JP2004249215A - 液体の脱気システム及び液体の脱気方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体中の溶存空気量を調整でき、また、脱気膜の寿命の長い脱気装置とすることを課題とする。
【解決手段】膜脱気装置14へ送水される脱気前の塗布液又は膜脱気装置14から排水された脱気後の塗布液Lの少なくとも一方の溶存酸素量が溶存酸素測定器30、32によって測定される。測定結果に基づき、制御部34が真空バルブ22の開度を調整することで、膜脱気装置14の脱気度を変えて塗布液中の溶存酸素量の変動を抑える。また、脱気膜18に常時同じ負荷が作用しないため、脱気膜18の寿命が長くなり、ランニングコストを下げることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】膜脱気装置14へ送水される脱気前の塗布液又は膜脱気装置14から排水された脱気後の塗布液Lの少なくとも一方の溶存酸素量が溶存酸素測定器30、32によって測定される。測定結果に基づき、制御部34が真空バルブ22の開度を調整することで、膜脱気装置14の脱気度を変えて塗布液中の溶存酸素量の変動を抑える。また、脱気膜18に常時同じ負荷が作用しないため、脱気膜18の寿命が長くなり、ランニングコストを下げることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体中に溶存する空気を脱気する液体の脱気システム及び液体の脱気方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光性平版印刷版は、一般にコイル状のアルミニウム版(以下「ウエブ」という)に、例えば、砂目立て、陽極酸化、化成処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて行い、次いで、塗布液が塗布される塗布工程を経て、乾燥工程へ回される。
【0003】
塗布液の塗布工程において、溶存空気が含有した塗布液をそのまま塗布すると、気泡によって泡はじき、縦スジ、ピンホール等の欠陥が塗布面に生じ、ウェブに均一な感光層を形成することができない。このため、ウェブに塗布される塗布液中に含有する溶存空気を除去する必要がある。
【0004】
このような液中の溶存空気を効率的に除去する方法としては、図7に示すように、リザーブタンク100に貯留された塗布液Lを送液ポンプ102で多列に配置された脱気装置104へ送ることで、液中の溶存空気を取り除き、そのままフィルタ106を通して塗布装置108に送る方法が一般的である(特許文献1参照)。
【0005】
ところで、塗布装置108からリザーブタンク100への戻り液量の変化、脱気装置104から塗布装置108へ送る塗布液量の変更、ストックタンク120からリザーブタンク100への塗布液の供給タイミング等によって、リザーブタンク100内の塗布液の溶存空気量が変動するため、脱気後の塗布液の溶存空気量が変動し、塗布装置での塗布故障の原因となることがある。このため、負荷変動に対応できるように複数の脱気装置104を配置して溶存空気量の変動を最小限に抑えている。
【0006】
しかし、複数の脱気装置を配置すると、特に、脱気装置として膜脱気装置を用いた場合、脱気膜105の劣化により能力が低下するため、定期的に脱気膜105を交換しなければならず、ランニングコストが増加する。
【0007】
また、製品の品種等により塗布方式が変わってくるため、塗布液に要求される溶存空気量の条件(溶存空気量の多少の条件)も異なってくる。しかし、従来の脱気装置は、真空ポンプ110を駆動し常に一定の真空度で脱気するだけ、すなわち、一定の条件にセットされているだけで、脱気後の塗布液の溶存空気量を臨機応変に調整することができなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−253459号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、液体中の溶存空気量を調整でき、また、脱気膜の寿命の長い脱気装置とすることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、液体中の溶存空気を除去する液体の脱気システムにおいて、脱気装置へ送水される脱気前の液体又は該脱気装置から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の液体の溶存空気量を検出する溶存空気量検出手段と、前記脱気装置が脱気する溶存空気量の脱気量を変える脱気調整手段と、前記溶存空気量検出手段の検出結果に基づき前記脱気調整手段を制御して前記脱気装置の脱気度を調整する制御手段と、を有することを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載の発明では、脱気装置へ送水される脱気前の液体又は脱気装置から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の溶存空気量が溶存空気量検出手段によって検出される。溶存空気量検出手段の検出結果に基づき、制御手段が脱気調整手段を制御して脱気装置の脱気度を調整することで、液体中の溶存空気量の変動を抑えることができる。
【0012】
また、製品の品種等により要求される溶存空気量の条件が変化しても、脱気装置の脱気度を調整できる構成なので、条件変化に対応できる。さらに、脱気装置が膜脱気装置の場合、膜に常時同じ負荷が作用しないため、膜の寿命が長くなり、ランニングコストを下げることができる。
【0013】
なお、液体として水の溶存空気量を調整する場合は、脱気装置から排水された脱気後の水の溶存空気量を検出してフィードバック制御すればよいが、液体として溶剤の溶存空気量を調整する場合には、溶剤が混合液なので飽和気体量を絶対値で正確に測定できない。このため、脱気装置の前後(脱気前、脱気後)の溶存空気量を検出し、この検出結果に基づいて脱気量を調整することで、所望の溶存空気量とすることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記脱気調整手段が、前記脱気装置と真空ポンプを接続する配管に設けられた減圧調整バルブであり、前記制御手段が前記減圧調整バルブの開度を調整することを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明では、脱気装置を真空状態とする真空ポンプと脱気装置とを接続する配管に、減圧調整バルブが設けられている。この減圧調整バルブの開度を調整することで、真空度を変えて脱気装置の脱気度を制御している。この構成では、真空ポンプを駆動制御する必要がないので、制御が簡単になる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、液体中の溶存空気を除去する液体の脱気システムにおいて、
