JPH0919994A - 湿し水供給方法及び湿し水供給装置 - Google Patents
湿し水供給方法及び湿し水供給装置Info
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- JPH0919994A JPH0919994A JP16996995A JP16996995A JPH0919994A JP H0919994 A JPH0919994 A JP H0919994A JP 16996995 A JP16996995 A JP 16996995A JP 16996995 A JP16996995 A JP 16996995A JP H0919994 A JPH0919994 A JP H0919994A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 環境保護上問題のあるブチルセロソルブ等の
エッチ液またはイソプロピルアルコール等の添加剤をで
きるだけ使用せずに、安定した高品質な印刷が可能な湿
し水を供給する。 【解決手段】 湿し水供給タンク上に電気分解装置を設
け、電気分解により得られる陽極水あるいは陰極水を湿
し水として利用する。
エッチ液またはイソプロピルアルコール等の添加剤をで
きるだけ使用せずに、安定した高品質な印刷が可能な湿
し水を供給する。 【解決手段】 湿し水供給タンク上に電気分解装置を設
け、電気分解により得られる陽極水あるいは陰極水を湿
し水として利用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】オフセット印刷機に用いられ
る湿し水を供給する方法及びこれに用いられる湿し水供
給装置に関する。
る湿し水を供給する方法及びこれに用いられる湿し水供
給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷機では、油性インキと水
とが互いに反発し合う性質を利用して印刷が行なわれ
る。オフセット印刷機には、その版上に湿し部が設けら
れており、湿し部から版に湿し水と呼ばれる水を与え、
親水性の非画線部に水を付着させ、油性のインキが親油
性の画線部以外につかないようにする。この水にはま
た、版を湿してインキによる汚れを防ぐこと、版面をき
れいにすること、版面の温度を一定に保つことなどの役
割がある。
とが互いに反発し合う性質を利用して印刷が行なわれ
る。オフセット印刷機には、その版上に湿し部が設けら
れており、湿し部から版に湿し水と呼ばれる水を与え、
親水性の非画線部に水を付着させ、油性のインキが親油
性の画線部以外につかないようにする。この水にはま
た、版を湿してインキによる汚れを防ぐこと、版面をき
れいにすること、版面の温度を一定に保つことなどの役
割がある。
【0003】湿し水には、通常、水の表面張力をさげ、
版を濡れやすくするための界面活性剤、イソプロピルア
ルコール、及び弱酸性にして版表面を洗うための例えば
ブチルセロソルブを代表とする溶剤系、合成ゴムを代表
とする樹脂系のエッチ液などが添加されている。エッチ
液は、例えば印刷用紙として酸性の新聞用再生紙等を用
いるときには、これを中和するために弱アルカリ液と代
替えされることもある。
版を濡れやすくするための界面活性剤、イソプロピルア
ルコール、及び弱酸性にして版表面を洗うための例えば
ブチルセロソルブを代表とする溶剤系、合成ゴムを代表
とする樹脂系のエッチ液などが添加されている。エッチ
液は、例えば印刷用紙として酸性の新聞用再生紙等を用
いるときには、これを中和するために弱アルカリ液と代
替えされることもある。
【0004】しかしながら、近年、環境保護の問題か
ら、界面活性剤、ブチルセロソルブ、イソプロピルアル
コール等の環境汚染物質の使用を低減あるいは排除する
ことが望まれている。
ら、界面活性剤、ブチルセロソルブ、イソプロピルアル
コール等の環境汚染物質の使用を低減あるいは排除する
ことが望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
湿し水供給方法及び湿し水供給装置では、湿し水に、ブ
チルセロソルブ等のエッチ液、及びイソプロピルアルコ
ール等の添加剤が含まれていた。
湿し水供給方法及び湿し水供給装置では、湿し水に、ブ
