技球は、排出口33から排出されない。その後、この2段目の遊技球は、スプロケット26の回転に伴って遮蔽板50から規制壁部42cの上端面に乗り移り、さらにスプロケット26が回転すると、規制壁部42cの上端面から下方に落下する。この際、規制壁部42cの庇部47を球抜口36の上方に延出しているので(図7参照)、この遊技球は、球抜口36に流入することなく、摺動ステージ40上に落下する。
このようにして、貯留タンク11の遊技球が、球排出ユニット12によって排出口33から1個宛排出され、球流下路13を通じて賞球としてパチンコ遊技機前面の上皿に排出される。
ところで、球案内部材55に関し、上記第1実施形態では、下流側に位置する球案内部材55の肉厚を、上流側に位置する球案内部材55の肉厚よりも薄くすることで各々の剛性を変えるようにしたが、これには限定されず、例えば、以下で説明する各実施形態のように、スプロケット回転方向の下流側に位置する球案内部材55の面積を、上流側に位置する球案内部材55の面積よりも小さくするようにしても良い。
図11は、本発明の第2実施形態における貯留タンク11及び球排出ユニット12の構成を説明する平面図である。この第2実施形態では、基本的な構造は上記第1実施形態と同じであるが、各案内部材55の肉厚を夫々異ならせる代わりに、各案内部材55の幅(案内部材列設方向の幅)をスプロケット回転方向Rの上流側と下流側で夫々変えている。具体的には、下流側に位置する球案内部材55の幅を、上流側に位置する球案内部材55の幅よりも狭くしている。即ち、最も上流側に位置する球案内部材55aの幅が最も広く(即ち、面積が最も大きく)、下流側の球案内部材55ほど徐々に幅が狭くなり、最も下流側の球案内部材55hの幅が最も狭く(即ち、面積が最も小さく)なっている。したがって、案内流路56を流下する遊技球は、幅が広く流路抵抗が大きい上流側の球案内部材55よりも、幅が狭く流路抵抗が小さい下流側の球案内部材55の下方を流れ易くなる。これにより、肉厚を変えずに耐久性上必要な強度を確保しつつ、遊技球をスプロケット回転方向Rの下流側へとより効果的に誘導することができる。
また、各案内部材55の面積をスプロケット回転方向Rの上流側と下流側で夫々異ならせるという観点から、図12に示す第3実施形態のように、下流側に位置する球案内部材55の長さ(貯留タンク11の一側への突出長さ)を、上流側に位置する球案内部材55の長さよりも短くする構成を採用することもできる。即ち、最も上流側に位置する球案内部材55aの貯留タンク11の一側への突出長さが最も長く、下流側の球案内部材55ほど徐々に長さが短くなり、最も下流側の球案内部材55hの突出長さが最も短い。この第3実施形態の構成によれば、各球案内部材55の長さを夫々異ならせるという、より簡単な構成で遊技球をスプロケット回転方向Rの下流側へとより効果的に誘導することができる。
図13は、本発明の第4実施形態の構成を示す図であり、球案内部材55及びモーター取付けベース28を側方から見た図である。この第4実施形態では、各球案内部材55の反り具合をスプロケット回転方向Rの上流側と下流側で異ならせている。具体的には、下流側に位置する球案内部材55の反りを、上流側に位置する球案内部材55の反りよりも緩やかにしている。即ち、最も上流側に位置する球案内部材55aの反りが最も急峻で、下流側の球案内部材55ほど徐々に反りが緩やかになり、最も下流側の球案内部材55hの反りが最も緩やかとなっている。なお、同図では、分かりやすくするため、球案内部材55aと55hの間にある球案内部材55b〜55gについては簡略化(1つで代表)して図示しているが、何れも反り具合は異なる。また、側方視における基端の位置と先端の位置は各球案内部材55で一致しており、反り具合だけが異なる。この第4実施形態の構成によれば、肉厚や幅或いは長さを変えることなく耐久性上必要な各球案内部材55の強度をより確実に確保しつつ、遊技球をスプロケット回転方向Rの下流側へと効果的に誘導することができる。
また、以上では、各実施形態をそれぞれ個別に示したが、例えば、各実施形態の構成を組み合わせることもできる。即ち、例えば、各球案内部材55の肉厚をスプロケット回転方向Rの上流側と下流側で異ならせると共に、各球案内部材55の反り具合を上流側と下流側で異ならせたり、或いは、上記各実施形態の全ての構成を組み合わせたりすることができる。
また、以上では、本発明における保持回転体として、スプロケット26を例示したが、これには限らない。例えば、円盤状の回転体の周縁部に遊技球を保持可能な貫通孔を開設したものであってもよい。要は、遊技球を受け入れて保持可能な切欠や貫通孔等を備え、保持した遊技球を回転しながら排出口に誘導できるものであればよい。