脱気前の液体と脱気後の液体の流路がそれぞれ共通とされ多列配置された脱気装置群と、前記脱気装置群へ送水される脱気前の液体又は該脱気装置群から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の溶存空気量を検出する溶存空気量検出手段と、前記脱気装置群を構成する脱気装置のうち使用する脱気装置へ液体を送水する切替え手段と、前記溶存空気量検出手段の検出結果に基づき前記切替え手段を操作し選択した脱気装置へ液体を送水させる制御手段と、を有することを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明では、脱気装置が多列(並列、直列)に配置され、脱気装置群となっている。脱気装置群には、脱気前の液体と脱気後の液体が流れる共通の流路がそれぞれ設けられている。また、脱気装置群へ送水される脱気前の液体又は脱気装置群から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の溶存空気量が溶存空気量検出手段によって検出される。
【0018】
溶存空気量検出手段によって検出された検出結果に基づき、制御手段が切替え手段を操作して選択した脱気装置へ液体を送水することで(使用する脱気装置の台数を変える)脱気量を調整し、液体中の溶存空気量の変動を抑えることができる。
【0019】
また、複数の脱気装置を運転しても、平均すると各脱気装置の使用頻度が落ちるので、膜脱気の場合、膜の寿命が長くなり、ランニングコストを下げることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記切替え手段が、各脱気装置の流入管に設けられた開閉弁であり、前記制御手段が前記開閉弁の開閉操作をすることを特徴としている。
【0021】
請求項4に記載の発明では、切替え手段として、各脱気装置の流入管に開閉弁を設け、制御手段により開閉弁の開閉操作をすることで、液体を送水する脱気装置を選択する。
【0022】
請求項5に記載の発明は、ウェブに塗布される液体中の溶存空気を除去する液体の脱気方法において、脱気装置へ送水される脱気前の液体又は該脱気装置から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の液体の溶存空気量に基づき、脱気装置の脱気度を調整することを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、第1実施形態に係る液体の脱気システムは、液体として塗布液L(有機溶剤系)を貯留するリザーブタンク10を備えている。リザーブタンク10の底壁10Bには、送水管12が接続されている。この送水管12の下流側は膜脱気装置14に接続されており、送水管12に配置された送液ポンプ16によって、リザーブタンク10に貯留された塗布液が脱気膜18の表側に送水される。なお、リザーブタンク10には、塗布液が減少するとストックタンク120から塗布液が送水され、また、塗布装置26からの戻り液がリザーブされる。
【0024】
脱気膜18は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体で製造されたシート状或は袋状の薄膜(サイズ:8000×350mm)が使用されているが、他の脱気膜としては、フッ素樹脂フィルムが使用でき、四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重合体樹脂フィルム、四弗化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂フィルム、四弗化エチレン−エチレン共重合樹脂フィルムを用いることができる。フッ素樹脂フィルム膜厚として、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
【0025】
脱気膜18の裏面側には、吸引管20が接続されている。この吸引管20を通じて真空ポンプ36により脱気膜18の裏面側が吸引され、後述する真空バルブ22により真空度が67×102Pa〜106×102Paの範囲で調整される。
そして、この脱気膜18により、溶存酸素量が下がった塗布液Lは排水管24に設けられたろ過装置28を経て塗布装置26に送液される。この塗布装置26でウェブWに塗布液Lが均一に塗布される。
【0026】
また、送水管12には溶存酸素測定器30が取付けられ、排水管24には溶存酸素測定器32が取付けられている。溶存酸素測定器30は、脱気前の塗布液の溶存酸素量を測定して測定値を制御部34へ出力する。また、溶存酸素測定器32は、脱気後の塗布液の溶存酸素量を測定して測定値を制御部34へ出力する。
【0027】
溶存酸素測定器は、一例として金からなる酸素極を正極とし、鉛を負極とする酸素鉛電池から構成されている。フッ素樹脂製の隔膜を通って拡散している塗布液中の酸素は正極で還元され、両極間に酸素濃度に比例した電流が流れる。この電流をサーミスタの端子電圧として検出し、電圧の変化から溶存酸素量を測定する。
【0028】
一方、吸引管20には、真空バルブ22が取付けられている。この真空バルブ22は、制御部34によって開度が調整され、膜脱気装置14の脱気度が調整される。
【0029】
また、本発明に適する塗布液は有機溶剤系に限定されず水系でも構わない。水系塗布液は、微細気泡の発生を効果的に抑制できるので、粘度が1c.p.以上のものが好適であり、5c.p.以上のより高粘度の水系塗布液がより好適である。
【0030】
水系塗布液の塗布は、一層でも、複数層でもよく、多層送液塗布装置にも応用することもできる。ウェブW(支持体)は、アルミニウム、PET等、特に限定されない。
【0031】
また、膜脱気装置14を構成するハウジングの材質、形状は特に限定されず、さらに、脱気膜も非多孔質であるか多孔質であるかは関係なく、形態もシート状でも、袋状でもよく、中空糸の中の圧力を下げてその周りへ塗布液を通すようにしてもよい。
【0032】
次に、第1実施形態に係る液体の脱気システムの作用について説明する。
【0033】
この実施例では、膜脱気装置14の脱気膜18の表面側の容積を1.25リットル、また、膜脱気装置14へ送液する塗布液の容量を、1.5リットル/分としている。そして、溶存酸素量を測定してフィードバック制御を行わず、膜脱気装置1台を連続運転して塗布液を脱気する従来の脱気システムと本実施例を比較して説明する。
【0034】
本実施例では、溶存酸素測定器30により、膜脱気装置14へ送水される塗布液の溶存酸素量を連続して測定し測定値Aを制御部34へ出力する。制御部34は、製品データとして予め入力された塗布液の設計溶存酸素量から真空バルブ22の開度を演算し、真空ポンプ36による真空度を100%〜70%の範囲で調整する。ここでは、真空度を67×102Pa〜106×102Paの範囲で調整している。
【0035】
次に、溶存酸素測定器32が膜脱気装置14から排水された塗布液の溶存酸素量を連続して測定し測定値Bを制御部34へ出力する。すなわち、塗布液に含まれる溶存酸素量をフィードバック制御するのであるが、塗布液は混合液であるため、測定値Bが必ずしも正確であるとは限らない。
【0036】
このため、溶存酸素測定器30の測定値Aと測定値Bとの開きが所定値より大きいとき、測定値Bから演算された真空バルブ22の開度に一定の割り増し値を加算し、真空度を制御して脱気装置の脱気度を調整する。また、測定値Aと測定値Bとの開きが所定値より小さいときは、測定値Bから演算された真空バルブ22の開度で真空度を制御して脱気装置の脱気度を調整する。