チルセロソルブ等のエッチ液、及びイソプロピルアルコ
ール等の添加剤が含まれていた。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、環境保護上問題のあるブチルセロソルブ等のエッチ
液またはイソプロピルアルコール等の添加剤をできるだ
け使用せずに、安定した高品質な印刷が可能な湿し水を
供給する方法を提供することを目的とする。
で、環境保護上問題のあるブチルセロソルブ等のエッチ
液またはイソプロピルアルコール等の添加剤をできるだ
け使用せずに、安定した高品質な印刷が可能な湿し水を
供給する方法を提供することを目的とする。
【0007】本発明はまた、環境保護上問題のあるブチ
ルセロソルブ等のエッチ液またはイソプロピルアルコー
ル等の添加剤をできるだけ使用せずに、安定した高品質
な印刷が可能な湿し水を供給する湿し水供給装置を提供
することを目的とする。
ルセロソルブ等のエッチ液またはイソプロピルアルコー
ル等の添加剤をできるだけ使用せずに、安定した高品質
な印刷が可能な湿し水を供給する湿し水供給装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1に、陽極
及び陰極を有する電気分解装置に水を導入し、電気分解
を行なうことにより、陽極水及び陰極水に分解する工
程、及び該陽極水または該陰極水を湿し水として湿し水
供給タンクに供給する工程を具備することを特徴とする
湿し水供給方法を提供する。
及び陰極を有する電気分解装置に水を導入し、電気分解
を行なうことにより、陽極水及び陰極水に分解する工
程、及び該陽極水または該陰極水を湿し水として湿し水
供給タンクに供給する工程を具備することを特徴とする
湿し水供給方法を提供する。
【0009】本発明は、第2に、陽極及び陰極を有する
電気分解装置に水を導入し、電気分解を行なうことによ
り、陽極水及び陰極水に分解する工程、該陽極水または
該陰極水を湿し水として湿し水供給タンクに供給する工
程、及び該湿し水を該湿し水供給タンクから湿し部に供
給し、該湿し部で利用された湿し水を該湿し部から該湿
し水供給タンク内に戻すことにより該湿し水を循環させ
る工程を具備することを特徴とする湿し水供給方法を提
供する。
電気分解装置に水を導入し、電気分解を行なうことによ
り、陽極水及び陰極水に分解する工程、該陽極水または
該陰極水を湿し水として湿し水供給タンクに供給する工
程、及び該湿し水を該湿し水供給タンクから湿し部に供
給し、該湿し部で利用された湿し水を該湿し部から該湿
し水供給タンク内に戻すことにより該湿し水を循環させ
る工程を具備することを特徴とする湿し水供給方法を提
供する。
【0010】本発明は、第3に、陽極、陰極及び両極の
間に設けられた隔膜を備えた電解槽を有し、水を該電解
槽内で電気分解して陽極水と陰極水に分解する電気分解
装置と、該電気分解装置の陽極側または陰極側に配設さ
れた湿し水供給タンクとを具備することを特徴とする湿
し水供給装置を提供する。
間に設けられた隔膜を備えた電解槽を有し、水を該電解
槽内で電気分解して陽極水と陰極水に分解する電気分解
装置と、該電気分解装置の陽極側または陰極側に配設さ
れた湿し水供給タンクとを具備することを特徴とする湿
し水供給装置を提供する。
【0011】本発明は、第4に、陽極、陰極及び両極の
間に設けられた隔膜を備えた電解槽を有し、水を該電解
槽内で電気分解して陽極水と陰極水に分解する電気分解
装置と、該電気分解装置の陽極側または陰極側に配設さ
れた湿し水供給タンクと、該湿し水供給タンクと湿し部
とを接続し、湿し水供給タンクから湿し部へ湿し水を送
る供給ラインと、該供給ラインとは別に該湿し水供給タ
ンクと湿し部とを接続し、利用後の湿し水を湿し部から
該湿し水供給タンクへ戻す戻しラインとを具備すること
を特徴とする湿し水供給装置を提供する。
間に設けられた隔膜を備えた電解槽を有し、水を該電解
槽内で電気分解して陽極水と陰極水に分解する電気分解
装置と、該電気分解装置の陽極側または陰極側に配設さ
れた湿し水供給タンクと、該湿し水供給タンクと湿し部
とを接続し、湿し水供給タンクから湿し部へ湿し水を送
る供給ラインと、該供給ラインとは別に該湿し水供給タ
ンクと湿し部とを接続し、利用後の湿し水を湿し部から
該湿し水供給タンクへ戻す戻しラインとを具備すること
