JP4856973B2 - 高純度シリコンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池等に使用可能な高純度シリコン(Si)を製造するための方法に関するものである。
太陽電池に使用されるSiには、一般に99.9999%以上の純度が求められ、各種金属不純物は0.1ppm以下、ホウ素(B)については少なくとも0.3ppm以下であることが必要である。この条件を満たすSiには、シーメンス法により製造される半導体用のものが存在するが、製造法が高価であるため、安価であることが特に重視される太陽電池用途には適さない。
安価な高純度Si製造法として、過去、いくつかの試みがなされている。
金属Siの一方向凝固法、即ち、溶融させたSiを一方向に凝固させ、固相と液相の不純物溶解度の差を利用することにより、固相側のSiを高純度化させる技術は古くから知られており、多くの金属不純物に対して有効な精製方法である。しかし、Bは固相−液相間の溶解度差が小さいため、この精製法をB不純物に対して適用することはできない。
また、真空溶解法、即ち、溶融させたSiを真空下に保持し、Si中の低沸点不純物を除去する方法も良く知られており、炭素不純物等の除去に有効である。しかし、溶融Si中のBは、通常、低沸点物質の形態を取らないため、B不純物に対してこの精製法を適用することはできない。
この様に、Si中不純物の中で、Bは最も除去し難く、かつ、Siの電気特性への影響の大きい成分として問題視されてきた。Si中のBの除去を主な目的とした技術には、例えば、以下のものが開示されている。
「特許文献1」には、シリコンを酸洗洗浄する方法と、真空溶解法、一方向凝固法と共に、B除去のため、スラグ精錬法、即ち、溶融シリコン上に、溶融物質(スラグ)を配置し、シリコン中の不純物をスラグに移行させる方法が挙げられている。当該文献では、CaF+CaO+SiOからなるスラグを使用して、B分配比(スラグ中のB濃度/Si中B濃度)1.357を得て、B濃度8質量ppmのSiを生成している。しかし、この濃度では、太陽電池用Siとしては不適格であり、また、当該文献のスラグ精錬法では、工業的に、これ以上B純度を向上させることもできない。なぜならば、この文献で用いている工業的に得られるスラグ原料は、数ppm程度のBを含有することが避けらない。
この様なスラグを用いたスラグ精錬では、B分配比が充分高くない限り、スラグと同程度の濃度のBがSi中に残留することが避けられないからである。したがって、当該文献での様に、1前後の分配比のスラグ精錬では、1ppm程度の純度のSiしか得ることはできないのである。スラグ原料を精製してBを低減することは原理的に可能であるが、経済的合理性を欠くので、工業的には実施不可能である。
「特許文献2」には、アルカリ土類金属酸化物又はアルカリ金属酸化物を含有するスラグと粉砕した粗製Siを溶融前に混合した後、これら全部を溶融させるスラグ精錬法が開示されている。しかし、当該文献でのSi中のB濃度は、1ppmが限界であり、太陽電池用途には適さない。また、Siを粉砕する際には新たな不純物の混入が不可避なので、この点からも、Si精製法として不利である。
「非特許文献1」には、NaO+CaO+SiO成分のスラグを用いたスラグ精錬の例が開示されている。当該文献でのB分配比は最高3.5であり、過去開示された技術の中で最も高いものであるが、現実的に使用可能なスラグ原料中Bの濃度を考慮すると、太陽電池用途としては依然として不適である。
この様に、従来のSiのスラグ精錬技術においては、高いB分配比を得ることができず、太陽電池用途としては不適である。SiにおいてB分配比が低くなりがちな原因は、SiとBは同程度に酸化され易いことによるものである。このため、スラグ精錬においては、Si中のBは、酸化されていない状態で存在しがちであり、非酸化Bはスラグに吸収され難いからである。スラグ精錬法として、鋼中Bの除去技術が広く実用化されているが、これは、鋼に対してBが遥かに酸化され易いと言う性質を利用したものである。この様な物性の本質的な差異が存在するため、鋼におけるスラグ精錬技術をSi中のB除去に安易に応用することは不可能である。
また、スラグ精錬を他の手法と組み合わせた技術も提案されている。
「特許文献3」には、金属Siに、CaO、CaCO、NaO等のフラックス(スラグ)を付与し、酸化性ガスを吹き込むスラグ精錬法が開示されている。しかし、当該文献でのSi中のB濃度は、7.6ppm程度であり、太陽電池用途には適さない。また、安価、かつ、安定して溶融Si中にガスを吹き込むことは、エンジニアリング的にかなり困難であり、Si精製法として不利である。
