JP4851463B2 - フッ化カルボニルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、テトラフルオロエチレン(TFE)を原材料としたフッ化カルボニル(COF)の製造方法、より詳しくは、テトラフルオロエチレン(TFE)を酸素ガスと反応させて酸化することを特徴とするCOFの製造方法に関する。
また、本発明は、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)を原材料としたフッ化カルボニル(COF)の製造方法、より詳しくは、HCFC−22を出発原料として熱分解法によってテトラフルオロエチレン(TFE)を製造し、更に該TFEを原料としてこれを酸素ガスと反応させて酸化することにより最終目的化合物であるCOFを連続的に製造する方法に関する。
半導体製造工程や液晶製造工程、特に酸化膜形成、絶縁膜形成等の主要工程に用いられるCVD装置(化学的気相蒸着法)ではクリーニングガス等にパーフルオロカーボン(PFC)や三フッ化窒素(NF)などが使用されている。しかし、いずれのガスもオゾン層破壊係数(ODP;Ozone Depletion Potential)はゼロながら100年間の地球温暖化係数(GWP;Global Warming Potential)がCO(二酸化炭素)の一万倍程度あり、何らかの代替技術・材料の開発が必要とされていた。
なお、オゾン層破壊係数(ODP)とは、現在の知見に基つき、各物質がオゾンを破壊すると考えられる能力を無限大時間で積分したもので、クロロトリフルオロメタンを1としたときの係数(相対値)で示される。
また、地球温暖化係数(GWP)は、地球の温暖化に与える影響を単位質量当たり一定期間(100年間が使われている)で積分したもので、二酸化炭素を1としたときの係数(相対値)で示される。
これらPFCやNF等のCVDチャンバークリーニングガスの代替技材料開発のため、国家プロジェクトが行われ、フッ化カルボニル(COF)が代替最有力材料として選定されている(非特許文献1参照)。
フッ化カルボニル(COF)は、分子量が66、沸点が−83℃、不燃性のガスであり、クリーニング特性も優れており、従来品と比べて洗浄効果も遜色ない。また、水が共存するとCO(二酸化炭素)に分解する。COFは大気中ですぐ分解するためGWP100年値は極めて小さい。分解してできるCOを考えた間接GWP100年値でも0.7以下となる。よって、CO(二酸化炭素)の一万倍といわれるPFCやNF3に比較して圧倒的に優位である。上記プロジェクトでも、COFは、これらのクリーニングガスと比べて温室効果を大きく削減する効果があると報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
さらに、液晶工業では、すでにCOFの実用化が報告されている。COFは水スクラバーで容易に除害できることから、従来必要だったNFやPFCの除去装置を必要とせず、製造工程におけるエネルギー消費の削減にも寄与するものと考えられている(例えば、非特許文献3参照)。
COFの合成法は、一般に大別して、一酸化炭素又は二酸化炭素をフッ素、二フッ化銀等の適当なフッ素化剤と反応させて酸化する方法、二塩化カルボニルいわゆるホスゲンをフッ化水素、三フッ化アンチモン、三フッ化砒素、フッ化ナトリウム等の適当なフッ素化剤と反応させ、分子中の塩素原子を対応するフッ素原子にハロゲン交換する方法、トリフルオロメタンを酸素と反応させる方法、テトラフルオロエチレンガスと酸素を反応させる方法の四つの方法が知られている。
これら方法の具体例については以下の通りである。
1.一酸化炭素又は二酸化炭素を原料とする方法
一酸化炭素又は二酸化炭素を原料とする方法としては、例えば、下記のような方法が知られている。
(a)炭酸ガスとフッ素ガスとを気相で直接フッ素化する方法(特許文献1参照)。
(b)一酸化炭素の電解フッ素化による方法(特許文献2参照)。
(c)一酸化炭素とフッ素ガスとの反応により、連続的にフッ化カルボニルを製造するに際し、N、He、Ne、Arから選ばれる第3成分ガスを少なくとも1種以上添加し、動的状態でかつ減圧下でガスを流通させながら反応させる。また、フッ化カルボニルを冷却トラップで捕捉した後、第3成分ガスもしくは未反応の一酸化炭素を含有した第3成分ガスを循環させる方法(特許文献3参照)。
(d)金属フッ化物のようなフッ素含有化合物を、プラズマにより生成されたような励起された状態でCOと反応させてガス状反応混合物を得、次いで該ガス状反応混合物を急冷してCOFを得ることができることによりフッ化カルボニルを製造する方法(特許文献4参照)。
(e)一酸化炭素をフッ素ガスにより直接フッ素化する方法(例えば、非特許文献4参照)。
しかし、一酸化炭素を電解フッ素化や直接フッ素化する方法は、高価な電解槽や耐食性材料が必要であったり、大きな反応熱を制御するため設備が大きくなるなど、工業的には適さない方法である。また、一酸化炭素とフッ素との直接反応によりCOFを合成する方法では、可燃性ガスの一酸化炭素と強力な支燃性ガスであるフッ素との反応であるため、反応が爆発的に生じたり、反応熱のため四フッ化炭素等の不純物が生じ、純度低下をもたらす。
2.ホスゲンを原料とする方法
ホスゲンを原料とする方法としては、例えば、下記のような方法が知られている。
(a)フッ化水素水溶液にトリエチルアミンを加えた溶液あるいはアルカリ金属フッ化物を分散させたフッ化水素水溶液にホスゲンを吹き込む方法(特許文献5参照)。
(b)ホスゲンを溶媒中でフッ化ナトリウムによりフッ素化する方法(特許文献6参照)。
(c)ホスゲンを気相で活性炭触媒にてフッ化水素によりフッ素化する方法(特許文献7参照)。
(d)ホスゲンを気相で無機フッ化物と接触させ、その後気相で活性炭と接触させてホスゲンと塩化ジフルオロカルボニルを得た後これを気相で活性炭と接触させ、フッ化カルボニルを得る方法(特許文献8参照)。
しかしながら、これらホスゲンを用いる反応では、原料に毒性の高いホスゲンを用いる必要があり、また合成されたCOFも塩素由来のフッ化塩化カルボニルやフッ素化剤等の不純物を含み、更には水分由来の二酸化炭素との分離が困難であるなど、必ずしも満足出来る方法ではなかった。
例えば、(a)の溶媒存在化フッ化水素でフッ素化する方法は、生成した塩化水素との分離が困難である当の欠点を有している。溶媒及びトリエチルアミン存在化フッ化水素によるホスゲンのフッ素化或いは溶媒存在下フッ化ナトリウムでホスゲンをフッ素化する方法は、塩化水素が生成せずにフッ化カルボニルが得られるが、トリエチルアミンの塩酸塩、塩化ナトリウムが、生成したフッ化カルボニルと等モル生成するためその廃棄若しくは再利用が必要となる。
(c)のホスゲンを活性炭触媒でフッ化水素によりフッ素化する方法は、当該条件では主にフッ化カルボニルが生成し、副生した塩化水素の除去が困難となる。
