以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本発明における遊技機1は、遊技に際して所定数の遊技媒体としての遊技球(例えば、パチンコ球)の取り込み(投入)を必要とし、所定条件が成立した場合には、複数の遊技球が遊技価値として払い出されるように構成されている。遊技機1は、遊技ホール等においてパチンコ機と共通の遊技球供給システムから遊技球の供給がなされるようになっており、パチンコ機が設置される既存の島設備(パチンコ島)に、遊技機1を設置することが可能となっている。
まず、図1及び図2を参照して、遊技機1の外観構成を説明する。図1は、本発明の一実施の形態における遊技機1及びカードユニット20を示す斜視図であり、図2は、遊技機1及びカードユニット20の正面図である。なお、本実施の形態において、遊技機1は、カードユニット20に接続されて使用されるものであり、カードユニット20に挿入されたカードや紙幣など(貸出媒体)の残額(有価価値)の範囲内で遊技媒体としての遊技球が貸し出され、その貸し出された遊技球を使用して遊技を行うことができるように構成されている。
遊技機1は、本体枠としての外枠2と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体部3とを有している。外枠2は、木製の板材を四辺に連結して構成されるものであって、全体として矩形状をなしている。遊技機1を遊技ホールに設置する際には、外枠2が島設備に取り付けられて固定される。なお、外枠2を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成することも可能である。
遊技機本体部3の前面上半部には、図柄視認部として略台形状をなす視認窓4が形成されている。視認窓4には、平坦な透明板よりなる透明パネル5が嵌め込まれており、この透明パネル5を介して遊技機本体部3の内方が視認可能となっている。こうした比較的大型に形成される視認窓4(透明パネル5)によれば、大型の液晶表示ユニット81(図3参照)を用いた画像の演出表示によって遊技者に多大なインパクトを与えることが可能となるに加え、遊技機1の主表示装置たるリールユニット82(図3参照)の図柄の視認性を良好なものとできる。
視認窓4の上方には、透明パネル5よりも前方へ張り出した中央ランプ6が設けられ、同様に、視認窓4の両側には、透明パネル5よりも前方へ張り出した一対の側方ランプ7が設けられている。また、一対の側方ランプ7の上方には、それぞれスピーカ8が設けられている。遊技に際しては、これらランプ6,7やスピーカ8により、その都度、遊技状況に応じたランプ演出や音演出などが行われる。即ち、ランプ6,7による発光色や発光パターンを適宜変更したり、スピーカ8による音パターンを適宜変更したりすることで、役の成立などが遊技者に告知される。また、ランプ6,7やスピーカ8を用いて、エラー告知なども行われる。
視認窓4の下方には、左右方向に延びる長板状のサブパネル10が設けられている。サブパネル10の右側方には、操作スイッチ11,12が設けられている。操作スイッチ11,12は、各種情報を得るために操作されるボタンであり、この操作スイッチ11,12の操作によって大当たり回数、総ゲーム数、大当たり発生確率、出球数などの情報が液晶表示ユニット81等に適宜表示される。
サブパネル10の下方には、遊技者により操作される各種操作部材などを配設した操作部30が設けられている。操作部30には、スタートレバー31と、3連ボタンからなるストップスイッチ32,33,34とが設けられ、また、操作部30の上端部には、ボタン状のベットスイッチ35と、貸球操作部13とが設けられている。
貸球操作部13は、例えばカードユニット(球貸しユニット)20に、紙幣やカードを投入した状態で、球貸し操作、カードなどの返却操作、及び有効度数の確認を行うためのものであり、球貸しボタン14と、返却ボタン15と、度数表示器(図示せず)とが設けられている。球貸しボタン14は、カードなどに記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるボタンであり、球貸しボタン14の操作により、カードユニット20に挿入されているカード等に残額が存在する限りにおいて、貸出球が払い出される(本実施形態では、1回の球貸しボタン14の操作で貸し出される貸出球は25球である)。返却ボタン15は、カードユニット20に挿入されたカードなどの返却を求める際に操作されるボタンである。度数表示器は、カードユニット20に挿入されているカードなどの残額情報を表示する表示器であり、7セグメントLEDで構成されている。なお、度数表示器を、液晶表示器で代替しても良い。
ベットスイッチ35は、遊技者によるベット(賭数)の設定を行わせるものであり、その操作により上皿36に貯留された遊技球が所定個数分取り込まれる(投入される)。遊技機1では、ベットスイッチ35として、いわゆるMAXベットスイッチを設けており、有効な1回の操作により3ベット相当(15個)の遊技球が取り込まれる(投入される)。なお、MAXベットスイッチとしてのベットスイッチ35の他に、1回の操作により1ベット相当(5個)の遊技球を取り込む(投入する)1ベットスイッチや、1回の操作により2ベット相当(10個)の遊技球を取り込む(投入する)2ベットスイッチを設けて構成しても良い。
スタートレバー31は、後述する面替えブロック80に設けられたリールユニット82(図3参照)の各リール82L,82M,82R(回転体)を回転始動させるための操作部材である。スタートレバー31の操作により、各リール82L,82M,82Rが回転を開始し、図柄の可変表示が開始される。なお、スタートレバー31を、ベットスイッチ35やストップスイッチ32〜34等と同様に、ボタン状のスイッチとして構成しても良い。
ストップスイッチ32〜34は、左、中、右の三列の各リール82L,82M,82Rに対応してそれぞれ設けられており、回転中の各リール82L,82M,82Rを個別に停止させるために操作される。各リール82L,82M,82Rは定速回転となると、対応するストップスイッチ32〜34を操作することにより停止させることができる。かかる停止可能な状態では、各ストップスイッチ32〜34内に設けられたランプ(図示せず)がそれぞれ点灯表示されて、停止操作が可能であることが遊技者に報知される。なお、各リール82L,82M,82Rの回転が停止すると、それら各リール82L,82M,82Rに対応するランプは消灯する。
操作部30の右下方には、切欠部37が形成されている。この切欠部37には、上皿36の遊技球や遊技機1内へ取り込まれた(投入された)遊技球を下皿41に返却するための返却レバー38が配設されている。また、下皿41の底部には開口42が形成されており、その開口42は開閉板43によって閉鎖されている。下皿41の右下方には左右方向にスライド可能な球抜きレバー44が設けられており、この球抜きレバー44を左方向へ操作することにより、開口42が開放されて、下皿41内の遊技球が下方へ落下し排出される。下皿41の下方に予め球収容箱(いわゆるドル箱)を配置しておくことにより、下皿41から排出された遊技球を球収容箱に収容することができる。なお、球抜きレバー44の操作を解除することにより、その球抜きレバー44は右方向へスライドし、それと共に、開閉板43によって開口42が閉鎖される。
更に、下皿41の奥方にはスピーカ45が設けられ、同様に、下皿41の両側には一対の側方ランプ46が設けられている。これらスピーカ45や側方ランプ46によっても、遊技に際して、その都度、遊技状況に応じたランプ演出や音演出などが行われる。
次に、図3を参照して、面替えブロック80について説明する。図3は、面替えブロック80の斜視図である。面替えブロック80は、遊技内容を表示する主要部品を備えるものであり、液晶表示ユニット81と、リールユニット82とを主に備え、視認窓4の透明パネル5の奥方に配設されている。この面替えブロック80は、例えば、現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで、機種入れ替えを行うことができるように構成されている。
面替えブロック80の上方には液晶表示ユニット81が配設されている。液晶表示ユニット81は、リールユニット82で行われる演出の補助演出を行うための表示装置であり、リールユニット82の各リール82L,82M,82Rの回転駆動時のみならず、その回転駆動前、或いは回転駆動後の停止時などにおいて、その時の遊技状態に応じた補助演出が行われる。
面替えブロック80の下方には、リールユニット82が配設されている。リールユニット82は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール82L、中リール82M及び右リール82Rを備えている。各リール82L,82M,82Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていれば良く、円筒状(円環状)に限定されるものではない。また、ベルトやドラム等の回胴として構成しても良い。
各リール82L,82M,82Rは、その中心軸線が回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール82L,82M,82Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、各リール82L,82M,82Rの表面の一部は、透明パネル5を通じて視認可能な状態となっている。
これら各リール82L,82M,82Rは、それぞれがステッピングモータ(図示せず)に連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール82L,82M,82Rが個別に、即ち、それぞれ独立して回転駆動される。なお、ステッピングモータは、例えば、504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転するように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、即ち、対応する各リール82L,82M,82Rの回転位置が制御される。
