パチンコ機は、遊技者による発射レバーの回動操作によって発射された遊技球が遊技領域に設けられた入賞装置に入賞すると、賞球としての遊技球を払い出すようになっている。具体的には、遊技球の入賞装置への入賞をきっかけとして払出装置を駆動せしめることにより、タンクレールを介して払出装置に接続された球タンクに貯留されている遊技球を払い出すようになっている。
そこにおいて、近年のパチンコ機にあっては、遊技領域に設けられた液晶表示装置や役物が大きくなっていることから、液晶表示装置や役物の駆動源が、遊技領域が形成された遊技盤の上端近くに位置せしめられることとなり、遊技盤がパチンコ機本体としての中枠に取り付けられた状態で、液晶表示装置や役物の駆動源が球タンクの底に接続されたタンクレールに当たってしまい、タンクレールが邪魔になっているという問題があった。
すなわち、従来のパチンコ機では、液晶表示装置や役物の駆動源が、遊技盤の中央付近に設けられていたことから、球タンクの底にタンクレールが接続されていても、タンクレールが液晶表示装置や役物の駆動源に当たることはなかった。しかしながら、近年のパチンコ機では、液晶表示装置や役物の駆動源が、遊技盤の上端近くに設けられていることから、タンクレールが球タンクの底に接続されていると、液晶表示装置や役物の駆動源がタンクレールに当たってしまう。それ故、球タンクの下方に十分なスペースを確保するために、タンクレールの配設位置等を検討する必要があった。
そこで、特許文献1において、パチンコ機の奥行方向で球タンクの隣りに配設する構造のタンクレールが提案されている。かかる特許文献1に記載のタンクレールを採用すると、球タンクの下方に十分なスペースを確保することが可能となる。その結果、液晶表示装置や役物の駆動源が遊技盤の上端付近に配設されている場合であっても、液晶表示装置や役物の駆動源がタンクレールに当たってしまうことを有利に回避することが可能となる。
ところで、球タンクやタンクレール等のパチンコ機の裏側に配設される部材のパチンコ機裏側への突出量は、特許文献1に記載のタンクレールを採用する場合であっても、従来のパチンコ機と略同じであることが必要とされる。これは、パチンコ機を島設備に設置した際に、タンクレール等のパチンコ機裏側に配設される部材が、同じ島設備に設置されている他のパチンコ機に当たってしまうことを防ぐためである。
しかしながら、特許文献1に記載のタンクレールを採用する際に、タンクレールのパチンコ機後方への突出端位置を従来のパチンコ機における球タンクのパチンコ機後方への突出端位置と同じ位置にすると、球タンクとタンクレールを仕切っている仕切壁が島設備からの遊技球の供給に際して邪魔になるおそれがあった。
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、島設備からの遊技球の補給に際して仕切壁が邪魔にならないようにすることが出来る、新規な構造のパチンコ機を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
本発明は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を受けて貯留する球受凹所が上方に開口して形成されており、かかる球受凹所に貯留されている遊技球を払出装置に向けて排出するタンクユニットを備えたパチンコ機において、パチンコ機の幅方向一方から他方へ下る第一傾斜面を含んで構成された底面を備えており、島設備から供給される遊技球を受けて貯留するタンク領域と、タンク領域に対してパチンコ機の奥側で隣接して、第一の傾斜面とは反対方向に下る第二傾斜面を含んで構成された底面を備えており、タンク領域に貯留されている遊技球を所定方向に誘導しながら整列させるレール領域と、タンク領域の下流端とレール領域の上流端を接続する接続領域とが、タンクユニットの球受凹所内に形成されており、タンク領域の底面に落下した遊技球は、タンク領域から接続領域を経由してレール領域に至り、レール領域の下流端から払出装置に向けて排出されるようになっている一方、タンク領域とレール領域の境界部分のタンク領域側にはタンク領域における上流端から下流側に向けて延びる仕切壁がタンク領域の底面から起立して設けられていると共に、仕切壁をタンクユニットに対してスライド変位可能としてタンク領域における上流端から下流側への延び出し寸法を可変とするスライド機構が設けられていることを、特徴とする。
