JP4857758B2 - 液晶ディスプレイパネル構造体及びその製造方法並びにディスプレイ装置 - Google Patents

液晶ディスプレイパネル構造体及びその製造方法並びにディスプレイ装置 Download PDF

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本発明は、液晶ディスプレイパネル構造体(以下、「LCDパネル構造体」という。)及びその製造方法並びにディスプレイ装置に関する。更に詳しくは、本発明は、粘着性、透明性、放射線硬化性及び耐衝撃性に優れる耐衝撃粘着層を備え、透明性及び耐衝撃性に優れるLCDパネル構造体及びその製造方法並びにディスプレイ装置に関する。
近年、ディスプレイパネルとして、液晶ディスプレイ(LCD)が使用されている。LCDは、通常、複数のフィルムが積層された積層構造体である。例えば、LCDは通常、ガラス基板で構成されるLCDセルの表面に、偏光板、位相差板、視野角拡大フィルム及び輝度改善フィルム等の光学フィルムが積層されている。そして、LCDを構成する各層は、通常、各種粘着剤により形成される粘着層により貼り合わされている。
下記特許文献1には、20℃での動的貯蔵弾性率が特定範囲であるガラス割れ防止粘着剤層に光学フィルムが積層されている粘着剤付光学フィルム及び該粘着剤付光学フィルムを備える液晶表示装置が記載されている。下記特許文献1には、上記ガラス割れ防止粘着剤層を形成する粘着剤として、アクリル系、ゴム系、ポリエステル系、及びシリコーン系の粘着剤を使用できることが記載されている。また、下記特許文献1には、上記粘着剤は、熱架橋型の粘着剤及び紫外線又は電子線等の光架橋型の粘着剤を使用できることが記載されている。
下記特許文献2には、特定のアクリレートモノマーと他のビニルモノマーとの共重合物からなる初期重合物(A)と、(メタ)アクリル系モノマー(B)を含有し、且つガラス転移点が特定範囲であるアクリルシロップ樹脂組成物が記載されている。そして、下記特許文献2には、当該組成物が、紫外線又は電子線照射により硬化すること、及び各種粘着シートとして使用できることが記載されている。
特開2004−271935号公報 特開2005−240044号公報
LCDを構成するガラス基板は、押さえつけたり、あるいはぶつけたりすることで容易に破損することが知られている。単にLCDセルと偏光板等の光学フィルムとを直接粘着層で貼りあわせたLCDパネル構造体では、強度が十分であるとは言えない。LCDパネル構造体の強度を高め、LCDパネル構造体、特にLCDセルを構成するガラス基板の破損を防止する方法として、更に衝撃吸収層や保護フィルム層を設ける方法も考えられる。しかし、別途衝撃吸収層を設ける方法では、衝撃吸収層や保護フィルム層を設ける工程が必要となる。そこで従来より、別途衝撃吸収層を有しなくても耐衝撃性に優れるLCDパネル構造体の開発が望まれていた。また、LCDパネル構造体は、各層を確実に積層できると共に、透明性に優れていることも重要である。更に、LCDパネル構造体を構成する各層を貼り合わせる粘着層を放射線照射により得る際、未反応の成分由来のガスが凝集して気泡や浮きが発生すると、平面状ディスプレイパネルの視認性に影響を及ぼす。よって、上記粘着層は、放射線硬化性に優れていることが求められている。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものである。本発明は、粘着性、透明性、放射線硬化性及び耐衝撃性に優れる耐衝撃粘着層を備え、透明性及び耐衝撃性に優れるLCDパネル構造体及びその製造方法並びにディスプレイ装置を提供することを目的とする。
本発明は以下の通りである。
(1)硬化型液状粘着組成物を脱気する脱気工程と、上記脱気工程により脱気された上記硬化型液状粘着組成物を液晶ディスプレイセル又は光学フィルム表面に塗布する塗布工程と、を照射することにより、上記塗布工程により塗布された上記硬化型液状粘着組成物を硬化させて耐衝撃粘着層を形成する硬化工程と、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層により、液晶ディスプレイセルと光学フィルムとを貼り合わせる貼り合わせ工程と、を順次備え、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層の厚さが50〜2000μmであり、上記光硬化型液状粘着組成物は、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有し、上記(C)シランカップリング剤は、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とするLCDパネル構造体の製造方法。
Figure 0004857758
[式(1)において、Xはアクリロイル基、グリシジル基、メルカプト基又はハロゲン基であり、R は2価の有機基であり、R は炭化水素基である。]
(2)硬化型液状粘着組成物を脱気する脱気工程と、上記脱気工程により脱気された上記硬化型液状粘着組成物を基層に塗布する塗布工程と、を照射することにより、上記塗布工程により塗布された上記硬化型液状粘着組成物を硬化させて耐衝撃粘着層を形成する硬化工程と、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層を基層から剥離し、上記耐衝撃粘着層の一方の表面に液晶ディスプレイセルを積層し、他方の表面に光学フィルムを積層することにより、上記液晶ディスプレイセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる貼り合わせ工程と、を順次備え、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層の厚さが50〜2000μmであり、上記光硬化型液状粘着組成物は、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有し、上記(C)シランカップリング剤は、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とするLCDパネル構造体の製造方法。
Figure 0004857758
[式(1)において、Xはアクリロイル基、グリシジル基、メルカプト基又はハロゲン基であり、R は2価の有機基であり、R は炭化水素基である。]
(3)上記(A)アクリルシロップの25℃における粘度が、2000〜95000cPsである上記(1)又は(2)記載の液晶ディスプレイパネル構造体の製造方法。
(4)上記脱気工程後の上記硬化型液状粘着組成物に含まれる溶存酸素量が飽和酸素量の90%以下である上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のLCDパネル構造体の製造方法。
(5)上記は紫外線であり、ピーク照度が50〜1000mW/cm、且つ積算光量が100〜2000mJ/cmの条件で上記紫外線を照射する上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のLCDパネル構造体の製造方法。
(6)脱気された光硬化型液状粘着組成物が、液晶ディスプレイセルと、該液晶ディスプレイセルの少なくとも一方の表面に積層され、上記光硬化型液状粘着組成物にを照射することにより形成された耐衝撃粘着層と、該耐衝撃粘着層の表面に積層された光学フィルム層と、を備え、上記光硬化型液状粘着組成物は、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有し、上記(C)シランカップリング剤は、下記式(1)で表される化合物であり、上記耐衝撃粘着層は、厚さが50〜2000μmであり、且つ上記耐衝撃粘着層の放射線照射側表面のtanδのピーク値が、他方側表面のtanδのピーク値がよりも低いことを特徴とするLCDパネル構造体。
Figure 0004857758
[式(1)において、Xはアクリロイル基、グリシジル基、メルカプト基又はハロゲン基であり、R は2価の有機基であり、R は炭化水素基である。]
(7)脱気された光硬化型液状粘着組成物が、液晶ディスプレイセルと、該液晶ディスプレイセルの少なくとも一方の表面に積層され、上記光硬化型液状粘着組成物にを照射することにより形成された耐衝撃粘着層と、該耐衝撃粘着層の表面に積層された光学フィルム層と、を備え、上記光硬化型液状粘着組成物は、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有し、上記(C)シランカップリング剤は、下記式(1)で表される化合物であり、上記耐衝撃粘着層は、厚さが50〜2000μm、tanδのピーク値が1以上、且つ25℃でのヘイズが1以下であることを特徴とするLCDパネル構造体。
Figure 0004857758
[式(1)において、Xはアクリロイル基、グリシジル基、メルカプト基又はハロゲン基であり、R は2価の有機基であり、R は炭化水素基である。]
(8)上記耐衝撃粘着層の180°剥離粘着力が0.1〜10N/25mmである上記(6)又は(7)記載のLCDパネル構造体。
)上記(6)乃至()のいずれかに記載のLCDパネル構造体を備えることを特徴とする液晶ディスプレイ装置。
本発明のLCDパネル構造体の製造方法は、耐衝撃粘着層の粘着性、透明性、放射線硬化性及び耐衝撃性(衝撃吸収性も含む。)を向上させることができる。その結果、製造されるLCDパネル構造体を構成する各層を確実に固定することができ、また、LCDパネル構造体の透明性及び耐衝撃性を向上させることができる。
本発明のLCDパネル構造体の製造方法において、硬化型液状粘着組成物として、上記の硬化型液状粘着組成物を用いることにより、上記耐衝撃粘着層の粘着性、透明性、硬化性及び耐衝撃性を向上させることができる。その結果、LCDパネル構造体を構成する各層を確実に固定すると共に、LCDパネル構造体の透明性及び耐衝撃性を向上させることができる。
本発明のLCDパネル構造体の製造方法において、上記脱気工程後の上記硬化型液状粘着組成物に含まれる溶存酸素量が飽和酸素量の90%以下であると、LCDパネル構造体を構成する各層を確実に固定すると共に、LCDパネル構造体の透明性及び耐衝撃性を向上させることができる。
本発明のLCDパネル構造体の製造方法において、上記は紫外線であり、ピーク照度が50〜1000mW/cm、且つ積算光量が100〜2000mJ/cmの条件で上記紫外線を照射すると、LCDパネル構造体を構成する各層を確実に固定すると共に、LCDパネル構造体の透明性及び耐衝撃性を向上させることができる。
本発明のLCDパネル構造体は、上記構成を備えることにより、LCDパネル構造体を構成する各層を確実に固定すると共に、LCDパネル構造体の透明性及び耐衝撃性を向上させることができる。
本発明のLCDパネル構造体において、上記耐衝撃粘着層の180°剥離粘着力が0.1〜10N/25mmであると、更に上記耐衝撃粘着層の粘着性を向上させることができる。その結果、本発明のLCDパネル構造体を構成する各層を確実に固定することができる。
本発明のLCDパネル構造体において、上記耐衝撃粘着層は、上記の特定組成の耐衝撃粘着層であると、更に上記耐衝撃粘着層の粘着性を向上させることができる。その結果、本発明のLCDパネル構造体を構成する各層を確実に固定することができる。