各リール82L,82M,82Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置において、ある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、各リール82L,82M,82Rの原点位置を検出するリールインデックスセンサ(図示せず)から検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が透明パネル5を通じて視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を透明パネル5を通じて視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
次に、主に、図4及び図5を参照して、受け皿ブロック50について説明する。図4は、遊技機本体部3の前面に設けられた前面枠3aと、受け皿ブロック50とを分離して示した斜視図であり、図5は、投入ユニット52が装着された上皿36の平面図である。受け皿ブロック50は、カードユニット20(図1及び図2参照)の指示に基づいて貸し出される遊技球や、遊技の結果、入賞して払い出される遊技球を一時的に貯留すると共に、遊技を開始するための遊技球を遊技機1内に取り込む(投入する)ためのものである。
図4に示すように、受け皿ブロック50の上方には、貸し出され或いは払い出された遊技球を一時的に貯留するための上皿36が設けられている。まず、図5を参照して、上皿36の詳細を説明する。
図5に示すように、上皿36は、横長の樋状に形成されており、底板部361と、周壁部362とにより囲まれて遊技球貯留領域が形成されている。周壁部362のうち左奥側の壁部には、遊技球を上皿36内へ排出するための排出口363が形成されている。底板部361の右側には、開口部364が開口形成されている。上皿36内に貯留された遊技球は、この開口部364から、後述する投入ユニット52を経由して、遊技機1内に取り込まれ(投入され)、或いは下皿41に排出される。
底板部361は、概して排出口363から開口部364へ向けて(図5の左側から右側へ向けて)低くなる構成とされている。詳しくは、底板部361は、前後二段に形成されている。この場合、底板部361において、前側領域R1が高位となり、奧側領域R2が低位となっている。従って、排出口363から上皿36へ排出された遊技球は、領域R1、R2の順の経路で、下流側たる開口部364へ流れる。
上皿36の奧側領域R2には、2つの仕切部366,367が突設されている。奧側領域R2の右端は、この2つの仕切部366,367に仕切られて、3列の案内通路371,372,373に分割されている。各案内通路371〜373は、開口部364に連通しており、その幅は遊技球1個分に相当する。よって、上皿36内へ排出された遊技球は、奧側領域R2の各案内通路371〜373上に一列に整列して、開口部364に配設された投入ユニット52へ投入される。なお、奧側領域R2は、領域R1側が高く、遊技機1側が低く傾斜して形成されている。よって、上皿36内の遊技球は、奧側領域R2の遊技機1側の側面に沿って案内通路371〜373へ案内され易く構成されている。
上皿36の右下前方には、払出操作伝達装置51が配設されている。払出操作伝達装置51は、返却レバー38を左方向へスライドさせることにより、上皿36に貯留される遊技球を下皿41に排出させると共に、後述する投入ユニット52によって遊技機1内に取り込まれた(投入された)遊技球を下皿41に排出させるものである。
次に、図6から図9を参照して、投入ユニット52について説明する。本遊技機1は、15個または5個の遊技球を遊技機1内へ取り込む(投入する)ことを条件に遊技を開始するものであり、投入ユニット52は、遊技球を遊技機1内へ取り込む(投入する)ためのものである。図6は、投入ユニット52の斜視図であり、図7は、投入ユニット52の分解斜視図である。また、図8は、投入ユニット52の内部構造を示した断面図であり、図9は、投入装置521aの投入動作および排出動作の説明図である。
図6に示すように、投入ユニット52は、3個の投入装置521a〜521cが並設されて、全体として略立方体形状に形成されている。各投入装置521a〜521cの側面(遊技機1を正面視した場合の左側面)は、結合板523によって結合されている。各投入装置521a〜521cの上面には、上方が開放されて外部に露出した入口通路522a〜522cがそれぞれ形成されている。入口通路522a〜522cは、投入ユニット52への遊技球の入り口をなすものであり、上皿36の案内通路371〜373から供給された遊技球は、まず、入口通路522a〜522cへ案内され、その後、投入ユニット52内へ取り込まれる(投入される)。
次に、図7及び図8を参照して、各投入装置521a〜521cの構成を説明する。各投入装置521a〜521cは、概ね同様の構成をしているので、ここでは、1の投入装置521aを例に挙げて説明する。
投入装置521aは、合成樹脂成型品よりなる表裏一体のハウジング部材521a1,521a2を備え、両ハウジング部材521a1,521a2がネジ等により結合されて略四角箱状の筐体が形成されている。その筐体の内部空間には、後述する遊技球の通路が形成されると共に、その通路を開閉するための開閉ゲート機構が収容されている。
ハウジング部材521a1,521a2の上面には、通路壁524a1,524a2が形成されており、両ハウジング部材521a1,521a2を結合することにより、相対向する通路壁524a1,524a2の間に、前記した入口通路522aが形成される。この入口通路522aの底面は、図8の右側へ僅かに下方に傾斜している。
手前側の通路壁524a1には、円弧状の凹部525a1が形成され、一方、奥側の通路壁524a2には、凹部525a1に対向する位置に三角山状の突起部525a2が形成されている。凹部525a1及び突起部525a2は、遊技球の流れを一定に整えるための整流部を構成している。入口通路522aを下流側(図8の右方向)へ流れる遊技球は、凹部525a1及び突起部525a2で構成される整流部に達すると、まず突起部525a2に衝突し、その後、凹部525a1の内壁に衝突して、流れの向き(進路)を変更しつつ流下する。このように、入口通路522aの整流部(凹部525a1及び突起部525a2)により遊技球の進路が変更されるので、遊技球の流れの勢いが減じられ、その後の流下速度が低減される。遊技球の検出は整流部の通過後に行われるが、流下速度を低減させることにより、誤検出を減少することができる。また、多数の遊技球が数珠繋ぎとなって投入装置521aに投入された場合、整流部を通過して生じる速度差によって、隣接する遊技球の通過間隔を大きくすることができる。よって、複数の遊技球を1個の遊技球として誤検出する不具合をも解消することができる。このように、整流部(凹部525a1及び突起部525a2)によって、遊技球の検出を確実なものとすることができる。
投入装置521aには、入口通路522aの下流側において、両ハウジング部材521a1,521a2により囲まれて形成される投入通路526aと、排出通路527aとが設けられている。投入通路526a及び排出通路527aは、入口通路522aと同様に、遊技球を一列で通過させるに足りるだけの通路幅を有している。投入通路526aは、入口通路522aに連続して設けられ、その途中で鉛直方向に折れ曲がるように形成されている。即ち、投入通路526aは、遊技球が重力方向へ向けて流通される通路となる。遊技者によってベットスイッチ35が操作されると、各投入装置521a〜521cの投入通路526a〜526cを通じて、通常ゲーム時(JACゲーム時以外)には合計で15個の、JACゲーム時には合計で5個の遊技球が遊技機1内へ取り込まれる(投入される)。一方、排出通路527aは、投入通路526aの折れ曲がり部分において、その投入通路526aから分岐して形成されている。遊技終了に伴う精算時などにおいて、投入装置521a〜521cや上皿36に残留している遊技球が、この排出通路527a〜527cを通じて下皿41に排出され、遊技者へ返還される。
なお、ハウジング部材521a1,521a2は、厚さ方向の寸法が異なっており、入口通路522a、投入通路526a及び排出通路527aは、その大部分が一方(図7の手前側)のハウジング部材521a1側に形成されている。これにより、遊技球が実際に接触する経路は、両ハウジング部材521a1,521a2の境界部分(接合部分)から外れた部位となる。ハウジング部材521a1,521a2の境界部分には、ゴミやほこり等が溜まり易い。しかし、かかる境界部分を遊技球が実際に接触する経路から外した構成とすることにより、境界部分に溜まったゴミやほこり等により、遊技球の流れが阻害されるといった不具合を解消することができる。
図8において投入通路526aの左側方には、投入通路526aの鉛直方向部分に沿うようにして、投入ゲート部材530aが配設されている。投入ゲート部材530aは、支持軸531aを軸として揺動可能に支持されており、その支持軸531aを支点とする揺動によって、投入ゲート部材530aの先端部に形成された爪部532aが投入通路526aへ出没する。投入通路526aの通路壁には、通路切欠部533aが形成されており、その通路切欠部533aから投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526aへ出没する。通常時には、投入ゲート部材530aが支持軸531aを中心に揺動して爪部532aが投入通路526aに突出することで投入通路526aの一部が閉鎖されて遊技球の投入通路526aの流通が阻止される。一方、遊技球の取り込み(投入)時には、投入ゲート部材530aが支持軸531aを中心に揺動して爪部532aが投入通路526aから没することで遊技球の投入通路526aの流通が許容される。