【0037】
この結果、図2の表に示すように、従来の脱気システムでは、真空度を常時40×102Paとして脱気しており、1時間の測定結果によると(脱気装置から排水された塗布液を連続的に測定)、溶存酸素量の削減率が75%〜95%の範囲で振れるが、本実施例では、溶存酸素量の削減率の振れが80%〜85%の範囲で収束している。
【0038】
このように、膜脱気装置14による脱気度を調整することで、塗布液中の溶存酸素量の変動を抑えることができる。逆に言えば、製品の品種等により要求される溶存酸素量の条件が変化しても、脱気装置の脱気度を調整できるため対応が可能となる。さらに、膜脱気装置14の脱気膜18に常時同じ負荷が作用しないため、脱気膜18の寿命が長くなり、ランニングコストを下げることができる。
【0039】
なお、本実施例の膜脱気装置14に付与される真空度(脱気度)は、600×102Pa〜13×102Paの範囲で調整可能とされているが、運転範囲としては、267×102Pa以下が好ましく、より好ましくは40×102Pa以下である。
【0040】
また、真空ポンプの出力を駆動制御してもよいが、真空度を安定させ難いので開度で真空度を制御した方が好ましい。さらに、本実施例では、溶存空気量として溶存酸素量を測定する溶存酸素測定器を用いて測定する場合について説明したが、溶存窒素量を測定する測定器を用いることもできる。
【0041】
また、真空度を制御する方法として、真空バルブの開度の調整ではなく、真空バルブを開閉(オン、オフ)する方法も考えられる。
【0042】
次に、第2実施形態の液体の脱気システムについて説明する。
【0043】
図3に示すように、第2実施形態では、3台の膜脱気装置38、40、42が並列に配置されている。
【0044】
すなわち、共通管としての送水管12から3本の分岐管44,46、48がそれぞれ膜脱気装置38、40、42の流入口に接続されており、分岐管44,46、48には、開閉弁50、52、54が取付けられている。この開閉弁50、52、54は、制御部34と接続されており、制御信号によって開閉動作を行う。
【0045】
また、膜脱気装置38、40、42の排水口には、排水管56、58、60が接続されている。排水管56、58、60の排水側は1本の排水管24に集水され、ろ過装置28を経て塗布装置26に送液される。
【0046】
さらに、排水管56、58、60には、開閉弁74、76、78が取付けられている。この開閉弁74、76、78は、制御部34と接続されており、分岐管側の開閉弁50、52、54と同期して開閉動作を行う。
【0047】
ここで、送水管12及び排水管24には、それぞれ溶存酸素測定器30、32が取付けられており、塗布液の溶存酸素量を測定して測定値を制御部34へ出力する。
【0048】
また、脱気膜18の裏面側には、吸引管62、64、66が接続されている。この吸引管62、64、66は、吸引管20に接続されている。そして、吸引管20に設けられた真空ポンプ36によりそれぞれの膜脱気装置の脱気膜18の裏面側が吸引される。また、吸引管62、64、66には、真空バルブ68、70、72が取付けられている。この真空バルブ68、70、72は、制御部34によって開度がそれぞれ調整され、膜脱気装置38、40、42の真空度が調整される。
【0049】
次に、第2実施形態に係る液体の脱気システムの作用について説明する。
【0050】
この実施例では、膜脱気装置38、40、42の脱気膜18の表面側の容積をそれぞれ1.25リットル、また、送水管12へ送液される塗布液の容量を、4.0リットル/分としている。そして、溶存酸素量を測定してフィードバック制御を行わず、膜脱気装置3台を連続運転して塗布液を脱気する従来の脱気システムと本実施例を比較して説明する。
【0051】
本実施例では、溶存酸素測定器30により膜脱気装置14へ送水される塗布液の溶存酸素量を連続して測定し測定値Aを制御部34へ出力する。制御部34は、製品データとして予め入力された塗布液の設計溶存酸素量から真空バルブ68、70、72の開度を算出し、真空ポンプ36による真空度を100%〜70%の範囲で調整する。ここでは、真空度を67×102Pa〜106×102Paの範囲で調整している。
【0052】
また、溶存酸素測定器32の測定値Bによるフィードバック制御は第1実施形態と同じである。
【0053】
なお、本実施例では、真空バルブ68、70、72の開度をすべて同一にすることを前提として脱気量を調整しているが、排水管56、58、60及び分岐管44,46、48にそれぞれ溶存酸素測定器を計6個取付けて、各排水管56、58、60から排水される塗布液の溶存酸素量が一定となるように真空バルブの開度を調整することもできる。これにより、脱気膜の劣化による脱気度の変動をキャンセルできる。
【0054】
一方、製品の品種により塗布液に要求される溶存酸素量の条件(溶存酸素量の多少の条件)が変わった場合、運転停止する膜脱気装置に接続された分岐管の開閉弁と排水管の開閉弁を閉じて、運転する脱気装置の台数を変更する。例えば、膜脱気装置38の運転停止するときは、真空バルブ68を全閉して、脱気膜18に作用する負荷を取り除く。
【0055】
このような制御を行うことで、図4の表に示すように、従来の脱気システムでは、膜脱気装置3台を連続運転し真空度を常時40×102Paとして脱気しており、1時間の測定結果によると(膜脱気装置から排水された塗布液を連続的に測定)、溶存酸素量の削減率が75%〜85%の範囲で振れた。また、脱気装置1台の寿命を2年とすると、12年に亘って連続運転するためには(12年/2年)×3台=18台必要となる。
【0056】
一方、本実施例では、真空度の調整と、1台から3台の切替え運転により、溶存酸素量の削減率の振れが80%〜85%の範囲で収束している。また、使用頻度が異なるため、3台の脱気装置のうち、一台の寿命が2年、他の一台の寿命が3年、残りの一台の寿命が4年となった。
【0057】
この結果、図4の表に示すように、(12年/2年)×1台+(12年/3年)×1台+(12年/4年)×1台=13台となり、従来システムと比較すると、18台−13台=5台の削減となる。
【0058】
このように、本実施例では、平均すると各脱気装置の使用頻度が落ちるので、脱気膜の寿命が長くなり、ランニングコストを下げることができる。
【0059】
なお、第2実施形態では、脱気装置を並列に多列したが、図5に示すように、膜脱気装置80、82を直列に配置して、塗布液の流れを二方向弁84で切替え、使用する膜脱気装置の台数を変えてもよい。なお、真空バルブ86、88の開度を調整して、脱気度を変える構成は第2実施形態と同様である。
【0060】
また、図6に示すように、膜脱気装置ではなく、脱気タンク90を減圧することで塗布液を脱気する減圧脱気方法に本発明の脱気システムを適用することもできる。
【0061】
ここで、PS版となるウェブの全体の製造工程を簡単に説明しておく。
【0062】