このような本発明に従う構造とされたパチンコ機においては、タンク領域とレール領域を仕切る仕切壁におけるタンク領域の上流端から下流側への延び出し寸法が変更可能とされていることから、仕切壁におけるタンク領域の上流端から下流側への延び出し寸法を島設備からの遊技球の供給口の位置に応じて適宜変更することにより、仕切壁が島設備からの遊技球の供給に際して邪魔にならないようにすることが可能となる。
なお、本発明において、タンク領域の底面は第一傾斜面だけで構成されていても良く、また、レール領域の底面は第二傾斜面だけで構成されていても良い。
また、本発明において、タンク領域の下流端とレール領域の上流端は、同じ高さ位置にある必要はない。換言すれば、タンク領域の下流端とレール領域の上流端を接続する接続領域の底面は、水平面である必要はなく、傾斜面であっても良い。そこにおいて、タンク領域の下流端とレール領域の上流端が同じ高さ位置にある場合には、タンクユニットの底を上方に位置せしめることが可能となる。その結果、タンクユニットの下方により大きなスペースを確保することが可能となる。一方、タンク領域の下流端のほうがレール領域の上流端よりも高い位置にある場合には、タンク領域を流下してきた遊技球がレール領域へ向けて容易に流れ出すようにすることが可能となる。換言すれば、遊技球の流下方向の変更を容易に実現することが可能となる。
さらに、本発明において、タンク領域の下流端とレール領域の上流端は、パチンコ機の幅方向で同じ位置にある必要はないが、レール領域の上流端がタンク領域の下流端に対してパチンコ機の幅方向一方の側に位置するよりも幅方向他方の側に位置するほうが望ましい。これにより、レール領域における遊技球の流下方向の長さ、即ち、レール領域を遊技球が流下する距離を大きくすることが可能となる。それ結果、従来から公知の球均し部材を利用した球均しをレール領域において有利に行うことが可能となる。
更にまた、本発明において、タンク領域の上流端とレール領域の下流端は、パチンコ機の幅方向で同じ位置にある必要はないが、レール領域の下流端がタンク領域の上流端に対してパチンコ機の幅方向他方の側に位置するよりも幅方向一方の側に位置するほうが望ましい。これにより、レール領域における遊技球の流下方向の長さを大きく確保することが可能となる。その結果、従来から公知の球均し部材による球均しをレール領域において有利に実現することが可能となる。
特に本発明では、タンク領域とレール領域を仕切る仕切壁におけるタンク領域の上流端から下流側への延び出し寸法が変更可能とされていることから、島設備から供給される遊技球の落下位置や落下時の勢い等によっては、遊技球が接続領域を経由せずにタンク領域からレール領域へ直接流れ込むことがある。しかしながら、このような場合であっても、上述の如くレール領域の下流端をタンク領域の上流端よりもパチンコ機の幅方向一方の側に位置せしめておけば、遊技球がレール領域を流下する距離を長くすることが可能となる。その結果、従来から公知の球均し部材を利用した球均しをレール領域において有利に実現することが可能となるのである。
また、本発明における仕切壁は、単一の部材で構成されていても良いし、タンク領域における遊技球の流下方向で互いに相対変位可能な状態で配された複数の仕切壁構成部材で構成されていても良い。そこにおいて、仕切壁が単一の部材で構成されている場合には、部品点数が少なくなり、スライド機構の構造の簡略化を図ることが可能となる。一方、仕切壁がタンク領域における遊技球の流下方向で互いに相対変位可能な状態で配された複数の仕切壁構成部材で構成されている場合には、複数の仕切壁構成部材の相対位置を変更することにより、仕切壁におけるタンク領域の上流端から下流側への延び出し寸法のバリエーションを多くすることが容易に可能となる。特に、仕切壁におけるタンク領域の上流端から下流側への延び出し寸法を大きくすることが容易に可能となる。
さらに、本発明におけるスライド機構は、仕切壁の全体をタンクユニットに対してスライド変位せしめる機構だけでなく、仕切壁の一部を仕切壁の他の部分に対してスライド変位せしめる機構も含む。
更にまた、本発明のスライド機構には、仕切壁を特定の延び出し寸法で位置固定する位置固定機構を備えていても良い。これにより、島設備から補給される遊技球がタンクユニットに落下することに起因する衝撃によって仕切壁がスライド変位してしまい、仕切壁が遊技球の補給の邪魔になることを有利に回避することが可能となる。なお、位置固定機構としては、仕切壁とタンクユニットの何れか一方に設けられた係止片を、仕切壁とタンクユニットの何れか他方に設けられた係止部に係止させること等によって構成することが出来る。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
