JP4852928B2 - 車両用サスペンション装置 - Google Patents
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Description
ストラット式サスペンションは、図6に示すように、車輪102を回転可能に支持する車輪側部材103の上部にストラット105の下端部を固着し、該ストラット105の上端部を車体に連結し、車体と車輪側部材103とをロアアーム104で遥動可能に連結している。このように、車体取付点が少ないため音振面で有利となる。しかしながら、このような構成の場合、車輪102がバウンドすると、図6(b)に示すようにポジティブキャンバがつくことになり、旋回時に外輪側のタイヤの対地キャンバ角が直立に対して角度が大きくなる。その結果、接地面積が小さくなって操縦安定性を十分に確保することができないという問題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、車体構造を複雑にすることなく、所望のキャンバ変化特性を得ることができる車両用サスペンション装置を提供することを目的としている。
また、本発明に係る車両用サスペンション装置は、前記連結部材と前記ロアリンクとの連結点および前記連結部材と前記ストラットとの連結点が、前記静止状態でそれぞれキングピン軸に対して車両前後方向での車両後方に位置するように設定する。
また、連結部材とストラットとの連結点およびストラットと車輪側部材との連結点が、それぞれキングピン軸上に位置するように設定すれば、転舵に伴うキャンバ角への干渉を排除することができ、転舵時に意図しないキャンバ角変化を起こすのを防止することができる。
さらに、連結部材とロアリンクとの連結点および連結部材とストラットとの連結点が、それぞれキングピン軸に対して車両前後方向での車両後方に位置するように設定すれば、転舵時に外輪側でネガティブキャンバ、内輪側でポジティブキャンバの特性を得ることができ、旋回時の対地キャンバを直立に近づけてより操縦安定性を高めることができる。
図1は本発明の第1の実施形態における車両用サスペンション装置を適用した車両の概略構成図であり、図1(a)は車両を前方から見た図、図1(b)は車両を側方から見た図である。また、図2は第1の実施形態の車両用サスペンション装置における各部材の分解斜視図である。
図中符号2はタイヤ及びブレーキの回転体からなる車輪である。そして、この車輪2を車輪側部材(アクスル)3によって回転自在に支持している。また、図示しない車体1と車輪側部材3の下部とを、車幅方向に延在したサスペンションリンク(ロアリンク)4によって揺動可能に連結している。ここで、符号P1はロアリンク4の車幅方向外側端部と車輪側部材3との連結点、符号P2はロアリンク4の車幅方向内側端部と車体1との連結点である。
具体的には、図2に示すように、ストラット5の下部に設けられた取付ブラケット5aと、車輪側部材3の上部に形成されたストラット支持部3bに嵌挿された弾性体ブッシュの開口部とを一致させた状態で、その開口内に図示しない回転支持軸を挿通することにより、ストラット5が車輪側部材3に車両前後方向の軸回りに遥動可能に連結されるようになっている。
また、タイロッド7は、車輪側部材3に形成されたナックルアーム3cに連結されている。
今、図3(a)に示すように、車輪2がバウンド及びリバウンドをしていないノーマル状態から、図3(b)に示すように、車両が旋回することにより車輪2が旋回外輪となってバウンドしたものとする。このとき、ストラット5は車輪側部材3に連結されているため、車輪2がバウンドすると、連結部材6とストラット5との連結点P5は車輪2とほぼ同じだけ上昇する。一方、連結部材6とロアリンク4との連結点P6はロアリンク4の内分点に取り付けられているため、その上昇量は車輪2の上昇量と比較して小さくなる。したがって、車輪2の車両上方へのストロークに伴って、連結部材6のストラット5側端部(連結点P5)が円弧を描いて車幅方向内側に引き込まれ、ストラット5の下部も車幅方向内側へ移動する。その結果、図3(b)に示すように、車輪2にネガティブキャンバがつくことになる。
また、連結部材6とストラット5との連結点P5をキングピン軸LK上に設定しているので、車輪2が転舵したときにこの連結点P5が動くことがなく、転舵に伴うキャンバ角への干渉を防止することができる。つまり、転舵時に意図しないキャンバ角変化が起きるのを防止することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、タイロッド7が車輪側部材3に形成されたナックルアーム3aに連結された構成を適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図4に示すように、タイロッド7がストラット5に設けられたナックルアーム5cに連結された構成を適用することができる。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態において、連結部材とストラットとの連結点をキングピン軸上に設定しているのに対し、当該連結点をキングピン軸に対して車両前後方向における車両後方に設定するようにしたものである。