なお、投入ゲート部材530aの爪部532aの出没位置は、投入通路526aが鉛直方向に曲がるコーナー部分の直ぐ下流位置に設けられている。よって、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526a内へ突出した状態で、投入通路526aのコーナー部分まで流れてきた遊技球が、投入通路526aの鉛直部分に流れ込んでしまうことがない。従って、後述する排出ゲート部材540を操作して投入ユニット52内にある遊技球を排出する場合に、遊技球が投入通路526aに残って、投入ユニット52内に残量することがない。即ち、この構成により、投入ユニット52内の遊技球を、排出通路527a〜527cを介して、完全に排出することができる。
次に、投入ゲート部材530aを揺動動作させる投入ソレノイド534aについて説明する。ハウジング部材521a1,521a2内には、投入ゲート部材530aの駆動源としての投入ソレノイド534aが配設されている。投入ソレノイド534aは、棒状の出力軸535aを備えており、この出力軸535aは、コイルバネ536aにより、図8に示す如く、伸長状態に保持されている。この状態で投入ソレノイド534aに通電すると、出力軸535aは、コイルバネ536aの付勢力に抗して投入ソレノイド534a内へ引き込まれる。また、出力軸535aの先端には、ガイド537aが取着されている。ガイド537aは、その一部が、軸部538aを中心に揺動する揺動片539aと係合されており、揺動片539aの揺動によって、投入ゲート部材530aが揺動するように構成されている。
かかる構成において、投入ソレノイド534aへの通電がない場合には、図8に示す如く、投入ソレノイド534aの出力軸535aは、コイルバネ536aの付勢力によって、伸長した状態に保持され、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526a内へ突出した状態となっている。これにより、投入通路526aが閉鎖されて、遊技球の投入通路526aの流通が阻止される。
一方、投入ソレノイド534aへの通電が行われると、出力軸535aは、コイルバネ536aの付勢力に抗して縮み方向へ移動する。即ち、出力軸535aは、投入ソレノイド534a内へ引き込まれる。すると、出力軸535aの先端に取着されたガイド537aにより、揺動片539aが軸部538aを中心に、図8における時計回り方向へ揺動回転し、投入ゲート部材530aの爪部532aは、投入通路526aから没した状態とされる。これにより、投入通路526aが開放され、遊技球の投入通路526aの流通が許容される。
その後、投入ソレノイド534aへの通電が中止されると、出力軸535aはコイルバネ536aの付勢力によって伸長され、揺動片539aが軸部538aを中心に、図8における反時計回り方向へ揺動回転し、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526aへ突出した状態に復帰する。このように、投入ソレノイド534aへの通電を行うことにより、投入通路526aが開放され、通電を中止することにより、投入通路526aが閉鎖される。
次に、排出ゲート部材540について説明する。排出ゲート部材540は、投入ユニット52内にある遊技球を排出する場合に作動させる部材である。排出ゲート部材540が作動すると、入口通路522aと排出通路527aとが連通して、投入ユニット52内の遊技球は、排出通路527a〜527cを介して、下皿41に排出される。
ハウジング部材521a1,521a2の排出通路527aの入口位置には、貫通孔541a1,541a2が貫通形成されており、その貫通孔541a1,541a2に対して、図8の紙面表裏方向へスライド可能に排出ゲート部材540が配設されている。排出ゲート部材540は、各投入装置521a〜521cに個別に設けられるのではなく、1の排出ゲート部材540が全投入装置521a〜521cに対して共通に設けられている。この排出ゲート部材540の作動状態により、各投入装置521a〜521cにおいて同時に遊技球の排出(球抜き)が許容または阻止される。
図7に示すように、排出ゲート部材540は、全体として略長方形状をなしており、3箇所に略正方形状の開口部542a〜542cが形成されている。各開口部542a〜542cの間には、それぞれ壁状の壁板部543a〜543cが形成されている。各開口部542a〜542c及び各壁板部543a〜543cは、それぞれ、各投入装置521a〜521cの排出通路527a〜527cに対応して形成され、排出ゲート部材540を、その長手方向にスライドさせることにより、各排出通路527a〜527cが同時に開放または閉鎖される。
排出ゲート部材540の一方の端部(図7の右前方の端部)には、バネ受け部544が形成され、他方の端部には、ロッド545が形成されている。また、投入装置521cの一側面には、カバー部材528が設けられている。このカバー部材528とバネ受け部544との間には、コイルバネ(図示せず)が組み込まれており、排出ゲート部材540は、このコイルバネにより、図7の左手前側へ常時付勢されている。かかる状態では、各壁板部543a〜543cによって、各排出通路527a〜527cが閉鎖されて、遊技球の排出が阻止された状態となっている。
排出ゲート部材540のロッド545は、前述した返却レバー38の操作に連動して作動するように構成されており、その返却レバー38が操作されると、排出ゲート部材540のロッド545が、図7の右前方へ押し出され、その結果、かかる方向へ排出ゲート部材540がスライドする。これにより、各開口部542a〜542cが各排出通路527a〜527cの位置に至り、各入口通路522a〜522cと各排出通路527a〜527cとが連通して、投入ユニット52内の遊技球が、排出通路527a〜527cを介して下皿41に排出される。一方、返却レバー38の操作を終了すると、コイルバネの付勢力により、排出ゲート部材540が、図7の左後方へ押し戻され、その結果、かかる方向へ排出ゲート部材540がスライドする。これにより、各壁板部543a〜543cが各排出通路527a〜527cの位置に戻り、各排出通路527a〜527cが閉鎖される。
次に、各投入装置521a〜521cにおける遊技球の投入を検出する検出手段(投入センサユニット(Wセンサ)550a〜550c及び投入下流側検出センサ555a〜555c)について説明する。
投入装置521aには、投入通路526aを通過する遊技球を検出するための投入センサユニット550aが設けられている。投入センサユニット550aは、投入通路526aを通過する遊技球の数をカウントする遊技球カウント手段を構成するものであり、発光素子と受光素子とからなる周知の光学式センサを備えている。投入センサユニット550aは、一対のアーム部551a,552aを有して略コ字状に形成され、一対のハウジング部材521a1,521a2に跨るようにして組み付けられている。
アーム部551aの一方には発光素子が収容され、アーム部552aの他方には受光素子が収容されている。両アーム部551a,552aの先端部には、それぞれ互いに内側となる部位に上下一対のセンサ検出孔553a,554aが穿設されている。一対のアーム部551a,552a内には、発光素子と受光素子とが各2個ずつ収容され、これら各素子は、センサ検出孔553a,554aを通じて発光および受光を行う。
図8に示すように、センサ検出孔553a,554aは、投入通路526a内で中心から幾分オフセットした位置(図8の左方向へ幾分ずれた位置)に設けられている(図示は略すが、センサ検出孔554aも同様)。このセンサ検出孔553a,554aの穿設位置が投入センサユニット550aによる遊技球検出位置である。この場合、センサ検出孔553a,554aは、投入ゲート部材530aの先端部に形成した爪部532aの真下位置に設けられているので、投入ゲート部材530aの爪部532aが没する側に移動しない限り投入センサユニット550aにより遊技球は検出されない。
投入ゲート部材530aが開放されて遊技球が投入される際(遊技球が投入装置521aへ取り込まれる際)、投入センサユニット550aの上下の各センサ素子では、先に上流側のセンサ素子で遊技球が検出され、その後、下流側のセンサ素子で遊技球が検出される。これら各センサ素子による検出信号は、遊技球の取り込み(投入)を管理する主制御装置(図示せず)へ順に出力される。この場合、主制御装置では、各センサ素子による遊技球の検出信号によって正常に遊技球の投入が行われたかどうかが判定される。具体的には、所定の規定時間内に、上流側のセンサ素子、次に下流側のセンサ素子の順で遊技球の検出が行われた場合のみ、正常に遊技球の取り込み(投入)が行われたと判定する。
投入通路526aの最下流部には、投入ゲート部材530aを通過した遊技球を投入センサユニット550aで検出した後、同遊技球を再度検出するための投入下流側検出センサ555aが設けられている。この投入下流側検出センサ555aは、磁気検出タイプの近接センサにて構成され、遊技球の通過に伴う磁界の変化により遊技球の通過を検出する。
投入下流側検出センサ555aによる検出信号は、投入センサユニット550aの検出信号と同様に、主制御装置に対して出力される。この場合、主制御装置では、投入センサユニット550aの検出信号と投入下流側検出センサ555aの検出信号とに基づいて、今回の遊技球の検出結果(投入センサユニット550aによる判定結果)が正規なものかどうか、すなわち不正なものでないかどうかを判定する。具体的には、投入センサユニット550aによる遊技球のカウント数(例えば、一方のセンサ素子の検出結果による遊技球のカウント数)と、投入下流側検出センサ555aによる遊技球のカウント数とを比較し、それら各カウント数が一致する場合に、今回の遊技球の検出結果(投入センサユニット550aによる判定結果)が正規であると判定する。これに対し、各カウント数が不一致となる場合には、今回の遊技球の検出結果(投入センサユニット550aによる判定結果)が正規なものでなく、不正行為によるものであると判定する。