(d)のホスゲンを気相で無機フッ化物を用いてフッ素化し、塩化ジフルオロカルボニルを含む混合物を得、これを活性炭と接触させることにより塩化ジフルオロカルボニルとホスゲンの混合物に変えた後活性炭で塩化ジフルオロカルボニルを活性炭触媒で不均化しフッ化カルボニルを得る方法は、無機フッ化物によるホスゲンのフッ素化の際に一酸化炭素と塩素が副生しこれをホスゲンに戻すために活性炭と接触させる必要があり、余分な設備が必要である。
3.トリフルオロメタンを原料とする方法
トリフルオロメタンを原料とする方法としては、例えば、トリフルオロメタンと酸素とを加熱下で反応させる方法が知られている(特許文献13参照)。
しかしながら、この方法で良好にフッ化カルボニルを製造するには500℃以上の高い反応温度が必要である。また、副生成物として二酸化炭素が含まれる場合が多いとされており、フッ化カルボニルから二酸化炭素を除去することは困難である。
4.テトラフルオロエチレンを原料とする方法
テトラフルオロエチレンを原料とする方法としては、例えば、下記のような方法が知られている。
(a)フッ化エタンをオゾンと反応させる方法(例えば、非特許文献5参照)。
(b)テトラフルオロエチレン(TFE)と二フッ化酸素を含有する酸素とを反応させフッ化カルボニルを得る方法(特許文献9参照)。
(c)フッ化化合物からなる大量の希釈剤の共存下に、テトラフルオロエチレン(TFE)を等モルの酸素で酸化してCOFを得る方法(例えば、特許文献10、特許文献11参照)。
しかしながら、(a)フッ化エタンとオゾンとの反応や、一酸化炭素と四フッ化炭素との平衡反応においては、収率、純度ともに低く工業的なプロセスとして使用するのは困難である。
(b)の方法は、炭酸ガスの生成は確認されていないが、フッ化カルボニルは原料中や触媒中の水分により容易に加水分解して炭酸ガスとフッ化水素を生成するため、反応後に炭酸ガスが生成する可能性も考えられる。特に、副生成物や未反応原料として混入する炭酸ガスは数%から数十%になり、半導体製造時のクリーニングガスなどの用途において、その低減若しくは分離が要求される。加えて、原料の二フッ化酸素は爆発性なので操作に危険を伴う。
また、(c)の方法は、フロー式のシステムで、TFEと等モルの酸素を200から450℃、反応時間1から10秒、さらに希釈剤としてフッ化カルボニル、フレオン−22、フレオン−113、フレオンC51−12、あるいはペルフルオロ環状エーテルの混合物よりなるFC−75を酸素1モルに対して10から100モル用いる必要がある。この文献では、TFEと酸素との反応では発生する反応熱が大きく、通常当モルのTFEと酸素との混合物を加熱すると爆発して少量のCOFしか得られないため、希釈剤を使用して爆発を抑えると報告している。しかし、これら希釈剤として用いられているフッ素系化合物は必ずしも安価なものではなく、生成物とこれら希釈剤との分離操作も必要となるという問題点があった。
また、COF製造原料となるTFEは、工業的にはモノクロロジフルオロメタンの高温熱分解法により製造されている。元来、熱分解反応は分子の分解および再結合を伴う複雑な反応であるため、多種類の副生物を伴う。従って、多種類の副生物を含む熱分解生成物から目的とする高純度TFEを効率良く分離精製し、また未反応のR−22を効率良く再使用することが重要課題である(特許文献12参照)。
5.COF 製造原料としてのTFEの製造方法
テトラフルオロエチレン(TFE)は、工業的にはクロロジフルオロメタンHCFC−22(R−22と呼ぶこともある。)の高温熱分解法により製造することができる。
HCFC−22の熱分解反応における熱分解温度はHCFC−22が分解する温度であれば良いが、TFEの収率を高めるために、通常は600〜700℃の雰囲気で反応が行われる。熱分解の方法は、内熱法と外熱法の2種類ある。内熱法は、HCFC−22と加熱水蒸気とを接触させることによって加熱する方法であり、多くの現場で採用されている。一方、HCFC−22を熱分解反応装置中に供給して反応装置外部から、熱媒体、直接加熱等の方法によって熱を供給するのが外熱法である。
ところで、熱分解反応は分子の分解および再結合を伴う複雑な反応であるため、多くの反応副生物を伴う。従って、これら反応副生物を含む熱分解生成物から目的とする高純度TFEを効率良く分離精製し、また未反応のHCFC−22を効率良く再使用することが重要課題であった。
そのためのTFEの精製は、HCFC−22の熱分解反応生成物を冷却、脱酸、乾燥し、第1精留装置へ供給して精留し、第1精留装置の塔頂から一酸化炭素、トリフルオロメタン等のTFEより低沸物の全量を抜き出すと共に底部からこれら以外のTFEを含む高沸物を排出し、次いで高沸物を第2精留装置に供給して塔頂から目的とするTFEを留出し、底部よりTFEより高沸点成分を排出させることによって行われていた。
このとき、第2精留装置の底部排出成分には、原料であるHCFC−22の他にTFEより高沸点の多くの成分が含まれるため、該底部排出成分を精製することによってHCFC−22を分離し、熱分解によって消費されたR−22を補充して再度熱分解工程に供給していた。
特開平11−116216号公報 特公昭45−26611号公報 特開2003−267712号公報 特表2002−515011号公報 特開昭54−158396号公報 米国特許3088975号 米国特許2836622号 EP0253527号公報 米国特許3639429号 米国特許第3404180号 USSR Inventor’s Certificate No.424809(1974)and RU(11)2167812 特開平7−233104公報 WO2005/105668号公報 「Evaluation of COF▲下2▼ in Mass Production Line」,Masaji Sakamura,及び「Alternate Gas for CVD Cleaning」,Yuki Misui,12th Annual ISESH Conference(Portland)2005年7月19−23日。 (財)地球環境産業技術研究機構(RITE)企画調査グループ企画チーム 技術情報誌[RITE WORLD」第1号(創刊号)研究グループ便り 半導体CVD洗浄プロジェクト報告[平成17年8月16日検索]インターネット<URL:http://www.rite.or.jp/Japanese/kicho/kikaku/world/world04/01−18_19.pdf> 日本経済産業新聞、「液晶生産用洗浄ガスCOF▲下2▼に転換」、2005年、6月30日。 J.Amer.Chem.Soc.,91,4432(1969) J.Amer.Chem.Soc.,102,7572(1980)
フッ化カルボニル(COF)の製造方法は上記のとおり大きく分けて四つの方法があるが、そのうちの1つである上記特許文献10等に記載されるテトラフルオロエチレン(TFE)を原料とする方法は、爆発を避けるために高価なガス状のフッ素化合物(希釈剤)を酸素に対して10から100倍添加する必要があった。
また、原料となるTFEをHCFC−22から製造することは知られていたが、この製造方法は熱分解であるために、トリフルオロメタンをはじめとする様々なフッ素化合物を主体とする副生物が産生され、その精製に、またその未反応HCFC−22の回収等に多くの労力、コスト、設備を要した。
