JP4855030B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4855030B2 JP4855030B2 JP2005283249A JP2005283249A JP4855030B2 JP 4855030 B2 JP4855030 B2 JP 4855030B2 JP 2005283249 A JP2005283249 A JP 2005283249A JP 2005283249 A JP2005283249 A JP 2005283249A JP 4855030 B2 JP4855030 B2 JP 4855030B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- weight
- resin composition
- copolymer
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
中でも、光学機器機構部品の一つであるコンパクトディスクドライブなどに内蔵されている光ピックアップベースや、コピー機の光学系ハウジングは、アルミニウム、亜鉛等の金属ダイキャストにより製造されていたが、近年、軽量化、生産性向上の観点より、樹脂化への転換がなされており、特にポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が多く用いられてきている。
これら問題点のうち、成形時の成形金型の金属を腐食させたり、ガス発生に伴い金型表面や成型品表面にシミ焼けやヤニ状の物質が付着したり、ウェルド部を有する成形金型ではガス抜けが悪化すると黒着色成型品のウェルド部周辺が外観として白化する等のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物に関して材料面からの改良工夫が数多く提案されている。
ポリフェニレンスルフィド樹脂は、その製法によりリニア(直鎖)型ポリフェニレンスルフィド樹脂と架橋型(半架橋型も含む)ポリフェニレンスルフィド樹脂に二分されている。後者の架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂は前者のリニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂を重合した後にさらに酸素の存在下でポリフェニレンスルフィド樹脂の融点以下の温度で加熱処理し酸化架橋を促進してポリマー分子量、粘度を適度に高めた熱可塑性樹脂であり、リニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂と比べ、機械的強度ならびに耐熱性に優位性を示すものの、靱性に劣る欠点を有している。一方、靱性に優れるリニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂は重合技術上の制約であるリニア型での分子鎖長の増大化が困難なため、機械的強度ならびに耐熱性の改善が望めず、さらには成形時に成型バリが発生しやすいという問題を有している。
特に成型バリが発生しやすいことはリニア型と架橋型ではその程度に多少の優劣はあるものの、非晶性熱可塑性樹脂と比べポリフェニレンスルフィド樹脂は一様に成型バリが発生しやすい樹脂として公知となっている。
これらの技術としては、ポリフェニレンスルフィドとポリフェニレンエーテルからなる樹脂成分に対して、特定の無機化合物、繊維状充填剤及びその他の無機充填剤を配合してなる、成形時のバリ発生が少なく、剛性、寸法精度に優れた樹脂組成物(例えば、特許文献7〜8参照)が提案されている。
これら文献には、ベースとなるポリフェニレンスルフィドとポリフェニレンエーテルからなる樹脂成分に対して各種無機充填剤を配合した組成物とすることにより、樹脂の欠点である温度変化による寸法精度を向上させたり、成形時のバリ発生を抑制させたりしているが耐熱性及び靱性(衝撃強度)と機械的強度に関する改良は未だ不十分であるのが実状である。
さらに、樹脂成分にエラストマー成分としてビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物の共重合体及び/又はその水素添加物を加え、さらなる靱性改良を施した樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献17、特許文献18、特許文献19参照。)。
[1]
0〜50重量%の成分(a)塩化メチレンによる抽出量が0.7重量%以下であり、且つ末端−SX基(Sはイオウ原子、Xはアルカリ金属又は水素原子である)が20μmol/g以上のリニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂及び
100〜50重量%の成分(b)塩化メチレンによるオリゴマー抽出量が1重量%以下であり、且つ320℃溶融状態で捕集される揮発分が1000ppm以下である架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂で構成されるポリフェニレンスルフィド樹脂を、45〜99重量部で含み、
成分(c)ポリフェニレンエーテル系樹脂を55〜1重量部で含み、且つ、
成分(d)グリシジル基、又はオキサゾリル基のいずれか一つの官能基を有するスチレン系共重合体及び/又はエチレン系共重合体を、前記成分(a)〜成分(c)の合計100重量部あたり1〜20重量部で含む樹脂組成物、
[2] 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂が、1〜50重量%の前記成分(a)及び99〜50重量%の前記成分(b)で構成される、[1]に記載の樹脂組成物、
[3] 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂を45〜85重量部で含み、且つ前記成分(c)を55〜15重量部で含む、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物、
[4] さらに成分(e)無機系充填剤を、前記成分(a)〜成分(d)の合計100重量部に対して20〜400重量部で含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物、
[5] さらに成分(f)耐衝撃付与剤を、前記成分(a)〜成分(d)の合計100重量部に対して、5〜30重量部で含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物、
[6] 前記成分(a)及び前記成分(b)の溶融粘度がいずれも1〜10000ポイズである、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物、
[7] 前記成分(c)が、ポリフェニレンエーテル=100重量%又はポリフェニレンエーテル/スチレン系樹脂=1〜99重量%/99〜1重量%のいずれか1つの構成比率を有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物、