「特許文献4」及び「特許文献5」には、特殊なトーチを使用し、酸素+水素トーチに水蒸気、SiOを、CaO、BaO、CaF等を溶融Siに付与することにより、Si中のBを除去する方法が開示されている。
これらの技術では、特殊なトーチ等の高価な設備及び複雑な操業が必須であり、経済性の観点から工業的に実用化困難である。
以上示した従来技術は、次の2つの手法に便宜的に分類できる。即ち、第1法は、溶融Si上にスラグを単独で供給する方法(「特許文献1、2」等。以下、「単純スラグ精錬法」と呼ぶ)である。第2法は、酸化性ガスを溶融シリコンに接触させると共に、スラグ、又は、スラグ原料(SiO等)を溶融Siに添加する方法(「特許文献3、4、5」等。以下、「複合スラグ精錬法」と呼ぶ)である。
特開昭56−32319号公報 特開昭58−130114号公報 特開2003−12317号公報 米国特許第5972107号明細書 米国特許第6368403号明細書 棚橋他、「資源と素材」、2002年、第118巻、p.497−505
そこで、本発明においては、粗製Siを用いて高純度Siを製造する方法において、製品Si中の不純物、特に、Bの濃度を太陽電池基板用Siに求められるレベルまで安価、簡便に減少せしめる高純度シリコン製造方法を提供することを目的とする。
本発明者のSi製造に関する研究の結果、以下の解決方法を発明するに至った。
第1発明は、溶融シリコンにスラグを利用して、シリコン中の不純物を除去して精製するシリコンの製造方法であって、シリコンの精製中にスラグを減圧下に保持することを特徴とする高純度シリコンの製造方法である。
第2発明は、溶融シリコンにスラグを利用して、シリコン中の不純物を除去して精製するシリコンの製造方法であって、精製に用いられたスラグをシリコンから分離し、当該スラグのみを減圧下に保持した後、再度、溶融シリコンに供給してシリコンを精製することを特徴とする高純度シリコンの製造方法である。
第3発明は、前記溶融シリコン上に前記スラグと共に、酸化剤を付与することを特徴とする第1又は第2発明に記載の高純度シリコンの製造方法である。
第4発明は、前記酸化剤を前記溶融シリコンに直接接触させることを特徴とする第3発明に記載の高純度シリコンの製造方法である。
第5発明は、前記減圧下の圧力が10〜10,000Paの範囲であることを特徴とする第1又は第2発明に記載の高純度シリコンの精製方法である。
第6発明は、前記酸化剤が、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸塩の水和物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、アルカリ土類金属の水酸化物の内、1種又は2種以上の組み合わせを主成分とする物質であることを特徴とする第3又は第4発明に記載の高純度シリコンの製造方法である。
第7発明は、前記アルカリ金属の炭酸塩、前記アルカリ金属の炭酸塩の水和物、前記アルカリ金属の水酸化物、前記アルカリ土類金属の炭酸塩、前記アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、前記アルカリ土類金属の水酸化物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、もしくは、これらの水和物、水酸化マグネシウム、又は、水酸化カルシウムの内、1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする第6発明に記載の高純度シリコンの製造方法である。
本発明の方法により、プラズマ装置やガス吹き込み装置等の高価な設備を使用することなく、Si中のB濃度を、太陽電池基板用途の0.3質量ppm以下まで低減することができる。さらに、本発明技術を従来技術である一方向凝固法や真空溶融法と組み合わせることにより、太陽電池基板用の原料Siを高品質、安価で供給することが可能となる。
まず、本発明と従来技術の差異について述べる。前述の様に、従来のスラグ精錬技術は、単に、スラグと溶融Siを接触させるのみの単純スラグ精錬法、並びに、酸化性ガスを併用した複合スラグ精錬法に分類できる。これに対し、本発明においては、スラグ精錬において、スラグを減圧下に保持することによりSi中のBを除去することが特徴であり、これら従来技術分類のどちらにもあてはまらない。また、前述の様に、Si融液を真空下に保持してP等の不純物を気化除去する真空溶解法は良く知られた技術であるが、この方法は、スラグの存在を前提としない点で本発明とは異なる。