PS版は、99.5重量%アルミニウムに、銅を0.01重量%、チタンを0.03重量%、鉄を0.3重量%、ケイ素を0.1重量%含有するJIS―A1050アルミニウム材の厚み0.30mm圧延板を、400メッシュのパミストン(共立窯業製)の20重量%水性懸濁液と、回転ナイロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用いてその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。
【0063】
これを15重量%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニウム4.5重量%含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が5g/m2 になるようにエッチングした後、流水で水洗した。さらに、1重量%硝酸で中和し、次に0.7重量%硝酸水溶液(アルミニウム0.5重量%含有)中で、陽極時電圧10.5ボルト、陰極時電圧9.3ボルトの矩形波交番波形電圧(電流比r=0.90、特公昭58−5796号公報実施例に記載されている電流波形)を用いて160クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水洗後、35℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミニウム溶解量が1g/m2 になるようにエッチングした後、水洗した。次に、50℃30重量%の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗した。
【0064】
さらに、35℃の硫酸20重量%水溶液(アルミニウム0.8重量%含有)中で直流電流を用いて、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。すなわち電流密度13A/dm2 で電解を行い、電解時間の調節により陽極酸化皮膜重量2.7g/m2 とした。ジアゾ樹脂と結合剤を用いたネガ型感光性平版印刷版を作成する為に、この支持体を水洗後、70℃のケイ酸ナトリウムの3重量%水溶液に30秒間浸漬処理し、水洗乾燥した。
【0065】
以上のようにして得られたアルミニウム支持体は、マクベスRD920反射濃度計で測定した反射濃度は0.30で、JIS B00601に規定する中心線平均粗さRaは0.58μmであった。
【0066】
次に上記支持体にメチルメタクリレート/エチルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合体(平均分子量約6万)(モル比50/30/20)の1.0重量%水溶液をロールコーターにより乾燥後の塗布量が0.05g/m2 になるように塗布した。
【0067】
さらに、塗布液として下記感光液−1を、本形態で用いたバーコーターを用いて塗布し、110℃で45秒間乾燥させた。乾燥塗布量は2.0g/m2 であった。
感光液−1
ジアゾ樹脂−1 0.50g
結合剤−1 5.00g
スチライトHS−2(大同工業(株)製) 0.10g
ビクトリアピュアブルーBOH 0.15g
トリクレジルホスフェート 0.50g
ジピコリン酸 0.20g
FC−430(3M社製界面活性剤) 0.05g
溶剤
1−メトキシ−2−プロパノール 25.00g
乳酸メチル 12.00g
メタノール 30.00g
メチルエチルケトン 30.00g
水 3.00g
上記のジアゾ樹脂―1は、次ぎのようにして得たものである。まず、4−ジアゾジフェニルアミン硫酸塩(純度99.5%)29.4gを25℃にて、96%硫酸70mlに徐々に添加し、かつ20分間攪拌した。これに、パラホルムアルデヒド(純度92%)3.26gを約10分かけて徐々に添加し、該混合物を30℃にて、4時間攪拌し、縮合反応を進行させた。なお、上記ジアゾ化合物とホルムアルデヒドとの縮合モル比は1:1である。この反応生成物を攪拌しつつ氷水2リットル中に注ぎ込み、塩化ナトリウム130gを溶解した冷濃厚水溶液で処理した。この沈澱物を吸引濾過により回収し、部分的に乾燥した固体を1リットルの水に溶解し、濾過し、氷で冷却し、かつ、ヘキサフルオロリン酸カリ23gを溶解した水溶液で処理した。最後に、この沈澱物を濾過して回収し、かつ風乾して、ジアゾ樹脂−1gを得た。
【0068】
結合剤−1は、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリロニトリル/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(重量比50/20/26/4、平均分子量75,000、酸含量0.4meq/g)の水不溶性、アルカリ水可溶性の皮膜形成性高分子である。
【0069】
スチライトHS−2(大同工業(株)製)は、結合剤よりも感脂性の高い高分子化合物であって、スチレン/マレイン酸モノ−4−メチル−2−ペンチルエステル=50/50(モル比)の共重合体であり、平均分子量は約100,000であった。このようにして作成した感光層の表面に下記の様にしてマット層形成用樹脂液を吹き付けてマット層を設けた。
【0070】
マット層形成用樹脂液としてメチルメタクリレート/エチルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(仕込重量比65:20:15)共重合体の一部をナトリウム塩とした12%水溶液を準備し、回転霧化静電塗装機で霧化頭回転数25,000rpm、樹脂液の送液量は4.0ml/分、霧化頭への印加電圧は−90kV、塗布時の周囲温度は25℃、相対湿度は50%とし、塗布液2.5秒で塗布面に蒸気を吹き付けて湿潤させ、ついで湿潤した3秒後に温度60℃、湿度10%の温風を5秒間吹き付けて乾燥させた。マットの高さは平均約6μm、大きさは平均約30μm、塗布量は150mg/m2 であった。
【0071】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、液体中の溶存空気量を調整でき、また、脱気膜の寿命の長い脱気装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る液体の脱気システムを示す説明図である。
【図2】第1実施形態に係る液体の脱気システムと従来の脱気システムを比較した表である。
【図3】第2実施形態に係る液体の脱気システムを示す説明図である。
【図4】第2実施形態に係る液体の脱気システムと従来の脱気システムを比較した表である。
【図5】第3実施形態に係る液体の脱気システムを示す説明図である。
【図6】第4実施形態に係る液体の脱気システムを示す説明図である。
【図7】従来の塗布液の脱気システムを示す説明図である。
【符号の説明】
22 真空バルブ(脱気調整手段、減圧調整バルブ)
30 溶存酸素測定器(溶存空気量検出手段)
32 溶存酸素測定器(溶存空気量検出手段)
34 制御部(制御手段)
38 脱気装置(脱気装置群)
40 脱気装置(脱気装置群)
42 脱気装置(脱気装置群)
50 開閉弁(切替え手段)
52 開閉弁(切替え手段)
54 開閉弁(切替え手段)
74 開閉弁(切替え手段)
76 開閉弁(切替え手段)
78 開閉弁(切替え手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体中に溶存する空気を脱気する液体の脱気システム及び液体の脱気方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