を特徴とする湿し水供給装置を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明によれば、湿し水として電
解水が供給される。この電解水は、真水とその界面活性
が異なる。その違いを以下に説明する。通常の水では、
水分子(H2 O)が凝集し、ある程度の大きさの分子集
団を複数形成している。この分子集団は、例えば房状の
クラスターを形成していると考えられている。以下に、
水及び電解水について、その17O−NMR(20℃)分
析測定値を示す。
解水が供給される。この電解水は、真水とその界面活性
が異なる。その違いを以下に説明する。通常の水では、
水分子(H2 O)が凝集し、ある程度の大きさの分子集
団を複数形成している。この分子集団は、例えば房状の
クラスターを形成していると考えられている。以下に、
水及び電解水について、その17O−NMR(20℃)分
析測定値を示す。
【0013】 表1 17O−NMR(20℃)分析値 平均値 雨水 97〜140Hz 118Hz 水道水 77〜156Hz 116Hz 井戸水 80〜150Hz 106Hz 電気分解水 56〜 64Hz 60Hz 上記表から明らかなように、通常の水に対し、電解水の
測定値は、約半分も低い。これは、電気分解を行なうこ
とにより、水の分子集団が約半分ほど細かくなっている
ことを示す。分子集団の大きさが小さくなると、水の凝
集力が低下し、表面張力が下がる。
測定値は、約半分も低い。これは、電気分解を行なうこ
とにより、水の分子集団が約半分ほど細かくなっている
ことを示す。分子集団の大きさが小さくなると、水の凝
集力が低下し、表面張力が下がる。
【0014】版にのせられた湿し水は、その表面張力が
低いと、界面活性が高まって、版に対する濡れ性が良好
となる。また、湿し水は、画線部にのせられたインキと
の界面付近で適度な乳化(以下、初期乳化という)を起
こす。このように、インキ/湿し水界面が初期乳化を起
こすと、印刷が安定する。
低いと、界面活性が高まって、版に対する濡れ性が良好
となる。また、湿し水は、画線部にのせられたインキと
の界面付近で適度な乳化(以下、初期乳化という)を起
こす。このように、インキ/湿し水界面が初期乳化を起
こすと、印刷が安定する。
【0015】以上のように、電解水は、界面活性剤、イ
ソプロピルアルコール等の添加剤を混入しなくても、湿
し水として十分な界面活性を有する。また、電気分解に
より、(1)陽極では酸化反応が起こり、H+ イオンが
豊富な陽極水が得られ、(2)陰極で還元反応が起こ
り、OH- イオンが豊富な陰極水が得られる。言い換え
れば、電気分解により、エッチ液、あるいは弱アルカリ
液を用いなくても、その陽極、陰極に各々弱酸性あるい
は弱アルカリ性の水が得られる。本発明によれば、陽極
水と陰極水のいずれを用いることも可能であり、必要に
応じて使い分けることができる。例えば酸性を有する新
聞用紙など再生紙の場合には陰極水、その他の印刷用紙
には陽極水を使用することができる。
ソプロピルアルコール等の添加剤を混入しなくても、湿
し水として十分な界面活性を有する。また、電気分解に
より、(1)陽極では酸化反応が起こり、H+ イオンが
豊富な陽極水が得られ、(2)陰極で還元反応が起こ
り、OH- イオンが豊富な陰極水が得られる。言い換え
れば、電気分解により、エッチ液、あるいは弱アルカリ
液を用いなくても、その陽極、陰極に各々弱酸性あるい
は弱アルカリ性の水が得られる。本発明によれば、陽極
水と陰極水のいずれを用いることも可能であり、必要に
応じて使い分けることができる。例えば酸性を有する新
聞用紙など再生紙の場合には陰極水、その他の印刷用紙
には陽極水を使用することができる。
【0016】以上のように、本発明によれば、湿し水と
して、電解水を供給することにより、印刷装置の湿し部
における界面活性剤、ブチルセロソルブ、イソプロピル
アルコール、及びアルカリ液等の環境汚染物質の使用を
排除または低減することが可能となる。
して、電解水を供給することにより、印刷装置の湿し部
における界面活性剤、ブチルセロソルブ、イソプロピル
アルコール、及びアルカリ液等の環境汚染物質の使用を
排除または低減することが可能となる。
【0017】また、本発明の第2及び第4の観点によれ
ば、湿し水供給タンクと湿し部の湿し水を循環させるこ