次に、本発明の原理を述べる。従来のスラグ精錬技術においては、スラグ中のBは、単体ホウ素、酸化ホウ素にかかわらず、それ以上スラグ中で化学変化しないものと漠然と考えられていた。この前提のもとでは、Si中のB(単体、酸化物、又は、その他のホウ素化合物)、スラグ中のB(単体、酸化物、又は、その他のホウ素化合物)、並びに、ホウ素化合物ガス間の熱力学的安定性を比較した場合、以下の様になる。まず、Si中のBよりもホウ素化合物ガスの方が安定な場合、BはSiから気化除去される。一方、Si中のBよりもスラグ中のBの方が安定な場合、BはSiからスラグに移行する。したがって、Si中のBが気化せずにスラグに移動した場合、スラグ中のBは、ホウ素化合物ガスよりも安定であり、Si中のBよりも遥かに気化し難いと結論づけられる。ここで、Si融液を減圧保持する真空溶解法において、Si中のBが除去された例は報告されていないので、スラグ中のBも真空下で気化しないことになる。このため、スラグの真空処理は、従来、試みられなかった。
しかし、本発明者らは、スラグ中のBをスラグ内で化学変化させることにより、比較的気化し易いホウ素化合物をスラグ内で生成できることを見出した。この公知ではない事実を基に、本発明では、スラグを減圧下に保持することで、スラグ内で生成したホウ素化合物の蒸発を促進することができる。スラグ中のBが気化により減少すると、Si融液とスラグ間のB分配により、新たにBがSiからスラグに移動するので、結果として、本発明において、Si中のBが減少する。
具体例を挙げて説明する。溶融Si上に炭酸ナトリウムを接触させ、その上方をSiOスラグをベースにしたスラグで覆ってスラグ精錬を実施すると、Si中のBは、単体ホウ素又はホウ素酸化物としてスラグに移行した後、スラグ中でホウ酸化ナトリウムに化学変化する。高温スラグ中において、ホウ酸化ナトリウムは、通常のホウ素酸化物に比べて遥かに高い蒸気圧を示すので、ホウ酸化ナトリウムがスラグ表面で生成すると、スラグ表面から直ちに蒸発する。しかし、スラグは一般に高粘度であるため、スラグ内部で生成したホウ酸化ナトリウムは、スラグ内で微細な気泡を形成する等して、容易にはスラグから離脱できない。これら微細な気泡は、精製中のスラグ攪拌等により、しばしば溶融Siと接触してSi中に溶解し、分解されてしまう。このため、常圧においては、スラグからのB気化速度は、抑制される。そこで、本発明では、スラグを減圧下に保持することにより、スラグ中のホウ酸化ナトリウム気泡の巨大化を図り、気泡が容易にスラグ表面に達してスラグから離脱可能にすることができる。その結果、スラグからのB気化速度は、ホウ酸化ナトリウム本来の蒸気圧にみあった速度になる。さらに、当然のことながら、スラグ周囲が低圧である程、蒸発表面近傍での蒸発分子は、雰囲気分子との衝突確率が減少して、その飛行が妨げられ難いので、スラグ表面からのホウ酸化ナトリウム蒸発速度は増大する傾向を示す。
また、この例に示した様に、溶融Si上に炭酸ナトリウム等の酸化剤を直接接触させた上でスラグ精錬を行うと、B分配比が7〜11と言う高いB分配比の得られることを本発明者らは見出した。スラグからのB気化除去効果は、単独で用いても、B濃度0.1質量ppmオーダの高純度Siを製造することができるが、このB分配率向上技術を併用することにより、より容易に、高純度Siを得ることができる。
次に、本発明の優位性について述べる。単純スラグ精錬法では、Si中のBの除去を、物性値で決定するB分配比のみに頼らなければならず、Si精製に大量のスラグを必要とする。また、特にB分配比が1前後と低い場合、スラグ中のB濃度以下にSi中のB濃度を低下させることは原理的に困難である。これに対して、本発明では、スラグ中のBが気化除去されるため、前述の様な、スラグ原料B濃度によるSi中のB濃度の下限は存在しない。また、必要なスラグ量も少量で良い。この点において、本発明は、単純スラグ精錬法に対して優位である。
また、複合スラグ精錬法においては、特殊なトーチを必要とする等、生産設備が高価、かつ、操業が複雑化する問題がある。また、大量の酸化性ガスを溶融Siと接触させなければならないため、Siの酸化ロスによる歩留低下も無視できない。これに対して、本発明においては、単に、スラグの一部を減圧すれば良いだけなので、付加的な設備費は軽微に済み、付加的な作業も減圧作業のみである。さらに、特別に酸化ガスを使用しないため、Siの酸化ロスも微々たるものである。この点において、本発明は、複合スラグ精錬法に対して優位である。
(装置構成)