感光性平版印刷版は、一般にコイル状のアルミニウム版(以下「ウエブ」という)に、例えば、砂目立て、陽極酸化、化成処理等の表面処理を単独又は適宜組み合わせて行い、次いで、塗布液が塗布される塗布工程を経て、乾燥工程へ回される。
【0003】
塗布液の塗布工程において、溶存空気が含有した塗布液をそのまま塗布すると、気泡によって泡はじき、縦スジ、ピンホール等の欠陥が塗布面に生じ、ウェブに均一な感光層を形成することができない。このため、ウェブに塗布される塗布液中に含有する溶存空気を除去する必要がある。
【0004】
このような液中の溶存空気を効率的に除去する方法としては、図7に示すように、リザーブタンク100に貯留された塗布液Lを送液ポンプ102で多列に配置された脱気装置104へ送ることで、液中の溶存空気を取り除き、そのままフィルタ106を通して塗布装置108に送る方法が一般的である(特許文献1参照)。
【0005】
ところで、塗布装置108からリザーブタンク100への戻り液量の変化、脱気装置104から塗布装置108へ送る塗布液量の変更、ストックタンク120からリザーブタンク100への塗布液の供給タイミング等によって、リザーブタンク100内の塗布液の溶存空気量が変動するため、脱気後の塗布液の溶存空気量が変動し、塗布装置での塗布故障の原因となることがある。このため、負荷変動に対応できるように複数の脱気装置104を配置して溶存空気量の変動を最小限に抑えている。
【0006】
しかし、複数の脱気装置を配置すると、特に、脱気装置として膜脱気装置を用いた場合、脱気膜105の劣化により能力が低下するため、定期的に脱気膜105を交換しなければならず、ランニングコストが増加する。
【0007】
また、製品の品種等により塗布方式が変わってくるため、塗布液に要求される溶存空気量の条件(溶存空気量の多少の条件)も異なってくる。しかし、従来の脱気装置は、真空ポンプ110を駆動し常に一定の真空度で脱気するだけ、すなわち、一定の条件にセットされているだけで、脱気後の塗布液の溶存空気量を臨機応変に調整することができなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−253459号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、液体中の溶存空気量を調整でき、また、脱気膜の寿命の長い脱気装置とすることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、液体中の溶存空気を除去する液体の脱気システムにおいて、脱気装置へ送水される脱気前の液体又は該脱気装置から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の液体の溶存空気量を検出する溶存空気量検出手段と、前記脱気装置が脱気する溶存空気量の脱気量を変える脱気調整手段と、前記溶存空気量検出手段の検出結果に基づき前記脱気調整手段を制御して前記脱気装置の脱気度を調整する制御手段と、を有することを特徴としている。
【0011】
請求項1に記載の発明では、脱気装置へ送水される脱気前の液体又は脱気装置から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の溶存空気量が溶存空気量検出手段によって検出される。溶存空気量検出手段の検出結果に基づき、制御手段が脱気調整手段を制御して脱気装置の脱気度を調整することで、液体中の溶存空気量の変動を抑えることができる。
【0012】
また、製品の品種等により要求される溶存空気量の条件が変化しても、脱気装置の脱気度を調整できる構成なので、条件変化に対応できる。さらに、脱気装置が膜脱気装置の場合、膜に常時同じ負荷が作用しないため、膜の寿命が長くなり、ランニングコストを下げることができる。
【0013】
なお、液体として水の溶存空気量を調整する場合は、脱気装置から排水された脱気後の水の溶存空気量を検出してフィードバック制御すればよいが、液体として溶剤の溶存空気量を調整する場合には、溶剤が混合液なので飽和気体量を絶対値で正確に測定できない。このため、脱気装置の前後(脱気前、脱気後)の溶存空気量を検出し、この検出結果に基づいて脱気量を調整することで、所望の溶存空気量とすることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、前記脱気調整手段が、前記脱気装置と真空ポンプを接続する配管に設けられた減圧調整バルブであり、前記制御手段が前記減圧調整バルブの開度を調整することを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明では、脱気装置を真空状態とする真空ポンプと脱気装置とを接続する配管に、減圧調整バルブが設けられている。この減圧調整バルブの開度を調整することで、真空度を変えて脱気装置の脱気度を制御している。この構成では、真空ポンプを駆動制御する必要がないので、制御が簡単になる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、液体中の溶存空気を除去する液体の脱気システムにおいて、
脱気前の液体と脱気後の液体の流路がそれぞれ共通とされ多列配置された脱気装置群と、前記脱気装置群へ送水される脱気前の液体又は該脱気装置群から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の溶存空気量を検出する溶存空気量検出手段と、前記脱気装置群を構成する脱気装置のうち使用する脱気装置へ液体を送水する切替え手段と、前記溶存空気量検出手段の検出結果に基づき前記切替え手段を操作し選択した脱気装置へ液体を送水させる制御手段と、を有することを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明では、脱気装置が多列(並列、直列)に配置され、脱気装置群となっている。脱気装置群には、脱気前の液体と脱気後の液体が流れる共通の流路がそれぞれ設けられている。また、脱気装置群へ送水される脱気前の液体又は脱気装置群から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の溶存空気量が溶存空気量検出手段によって検出される。
【0018】
溶存空気量検出手段によって検出された検出結果に基づき、制御手段が切替え手段を操作して選択した脱気装置へ液体を送水することで(使用する脱気装置の台数を変える)脱気量を調整し、液体中の溶存空気量の変動を抑えることができる。
【0019】
また、複数の脱気装置を運転しても、平均すると各脱気装置の使用頻度が落ちるので、膜脱気の場合、膜の寿命が長くなり、ランニングコストを下げることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記切替え手段が、各脱気装置の流入管に設けられた開閉弁であり、前記制御手段が前記開閉弁の開閉操作をすることを特徴としている。
【0021】