[8] 前記成分(d)が、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルオキサゾリン共重合体及びスチレン−ビニルオキサゾリン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体にスチレンモノマーがグラフトしたグラフト共重合体、並びに、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体にスチレンモノマー及びアクリロニトリルがグラフトしたグラフト共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物、
[9] 前記成分(e)が、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンナノチューブ、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、石膏繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウム、多孔質炭酸カルシウム、炭酸カルシウムウィスカー、ハイドロタルサイト、カオリン、クレー、ケイ酸カルシウム、カーボンブラック(導電性カーボンも含む)、酸化チタン、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、フライアッシュ(石炭灰)、ワラステナイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、マイカ、タルク、グラファイト、窒化アルミニウム、窒化硼素、及び、二硫化モリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[4]〜[8]のいずれかに記載の樹脂組成物、
[10] 前記成分(f)が、
ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物を共重合して得られるブロック共重合体、前記ブロック共重合体をさらに水素添加反応して得られる水添ブロック共重合体、前記ブロック共重合体若しくは水添ブロック共重合体であって、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エステル基、エポキシ基、オキサゾリル基、及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する上記ブロック共重合体若しくは水添ブロック共重合体、並びに
エチレン/α−オレフィン共重合体、前記エチレン/α−オレフィン共重合体であって、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エステル基、及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する上記エチレン/α−オレフィン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[5]〜[9]のいずれかに記載の樹脂組成物、
[11] 前記成分(f)を5〜30重量部で含み、前記成分(f)が、
成分(f1)ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエン化合物を含む少なくとも1個の重合体ブロックBとからなり、結合したビニル芳香族化合物の量が55〜95重量%である水添ブロック共重合体、
成分(f2)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCとからなり、結合したビニル芳香族化合物の量が1〜55重量%未満である水添ブロック共重合体、及び
成分(f3)オレフィン系エラストマー
からなる群より選ばれる少なくとも1種で構成され、且つ
前記成分(f)中の結合したビニル芳香族化合物の含有量が、20〜55重量%である、[5]〜[9]のいずれかに記載の樹脂組成物、
[12] 前記成分(f1)の前記重合体ブロックBの少なくとも1つが、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体である、[11]に記載の樹脂組成物、
[13] 少なくとも2個のベント口及び少なくとも1個のサイド供給口を有し、280℃以上に温度設定した二軸押出機を用いて、前記成分(a)〜成分(d)を溶融混練した後に、該二軸押出機の一つ以上の前記ベント口を絶対真空圧95kPa以下で脱気して溶融混練することを含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法、
[14] 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂が、1−50重量%の前記成分(a)及び99−50重量%の前記成分(b)で構成され、該ポリフェニレンスルフィド樹脂が、前記成分(a)を少なくとも30重量%で含み、前記成分(c)/前記ポリフェニレンスルフィド樹脂=70/30(重量比)以下であって、且つ、前記2個のベント口をそれぞれ、第1ベント口及び第2ベント口と称する場合、前記脱気が該第1ベント口で行われ、次に該第1ベント口通過後の溶融混練物存在下に残量の該ポリフェニレンスルフィド樹脂を供給して溶融混練した後に、さらに前記脱気が前記第2ベント口で行われる、[13]に記載の樹脂組成物の製造方法、
[15] 全ての前記成分(a)〜成分(d)からなる溶融混練物存在下に、さらに成分(e)無機系充填剤を前記成分(a)〜成分(d)の合計100重量部に対して20〜400重量部で供給して溶融混練した後に、さらに該二軸押出機の第2ベント口を絶対真空圧95kPa以下で脱気する、[13]又は[14]に記載の樹脂組成物の製造方法、
[16] 前記成分(d)の全量と共に成分(f)耐衝撃付与剤全量を供給する、[14]又は[15]に記載の樹脂組成物の製造方法、
[17] [13]〜[16]のいずれかに記載の製造方法で得られた樹脂組成物、
[18] 光学機器機構部品、光源ランプ周り部品、金属フィルム積層基板用シート又はフィルム、ハードディスク内部部品、光ファイバー用コネクタフェルール、プリンター部品、コピー機部品、自動車ランプ部品、自動車ラジエタータンク部品又は自動車エンジンルーム内部品の成形材料として用いられる、[1]〜[12]及び[17]のいずれかに記載の樹脂組成物、
を提供する。
本発明の樹脂組成物は、下記に示す成分(a)のリニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂、成分(b)の架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂、成分(c)のポリフェニレンエーテル系樹脂及び(d)グリシジル基、オキサゾリル基のいずれか一つの官能基を有するスチレン系共重合体及び/又はエチレン系共重合体から構成される。
[−Ar−S−] (1)
(ここで、Arはアリーレン基を示し、アリーレン基としては、例えばp−フェニレン基、m−フェニレン基、置換フェニレン基(置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基が好ましい。)、p,p′−ジフェニレンスルホン基、p,p′−ビフェニレン基、p,p′−ジフェニレンカルボニル基、ナフチレン基等が挙げられる。)
そして本発明で用いる成分(a)のリニアPPSは、塩化メチレンによる抽出量が0.7重量%以下、好ましくは0.5重量%以下であり、かつ末端−SX基(Sはイオウ原子、Xはアルカリ金属又は水素原子である)が20μmol/g以上、好ましくは20〜60μmol/gであるリニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂である。