まず、図1を用いて、スラグを含めた精製炉全体を減圧化してスラグからのB気化を促進する方法についての装置構成を説明する。精製炉1内に設置されたるつぼ2は、周囲のヒータ3により加熱・保温される。るつぼ2内には溶融させたシリコン(溶融Si)4を保持でき、所定温度に維持される。るつぼ2内の溶融Si4上に酸化剤供給管7を通して酸化剤5が、スラグ供給管8を通じて、スラグ6が供給される。そして、溶融Si4、酸化剤5、並びにスラグ6間でB除去を含めた反応・精製がなされる。酸化剤5とスラグ6の供給後、ガス供給管10のリーク弁17を閉止し、ガス排気管11の真空配管弁16を開放し、真空ポンプ15を運転して、精製炉1内のガスを炉外に排気して炉内を減圧化する。この状態でSi精製を実施し、作業中の炉内圧力は、圧力計14で監視しながら、炉内圧が好適になる様に真空ポンプ運転を制御する。酸化剤5が消耗(Si融液やスラグ6との反応、又は、気化によるもの)し、スラグ6へのB移行も充分進んだ段階で、真空ポンプ15を停止し、真空配管弁16を閉止し、リーク弁17を開放して炉内を常圧に復帰させる。ガス供給管10の末端は、Ar等ガスボンベに接続されていてもよいし、大気に開放されていても良い。その後、スラグ及び残酸化剤はるつぼ2外に排出される。排出方法は、るつぼ2に設置されたるつぼ傾動装置12によってるつぼ2が傾けられ、溶融Si上部に存在するスラグ及び残酸化剤のみが廃スラグ受9に排出される。この後、るつぼ2を元の位置に戻し、必要であれば、再度スラグ6と酸化剤5を溶融Si4上に供給して、精製を複数回継続してもよい。
次に、スラグの一部のみ減圧に曝してスラグからのB気化を促進する方法についての装置構成を、図2を用いて説明する。装置の基本構成と作業の基本的流れは、図1のものと同様である。図2では、図1との共通部分を省略し、スラグのみを減圧化する機構を中心に表示している。図1との差異のみ説明する。常圧下で準備され、るつぼ2内に積層された、溶融Si4、酸化剤5、並びに、スラグ6の上方に、真空カップ19が、設置されている。次に、真空カップ19は、昇降装置18によって下降し、Si精製中のスラグに浸漬する。この状態で真空カップ19に接続されたリーク弁17を閉止し、真空配管弁16を開放し、真空ポンプ15を運転して、真空カップ19内のガスを系外に排気し、カップ内を減圧化する。したがって、この際に減圧下に曝されるのは、スラグ6の一部の領域にのみ限定され、その他の炉内領域では常圧でかまわない。減圧作業中の真空カップ19内圧力は、圧力計14によって監視され、真空カップ19内圧力が好適となる様に真空ポンプ15の運転が制御される。酸化剤5が消耗し、スラグ6へのB移行も充分進んだ段階で、真空ポンプ15を停止し、真空配管弁16を閉止し、リーク弁17を開放して真空カップ19内を常圧に復帰させる。この後、真空カップ19内のスラグを周囲のスラグと入れ替えて、再度同様の真空処理を繰り返しても良い。これ以降のスラグ排出手順は、図1の説明と同様である。真空カップ19は、耐圧性と耐食性を両立させるため、表面にSiCをコーティングしたカーボンコンポジット製のものを用いることができる。真空カップ19の底をるつぼ底に密着させない場合、真空処理中には真空カップ19内でスラグやSiの表面が上昇し、周囲の液面は下降するので、るつぼ水平断面積に対して極端に大きなカップ水平断面積とした場合、周囲の液が全てカップ内に進入して問題なので、カップ水平断面積は、るつぼ断面積の1/4以下が望ましい。真空カップ19の底をるつぼ底に密着させる場合、周囲からカップ内への液の流入は少ないので、真空カップ断面積は、るつぼ水平断面積以下であればよい。また、Bの精製速度は、カップ断面積の大きい程、高いので、カップ水平断面積は、るつぼ断面積の1/10以上が望ましい。
第3の例として、スラグを単独で減圧処理する方法について説明する。図1、図2の例は、炉全体を減圧化するか、昇降装置を具備した真空カップを精製炉内で使用するものであるが、スラグをSiから分離すれば、その後のスラグの減圧処理をより簡易に行うことができる。これを図3及び図4を使って説明する。まず、図3の加熱炉を用い、精製炉内常圧Ar雰囲気とし、これ以外の条件を図1での説明と同様にして、Si精製を実施する。次に、廃スラグ受9に排出されたスラグ6を精製炉1の扉20を開放して、廃スラグ受9と共に炉外に搬送する。次に、図4に示す真空加熱炉21内にスラグ受ごとスラグを搬入してスラグを保温しながら減圧に曝す。ここで用いる真空加熱炉21は、少量のスラグを処理するためのものなので、精製炉1に比べて遥かに小型の炉で良い。スラグ中のホウ素化合物が充分気化した後、この真空加熱炉21からスラグを搬出する。次に、先に精製を行った精製炉1のスラグ供給管8を通して、先に精製を行った溶融Si上に酸化剤と共に、減圧処理を施したスラグを再供給する。これ以降の精製作業は、図1で説明したものと同様である。この方法の場合、減圧化するのは固定した小型真空加熱炉21だけで良いため、減圧設備が簡便になる。従来技術においては、精製後のスラグ中のB濃度は、その時点での溶融Si中のB濃度と平衡するレベルまで上昇しているため、一度精製に使用したスラグを再びSiの精製に用いることは困難である。一方、本発明においては、スラグを減圧下に曝すことにより、Siの精製によりスラグ中で増大したBを気化させてスラグから除去することができるため、スラグの再使用が可能である。こうすることにより、スラグの総使用量が減少し、製造費を削減することができる。
