JP4847089B2 - 幅広型シート用のシート処理装置 - Google Patents

Description

本発明は、シート支持プレートを備える幅広型シートのためのシート処理装置であって、前記プレートが、少なくとも１つの吸引チャンバに接続される吸引口を備える上表面を有し、前記少なくとも１つの吸引チャンバが、複数の区画室に分割され、これらの区画室が、区画室内に減圧を形成するように構成される吸引装置に接続されている、シート処理装置に関する。

コピーおよび印刷産業においては、画像受けシートを支持すると同時に支持部材上にシートを完全に平坦に載置させるために、吸引口を有するシート支持部材が、頻繁に使用される。例えば、インクジェットプリンタにおいて、シート、例えば１枚の紙は、画像が印刷される間、シート支持プレート上にわたって進められる。シートは、シートの下側と対向する吸引口に接続される吸引チャンバ内の減圧に起因して、シート支持プレート上に保持される。支持プレート上にシートを十分に平坦に保持するためには、特定の減圧が必要とされる。

幅の異なるシートが印刷される場合、幅が小さいシートは、シート支持部材を完全に覆わない。したがって、一部の吸引口が覆われない。シート支持部材の全域にわたって延びる１つの大きな区画室によって吸引チャンバが形成される場合には、覆われなかった吸引口を通じたエアーの流れにより、吸引チャンバ内の圧力が増大する。これにより、シートが支持部材上にしっかりと保持されなくなる。一方、吸引チャンバ内へのエアーの流れの増大を補償するために高出力の吸引装置が使用される場合には、全ての吸引口が大きなシートで覆われると、吸引が非常に強くなり、支持部材上にわたるシートの前進が妨げられる。

欧州特許出願公開第０９９７３０８号により、２つ以上の真空チャンバを備える媒体押さえつけユニットが知られている。この場合、１つの第１の真空チャンバが、真空源に直接接続され、一方、他の複数の真空チャンバが、それぞれ別個のバイパスチャネルを介して真空源に接続されている。チャンバのサイズは、処理されるシートの様々な幅に対応している。チャンバのうちの１つがシートによって覆われないと、このチャンバからバイパスチャネルを通じてエアーの流れが形成される。エアーの流れは、第１の真空チャンバ内の圧力の均一性に影響を及ぼす。バイパスチャネルおよび第１の真空チャンバは、真空源に通じる管路内への入口で接続されているため、第１のチャンバで供給される圧力の均一性は、わずかな程度までしか影響されない。しかしながら、限られた数の異なるシート幅しか処理することができない。また、支持プレートの区画毎に、余分なバイパスチャネルが必要となり、また、余分な空間が必要となる。
欧州特許出願公開第０９９７３０８号明細書

本発明の目的は、サイズの異なるシートを、適切な吸引圧でシート支持部材上に押さえつけることができるシート処理装置であって、構成が簡単で省スペースなシート処理装置を提供することにある。

本発明によれば、この目的は、前述したタイプのシート処理装置であって、前記区画室のうちの隣り合う区画室間の少なくとも１つの内部壁が、流量制限オリフィスを画定し、前記区画室のうちの少なくとも１つが、吸引装置に直接接続され、少なくとも１つの他の区画室が、前記オリフィスを介して吸引装置に間接的に接続されるシート処理装置によって達成される。

流量制限オリフィスは、シートによって覆われていない区画室からのエアーの流れを制限する。したがって、シートによって覆われる区画室内で、必要な減圧を維持することができる。しかしながら、サイズが大きなシートが、オリフィスによって流路が制限される吸引口も覆うと、流量が実質的に制限される。したがって、オリフィスの流れ抵抗の作用も減少され、シートの全域にわたって吸引作用がほぼ均一になる。また、バイパスチャネル等のために余分な空間が必要なくなる。他の利点は、吸引チャンバ内の適切な位置に内部壁を配置することにより、区画室のサイズを選択できるという点である。したがって、シート処理装置の製造時に、シート支持プレートが、区画室の所要サイズに対して容易に適合される。その上、内部壁は吸引チャンバの外側に余分な空間を必要としないため、区画室の数を容易に増大させることができる。したがって、シート処理装置は、３つ以上のサイズのシートを処理するべく簡単に構成されることができる。

本発明の有用な詳細が、従属請求項に示されている。

区画室は、対称に配置されることが好ましい。したがって、吸引手段からの区画室の最大距離は、例えば吸引装置が、相互に接続された一連の区画室における第１の区画室に接続されている構成に比べて短くなる。この好ましい配置において、より小さいシートは、シート支持プレートの側端部で供給されるのではなく、シート支持プレートの中央部分で第１の区画室上を通過されても良い。