本発明の液晶ディスプレイ装置は、本発明のLCDパネル構造体を備えることにより、LCDパネル構造体を構成する各層が確実に固定されており、また、視認性及び耐衝撃性に優れている。
以下、本発明を詳しく説明する。
(1)LCD構造体の製造方法
第1の本発明のLCD構造体の製造方法は、硬化型液状粘着組成物を脱気する脱気工程と、上記脱気工程により脱気された上記硬化型液状粘着組成物を液晶ディスプレイセル又は光学フィルム表面に塗布する塗布工程と、を照射することにより、上記塗布工程により塗布された上記硬化型液状粘着組成物を硬化させて耐衝撃粘着層を形成する硬化工程と、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層により、液晶ディスプレイセルと光学フィルムとを貼り合わせる貼り合わせ工程と、を順次備え、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層の厚さが50〜2000μmであり、上記光硬化型液状粘着組成物は、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有し、上記(C)シランカップリング剤は、上記式(1)で表される化合物であることを特徴とする。
第2の本発明のLCDパネル構造体の製造方法は、硬化型液状粘着組成物を脱気する脱気工程と、上記脱気工程により脱気された上記硬化型液状粘着組成物を基層に塗布する塗布工程と、を照射することにより、上記塗布工程により塗布された上記硬化型液状粘着組成物を硬化させて耐衝撃粘着層を形成する硬化工程と、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層を基層から剥離し、上記耐衝撃粘着層の一方の表面に液晶ディスプレイセルを積層し、他方の表面に光学フィルムを積層することにより、上記液晶ディスプレイセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる貼り合わせ工程と、を順次備え、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層の厚さが50〜2000μmであり、上記光硬化型液状粘着組成物は、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有し、上記(C)シランカップリング剤は、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とする。
上記硬化型液状粘着組成物は、を照射することにより硬化し、硬化物が粘着性を有する性質を備えてい。上記硬化型液状粘着組成物としては、例えば、アクリル系、ゴム系、ポリエステル系、及びシリコーン系の粘着組成物が挙げられるが、透明性及び耐久性等の観点から、上記硬化型液状粘着組成物、アクリル系の硬化型液状粘着組成物である。尚、上記「液状」には、溶液等の液状だけでなく、ゲル等の半固形状も含む。
上記アクリル系の硬化型液状粘着組成物は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、紫外線等のを照射することにより重合して粘着性を示す組成物であ。上記アクリル系の硬化型液状粘着組成物としては、例えば、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤のうちの少なくとも1種を含有する硬化型液状粘着組成物、特に、(A)アクリルシロップと、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤のうちの少なくとも1種とを含有する硬化型液状粘着組成物等が挙げられるが、本発明における上記アクリル系の硬化型液状粘着組成物、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有する硬化型液状粘着組成物である。
上記(A)アクリルシロップは、アクリル系モノマー及び必要に応じて他のモノマーを重合することにより得られるアクリル系重合体を含むシロップ状の組成物である。上記アクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アニールエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル、多価アクリル酸エステル、及び脂環式アルコールのメタクリル酸エステル等が挙げられる。上記アクリル系モノマーは1種単独でもよく、2種以上併用してもよい。上記アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系モノマーが好ましい。
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、単官能アクリレート及び多官能アクリレートの1種又は2種以上を用いることができる。上記単官能アクリレートとして具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及び7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記単官能アクリレートとして、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。上記単官能アクリレートは1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記多官能アクリレートとして具体的には、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジイルジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの両末端(メタ)アクリル酸付加、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの付加体であるジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに(メタ)アクリレートを付加させたエポキシ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、及びシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記多官能アクリレートとして、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが好ましい。上記多官能アクリレートは1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
上記他のモノマーとしては、例えば、アクリル酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、及びt−オクチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。上記他のモノマーは1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(A)アクリルシロップの粘度は、通常1000〜100000cPs、好ましくは2000〜95000cPs、更に好ましくは3000〜90000cPs、より好ましくは10000〜90000cPsである。尚、この粘度は、25℃の条件でB型粘度計により測定した粘度である。また、上記(A)アクリルシロップに含まれるアクリル系重合体の重量平均分子量は、通常50万〜300万、好ましくは50万〜250万、更に好ましくは60万〜200万、より好ましくは70万〜180万である。上記粘度及び上記重量平均分子量が上記範囲であると、塗布が容易であり、また、得られる耐衝撃粘着層の粘着性及び耐衝撃性を向上させることができるので好ましい。
上記(A)アクリルシロップは、上記アクリル系重合体だけでなく、モノマーである上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含んでいてもよい。上記(A)アクリルシロップが上記モノマーを含んでいると、上記(A)アクリルシロップの粘度を適切な範囲とすることができる。その結果、上記(A)アクリルシロップの塗布及び取り扱いを容易にすることができるので好ましい。上記モノマーを含有させる方法に特に限定はない。上記モノマーを含む上記(A)アクリルシロップは、通常、上記アクリル系重合体を得る重合反応において、反応率が100%になる前に反応を停止させることにより、上記アクリル系重合体と未反応の上記モノマーの混合物として得ることができる。
上記(B)アクリレートモノマーとして具体的には、例えば、上記アクリル系モノマー
等が挙げられる。上記(B)アクリレートモノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。上記(B)アクリレートモノマーは、上記(A)アクリルシロップに含まれるアクリル系重合体を構成するアクリル系モノマーと同じモノマーでもよく、異なるモノマーでもよい。
上記(B)アクリレートモノマーの含有量は、上記各成分の種類及び含有量等に応じて選択することができる。上記(B)アクリレートモノマーの含有量は、上記(A)アクリルシロップ及び上記(B)アクリレートモノマーの含有量の合計を100質量%とした場合、通常1〜80質量%、好ましくは3〜75質量%、更に好ましくは5〜70質量%、より好ましくは10〜65質量%である。
また、上記(B)アクリレートモノマーが2種以上のアクリレートモノマーを含有する場合、各アクリレートモノマーの含有量は、必要に応じて種々の範囲とすることができる。上記(B)アクリレートモノマーが2種以上のアクリレートモノマーを含有する場合、上記各成分の種類及び含有量等に応じて選択することができる。例えば、上記(B)アクリレートモノマーの全量を100質量%とした場合、主成分(最も含有量の多い成分)であるアクリレートモノマーの含有量は、通常30〜90質量%、好ましくは35〜85質量%、更に好ましくは40〜80質量%である。より具体的には、例えば、上記(B)アクリレートモノマーが、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の脂環エーテル含有アクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート及び4−ヒドロキシブチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートを含有する場合、主成分であるアクリレートモノマーの含有量を上記範囲とすることができる。
上記(C)シランカップリング剤は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0004857758
[式(1)において、Xはアクリロイル基、グリシジル基、メルカプト基又はハロゲン基であり、Rは2価の有機基であり、Rは炭化水素基である。]
上記Xはアクリロイル基、グリシジル基、メルカプト基又はハロゲン基からなる群から選ばれる官能基である。この中で、特にアクリロイル基及びメルカプト基が、高い接着性を発現する上で好ましい。