スラグを減圧する方法として、以上説明した方法は、いずれもスラグ周囲の雰囲気圧力を低下させることによるものであったが、機械的にスラグを減圧する方法を用いても良い。例えば、図5に示すピストン−シリンダ機構を適用できる。具体的には、シリンダ23内部の底に溶融スラグ6を充填し、スラグ6と完全に密着する様に、シリンダ23内にピストン22を上から挿入した上で、ピストン22を図示しないアクチュエータによって引き上げれば、スラグ6内部を減圧化することができる。スラグ6は液体なので、ピストン引き上げ力を大きく与えれば、スラグ6内部を平均的に負圧(絶対圧)にすることもでき、減圧効果がより高い。この際、スラグ6中から発生したガスは、ピストン22を貫通する排気管24を通って真空ポンプ15により系外に排出され、ピストン22とスラグ6の密着が維持される。
(酸化剤)
酸化剤に関しては、酸化能力、純度、取り扱い易さ、並びに、価格の条件を満たせばどの様なものでもよい。しかし、望ましくは、酸化剤は、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸塩の水和物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、アルカリ土類金属の水酸化物の内、1種又は2種以上の組み合わせを主成分とする物質とすることが望ましい。なぜならば、これらの物質は、第1に、Bの酸化能力が高く、第2に、Siへの溶解による汚染が少なく、第3に、スラグと反応して、低融点・低粘性の安定なスラグを形成するので、排気・廃液処理等の点で取り扱いが容易であり、第4に、酸化剤がスラグ中のBと反応することにより、スラグ中で、気化し易いホウ素化合物の形成を促進するからである。更に望ましくは、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸塩の水和物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、アルカリ土類金属の水酸化物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、もしくは、これらの水和物、水酸化マグネシウム、又は、水酸化カルシウムの内、1種又は2種以上であることである。なぜならば、第1に、これらの物質は、Siの酸化により溶融Si表面に生じてSi融液とスラグの接触を阻害する強固なSiO膜をスラグ化して除去でき、第2に、これらの物質は、工業的に大量に生産されており、高純度製品の製造法が確立しているからである。なお、ここでいうアルカリ土類金属は、ベリリウムおよびマグネシウムを含む。
(スラグ)
スラグとしては、シリコン汚染の惧れの少ない高純度ケイ砂等のSiO、又は、高純度アルミナ等のAlをベースにすることができる。スラグ中でBを気化し易いホウ素化合物に変化させるため、炭酸ナトリウム等を、スラグに予め添加する、又は、酸化剤としてスラグとは別にSi上に供給して、Si上でスラグ中のBを化学変化させることが望ましい。また、後述の様に、Si融点近傍のやや低温での精製作業が望ましいので、添加剤により、スラグの低融点化・低粘度化を図ることができる。炭酸ナトリウムには、スラグの粘性を低下させる効果もあるので、これを単独にSiO等に添加しても良いし、精錬時の反応速度をより穏健にするために、CaOの様に酸化剤ではない添加剤を用いる選択もあり得る。また、スラグとして、市販される高純度ソーダガラスを粉砕・加熱して用いても良い。また、スラグ温度としては、Si汚染防止や過剰な反応速度回避の観点から、2000℃以下にすることが望ましい。
(スラグ・酸化剤供給方法)
スラグを利用してSi中の不純物をスラグに移行させる際に、酸化剤を使用しない場合には、溶融シリコン上にスラグを供給して、スラグと溶融シリコンを接触させればよい。スラグは、スラグ原料を予め混和加熱して溶融又はガラス状に形成しておいてから溶融Siに供給するか、SiOやCaO等のスラグ原料を粒等の固体として溶融Siに供給し、炉内で溶融スラグを生成させてもよい。