好ましい実施形態においては、少なくとも２つのグループの区画室が、シートの前進方向に配置され、１つのグループだけが、吸引装置に直接接続される区画室を有し、他の１または複数のグループの区画室が、流れ制限オリフィスを介して間接的に接続される。これは、シートがシート搬送方向で支持プレートの一部だけを覆う際に、吸引チャンバ内へのエアーの流れを減少させるのに役立つ。例えば、新たなシートが印刷されてシート支持プレート上へと前進される際、シートは、第１のグループの区画室を既に覆っている一方で、シートの前端が、隣の第２のグループの区画室に未だ達していなくても良い。

プレートの温度を制御しなければならない場合には、プレートの重量およびその熱容量を減らすため、更には支持プレートの十分な厚さおよび安定性を得るため、シート支持プレート内に１つ以上の中空の空間が設けられても良い。この場合、それ自体が多数の開口によって吸引チャンバの区画室に接続される中空の空間に通じるような位置に、吸引口が穿孔されることが好ましい。結果として、更なるエアーの流れが、一方の区画室から中空の空間を介して他方の区画室へと生じる。したがって、これらの区画室を分離する内部壁は、前記中空の空間それぞれにおいて、突起を備えていることが好ましく、突起は、開口を通じて上記中空の空間内へと延びて、中空の空間を通じたエアーの流れをも制限する。

ここで、図面と併せて、本発明の好ましい実施形態を説明する。

図１に示されるように、ホットメルトインクジェットプリンタは、シート１２、例えば１枚の紙を、シート支持プレート１４の上表面にわたって矢印Ａで示される方向に進めるために、断続的に回転駆動されるプラテン１０を備えている。多数の搬送ローラ１６が、カバープレート１８に回転可能に支持されて、プラテン１０と共に搬送ニップを形成しており、これにより、ガイドプレート２０を介してリール（図示せず）から供給されるシート１２は、カバープレート１８の端部とシート支持プレート１４の表面との間に形成された隙間を通じて繰り出される。

シート支持プレート１４の上側には、多数のインクジェット印刷ヘッド（図示せず）を有するキャリッジ２２が、シート１２を横切って矢印Ｂの方向で往復動するように装着されている。キャリッジ２２の通過毎に、印刷ヘッドに対して供給される画像情報にしたがって、ホットメルトインク滴をシート上に射出する印刷ヘッドにより、多数のピクセルラインがシート１２上に印刷される。簡単化のため、キャリッジ２２のためのガイドおよび駆動手段、印刷ヘッドのためのインク供給ラインおよびデータ供給ライン等は、図面に示さなかった。

シート支持プレート１４の上面は、規則的なパターンの吸引口２４を有しており、これらの吸引口は、プレートを貫通して、プレート１４の下側部分に形成された吸引チャンバ２６内へと開口している。吸引チャンバは、チューブ２７を介して吸引チャンバ内に減圧を形成するブロワ２８に接続されており、これにより、エアーが吸引口２４を通じて引き込まれる。その結果、シート１２は、支持プレート１４の平坦な表面に対して吸引されることにより、特にキャリッジ２２によって走査される領域において平坦な状態に保持される。これにより、シートの全幅にわたって、印刷ヘッドのノズルとシート１２の表面との間の距離が一定に確保されて、高い印刷品質を得ることができる。

印刷ヘッドのノズルから射出される溶融インク滴は、１００℃以上の温度を有しており、それがシート１２上に付着された後に冷えて固まる。したがって、画像が印刷される間、インクの熱は、十分な速度で放散されなければならない。一方、画像形成プロセスの初期段階において、シート１２の温度はあまり低すぎてはいけない。これは、シートの温度が低すぎると、シート１２上のインク滴が急速に冷却されてしまい、インク滴が広がることができる十分な時間が得られなくなるからである。このため、シート１２の温度は、温度制御流体、好ましくは液体を、プレート１４にわたって循環させる温度制御システム３０により、シート支持プレート１４を介して制御される。温度制御システムは、プレート１４の両端部に接続されるチューブ３２を有する循環システムを含んでいる。一方のチューブは、温度に応じる液体の容積変化を吸収するためのガスバッファを収容する拡張容器３３を貫通している。容易に理解できるように、温度制御システム３０は、流体の温度を制御するために、ヒータと、温度センサと、ヒートシンク等を有しているとともに、シート支持プレート１４の内部を通じて流体を循環させるため、ポンプまたは他の移動手段を有している。