上記Rは2価の有機基であれば、その構造に限定はない。例えば、上記Rの炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜18、更に好ましくは2〜15、より好ましくは3〜12である。また、上記Rは直鎖構造でもよく、分岐構造を有していてもよい。更に、上記Rは飽和有機基(飽和アルキル基等)でもよく、不飽和有機基(不飽和アルキル基等)でもよく、脂環式又は芳香族式の有機基でもよい。上記Rとして具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、シクロヘキシル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記Rは炭化水素基であれば、その種類及び構造には特に限定はない。通常、上記Rの炭素数は1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4である。また、上記Rは直鎖構造でもよく、分岐構造を有していてもよい。更に、上記Rは飽和炭化水素基でもよく、不飽和炭化水素基でもよく、脂環式又は芳香族式の炭化水素基でもよい。尚、上記式(1)において、各R同士は同じ基でもよく、異なる基でもよい。
上記炭化水素基としてより具体的には、例えば、(1)メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、及びt−ドデシル基等の直鎖又は分岐アルキル基、(2)シクロペンチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等の脂環族基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、メチルアダマンチル基、エチルアダマンチル基、及びブチルアダマンチル基等の有橋脂環族基、(3)ビニル基及びプロペニル基等のアルケニル基、(4)フェニル基、トルイル基、ベンジル基、メチルベンジル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、及びアントリル基等のアリール基、並びに(5)ピリジル基、イミダゾリル基、モルホリニル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基等のヘテロアリール基等が挙げられる。この中で、炭素数1〜3のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基)が好ましい。
また、上記式(1)中、上記R及びRは、構造中に更に他の官能基又は原子を有していてもよい。他の官能基としては、例えば、チオール基、ヒドロキシル基、エーテル基、チオエーテル基、スルフィニル基、スルホニル基、カルボニル基、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、ニトリル基、及びアミド基等が挙げられる。また、上記原子としては、例えば、各種へテロ原子(酸素原子、窒素原子、硫黄原子等)及びハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等)が挙げられる。上記他の官能基又は原子は1種のみでもよく、2種以上含んでいてもよい。また、上記他の官能基又は原子の数も特に限定はなく、1個でもよく、2個以上含んでいてもよい。
上記式(1)で表される化合物として具体的には、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、3−クロロプロピルトリアルコキシシラン等が上げられる。これらの中で、炭素数1〜2のアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。特に3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリアルコキシシランが、高い接着性を発現する上で好ましい。
上記(C)シランカップリング剤の含有量は、上記各成分の種類及び含有量等に応じて選択することができる。上記(C)シランカップリング剤の含有量は、通常、上記(A)アクリルシロップ及び上記(B)アクリレートモノマーの含有量の合計100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部、更に好ましくは0.2〜2質量部、より好ましくは0.3〜1.5質量部である。
上記(D)ウレタン(メタ)アクリレートは、ジイソシアネート、水酸基含有(メタ)アクリレート、及びジオールを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。この反応としては、例えば、(1)ジオール、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを一括に仕込んで反応させる方法、(2)ジオール及びジイソシアネートを反応させ、次いで水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法、(3)ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでジオールを反応させる方法、並びに(4)ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いでジオールを反応させ、最後にまた水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させる方法等が挙げられる。
上記(D)ウレタン(メタ)アクリレートは、ジオールが1分子中に好ましくは2分子以上の繰り返し単位、より好ましくは1分子中に3分子以上の繰り返し単位として含まれるように、上記ジオールと上記ジイソシアネートとの反応割合等を調整して反応させる。具体的には、例えば、上記ジイソシアネートのモル比は、上記ジオール1モルに対して1.5モル以下になるように調整する。上記水酸基含有(メタ)アクリレートの割合は、上記ジオールと上記ジイソシアネートのモル比から計算される過剰のイソシアネート当量に対して1.0〜1.5当量となるように調整することが好ましい。
上記ジイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。これらのうち、特に、脂肪族系化合物である2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)が好ましい。ジイソシアネート成分に脂肪族系化合物を用いることで、加熱時の黄変が抑制することができる。より良好な加熱時の低黄変性を求める場合は、イソホロンジイソシアネート又はメチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)を用いることが好ましい。これらのジイソシアネートは、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルホスフェート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの如きグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物等を挙げることができる。これら水酸基含有(メタ)アクリレートのうち、特に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。これらの、水酸基含有(メタ)アクリレートは、単独であるいは、2種以上組み合わせて用いることができる。
上記ジオールの例としては、脂肪族ポリエーテルジオール、環状ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、及びポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
上記脂肪族ポリエーテルジオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコール又は2種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオール等が挙げられる。上記イオン重合性環状化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。また、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。上記2種以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わせとしては、例えばテトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシド、エチレンオキシドの3元重合体等を挙げることができる。これらのイオン重合性環状化合物の開環共重合体はランダムに結合していてもよいし、ブロック状の結合をしていてもよい。これらの中で、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、1,2−ブチレンオキシドとエチレンオキシドとの共重合体及びプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のジオールを使用することが好ましい。
上記脂肪族ポリエーテルジオールの市販品としては、例えば、PPG−400、PPG1000、PPG2000、PPG3000、EXCENOL720、1020、2020、PREMINOL PML S−X4001、PML S−4003、PML S−X4004、PML S−X4008、PML S−X4011、PML S−X4016、NPML−4002A(以上、旭硝子ウレタン社製)、EO/BO500、EO/BO1000、EOBO/2000、EO/BO3000、EO/BO4000(以上、第一工業製薬社製)、PTMG650、PTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学社製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂社製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400、PTGL2000(以上、保土谷化学工業社製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B(以上、第一工業製薬社製)等を挙げることができる。
上記環状ポリエーテルジオールしては、例えば、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加ジオール、ハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、ナフトハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、アントラハイドロキノンのアルキレンオキサイド付加ジオール、1,4−シクロヘキサンジオールおよびそのアルキレンオキサイド付加ジオール、トリシクロデカンジオール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジオール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール等が挙げられる。これらの中で、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオール、トリシクロデカンジメタノールが好ましい。上記環状ポリエーテルポリオールの市販品としては、例えばユニオールDA400、DA700、DA1000、DB400(以上、日本油脂社製)、N1162(第一工業製薬社製)、トリシクロデカンジメタノール(三菱化学社製)等を挙げることができる。
上記ポリエステルジオールとしては、ジオールと二酸塩基とを反応して得られるポリエステルジオール等が挙げられる。上記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等が挙げられる。また二塩基酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等を挙げることができる。上記ポリエステルジオールの市販品としては、クラポールP−2010、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000(以上、クラレ社製)等が挙げられる。
上記ポリカーボネートジオールとしては、例えば、ポリテトラヒドロフランのポリカーボネート、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネート等が挙げられる。上記ポリカーボネートジオールの市販品としては、DN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン社製)、PC−8000(米国PPG社製)、及びPC−THF−CD(BASF社製)等が挙げられる。
上記ポリカプロラクトンジオールとしては、例えば、ε−カプロラクトンと、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等のジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオールが挙げられる。これらのジオールとして、プラクセル205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル化学工業社製)等が市販品として入手することができる。
上記ジオールの数平均分子量は、好ましくは300〜15,000であり、更に好ましくは1000〜12000、特に好ましくは2000〜12000である。
上記以外の他のジオールも数多く使用することができる。このような他のジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノール、β−メチル−δ−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ヒマシ油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ジオール等が挙げられる。
これら他のジオール成分の数平均分子量は、300〜5000、好ましくは300〜2000、更に好ましくは300〜1000である。
また、上記ジオール成分と共にジアミンを併用することも可能である。このようなジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のジアミンやヘテロ原子を含むジアミン、及びポリエーテルジアミン等が挙げられる。
上記(D)ウレタン(メタ)アクリレートには、更にジイソシアネート1モルに対して水酸基含有(メタ)アクリレート化合物2モルを反応させたウレタン(メタ)アクリレートを配合することもできる。かかるウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,5(または6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの反応物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートと2,4−トリレンジイソシアネートの反応物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートの反応物が挙げられる。
上記(D)ウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、上記各成分の種類及び含有量等に応じて選択することができる。上記(D)ウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、通常、上記(A)アクリルシロップ及び上記(B)アクリレートモノマーの含有量の合計100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜18質量部、更に好ましくは0.3〜15質量部である。
上記(E)光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。上記(E)光重合開始剤の市販品としては、例えば、イルガキュア184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、Darocure1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ルシリンLR8728(BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。上記(E)光重合開始剤として、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが好ましい。上記(E)光重合開始剤は、1種単独で用いてもよいが、2種以上の光重合開始剤を併用してもよい。
上記(E)光重合開始剤の含有量は、上記各成分の種類及び含有量等に応じて選択することができる。上記(E)光重合開始剤の含有量は、通常、上記(A)アクリルシロップ及び上記(B)アクリレートモノマーの含有量の合計100質量部に対して0.1〜15質量部、好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.5〜8質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。
上記(E)光重合開始剤は必要に応じて、光増感剤を添加することが好ましい。該光増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、及び4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。上記光増感剤の市販品としては、例えばユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
上記硬化型液状粘着組成物は、その性能を損なわない限り、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分として、例えば、顔料、染料、滑剤、軟化剤、光増感剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤等の安定剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、銅害防止剤等の安定剤、防菌・防かび剤、分散剤、可塑剤、結晶核剤、難燃剤、粘着付与剤、発泡助剤、架橋剤、共架橋剤、加硫剤、加硫助剤、発泡剤、酸化チタン、カーボンブラック等の着色剤、フェライト等の金属粉末、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の有機繊維、複合繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の無機ウィスカー、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラスフレーク、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、カオリン、けい藻土、グラファイト、軽石、エボ粉、コットンフロック、コルク粉、硫酸バリウム、フッ素樹脂、ポリマービーズ等の充填剤又はこれらの混合物、ポリオレフィンワックス、セルロースパウダー、ゴム粉、木粉等の充填剤、低分子量ポリマー、シランカップリング剤、並びにチタンカップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、上記硬化型液状粘着組成物は、紫外線や加熱による黄変を抑制するために、下記式(5)で表される亜リン酸エステルとフェノール基を有する化合物を添加することができる。
(RO)P(OR103−n (5)
(式(5)中、nは1〜3の整数を示し、Rはフェノール性水酸基を有する有機基を示し、R10はリン原子を含んでいてもよい有機基を示す。
上記R及びR10は、炭素以外の元素を有してもよい。該炭素以外の元素としては、例えば、窒素、硫黄、酸素、ハロゲン及びリンが挙げられる。また、上記R及びR10は、2以上の上記R及びR10が連結した環状の有機基でもよい。
上記Rとしては、例えば、ベンゼン又はナフタレン環上に1〜3個のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子が置換していてもよいヒドロキシフェニル、ヒドロキシナフチル又はヒドロキシフェニルアルキル基が挙げられる。また上記R10としては、例えば、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基等が挙げられる。ここでアリール基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が置換していてもよいフェニル又はナフチル基が挙げられる。アリールアルキル基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が置換していてもよいフェニルアルキル基が挙げられる。また、上記のように、上記R及び上記R10は連結していてもよい。上記R10がリン原子を含む場合としては、2〜4価のアルカン残基又は2〜4価の芳香族炭化水素残基等にフェノール性水酸基を有する亜リン酸エステルが2〜4個結合している場合が挙げられる。尚、上記式(5)中、上記Rが2以上ある場合、各R同士は同じ基でもよく、異なる基でもよい。同様に、上記R10が2以上ある場合、各R10同士は同じ基でもよく、異なる基でもよい。
上記式(5)で表される亜リン酸エステル基とフェノール性水酸基を有する化合物の具体例としては、2−メチル−4−ヒドロキシフェニルジエチルホスファイト、2−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルジエチルホスファイト、2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルジエチルホスファイト、ビス(2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エチルホスファイト、トリス(2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシキノンジイル−ホスファイトが挙げられる。
上記式(5)で表される亜リン酸エステル基とフェノール性水酸基を有する化合物として、特に好ましくは、下記式(6)又は(7)で表される化合物が挙げられる。これら亜リン酸エステル基とフェノール性水酸基を有する化合物の市販品としては、例えば、「スミライザーGP」(住友化学工業社製)が挙げられる。
Figure 0004857758
Figure 0004857758
上記式(5)で表される亜リン酸エステル基とフェノール性水酸基を有する化合物の含有量は、上記硬化型液状粘着組成物の全量に対して好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%、特に好ましくは0.1〜3質量%である。
上記硬化型液状粘着組成物は、硬化後のタックを減少させるために、ジアルキルアミノ安息香酸エステルを含有させることができる。上記ジアルキルアミノ安息香酸エステルの具体例としては、例えばジアルキルアミノ安息香酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル又はイソアミルエステル等のジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル等を挙げることができる。ここで、ジアルキルアミノ基のアルキル基としては炭素数1〜6のものが好ましい。エステル残基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。またジアルキルアミノ安息香酸のジアルキルアミノ基とカルボキシル基とはベンゼン環上のパラ位に結合しているのが好ましい。これらの中でもp−ジメチルアミノ安息香酸エチルが特に好ましい。上記ジアルキルアミノ安息香酸エステルの市販品としては、カヤキュアEPA、カヤキュアDMBI(以上、日本化薬社製)等が挙げられる。上記ジアルキルアミノ安息香酸エステルの含有量は、端面の硬化性の点から、上記硬化型液状粘着組成物の全量に対して0.05〜5質量%であるのが好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%、特に好ましくは0.2〜1質量%である。
上記硬化型液状粘着組成物は、耐湿熱性を向上させるために、芳香族チオール化合物を含有させることができる。上記芳香族チオール化合物としては、メルカプト基を有する芳香族複素環化合物が好ましく、具体例としては、例えばメルカプトベンズオキサゾール、メルカプトベンゾチアゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール等が挙げられる。上記芳香族チオール化合物の市販品としては、ノクセラー M、ノクセラー M−P、ノクラック MB、ノクラックMMB(以上、大内新興化学工業社製)、アクセル M、アンテージ MB(以上、川口化学工業社製)、サンセラー M、サンセラー M−G(以上、三新化学社製)、ソクシノール M、スミライザー MB(以上、住友化学工業社製)等が挙げられる。上記芳香族チオール化合物の含有量は、耐湿熱性の点から、上記硬化型液状粘着組成物の全量に対して0.01〜5質量%であるのが好ましく、より好ましくは0.05〜4質量%である。
上記硬化型液状粘着組成物は、熱安定性及び色安定性を向上させるために、酸化防止剤を含有させることができる。上記酸化防止剤の種類に特に制限は無いが、フェノールのヒドロキシル基が結合した炭素原子の両側の炭素原子に、メチル基及び炭素数が1〜8の炭化水素基が結合した構造を有するヒンダードフェノール型酸化防止剤を好ましく使用することができる。上記ヒンダードフェノール型酸化防止剤としては、例えば、ベンゼンプロパン酸−3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコール−ビス{3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、2,2−チオ−ジエチレンビス{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}等が挙げられる。上記ヒンダードフェノール型酸化防止剤の市販品としては、例えば、イルガノックス245、1035(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、スミライザーGA−80(住友化学工業社製)等が挙げられる。上記ヒンダードフェノール型酸化防止剤の含有量は、熱安定性及び色安定性の点から、上記硬化型液状粘着組成物の全量に対して好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.03〜1質量%、さらに好ましくは0.05〜0.5質量%である。
上記脱気工程は、上記硬化型液状粘着組成物から溶存酸素量を減少させる工程である。本発明のLCDパネル構造体の製造方法は、上記脱気工程を備えることにより、上記硬化型液状粘着組成物を放射線により硬化する際、上記硬化型液状粘着組成物の放射線照射側及びその反対側をバランスよく硬化させることができる。上記硬化型液状粘着組成物の脱気方法は、上記硬化型液状粘着組成物から溶存酸素量を減少させることができる限り、特に限定はない。例えば、上記硬化型液状粘着組成物を含む反応容器を減圧することによる真空脱気、窒素やヘリウム等の不活性ガスを上記硬化型液状粘着組成物に溶解させて溶存酸素量を減らすことによる不活性ガスのバブリング、超音波を与えることによる超音波脱気、及び上記硬化型液状粘着組成物を中空糸等の薄膜と接触させ、膜を隔てた一方の空間を真空状態として薄膜の内外間のガス濃度差をドライビング・フォースとして脱気する薄膜脱気等が挙げられる。真空脱気の場合、例えば、上記硬化型液状粘着組成物を攪拌しながら、室温(20〜30℃)、−0.09MPaGで1時間の条件で減圧することにより、脱気することができる。
上記脱気工程後の上記硬化型液状粘着組成物に含まれる溶存酸素量には特に限定はない。上記脱気工程後の上記硬化型液状粘着組成物に含まれる溶存酸素量として好ましくは飽和酸素量の90%以下、更に好ましくは85%以下、より好ましくは80%以下、特に好ましくは10〜75%である。上記溶存酸素量を上記範囲とすることにより、上記硬化型液状粘着組成物を放射線により硬化する際、上記硬化型液状粘着組成物の照射側及びその反対側をバランスよく硬化することができる。その結果、粘着性と耐衝撃性のバランスに優れた耐衝撃粘着層を得ることができるので好ましい。
上記塗布工程は、上記脱気工程により脱気した上記硬化型液状粘着組成物を、LCDセル表面、光学フィルム表面、又は基層表面に塗布する工程である。上記LCDセル表面に上記硬化型液状粘着組成物を塗布する場合、通常、上記LCDセルの視認側表面に塗布される。
上記光学フィルムは、LCDパネル構造体を構成する公知の各種光学フィルムを用いることができる。上記光学フィルムとして具体的には、例えば、紫外線カット板、偏光板(偏光板を構成する各種フィルム等も含む)、アレイ基板、カラーフィルタ、視野角拡大フィルム、アンチリフレクションフィルム、アンチグレアフィルム、透明導電膜、位相差フィルム、電磁波吸収フィルム、赤外線吸収フィルム及びタッチパネル用フィルム等の1種又は2種以上が挙げられる。上記偏光板を構成する各種フィルム等としては、偏光フィルム、基板フィルム、及び保護フィルム等が挙げられる。
上記基層は、上記硬化型液状粘着組成物を塗布して上記耐衝撃粘着層を形成することができ、且つ上記耐衝撃粘着層を剥離することができる限り、その材質・形状・構造に特に限定はない。上記基層として具体的には、例えば、上記耐衝撃粘着層を保護する保護フィルム層が挙げられる。該保護フィルム層の材質・形状・構造について特に限定はない。例えば、上記保護フィルム層の材質としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、及びフッ素樹脂等の樹脂、又は樹脂を紙に含浸させることにより得られる樹脂含浸紙等が挙げられる。尚、上記保護フィルム層は透明でもよく、透明でなくてもよい。また、上記保護フィルム層の形状は、シート状でもよく、フィルム状でもよい。更に、上記保護フィルム層は単層構造でもよく、2層以上の積層体でもよい。例えば、積層体としては、基材フィルムの少なくとも片面にゴムフィルムを積層した積層体等が挙げられる。また、上記保護フィルム層が2以上ある場合、各保護フィルム層は同じ材質・形状・構造の保護フィルム層でもよく、材質、形状又は構造が異なる保護フィルム層を併用してもよい。
また、上記保護フィルム層の表面には、剥離層を設けることができる。該剥離層を有すると、上記耐衝撃粘着層を上記保護フィルム層から容易に剥離することができる。上記剥離層を設ける方法は特に限定はない。例えば、上記剥離層は、上記保護フィルム層表面に剥離コート剤を塗布することにより設けることができる。そして、本発明の上記塗布工程では、上記保護フィルム層表面に上記剥離層を設けた後、該剥離層表面に上記放射線硬化型液状粘着組成物を塗布する。該剥離コート剤の種類については特に限定はない。上記剥離コート剤として具体的には、例えば、シリコーン系コート剤、無機系コート剤、フッ素コート剤、有機無機ハイブリッド系コート剤等が挙げられる。
上記硬化型液状粘着組成物を上記LCDセル表面、上記光学フィルム表面又は上記基層表面に塗布する方法は特に限定はない。上記塗布の方法としては、例えば、ロールコーターにより塗布する他、溶媒キャスト法、スピンコート法等が挙げられる。尚、上記塗布は、人為的に上記硬化型液状粘着組成物を上記LCDセル表面、上記光学フィルム又は上記基層表面に塗布する方法だけでなく、上記LCDセル表面、上記光学フィルム又は上記基層表面に上記硬化型液状粘着組成物を滴下し、次いで上記LCDセル表面、上記光学フィルム又は上記基層を積層することにより、上記硬化型液状粘着組成物を上記LCDセル表面、上記光学フィルム又は上記基層表面全体に広げる方法も含む。例えば、(1)上記LCDセル表面に上記硬化型液状粘着組成物を滴下し、次いで上記光学フィルムを上記LCDセル表面に積層することにより、上記硬化型液状粘着組成物を上記LCDセル表面の表面全体に広げる方法、(2)上記光学フィルム表面に上記硬化型液状粘着組成物を滴下し、次いで上記LCDセルを上記光学フィルム表面に積層することにより、上記硬化型液状粘着組成物を上記光学フィルム表面の表面全体に広げる方法、(3)上記基層表面に上記硬化型液状粘着組成物を滴下し、次いで別の基層を上記基層表面に積層することにより、上記硬化型液状粘着組成物を上記基層表面の表面全体に広げる方法等が挙げられる。
上記硬化工程は、を照射することにより、上記塗布工程により塗布された上記硬化型液状粘着組成物を硬化させる工程である。上記の種類は、上記硬化型液状粘着組成物を硬化させることができる限り特に限定はない。上記としては、例えば、可視光、紫外線等が挙げられる。上記紫外線の線源としては、例えば、水銀アーク、炭素アーク、低圧水銀ランプ、中・高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブックライトランプ等の公知の照射装置等が挙げられる。
上記の照射条件についても特に限定はない。上記として紫外線を用いる場合、該紫外線の波長範囲は、通常150〜500nm、好ましくは180〜460nm、更に好ましくは200〜400nmである。また、上記紫外線のピーク照度は、50〜1000mW/cm、好ましくは50〜800mW/cm、更に好ましくは50〜700mW/cm、より好ましくは50〜600mW/cmとすることができる。更に、上記紫外線の積算光量は100〜2000mJ/cm、好ましくは150〜1500mJ/cm、更に好ましくは200〜1300mJ/cm、より好ましくは250〜1000mJ/cmとすることができる。
本発明のLCDパネル構造体の製造方法では、上記紫外線照射の条件として、低照度で且つ積算光量大の条件とすることが好ましい。即ち、本発明のLCDパネル構造体の製造方法では、上記硬化工程において、低照度の紫外線を長時間照射することが好ましい。具体的には、例えば、上記紫外線照射の条件は、上記紫外線のピーク照度が50〜1000mW/cmであり、且つ上記紫外線の積算光量が100〜2000mJ/cmの条件とすることができる。上記紫外線照射の好ましい条件は、上記紫外線のピーク照度が50〜800mW/cmであり、且つ上記紫外線の積算光量が150〜1500mJ/cm、の条件とすることができる。上記紫外線照射の更に好ましい条件は、上記紫外線のピーク照度が50〜700mW/cmであり、且つ上記紫外線の積算光量が200〜1300mJ/cmの条件とすることができる。上記紫外線照射の好ましい条件は、上記紫外線のピーク照度が50〜600mW/cmであり、且つ上記紫外線の積算光量が250〜1000mJ/cmの条件とすることができる。上記紫外線のピーク照度及び積算光量を上記範囲とすることにより、上記耐衝撃粘着層の透明性、粘着性、硬化性及び耐衝撃性のバランスが良好となり、また、耐衝撃性及び放射線硬化性を高めることができるので好ましい。
上記の照射は、窒素ガス等の不活性ガスで置換した酸素のない雰囲気中で行うことができる。また、上記の照射は、空気雰囲気中で行うこともできる。上記の照射を空気雰囲気中で行うと、上記耐衝撃粘着層の照射面側の粘着性を高めることができる。
本発明の製造方法により得られる耐衝撃粘着層の厚さは50〜2000μm、好ましくは100〜1500μm、更に好ましくは150〜1000μm、より好ましく200〜800μmである。上記厚さが上記範囲内であると、十分な耐衝撃性を維持することができるので好ましい。
上記耐衝撃粘着層は、粘着性、透明性、硬化性及び耐衝撃性に優れる。具体的には、上記耐衝撃粘着層のヘイズ、180°剥離粘着力、及びtanδのピーク値は、後述の範囲とすることができる。
本発明の上記貼り合わせ工程は、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層により、上記LCDセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる工程である。この工程により、上記LCDセル表面に上記耐衝撃粘着層が積層され、該耐衝撃粘着層表面に上記光学フィルムが積層されたLCDパネル構造体を得ることができる。上記貼り合わせ工程は、上記耐衝撃粘着層により、LCDセルと光学フィルムとを貼り合わせることができる限り、その具体的内容に特に限定はない。
第2の本発明のLCDパネル構造体の製造方法では、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層を基層から剥離し、上記耐衝撃粘着層の一方の表面にLCDセルを積層し、他方の表面に光学フィルムを積層することにより、上記LCDセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる。この方法によれば、上記基層により、使用前の上記耐衝撃粘着層の破損を防ぐことができる。この方法において、上記耐衝撃粘着層の基層からの剥離と、上記LCDセル及び上記光学フィルムの積層の順序には特に限定はない。例えば、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層の基層と反対側の表面に光学フィルムを積層し、上記基層を上記耐衝撃粘着層から剥離し、上記耐衝撃粘着層の他方の表面にLCDセルを積層することにより、上記LCDセルと上記光学フィルムとを貼り合わせることができる。
第2の本発明のLCDパネル構造体の製造方法によれば、上記硬化工程と上記貼り合わせ工程を連続して行ってもよいが、必ずしも連続して行う必要はない。例えば、上記硬化工程により、上記基層表面に上記耐衝撃粘着層を形成し、後日、上記耐衝撃粘着層を基層から剥離し、上記耐衝撃粘着層の表面にLCDセル及び光学フィルムを積層することができる。更に、この方法によれば、上記耐衝撃粘着層へのLCDセル及び光学フィルムの積層も、連続して行ってもよいが、必ずしも連続して行う必要はない。例えば、上記耐衝撃粘着層の両表面に上記基層を設け、初めにいずれか一方の基層のみを剥離し、LCDセル又は光学フィルムを積層し、後日、他方の基層を剥離し、LCDセル又は光学フィルムを積層することができる。
上記貼り合わせ工程として具体的には、例えば、以下の方法が挙げられる。尚、下記(4)及び(5)の方法では、上記硬化工程と上記貼り合わせ工程がほぼ同時に進行する。
(1)LCDセル表面に上記耐衝撃粘着層を形成した後、該耐衝撃粘着層表面に光学フィルムを積層することにより、上記LCDセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる。
(2)光学フィルム表面に上記耐衝撃粘着層を形成した後、上記耐衝撃粘着層表面にLCDセルを積層することにより、上記LCDセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる。
(3)LCDセル表面及び光学フィルム表面に上記耐衝撃粘着層を形成した後、該耐衝撃粘着層同士を粘着させることにより、上記LCDセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる。
(4)LCDセル表面に上記硬化型液状粘着組成物を滴下し、次いで光学フィルムを上記LCDセル表面に積層することにより、上記硬化型液状粘着組成物を上記LCDセル表面の表面全体に広げ、次いで、上記硬化型液状粘着組成物に放射線を照射し、上記耐衝撃粘着層を形成すると共に、上記LCDセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる。
(5)光学フィルム表面に上記硬化型液状粘着組成物を滴下し、次いでLCDセルを上記光学フィルム表面に積層することにより、上記硬化型液状粘着組成物を上記光学フィルム表面の表面全体に広げ、次いで、上記硬化型液状粘着組成物にを照射し、上記耐衝撃粘着層を形成すると共に、上記LCDセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる。
(6)基層表面に上記耐衝撃粘着層を形成した後、上記耐衝撃粘着層の基層と反対側の表面に光学フィルムを積層し、上記基層を上記耐衝撃粘着層から剥離し、上記耐衝撃粘着層の他方の表面にLCDセルを積層することにより、上記LCDセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる。
(7)基層表面に上記耐衝撃粘着層を形成した後、上記耐衝撃粘着層の基層と反対側の表面にLCDセルを積層し、上記基層を上記耐衝撃粘着層から剥離し、上記耐衝撃粘着層の他方の表面に光学フィルムを積層することにより、上記LCDセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる。
(8)両表面に基層を備える上記耐衝撃粘着層を形成した後、一方の上記基層を剥離して上記LCDセルを積層し、次いで、他方の上記基層を剥離して上記光学フィルムを積層することにより、上記LCDセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる。
(9)両表面に基層を備える上記耐衝撃粘着層を形成した後、一方の上記基層を剥離して上記光学フィルムを積層し、次いで、他方の上記基層を剥離して上記LCDセルを積層することにより、上記LCDセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる。
(2)LCDパネル構造体
第1の本発明のLCDパネル構造体は、脱気された光硬化型液状粘着組成物が、LCDセルと、該LCDセルの少なくとも一方の表面に積層され、上記光硬化型液状粘着組成物に光を照射することにより形成された耐衝撃粘着層と、該耐衝撃粘着層の表面に積層された光学フィルム層と、を備え、上記光硬化型液状粘着組成物は、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有し、上記(C)シランカップリング剤は、上記式(1)で表される化合物であり、上記耐衝撃粘着層は、厚さが50〜2000μmであり、且つ上記耐衝撃粘着層の放射線照射側表面のtanδのピーク値が、他方側表面のtanδのピーク値がよりも低いことを特徴とする。
第2の本発明のLCDパネル構造体は、脱気された光硬化型液状粘着組成物が、LCDセルと、該LCDセルの少なくとも一方の表面に積層され、上記光硬化型液状粘着組成物に光を照射することにより形成された耐衝撃粘着層と、該耐衝撃粘着層の表面に積層された光学フィルム層と、を備え、上記光硬化型液状粘着組成物は、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有し、上記(C)シランカップリング剤は、上記式(1)で表される化合物であり、上記耐衝撃粘着層は、厚さが50〜2000μm、tanδのピーク値が1以上、且つ25℃でのヘイズが1以下であることを特徴とする。
本発明のLCDパネル構造体を図1〜図3に例示する。
図1及び図2のLCDパネル構造体A1及びA2は、LCDセル1と、該LCDセルの少なくとも一方の表面(通常は視認側表面)に積層された耐衝撃粘着層2と、該耐衝撃粘着層2の表面に積層された光学フィルム層3と、を備える。図2のLCDパネル構造体A2の上記光学フィルム層3は、光学フィルム層3a及び3bの積層体である。また、図3のLCDパネル構造体A3は、LCDセル1の両面に積層された耐衝撃粘着層2a及び2bと、該耐衝撃粘着層2a及び2bの表面にそれぞれ積層された光学フィルム層3a及び3bと、を備える。
第1の本発明のLCDパネル構造体の上記耐衝撃粘着層は、を照射することにより形成され、照射側表面のtanδのピーク値が、他方側表面のtanδのピーク値がよりも低い。上記耐衝撃粘着層は、粘着力に優れると共に、透明性、硬化性、及び耐衝撃性にも優れる。本発明のLCDパネル構造体は、上記耐衝撃粘着層を有することにより、LCDパネル構造体を確実に固定できると共に、粘着層と衝撃吸収層とを別々に設けなくても、透明性及び耐衝撃性に優れたLCDパネル構造体とすることができる。
第2の本発明の上記耐衝撃粘着層の25℃(特に25℃、0.5mm厚の条件)でのヘイズは、通常1以下、好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.3以下である。尚、ヘイズの測定方法は、実施例に記載の方法である。上記ヘイズが上記範囲であると、透明性に優れたLCDパネル構造体を得ることができるので好ましい。尚、第1の本発明の上記耐衝撃粘着層の25℃(特に25℃、0.5mm厚の条件)でのヘイズも、上記範囲とすることができる。
第2の本発明の上記耐衝撃粘着層のtanδのピーク値は1.0以上、好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2以上、より好ましくは1.3以上である。尚、tanδのピーク値の測定方法は、実施例に記載の方法である。上記tanδのピーク値が上記範囲であると、耐衝撃性に優れたLCDパネル構造体を得ることができるので好ましい。尚、第1の本発明の上記耐衝撃粘着層の照射側表面のtanδのピーク値も、上記範囲とすることができる。