ここで、塩化メチレンによるオリゴマー抽出量の測定は以下の方法により求めることができる。すなわち、PPS粉末5gを塩化メチレン80mlに加え、6時間ソクスレー抽出を実施した後、室温まで冷却し、抽出後の塩化メチレン溶液を秤量瓶に移す。さらに、上記の抽出に使用した容器を塩化メチレン合計60mlを用いて、3回に分けて洗浄し、該洗浄液を上記秤量瓶中に回収する。次に、秤量瓶を約80℃に加熱して、該秤量瓶中の塩化メチレンを蒸発させて除去し、残渣を秤量し、この残渣量より塩化メチレンによる抽出量、すなわちPPS中に存在するオリゴマー量の割合を求めることができる。
このように、本発明で供する成分(b)である架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂は、塩化メチレンによる抽出量が1重量%以下、320℃溶融状態で捕集される揮発分が1000ppm以下であれば、得られた樹脂組成物を成型品として長期間成型した際にウェルド部分の白化現象を大幅に改良し、成型品の外観が優れ、さらに困難であったポリフェニレンスルフィドとポリフェニレンエーテルからなる樹脂組成物の難燃性を大幅に改良することができる。
本発明の成分(e)として用いる無機系充填剤は、通常、機械的強度の補強や、成形品の寸法精度改良等の機能を付与する目的で樹脂組成物に配合することができる。かかる無機系充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンナノチューブ、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、石膏繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウム、多孔質炭酸カルシウム、炭酸カルシウムウィスカー、ハイドロタルサイト、カオリン、クレー、ケイ酸カルシウム、カーボンブラック(導電性カーボンも含む)、酸化チタン、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、フライアッシュ(石炭灰)、ワラステナイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、マイカ、タルク、グラファイト、窒化アルミニウム、窒化硼素、二硫化モリブデン等が挙げられ、これらの中から目的に応じ少なくとも1種の無機系充填剤を選択して用いることができる。これらの無機系充填剤は、さらにシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、脂肪族金属塩等の表面処理剤で処理した物や、インターカレーション法によりアンモニウム塩等による有機化処理した物や、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂をバインダーとして処理したものであってもよい。
さらに、この水添ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい。
この水素添加率は、例えば核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて知ることができる。
さらに、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックは、そのブロックにおける結合形態のミクロ構造を任意に選ぶことができ、例えば、ブタジエンを主体とする重合体ブロックにおいては、1,2−ビニル結合が2〜90%が好ましく、より好ましくは8〜80%である。また、イソプレンを主体とする重合体ブロックにおいては、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合の合計量が2〜80%、より好ましくは3〜70%である。
さらに、この水添ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれら任意の組み合わせのいずれであってもよい。
この水素添加率は例えば核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて知ることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体とは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等の直鎖状α−オレフィン;2−メチルプロペン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、5−メチルヘキセン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等の分岐状α−オレフィン等のオレフィン類の単独重合又は共重合体である。
これらの中では、エチレン、プロピレン、ブテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1を過半重量含む共重合体又は単独重合体が好ましく、エチレン単独重合体、エチレン−プロピレンのブロック又はランダム共重合体、エチレン−オクテンのブロック又はランダム共重合体がさらに好ましい。
上記エチレン・α−オレフィン共重合体は従来公知の方法によって製造でき、市販品も広く入手可能である。本発明では、適宜これらから選んで使用することができる。
すなわち、本発明の樹脂組成物の最も好ましい製造方法とは、成分(a)であるリニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂を全く含まず、100重量%の(b)塩化メチレンによるオリゴマー抽出量が1重量%以下であり、且つ320℃溶融状態で捕集される揮発分が1000ppm以下である架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂で構成されるポリフェニレンスルフィド樹脂を、45〜99重量部で含み、(c)ポリフェニレンエーテル系樹脂を55〜1重量部で含み、且つ(d)グリシジル基、オキサゾリル基のいずれか一つの官能基を有するスチレン系共重合体及び/又はエチレン系共重合体を、成分(a)〜成分(c)の合計100重量部あたり1〜20重量部で含む樹脂組成物の製造方法であって、(1)少なくとも2個のベント口及び少なくとも1個のサイド供給口を有し、280℃〜350℃に温度設定した二軸押出機を用いて、成分(b)〜成分(d)を溶融混練した後に、該二軸押出機の一つ以上のベント口を絶対真空圧95kPa以下で脱気して溶融混練することにより本発明の樹脂組成物を得ることができる製造方法である。