請求項4に記載の発明では、切替え手段として、各脱気装置の流入管に開閉弁を設け、制御手段により開閉弁の開閉操作をすることで、液体を送水する脱気装置を選択する。
【0022】
請求項5に記載の発明は、ウェブに塗布される液体中の溶存空気を除去する液体の脱気方法において、脱気装置へ送水される脱気前の液体又は該脱気装置から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の液体の溶存空気量に基づき、脱気装置の脱気度を調整することを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、第1実施形態に係る液体の脱気システムは、液体として塗布液L(有機溶剤系)を貯留するリザーブタンク10を備えている。リザーブタンク10の底壁10Bには、送水管12が接続されている。この送水管12の下流側は膜脱気装置14に接続されており、送水管12に配置された送液ポンプ16によって、リザーブタンク10に貯留された塗布液が脱気膜18の表側に送水される。なお、リザーブタンク10には、塗布液が減少するとストックタンク120から塗布液が送水され、また、塗布装置26からの戻り液がリザーブされる。
【0024】
脱気膜18は、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体で製造されたシート状或は袋状の薄膜(サイズ:8000×350mm)が使用されているが、他の脱気膜としては、フッ素樹脂フィルムが使用でき、四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重合体樹脂フィルム、四弗化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂フィルム、四弗化エチレン−エチレン共重合樹脂フィルムを用いることができる。フッ素樹脂フィルム膜厚として、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
【0025】
脱気膜18の裏面側には、吸引管20が接続されている。この吸引管20を通じて真空ポンプ36により脱気膜18の裏面側が吸引され、後述する真空バルブ22により真空度が67×102Pa〜106×102Paの範囲で調整される。
そして、この脱気膜18により、溶存酸素量が下がった塗布液Lは排水管24に設けられたろ過装置28を経て塗布装置26に送液される。この塗布装置26でウェブWに塗布液Lが均一に塗布される。
【0026】
また、送水管12には溶存酸素測定器30が取付けられ、排水管24には溶存酸素測定器32が取付けられている。溶存酸素測定器30は、脱気前の塗布液の溶存酸素量を測定して測定値を制御部34へ出力する。また、溶存酸素測定器32は、脱気後の塗布液の溶存酸素量を測定して測定値を制御部34へ出力する。
【0027】
溶存酸素測定器は、一例として金からなる酸素極を正極とし、鉛を負極とする酸素鉛電池から構成されている。フッ素樹脂製の隔膜を通って拡散している塗布液中の酸素は正極で還元され、両極間に酸素濃度に比例した電流が流れる。この電流をサーミスタの端子電圧として検出し、電圧の変化から溶存酸素量を測定する。
【0028】
一方、吸引管20には、真空バルブ22が取付けられている。この真空バルブ22は、制御部34によって開度が調整され、膜脱気装置14の脱気度が調整される。
【0029】
また、本発明に適する塗布液は有機溶剤系に限定されず水系でも構わない。水系塗布液は、微細気泡の発生を効果的に抑制できるので、粘度が1c.p.以上のものが好適であり、5c.p.以上のより高粘度の水系塗布液がより好適である。
【0030】
水系塗布液の塗布は、一層でも、複数層でもよく、多層送液塗布装置にも応用することもできる。ウェブW(支持体)は、アルミニウム、PET等、特に限定されない。
【0031】
また、膜脱気装置14を構成するハウジングの材質、形状は特に限定されず、さらに、脱気膜も非多孔質であるか多孔質であるかは関係なく、形態もシート状でも、袋状でもよく、中空糸の中の圧力を下げてその周りへ塗布液を通すようにしてもよい。
【0032】
次に、第1実施形態に係る液体の脱気システムの作用について説明する。
【0033】
この実施例では、膜脱気装置14の脱気膜18の表面側の容積を1.25リットル、また、膜脱気装置14へ送液する塗布液の容量を、1.5リットル/分としている。そして、溶存酸素量を測定してフィードバック制御を行わず、膜脱気装置1台を連続運転して塗布液を脱気する従来の脱気システムと本実施例を比較して説明する。
【0034】
本実施例では、溶存酸素測定器30により、膜脱気装置14へ送水される塗布液の溶存酸素量を連続して測定し測定値Aを制御部34へ出力する。制御部34は、製品データとして予め入力された塗布液の設計溶存酸素量から真空バルブ22の開度を演算し、真空ポンプ36による真空度を100%〜70%の範囲で調整する。ここでは、真空度を67×102Pa〜106×102Paの範囲で調整している。
【0035】
次に、溶存酸素測定器32が膜脱気装置14から排水された塗布液の溶存酸素量を連続して測定し測定値Bを制御部34へ出力する。すなわち、塗布液に含まれる溶存酸素量をフィードバック制御するのであるが、塗布液は混合液であるため、測定値Bが必ずしも正確であるとは限らない。
【0036】
このため、溶存酸素測定器30の測定値Aと測定値Bとの開きが所定値より大きいとき、測定値Bから演算された真空バルブ22の開度に一定の割り増し値を加算し、真空度を制御して脱気装置の脱気度を調整する。また、測定値Aと測定値Bとの開きが所定値より小さいときは、測定値Bから演算された真空バルブ22の開度で真空度を制御して脱気装置の脱気度を調整する。
【0037】
この結果、図2の表に示すように、従来の脱気システムでは、真空度を常時40×102Paとして脱気しており、1時間の測定結果によると(脱気装置から排水された塗布液を連続的に測定)、溶存酸素量の削減率が75%〜95%の範囲で振れるが、本実施例では、溶存酸素量の削減率の振れが80%〜85%の範囲で収束している。
【0038】
このように、膜脱気装置14による脱気度を調整することで、塗布液中の溶存酸素量の変動を抑えることができる。逆に言えば、製品の品種等により要求される溶存酸素量の条件が変化しても、脱気装置の脱気度を調整できるため対応が可能となる。さらに、膜脱気装置14の脱気膜18に常時同じ負荷が作用しないため、脱気膜18の寿命が長くなり、ランニングコストを下げることができる。
【0039】
なお、本実施例の膜脱気装置14に付与される真空度(脱気度)は、600×102Pa〜13×102Paの範囲で調整可能とされているが、運転範囲としては、267×102Pa以下が好ましく、より好ましくは40×102Pa以下である。
【0040】
また、真空ポンプの出力を駆動制御してもよいが、真空度を安定させ難いので開度で真空度を制御した方が好ましい。さらに、本実施例では、溶存空気量として溶存酸素量を測定する溶存酸素測定器を用いて測定する場合について説明したが、溶存窒素量を測定する測定器を用いることもできる。
【0041】
また、真空度を制御する方法として、真空バルブの開度の調整ではなく、真空バルブを開閉(オン、オフ)する方法も考えられる。