とにより、常にその温度、水質等を一定に保つことがで
きる。
ば、湿し水供給タンクと湿し部の湿し水を循環させるこ
とにより、常にその温度、水質等を一定に保つことがで
きる。
【0018】以下、図面を参照して、本発明を具体的に
説明する。図1に本発明にかかる湿し水供給装置の一例
を表わす該略図を示す。図示するように、この湿し水供
給装置20は、導入口10を有する電気分解装置1と、
電気分解装置1の陽極側に設けられた供給タンク7と、
供給タンク7に設けられた湿し水供給ポンプ54と、供
給ポンプ54を用いて湿し部53に湿し水を供給する供
給ライン51と、戻しライン52とから主に構成され
る。
説明する。図1に本発明にかかる湿し水供給装置の一例
を表わす該略図を示す。図示するように、この湿し水供
給装置20は、導入口10を有する電気分解装置1と、
電気分解装置1の陽極側に設けられた供給タンク7と、
供給タンク7に設けられた湿し水供給ポンプ54と、供
給ポンプ54を用いて湿し部53に湿し水を供給する供
給ライン51と、戻しライン52とから主に構成され
る。
【0019】以下に、その細部について説明を加える。
電気分解装置1は、陽極2、陰極3、及びこの両極2、
3の間に設けられてその内部を陽極側と陰極側に区画す
る隔膜4を備えた電解槽5を有する。両極2、3には図
示しない直流電源の対応端子に接続されている。電気分
解装置1の陰極側には排出管12が設けられ、一方、陽
極側には供給入切用電磁弁11を有する供給管13が設
けられている。
電気分解装置1は、陽極2、陰極3、及びこの両極2、
3の間に設けられてその内部を陽極側と陰極側に区画す
る隔膜4を備えた電解槽5を有する。両極2、3には図
示しない直流電源の対応端子に接続されている。電気分
解装置1の陰極側には排出管12が設けられ、一方、陽
極側には供給入切用電磁弁11を有する供給管13が設
けられている。
【0020】供給管13の下には供給タンク7が設けら
れており、供給タンク7の上部には、この供給タンク7
内の水位の上限、下限を検知する上下面検知センサー8
が設けられ、上下面検知センサー8上には、上下面検知
センサー8からの出力信号により供給入切用電磁弁11
の開閉を制御する弁制御器15が設けられている。
れており、供給タンク7の上部には、この供給タンク7
内の水位の上限、下限を検知する上下面検知センサー8
が設けられ、上下面検知センサー8上には、上下面検知
センサー8からの出力信号により供給入切用電磁弁11
の開閉を制御する弁制御器15が設けられている。
【0021】なお、この湿し水供給装置20では、湿し
水として陽極水を使用するために、陽極側には供給管1
3、陰極側には排出管12が設けられ、供給タンク7が
陽極側に設けられているが、陰極水を使用する場合に
は、陽極側に排出管12、陰極側に供給管13を設け、
供給タンク7を陰極側に設けてもよい。
水として陽極水を使用するために、陽極側には供給管1
3、陰極側には排出管12が設けられ、供給タンク7が
陽極側に設けられているが、陰極水を使用する場合に
は、陽極側に排出管12、陰極側に供給管13を設け、
供給タンク7を陰極側に設けてもよい。
【0022】供給タンク7の供給ライン51及び戻しラ
イン52は、各々、版21上に設けられた湿し部23の
湿し水貯留タンク53の導入口、排出口に接続されてい
る。なお、この湿し部23は、版60上に設けられてい
るもので、湿し水貯留タンク53と、ここから版60へ
順々に設けられた複数のローラからなるダンプナー5
5,56,57とを有する。
イン52は、各々、版21上に設けられた湿し部23の
湿し水貯留タンク53の導入口、排出口に接続されてい
る。なお、この湿し部23は、版60上に設けられてい
るもので、湿し水貯留タンク53と、ここから版60へ
順々に設けられた複数のローラからなるダンプナー5
5,56,57とを有する。
【0023】次に、湿し水供給装置20の動作について
説明する。この湿し水供給装置20では、まず図示しな
いフィルターユニットに設けられた導入口より例えば水
道水が導入される。導入された水道水は、フィルターユ
ニット内で濾過され、水中の塩素、油、塵芥、鉄分が除
去される他、配管を詰まらせる原因となる元素のイオン
等が除去される。濾過された水は、導管10を通って、