一方、スラグと酸化剤をともに溶融シリコンに供給する場合には、スラグと酸化剤を予め混和して供給してもよいが、溶融スラグ、または、粒状固体のスラグ原料を酸化剤とは別に供給することで、例えば、図7の様に、溶融シリコンと酸化剤を直接接触させることができるため、精製効率の観点から望ましい。スラグ原料を粒状固体で供給する場合には、原料飛散防止や作業性の観点から、直径1〜200mmの範囲にすることが望ましい。
また、酸化剤については、ソーダ灰等、市販される粒状のものを供給して特に問題ない。酸化剤粒径については、反応性と供給作業性の観点から、望ましくは、1mm〜50mm程度である事が望ましい。更に、激しい反応が許容される場合には、予め融点直上まで加熱して溶融状態にした酸化剤を直接溶融Si上に供給し、反応速度の向上を図ってもかまわない。但し、アルカリ炭酸塩の多くは、1000℃以上の高温では気化分解するものが多いので、分解温度以下で供給することが望ましい。
スラグを利用してSi中の不純物をスラグに移行させる際の、スラグと溶融シリコンの位置関係について述べる。酸化剤を使用しない場合には、溶融シリコン上にスラグを供給して、スラグと溶融シリコンを接触させればよい。
一方、スラグと酸化剤をともに溶融シリコンに供給する場合には、図7に示す様に、溶融Siの上に酸化剤の層があり、さらにその上にスラグの層を存在させる形態でも良く、また、図8(a)、(b)に示す様に、スラグと酸化剤が混和した形態でも良く、さらに、図8(c)に示す様に、酸化剤がスラグより上に配置される形態でも良い。
図7に示す場合は、スラグが溶融Siに直接接触するのではなく、酸化剤を溶融Siに直接接触させている。
溶融Si中のBは、主として酸化剤との直接接触によって酸化されるので、溶融Siと酸化剤の接触面積を可能な限り大きく設定して、スラグを酸化剤の上に配置して溶融Siが酸化剤のみと接触する状態とすることが好ましい。
また、スラグが溶融Siと接触する部分と酸化剤が溶融Siと接触する部分が混在してもよい。この様な配置にすることで、Si中のBは容易に酸化されて、スラグに移行し易くなり、B分配比を向上させることができる。
但し、反応速度が過大になる等の作業上の理由で反応速度を低下させたい場合には、必ずしも、酸化剤をスラグの下に配置する必要はなく、図8(a)、(b)の様にスラグと混和し、又は、図8(c)の様にスラグ上に配置するように、酸化剤を溶融Si上に供給してもかまわない。
また、「スラグと共に酸化剤を供給する」と言っても、スラグと酸化剤を予め混和しておかない限り、両者を完全に同時に供給することは作業上困難である。したがって、実作業上、「スラグと共に酸化剤を供給する」とは、スラグと酸化剤をそれぞれ短時間の間隔で供給することを意味する。ここで、短時間とは、酸化剤を先に供給する場合であれば、酸化剤の大半が消耗(Siとの反応、又は、高温下での気化分解によるもの)する前にスラグを供給できればよく、例えば、数十kgオーダの酸化剤を供給する場合であれば、酸化剤の供給開始から20分以内にスラグの供給を開始することで、通常、問題ない。
(作業雰囲気)
減圧化しない領域での作業雰囲気条件は、次の通りである。Si中のBの酸化を阻害しない様に、水素ガス等の還元性雰囲気は避けることが望ましい。また、るつぼ・炉材に黒鉛を使用する場合には、これらの酸化ロスを防止するため、空気等の酸化性雰囲気も避けることが望ましい。従って、望ましくは、Arガス等の不活性ガス雰囲気とすることが推奨できる。
減圧化する領域での作業雰囲気条件は、次の通りである。雰囲気ガス種については、Arガスが望ましいが、作業圧力が100Pa以下と低い場合には雰囲気ガス種の影響は小さいので、空気でも良い。作業雰囲気圧力については、10〜10000Paの範囲にすることが望ましい。10000Pa以下の雰囲気圧力が望ましい理由は、図6に示す様に、10000Paを超える作業雰囲気圧力では、スラグの減圧処理によるB気化速度の上昇効果が小さいためである。但し、10000Paを超える雰囲気圧力でも若干の効果はあるので、設備上等の問題で10000Paをわずかに超える雰囲気圧力条件に設定することもあり得る。また、10Pa以上の作業雰囲気圧力が望ましい理由は、作業雰囲気圧力を減少させていくと、図6に示す様に、約10Paで気化速度上昇効果が飽和するからである。無論、10Pa未満での作業でも気化速度上昇の点では問題ない。しかし、この様な低圧では、特殊な真空ポンプを必要とするため設備費が上昇する問題点があり、また、溶融Siとスラグを接触させた状態での減圧の場合、SiとSiOの反応が促進されてSiOガスが大量発生して、Si歩留を大幅に低下させる問題もあるため、この領域での作業を避けることが望ましい。