図1には、本発明の一実施形態としてのパチンコ機10が示されている。このパチンコ機10は、機体の外郭を為す外枠12の開口前面側において、パチンコ機本体としての中枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠14には、図示しない遊技領域が形成された遊技盤(図示せず)が着脱自在に組み付けられており、かかる遊技領域は、中枠14に対して開閉可能に組み付けられた前枠16によって保持されている透明板18を通して遊技者に視認されるようになっている。そして、中枠14に設けられた操作ハンドル20に対して回動可能に装着された操作レバー22を遊技者が回動操作することにより、中枠14に設けられた発射球貯留皿24に貯留されている遊技球が、図示しない球送り機構を介して発射装置(図示せず)に送られた後、遊技領域に向けて発射されるようになっている。
また、図2に示されているように、パチンコ機10の裏側上端には、タンクユニット26が設けられている。そして、タンクユニット26に貯留されている遊技球は、遊技領域に設けられた入賞装置への遊技球の入賞をきっかけとして駆動せしめられる払出装置25によって払い出されるようになっており、払出装置25によって払い出された遊技球は発射球貯留皿24に貯留されるようになっている。なお、図2では、遊技盤や遊技盤の裏側に配された基板ケース等の図示は省略している。
タンクユニット26は、ABSやPC等の硬質な合成樹脂材料によって形成されており、図3及び図4に示されているように、上側に開口する球受凹所28を備えている。即ち、タンクユニット26は、全体として上側に開口する箱体形状とされている。
また、球受凹所28内には、タンク領域30が形成されている。このタンク領域30は、中枠14側に形成されており、パチンコ機10の幅方向に延びている。また、タンク領域30の底面は、パチンコ機10の幅方向一方から他方へ下る傾斜面32とされている。これにより、タンク領域30における遊技球の流下方向がパチンコ機10の幅方向一方から他方へ向かう方向となっている。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、傾斜面32によって第一傾斜面が構成されており、かかる第一傾斜面を構成する傾斜面32によってタンク領域30の底面の全体が構成されている。
さらに、球受凹所28内には、タンク領域30の下流端よりもパチンコ機10の幅方向他方の側において、接続領域としての中間領域34が形成されている。そこにおいて、本実施形態では、中間領域34におけるパチンコ機10の奥側の端と、タンク領域30におけるパチンコ機10の奥側の端が、パチンコ機10の奥行方向で同じ位置にある。
また、中間領域34の底面は、パチンコ機10の奥行方向で中枠14から離隔する方向へ下る傾斜面とされている。これにより、中間領域34における遊技球の流下方向がパチンコ機10の奥行方向で中枠14から離れる方向とされている。
なお、本実施形態では、中間領域34の底面33の上流端は、タンク領域30の底面(傾斜面32)の下流端よりもパチンコ機10の上下方向で下方に位置せしめられている。即ち、タンク領域30と中間領域34の間には段差35が形成されているのである。その結果、タンク領域30を流下してきた遊技球が中間領域34に入った後、中間領域34の側面、即ち、球受凹所28におけるパチンコ機10の幅方向他方側の側面37に衝突して跳ねかえった場合であっても、段差35を乗り越えてタンク領域30に戻ってきてしまうことを有利に回避することが可能となる。
更にまた、球受凹所28内には、レール領域36が形成されている。レール領域36は、中間領域34よりもパチンコ機10の奥側においてパチンコ機10の幅方向他方の側から一方の側へ延びるように形成されている。これにより、レール領域36は、タンク領域30に対してパチンコ機10の奥側で隣りに位置せしめられている。
そこにおいて、本実施形態では、レール領域36におけるパチンコ機10の幅方向他方側の端がタンク領域30の下流端よりもパチンコ機10の幅方向他方側に位置せしめられていると共に、レール領域36におけるパチンコ機10の幅方向一方側の端がタンク領域30の上流端よりもパチンコ機10の幅方向一方側に位置せしめられている。これにより、レール領域36において遊技球が流下する距離が長くなっている。