電気分解装置1の電解槽5内に導入される。
説明する。この湿し水供給装置20では、まず図示しな
いフィルターユニットに設けられた導入口より例えば水
道水が導入される。導入された水道水は、フィルターユ
ニット内で濾過され、水中の塩素、油、塵芥、鉄分が除
去される他、配管を詰まらせる原因となる元素のイオン
等が除去される。濾過された水は、導管10を通って、
電気分解装置1の電解槽5内に導入される。
【0024】電気分解装置1の電解槽5内では、陽極2
で酸化反応、陰極3で還元反応が起こる。隔膜4として
は、水分子を通さず、かつ少なくともH+ 及びOH- イ
オンが通過できるイオン交換膜を使用することができ
る。酸化反応により、陽極2では、OH- イオンが不足
し、H+ イオンが豊富な酸性の水が得られる。一方、陰
極3では、H+ イオンが不足し、OH- イオンが豊富な
アルカリ性の水が得られる。この湿し水供給装置20の
場合は、陰極側の水(陰極水)は排出管12を通して排
出され、陽極側の水(陽極水)は給水管13を通して供
給タンク7に供給される。
で酸化反応、陰極3で還元反応が起こる。隔膜4として
は、水分子を通さず、かつ少なくともH+ 及びOH- イ
オンが通過できるイオン交換膜を使用することができ
る。酸化反応により、陽極2では、OH- イオンが不足
し、H+ イオンが豊富な酸性の水が得られる。一方、陰
極3では、H+ イオンが不足し、OH- イオンが豊富な
アルカリ性の水が得られる。この湿し水供給装置20の
場合は、陰極側の水(陰極水)は排出管12を通して排
出され、陽極側の水(陽極水)は給水管13を通して供
給タンク7に供給される。
【0025】供給タンク7には、上下面検知センサー8
及び弁制御器15が設けられており、が、弁制御器15
は、上下面検知センサー8からの出力信号S1 を入力
し、その信号S1 が、下面検知信号のときは弁開制御信
号を、上面検知信号のときは弁閉制御信号を、制御信号
S2 として、供給入切用電磁弁11に対して出力する。
このように、上下面検知センサー8と供給入切用電磁弁
11の動作により、電気分解装置から供給タンク7への
供給水量が調整される。
及び弁制御器15が設けられており、が、弁制御器15
は、上下面検知センサー8からの出力信号S1 を入力
し、その信号S1 が、下面検知信号のときは弁開制御信
号を、上面検知信号のときは弁閉制御信号を、制御信号
S2 として、供給入切用電磁弁11に対して出力する。
このように、上下面検知センサー8と供給入切用電磁弁
11の動作により、電気分解装置から供給タンク7への
供給水量が調整される。
【0026】供給タンク7に貯留された陽極水は、湿し
水として、供給ライン51を通してポンプ54により湿
し水貯留タンク53に供給される。貯留タンク53内の
湿し水はまた、戻りライン52を通して湿し水供給装置
20に戻される。湿し水は、貯留タンク53と供給タン
ク7の間をこのようにして循環されることにより、常に
その温度、水質等が一定に保たれる。
水として、供給ライン51を通してポンプ54により湿
し水貯留タンク53に供給される。貯留タンク53内の
湿し水はまた、戻りライン52を通して湿し水供給装置
20に戻される。湿し水は、貯留タンク53と供給タン
ク7の間をこのようにして循環されることにより、常に
その温度、水質等が一定に保たれる。
【0027】さらに、このような湿し水供給装置20に
より湿し水貯留タンク53に供給された湿し水は、複数
のローラからなるダンプナー55,56,57を経て適
当な量、状態に調節され、版21に供給される。
より湿し水貯留タンク53に供給された湿し水は、複数
のローラからなるダンプナー55,56,57を経て適
当な量、状態に調節され、版21に供給される。
【0028】上記構成を有する湿し水供給装置20は、
オフセット印刷機に適用することができる。以下に、本
発明の適用例として、本発明にかかる湿し水供給装置を
設けたオフセット印刷機の一例を表わす該略図を図2に
示す。
オフセット印刷機に適用することができる。以下に、本
発明の適用例として、本発明にかかる湿し水供給装置を
設けたオフセット印刷機の一例を表わす該略図を図2に
示す。
【0029】図示するように、このオフセット印刷機4
0には、給紙テーブル27を有し、印刷用紙31が収納