(その他の作業条件)
使用するるつぼについては、溶融シリコンや酸化剤に対して安定であることが望ましく、例えば、黒鉛やアルミナが使用可能である。また、るつぼ材が溶出してスラグ原料の一部として機能することを目的に、シリカガラス等のSiOを主成分としたるつぼを使用しても良い。
作業温度については、高温での作業は、炉材耐久性や炉材汚染の観点から避けるべきである。したがって、溶融Siの温度は、融点以上2000℃以下であることが望ましい。また、工程上の当然の条件として、Si温度は、融点以上とすることで実施できる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
一般的な真空加熱炉を図1の構造として精製炉として用い、Siの精製を実施した。まず、精製炉内の直径500mmの黒鉛製るつぼ内に、B濃度12質量ppmで平均直径5mmの金属Si粒を50kg配置し、Ar雰囲気下で抵抗ヒータによりるつぼを加熱して、1500℃の溶融Siとして保持した。次に、これとは別の第2の加熱炉内において、B濃度1.5質量ppmで平均直径10mmの高純度ケイ砂20kg及びB濃度0.3質量ppmで粉末状の炭酸ナトリウム(NaCO)5kgを事前に混和した後、第2の加熱炉内に配置された黒鉛るつぼ内で1600℃まで加熱・保持してスラグを形成した。
次に、B濃度0.3質量ppmで粉末状の炭酸ナトリウム(NaCO)15kgを、酸化剤供給管を通じて精製炉内の溶融Si上に投入した後、第2の加熱炉内で生成させたスラグをるつぼとともに精製炉上まで輸送し、るつぼを傾動させ、スラグ供給管を通じて精製炉内の溶融Si上にスラグを注湯した。酸化剤投入からスラグ注湯までの時間は、約5分であった。スラグ注湯後、炉内を密閉してベーン型真空ポンプを用いて炉内を1000Paまで減圧化し、Si温度を1500℃に維持して30分間精製を実施した。精錬中に炉内ガスのサンプルを採取して分析した結果、炉内のNaを含有するガスの大半がホウ酸化ナトリウムであることを確認できた。精製終了後、真空ポンプの運転を停止し、炉内を常圧Ar雰囲気に復帰させた後、るつぼを傾動して、スラグ及び残酸化剤を廃スラグ受に排出した後、溶融Siのサンプルを採取した。サンプルの採取方法は、Siの融点以上に先端を加熱した高純度アルミナ管の先端を溶融シリコンに浸漬し、この管を通して溶融シリコンを吸引し、アルミナ管の加熱されていない部分で急冷されて凝固したシリコンをアルミナ管ごと炉外に取り出し、後に、アルミナ管からシリコンを分離したものを分析サンプルとした。1回当りのサンプル質量は、約100gであった。サンプルの成分分析方法は、広く市場で用いられているICP分析法によった。その後再び、溶融Si上に酸化剤及びスラグを供給して、同様の減圧下での精製を繰り返し、計3回の精製を実施した。最終的に得られたSi中のB濃度は、0.09質量ppmであり、太陽電池用SiのB濃度仕様を満足した。
(実施例2)
一般的な加熱炉を図2の構造として精製炉として用い、Siの精製を実施した。SiCをコーティングしたカーボンコンポジット製の直径300mm、高さ1mの真空カップを用い、炉外で真空カップに接合されたエアシリンダを駆動させることにより、真空カップを昇降する機構とした。ここで、実施例1と同様のるつぼ、Si原料、スラグを準備し、実施例1と同様の方法で、溶融Si上に酸化剤とスラグを供給した。次に、真空カップ降下してるつぼ底に密着する位置に固定した後、真空カップに配管を通じて連結されたベーン型真空ポンプを運転して、真空カップ内を10000Paに減圧化した。この状態で、溶融Siを1500℃に30分間保持してSi精製を実施した。精製終了後、真空ポンプの運転を停止し、真空カップ内を常圧Ar雰囲気に復帰させた後、真空カップを上昇させてスラグから離脱させた。その後、るつぼを傾動して、スラグ及び残酸化剤を廃スラグ受に排出した後、溶融Siのサンプルを採取した。サンプルの採取方法及び分析方法は、実施例1と同様である。その後再び、溶融Si上に酸化剤及びスラグを供給して、同様の減圧下での精製を繰り返し、計3回の精製を実施した。最終的に得られたSi中のB濃度は、0.10質量ppmであり、太陽電池用SiのB濃度仕様を満足した。
(実施例3)