したがって、本発明の目的の1つは、TFEを原材料として、毒性の強いホスゲン等の原料や手に入れにくい副原料、特に希釈剤としての各種フッ素化合物等を使うことなく、より安価で効率的で、しかも爆発等の恐れがなく、安全に、かつ連続的に収率よくCOFを製造する方法を提供することである。
また、本発明の他の目的の1つは、HCFC−22を原材料として、これを熱分解してTFEを製造し、これを精製することなくそのまま原材料としてCOFをより安価で効率的で、しかも爆発等の恐れがなく、安全に、かつ連続的に製造する方法を提供することである。
従来、TFEと酸素を直接反応させた場合は爆発の可能性が危惧され、その防止ために酸素ガスの10倍量の希釈剤(ガス状のフッ素化合物)が用いられていた。
しかしながら、本発明者らにより、今や、従来希釈剤として用いられてきた希釈剤としてのフッ素化合物が、限定的なものであることが見出された。即ち、本発明者らは、精製された純度の高いTFEを用いるとき、或いはHCFC−22から製造された未精製のTFEを用いるときには、爆発防止のための多量の希釈剤が必ずしも必要でないこと、また、窒素ガスの存在がTFEの酸化反応の進行を妨げることを見出した。
本発明者らは、COFの製造及びTFEの製造工程におけるフッ素化合物に着目し、HCFC−22からTFEを製造するときに生じる副産物としてのフッ素化合物は、TFEを原料としてこれを酸素ガスで酸化するCOFの製造方法においては何ら反応に悪影響をあたえるようなものではなく、これを除去する、即ち精製する必要が全くないことを知見して、また、TFEを酸化してCOFを製造する際には可能な限り共存する窒素ガスを排除することによってその収率が向上することを知見し、さらには、フッ化カルボニル(COF)の製造に際して、反応熱を効率よく発散させるなど反応方法や反応条件を適宜設定すれば、希釈剤を用いることなく、あるいは少量用いるだけで、爆発の危険性を伴うことなく、COFを効率よく製造できることを知見して本発明を完成させた。
本発明によれば、TFEそれ自体を、あるいは、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)を熱分解することによって得られる未精製のTFEをそのまま酸素ガスを加えて反応させることによって、目的とするフッ化カルボニル(COF)を製造することができる。
本発明は、具体的には以下のとおりである。
1.反応容器内に、精製されたテトラフルオロエチレンガス、テトラフルオロエチレン製造時の反応副生物を含む未精製のテトラフルオロエチレンガス組成物及びフッ素化合物からなる希釈剤を第三成分として含むテトラフルオロエチレンガス混合物から選ばれるテトラフルオロエチレンガスであって、かつ該テトラフルオロエチレンガス中のテトラフルオロエチレンの含量が他の成分の量に対してモル比で1/10より大きいテトラフルオロエチレンガスを該テトラフルオロエチレンに対して0.9乃至5モル量の酸素ガスとともに導入して、加熱反応させることを特徴とするフッ化カルボニルの製造方法。
2.酸素量が、テトラフルオロエチレンに対して0.9乃至3.5倍モル量である上記1に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
3.反応容器中に存在する窒素ガス含量が酸素ガス含量の3倍モル以下である上記1又は2に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
4.反応容器内に金属フッ化物、金属酸化物及び金属からなる群から選ばれる触媒又は熱媒体としての充填剤が充填されていることを特徴とする上記1乃至3のいずれかに記載のフッ化カルボニルの製造方法。
5.テトラフルオロエチレンガスと酸素ガスの反応のための反応容器が、耐腐食性密封反応容器であり、かつ、酸素ガス1モルに対して30L乃至40Lの容量を有する容器であることを特徴とする上記1乃至4のいずれかに記載のフッ化カルボニルの製造方法。
6.テトラフルオロエチレンガスと酸素ガスの反応のための反応容器が、酸化反応用反応管である上記1乃至4のいずれかに記載のフッ化カルボニルの製造方法。
7.酸化反応用反応管が、耐腐食性反応管であり、直径0.3mm乃至30mmに対して長さが0.1m乃至30mであることを特徴とする上記6に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
8.反応管中のテトラフルオロエチレンガスの滞留時間が1〜30秒である上記6又は7に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
9.気相での加熱反応温度が300℃乃至450℃である上記1乃至8のいずれかに記載のフッ化カルボニルの製造方法。
10.反応容器内に導入するテトラフルオロエチレンガスが、精製された高濃度テトラフルオロエチレンガス、または該精製された高濃度テトラフルオロエチレンガスと希釈剤からなるテトラフルオロエチレンガス混合物であって、該高濃度テトラフルオロエチレンガスまたはテトラフルオロエチレンガス混合物中のテトラフルオロエチレン含量がモル比で1/10より大きいテトラフルオロエチレンガスである上記1に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
11.反応容器内に導入するテトラフルオロエチレンガスが、HCFC−22の熱分解反応によって得られる未精製テトラフルオロエチレンガス組成物又は該未精製テトラフルオロエチレンガス組成物と希釈剤からなるテトラフルオロエチレンガス混合物であって、該未精製テトラフルオロエチレンガス組成物又はテトラフルオロエチレンガス混合物中のテトラフルオロエチレン含量がモル比で1/10より大きいテトラフルオロエチレンガスである上記1に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
12.クロロジフルオロメタンガスを熱分解し、塩酸を除去し、これを乾燥することによって得られるテトラフルオロエチレンガス組成物を精製することなく、引き続き希釈剤の不存在下に酸素ガスとともに反応容器内に導入してこれを気相で加熱反応させることを特徴とするフッ化カルボニルの製造方法。
13.750乃至950℃に加熱した水蒸気をクロロジフルオロメタンに対して5乃至15倍量加え、熱分解用反応管中に流すことによってHCFC−22ガスを熱分解すること特徴とする上記12に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
14.熱分解用反応管が、直径が0.3mm乃至10mmであり、長さが200mm乃至600mmである上記13に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
15.熱分解反応管中のクロロジフルオロメタンガスの滞留時間が、0.001〜0.1秒である上記14に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
16.酸素量が、テトラフルオロエチレンに対して0.9乃至3.5倍モル量である上記12乃至15のいずれかに記載のフッ化カルボニルの製造方法。