図２に断面で示されたシート支持プレート１４は、比較的高い熱伝導率および比較的高い熱容量を有する金属等の材料から作られる。プレート１４の内部には、プレート１４の両端部間に、互いに平行に延び且つキャリッジ２２の移動方向（Ｂ）と平行に延びるように、多数の細長いキャビティ３４が形成されており、これらのキャビティ３４は、プレート１４の両端部で、適当なマニホールドを介してチューブ３２に接続されている。各キャビティ３４は、上端壁３６と、下端壁３８と、２つの離間した壁４０とによって範囲が定められている。複数の上端壁３６は、ともに完全に平坦となるように機械加工されるプレート１４の上表面４２を画定する。

隣り合うキャビティ３４の範囲を定める２つの離間した一対の壁４０それぞれの間には、中空の空間４４が形成されている。中空の空間４４は、プレート１４の両端部間で、互いに平行に延びるとともに、キャリッジ２２の移動方向（Ｂ）と平行に延びている。吸引口２４は、中空の空間４４内へと上端壁３６を貫通している。中空の空間４４は、中空の空間の方向に延びるスリットの形態を成す開口６０を介して、吸引チャンバ２６に接続されている。

図３は、吸引チャンバ２６の内部を水平断面で概略的に示している。吸引チャンバ２６は、シート前進方向（Ａ）に延びる内部壁６２と、印刷ヘッドの往復方向（Ｂ）に延びる内部壁６４とを備えている。

内部壁６２、６４は、吸引チャンバ２６を、区画室６６Ａ、６６Ｂ、６６Ｃ、および６８Ａ、６８Ｂ、６８Ｃの２つのグループにそれぞれ分割している。ブロワ２８は、開口６９およびチューブ２７（図１）を介して、第１のグループの区画室の中央にある区画室６６Ｃに直接接続されている。区画室６８Ｃは、壁６４の円形断面を有する３つの流量制限オリフィス７０を介して、その隣の区画室６６Ｃに接続されている。区画室６６Ｂ、６８Ｂは、壁６２のオリフィス７０を介して、区画室６６Ｃ、６８Ｃにそれぞれ接続されている。最も外側の区画室６６Ａ、６８Ａは、壁６２のオリフィス７０を介して、同じグループの区画室の中の隣接する区画室６６Ｂ、６８Ｂに対してのみ接続されている。しかしながら、隣接する区画室６６Ａ、６８Ａは、互いに直接に接続されていない。また、隣接する区画室６６Ｂ、６８Ｂも互いに直接に接続されておらず、区画室６６Ａ、６６Ｂ、６８Ａ、６８Ｂ、６８Ｃが、オリフィス７０および区画室６６Ｃを介して吸引装置に間接的に接続されている。

シート１２は、図１の位置にある場合、第１のグループの区画室６６Ａ、６６Ｂ、６６Ｃの矩形領域をほぼ覆う。第２のグループの区画室６８Ａ、６８Ｂ、６８Ｃに接続された吸引口２４は、シート１２で覆われていないため、エアーが対応する吸引口を通じて流れる。しかしながら、区画室６６Ｃへのエアーの流れは、流量制限オリフィス７０によって制限される。それにより、必要な減圧を、区画室６６Ａ、６６Ｂ、６６Ｃ内で維持することができる。

図４は、図３のＩＶ−ＩＶ線に沿うシート支持プレート１４の断面図を示している。図２とは異なり、断面が壁６２のうちの１つを貫いている。区画室６６Ａ、６６Ｂを接続するオリフィス７０が示されている。

壁６２は、下端壁３８の開口６０（図２）を通じて、中空の空間４４内へと上方に延びて上端壁３６の底部へと至る、複数の突起７２を備えている。これにより、中空の空間４４を通じたエアーの流れが、流量制限部材６２の突起７２により減少される。

幅の狭いシート７４（図１）が、シート支持プレート１４上にわたって前進されると、シート７４は、例えば、区画室６６Ｃ、６８Ｃの領域のみを覆う。区画室６６Ａ、６８Ａ、６６Ｂ、６８Ｂの領域に存在する、覆われていない吸引口２４は、中空の空間４４内へのエアーの流入を可能にする。この場合、突起７２は、例えば、中空の空間４４を通じた区画室６６Ａの領域から区画室６６Ｂの領域へのエアーの流れ、および区画室６６Ｂの領域から区画室６６Ｃの領域へのエアーの流れを制限する。同時に、オリフィス７０は、区画室６６Ａから区画室６６Ｂへのエアーの流れ、および区画室６６Ｂから区画室６６Ｃへのエアーの流れを制限する。これにより、区画室６６Ｃ内で必要な減圧を維持することができる。

図５は、方向Ｂと平行な線に沿う断面図で変形実施形態を示している。この実施形態において、吸引チャンバ２６の幅は、シート支持プレート１４の幅と比較して減少されている。最も外側の区画室６６Ａ、６８Ａは、サイズが減少されているが、それにもかかわらず、図１から図４に関連して説明したシート支持プレート１４の同様の表面領域に接続されている。これは、各吸引口２４を、開口６０を介して例えば区画室６６Ａに接続する中空の空間４４によって、達成される。これにより、吸引口２４を有する上表面４２は、下方に存在する吸引チャンバ２６の幅よりも大きい幅を有することができる。