また、レール領域36の底面は、中枠14の幅方向他方の側から一方の側へ下る傾斜面38とされている。これにより、レール領域36における遊技球の流下方向がパチンコ機10の幅方向他方の側から一方の側へ向かう方向、即ち、タンク領域30における遊技球の流下方向とは反対の方向とされている。なお、このことから明らかなように、本実施形態では、傾斜面38によって第二傾斜面が構成されており、かかる第二傾斜面を構成する傾斜面38によってレール領域36の底面の全体が構成されている。
さらに、本実施形態では、レール領域36の底面(傾斜面38)の上流端は、中間領域34の底面33の下流端よりもパチンコ機10の上下方向で下方に位置せしめられている。即ち、中間領域34とレール領域36の間には、段差39が形成されているのである。これにより、中間領域34からレール領域36に流れ込んできた遊技球が、レール領域36の側面、即ち、球受凹所28におけるパチンコ機10の奥側の側面41に衝突して跳ね返った場合であっても、遊技球が段差39を乗り越えて中間領域34に戻ってくることを有利に回避することが可能となる。
更にまた、タンク領域30の底面がパチンコ機10の幅方向一方から他方へ下る傾斜面32とされていると共に、レール領域36の底面がパチンコ機10の幅方向他方から一方へ下る傾斜面38とされていることから、レール領域36とタンク領域30の境界には、段差43が形成されている。これにより、レール領域36を流下する遊技球がタンク領域30に流れ込むことが阻止されている。
また、レール領域36の下流端には、払出装置25が接続されている。これにより、遊技ホールの島設備から供給されてきた遊技球は、タンク領域30の底面に落下した後、タンク領域30から中間領域34を経由してレール領域36に到達し、レール領域36の下流端から払出装置25へと排出されるようになっている。なお、払出装置25は、賞球払出モータを備えた、従来から公知の構造とされていることから、その詳細な説明は省略する。
さらに、本実施形態のレール領域36は、遊技球の流下方向でタンク領域30の上流端よりも手前側においてパチンコ機10の奥側へ曲がった後、パチンコ機10の幅方向に延びるために再び曲がっている。これにより、タンク領域30の上流端において、レール領域36がタンク領域30からパチンコ機10の奥側へ離隔位置せしめられることとなる。その結果、タンク領域30の上流端付近には、レール領域36とタンク領域30に挟まれた状態で、球受凹所28の底面に立設された固定壁部40が位置せしめられている。即ち、固定壁部40は、タンク領域30とレール領域36の境界部分において、タンク領域30における上流端から下流側へ延び出しているのである。そして、かかる固定壁部40によって、タンク領域30とレール領域36がタンク領域30の上流端付近で仕切られているのである。
更にまた、レール領域36における遊技球の流下方向での最初の曲がり角よりも手前側からレール領域36の下流端近くまでには、レール領域36を流下する遊技球を2列に分けるための分離壁42がレール領域36の底面に立設されている。これにより、払出装置25への遊技球の供給がスムーズに行われるようになっている。
また、レール領域36において分離壁42が立設された領域(以下、遊技球分離領域と称する)には、球均し部材44,46が配設されている。球均し部材44,46は、それぞれ、パチンコ機10の奥行方向に延びる支軸に対して吊り下げ状態で配設されており、支軸に対して揺動可能とされている。そこにおいて、球均し部材44は、遊技球分離領域に形成された二つの流路の一方において遊技球の流下方向の中間部分に配設されており、球均し部材46は、遊技球分離領域に形成された二つの流路の他方の下流端に配設されている。即ち、レール領域36を流下する遊技球には、レール領域36における遊技球の流下方向中間部分に形成された遊技球分離領域において、球均し部材44,46による球均し作用が及ぼされるようになっている。その結果、レール領域36において積み重なった遊技球は、球均し部材44,46によって均されるようになっている。