17.反応容器中に存在する窒素ガス含量が酸素ガス含量の3倍モル以下である上記12乃至16のいずれかに記載のフッ化カルボニルの製造方法。
18.テトラフルオロエチレン組成物と酸素ガスの反応のための反応容器が酸化反応用反応管である上記12乃至17のいずれかに記載のフッ化カルボニルの製造方法。
19.酸化反応用反応管が、直径0.3mm乃至30mmに対して長さが0.1m乃至30mであることを特徴とする上記18に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
20.酸化反応用反応管中のテトラフルオロエチレンの滞留時間が、1〜30秒である上記18または19に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
21.反応容器内に導入したクロロジフルオロメタンを加熱して熱分解し、生成したテトラフルオロエチレンガスから塩酸を除去し、更に乾燥して得られるフッ化カルボニル製造のための未精製のテトラフルオロエチレンガス組成物。
本発明によれば、従来のように酸素の10倍量以上という多量の希釈剤を使用する必要がないばかりか、必ずしも精製された高価なTFEを使用する必要もない。単に、TFEそれ自体を、あるいは、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)を熱分解することによって得られる精製された又は未精製のTFEガス組成物を、酸素ガスを加えて反応させることによって、目的とするフッ化カルボニル(COF)を連続的に製造することができる。したがって、TFEの精製や高価な希釈剤の使用が不要となり、しかも爆発等の危険性もなく、安全に効率的に、かつ安価に、連続的に目的とするフッ化カルボニル(COF)を製造することができる。
また、従来は、HCFC−22から高温熱分解法により製造されたTFE組成物は精製しない限り商品価値はないとされていたが、本発明に適用するときは特に精製の必要もないので、そのままCOFの製造原料として使用することができ、未精製のTFE組成物の新たな用途を切り開くものであって、その価値の向上は顕著である。
(1)バッチ法とフロー法
本明細書において「反応」とは、密閉容器内におけるバッチ法による反応、あるいは反応管内に原料を流しつつ反応させるフロー法(連続法)を意味する。好ましくはフロー法(連続法)である。
(2)反応容器
「反応容器」とは、バッチ法のための「密封反応容器」又はフロー法のための筒状等の「反応管」を意味し筒の形状はいかなるものでもよい。「反応容器にガスを導入する」とは、バッチ法による反応を行うため密閉容器内にガスを充填する、あるいはフロー法による反応を行うため反応管にガスを流通させることを意味する。これら容器の素材は、耐腐食性のステンレス材、モネル、ハステロイ、インコネル合金製のものが好ましい。
使用する「密封反応容器」の大きさ、特にTFEからCOFの製造工程で使用する容器の大きさは、爆発的反応を抑えるべく低圧力で反応させるため、原料に対して十分に大きな反応容器を使うことが好ましい。反応のスケールや条件にも依存するが、例えば数ミリモルのスケールでは酸素ガス1モルに対して30L乃至40Lの容器とする事が好ましい。
「反応管」を使用する場合は、使用する反応管の直径と長さの比は、製造スケール、反応温度、気体の流速等によって異なる。ここでは、HCFC−22の熱分解工程で使用する反応管を「熱分解用反応管」と呼び、TFEと酸素からCOFを製造する工程で使用する反応管を「酸化反応用反応管」と呼ぶ。
TFEからCOFを製造する場合は高温の反応熱を発するので、酸化反応用反応管は放熱効率のよいものが推奨される。例えば、直径(内径)に対して長さの比が十分に大きい反応管が例示される。これらはガスの流量にも依存するが、例えば、直径0.3mm乃至30mmに対して長さが0.1m乃至30m、より好適には直径2mm乃至15mmに対して長さは0.2m乃至15mであり、酸化反応用反応管中のTFEの滞留時間(但し、この「滞留時間」は原料ガスが反応管内に滞留する時間を意味し、(反応管容積/(0℃、1気圧における原料ガスの供給速度)で表される。単位は秒である。以下、同様。)が、1〜30秒となるようにTFEを送り込むのが好ましい。
また、HCFC−22からTFEを製造する場合は、HCFC−22の流量にも依存するが、熱分解反応管の好適な直径(内径)は0.3mm乃至10mm、好適には2mm乃至10mmであり、それに対する長さは200mm乃至600mmであり、熱分解反応管中のHCFC−22の滞留時間が、0.001〜0.1秒となるようにHCFC−22を送り込むのが好ましい。
また、HCFC−22の熱分解反応における好ましい水蒸気量はHCFC量の5乃至15倍である。
反応熱を効率よく発散できるならば、これら酸化反応用及び熱分解用反応管の形状に特に制限はない。例えば、上記のような長さ数mに及ぶ反応管を、加熱などの操作や取り扱いを容易にするため螺旋状に巻いて小さくして使用してもよい。
(3)酸素ガス
「酸素ガス」とは、純粋な酸素ガス乃至高純度な酸素ガス、実質的に酸素のみからなるガスを意味する。これら酸素ガスは、例えばボンベに封入されて市販されているものであっても、あるいは他の工業的に入手可能な酸素ガスであってもよい。「高純度の酸素ガス」とは、好適には95モル%以上、更に好適には99%以上の純度のものである。
(4)窒素ガス
なお、窒素ガスの混入は本反応を妨げるので、その量は少ないほうが良い。窒素ガスの許容される混入量は、好適には酸素ガスに対して3倍モル量以下、より好適には2倍モル量以下、さらに好適には1倍モル量以下、最も好適には酸素に対して10モル%以下が好ましい。よって、「窒素ガスの不存在下」とは、反応を阻害する量の窒素ガスを実質的に含まないという意味であり、窒素ガスが酸素に対して10モル%以下、好ましくは5モル%以下、さらに好ましくは無存在である状態を意味する。
反応容器内に空気として混在する窒素ガスを除くには、反応容器内を上記酸素ガスや反応原料であるTFEまたはHCFC−22で流通置換させる、または反応容器を真空引きした後に酸素ガスやTFE又はHCFC−22を充填することによって容易に達成できる。
(5)酸素ガスとTFE
酸素ガスの量は、TFEと酸素の反応がそれぞれ等モル反応であるので、反応効率及び経済性の観点から最適には両者の混合比は等モルである。しかし、酸素がTFEに対して等モル以上、例えば5モルであっても本反応を妨げるものではない。また、場合によっては1モルのTFEに対して酸素が0.9モルであってもよい。よって、TFEに対する酸素の許容されるモル量は0.9乃至5倍モルであり、推奨されるモル量は0.9乃至3.5倍モル、特に好ましくは0.9乃至1.5倍モル、最適には等モル量である。ここで、等モル量とは必ずしも厳密な等モルを意味するものではなく0.9乃至1.2モルを意味する。
また、精製されたTFEガス又は未精製のTFEガス組成物に対する酸素の混合比は、精製された又は未精製のTFEガス組成物に含まれるTFEの割合を考慮して決定すればよい。また、TFEの含量がモル比で1/10より大きいことを条件として希釈剤を加える場合も、これに含まれるTFEの割合を考慮して決定すればよい。