【0042】
次に、第2実施形態の液体の脱気システムについて説明する。
【0043】
図3に示すように、第2実施形態では、3台の膜脱気装置38、40、42が並列に配置されている。
【0044】
すなわち、共通管としての送水管12から3本の分岐管44,46、48がそれぞれ膜脱気装置38、40、42の流入口に接続されており、分岐管44,46、48には、開閉弁50、52、54が取付けられている。この開閉弁50、52、54は、制御部34と接続されており、制御信号によって開閉動作を行う。
【0045】
また、膜脱気装置38、40、42の排水口には、排水管56、58、60が接続されている。排水管56、58、60の排水側は1本の排水管24に集水され、ろ過装置28を経て塗布装置26に送液される。
【0046】
さらに、排水管56、58、60には、開閉弁74、76、78が取付けられている。この開閉弁74、76、78は、制御部34と接続されており、分岐管側の開閉弁50、52、54と同期して開閉動作を行う。
【0047】
ここで、送水管12及び排水管24には、それぞれ溶存酸素測定器30、32が取付けられており、塗布液の溶存酸素量を測定して測定値を制御部34へ出力する。
【0048】
また、脱気膜18の裏面側には、吸引管62、64、66が接続されている。この吸引管62、64、66は、吸引管20に接続されている。そして、吸引管20に設けられた真空ポンプ36によりそれぞれの膜脱気装置の脱気膜18の裏面側が吸引される。また、吸引管62、64、66には、真空バルブ68、70、72が取付けられている。この真空バルブ68、70、72は、制御部34によって開度がそれぞれ調整され、膜脱気装置38、40、42の真空度が調整される。
【0049】
次に、第2実施形態に係る液体の脱気システムの作用について説明する。
【0050】
この実施例では、膜脱気装置38、40、42の脱気膜18の表面側の容積をそれぞれ1.25リットル、また、送水管12へ送液される塗布液の容量を、4.0リットル/分としている。そして、溶存酸素量を測定してフィードバック制御を行わず、膜脱気装置3台を連続運転して塗布液を脱気する従来の脱気システムと本実施例を比較して説明する。
【0051】
本実施例では、溶存酸素測定器30により膜脱気装置14へ送水される塗布液の溶存酸素量を連続して測定し測定値Aを制御部34へ出力する。制御部34は、製品データとして予め入力された塗布液の設計溶存酸素量から真空バルブ68、70、72の開度を算出し、真空ポンプ36による真空度を100%〜70%の範囲で調整する。ここでは、真空度を67×102Pa〜106×102Paの範囲で調整している。
【0052】
また、溶存酸素測定器32の測定値Bによるフィードバック制御は第1実施形態と同じである。
【0053】
なお、本実施例では、真空バルブ68、70、72の開度をすべて同一にすることを前提として脱気量を調整しているが、排水管56、58、60及び分岐管44,46、48にそれぞれ溶存酸素測定器を計6個取付けて、各排水管56、58、60から排水される塗布液の溶存酸素量が一定となるように真空バルブの開度を調整することもできる。これにより、脱気膜の劣化による脱気度の変動をキャンセルできる。
【0054】
一方、製品の品種により塗布液に要求される溶存酸素量の条件(溶存酸素量の多少の条件)が変わった場合、運転停止する膜脱気装置に接続された分岐管の開閉弁と排水管の開閉弁を閉じて、運転する脱気装置の台数を変更する。例えば、膜脱気装置38の運転停止するときは、真空バルブ68を全閉して、脱気膜18に作用する負荷を取り除く。
【0055】
このような制御を行うことで、図4の表に示すように、従来の脱気システムでは、膜脱気装置3台を連続運転し真空度を常時40×102Paとして脱気しており、1時間の測定結果によると(膜脱気装置から排水された塗布液を連続的に測定)、溶存酸素量の削減率が75%〜85%の範囲で振れた。また、脱気装置1台の寿命を2年とすると、12年に亘って連続運転するためには(12年/2年)×3台=18台必要となる。
【0056】
一方、本実施例では、真空度の調整と、1台から3台の切替え運転により、溶存酸素量の削減率の振れが80%〜85%の範囲で収束している。また、使用頻度が異なるため、3台の脱気装置のうち、一台の寿命が2年、他の一台の寿命が3年、残りの一台の寿命が4年となった。
【0057】
この結果、図4の表に示すように、(12年/2年)×1台+(12年/3年)×1台+(12年/4年)×1台=13台となり、従来システムと比較すると、18台−13台=5台の削減となる。
【0058】
このように、本実施例では、平均すると各脱気装置の使用頻度が落ちるので、脱気膜の寿命が長くなり、ランニングコストを下げることができる。
【0059】
なお、第2実施形態では、脱気装置を並列に多列したが、図5に示すように、膜脱気装置80、82を直列に配置して、塗布液の流れを二方向弁84で切替え、使用する膜脱気装置の台数を変えてもよい。なお、真空バルブ86、88の開度を調整して、脱気度を変える構成は第2実施形態と同様である。
【0060】
また、図6に示すように、膜脱気装置ではなく、脱気タンク90を減圧することで塗布液を脱気する減圧脱気方法に本発明の脱気システムを適用することもできる。
【0061】
ここで、PS版となるウェブの全体の製造工程を簡単に説明しておく。
【0062】
PS版は、99.5重量%アルミニウムに、銅を0.01重量%、チタンを0.03重量%、鉄を0.3重量%、ケイ素を0.1重量%含有するJIS―A1050アルミニウム材の厚み0.30mm圧延板を、400メッシュのパミストン(共立窯業製)の20重量%水性懸濁液と、回転ナイロンブラシ(6,10−ナイロン)とを用いてその表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。
【0063】
これを15重量%水酸化ナトリウム水溶液(アルミニウム4.5重量%含有)に浸漬してアルミニウムの溶解量が5g/m2 になるようにエッチングした後、流水で水洗した。さらに、1重量%硝酸で中和し、次に0.7重量%硝酸水溶液(アルミニウム0.5重量%含有)中で、陽極時電圧10.5ボルト、陰極時電圧9.3ボルトの矩形波交番波形電圧(電流比r=0.90、特公昭58−5796号公報実施例に記載されている電流波形)を用いて160クーロン/dm2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。水洗後、35℃の10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミニウム溶解量が1g/m2 になるようにエッチングした後、水洗した。次に、50℃30重量%の硫酸水溶液中に浸漬し、デスマットした後、水洗した。
【0064】
さらに、35℃の硫酸20重量%水溶液(アルミニウム0.8重量%含有)中で直流電流を用いて、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。すなわち電流密度13A/dm2 で電解を行い、電解時間の調節により陽極酸化皮膜重量2.7g/m2 とした。ジアゾ樹脂と結合剤を用いたネガ型感光性平版印刷版を作成する為に、この支持体を水洗後、70℃のケイ酸ナトリウムの3重量%水溶液に30秒間浸漬処理し、水洗乾燥した。