上記耐衝撃粘着層の厚さは50〜2000μm、好ましくは100〜1500μm、更に好ましくは150〜1000μm、より好ましく200〜800μmである。上記厚さが上記範囲内であると、十分な耐衝撃性を維持することができるので好ましい。
本発明の上記耐衝撃粘着層は、上記厚さ及び物性を備える限り、その材質・形状・構造に特に限定はない。例えば、上記耐衝撃粘着層は、通常シート状、フィルム状等の固形状物であるが、その他、ゲル状物等の半固形状物でもよい。また、上記耐衝撃粘着層の180°剥離粘着力は0.1N/25mm以上、好ましくは0.3N/25mm以上、更に好ましくは0.5N/25mm以上、より好ましくは0.8N/25mm以上、特に好ましくは1N/25mm以上である。上記耐衝撃粘着層は、180°剥離粘着力が上記範囲であることから、粘着性に優れている。
また、上記耐衝撃粘着層は、単層構造でもよく、同一又は異なる材質、物性を有する2層以上の層で構成される多層構造でもよい。多層構造の上記耐衝撃粘着層としては、例えば、厚さ又はtanδのピーク値が異なる2以上の層を積層してなる耐衝撃粘着層が挙げられる。
上記光学フィルム層は、LCDパネル構造体を構成する公知の各種光学フィルムを用いて形成することができる。上記光学フィルムとして具体的には、例えば、紫外線カット板、偏光板(偏光板を構成する各種フィルム等も含む)、アレイ基板、カラーフィルタ、視野角拡大フィルム、アンチリフレクションフィルム、アンチグレアフィルム、透明導電膜、位相差フィルム、電磁波吸収フィルム、赤外線吸収フィルム及びタッチパネル用フィルム等の1種又は2種以上が挙げられる。上記偏光板を構成する各種フィルム等としては、偏光フィルム、基板フィルム、及び保護フィルム等が挙げられる。
上記光学フィルム層は、図1に示すように1層のみでもよく、図2及び図3に示すように、2層以上の多層構造でもよい。上記光学フィルム層が多層構造の場合、上記光学フィルム層同士は、公知の接着剤により貼り合わせることができる。また、上記光学フィルム層同士は、本発明のLCDパネル構造体に含まれる上記耐衝撃粘着層を別途形成し、これにより貼り合わせてもよい。
(3)ディスプレイ装置
本発明のディスプレイ装置は、本発明のLCDパネル構造体を有することを特徴とする。本発明のディスプレイ装置としては、例えば電子・電気機器等のディスプレイ装置が挙げられる。上記ディスプレイ装置の用途は特に限定はない。該用途としては、例えば、デスクトップ型コンピュータ用ディスプレイ等のディスプレイ機能単体の用途の他、携帯電話、携帯情報端末(いわゆるPDA、モバイル機器を含む)、ノート型コンピュータ、車載用コンピュータ、タッチパネル、テレビジョン、時計及び測定機器等が挙げられる。
本発明のディスプレイ装置は、携行及び据置き等の形態を問わない。更に、本発明のディスプレイ装置は、板状ディスプレイ装置であれば好ましいが、その形状は問わない。例えば、平坦でもよいし、湾曲していても構わない。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。また、実施例中の「%」及び「部」は、特に断らない限り質量基準である。
(1)硬化型液状粘着組成物の調製
原料として、以下の物質を使用した。そして、以下に記載の方法により、硬化型液状粘着組成物(A1)〜(A7)を調製した。硬化型液状粘着組成物(A1)〜(A7)の組成及び割合を表1に示す。
(A)アクリルシロップ
新綜工業社製、商品名「BA−6」(粘度;80000cPs)
(B)アクリレートモノマー
テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、及びトリメチロールプロパントリアクリレート
(C)シランカップリング剤
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(D)ウレタンアクリレート
ダイセルユーシービー社製、商品名「エベクリル270」
(E)光重合開始剤
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド
硬化型液状粘着組成物(A1)>
窒素置換された内容積1リットルの反応容器に、アクリルシロップ(新綜工業社製、商品名「BA−6」)350g、テトラヒドロフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業社製)350g、ウレタンアクリレート70g(ダイセルユーシービー社製、商品名「Ebecryl270」)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.7g(信越化学工業社製、商品名「KBM−503」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.1g(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア184」)、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド0.7g(旭電化工業社製、商品名「オプトマーSP246」)を投入した。次いで、室温で3時間撹拌して硬化型液状粘着組成物(A1)を得た。
その後、上記反応容器を減圧して、上記硬化型液状粘着組成物(A1)を撹拌しながら真空脱気を行った。真空脱気1時間後の上記硬化型液状粘着組成物(A1)の溶存酸素量は飽和酸素量の71%であった。また、上記硬化型液状粘着組成物(A1)の重量減少は1%であった。
硬化型液状粘着組成物(A2)>
上記テトラヒドロフルフリルアクリレート350gの代わりに、2−エチルヘキシルアクリレート350gを用い、上記硬化型液状粘着組成物(A1)と同様の方法により、上記硬化型液状粘着組成物(A2)を得た。その後、上記反応容器を減圧して、撹拌しながら真空脱気を行った。真空脱気1時間後の上記硬化型液状粘着組成物(A2)の溶存酸素量は飽和酸素量の72%であった。また、上記硬化型液状粘着組成物(A2)の重量減少は1%であった。
硬化型液状粘着組成物(A3)>
上記テトラヒドロフルフリルアクリレート350gの代わりに、上記テトラヒドロフルフリルアクリレート175g及び2−エチルヘキシルアクリレート175gを用い、上記硬化型液状粘着組成物(A1)と同様の方法により、上記硬化型液状粘着組成物(A3)を得た。その後、上記反応容器を減圧して、撹拌しながら真空脱気を行った。真空脱気1時間後の上記硬化型液状粘着組成物(A3)の溶存酸素量は飽和酸素量の72%であった。また、上記硬化型液状粘着組成物(A3)の重量減少は1%であった。
硬化型液状粘着組成物(A4)>
上記テトラヒドロフルフリルアクリレート350gの代わりに、上記テトラヒドロフルフリルアクリレート262.5g及び2−エチルヘキシルアクリレート87.5gを用い、上記硬化型液状粘着組成物(A1)と同様の方法により、上記硬化型液状粘着組成物(A4)を得た。その後、上記反応容器を減圧して、撹拌しながら真空脱気を行った。真空脱気1時間後の上記硬化型液状粘着組成物(A4)の溶存酸素量は飽和酸素量の71%であった。また、上記硬化型液状粘着組成物(A4)の重量減少は1%であった。
硬化型液状粘着組成物(A5)>
上記テトラヒドロフルフリルアクリレート350gの代わりに、上記4−ヒドロキシブチルアクリレート350gを用い、上記硬化型液状粘着組成物(A1)と同様の方法により、上記硬化型液状粘着組成物(A5)を得た。その後、上記反応容器を減圧して、撹拌しながら真空脱気を行った。真空脱気1時間後の上記硬化型液状粘着組成物(A5)の溶存酸素量は飽和酸素量の73%であった。また、上記硬化型液状粘着組成物(A5)の重量減少は1%であった。
硬化型液状粘着組成物(A6)>
上記テトラヒドロフルフリルアクリレート350gの代わりに、上記テトラヒドロフルフリルアクリレート175g及び4−ヒドロキシブチルアクリレート175gを用い、上記硬化型液状粘着組成物(A1)と同様の方法により、上記硬化型液状粘着組成物(A6)を得た。その後、上記反応容器を減圧して、撹拌しながら真空脱気を行った。真空脱気1時間後の上記硬化型液状粘着組成物(A6)の溶存酸素量は飽和酸素量の73%であった。また、上記硬化型液状粘着組成物(A6)の重量減少は1%であった。
硬化型液状粘着組成物(A7)>
上記テトラヒドロフルフリルアクリレート350gの代わりに、上記テトラヒドロフルフリルアクリレート175g及びトリメチロールプロパントリアクリレート175gを用い、上記硬化型液状粘着組成物(A1)と同様の方法により、上記硬化型液状粘着組成物(A7)を得た。その後、上記反応容器を減圧して、撹拌しながら真空脱気を行った。真空脱気1時間後の上記硬化型液状粘着組成物(A7)の溶存酸素量は飽和酸素量の70%であった。また、上記硬化型液状粘着組成物(A7)の重量減少は1%であった。
尚、上記硬化型液状粘着組成物(A1)〜(A7)の溶存酸素量は、以下の方法により測定した。
乾燥空気で置換した内容積1リットルの反応容器に、上記硬化型液状粘着組成物500gを投入して、次いで乾燥空気を供給し、室温で1時間攪拌して上記硬化型液状粘着組成物の飽和酸素溶液を作成した。尚、上記乾燥空気の供給は、反応容器内の圧力が1気圧を保つように圧力計で確認しながら行った。そして、有機溶媒用DOメーター(セントラル科学社製、商品名「UC−12−SOL」)を用いて、上記硬化型液状粘着組成物の飽和酸素溶液の飽和酸素量(DOメーターの表示値)を測定した。次に、上記DOメーターを用いて、真空脱気した上記硬化型液状粘着組成物の飽和酸素量(DOメーターの表示値)を測定した。これらの表示値に基づいて、以下の計算式から溶存酸素量(%)を計算した。
溶存酸素量(%)=A×100/B
A;真空脱気後のDOメーターの表示値
B;飽和酸素溶液のDOメーターの表示値
Figure 0004857758
(2)耐衝撃粘着層の製造
基層として、厚さ100μmの剥離コート付ポリエステルフィルム(帝人デュポン社製、商品名「ピューレックスA71」)を用いた。そして、上記硬化型液状粘着組成物(A1)〜(A7)を、上記基層の上記剥離コート表面に塗布した。上記硬化型液状粘着組成物(A1)〜(A7)は、バーコーターにより塗布した。紫外線の線源として、メタルハライドランプ(アイグラフィックス社製)を用いた。そして、ピーク照度170mW/cm、積算光量500mJ/cmの条件で、塗布した上記硬化型液状粘着組成物(A1)〜(A7)に紫外線を照射した。この紫外線照射により、上記硬化型液状粘着組成物(A1)〜(A7)を硬化させて、耐衝撃粘着層を製造した。尚、この耐衝撃粘着層の厚さを表2に示す。
尚、比較例6の耐衝撃粘着層は、真空脱気を行わなかったこと以外は実施例1と同様の方法で製造した耐衝撃粘着層である。比較例6で用いた硬化型液状粘着組成物の溶存酸素は、飽和酸素量の98%であった。
(3)評価
上記方法により得られた各耐衝撃粘着層と、光学フィルムである偏光板(住友化学工業社製、商品名「スミカランSQ−1832A」)とを貼り合わせて、耐衝撃粘着積層構造体を得た。上記耐衝撃粘着層は、その紫外線照射面が上記偏光板と接するように貼り合わせた。次いで、上記耐衝撃粘着積層構造体から、上記剥離コート付ポリエステルフィルムを剥離した。そして、衝撃粘着積層構造体の耐衝撃粘着層をLCDセルに貼り合わせることにより、実施例1〜6及び比較例2〜6のLCDパネル構造体を作製した。このLCDパネル構造体を用い、下記に記載の方法により、透明性、粘着性、硬化性及び耐衝撃性を評価した。その結果を表2及び3に示す。尚、比較例1は、上記偏光板の代わりに公知の粘着剤付きの偏光板(住友化学工業社製、商品名「スミカランSQ−1832AP」)を用い、これと上記LCDセルとを貼り合わせて得たLCDパネル構造体である。
(A)透明性
上記LCDパネル構造体について、BYK−ガードナーGmbh社製モデル(haze−gard plus)を使用して、25℃におけるヘイズ(%)を求めた。このヘイズに基づいて、透明性を評価した。ヘイズが1未満のときは透明性が良好であり、ヘイズ値が1以上のときは透明性が不十分である。
(B)耐衝撃性
〔試験1〕
測定装置として、動的粘弾性測定装置(レオメトリック・サイエンティフィック・エフイー社製、RSAII)を用いた。該装置を用い、上記実施例1〜6及び比較例1〜6の各LCDパネル構造体を構成する上記耐衝撃粘着層について、−70℃から150℃までの温度分散測定を行い、tanδのピーク値を測定した。測定条件は、周波数1Hz、引張モードである。tanδのピーク値が1以上のときは耐衝撃性が良好であり、tanδのピーク値が1未満のときは耐衝撃性が不十分である。
〔試験2〕
図4に示すように、大理石等からなる基台62の上に厚さ1mmのアクリル板61(日東樹脂工業社製、「クラレックス」)を載せた。この上に、実施例1〜6及び比較例1〜6の各LCDパネル構造体Aを載置した。上記LCDパネル構造体Aは、そのLCDセル1が上記アクリル板61に接している。次いで、鉄球7(直径5cm、質量550g)を、所定高さから上記実施例1〜6及び比較例1〜6の各LCDパネル構造体A上に自由落下させ、衝突させた。その後、上記LCDセル1の割れの有無を目視で確認した。そして、上記LCDセル1の割れが生じた時の高さの中で一番低い値を落球高度(cm)として求めた。この落球高度の値が大きいほど耐衝撃性に優れていることを意味する。
(C)粘着性
上記実施例1〜6及び比較例1〜6の各LCDパネル構造体を構成する上記各耐衝撃粘着積層構造体を25mm幅でカットした。次いで、上記耐衝撃粘着積層構造体から、上記剥離コート付ポリエステルフィルムを剥離して、脱脂処理をした無アルカリガラスに貼り合わせた。上記ガラスに貼合した積層体を用いて、180°剥離試験を行い、剥離強度(N/25mm)を測定した。この剥離強度を粘着性の指標とした。尚、上記180°剥離試験は、引張試験機(島津製作所社製、商品名「AG2000」)を用いて、25℃、引張速度300mm/minの条件で行った。
(D)放射線硬化性
上記実施例1〜6及び比較例1〜6の各LCDパネル構造体を構成する上記耐衝撃粘着積層構造体を作製後、室温で1週間静置した。次いで、耐衝撃粘着層の内部や耐衝撃粘着層と偏光板又は剥離コート付ポリエステルフィルムの界面における気泡や浮きの発生を目視で確認した。この結果に基づいて、以下の指標で放射線硬化性を判断した。尚、放射線硬化性が十分でない場合は、未反応の成分由来のガスが凝集して気泡や浮きが発生する。
○:耐衝撃粘着層の内部や界面に気泡や浮きの発生が見られず、放射線硬化性が良好。
×:耐衝撃粘着層の内部や界面に気泡や浮きの発生が見られ、放射線硬化性に劣る。
Figure 0004857758
Figure 0004857758
(実施例の効果)
本発明に含まれる実施例1〜6のLCDパネル構造体は、パネル割れ高さが20cm〜40cmと、耐衝撃粘着層を有しない比較例1のLCDパネル構造体と比べて4倍以上の値を示す。また、実施例1〜6のLCDパネル構造体を構成する上記耐衝撃粘着層は、tanδのピーク値が1.1〜1.6である。よって、本発明のLCDパネル構造体は、耐衝撃性に優れていることが分かる。また、実施例1〜6のLCDパネル構造体は、ヘイズが0.1であり、透明性に優れることが分かる。
一方、比較例2のLCDパネル構造体は、耐衝撃粘着層の厚みが本発明の範囲外である。そして、比較例2のLCDパネル構造体はパネル割れ高さが10cmであり、実施例1〜6のLCDパネル構造体と比べて耐衝撃性に劣ることが分かる。比較例3〜4のLCDパネル構造体は、本発明の透明性の範囲である耐衝撃粘着層を有しないため、ヘイズが2.7〜5.0であり、透明性に劣る。比較例5のLCDパネル構造体は、耐衝撃粘着層のtanδのピーク値が0.6と小さいため、ガラス割れ高さが10cmであり、耐衝撃性に劣ることが分かる。また、比較例6のLCDパネル構造体は、脱気工程のない製造方法で得られた耐衝撃粘着層を有する。そして、比較例6のLCDパネル構造体を構成する耐衝撃粘着層は、耐衝撃粘着層と剥離コート付ポリエステルフィルムとの界面に気泡が見られ、硬化性に劣ることが分かる。
尚、本発明は、上記実施例に限らず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。
本発明のLCDパネル構造体及びディスプレイ装置は、透明性及び耐衝撃性が要求される各種用途に適用することができる。例えば、本発明のLCDパネル構造体及びディスプレイ装置は、上述した電子・電気機器等のディスプレイ装置の他、自動車用ガラス、建材用ガラス、防弾ガラス等に適用することができる。
本発明のLCDパネル構造体の一例を説明するための模式断面図である。 本発明のLCDパネル構造体の一例を説明するための模式断面図である。 本発明のLCDパネル構造体の一例を説明するための模式断面図である。 本実施例の耐衝撃性試験を説明するための模式図である。
符号の説明
A,A1,A2,A3;LCDパネル構造体、1;LCDセル、2;耐衝撃粘着層、3,3a,3b;光学フィルム層、61;アクリル板、62;基台、7;鉄球。

Claims (9)

  1. 硬化型液状粘着組成物を脱気する脱気工程と、
    上記脱気工程により脱気された上記硬化型液状粘着組成物を液晶ディスプレイセル又は光学フィルム表面に塗布する塗布工程と、
    を照射することにより、上記塗布工程により塗布された上記硬化型液状粘着組成物を硬化させて耐衝撃粘着層を形成する硬化工程と、
    上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層により、液晶ディスプレイセルと光学フィルムとを貼り合わせる貼り合わせ工程と、
    を順次備え、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層の厚さが50〜2000μmであり、
    上記光硬化型液状粘着組成物は、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有し、
    上記(C)シランカップリング剤は、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とする液晶ディスプレイパネル構造体の製造方法。
    Figure 0004857758
    [式(1)において、Xはアクリロイル基、グリシジル基、メルカプト基又はハロゲン基であり、R は2価の有機基であり、R は炭化水素基である。]
  2. 硬化型液状粘着組成物を脱気する脱気工程と、
    上記脱気工程により脱気された上記硬化型液状粘着組成物を基層に塗布する塗布工程と、
    を照射することにより、上記塗布工程により塗布された上記硬化型液状粘着組成物を硬化させて耐衝撃粘着層を形成する硬化工程と、
    上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層を基層から剥離し、上記耐衝撃粘着層の一方の表面に液晶ディスプレイセルを積層し、他方の表面に光学フィルムを積層することにより、上記液晶ディスプレイセルと上記光学フィルムとを貼り合わせる貼り合わせ工程と、
    を順次備え、上記硬化工程により形成された上記耐衝撃粘着層の厚さが50〜2000μmであり、
    上記光硬化型液状粘着組成物は、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有し、
    上記(C)シランカップリング剤は、下記式(1)で表される化合物であることを特徴とする液晶ディスプレイパネル構造体の製造方法。
    Figure 0004857758
    [式(1)において、Xはアクリロイル基、グリシジル基、メルカプト基又はハロゲン基であり、R は2価の有機基であり、R は炭化水素基である。]
  3. 上記(A)アクリルシロップの25℃における粘度が、2000〜95000cPsである請求項1又は2記載の液晶ディスプレイパネル構造体の製造方法。
  4. 上記脱気工程後の上記硬化型液状粘着組成物に含まれる溶存酸素量が飽和酸素量の90%以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル構造体の製造方法。
  5. 上記は紫外線であり、ピーク照度が50〜1000mW/cm、且つ積算光量が100〜2000mJ/cmの条件で上記紫外線を照射する請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル構造体の製造方法。
  6. 脱気された光硬化型液状粘着組成物が、液晶ディスプレイセルと、該液晶ディスプレイセルの少なくとも一方の表面に積層され、上記光硬化型液状粘着組成物にを照射することにより形成された耐衝撃粘着層と、該耐衝撃粘着層の表面に積層された光学フィルム層と、を備え、上記光硬化型液状粘着組成物は、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有し、上記(C)シランカップリング剤は、下記式(1)で表される化合物であり、上記耐衝撃粘着層は、厚さが50〜2000μmであり、且つ上記耐衝撃粘着層の放射線照射側表面のtanδのピーク値が、他方側表面のtanδのピーク値がよりも低いことを特徴とする液晶ディスプレイパネル構造体。
    Figure 0004857758
    [式(1)において、Xはアクリロイル基、グリシジル基、メルカプト基又はハロゲン基であり、R は2価の有機基であり、R は炭化水素基である。]
  7. 脱気された光硬化型液状粘着組成物が、液晶ディスプレイセルと、該液晶ディスプレイセルの少なくとも一方の表面に積層され、上記光硬化型液状粘着組成物にを照射することにより形成された耐衝撃粘着層と、該耐衝撃粘着層の表面に積層された光学フィルム層と、を備え、上記光硬化型液状粘着組成物は、(A)アクリルシロップ、(B)アクリレートモノマー、(C)シランカップリング剤、(D)ウレタン(メタ)アクリレート、及び(E)光重合開始剤を含有し、上記(C)シランカップリング剤は、下記式(1)で表される化合物であり、上記耐衝撃粘着層は、厚さが50〜2000μm、tanδのピーク値が1以上、且つ25℃でのヘイズが1以下であることを特徴とする液晶ディスプレイパネル構造体。
    Figure 0004857758
    [式(1)において、Xはアクリロイル基、グリシジル基、メルカプト基又はハロゲン基であり、R は2価の有機基であり、R は炭化水素基である。]
  8. 上記耐衝撃粘着層の180°剥離粘着力が0.1〜10N/25mmである請求項6又は7記載の液晶ディスプレイパネル構造体。
  9. 請求項6乃至のいずれかに記載の液晶ディスプレイパネル構造体を備えることを特徴とする液晶ディスプレイ装置。
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