(6)クロロジフルオロメタン
「クロロジフルオロメタン」は、HCFC−22とも呼ばれるフッ化物(CHClF)である。市販のHCFC−22を使用することができる。純度は、特に制限はないが、高純度な程好ましく、好適には90%以上、更に好適には98%以上のものである。
(7)加熱反応と熱分解温度
「加熱反応」における加熱温度は、反応時間、反応スケール等によって異なるが、TFEからCOFへの変換反応においては好適には300℃乃至450℃である。バッチ式の反応容器の場合は好適には350℃乃至450℃、反応管を用いた連続法の場合は好適には300℃乃至450℃である。
また、HCFC−22を熱分解してCOFの製造原料であるTFEを製造する場合の熱分解温度は、熱分解反応管の径、反応管中を流れるHCFC−22の流速、希釈剤濃度、その他要件によって異なるが好適には700℃乃至950℃であり、更に好適には750℃乃至950℃である。
(8)テトラフルオロエチレンガス
「テトラフルオロエチレンガス(TFEガス)」は、下記のごとき精製されたTFEガス、TFE製造時の反応副生物を含む未精製のTFEガス組成物、フッ素化合物からなる希釈剤を第三成分として含むTFEガス混合物を意味する。ただし、TFEガス中のTFEの含量は、TFE製造時の反応副生物や希釈剤等からなる他のガス成分に対してモル比で1/10より大きいことが必要である。
(9)精製されたテトラフルオロエチレンガス
「精製されたテトラフルオロエチレンガス」とは、未精製のTFEガス組成物に対応する用語であり、純粋なTFEガス、市販乃至は工業レベルで生産される精製された高純度・高濃度のTFEガスを意味する。具体的にはTFE濃度が90%以上、好ましくはTFE濃度が98%以上のものを意味する。
(10)テトラフルオロエチレンガス組成物
「テトラフルオロエチレンガス組成物(TFEガス組成物)」は、市販乃至は工業レベルで生産される未精製のTFEガス組成物を意味する。好ましくは、HCFC−22の熱分解反応によって得られるTFEガス組成物(HCFC−22由来TFE組成物)である。「HCFC−22由来TFEガス組成物」は、主成分のTFEのみならず、その反応によって副生する種々のフッ素化合物からなる熱分解副生物及び未反応のHCFC−22を含むガス組成物である。ただし、TFEガス組成物中のTFEの含量は、反応副生物や未反応原料等からなる他のガス成分に対してモル比で1/10より大きいことが必要である。なお、希釈剤としてのフッ素化合物はテトラフルオロエチレンガス組成物の範疇に包含されない。
一般的には、HCFC−22からTFEへの選択率(変換率)は70〜95といわれている。副生成物は、トリフルオロメタン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロクロロエタン、パーフルオロシクロブタン等のフッ素化合物、一酸化炭素等である。
(11)テトラフルオロエチレンガス混合物
「テトラフルオロエチレンガス混合物(TFEガス混合物)」とは、フッ素化合物からなる希釈剤を第3成分として含むTFEガス混合物を意味するものである。具体的には、上記「精製されたTFEガス」またはTFE製造時の反応副生物を含む未精製のTFEガス組成物にフッ素化合物からなる希釈剤を混合したものを意味する。TFEガス組成物の場合と同様、TFEガス混合物中のTFEの含量は、TFE製造時の反応副生物や希釈剤等からなる他のガス成分に対してモル比で1/10より大きいことが必要である。
(12)他の成分の量に対してテトラフルオロエチレンの含量がモル比で1/10より大きいTFEガス
「他の成分の量に対してTFEの含量がモル比で1/10より大きいTFEガス」とは、上記「精製されたTFEガス」、「未精製のTFEガス組成物」、または上記精製されたTFEガス若しくは未精製のTFEガス組成物と希釈剤からなる「TFE混合物」であって、それらガス中のTFE含量がTFE製造時の反応副生物や希釈剤等からなる他のガス成分に対してモル比で1/10より大きいガスを意味する。
(13)フッ素化合物
「フッ素化合物」とは、炭素数1乃至10、好ましくは炭素数1乃至4、さらに好ましくは炭素数1又は2のフッ素原子を有する化合物を意味し、例えば、COF、クロロフルオロカーボン類(CFCs)、ヒドロクロロフルオロカーボン類(HCFCs)、ペルフルオロカーボン類(PFCs)、ヒドロフルオロカーボン類(HFCs)などのフッ化炭素化合物を例示することができる。具体的に例示すれば、以下のとおりである。
CFCsの例としては、CFC−11(CClF)、CFC−12(CCl)、CFC−113(CClCFCClF)等を挙げることができるが、特に好ましくはCFC−113である。HCFCsの例々しては、HCFC−22(CHClF)、HCFC−123(CHClCF)、HCFC−141b(CHCClF)、HCFC−142b(CHCClF)等を挙げることができるが、特に好ましくはHCFC−22である。PFCsの例としては、C等を挙げることができる。HFCsの例としては、HFC−23(CHF)、HFC−32(CH)、HFC−125(CHFCF)、HFC134a(CHFCF)、HFC−143a(CHCF)、HFC−152a(CHCHF)等を挙げることができる。
その他、反応に支障を及ぼすことのない希釈剤は、CFC/HCFC混合タイプ(例えば、R−502(HCFC−22/CFC−115共沸混合物))、HFC混合物(例えば、R−404A(HFC−125/143a/134a混合物)、R−407C(HFC−32/125/134a混合物)、R−410A(HFC−32/125混合物))であっても良い。
(14)他の成分
「他の成分」とは、HCFC−22由来TFEガス組成物中に含まれる熱分解副生物及び未反応のHCFC−22や、TFEガス混合物中に含まれる希釈剤を意味する。
(15)希釈剤
「希釈剤」とは、TFEからCOFを製造する際に、精製されたTFEガス乃至未精製のTFEガス組成物に追加的に加えてもよいフッ素化合物を意味する。なお、HCFC−22から連続的にCOFを製造する際に副生物として生じたこれらフッ素化合物は、TFE生成物中に必然的に混入されたものであって、意図的に加えるものではないので、ここでは希釈剤の範疇に含めない。本発明においては、TFEガスと酸素ガスを、TFEに対して酸素が0.9乃至5倍モル量となるような条件、好ましくは等モル量で反応させればよく、基本的にはフッ素化合物からなる希釈剤を改めて加える必要はない。しかしながら、更なる安全性を期するなど特別な場合は、希釈剤の共存、混入が許容される。ただし、生成物中の不純物をさらに増加させる恐れがあるため、このTFEガスと酸素ガスとの反応の生成物を還流し希釈剤として使用することは行わない。希釈剤を混入する場合、その量は精製されたTFEガスあるいは未精製のTFEガス組成物中のTFE以外の成分と希釈剤との合計のモル数が、TFEのモル数に対して10倍未満となるようにすればよい。原則的には、本発明においては希釈剤の混入は不要である。
次に、COFの製造方法について述べる。
従来、TFEと酸素のみとの反応では爆発を生じるとされてきたが、本発明者らは、好ましくは窒素の不存在下に、酸素、好ましくは等モル量の酸素と反応させることにより、精製されたTFEガスは勿論のこと、未精製の市販TFEをそのまま、あるいはHCFC−22の熱分解によって得られたTFEガス組成物を分離精製することなくそのまま使用することにより、効率よく、安全に、しかも高収率でCOFを合成することができることを見出した。
本発明で使用するTFEは、市販乃至は工業レベルで生産されるTFEを主成分として含有するTFEガス、HCFC−22から製造された未精製のTFEガス組成物又はそれを精製したTFEガスを使用することが出来る。必要に応じて希釈剤を混合してもよい。
HCFC−22からTFEの製造は、従来通常に行なわれている方法に従って、クロロジフルオロメタンHCFC−22を高温熱分解法によって製造すればよい。HCFC−22と加熱水蒸気とを接触させることによって加熱する内熱法、あるいはHCFC−22を熱分解反応装置中に供給して反応装置の外部から、熱媒体、直接加熱等の方法によって熱を供給する外熱法であってもよい。いずれの熱分解方法においても、熱分解反応装置中に供給する前にHCFC−22を予め200〜400℃に加熱しておくことで熱分解を短時間で行うことができる。
得られたTFEガス組成物は精製して、又は精製することなく、本発明のCOF製造原料として使用することが出来る。通常、HCFC−22の熱分解反応は、分子の分解および再結合を伴う複雑な反応であるため、多くの反応副生物を伴うため、これら反応副生物を分離精製し、また未反応のHCFC−22を再使用するために回収する操作が行なわれているが、本発明においては、TFEガス組成物をそのままCOF製造原料として使用できるので、そのような精製や回収は必ずしも必要ない。
TFEの製造に用いる水蒸気それ自体は、反応温度より高い750乃至950℃に加熱したものが好ましい。HCFC−22と水蒸気の供給比率は、特に制限されるものではなく、HCFC−22の熱分解を十分に行うことができる程度であればよい。一般的には、水蒸気がHCFC−22の5乃至15倍量、即ち、HCFC−22/水蒸気(モル比)=1/5〜1/15の範囲であることが好ましい。また、熱分解反応装置中のHCFC−22の滞留時間は、十分な分解反応を行うためには0.001〜0.1秒であることが好ましい。
熱分解温度はHCFC−22が分解する温度であれば良いが、TFEの収率を高めるために、600〜950℃の雰囲気で反応を行なう。以上、TFEの製造は、基本的には従来法に従えばよい。
TFEからCOFの製造は、精製されたTFEガス、TFE製造時の反応副生物を含む未精製のTFEガス組成物及びフッ素化合物からなる希釈剤を第三成分として含むTFEガス混合物から選ばれるTFEガスであって、かつ該TFEガス中のTFEの含量が他の成分の量に対してモル比で1/10より大きいTFEガスをTFEに対して0.9乃至5モル量の酸素ガスとともに反応容器内に導入して、これを300℃乃至450℃に加熱することによって行われる。
TFEガスは特に限定されるものではないが、TFE製造時の反応副生物を含む未精製のTFEガス組成物が好ましい。
反応の方法は、密封反応容器を用いたバッチ式であってもよいが、HCFC−22から一貫してCOFを合成するフロー法(連続法)が好ましい。特に限定するものではないが、TFEと酸素との反応で生じる熱を効率よく発散できるような反応方式(例えば十分に細長い反応管を用いて効率的に放熱できるようにした反応方式)で行うことにより、高収率でCOFを合成することができる。その他、バッチ式か連続式か、また、反応のスケールなどにより異なるが、バッチにおける反応容器の大きさ、フロー式における流量、反応管の太さや長さ、反応温度、接触時間などをうまく設定することにより、COFを効率よく、安全、安価に製造することが可能となる。COF製造のための好ましい反応方式の具体例としては、例えば、密封反応容器で反応させる場合は、酸素ガス1モルに対して30L乃至40Lの容量を有する容器を用いて反応させる方式を、また、反応管を使用する場合はTFEの滞留時間(但し、この滞留時間が、1〜30秒となるようにTFEと酸素をそれぞれ送り込む反応方式を挙げることができる。
バッチ法の場合、原料に対して充分に大きな反応容器を用い、低圧力で反応させる等の方法が推奨できる。例えば、TFEと酸素がそれぞれ2mmol程度ずつであれば、75ml程度の反応容器にそのTFEと酸素のみを加えて400℃程度に加熱する、という方法が例示できる。詳しくは上述のとおりである。
フロー法の場合、TFEガスとほぼ等モルとの酸素ガスを反応管中に流入混合して十分に長い細管中に流通させつつこの細管を加熱して反応させる等の方法が推奨される。この方式の場合、好ましい反応管の径や長さ、加熱温度などはガスの流量によって異なるが、例えば、TFEと酸素の流量がそれぞれ毎分60mlずつ程度であれば、直径(内径)が3mm程度、長さが10m程度の反応管を用いて加熱温度を350℃程度とし、反応管での滞留時間を11秒程度とする、などの反応条件が例示できる。また、TFEや酸素の流量にもよるが、直径が6mm程度、長さが2m程度の反応管を用いて加熱温度を400℃程度、反応管での滞留時間を3乃至6秒程度とする、直径が14mm程度、長さが0.3m程度の反応管を用いて加熱温度を400℃程度、反応管での滞留時間を6秒程度とする、などの条件も例示できる。
反応の際に、反応容器に触媒あるいは熱の媒体として充填物を入れることができる。充填物としては、金属フッ化物、金属酸化物、金属などが例示できる。金属フッ化物としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化アルミニウムなどの典型金属フッ化物や、フッ化鉄、フッ化コバルト、フッ化ニッケル、フッ化マンガン、フッ化銅、フッ化亜鉛などの遷移金属フッ化物が例示できる。金属酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの典型金属酸化物や、酸化鉄、酸化コバルト酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化銅、酸化亜鉛などの遷移金属酸化物が例示できる。金属としては反応を妨げないものならよく、インコネル、ハステロイなどが例示できる。また、鉄の表面を酸化して酸化物としたものなど、金属と金属塩、異なる金属塩の組み合わせでもかまわない。
本反応で得られた粗生成物は、通常の精製法により高純度なCOFとすることができる。例えば、粗生成物を蒸留塔を用いて蒸留精製することにより、純度99%以上のCOFを得ることができる。蒸留によって分離されたHCFC−22はTFEの原料として再利用できる。
本反応は、高純度TFEガス又はTFEガス組成物と酸素により行なうことができる。また、所望により、TFEガスあるいはTFEガス組成物中のTFE以外の成分と希釈剤との合計のモル数が、TFEのモル数に対して10倍未満となるような量の希釈剤を並存させてもよい。勿論、これも本願発明に含まれる。