【0065】
以上のようにして得られたアルミニウム支持体は、マクベスRD920反射濃度計で測定した反射濃度は0.30で、JIS B00601に規定する中心線平均粗さRaは0.58μmであった。
【0066】
次に上記支持体にメチルメタクリレート/エチルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム共重合体(平均分子量約6万)(モル比50/30/20)の1.0重量%水溶液をロールコーターにより乾燥後の塗布量が0.05g/m2 になるように塗布した。
【0067】
さらに、塗布液として下記感光液−1を、本形態で用いたバーコーターを用いて塗布し、110℃で45秒間乾燥させた。乾燥塗布量は2.0g/m2 であった。
感光液−1
ジアゾ樹脂−1 0.50g
結合剤−1 5.00g
スチライトHS−2(大同工業(株)製) 0.10g
ビクトリアピュアブルーBOH 0.15g
トリクレジルホスフェート 0.50g
ジピコリン酸 0.20g
FC−430(3M社製界面活性剤) 0.05g
溶剤
1−メトキシ−2−プロパノール 25.00g
乳酸メチル 12.00g
メタノール 30.00g
メチルエチルケトン 30.00g
水 3.00g
上記のジアゾ樹脂―1は、次ぎのようにして得たものである。まず、4−ジアゾジフェニルアミン硫酸塩(純度99.5%)29.4gを25℃にて、96%硫酸70mlに徐々に添加し、かつ20分間攪拌した。これに、パラホルムアルデヒド(純度92%)3.26gを約10分かけて徐々に添加し、該混合物を30℃にて、4時間攪拌し、縮合反応を進行させた。なお、上記ジアゾ化合物とホルムアルデヒドとの縮合モル比は1:1である。この反応生成物を攪拌しつつ氷水2リットル中に注ぎ込み、塩化ナトリウム130gを溶解した冷濃厚水溶液で処理した。この沈澱物を吸引濾過により回収し、部分的に乾燥した固体を1リットルの水に溶解し、濾過し、氷で冷却し、かつ、ヘキサフルオロリン酸カリ23gを溶解した水溶液で処理した。最後に、この沈澱物を濾過して回収し、かつ風乾して、ジアゾ樹脂−1gを得た。
【0068】
結合剤−1は、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリロニトリル/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(重量比50/20/26/4、平均分子量75,000、酸含量0.4meq/g)の水不溶性、アルカリ水可溶性の皮膜形成性高分子である。
【0069】
スチライトHS−2(大同工業(株)製)は、結合剤よりも感脂性の高い高分子化合物であって、スチレン/マレイン酸モノ−4−メチル−2−ペンチルエステル=50/50(モル比)の共重合体であり、平均分子量は約100,000であった。このようにして作成した感光層の表面に下記の様にしてマット層形成用樹脂液を吹き付けてマット層を設けた。
【0070】
マット層形成用樹脂液としてメチルメタクリレート/エチルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(仕込重量比65:20:15)共重合体の一部をナトリウム塩とした12%水溶液を準備し、回転霧化静電塗装機で霧化頭回転数25,000rpm、樹脂液の送液量は4.0ml/分、霧化頭への印加電圧は−90kV、塗布時の周囲温度は25℃、相対湿度は50%とし、塗布液2.5秒で塗布面に蒸気を吹き付けて湿潤させ、ついで湿潤した3秒後に温度60℃、湿度10%の温風を5秒間吹き付けて乾燥させた。マットの高さは平均約6μm、大きさは平均約30μm、塗布量は150mg/m2 であった。
【0071】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、液体中の溶存空気量を調整でき、また、脱気膜の寿命の長い脱気装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る液体の脱気システムを示す説明図である。
【図2】第1実施形態に係る液体の脱気システムと従来の脱気システムを比較した表である。
【図3】第2実施形態に係る液体の脱気システムを示す説明図である。
【図4】第2実施形態に係る液体の脱気システムと従来の脱気システムを比較した表である。
【図5】第3実施形態に係る液体の脱気システムを示す説明図である。
【図6】第4実施形態に係る液体の脱気システムを示す説明図である。
【図7】従来の塗布液の脱気システムを示す説明図である。
【符号の説明】
22 真空バルブ(脱気調整手段、減圧調整バルブ)
30 溶存酸素測定器(溶存空気量検出手段)
32 溶存酸素測定器(溶存空気量検出手段)
34 制御部(制御手段)
38 脱気装置(脱気装置群)
40 脱気装置(脱気装置群)
42 脱気装置(脱気装置群)
50 開閉弁(切替え手段)
52 開閉弁(切替え手段)
54 開閉弁(切替え手段)
74 開閉弁(切替え手段)
76 開閉弁(切替え手段)
78 開閉弁(切替え手段)
Claims (5)
- 液体中の溶存空気を除去する液体の脱気システムにおいて、
脱気装置へ送水される脱気前の液体又は該脱気装置から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の液体の溶存空気量を検出する溶存空気量検出手段と、
前記脱気装置が脱気する溶存空気量の脱気量を変える脱気調整手段と、
前記溶存空気量検出手段の検出結果に基づき前記脱気調整手段を制御して前記脱気装置の脱気度を調整する制御手段と、を有することを特徴とする液体の脱気システム。 - 前記脱気調整手段が、前記脱気装置と真空ポンプを接続する配管に設けられた減圧調整バルブであり、前記制御手段が前記減圧調整バルブの開度を調整することを特徴とする請求項1に記載の液体の脱気システム。
- 液体中の溶存空気を除去する液体の脱気システムにおいて、
脱気前の液体と脱気後の液体の流路がそれぞれ共通とされ多列配置された脱気装置群と、
前記脱気装置群へ送水される脱気前の液体又は該脱気装置群から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の液体の溶存空気量を検出する溶存空気量検出手段と、
前記脱気装置群を構成する脱気装置のうち使用する脱気装置へ液体を送水する切替え手段と、
前記溶存空気量検出手段の検出結果に基づき前記切替え手段を操作し選択した脱気装置へ液体を送水させる制御手段と、を有することを特徴とする液体の脱気システム。 - 前記切替え手段が、各脱気装置の流入管に設けられた開閉弁であり、前記制御手段が前記開閉弁の開閉操作をすることを特徴とする請求項3に記載の液体の脱気システム。
- ウェブに塗布される液体中の溶存空気を除去する液体の脱気方法において、
脱気装置へ送水される脱気前の液体又は該脱気装置から排水された脱気後の液体の少なくとも一方の液体の溶存空気量に基づき、脱気装置の脱気度を調整することを特徴とする液体の脱気方法。
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