さらに、固定壁部40には、スライド部材48が組み付けられている。このスライド部材48は、ABSやPC等の合成樹脂材料によって形成されており、図5にも示されているように、一対の側板50,52が天板54によって連結された形状を呈している。そこにおいて、一対の側板50,52のうち一方の側板50は他方の側板52よりも大きな寸法で天板54から突出している。因みに、本実施形態では、スライド部材48が固定壁部40に組み付けられた状態で、一方の側板50はタンク領域30の底面に接触するようになっている。また、天板54には、長手方向に延びるガイド孔56が形成されている。
このような形状とされたスライド部材48は、固定壁部40の上端に設けられたガイド突起58を天板54に形成されたガイド孔56内に位置せしめると共に、一方の側板50をタンク領域30側に位置せしめた状態で、一対の側板50,52によって固定壁部40をパチンコ機10の奥行方向で挟むようにして、固定壁部40に組み付けられる。
そこにおいて、固定壁部40に対してスライド変位可能に組み付けられた一方の側板50は、タンク領域30とレール領域36の境界部分のタンク領域30側においてタンク領域30の底面(傾斜面32)から起立するように位置せしめられていると共に、タンク領域30とレール領域36の境界に沿ってパチンコ機10の幅方向にスライド変位するようになっている。即ち、本実施形態では、スライド部材48における一方の側板50によって仕切壁が構成されており、スライド部材48と固定壁部40によってスライド機構が構成されている。
特に本実施形態では、一対の側板50,52が固定壁部40をパチンコ機10の奥行方向で挟んでいると共に、ガイド孔56にガイド突起58が位置せしめられていることから、パチンコ機10の幅方向へのスライド部材48のスライド変位を安定して行うことが可能となっている。
なお、本実施形態では、スライド部材48におけるパチンコ機10の幅方向一方の側へのスライド変位は一方の側板50がタンク領域30の上流端の側面に当接することによって規制されるようになっている一方、スライド部材48におけるパチンコ機10の幅方向他方側へのスライド変位はガイド孔56の内周面にガイド突起58が当接することによって規制されるようになっている。
このような構造とされたタンクユニット26は、中枠14の裏側に設けられた機構盤60に対してネジ止め固定されることにより、機構盤60を介して中枠14に固定されるようになっている。
そして、上述の如きタンクユニット26を備えたパチンコ機10は、遊技ホールの島設備に設置されると、島設備から遊技球を供給するためのホース状部材(図示せず)が、タンクユニット26のタンク領域30の上方からタンクユニット26内に入れられるようになっており、ホース状部材を通じて供給される遊技球をタンクユニット26に形成された球受凹所28で受けて貯留するようになっている。
そこにおいて、上述の如きタンクユニット26では、スライド部材48における一方の側板50がタンク領域30の上流端に設けられた固定壁部40に対してパチンコ機10の幅方向でスライド変位可能とされていることから、一方の側板50の固定壁部40に対する相対位置を変更することにより、ホース状部材が一方の側板50に当たって、一方の側板50が島設備からの遊技球の補給に際して邪魔になることを防止することが可能となる。
また、本実施形態では、タンクユニット26が機構盤60に対して直接に固定されるようになっていることから、タンクユニット26の底をパチンコ機10の上下方向で上方に位置せしめることが可能となる。即ち、タンクユニット26の下方により大きなスペースを確保することが可能となる。これにより、遊技領域に設けられる液晶表示装置の大型化が有利に実現されると共に、役物の配設位置が制限され難くなる。
特に、タンクユニット26において、遊技盤に近いタンク領域30側の底は、レール領域36側の底よりもパチンコ機10の上下方向で更に上方に位置せしめることが出来るようになっていることから、液晶表示装置や役物の駆動源を配設スペースが一層有利に確保されることとなる。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前記実施形態において、スライド部材48にガイド突起を形成する一方、タンクユニット26に設けられた固定壁部40にガイド孔を形成するようにしても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10:パチンコ機,25:払出装置,26:タンクユニット,28:球受凹所,30:球受凹所,32:傾斜面,34:中間領域,36:レール領域,38:傾斜面,40:固定壁部,48:スライド部材,50:側板