このように、投入通路526aに、互いに検出方式の異なる2つのセンサ装置(投入センサユニット550a、投入下流側検出センサ555a)を配設しているので、各センサ装置のいずれかにも、遊技球を誤検出させる不正行為は困難なものとなる。故に、投入装置521aにおける不正対策を望ましいものとすることができる。
次に、図9を参照して、投入装置521aによる遊技球の取込動作(投入動作)及び排出動作を説明する。図9(a)は、取込動作および排出動作のいずれもが行われていない待機状態を図示しており、図9(b)は、遊技球の取込動作(投入動作)の実行状態を図示しており、図9(c)は、遊技球の排出動作の実行状態を図示している。
図9(a)の待機状態は、投入ソレノイド534aが非通電で、排出ゲート部材540が非操作(返却レバー38が非操作)の場合である。即ち、投入ソレノイド534aは非通電となっているので、投入ゲート部材530aの爪部532aは投入通路526a内に突出している。また、排出ゲート部材540は非操作の状態にあるので、排出ゲート部材540の壁板部543aが排出通路527aの位置にあり、排出通路527aの入口が閉鎖されている。つまり、投入ゲート部材530a及び排出ゲート部材540によって、投入通路526a及び排出通路527aが閉鎖状態となっており、これにより遊技球の流通が阻止されている。この場合、投入装置521a内へ入ってきた遊技球のうち、先頭の遊技球は投入ゲート部材530aと排出ゲート部材540との両方に当たった状態で保持される。
図9(a)の待機状態から投入ソレノイド534aへの通電が行われると、図9(b)に示す遊技球の取込(投入)動作状態となる。即ち、投入ソレノイド534aへの通電が行われると、投入ゲート部材530aの爪部532aは、投入通路526aから没した状態となる(引っ込んだ状態となる)。かかる状態では、遊技球の投入通路526aの流通が許容されて、遊技球の取り込み(投入)が順次行われる。遊技球の取り込みが行われる際、入口通路522aから投入通路526aへ入ってきた遊技球は、通路閉鎖状態にある排出ゲート部材540の壁板部543aに衝突し、その衝突により流れの勢いが減じられると共に、一瞬停止状態となった後、投入通路526aの下流側へと流れる。このため、投入通路526aでは、前後する遊技球が互いに離間した状態で流下するので、投入センサユニット550aによって遊技球の通過を確実に検知することができる。
図9(a)の待機状態から遊技者により排出操作(返却レバー34の操作)が行われると、図9(c)に示す遊技球の排出動作状態となる。かかる状態では、排出ゲート部材540が動作(スライド)して、排出ゲート部材540の開口部542aが排出通路527aの位置に至り、排出通路527aが開放状態とされる。このとき、投入ソレノイド534aは非通電なので、投入ゲート部材530aの爪部532aは投入通路526a内に突出しており、投入通路526aは閉鎖状態となっている。よって、入口通路522aから入ってきた遊技球は、投入通路526aへの流通が阻止される一方、排出通路527aへの流通が許容されるので、その結果、排出通路527aを流通して下皿41に排出される。これにより遊技球の排出(球抜き)が行われる。
投入ユニット52には、上記構成の投入装置521a〜521cが3台並設されており、上皿36の案内通路371〜373から各投入装置521a〜521cへそれぞれ遊技球が供給される。そして、遊技者によってベットスイッチ35が操作されると、各投入装置521a〜521cによって、それぞれ遊技球が取り込まれる(投入される)。具体的には、例えば15個(マックスベット分)の遊技球が投入される場合、全ての投入装置521a〜521cにおいて同時に投入ゲート部材530a〜530cが没する位置に操作され、遊技球の取り込みが一斉に開始される。このとき、各投入装置521a〜521cでは遊技球が5個ずつ取り込まれる。
但し、3台の投入装置521a〜521cのうち、いずれかの投入装置に遊技球が充填されていない場合や、いずれかの投入ソレノイド534a〜534cの故障などで、いずれかの投入装置が正常に作動しない場合には、正常な投入動作を行うことができる残りの投入装置により遊技球の投入が行われる。いずれかの投入装置に遊技球が充填されない場合としては、遊技球は、上皿36にあるものの、いずれかの案内通路371〜373で停留し、その結果、その案内通路371〜373に連通する投入装置521a〜521cに遊技球が充填されない場合がある。例えば、投入装置521aに遊技球が充填されていないとき、又は同投入装置521aの投入ソレノイド534aなどが故障しているときには、その投入装置521a以外の他の投入装置521b,521cによって、15個の遊技球が取り込まれる(投入される)。一方、投入装置521a〜521cや上皿36に残っている遊技球を下皿41へ排出する場合には、遊技者による返却レバー38の操作に伴って排出ゲート部材540がスライドして、各投入装置521a〜521cから、一斉に遊技球の排出が行われる。
ところで、上記のように投入通路526a〜526cを開閉する構造では、図9(b)の取込(投入)動作状態から投入ソレノイド534aへの通電が中止されて図9(a)の待機状態へ復帰する際、遊技球が投入通路526a〜526cを流通するタイミングと、投入ゲート部材530a〜530cの爪部532a〜532cが投入通路526a〜526cに突出して投入通路526a〜526cを閉鎖するタイミングとが一致した場合に、爪部532a〜532cと排出ゲート部材540の壁板部543a〜543cとの間に遊技球を挟み込んで、球詰まりを起こしてしまうことがある(図11(b)参照)。そこで、本実施の形態では、球詰まりを防止するべく、投入ゲート部材530a〜530cが変位可能に構成されている。
ここで、図10及び図11を参照して、投入ゲート部材530a〜530cを変位可能とするための構造を第1実施の形態として説明する。図10(a)は、投入装置521aの内部構造を部分的に拡大して示した断面図であり、図10(b)は、図10(a)の矢印Xb−Xb線における投入装置521aの断面図である。なお、図10(a)では、発明の理解を容易とするために、投入ゲート部材530aを透視して図示している。
上述したように、投入ゲート部材530aは、支持軸531aを軸として揺動可能に支持されている。具体的には、図10に示すように、投入ゲート部材530aには、断面円形状の貫通孔として構成される軸受け部560aが穿設されており、この軸受け部560aに挿通した支持軸531aによって投入ゲート部材530aが軸支されている。なお、軸受け部560aの内径は支持軸531aの外径D1と略同一寸法に構成されている。また、ハウジング部材521a1,521a2には、断面円形状の窪みとして構成される軸受け部561a1,561a2が凹設されており、この軸受け部561a1,561a2が支持軸531aを受け入れることによって、支持軸531aがハウジング部材521a1,521a2に支持されている。
ここで、軸受け部561a1,561a2は、図10(a)に示すように、内径D2(即ち、支持軸531aの外周面を支持する支持部の寸法)が支持軸531aの外径D1よりも大径に構成されている。これにより、軸受け部561a1,561a2が支持軸531aを受け入れた状態では、軸受け部561a1,561a2と支持軸531aとの間に隙間が設けられ、その隙間の分だけ投入ゲート部材530aが支持軸531aの径方向へ変位可能となる。なお、図10では、支持軸531aが軸受け部561a1,561a2の中心に位置する状態を示している。
次に、図11を参照して、投入ゲート部材530aの変位動作について説明する。図11は、投入ゲート部材530aの変位動作の説明図であり、図11(a)及び図11(b)は、遊技球の取込(投入)動作状態の実行状態を図示しており、図11(c)及び図11(d)は、遊技球を挟み込んだ状態を図示しており、図11(e)及び図11(f)は、遊技球の挟み込みが解消された状態を図示している。なお、図11(b)は図11(a)の一部を、図11(d)は図11(c)の一部を、図11(f)は図11(e)の一部を、それぞれ拡大して示した拡大図であり、投入ゲート部材530aを透視して図示している。また、図11(a)、図11(c)及び図11(e)では、発明の理解を容易とするために、投入ゲート部材530aの爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に挟み込まれる遊技球にハッチングを付して図示している。
図11(a)に示すように、遊技球の取込(投入)動作状態(投入ソレノイド534aへの通電状態)では、揺動片539aが軸部538aを中心に図11(a)における時計回り方向へ揺動回転しようとして投入ゲート部材530aを投入通路526a側(図11(a)右側)へ押し出すので、投入ゲート部材530aは、投入通路526aに近接する方向(図11(a)右方向)へ変位する。この場合、図11(b)に示すように、支持軸531aの中心O1は、軸受け部561a1,561a2の中心O2から投入通路526a側(図11(b)右側)にδ1だけ偏心した位置となる。
図11(a)の状態から投入ソレノイド534aへの通電が中止されて待機状態(図9(a)参照)へ復帰する際、遊技球が投入通路526aを流通するタイミングと、投入ゲート部材530aの爪部532aが投入通路526aに突出して投入通路526aを閉鎖するタイミングとが一致した場合には、爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に遊技球を挟み込んでしまう。ここで、遊技球を挟み込むに至るまでの過程では、揺動片539aが軸部538aを中心に図11(c)における反時計回り方向へ揺動回転して投入ゲート部材530aを投入通路526a側とは反対側(図11(c)左側)へ引っ張るが、その引っ張り力は投入ゲート部材530aを揺動回転させるために消費されるので、投入ゲート部材530aは変位しない。この場合、図11(d)に示すように、支持軸531aの中心O1は、図11(b)で示す位置と同様に、軸受け部561a1,561a2の中心O2から投入通路526a側(図11(d)右側)にδ1だけ偏心した位置のままにある。