なお、上記各実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例示して説明したが、本発明はこれに限らず、貯留タンクに貯留された遊技球を排出するための球排出ユニットを備えたものであれば、例えば、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
また、上記各実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。
パチンコ遊技機の背面図である。 裏機構ユニットの前面斜視図である。 貯留タンクおよび球排出ユニットの分解斜視図である。 貯留タンクに球排出ユニットを取り付けた状態の斜視図である。 貯留タンクに球排出ユニットを取り付けた状態の平面図である。 図5におけるA−A線断面図である。 排出ステージ部材の斜視図である。 図5におけるB−B線断面図である。 遊技球の流れを説明する貯留タンク及び球排出ユニットの平面図である。 遊技球の排出動作を説明する模式図である。 第2実施形態における貯留タンク及び球排出ユニットの平面図である。 第3実施形態における貯留タンク及び球排出ユニットの平面図である。 第4実施形態における球案内部材及びモーター取付けベースの側方図である。
符号の説明
1 パチンコ遊技機
4 裏機構ユニット
7 排出制御装置
11 貯留タンク
12 球排出ユニット
13 球流下路
14 球抜流路
23 底部
24 排出ユニット取付部
25 排出ステージ部材
26 スプロケット
27 駆動軸
28 モーター取付けベース
29 駆動モーター
31 ステージ本体
32 蓋部材
33 排出口
34 通過センサ
36 球抜口
40 摺動ステージ
41 露出穴
42 規制壁部
43 球排出路
44 案内爪
46 球抜穴
47 庇部
50 遮蔽版
51 球保持部
53 遮蔽壁
55 球案内部材
56 球案内流路
59 段差部
60 側縁

Claims (7)

  1. 一側から他側に向けて下り傾斜した底部を有し、内部に遊技球を貯留する貯留タンクと、
    該貯留タンクの他側に配設され、この貯留タンクに貯留された遊技球を排出口を通じて1個宛排出する球排出ユニットと、
    を備え、
    前記球排出ユニットは、
    外周縁部に形成された球保持部に遊技球を保持し、保持した遊技球を回転しながら前記排出口に誘導する保持回転体を貯留タンクの底部に配設し、
    前記保持回転体の上方に、短冊状の球案内部材を、その先端を貯留タンクの一側に向けて突出した状態で貯留タンクの幅方向に複数並べて櫛歯状に設け、
    回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の剛性を、上流側に位置する球案内部材の剛性よりも弱め、
    各球案内部材によって流路の高さを規制しつつ遊技球を保持回転体側に案内することを特徴とする遊技機。
  2. 回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の肉厚を、上流側に位置する球案内部材の肉厚よりも薄くしたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の面積を、上流側に位置する球案内部材の面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の長さを、上流側に位置する球案内部材の長さよりも短くしたことを特徴とする請求項に記載の遊技機。
  5. 回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材のを、上流側に位置する球案内部材のよりも狭くしたことを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技機。
  6. 各球案内部材は、先端に向かうに連れて徐々に上方に反らせた状態に設けられ、
    回転体回転方向の下流側に位置する球案内部材の反りを、上流側に位置する球案内部材の反りよりも緩やかにしたことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の遊技機。
  7. 前記貯留タンクの底部を、回転体回転方向の上流側から下流側に向けて下り傾斜させ、
    当該底部の回転体回転方向の上流側に、他の部分よりも一段高い段差部を設け、
    当該段差部の回転体回転方向の下流側の側縁を、回転体回転方向の下流側に向けて傾斜させたことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の遊技機。
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