このように、本発明によれば、従来のように効果なフッ素化合物からなる大量の希釈剤を使用する必要がないばかりか、精製された高価なTFEガスを使用する必要もない。HCFC−22の熱分解によって工業的に合成された未精製のTFE組成物をそのまま使用することができる。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。
実施例1;TFEからCOF の製造(バッチ法)
ステンレススチール製反応容器(75ml)に−196℃でTFE(2.2mmol)と酸素(2.2mmol)を真空ラインを用いて導入して反応容器内の空気を完全に排除すると共に同容器内をTFEと酸素で充填した後、これを400℃に加熱して30分間反応させた。真空ライン走査により生成物を−196℃トラップに移し、その量を測定したところ4.3mmolであった。
生成物をFT−IRで分析し、標準サンプルと比較したところ、生成物は主にCOFであり、収率は約98%であった。
実施例2;HCFC−22からCOF の連続製造(1)
工程1;HCFC−22からCOF の製造原料としてのTFEの製造(フロー法)
直径3mm(内径約2mm)、長さ300mmのインコネル製反応管にHCFC−22を毎分170mlで、900℃に加熱した水蒸気を毎分1700mlで流通させて加熱し、これを900℃の温度で反応させた後、生成物を水洗し、塩化カルシウム管及びソーダライム管を通して乾燥させた。
分析のため、この得られた組成物を一部取りガスクロマトグラフィーにより分析したところ、HCFC−22の転化率は70%、TFEの選択率は99%以上であった。
工程2;TFEからCOF の製造(フロー法)
工程1で得られたTFE組成物(ガス流量毎分110ml)を精製することなくそのまま200℃に予熱し、毎分60mlで流入させて200℃に予熱した酸素と混合し、この混合ガスを直径3mm(内径約2mm)、長さ10mのインコネル製反応管に流しつつ、350℃温度で反応させた。なお、このとき滞留時間は約11秒であった。
得られた生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、TFEからの収率98%でCOFが得られた。
実施例3;HCFC−22からCOF の連続製造(2)
直径3mm(内径約2mm)、長さ300mmのインコネル製反応管にHCFC−22を毎分253mlで、920℃に加熱した水蒸気を毎分1700mlで流通させて加熱し、これを920℃の温度で反応させた。生成物を水洗し、塩化カルシウム管とソーダライム管を通した後に200℃に予熱し、毎分285mlで流入させて200℃に予熱した酸素と、混合し、この混合ガスを直径6.4mm(内径約4mm)、長さ2mのインコネル製反応管に流しつつ、400℃温度で反応させた。なお、このとき滞留時間は約3秒であった。
得られた生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、TFEからの収率90%でCOFが得られた。
実施例4;HCFC−22からCOF の連続製造(3)
直径3mm(内径約2mm)、長さ300mmのインコネル製反応管にHCFC−22を毎分253mlで、920℃に加熱した水蒸気を毎分1600mlで流通させて加熱し、これを920℃の温度で反応させた。生成物を水洗し、塩化カルシウム管とソーダライム管を通した後に200℃に予熱し、毎分109mlで流入させて200℃に予熱した酸素と、混合し、この混合ガスを直径6.4mm(内径約4mm)、長さ2mのモネル製反応管に流しつつ、400℃温度で反応させた。なお、このとき滞留時間は約6秒であった。
得られた生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、TFEからの収率97%でCOFが得られた。
実施例5;HCFC−22からCOF の連続製造(4)
直径3mm(内径約2mm)、長さ300mmのインコネル製反応管にHCFC−22を毎分253mlで、920℃に加熱した水蒸気を毎分1600mlで流通させて加熱し、これを920℃の温度で反応させた。生成物を水洗し、塩化カルシウム管とソーダライム管を通した後に200℃に予熱し、毎分109mlで流入させて200℃に予熱した酸素と、混合し、この混合ガスを直径14mm(内径約11mm)、長さ30cmのインコネル製反応管に流しつつ、370℃温度で反応させた。なお、このとき滞留時間は約6秒であった。
得られた生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、TFEからの収率100%でCOFが得られた。
実施例6;HCFC−22からCOF の連続製造(5)
直径3mm(内径約2mm)、長さ300mmのインコネル製反応管にHCFC−22を毎分253mlで、920℃に加熱した水蒸気を毎分1600mlで流通させて加熱し、これを920℃の温度で反応させた。生成物を水洗し、塩化カルシウム管とソーダライム管を通した後に200℃に予熱し、毎分109mlで流入させて200℃に予熱した酸素と、混合し、この混合ガスを直径14mm(内径約11mm)、長さ30cmのインコネル製反応管に流しつつ、400℃温度で反応させた。なお、このとき滞留時間は約6秒であった。
得られた生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、TFEからの収率88%でCOFが得られた。
実施例7;HCFC−22からCOF の連続製造(6)
表面を酸化鉄とした網状の鉄を15ml反応管に入れておく以外は、実施例6と同様にして反応を行った。
得られた生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、TFEからの収率94%でCOFが得られた。
比較例1;窒素ガス存在下におけるTFEと酸素の反応(1)
実施例2の上記工程1で得られたTFE組成物を200℃に予熱し、200℃に予熱しておいた空気と混合(酸素量として毎分60から100ml)し、直径3mm(内径約2mm)、長さ10mのインコネル製反応管に350℃温度で流通させた。
反応管からのガスをガスクロマトグラフィーで分析したところ、TFEと空気との反応は進んでいないことがわかった。
比較例2;窒素ガス存在下におけるTFEと酸素の反応(2)
酸素の代わりに空気(酸素量として毎分109ml)を用いる以外には実施例4と同様にして反応を行った。
得られた生成物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、COFは生成したが収率は13%と非常に低かった。
本比較例から、TFE組成物と酸素のみではなく、窒素が存在すると反応が進行しない、または反応が進みにくいことが示された。
本発明の製造方法によれば、窒素ガスの不存在下に、TFE又はTFE生成物と等モル量の酸素ガスを加熱反応させることにより、好ましくは筒状の反応管を用いることにより、COFを容易かつ安全に製造することができる。即ち、本発明によれば、CVD装置(化学的気相蒸着法)のクリーニングガスとして有用なCOFを安価に、効率的に、そして安全に製造することができる。