遊技球を挟み込んでしまった場合には、図11(e)に示すように、揺動片539aが更に軸部538aを中心に図11(e)における反時計回り方向へ揺動回転しようして投入ゲート部材530aを投入通路526a側とは反対側(図11(e)左側)へ引っ張るので、投入ゲート部材530aは、投入通路526aから離間する方向(図11(e)左方向、図11(f)矢印A方向)へ変位する。この場合、図11(f)に示すように、支持軸531aの中心O1は、軸受け部561aの中心O2から投入通路526aとは反対側(図11(f)左側)にδ2だけ偏心した位置となる。これにより、投入ゲート部材530aの爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間隔が遊技球を挟み込んだ状態に比べてδ1+δ2の分だけ広がることで、遊技球の挟み込みを解消することができる。その結果、投入ゲート部材530aの爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に挟み込まれていた遊技球が再び投入通路526aを流通して遊技機1内へ取り込まれる(投入される)。
ここで、本実施の形態では、投入ゲート部材530a及び排出ゲート部材540の材質としていずれもポリアセタール(POM)から構成されている。ポリアセタール(POM)とは、アセタール結合を主鎖とし、ポリオキシメチレン構造を単位構造に持つ重合体であり、自己潤滑性を有し、かつ、摺動性の優れた性質を有するものである。これにより、投入ゲート部材530aの爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に遊技球を挟み込んでしまった場合でも、遊技球の挟み込みを解消し易くすることができる。
上述したように、本実施の形態によれば、投入ゲート部材530a〜530cが投入通路526a〜526cから離間する方向へ変位可能となるように、支持軸531a〜531c及びハウジング部材521a1〜521c1,521a2〜521c2の軸受け部561a1〜561c1,561a2〜561c2が構成されているので、投入ゲート部材530a〜530cが投入通路526a〜526cから離間する方向へ変位して爪部532a〜532cと排出ゲート部材540の壁板部543a〜543cとの間隔が広がることで、遊技球の挟み込みを防止することができる。これにより、球詰まりを抑制することができる。
また、支持軸531a〜531c及びハウジング部材521a1〜521c1,521a2〜521c2の軸受け部561a1〜561c1,561a2〜561c2は断面円形状に構成されると共に軸受け部561a1〜561c1,561a2〜561c2の内径D2が支持軸531a〜531cの外径D1よりも大径に構成されているので、投入ゲート部材530a〜530cを投入通路526a〜526cから離間する方向へ変位可能としつつ、その構造を簡素化することができる。その結果、かかる構造の製造コスト削減を図ることができると共に耐久性の向上を図ることができる。
次に、図12及び図13を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、ハウジング部材521a2521a2の軸受け部561a2561a2の内径D2を支持軸531aの外径D1よりも大径に構成して投入ゲート部材530aを変位可能とする場合を説明したが、第2実施の形態では、投入ゲート部材2530aの軸受け部2560aの内径D3を支持軸531aの外径D1よりも大径に構成することで投入ゲート部材2530aが変位可能となるように構成されている。なお、第1実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図12(a)は、第2実施の形態における投入装置2521aの内部構造を部分的に拡大して示した断面図であり、図12(b)は、図12(a)の矢印XIIb−XIIb線における投入装置2521aの断面図である。
図12に示すように、投入ゲート部材2530aは、支持軸531aを軸として揺動可能に支持されている。具体的には、投入ゲート部材2530aには、断面円形状の貫通孔として構成される軸受け部2560aが穿設されており、この軸受け部2560aに挿通した支持軸531aによって投入ゲート部材2530aが軸支されている。また、ハウジング部材2521a1,2521a2には、断面円形状の窪みとして構成される軸受け部2561a1,2561a2が凹設されており、この軸受け部2561a1,2561a2が支持軸531aを受け入れることによって支持軸531aがハウジング部材2521a1,2521a2に支持されている。なお、軸受け部2561a1,2561a2の内径は支持軸531aの外径D1と略同一寸法に構成されている。
ここで、投入ゲート部材2530aの軸受け部2560aは、図12(a)に示すように、内径D3(即ち、支持軸531aの外周面を支持する支持部の寸法)が支持軸531aの外径D1よりも大径に構成されている。これにより、軸受け部2560aに支持軸531aを挿通した状態では、軸受け部2560aと支持軸531aとの間に隙間が設けられ、その隙間の分だけ投入ゲート部材2530aが支持軸531aの径方向へ変位可能となる。なお、図12では、支持軸531aが軸受け部2560aの中心に位置する状態を示している。
次に、図13を参照して、投入ゲート部材2530aの変位動作について説明する。図13は、投入ゲート部材2530aの変位動作の説明図であり、図13(a)及び図13(b)は、遊技球の取込(投入)動作状態の実行状態を図示しており、図13(c)及び図13(d)は、遊技球を挟み込んだ状態を図示しており、図13(e)及び図13(f)は、遊技球の挟み込みが解消された状態を図示している。なお、図13(b)は図13(a)の一部を、図13(d)は図13(c)の一部を、図13(f)は図13(e)の一部を、それぞれ拡大して示した拡大図である。また、図13(a)、図13(c)及び図13(e)では、発明の理解を容易とするために、投入ゲート部材2530aの爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に挟み込まれる遊技球にハッチングを付して図示している。
図13(a)に示すように、遊技球の取込(投入)動作状態(投入ソレノイド534aへの通電状態)では、揺動片539aが軸部538aを中心に図13(a)における時計回り方向へ揺動回転しようとして投入ゲート部材2530aを投入通路526a側(図13(a)右側)へ押し出すので、投入ゲート部材2530aは、投入通路526aに近接する方向(図13(a)右方向)へ変位する。この場合、図13(b)に示すように、支持軸531aの中心O1は、軸受け部2560aの中心O3から投入通路526aとは反対側(図13(b)左側)にδ3だけ偏心した位置となる。
図13(a)の状態から投入ソレノイド534aへの通電が中止されて待機状態(図9(a)参照)へ復帰する際、遊技球が投入通路526aを流通するタイミングと、投入ゲート部材2530aの爪部532aが投入通路526aに突出して投入通路526aを閉鎖するタイミングとが一致した場合には、図13(c)に示すように、爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に遊技球を挟み込んでしまう。ここで、遊技球を挟み込むに至るまでの過程では、揺動片539aが軸部538aを中心に図13(c)における反時計回り方向へ揺動回転して投入ゲート部材2530aを投入通路526a側とは反対側(図13(c)左側)へ引っ張るが、その引っ張り力は投入ゲート部材2530aを揺動回転させるために消費されるので、投入ゲート部材2530aは変位しない。この場合、図13(d)に示すように、支持軸531aの中心O1は、図13(b)で示す位置と同様に、軸受け部2560aの中心O3から投入通路526aとは反対側(図13(d)左側)にδ3だけ偏心した位置のままにある。
遊技球を挟み込んでしまった場合には、図13(e)に示すように、揺動片539aが更に軸部538aを中心に図13(e)における反時計回り方向へ揺動回転しようして投入ゲート部材2530aを投入通路526a側とは反対側(図13(e)左側)へ引っ張るので、投入ゲート部材2530aは、投入通路526aから離間する方向(図13(e)左方向、図13(f)矢印B方向)へ変位する。この場合、図13(f)に示すように、支持軸531aの中心O1は、軸受け部2560aの中心O3から投入通路526a側(図13(f)右側)にδ4だけ偏心した位置となる。これにより、投入ゲート部材2530aの爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間隔が遊技球を挟み込んだ状態に比べてδ3+δ4の分だけ広がることで、遊技球の挟み込みを解消することができる。その結果、投入ゲート部材2530aの爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に挟み込まれていた遊技球が再び投入通路526aを流通して遊技機1内へ取り込まれる(投入される)。
上述したように、本実施の形態によれば、投入ゲート部材2530a〜2530cが投入通路526a〜526cから離間する方向へ変位可能となるように、支持軸531a〜531c及び投入ゲート部材2530a〜2530cの軸受け部2560a〜2560cが構成されているので、投入ゲート部材2530a〜2530cが投入通路526a〜526cから離間する方向へ変位して爪部532a〜532cと排出ゲート部材540の壁板部543a〜543cとの間隔が広がることで、遊技球の挟み込みを防止することができる。これにより、球詰まりを抑制することができる。