された給紙ユニット28が設けられている。給紙テーブ
ル27を介して給紙ユニット28の反対側には、圧胴2
5及びこれに対向して設けられたゴム胴24が設けられ
ている。ゴム胴24上には、湿し水供給装置20と接続
された湿し水貯留タンク53を有する湿し部23及びイ
ンキ部22を有する版胴21が設けられ、圧胴25側に
は、設けられた排紙胴26が設けられている。排紙胴2
6側面には、紙を搬送する搬送手段50が設けられてい
る。搬送手段50の下手には、排紙ユニット30が設け
られている。
0には、給紙テーブル27を有し、印刷用紙31が収納
された給紙ユニット28が設けられている。給紙テーブ
ル27を介して給紙ユニット28の反対側には、圧胴2
5及びこれに対向して設けられたゴム胴24が設けられ
ている。ゴム胴24上には、湿し水供給装置20と接続
された湿し水貯留タンク53を有する湿し部23及びイ
ンキ部22を有する版胴21が設けられ、圧胴25側に
は、設けられた排紙胴26が設けられている。排紙胴2
6側面には、紙を搬送する搬送手段50が設けられてい
る。搬送手段50の下手には、排紙ユニット30が設け
られている。
【0030】次に、オフセット印刷機40の動作につい
て簡単に説明する。初めに、印刷用紙31が給紙テーブ
ル27に送り出され、給紙テーブル27から圧接された
圧胴25とゴム胴24の間に送られる。ゴム胴24に
は、これに圧接された版胴21から転移されたインキが
載っている。版胴21では、まず、湿し水供給装置20
から供給された湿し水が、湿し部23により版胴21に
供給され、版胴21上に画線部と非画線部が形成され
る。その後、インキがインキ供給部22から版胴21に
供給されて、版胴21の画線部上に載せられる。画線部
上のインキは、圧胴25と接触して圧胴25上に転移さ
れる。圧胴25上のインキは、印刷用紙31が圧胴25
とゴム胴24の間を通されるとき、この印刷用紙上に印
刷される。
て簡単に説明する。初めに、印刷用紙31が給紙テーブ
ル27に送り出され、給紙テーブル27から圧接された
圧胴25とゴム胴24の間に送られる。ゴム胴24に
は、これに圧接された版胴21から転移されたインキが
載っている。版胴21では、まず、湿し水供給装置20
から供給された湿し水が、湿し部23により版胴21に
供給され、版胴21上に画線部と非画線部が形成され
る。その後、インキがインキ供給部22から版胴21に
供給されて、版胴21の画線部上に載せられる。画線部
上のインキは、圧胴25と接触して圧胴25上に転移さ
れる。圧胴25上のインキは、印刷用紙31が圧胴25
とゴム胴24の間を通されるとき、この印刷用紙上に印
刷される。
【0031】印刷された紙は、搬送手段50上に送ら
れ、搬送されて排紙ユニット30に送られ、刷了紙32
として排紙ユニット30内に収容される。以上のような
構成を有する印刷機40を用いて実際に印刷を行ない、
インキ付着から正常濃度になるまでの立ち上がり枚数を
7回調べた。なお、比較として、エッチ液(ブチルセロ
ソルブ系)を1%混入した湿し水及びイソプロピルアル
コール(IPA)を5%混入した湿し水についても同様
にして、その立ち上がり枚数を調べた。その結果を表2
及び図3に示す。
れ、搬送されて排紙ユニット30に送られ、刷了紙32
として排紙ユニット30内に収容される。以上のような
構成を有する印刷機40を用いて実際に印刷を行ない、
インキ付着から正常濃度になるまでの立ち上がり枚数を
7回調べた。なお、比較として、エッチ液(ブチルセロ
ソルブ系)を1%混入した湿し水及びイソプロピルアル
コール(IPA)を5%混入した湿し水についても同様
にして、その立ち上がり枚数を調べた。その結果を表2
及び図3に示す。
【0032】図3は、湿し水の種類による立ち上がり枚
数を示すグラフ図である。図3中、一点鎖線301は本
発明により得られた湿し水を用いた場合、実線302
は、エッチ液を含む湿し水を用いた場合、及び波線30
3は、イソプロピルアルコール含む湿し水を用いた場合
を各々示す。
数を示すグラフ図である。図3中、一点鎖線301は本
発明により得られた湿し水を用いた場合、実線302
は、エッチ液を含む湿し水を用いた場合、及び波線30
3は、イソプロピルアルコール含む湿し水を用いた場合
を各々示す。