すなわち、本発明の樹脂組成物の最も好ましい製造方法とは、1〜96重量%の(a)リニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂及び99〜4重量%の(b)架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂で構成されるポリフェニレンスルフィド樹脂を45〜99重量部、(c)ポリフェニレンエーテル系樹脂を55〜1重量部で含み、且つ(d)混和剤を、成分(a)〜成分(c)の合計100重量部あたり1〜20重量部からなる樹脂組成物の製造方法であって、(1)少なくとも2個のベント口及び少なくとも1個のサイド供給口を有し、280℃〜350℃に温度設定した二軸押出機を用いて、加熱溶融混練の第一段階において、成分(c)のポリフェニレンエーテル系樹脂全量/ポリフェニレンスルフィド樹脂=70/30(重量比)以下を満たし、且つ該ポリフェニレンスルフィド樹脂中に含有する(a)リニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂が少なくとも30重量%、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上と成分(d)の共重合体全量を加熱溶融混練した後に、該二軸押出機の第1ベント口を絶対真空圧95kPa以下で脱気して第一溶融混練物を得、(2)次に、(1)で得た第一溶融混練物の存在下で、該二軸押出機の第1サイド供給口より残量のポリフェニレンスルフィド樹脂を添加し、さらに加熱溶融混練した後に、該二軸押出機の第2ベント口を絶対真空圧95kPa以下で脱気することにより本発明の樹脂組成物を得ることができる製造方法である。
そしてさらに成分(f)を含んだ本発明の樹脂組成物の製造方法においては、上記の樹脂組成物の製造方法に記載した(1)の段階の第一溶融混練物を得る際に成分(a)〜(d)と共に成分(f)である耐衝撃付与剤を添加することにより、成分(f)である耐衝撃付与剤を含んだ樹脂組成物を製造することができる。
そしてこれらの成形方法により、本発明の樹脂組成物は、光学機器機構部品、光源ランプ周り部品、金属フィルム積層基板用シート又はフィルム、ハードディスク内部部品、光ファイバー用コネクタフェルール、プリンター部品、コピー機部品、自動車ラジエタータンク部品等の自動車エンジンルーム内部品や自動車ランプ部品等の成形品として広く使用することができる。
以下、実施例によって、本発明を説明する。
<成分(a)であるリニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂>
特開平8−253587号公報の実施例1に準じて下記のリニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂を得た。
(a−1):溶融粘度(フローテスターを用いて、300℃、荷重196N、L/D=10/1で6分間保持した後測定した値。)が500ポイズ、塩化メチレンによる抽出量が0.4重量%、末端−SX基量が26μmol/gのp−フェニレンスルフィドの繰り返し単位を有するリニアタイプのPPS。
(a−2):a−1と同様に測定した溶融粘度が300ポイズ、塩化メチレンによる抽出量が0.7重量%、末端−SX基量が32μmol/gのp−フェニレンスルフィドの繰り返し単位を有するリニアタイプのPPS。
(a−3):a−1と同様に測定した溶融粘度が100ポイズ、塩化メチレンによる抽出量が0.3重量%、末端−SX基量が35μmol/gのp−フェニレンスルフィドの繰り返し単位を有するリニアタイプのPPS。
(b−1):溶融粘度(フローテスターを用いて、300℃、荷重196N、L/D=10/1で6分間保持した後測定した値。)が500ポイズ、塩化メチレンによるオリゴマー抽出量が0.7重量%、320℃溶融状態で捕集される揮発分が160ppmの架橋タイプのPPS(ディーアイシーEP(株)製 商標DSP K−2G)。
(b−2):b−1と同様に測定した溶融粘度が500ポイズ、塩化メチレンによるオリゴマー抽出量が0.4重量%、320℃溶融状態で捕集される揮発分が300ppmの架橋タイプのPPS(ディーアイシーEP(株)製 商標DSP T−2G)。
(b−3):b−1と同様に測定した溶融粘度が500ポイズ、塩化メチレンによるオリゴマー抽出量が0.8重量%、320℃溶融状態で捕集される揮発分が790ppmの架橋タイプのPPS試作品。
(b−4):溶融粘度が500ポイズ、塩化メチレンによるオリゴマー抽出量が1.2重量%、320℃溶融状態で捕集される揮発分が1200ppmの架橋タイプのPPS(東レ(株)製 商標トレリナM2900)。
(b−5):溶融粘度が500ポイズ、塩化メチレンによるオリゴマー抽出量が2.1重量%、320℃溶融状態で捕集される揮発分が1800ppmの架橋タイプのPPS(シェブロンフィリップス化学(株)製 商標ライトンPR−07)。
(c−1):2,6−キシレノールを酸化重合し、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を用いて測定し、ポリスチレン換算した数平均分子量が24000のポリフェニレンエーテル。
(c−2):2,6−キシレノールを酸化重合し、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を用いて測定し、ポリスチレン換算した数平均分子量が9600のポリフェニレンエーテル。
(c−3):ポリフェニレンエーテル系樹脂としてポリフェニレンエーテル(c−1)/アタクチックポリスチレン(PSジャパン社製 商標PSJポリスチレン685)=60/40(重量比)の割合でドライブレンド(加熱溶融しないで単に両者を混合)することにより得たポリフェニレンエーテル。
(d−1):グリシジルメタクリレートを5重量%含有するスチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(重量平均分子量110,000)。
(d−2):2−イソプロペニル−2−オキサゾリンを5重量%含有するスチレン−2−イソプロペニル−2−オキサゾリン共重合体(重量平均分子量146,000)。
(d−3):グリシジルメタクリレートを6重量%含有するエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学工業(株)製 商標ボンドファースト2C)。
(e−1):平均直径13μm、長さ3mm、アミノシラン系カップリング剤で表面処理し、さらにバインダーとしてエポキシ樹脂で処理した、ガラス繊維。
(e−2):平均板径600μm、アミノシラン系カップリング剤で処理し、さらにバインダーとしてエポキシ樹脂で処理したガラスフレーク。
(e−3):平均板径90μm、平均板厚2μm、アミノシラン系カップリング剤で処理したマイカ。
(e−4):JIS A6201−1999の品質規格でフライアッシュIIに分類されるフライアッシュ((株)テクノ中部製 中部フライアッシュ)。
(e−5):平均粒子径7μmである炭酸カルシウム100重量部に対し、シランカップリング剤[β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン]1.5重量部を添加し、ブレンダーを用いてブレンドして得られた炭酸カルシウム。
(e−6):レーザー回折/散乱法による平均粒子径が11μmのタルク。
(f−1):ポリスチレンブロック−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンブロックの構造を持ち、結合スチレン量が47%、ポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が48%、ポリスチレン鎖の数平均分子量が19000、ポリブタジエン部の水素添加率が99.8%の水添ブロック共重合体。
(f−2):ポリスチレンブロック−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンブロックの構造を持ち、結合スチレン量が35%、ポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が55%、ポリスチレン鎖の数平均分子量が43000、ポリブタジエン部の水素添加率が99.2%の水添ブロック共重合体。