図5は、第2の実施形態におけるサスペンション装置を示す図であり、図5(a)は車両前方から見た図、図5(b)は車両側方から見た図である。この図5に示すように、連結部材6とストラット5との連結点P5がキングピン軸LKに対して車両前後方向における車両後方に位置するように設定されていることを除いては前述した第1の実施形態と同様の構成を有するため、その詳細な説明は省略する。
つまり、転舵時には、転舵外輪側ではネガティブキャンバがつき、転舵内輪側ではポジティブキャンバがつく。
ここで、回転軸L1回りの回転は、図5(c)に示すように、キングピン軸LK回りの回転とキングピン軸LKに垂直な軸L0回りの回転との合成となる。つまり、このキングピン軸LKに垂直な軸L0回りの回転が、ストラットサスに対するキャンバ角の増減成分となる。なお、図中L2はストラット5の車体側連結点P4と、ストラット5と連結部材6との連結点P5とを通る軸であり、ストラット部分の回転軸である。
これに対して本実施形態では、連結部材6とストラット5との連結点P5をキングピン軸LKからずらして設置することでキャスタ角を大きく与えた場合と同様のキャンバ角を得ることができるので、上記制約条件のためにキャスタ角を大きく与えることができない場合であっても、所望のキャンバ変化特性を得ることができる。
なお、上記各実施形態においては、連結部材の両端を、ボールジョイントを介してストラット及びロアアームに連結する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、弾性体ブッシュを介して連結するようにしてもよい。
2 車輪
3 車輪側部材(アクスル)
4 ロアリンク
5 ストラット
6 連結部材
7 タイロッド
Claims (3)
- 車輪を回転可能に支持する車輪側部材と、車輪側部材の下部と車体とに遥動可能に連結されたロアリンクと、上端部を車体に、下部を車輪側部材に遥動可能に連結されたストラットとを備える車両用サスペンション装置において、
前記ロアリンクと前記ストラットの下端部とに遥動可能に連結される連結部材を備え、
前記連結部材と前記ストラットとの連結点および前記ストラットと前記車輪側部材との連結点が、車両正面視において、前記車輪がバウンド及びリバウンドをしていない静止状態で、それぞれ前記ストラットと前記車体との連結点と前記ロアリンクと前記車輪側部材との連結点とを通るキングピン軸上に位置するように設定すると共に、
前記連結部材と前記ストラットとの連結点が、車両側面視において、前記静止状態でキングピン軸上に位置するように設定することを特徴とする車両用サスペンション装置。 - 車輪を回転可能に支持する車輪側部材と、車輪側部材の下部と車体とに遥動可能に連結されたロアリンクと、上端部を車体に、下部を車輪側部材に遥動可能に連結されたストラットとを備える車両用サスペンション装置において、
前記ロアリンクと前記ストラットの下端部とに遥動可能に連結される連結部材を備え、
前記連結部材と前記ストラットとの連結点および前記ストラットと前記車輪側部材との連結点が、車両正面視において、前記車輪がバウンド及びリバウンドをしていない静止状態で、それぞれ前記ストラットと前記車体との連結点と前記ロアリンクと前記車輪側部材との連結点とを通るキングピン軸上に位置するように設定すると共に、
前記連結部材と前記ロアリンクとの連結点および前記連結部材と前記ストラットとの連結点が、前記静止状態でそれぞれキングピン軸に対して車両前後方向での車両後方に位置するように設定することを特徴とする車両用サスペンション装置。 - 前記連結部材を、車幅方向外側が車幅方向内側に対して車両上方に位置するように傾けて配置し、その傾きを、車両正面視での前記ロアリンクの傾きより大きく設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用サスペンション装置。
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- 2005-08-04 JP JP2005226674A patent/JP4852928B2/ja not_active Expired - Fee Related
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