Claims (20)

  1. 反応容器内に、(1)精製されたテトラフルオロエチレンガス、(2)テトラフルオロエチレン製造時の反応副生物を含む未精製のテトラフルオロエチレンガス組成物、及び、(3)クロロフルオロカーボン類(CFCs)、ヒドロクロロフルオロカーボン類(HCFCs)、ペルフルオロカーボン類(PFCs)及びヒドロフルオロカーボン類(HFCs)から選ばれる希釈剤を第三成分として含むテトラフルオロエチレンガス混合物から選ばれるテトラフルオロエチレンガスであって、かつ該テトラフルオロエチレンガス中のテトラフルオロエチレンの含量が他の成分の量に対してモル比で1/10より大きいテトラフルオロエチレンガスを該テトラフルオロエチレンに対して0.9乃至5モル量の酸素ガスとともに導入して、加熱反応させることを特徴とするフッ化カルボニルの製造方法。
  2. 酸素量が、テトラフルオロエチレンに対して0.9乃至3.5倍モル量である請求項1に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  3. 反応容器中に存在する窒素ガス含量が酸素ガス含量の3倍モル以下である請求項1又は2に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  4. 反応容器内に金属フッ化物、金属酸化物及び金属からなる群から選ばれる触媒又は熱媒体としての充填剤が充填されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  5. テトラフルオロエチレンガスと酸素ガスの反応のための反応容器が、耐腐食性密封反応容器であり、かつ、酸素ガス1モルに対して30L乃至40Lの容量を有する容器であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  6. テトラフルオロエチレンガスと酸素ガスの反応のための反応容器が、酸化反応用反応管である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  7. 酸化反応用反応管が、耐腐食性反応管であり、直径0.3mm乃至30mmに対して長さが0.1m乃至30mであることを特徴とする請求項6に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  8. 反応管中のテトラフルオロエチレンガスの滞留時間が1〜30秒である請求項6又は7に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  9. 気相での加熱反応温度が300℃乃至450℃である請求項1乃至8のいずれか1項に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  10. 反応容器内に導入するテトラフルオロエチレンガスが、精製された高濃度テトラフルオロエチレンガス、または該精製された高濃度テトラフルオロエチレンガスとクロロフルオロカーボン類(CFCs)、ヒドロクロロフルオロカーボン類(HCFCs)、ペルフルオロカーボン類(PFCs)及びヒドロフルオロカーボン類(HFCs)から選ばれる希釈剤からなるテトラフルオロエチレンガス混合物であって、該高濃度テトラフルオロエチレンガスまたはテトラフルオロエチレンガス混合物中のテトラフルオロエチレン含量がモル比で1/10より大きいテトラフルオロエチレンガスである請求項1乃至9のいずれか1項に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  11. 反応容器内に導入するテトラフルオロエチレンガスが、HCFC−22の熱分解反応によって得られる未精製テトラフルオロエチレンガス組成物又は該未精製テトラフルオロエチレンガス組成物とクロロフルオロカーボン類(CFCs)、ヒドロクロロフルオロカーボン類(HCFCs)、ペルフルオロカーボン類(PFCs)及びヒドロフルオロカーボン類(HFCs)から選ばれる希釈剤からなるテトラフルオロエチレンガス混合物であって、該未精製テトラフルオロエチレンガス組成物又はテトラフルオロエチレンガス混合物中のテトラフルオロエチレン含量がモル比で1/10より大きいテトラフルオロエチレンガスである請求項1乃至9のいずれか1項に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  12. 反応容器内に導入するテトラフルオロエチレンガスが、クロロジフルオロメタンガスを熱分解し、塩酸を除去し、これを乾燥することによって得られる未精製のテトラフルオロエチレンガス組成物であり、これを精製することなく、引き続き希釈剤の不存在下に酸素ガスとともに反応容器内に導入してこれを気相で加熱反応させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  13. 750乃至950℃に加熱した水蒸気をクロロジフルオロメタンに対して5乃至15倍量加え、熱分解用反応管中に流すことによってクロロジフルオロメタンガスを熱分解すること特徴とする請求項12に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  14. 熱分解用反応管が、直径が0.3mm乃至10mmであり、長さが200mm乃至600mmである請求項13に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  15. 熱分解反応管中のクロロジフルオロメタンガスの滞留時間が、0.001〜0.1秒である請求項14に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  16. 酸素量が、テトラフルオロエチレンに対して0.9乃至3.5倍モル量である請求項12乃至15のいずれか1項に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  17. 反応容器中に存在する窒素ガス含量が酸素ガス含量の3倍モル以下である請求項12乃至16のいずれか1項に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  18. テトラフルオロエチレン組成物と酸素ガスの反応のための反応容器が酸化反応用反応管である請求項12乃至17のいずれか1項に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  19. 酸化反応用反応管が、直径0.3mm乃至30mmに対して長さが0.1m乃至30mであることを特徴とする請求項18に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
  20. 酸化反応用反応管中のテトラフルオロエチレンの滞留時間が、1〜30秒である請求項18または19に記載のフッ化カルボニルの製造方法。
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