(f−3):ポリスチレンブロック−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンブロックの構造を持ち、結合スチレン量が85%、ポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が40%、ポリスチレン鎖の数平均分子量が44000、ポリブタジエン部の水素添加率が98%の水添ブロック共重合体。
(f−4):ポリスチレンブロック−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンブロックの構造を持ち、結合スチレン量が20%、ポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が55%、ポリスチレン鎖の数平均分子量が9800、ポリブタジエン部の水素添加率が98%の水添ブロック共重合体。
(f−5):ポリスチレンブロック−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンブロックの構造を持ち、結合スチレン量が20%、ポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が55%、ポリスチレン鎖の数平均分子量が10,000、ポリブタジエン部の水素添加率が62%の水添ブロック共重合体。
(f−6): ポリスチレンブロック−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンブロックの構造を持ち、結合スチレン量が84%、ポリブタジエン部が水素添加されたポリブタジエン/ポリスチレン=43%/57%のランダム共重合体であり、ポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が38%、ポリスチレン鎖の数平均分子量が30,000、水素添加率96%である水添ブロック共重合体。
(f−7):密度0.87、温度230℃、荷重21.2Nの条件で測定したメルトフローレートが0.7g/10分のエチレンープロピレン共重合体。
(f−8):密度0.86、温度230℃、荷重21.2Nの条件で測定したメルトフローレートが0.5g/10分のエチレン−オクテン共重合体。
(g):離型剤として、モンタン酸カルシウム(クラリアントジャパン(株)製 商標リコモントCaV102)を(g)とした。
なお、共通の着色剤として、カーボンブラック(三菱化学(株)製 商標三菱カーボンブラックMCF88)を用いた。
(成形白化試験)
特にガス抜け部を設けていないウェルド金型(縦38mm、横79mm、厚み5mmの板状で横中央にウェルド部を有し、そのウェルド部より左右8mmの位置にゲート部を有する)を用いて310℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に樹脂組成物を供給し、金型温度130℃の条件で連続成形を行い、成型品のウェルド部分が白化するまでの成形ショット数を求めた。成形ショット数が多いものほどウェルド白化が少ない材料である。
(難燃性試験)
UL94に準拠し、厚み1.6mmの燃焼用試験片を作成し燃焼試験を実施した。
(荷重撓み温度)
樹脂組成物を290〜310℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度130℃の条件で試験片を成形し、DTUL(荷重撓み温度)をASTM D−648に準拠(1.82MPa荷重)し測定した。
(衝撃強度)
樹脂組成物を290〜310℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度130℃の条件で試験片を成形し、アイゾット衝撃強度(厚み1/8インチ、ノッチ付き)をASTM D−256に準拠(測定温度23℃)し測定した。
(引張強度)
樹脂組成物を290〜310℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度130℃の条件で試験片を成形し、引張強度をASTM D−638に準拠(測定温度23℃)し測定した。
温度290〜310℃、スクリュー回転数280rpmに設定した二軸押出機(ZSK−40;COPERION WERNER&PFLEIDERER社製、ドイツ国)を用い、押出機の第一原料供給口より、表1〜4に記載の組成割合で各成分を供給して加熱溶融混練し、溶融混練後の第一ベント口の真空度を変化させて脱気操作を行い、さらに該二軸押出機の第一ベント口の下流側に位置する第一のサイド供給口及び第二のサイド供給口より表1〜4記載の各成分を供給して溶融混練し、そしてさらに該二軸押出機の出口手前に位置する第二ベント口にて真空度を変化させて脱気操作を行い樹脂組成物をペレットとして得た。ここで得たペレットを用いて290〜310℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、ウェルド金型にて金型温度130℃の条件で連続成形を行い、成型品のウェルド部分が白化するまでの成形ショット数を求めた。なお、成形白化が起こらない材料は5000ショットまで成形した。
また他のテスト用サンプルとして、金型温度130℃の条件で荷重撓み温度(DTUL)測定用テストピース、アイゾット衝撃試験用テストピース、引張試験用テストピース及び難燃性試験用テストピースを射出成形した。
これらの結果を併せて表1〜5に載せた。
これらの結果より、オリゴマー量と揮発成分を特定量に減じた架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂を用いることにより、成形した際に成型品表面に発生する成形白化を無くし、優れた表面外観及び優れた難燃性を有するポリフェニレンスルフィド樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂からなる樹脂組成物を提供し、さらにはリニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂と架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂を併用した樹脂組成物は、併用しない場合と比べ、新たな耐熱性、靱性(衝撃強度)と機械的強度とのバランスに優れた樹脂組成物となる。
Claims (18)
- 0〜50重量%の成分(a)塩化メチレンによる抽出量が0.7重量%以下であり、且つ末端−SX基(Sはイオウ原子、Xはアルカリ金属又は水素原子である)が20μmol/g以上のリニア型ポリフェニレンスルフィド樹脂及び
100〜50重量%の成分(b)塩化メチレンによるオリゴマー抽出量が1重量%以下であり、且つ320℃溶融状態で捕集される揮発分が1000ppm以下である架橋型ポリフェニレンスルフィド樹脂で構成されるポリフェニレンスルフィド樹脂を、45〜99重量部で含み、
成分(c)ポリフェニレンエーテル系樹脂を55〜1重量部で含み、且つ、