【0033】 表2 湿し水の種類による立ち上がり枚数の変化 電解水(陽極水) エッチ液含有水 IPA含有水 (枚) (枚) (枚) テスト1 123 175 180 テスト2 134 195 193 テスト3 152 228 235 テスト4 113 158 172 テスト5 124 186 175 テスト6 164 265 298 テスト7 111 137 152 表2及び図3から明らかなように、本発明により供給さ
れる湿し水を用いると、従来の湿し水と比較して、立ち
上がりが格段に早いことがわかる。これにより、本発明
により供給される湿し水を用いると、印刷用紙の無駄が
少なく、コストが削減されることがわかる。また、立ち
上がりの早さから、湿し水による版の濡れが良好であ
り、かつ初期乳化が十分に行なわれることが容易に推測
できる。
れる湿し水を用いると、従来の湿し水と比較して、立ち
上がりが格段に早いことがわかる。これにより、本発明
により供給される湿し水を用いると、印刷用紙の無駄が
少なく、コストが削減されることがわかる。また、立ち
上がりの早さから、湿し水による版の濡れが良好であ
り、かつ初期乳化が十分に行なわれることが容易に推測
できる。
【0034】さらに、湿し水を電気分解する際の電解酸
化電位を種々変化させて、同様の印刷装置40を用いて
印刷を行ない、その印刷ベタ濃度を測定した。その結果
を表3及び図4に示す。図4は、電解酸化電位と印刷ベ
タ濃度との関係を表わすグラフ図である。
化電位を種々変化させて、同様の印刷装置40を用いて
印刷を行ない、その印刷ベタ濃度を測定した。その結果
を表3及び図4に示す。図4は、電解酸化電位と印刷ベ
タ濃度との関係を表わすグラフ図である。
【0035】 印刷ベタ濃度の許容範囲は、今回のテスト条件下では、
1.59〜1.62である。したがって、表3及び図4
から明らかなように、本発明によれば、良好な濃度で、
高品質な印刷を行なうことができることがわかる。また
このことにより、本発明によれば、湿し水による版の濡
れが良好であり、かつ初期乳化が十分に行なわれること
がわかる。また、図4から明らかなように、本発明にお
ける電解酸化電位は、約700〜900mVの範囲であ
り、さらに好ましくは約750mVである。
1.59〜1.62である。したがって、表3及び図4
から明らかなように、本発明によれば、良好な濃度で、
高品質な印刷を行なうことができることがわかる。また
このことにより、本発明によれば、湿し水による版の濡
れが良好であり、かつ初期乳化が十分に行なわれること
がわかる。また、図4から明らかなように、本発明にお
ける電解酸化電位は、約700〜900mVの範囲であ
り、さらに好ましくは約750mVである。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、印刷装置の湿し部に、
湿し水として電解水を供給することにより、環境保護上
問題のあるブチルセロソルブ等のエッチ液またはイソプ
ロピルアルコール等の添加剤をできるだけ使用せずに、
安定した高品質な印刷が可能となる。
湿し水として電解水を供給することにより、環境保護上
問題のあるブチルセロソルブ等のエッチ液またはイソプ
ロピルアルコール等の添加剤をできるだけ使用せずに、
安定した高品質な印刷が可能となる。
【図1】 本発明にかかる湿し水供給装置の一例を表わ
す該略図
す該略図
【図2】 本発明にかかる湿し水供給装置を設けたオフ
セット印刷機の一例を表わす該略図
セット印刷機の一例を表わす該略図
【図3】 湿し水の種類による立ち上がり枚数を示すグ
ラフ図
ラフ図
【図4】 電解酸化電位と印刷ベタ濃度との関係を表わ
すグラフ図
すグラフ図
1…電気分解装置 2…陽極 3…陰極 4…隔膜 5…電解槽 7…供給タンク 10…導管 12…排出管 13…供給管 20…湿し水供給装置 21…版 23…湿し部 40…印刷装置 51…供給ライン 52…戻しライン 53…湿し水貯留タンク 54…ポンプ 55,56,57…ダンプナー
Claims (4)
- 【請求項1】 陽極及び陰極を有する電気分解装置に水
を導入し、電気分解を行なうことにより、陽極水及び陰
極水に分解する工程、及び該陽極水または該陰極水を湿
し水として湿し水供給タンクに供給する工程を具備する
ことを特徴とする湿し水供給方法。 - 【請求項2】 陽極及び陰極を有する電気分解装置に水