ホットメルトインクジェットプリンタの概略斜視図である。 図１に示されるプリンタのシート支持プレートの部分断面図である。 図４のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った、シート支持プレートの吸引チャンバの拡大断面図である。 図３のＩＶ−ＩＶ線に沿った、部分断面図である。 シート支持プレートの変形実施形態の部分断面図である。

符号の説明

１０ プラテン
１２ シート
１４ シート支持プレート
１６ 搬送ローラ
１８ カバープレート
２０ ガイドプレート
２２ キャリッジ
２４ 吸引口
２６ 吸引チャンバ
２７、３２ チューブ
２８ ブロワ
３０ 温度制御システム
３３ 拡張容器
３４ キャビティ
３６ 上端壁
３８ 下端壁
４０ 離間した壁
４２ 上表面
４４ 中空の空間
６２、６４ 内部壁
６６Ａ、６６Ｂ、６６Ｃ、６８Ａ、６８Ｂ、６８Ｃ 区画室
６９ 開口
７０ 流量制限オリフィス
７４ シート

Claims (8)

1. 印刷ヘッドキャリッジ（２２）によって走査される領域でシート（１２）を平坦な状態に保持するように構成されるシート支持プレート（１４）を備える、幅広型シートのためのシート処理装置であって、前記プレート（１４）が、少なくとも１つの吸引チャンバ（２６）に接続される吸引口（２４）を備える上表面（４２）を有し、前記少なくとも１つの吸引チャンバ（２６）が、複数の区画室（６６Ａ−Ｃ、６８Ａ−Ｃ）に分割され、該区画室が、区画室内に減圧を形成するように構成される吸引装置（２８）に接続され、前記区画室（６６Ａ−Ｃ、６８Ａ−Ｃ）のうちの隣り合う区画室間の少なくとも１つの内部壁（６２、６４）が、流量制限オリフィス（７０）を画定し、前記区画室のうちの少なくとも１つ（６６Ｃ）が、吸引装置に直接に接続され、少なくとも１つの他の区画室（６６Ａ、６６Ｂ、６８Ａ−Ｃ）が、前記オリフィス（７０）を介して吸引装置に間接的に接続され、シート支持プレート（１４）が、少なくとも１つの中空の空間（４４）を有し、中空の空間（４４）が、複数の前記吸引口（２４）を相互接続するとともに、少なくとも２つの隣り合う区画室（６６Ａ、６６Ｂ、６８Ａ、６８Ｂ）上にわたって延びて、それぞれの開口（６０）を通じて前記区画室に接続され、前記区画室を分離する内部壁（６２）が、前記中空の空間それぞれにおいて、開口（６０）を通じて前記中空の空間（４４）内へと延びる突起（７２）を備えることを特徴とする、シート処理装置。
2. 吸引装置（２８）に間接的に接続される区画室（６６Ａ、６６Ｂ、６８Ａ−Ｃ）が、吸引装置に直接接続される１つの区画室（６６Ｃ）の両側に対称的に配置される、請求項１に記載のシート処理装置。
3. 前記シート支持プレート（１４）上にわたって第１の方向（Ａ）にシートを前進させるためのシート搬送機構（１０、１６）を備え、区画室が、前記第１の方向に配置される少なくとも２つのグループに配置される、請求項１または２に記載のシート処理装置。
4. 前記シート支持プレート（１４）上にわたって第１の方向（Ａ）にシートを前進させるためのシート搬送機構（１０、１６）を備え、区画室が、前記第１の方向と直交する第２の方向（Ｂ）に対称的に配置される、請求項１から３のいずれか一項に記載のシート処理装置。
5. １つの区画室（６６Ｃ）だけが、吸引装置（２８）に直接接続される、請求項１から４のいずれか一項に記載のシート処理装置。
6. シート支持プレート（１４）が、熱伝導材料によって形成されるとともに、少なくとも１つのキャビティ（３４）を有し、該キャビティ（３４）が、上端壁（３６）と下端壁（３８）との間に形成されるとともに、離間した壁（４０）によって中空の空間（４４）から分離され、シート処理装置が、前記キャビティ（３４）を通じて温度制御流体を循環させるための循環システム（３２）を含む温度制御システム（３０）を備える、請求項１に記載のシート処理装置。
7. 請求項１から６のいずれか一項に記載のシート処理装置を備える、プリンタ。
8. インクジェットプリンタである、請求項７に記載のプリンタ。

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