成分(d)グリシジル基、又はオキサゾリル基のいずれか一つの官能基を有するスチレン系共重合体及び/又はエチレン系共重合体を、前記成分(a)〜成分(c)の合計100重量部あたり1〜20重量部で含む樹脂組成物。 - 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂が、1〜50重量%の前記成分(a)及び99〜50重量%の前記成分(b)で構成される、請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂を45〜85重量部で含み、且つ前記成分(c)を55〜15重量部で含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- さらに成分(e)無機系充填剤を、前記成分(a)〜成分(d)の合計100重量部に対して20〜400重量部で含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- さらに成分(f)耐衝撃付与剤を、前記成分(a)〜成分(d)の合計100重量部に対して、5〜30重量部で含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記成分(a)及び前記成分(b)の溶融粘度がいずれも1〜10000ポイズである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記成分(c)が、ポリフェニレンエーテル=100重量%又はポリフェニレンエーテル/スチレン系樹脂=1〜99重量%/99〜1重量%のいずれか1つの構成比率を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記成分(d)が、スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−グリシジルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルオキサゾリン共重合体及びスチレン−ビニルオキサゾリン−アクリロニトリル共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸エステル−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体にスチレンモノマーがグラフトしたグラフト共重合体、並びに、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体にスチレンモノマー及びアクリロニトリルがグラフトしたグラフト共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記成分(e)が、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンナノチューブ、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、石膏繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウム、多孔質炭酸カルシウム、炭酸カルシウムウィスカー、ハイドロタルサイト、カオリン、クレー、ケイ酸カルシウム、カーボンブラック(導電性カーボンも含む)、酸化チタン、ハイドロタルサイト、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、フライアッシュ(石炭灰)、ワラステナイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、マイカ、タルク、グラファイト、窒化アルミニウム、窒化硼素、及び、二硫化モリブデンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項4〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記成分(f)が、
ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物を共重合して得られるブロック共重合体、前記ブロック共重合体をさらに水素添加反応して得られる水添ブロック共重合体、前記ブロック共重合体若しくは水添ブロック共重合体であって、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エステル基、エポキシ基、オキサゾリル基、及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する上記ブロック共重合体若しくは水添ブロック共重合体、並びに
エチレン/α−オレフィン共重合体、前記エチレン/α−オレフィン共重合体であって、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基、エステル基、及びアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する上記エチレン/α−オレフィン共重合体
からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項5〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。 - 前記成分(f)を5〜30重量部で含み、前記成分(f)が、
成分(f1)ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックAと共役ジエン化合物を含む少なくとも1個の重合体ブロックBとからなり、結合したビニル芳香族化合物の量が55〜95重量%である水添ブロック共重合体、
成分(f2)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1個の重合体ブロックCとからなり、結合したビニル芳香族化合物の量が1〜55重量%未満である水添ブロック共重合体、及び
成分(f3)オレフィン系エラストマー
からなる群より選ばれる少なくとも1種で構成され、且つ
前記成分(f)中の結合したビニル芳香族化合物の含有量が、20〜55重量%である、
請求項5〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。 - 前記成分(f1)の前記重合体ブロックBの少なくとも1つが、共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とのランダム共重合体である、請求項11に記載の樹脂組成物。
- 少なくとも2個のベント口及び少なくとも1個のサイド供給口を有し、280℃以上に温度設定した二軸押出機を用いて、前記成分(a)〜成分(d)を溶融混練した後に、該二軸押出機の一つ以上の前記ベント口を絶対真空圧95kPa以下で脱気して溶融混練することを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記ポリフェニレンスルフィド樹脂が、1〜50重量%の前記成分(a)及び99−50重量%の前記成分(b)で構成され、該ポリフェニレンスルフィド樹脂が、前記成分(a)を少なくとも30重量%で含み、前記成分(c)/前記ポリフェニレンスルフィド樹脂=70/30(重量比)以下であって、且つ、前記2個のベント口をそれぞれ、第1ベント口及び第2ベント口と称する場合、前記脱気が該第1ベント口で行われ、次に該第1ベント口通過後の溶融混練物存在下に残量の該ポリフェニレンスルフィド樹脂を供給して溶融混練した後に、さらに前記脱気が前記第2ベント口で行われる、請求項13に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 全ての前記成分(a)〜成分(d)からなる溶融混練物存在下に、さらに成分(e)無機系充填剤を前記成分(a)〜成分(d)の合計100重量部に対して20〜400重量部で供給して溶融混練した後に、さらに該二軸押出機の第2ベント口を絶対真空圧95kPa以下で脱気する、請求項13又は14に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記成分(d)の全量と共に成分(f)耐衝撃付与剤全量を供給する、請求項14又は15に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 請求項13〜16のいずれか1項に記載の製造方法で得られた樹脂組成物。