次に、図14から図18を参照して、第3実施の形態について説明する。第1実施の形態では、投入ゲート部材530aの全体を支持軸531aの径方向へ変位可能として遊技球の挟み込みを防止する場合を説明したが、第3実施の形態では、投入ゲート部材3530aの出没部3571aを本体部3570aに対して相対変位可能として遊技球の挟み込みを防止するように構成されている。なお、上記各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図14(a)は、投入ゲート部材3530aの側面図であり、図14(b)は、図14(a)の矢印XIVb方向視における投入ゲート部材3530aの後面図である。なお、図14の矢印U−D,L−R,F−Bは、投入ゲート部材3530aの上下方向、左右方向、前後方向をそれぞれ示している。
図14に示すように、投入ゲート部材3530aは、本体部3570aと、出没部3571aと、それら本体部3570aと出没部3571aとを互いに連結する弾性部3572aとを備えて構成されている。
本体部3570aには、軸受け部560aが穿設されており、この軸受け部560aに挿通した支持軸531aによって本体部3570aが揺動可能に軸支される。また、本体部3570aには、連結部580aが形成されており、この連結部580aに連結した揺動片539aによって本体部3570aが揺動するように構成されている。
出没部3571aには、爪部532aが形成されており、この爪部532aが投入通路526aに出没することで投入通路526aが閉鎖または開放される。また、出没部3571aの前面(矢印F側の面)、即ち、投入通路526aと向かい合う面には、本体部3570a側(矢印D側)へ向けて変位規制部3571a1が突出して形成されており、この変位規制部3571a1が本体部3570aの上面(矢印U側の面)に当接するように構成されている。
弾性部3572aは、ゴム状弾性材から直方体状に構成され、その下面(矢印D側の面)が本体部3570aに接着固定されると共に上面(矢印U側の面)が出没部3571aに接着固定されている。これにより、弾性部3572aが弾性変形することで、本体部3570aと出没部3571aとが互いに相対変位可能となる。但し、上述したように、出没部3571aには変位規制部3571a1が形成されているので、その変位規制部3571a1が本体部3570aに当接することで、当接する方向への出没部3571aの本体部3570aに対する相対変位が規制される。
このように、本実施の形態では、変位規制部3571a1が出没部3571aに形成され、本体部3570aに当接することで出没部3571aが本体部3570aに対して相対変位することを規制する構成であるので、変位規制部3571a1を新たな部品として構成する場合に比べて、構造の簡素化を図ることができる。また、構造を簡素化することができれば、その分、製造コスト削減を図ることができる。
また、図14(a)に示すように、弾性部3572aは、投入ゲート部材3530aの側面視において、前後方向(矢印F−B方向)の幅寸法W1が、かかる方向(矢印F−B方向)の本体部3570a及び出没部3571aの幅寸法であって弾性部3572aが接着固定される本体部3570a上面(矢印U側の面)の幅寸法および出没部3571a下面(矢印D側の面)の幅寸法よりも小さく構成されると共に、前後方向(矢印F−B方向)の中心軸L1が、かかる方向(矢印F−B方向)の本体部3570a及び出没部3571aの中心軸であって弾性部3572aが接着固定される本体部3570a上面(矢印U側の面)の中心軸および出没部3571a下面(矢印D側の面)の中心軸から偏心して本体部3570aと出没部3571aとを連結している。
これにより、例えば、幅寸法W1が本体部3570a及び出没部3571aの幅寸法よりも大きい場合や同寸法の場合、或いは、幅寸法W1が本体部3570a及び出没部3571aの幅寸法より小さくても中心軸L1が本体部3570a及び出没部3571aの中心軸と同軸上にある場合に比べて、出没部3571aを本体部3570aに対して相対変位し易くすることができる。
同様に、図14(b)に示すように、弾性部3572aは、投入ゲート部材3530aの後面視において、左右方向(矢印L−R方向)の幅寸法W2が、かかる方向(矢印L−R方向)の本体部3570a及び出没部3571aの幅寸法であって弾性部3572aが接着固定される本体部3570a上面(矢印U側の面)の幅寸法および出没部3571a下面(矢印D側の面)の幅寸法よりも小さく構成されると共に、左右方向(矢印L−R方向)の中心軸L2が、かかる方向(矢印L−R方向)の本体部3570a及び出没部3571aの中心軸であって弾性部3572aが接着固定される本体部3570a上面(矢印U側の面)の中心軸および出没部3571a下面(矢印D側の面)の中心軸から偏心して本体部3570aと出没部3571aとを連結している。
これにより、例えば、幅寸法W2が本体部3570a及び出没部3571aの幅寸法よりも大きい場合や同寸法の場合、或いは、幅寸法W2が本体部3570a及び出没部3571aの幅寸法より小さくても中心軸L2が本体部3570a及び出没部3571aの中心軸と同軸上にある場合に比べて、出没部3571aを本体部3570aに対して相対変位し易くすることができる。なお、請求項1記載の通過許容禁止部材の回動軸方向とは、投入ゲート部材3530aの矢印L−R方向が該当する。
次に、図15から図18を参照して、投入ゲート部材3530aの変位動作について説明する。図15から図18は、投入ゲート部材3530aの変位動作の説明図であり、図15(a)及び図15(b)は、遊技球の取込(投入)動作状態の実行状態を、図16(a)及び図16(b)は、遊技球を挟み込んだ状態を、図17(a)及び図17(b)は、遊技球の挟み込みが解消された状態を、図18(a)及び図18(b)は、取込(投入)動作が行われていない待機状態を、それぞれ図示している。なお、図15(b)は図15(a)の一部を、図16(b)は図16(a)の一部を、図17(b)は図17(a)の一部を、図18(b)は図18(a)の一部を、それぞれ拡大して示した拡大図である。また、図15(a)、図16(a)及び図17(a)では、発明の理解を容易とするために、投入ゲート部材3530aの爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に挟み込まれる遊技球にハッチングを付して図示している。
図15(a)に示すように、遊技球の取込(投入)動作状態(投入ソレノイド534aへの通電状態)では、揺動片539aが軸部538aを中心に図15(a)における時計回り方向へ揺動回転するので、投入ゲート部材3530aは、本体部3570aが支持軸531aを中心に図15(a)における反時計回り方向へ揺動回転する。
この場合、図15(b)に示すように、出没部3571aは、本体部3570aと一体になって支持軸531aを中心に揺動回転するので、出没部3571aが本体部3570aに対して相対変位することはなく、爪部532aが投入通路526aから没した状態となる。
図15(a)の状態から投入ソレノイド534aへの通電が中止されて待機状態(図18(a)参照)へ復帰する際、遊技球が投入通路526aを流通するタイミングと、投入ゲート部材3530aの爪部532aが投入通路526aに突出して投入通路526aを閉鎖するタイミングとが一致した場合には、図16(a)に示すように、爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に遊技球を挟み込んでしまう。
ここで、遊技球を挟み込むに至るまでの過程では、揺動片539aが軸部538aを中心に図16(a)における反時計回り方向へ揺動回転するので、投入ゲート部材3530aは、本体部3570aが支持軸531aを中心に図16(a)における時計回り方向へ揺動回転する。
この場合、図16(b)に示すように、出没部3571aは、本体部3570aと一体になって支持軸531aを中心に揺動回転するので、出没部3571aが本体部3570aに対して相対変位することはなく、爪部532aが投入通路526aに突出した状態となる。
遊技球を挟み込んでしまった場合には、図17(b)に示すように、出没部3571aは、遊技球を挟み込んだ反動によって弾性部3572aが弾性変形することで、出没部3571aが本体部3570aに対して矢印C方向へ相対変位するので、図16(b)に示す状態に比べて、爪部532aが投入通路526aから没した状態となる。
この場合、図17(a)に示すように、出没部3571aが本体部3570aに対して相対変位することにより、爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間隔が広がることで、遊技球の挟み込みを解消することができる。その結果、爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に挟み込まれていた遊技球が再び投入通路526aを流通して遊技機1内へ取り込まれる(投入される)。
図18(a)に示すように、取込(投入)動作が行われていない待機状態(投入ソレノイド534aの非通電状態)では、揺動片539aが軸部538aを中心に図18(a)における反時計回り方向へ揺動回転するので、投入ゲート部材3530aは、本体部3570aが支持軸531aを中心に図18(a)における時計回り方向へ揺動回転する。
この場合、図18(b)に示すように、出没部3571aは、本体部3570aと一体になって支持軸531aを中心に揺動回転するので、出没部3571aが本体部3570aに対して相対変位することはなく、爪部532aが投入通路526aに突出した状態となる。