一般的な加熱炉を図3の構造として精製炉として用い、Siの精製を実施した。まず、実施例1と同様のるつぼ、Si原料、スラグを準備し、実施例1と同様の方法で、溶融Si上に酸化剤とスラグを供給した後、常圧Ar雰囲気下で溶融Siを1500℃に保持して20分間の精製を行った。次に、るつぼを傾動してスラグを廃スラグ受に排出し、スラグをスラグ受ごと炉外に搬送し、これらを精製炉とは別の小型真空加熱炉に搬入した。小型真空加熱炉は、内容積1mの抵抗加熱式の、一般的な構造のものであり、真空装置には、ベーン型真空ポンプを使用している。スラグを小型真空加熱炉内で、圧力100Pa、温度1500℃に20分間保持した後、スラグをこの炉から搬出して、先に精製に使用した精製炉内の先に精製した溶融Si上に、酸化剤と共に減圧処理されたスラグを再供給した。その後、同様の精製作業を繰り返し、計3回の精製を実施した。最終的に得られたSi中のB濃度は、0.12質量ppmであり、太陽電池用SiのB濃度仕様を満足した。
(実施例4)
酸化剤としてMgCOを使用し、それ以外の条件を実施例1と同様にして、Siの精製を実施した。最終的に得られたSi中のB濃度は、0.2質量ppmであり、太陽電池用SiのB濃度仕様を満足した。
本発明の模式図例1である。 本発明の模式図例2である。 本発明の模式図例3である。 本発明の模式図例4である。 本発明の模式図例5である。 雰囲気圧力の影響の図である。 スラグをSi上に付与する場合のホウ素の挙動を示す図である。 (a)は、Si上に酸化剤とスラグを混和して配置した状態1を示す図であり、(b)は、Si上に酸化剤とスラグを混和して配置した状態2を示す図であり、(c)は、スラグ上に酸化剤を配置した状態を示す図である。
符号の説明
1 精製炉、
2 るつぼ、
3 ヒータ、
4 溶融シリコン、
5 酸化剤、
6 スラグ、
7 酸化剤供給管、
8 スラグ供給管、
9 廃スラグ受、
10 ガス供給管、
11 ガス排気管、
12 るつぼ傾動装置、
13 吸排気弁、
14 圧力計、
15 真空ポンプ、
16 真空配管弁、
17 リーク弁、
18 昇降装置、
19 真空カップ、
20 扉、
21 真空加熱炉、
22 ピストン、
23 シリンダ、
24 排気管、
25 酸化剤供給弁、
26 スラグ供給弁。

Claims (7)

  1. 溶融シリコンにスラグを利用して、シリコン中の不純物を除去して精製するシリコンの製造方法であって、
    シリコンの精製中にスラグを減圧下に保持することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
  2. 溶融シリコンにスラグを利用して、シリコン中の不純物を除去して精製するシリコンの製造方法であって、
    精製に用いられたスラグをシリコンから分離し、当該スラグのみを減圧下に保持した後、再度、溶融シリコンに供給してシリコンを精製することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
  3. 前記溶融シリコン上に前記スラグと共に、酸化剤を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の高純度シリコンの製造方法。
  4. 前記酸化剤を前記溶融シリコンに直接接触させることを特徴とする請求項3に記載の高純度シリコンの製造方法。
  5. 前記減圧下の圧力が10〜10,000Paの範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高純度シリコンの製造方法。
  6. 前記酸化剤が、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸塩の水和物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、アルカリ土類金属の水酸化物の内、1種又は2種以上の組み合わせを主成分とする物質であることを特徴とする請求項3又は4に記載の高純度シリコンの製造方法。
  7. 前記アルカリ金属の炭酸塩、前記アルカリ金属の炭酸塩の水和物、前記アルカリ金属の水酸化物、前記アルカリ土類金属の炭酸塩、前記アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、前記アルカリ土類金属の水酸化物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、もしくは、これらの水和物、水酸化マグネシウム、又は、水酸化カルシウムの内、1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項6に記載の高純度シリコンの製造方法。
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