- 光学機器機構部品、光源ランプ周り部品、金属フィルム積層基板用シート又はフィルム、ハードディスク内部部品、光ファイバー用コネクタフェルール、プリンター部品、コピー機部品、自動車ランプ部品、自動車ラジエタータンク部品又は自動車エンジンルーム内部品の成形材料として用いられる、請求項1〜12及び請求項17のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005283249A JP4855030B2 (ja) | 2004-12-21 | 2005-09-29 | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004368979 | 2004-12-21 | ||
JP2004368979 | 2004-12-21 | ||
JP2005112992 | 2005-04-11 | ||
JP2005112992 | 2005-04-11 | ||
JP2005283249A JP4855030B2 (ja) | 2004-12-21 | 2005-09-29 | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006316245A JP2006316245A (ja) | 2006-11-24 |
JP4855030B2 true JP4855030B2 (ja) | 2012-01-18 |
Family
ID=37537194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005283249A Active JP4855030B2 (ja) | 2004-12-21 | 2005-09-29 | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4855030B2 (ja) |
Families Citing this family (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE602006021155D1 (de) * | 2005-02-03 | 2011-05-19 | Asahi Kasei Chemicals Corp | Harzzusammensetzung für elektronische und elektrische bauteile von hochfrequenzanwendungen und geformtes produkt daraus |
JP2006291076A (ja) * | 2005-04-12 | 2006-10-26 | Asahi Kasei Chemicals Corp | コイル封止材用熱可塑性樹脂組成物 |
JP4694243B2 (ja) * | 2005-04-12 | 2011-06-08 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 樹脂組成物 |
JP5005412B2 (ja) * | 2007-04-04 | 2012-08-22 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | ポリマーアロイの押出成形シート |
WO2009088092A1 (ja) * | 2008-01-08 | 2009-07-16 | Rikkyo Gakuin | ポリフェニレンスルフィド樹脂を含む組成物およびその製造方法 |
JP6074832B2 (ja) * | 2011-04-20 | 2017-02-08 | 学校法人立教学院 | ポリフェニレンエーテルを含む樹脂組成物およびその製造方法 |
CN102408717A (zh) * | 2011-09-06 | 2012-04-11 | 四川瑞安特电子技术有限公司 | 一种led的聚苯硫醚复合导热材料的制造方法 |
CN102391647B (zh) * | 2011-09-06 | 2013-01-16 | 四川瑞安特电子技术有限公司 | 一种led的聚苯硫醚复合导热材料的制造方法 |
CN103074039B (zh) * | 2012-12-29 | 2015-07-15 | 王洪周 | 一种相变的化学吸热材料 |
CN103756319A (zh) * | 2013-11-28 | 2014-04-30 | 芜湖跃飞新型吸音材料股份有限公司 | 一种汽车塑料件用eva改性聚苯硫醚材料 |
JP6543965B2 (ja) * | 2015-03-04 | 2019-07-17 | 東ソー株式会社 | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びそれよりなる複合体 |
CN109476915B (zh) * | 2016-07-19 | 2021-04-02 | Dic株式会社 | 聚亚芳基硫醚树脂组合物、成形品及制造方法 |
WO2018101022A1 (ja) * | 2016-11-29 | 2018-06-07 | Jsr株式会社 | 繊維強化樹脂用組成物及びその製造方法、繊維強化樹脂、並びに成形体 |
CN111087814A (zh) * | 2019-10-09 | 2020-05-01 | 江苏集萃先进高分子材料研究所有限公司 | 一种电池包箱体耐火材料及其制备方法 |
JP7452192B2 (ja) * | 2020-03-31 | 2024-03-19 | 東レ株式会社 | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、製造方法および成形品 |
CN111718581B (zh) * | 2020-05-20 | 2022-07-05 | 中广核俊尔(浙江)新材料有限公司 | 一种5g天线振子专用低介电常数低介电损耗增强聚苯硫醚复合材料及其制备方法和应用 |
CN114854125B (zh) * | 2022-05-18 | 2022-12-27 | 广东安拓普聚合物科技有限公司 | 一种导热抗阻燃聚烯烃基复合材料及其制备方法 |
CN114907696B (zh) * | 2022-07-01 | 2024-03-22 | 四川中物材料股份有限公司 | 一种高cti聚苯硫醚复合材料及其制备方法 |
CN117924936B (zh) * | 2024-01-30 | 2024-06-14 | 广东亨嘉橡塑科技有限公司 | 一种高强度聚苯硫醚基塑料及其制备工艺 |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01213361A (ja) * | 1988-02-23 | 1989-08-28 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 熱可塑性樹脂組成物 |