また、爪部532aが投入通路526aに突出した状態では、投入通路526aの上流側に存在する遊技球の重量が出没部3571aに加わることになるが、その出没部3571aに加わる遊技球の重量を変位規制部3571a1によって支えることができる。これにより、投入通路526aの上流側から出没部3571aに遊技球の重量が加わった場合でも、出没部3571aが本体部3570aに対して投入通路526aの下流側へ相対変位してしまうことがなく、不本意に投入通路526aを開放することがないので、遊技球の通路流通を確実に阻止することができる。
上述したように、本実施の形態によれば、投入ゲート部材3530a〜3530cは、弾性体から構成される弾性部3572a〜572cによって本体部3570a〜570cと出没部3571a〜571cとが連結され、弾性部3572a〜3572cが弾性変形することで出没部3571a〜3571cが本体部3570a〜3570cに対して相対変位可能に構成されているので、出没部3571a〜3571cが本体部3570a〜3570cに対して相対変位して爪部532a〜532cと排出ゲート部材540の壁板部543a〜543cとの間隔が広がることで、遊技球の挟み込みを防止することができる。これにより、球詰まりを抑制することができる。
また、投入ゲート部材3530a〜3530cは、遊技球が重力方向へ向けて流通される通路を閉鎖または開放するように配設されている(本実施の形態では、投入通路526a〜526cの鉛直方向部分に沿うようにして配設されている)ので、投入ゲート部材3530a〜3530cによって遊技球を挟み込んでしまった場合でも、遊技球自体の重量によって遊技球の挟み込みを解消し易くすることができる。
また、遊技球の通路は、入口通路522a〜522cと、その入口通路522a〜522cに連通されると共に入口通路522a〜522cと交差される(本実施の形態では、入口通路522a〜522cに対して折れ曲がる)投入通路526a〜526cとを備え、入口通路522a〜522cから投入通路526a〜526cへ遊技球が流通されるように構成され、投入ゲート部材3530a〜3530cは、投入通路526a〜526cを閉鎖または開放するように配設されているので、遊技球の挟み込みを抑制することができる。
即ち、本実施の形態によれば、入口通路522a〜522cと投入通路526a〜526cとが交差する構成であるので、遊技球は、入口通路522a〜522cから投入通路526a〜526cへ流入する際に排出ゲート部材540の壁板部543a〜543cに衝突し、その衝突によって流れの勢いが減じられる。このため、投入通路526a〜526cでは、前後する遊技球が互いに離間した状態で流通することになるので、遊技球を挟み込み難くなる。また、遊技球を挟み込み難くなれば、その分、球詰まりを抑制することができる。
また、本実施の形態では、伸縮可能な出力軸535a〜535cを有する投入ソレノイド534a〜534cと、その投入ソレノイド534a〜534cの出力軸535a〜535cを伸長方向へ付勢するコイルバネ536a〜536cとを備え、投入ソレノイド534a〜534cの通電時に出力軸535a〜535cがコイルバネ536a〜536cの付勢力に抗して短縮されることで、出没部3571a〜571cの爪部532a〜532cが投入通路526a〜526cから没するように投入ゲート部材3530a〜3530cを揺動させる一方、投入ソレノイド534a〜534cの非通電時に出力軸535a〜535cがコイルバネ535a〜535cの付勢力によって伸長されることで、出没部3571a〜571cの爪部532a〜532cが投入通路526a〜526cに突出するように投入ゲート部材3530a〜3530cを揺動させる構成であるので、コイルバネ536a〜536cの付勢力を常に投入ゲート部材3530a〜3530cに付与して、出没部3571a〜571cの爪部532a〜532cが投入通路526a〜526cに突出する方向へ投入ゲート部材3530a〜3530cを揺動させるように付勢することができる。これにより、投入ゲート部材3530a〜3530cのかかる方向への揺動応答性の向上を図ることができ、遊技球の挟み込みを抑制することができる。
次に、図19から図23を参照して、第4実施の形態について説明する。第3実施の形態では、投入ゲート部材3530aを本体部570aと出没部571aとによって上下方向(矢印U−D方向、図14参照)に分割して構成する場合を説明したが、第4実施の形態では、投入ゲート部材4530aが本体部4570aと出没部4571aとによって前後方向(矢印F−B方向、図19参照)に分割され構成されている。なお、上記各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図19(a)は、投入ゲート部材4530aの側面図であり、図19(b)は、図19(a)の矢印XIXb方向視における投入ゲート部材4530aの後面図である。なお、図19の矢印U−D,L−R,F−Bは、投入ゲート部材4530aの上下方向、左右方向、前後方向をそれぞれ示している。
図19に示すように、投入ゲート部材4530aは、本体部4570aと、出没部4571aと、それら本体部4570aと出没部4571aとを互いに連結する弾性部4572aとを備えて構成されている。
本体部4570aには、軸受け部560aが穿設されており、この軸受け部560aに挿通した支持軸531aによって本体部4570aが揺動可能に軸支される。また、本体部4570aの前面(矢印F側の面)、即ち、投入通路526aと向かい合う面には、出没部4571a側(矢印F側)へ向けて変位規制部4570a1が突出して形成されており、この変位規制部4570a1が出没部4571aの後面(矢印B側の面)に当接するように構成されている。
出没部4571aには、爪部532aが形成されており、この爪部532aが投入通路526aに出没することで投入通路526aが閉鎖または開放される。弾性部4572aは、ゴム状弾性材から直方体状に構成され、その後面(矢印B側の面)が本体部4570aに接着固定されると共に前面(矢印F側の面)が出没部4571aに接着固定されている。これにより、弾性部4572aが弾性変形することで、本体部4570aと出没部4571aとが互いに相対変位可能となる。但し、上述したように、本体部4570aには変位規制部4570a1が形成されているので、その変位規制部4570a1が出没部4571aに当接することで、当接する方向への出没部4571aの本体部4570aに対する相対変位が規制される。
このように、本実施の形態では、変位規制部4570a1が本体部4570aに形成され、出没部4571aに当接することで出没部4571aが本体部4570aに対して相対変位することを規制する構成であるので、変位規制部4570a1を新たな部品として構成する場合に比べて、構造の簡素化を図ることができる。また、構造を簡素化することができれば、その分、製造コスト削減を図ることができる。
また、図19(a)に示すように、弾性部4572aは、投入ゲート部材4530aの側面視において、上下方向(矢印U−D方向)の幅寸法W3が、かかる方向(矢印U−D方向)の本体部4570a及び出没部4571aの幅寸法であって弾性部4572aが接着固定される本体部4570a前面(矢印F側の面)の幅寸法および出没部4571a後面(矢印B側の面)の幅寸法よりも小さく構成されると共に、上下方向(矢印U−D方向)の中心軸L3が、かかる方向(矢印U−D方向)の本体部4570a及び出没部4571aの中心軸であって弾性部4572aが接着固定される本体部4570a前面(矢印F側の面)の中心軸および出没部4571a後面(矢印B側の面)の中心軸から偏心して本体部4570aと出没部4571aとを連結している。
これにより、例えば、幅寸法W3が本体部4570a及び出没部4571aの幅寸法よりも大きい場合や同寸法の場合、或いは、幅寸法W3が本体部4570a及び出没部4571aの幅寸法より小さくても中心軸L3が本体部4570a及び出没部4571aの中心軸と同軸上にある場合に比べて、出没部4571aを本体部4570aに対して相対変位し易くすることができる。
同様に、図19(b)に示すように、弾性部4572aは、投入ゲート部材4530aの後面視において、左右方向(矢印L−R方向)の幅寸法W4が、かかる方向(矢印L−R方向)の本体部4570a及び出没部4571aの幅寸法であって弾性部4572aが接着固定される本体部4570a前面(矢印F側の面)の幅寸法および出没部4571a後面(矢印B側の面)の幅寸法よりも小さく構成されると共に、左右方向(矢印L−R方向)の中心軸L4が、かかる方向(矢印L−R方向)の本体部4570a及び出没部4571aの中心軸であって弾性部4572aが接着固定される本体部4570a前面(矢印F側の面)の中心軸および出没部4571a後面(矢印B側の面)の中心軸から偏心して本体部4570aと出没部4571aとを連結している。
これにより、例えば、幅寸法W4が本体部4570a及び出没部4571aの幅寸法よりも大きい場合や同寸法の場合、或いは、幅寸法W4が本体部4570a及び出没部4571aの幅寸法より小さくても中心軸L4が本体部4570a及び出没部4571aの中心軸と同軸上にある場合に比べて、出没部4571aを本体部4570aに対して相対変位し易くすることができる。なお、請求項2記載のゲート部材の揺動軸方向とは、投入ゲート部材4530aの矢印L−R方向が該当する。
次に、図20から図23を参照して、投入ゲート部材4530aの変位動作について説明する。図20から図23は、投入ゲート部材4530aの変位動作の説明図であり、図20(a)及び図20(b)は、遊技球の取込(投入)動作状態の実行状態を、図21(a)及び図21(b)は、遊技球を挟み込んだ状態を、図22(a)及び図22(b)は、遊技球の挟み込みが解消された状態を、図23(a)及び図23(b)は、取込(投入)動作が行われていない待機状態を、それぞれ図示している。なお、図20(b)は図20(a)の一部を、図21(b)は図21(a)の一部を、図22(b)は図22(a)の一部を、図23(b)は図23(a)の一部を、それぞれ拡大して示した拡大図である。また、図20(a)、図21(a)及び図22(a)では、発明の理解を容易とするために、投入ゲート部材4530aの爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に挟み込まれる遊技球にハッチングを付して図示している。
図20(a)に示すように、遊技球の取込(投入)動作状態(投入ソレノイド534aへの通電状態)では、揺動片539aが軸部538aを中心に図20(a)における時計回り方向へ揺動回転するので、投入ゲート部材4530aは、本体部4570aが支持軸531aを中心に図20(a)における反時計回り方向へ揺動回転する。
この場合、図20(b)に示すように、出没部4571aは、本体部4570aと一体になって支持軸531aを中心に揺動回転するので、出没部4571aが本体部4570aに対して相対変位することはなく、爪部532aが投入通路526aから没した状態となる。
図20(a)の状態から投入ソレノイド534aへの通電が中止されて待機状態(図23(a)参照)へ復帰する際、遊技球が投入通路526aを流通するタイミングと、投入ゲート部材4530aの爪部532aが投入通路526aに突出して投入通路526aを閉鎖するタイミングとが一致した場合には、図21(a)に示すように、爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に遊技球を挟み込んでしまう。
ここで、遊技球を挟み込むに至るまでの過程では、揺動片539aが軸部538aを中心に図21(a)における反時計回り方向へ揺動回転するので、投入ゲート部材4530aは、本体部4570aが支持軸531aを中心に図21(a)における時計回り方向へ揺動回転する。
この場合、図21(b)に示すように、出没部4571aは、本体部4570aと一体になって支持軸531aを中心に揺動回転するので、出没部4571aが本体部4570aに対して相対変位することはなく、爪部532aが投入通路526aに突出した状態となる。
遊技球を挟み込んでしまった場合には、図22(b)に示すように、出没部4571aは、遊技球を挟み込んだ反動によって弾性部4572aが弾性変形することで、出没部4571aが本体部4570aに対して矢印D方向へ相対変位するので、図21(b)に示す状態に比べて、爪部532aが投入通路526aから没した状態となる。
この場合、図22(a)に示すように、出没部4571aが本体部4570aに対して相対変位することにより、爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間隔が広がることで、遊技球の挟み込みを解消することができる。その結果、爪部532aと排出ゲート部材540の壁板部543aとの間に挟み込まれていた遊技球が再び投入通路526aを流通して遊技機1内へ取り込まれる(投入される)。
図23(a)に示すように、取込(投入)動作が行われていない待機状態(投入ソレノイド534aの非通電状態)では、揺動片539aが軸部538aを中心に図23(a)における反時計回り方向へ揺動回転するので、投入ゲート部材4530aは、本体部4570aが支持軸531aを中心に図23(a)における時計回り方向へ揺動回転する。
この場合、図23(b)に示すように、出没部4571aは、本体部4570aと一体になって支持軸531aを中心に揺動回転するので、出没部4571aが本体部4570aに対して相対変位することはなく、爪部532aが投入通路526aに突出した状態となる。
また、爪部532aが投入通路526aに突出した状態では、投入通路526aの上流側に存在する遊技球の重量が出没部4571aに加わることになるが、その出没部4571aに加わる遊技球の重量を変位規制部4570a1によって支えることができる。これにより、投入通路526aの上流側から出没部4571aに遊技球の重量が加わった場合でも、出没部4571aが本体部4570aに対して投入通路526aの下流側へ相対変位してしまうことがなく、不本意に投入通路526aを開放することがないので、遊技球の通路流通を確実に阻止することができる。
上述したように、本実施の形態によれば、投入ゲート部材4530a〜4530cは、弾性体から構成される弾性部4572a〜4572cによって本体部4570a〜4570cと出没部4571a〜4571cとが連結され、弾性部4572a〜4572cが弾性変形することで出没部4571a〜4571cが本体部4570a〜4570cに対して相対変位可能に構成されているので、出没部4571a〜4571cが本体部4570a〜4570cに対して相対変位して爪部532a〜532cと排出ゲート部材540の壁板部543a〜543cとの間隔が広がることで、遊技球の挟み込みを防止することができる。これにより、球詰まりを抑制することができる。
次に、図24を参照して、第5実施の形態について説明する。第3実施の形態では、弾性部3572aを本体部3570aと出没部3571aとに対して直列に設ける場合を説明したが、第5実施の形態では、弾性部5572aが本体部5570aと出没部5571aとに対して並列に設けられている。なお、上記各実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図24(a)は、投入ゲート部材5530aの側面図であり、図24(b)は、図24(a)の矢印XXIVb方向視における投入ゲート部材5530aの後面図である。なお、図24の矢印U−D,L−R,F−Bは、投入ゲート部材5530aの上下方向、左右方向、前後方向をそれぞれ示している。
図24に示すように、投入ゲート部材5530aは、本体部5570aと、出没部5571aと、それら本体部5570aと出没部5571aとを互いに連結する弾性部5572aとを備えて構成されている。
本体部5570aには、軸受け部560aが穿設されており、この軸受け部560aに挿通した支持軸531aによって本体部5570aが揺動可能に軸支される。出没部5571aには、爪部532aが形成されており、この爪部532aが投入通路526aに出没することで投入通路526aが閉鎖または開放される。弾性部5572aは、ゴム状弾性材から直方体状に構成され、その前面(矢印F側の面)が本体部5570a及び出没部5571aに接着固定されている。これにより、弾性部5572aが弾性変形することで、本体部5570aと出没部5571aとが互いに相対変位可能となる。
ここで、本実施の形態では、本体部5570aの上面(矢印U側の面)と出没部5571aの下面(矢印D側の面)とが互いに当接し合うことで、当接し合う方向への出没部5571aの本体部5570aに対する相対変位が規制される。即ち、本体部5570aの上面および出没部5571aの下面がそれぞれ変位規制部5570a1,5571a1となる。
このように、本実施の形態では、本体部5570aの上面および出没部5571aの下面が変位規制部5570a1,5571a1となるので、本体部5570a及び出没部5571aを簡素に構成することができ、構造が複雑化することを回避することができる。
また、図24(b)に示すように、弾性部5572aは、投入ゲート部材5530aの後面視において、左右方向(矢印L−R方向)の幅寸法W5が、かかる方向(矢印L−R方向)の本体部5570a及び出没部5571aの幅寸法であって弾性部5572aが接着固定される本体部5570a後面(矢印B側の面)の幅寸法および出没部5571a後面(矢印B側の面)の幅寸法と略同一寸法に構成されると共に、左右方向(矢印L−R方向)の中心軸L5が、かかる方向(矢印L−R方向)の本体部5570a及び出没部5571aの中心軸であって弾性部5572aが接着固定される本体部5570a後面(矢印B側の面)の中心軸および出没部5571a後面(矢印B側の面)の中心軸と略同軸上となるように本体部5570aと出没部5571aとを連結している。
投入ゲート部材5530a〜5530cの変位動作については第3実施の形態と同様であるため説明を省略するが、本実施の形態によれば、投入ゲート部材5530a〜5530cは、弾性体から構成される弾性部5572a〜5572cによって本体部5570a〜5570cと出没部5571a〜5571cとが連結され、弾性部5572a〜5572cが弾性変形することで出没部5571a〜5571cが本体部5570a〜5570cに対して相対変位可能に構成されているので、出没部5571a〜5571cが本体部5570a〜5570cに対して相対変位して爪部532a〜532cと排出ゲート部材540の壁板部543a〜543cとの間隔が広がることで、遊技球の挟み込みを防止することができる。これにより、球詰まりを抑制することができる。
以上、各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1および第2実施の形態では、ハウジング部材521a1〜521c1,521a2〜521c2の軸受け部561a1〜561c1,561a2〜561c2が断面円形状に、投入ゲート部材2530a〜2530cの軸受け部2560a〜2560cが断面円形状に、それぞれ構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、断面楕円形状や断面矩形状に構成しても良い。
上記第1および第2実施の形態では、支持軸531a〜531cが断面円形状に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、断面矩形状や断面三角形状に構成しても良い。
上記第3から第5実施の形態では、弾性部3572a,4572a,5572aをゴム状弾性材から構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、コイルスプリングやプラスチック状弾性材などから構成しても良い。