を導入し、電気分解を行なうことにより、陽極水及び陰
極水に分解する工程、該陽極水または該陰極水を湿し水
として湿し水供給タンクに供給する工程、及び該湿し水
を該湿し水供給タンクから湿し部に供給し、該湿し部で
利用された湿し水を該湿し部から該湿し水供給タンク内
に戻すことにより該湿し水を循環させる工程を具備する
ことを特徴とする湿し水供給方法。 - 【請求項3】 陽極、陰極及び両極の間に設けられた隔
膜を備えた電解槽を有し、水を該電解槽内で電気分解し
て陽極水と陰極水に分解する電気分解装置と、該電気分
解装置の陽極側または陰極側に配設された湿し水供給タ
ンクとを具備することを特徴とする湿し水供給装置。 - 【請求項4】 陽極、陰極及び両極の間に設けられた隔
膜を備えた電解槽を有し、水を該電解槽内で電気分解し
て陽極水と陰極水に分解する電気分解装置と、該電気分
解装置の陽極側または陰極側に配設された湿し水供給タ
ンクと、該湿し水供給タンクと湿し部とを接続し、湿し
水供給タンクから湿し部へ湿し水を送る供給ラインと、
該供給ラインとは別に該湿し水供給タンクと湿し部とを
接続し、利用後の湿し水を湿し部から該湿し水供給タン
クへ戻す戻しラインとを具備することを特徴とする湿し
水供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16996995A JPH0919994A (ja) | 1995-07-05 | 1995-07-05 | 湿し水供給方法及び湿し水供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16996995A JPH0919994A (ja) | 1995-07-05 | 1995-07-05 | 湿し水供給方法及び湿し水供給装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0919994A true JPH0919994A (ja) | 1997-01-21 |
Family
ID=15896176
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16996995A Pending JPH0919994A (ja) | 1995-07-05 | 1995-07-05 | 湿し水供給方法及び湿し水供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0919994A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010093263A (ja) * | 2004-12-07 | 2010-04-22 | Asml Holding Nv | 電気光学変調器を使用するシステム |
CN104108230A (zh) * | 2014-07-18 | 2014-10-22 | 上海画中画包装印刷有限公司 | 一种润版液过滤装置 |
CN108621535A (zh) * | 2015-12-17 | 2018-10-09 | 惠安县信达友工业设计有限公司 | 一种印刷机给水方法 |
-
1995
- 1995-07-05 JP JP16996995A patent/JPH0919994A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010093263A (ja) * | 2004-12-07 | 2010-04-22 | Asml Holding Nv | 電気光学変調器を使用するシステム |
US8879045B2 (en) | 2004-12-07 | 2014-11-04 | Asml Holding N.V. | Method utilizing an electrooptic modulator |
CN104108230A (zh) * | 2014-07-18 | 2014-10-22 | 上海画中画包装印刷有限公司 | 一种润版液过滤装置 |
CN108621535A (zh) * | 2015-12-17 | 2018-10-09 | 惠安县信达友工业设计有限公司 | 一种印刷机给水方法 |
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