JPH0234663A (ja) * | 1988-07-22 | 1990-02-05 | Diafoil Co Ltd | ポリフェニレンスルフィドフィルム |
JP3230257B2 (ja) * | 1991-11-18 | 2001-11-19 | 東ソー株式会社 | ポリフェニレンスルフィドの硬化方法 |
JPH05339500A (ja) * | 1992-06-05 | 1993-12-21 | Asahi Chem Ind Co Ltd | ポリフェニレンスルフィド樹脂の組成物 |
JP4919542B2 (ja) * | 2001-05-29 | 2012-04-18 | 出光興産株式会社 | 光学部品用樹脂組成物および光学部品 |
JP2003073545A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-12 | Toray Ind Inc | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 |
JP3930776B2 (ja) * | 2002-07-23 | 2007-06-13 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 樹脂組成物 |
JP2004161947A (ja) * | 2002-11-15 | 2004-06-10 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及び光学部品 |
JP4173377B2 (ja) * | 2003-01-16 | 2008-10-29 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 樹脂組成物 |
JP2004268391A (ja) * | 2003-03-07 | 2004-09-30 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 樹脂製筐体 |
JP2004269664A (ja) * | 2003-03-07 | 2004-09-30 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 優れた樹脂製筐体 |
JP2005264124A (ja) * | 2004-03-22 | 2005-09-29 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 |
-
2005
- 2005-09-29 JP JP2005283249A patent/JP4855030B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006316245A (ja) | 2006-11-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4855030B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 | |
EP1829930B1 (en) | Polyphenylene sulfide resin composition | |
JP4694243B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JP5474561B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物、並びに該組成物からなる成形体及びシート | |
US7173090B2 (en) | Polyphenylene sulfide resin composition | |
US5541243A (en) | Thermoplastic resin composition | |
JP2009197196A (ja) | 樹脂組成物 | |
JP2002012764A (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 | |
JP2005264124A (ja) | ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 | |
JP4173377B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JP2007023078A (ja) | 樹脂組成物 | |
JP6091875B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
US10301466B2 (en) | Resin composition, molded product, and plumbing mechanical component | |
JP4259951B2 (ja) | 精密成型品用難燃樹脂組成物 | |
JP2005082760A (ja) | 精密成型品用樹脂組成物 | |
JP7096650B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JPH03185058A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP4798412B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物および光学式ピックアップ用パーツ | |
JPH05320446A (ja) | ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物およびそれからの成形品 | |
JP3406035B2 (ja) | 樹脂組成物 | |
JP6392264B2 (ja) | 樹脂組成物及びその製造方法 | |
JPH08151510A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JP6279402B2 (ja) | 難燃樹脂組成物及びその製造方法 | |
JPH07145310A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH07145309A (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070620 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100125 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110217 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110517 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20110629 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111025 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111026 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4855030 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |