JP4846540B2 - 高オクタン価ガソリン基材の製造方法 - Google Patents

高オクタン価ガソリン基材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高オクタン価ガソリン基材の製造方法に関する。さらに詳しくは、特定の石油系炭化水素を、特定の反応条件下で特定の触媒と接触させて、リサーチオクタン価90以上、硫黄分10質量ppm以下のガソリン基材を製造する方法に関する。
近年、環境規制の強化によりガソリン中の硫黄分の低減が大きな課題となっている。特に日本においては、ガソリン中の硫黄分を10質量ppm以下にする必要があり、各石油会社は対応に迫られている。また、自動車用ガソリンを始めとして、高オクタン価ガソリン基材の需要は年々増加しているため、軽油留分或いは残油留分等のガソリン留分以外の留分を分解して高オクタン価ガソリン基材を増産する技術の開発が望まれている。
ガソリン留分以外の留分を水素化分解して高オクタン価ガソリン基材を製造する方法として、LCO(接触分解装置循環油)やコーカー軽油を原料とし、ZSM-5と接触させる方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法は、転化率は高いものの、ガソリン留分の選択率が低くて実用的ではない。また、得られるガソリン留分は、リサーチオクタン価(RON)が低く、含有する硫黄分も高いため、そのままガソリン基材として使用するには適さない。
また、上記方法と同様の原料をモルデナイト、フォージャサイト等のアルミノシリケートと接触させる方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法は、得られるガソリン留分のオクタン価は高いものの、ガソリン留分の収率が低い。また、この方法では、ガソリン留分の硫黄分に関しては言及されていない。
また、重質油をチタン含有フォージャサイト等に接触させて、ガソリン留分及び灯軽油留分を製造する方法が提案されている(特許文献3、特許文献4参照)。しかしながら、この方法では、得られるガソリン留分及び灯軽油留分の収率は高いが、得られるガソリン留分の性状に関する言及はなく、そのオクタン価、硫黄分についての詳細は不明である。この方法は灯軽油留分の製造が主目的であって、この主目的から類推すると、得られるガソリン留分はリサーチオクタン価が低く、ガソリン基材としては好ましくないものと予測される。
特開昭55−149386号公報 特開昭61−283687号公報 特許第3341011号公報 特開2003−226519号公報
本発明は、上記従来の状況に鑑み、ガソリン留分以外の留分から、高オクタン価、低硫黄分のガソリン基材となり得る留分を、より具体的にはリサーチオクタン価90以上、硫黄分10質量ppm以下のガソリン基材となり得る留分を、経済的に、かつ効率良く製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、ある特定のガソリン留分以外の留分の石油系炭化水素を、ある特定の反応条件下で、ある特定の触媒と接触させることによって、上記目的を達成できることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、上記目的を達成するために、次の高オクタン価ガソリン基材の製造方法を提供する。
(1)沸点範囲が140〜360℃で、かつ、少なくとも40質量%の芳香族炭化水素化合物を含む石油系炭化水素と、
周期律表第IVA族金属を含有する、シリカ/アルミナ比が3〜12のモルデナイト若しくはフォージャサイト、又はゼオライトβに、周期律表第VIII族金属及び第VI族金属から選ばれた少なくとも1種の水素化活性金属を担持させてなる触媒とを、
10MPa以下の水素分圧下で接触させ、
リサーチオクタン価90以上、硫黄分10質量ppm以下のガソリン基材を製造することを特徴とする高オクタン価ガソリン基材の製造方法。
(2)石油系炭化水素が、接触分解装置循環油(LCO)、コーカー軽油又はその混合物である上記(1)に記載の高オクタン価ガソリン基材の製造方法。
本発明によれば、沸点範囲が140〜360℃で、かつ、少なくとも40質量%の芳香族炭化水素化合物を含む石油系炭化水素を原料として、リサーチオクタン価90以上、硫黄分10質量ppm以下という、高オクタン価、低硫黄分のガソリン基材を経済的に、かつ効率良く製造することができる。したがって、本発明は、高オクタン価、低硫黄分のガソリン基材を増産する上で有用な技術である。
以下に本発明の詳細を示す。
本発明においては、触媒に結晶性アルミノシリケートゼオライトが用いられる。この結晶性アルミノシリケートゼオライトのカチオンは、水素イオンやアンモニウムイオンであることが好ましく、特に水素イオンのものが有効である。一方、ナトリウムイオンは本発明においては少ない方が好ましく、NaO換算で0.7質量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5質量%以下である。結晶性アルミノシリケートゼオライトの種類は、特に制限されるものではないが、モルデナイト、フォージャサイト、ゼオライトβ、フェリエライト、ZSM−4、−5、−8、−11、−12、−20、−21、−23、−34、−35、−38、−46、MCM−41、−22、−48、UTD−1、CIT−5、VPI−5、TS−1,−2等が挙げられる。好ましくはモルデナイト、フォージャサイト、ゼオライトβである。ここでフォージャサイトとは、Xゼオライト、Yゼオライト、超安定化Yゼオライト(Ultra Stable Y;USY)などが含まれる。本発明に用いる結晶性アルミノシリケートゼオライトのシリカ/アルミナ比は、特に制限はないが、通常ゼオライトの種類によりその値が決定される。例えばフォージャサイト及びモルデナイトの場合は3〜200、ゼオライトβの場合は25〜300のものが通常用いられる。
本発明において触媒に用いる結晶性アルミノシリケートゼオライトには、周期律表(IUPAC表)第IVA族金属を含有させることが肝要である。本発明において第IVA族金属とは、チタン、ジルコニウム、ハフニウムのことを指し、好適にはチタン、ジルコニウムが用いられる。第IVA族金属の含有量は、酸化物換算でゼオライトに対して0.5〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは1〜15質量%である。含有量がこの範囲であれば、後述する水素化活性金属を分散性良く担持することが可能となるため、水素化分解が促進し、高収率でガソリン留分が得られると同時に脱硫も進行し、硫黄含有量として10質量ppm以下のガソリン基材を得ることができる。第IVA族金属を含有させる方法は、特に制限はないが、第IVA族金属の塩を含む溶液を該ゼオライトと接触させることにより、第IVA族金属含有結晶性アルミノシリケートゼオライトを得ることができる。この他、第IVA族金属の単体又は酸化物を粉末のまま物理混合して含有させても問題はない。
第IVA族金属の塩の水溶液を用いる場合、第IVA族金属の塩として、有機酸もしくは無機酸の塩を用いることが可能であり、有機酸の塩を用いる場合は、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩等を用いることができ、無機酸の塩を用いる場合は、硫酸塩、硝酸塩、塩化物等を用いることができる。また、これらの第IVA族金属の塩を含有させる際には、攪拌状態で行っても良く、また静置状態で行っても、均一に分散して含有させることができれば問題はない。含有させる時の温度、時間等の条件は特に規定されない。
有機酸塩もしくは無機酸塩の水溶液と結晶性アルミノシリケートゼオライトとを接触させた場合、接触後は、該ゼオライトと水溶液を濾過もしくは遠心分離により分離することができる。こうして得られた固形物は、乾燥、焼成を行うことが好ましい。乾燥条件として、20〜150℃が好ましく、さらに好ましくは50〜120℃であり、一般に空気又は窒素気流中にて行われる。焼成条件は、400〜700℃、好ましくは450〜650℃の範囲で選択されることが望ましいが、得られる触媒の使用条件により適宜選択される。こうして得られた第IVA族金属含有結晶性アルミノシリケートゼオライトは、そのまま触媒担体として用いても問題はないが、バインダーを用いて成型したものも本発明で好適に使用できる。このバインダーとしては、アルミナ、シリカアルミナ、シリカ、ジルコニア、ボリア、アルミナボリア等が挙げられ、好ましくはアルミナ、シリカアルミナ、シリカ、アルミナボリア、ボリアが挙げられる。バインダーの含有量は、10〜70質量%が好ましく、さらに好ましくは15〜65質量%である。得られる触媒の触媒性能と物理的強度等の観点からバインダーの含有量は上記範囲が好ましい。
本発明においては、上記した第IVA族金属を含有する結晶性アルミノシリケートゼオライトを担体として用い、それにさらに水素化活性金属を含有させることが必須である。ここで水素化活性金属とは、周期率表第VIII族又は第VI族の金属のことを指し、より具体的には、第VIII族金属とは、鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金であり、第VI族金属とは、クロム、モリブデン、タングステンが挙げられる。好ましくは、ニッケル、コバルト、ルテニウム、パラジウム、白金、モリブデン、タングステンから選択される。また、これらの水素化活性金属は、1種用いることも、2種以上を併用することもできる。
第IVA族金属を含有する結晶性アルミノシリケートゼオライトに水素化活性金属を担持させる方法は、特に限定されないが、例えば水素化活性金属の塩を含む溶液を担体に含浸する方法が好ましく採用される。また平衡吸着法、Pore−filling法、Incipient−wetness法なども好ましい。例えば、Pore−filling法は、担体の細孔容積を予め測定し、これと同じ容積の金属塩溶液を含浸する方法であるが、含浸方法は特に限定されるものではなく、金属担持量や担体に用いる第IVA族金属を含有する結晶性アルミノシリケートゼオライトの物性に応じて適宜選択される。水素化活性金属を担持させる処理の後は、乾燥、焼成を行うことが好ましい。乾燥条件として、20〜150℃が好ましく、さらに好ましくは50〜120℃であり、一般に空気又は窒素気流中にて行われる。焼成条件は、400〜700℃、好ましくは450〜650℃の範囲で選択されることが望ましいが、得られる触媒の使用条件により適宜選択される。
第IVA族金属を含有する結晶性アルミノシリケートゼオライトに含有させる水素化活性金属の量は、通常貴金属と卑金属とで範囲が異なるが、貴金属の場合、下限値として金属換算で0.1質量%、好ましくは0.3質量%が好ましく、上限値として20質量%、好ましくは15質量%が好ましい。また、卑金属の場合、下限値として酸化物換算で1質量%、好ましくは2質量%が好ましく、上限値として30質量%、好ましくは25質量%が好ましい。水素化活性金属の含有量が下限値以上であれば、充分な脱硫活性を得ることができて、得られるガソリン基材中の硫黄分10質量ppm以下を達成することができる。また、上限値以下であれば、脱硫効果の飽和、分解活性の低下や、得られるガソリン基材のリサーチオクタン価の低下を招くことを回避することができる。
本発明においては、原料に、沸点範囲が140〜360℃で、かつ、少なくとも40質量%の芳香族炭化水素化合物を含む石油系炭化水素を用いることが必須である。
原料の石油系炭化水素の沸点範囲が140〜360℃であれば特定の留分に関し蒸留分離・抽出分離することによって抜出し、本発明の原料として使用することも可能である。例えば蒸留によってナローカットした留分や、スルホラン等の溶剤を用い芳香族炭化水素化合物を抽出した留分も使用することが可能である。沸点範囲が360℃を超える原料を用いると、触媒上の堆積コーク量が増大し、触媒の急激な分解活性劣化を引き起こして好ましくない。
本発明において、原料の石油系炭化水素中の芳香族炭化水素化合物の含有量は高いほど良いが、少なくとも40質量%、好ましくは50〜100質量%、さらに好ましくは60〜100質量%である。芳香族炭化水素化合物の含有量が高いほど、得られるガソリン留分のリサーチオクタン価は向上し、所望の高オクタン価ガソリン基材が得られる。一方、芳香族炭化水素化合物の含有量が40質量%を下回る場合は、得られるガソリン留分は、リサーチオクタン価90以上を満たすことが困難となり、高オクタン価ガソリン基材には適さない。
ここで芳香族炭化水素化合物とは、単環芳香族炭化水素化合物又は多環芳香族炭化水素化合物を指し、両者の混合物でも問題はない。芳香族炭化水素化合物の種類には特に制限はないが、単環芳香族炭化水素化合物としては、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、プロピルベンゼン、エチルメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、インダン、メチルインダン類が好適に挙げられ、多環芳香族炭化水素化合物としては、ナフタレン、メチルナフタレン、エチルナフタレン、ジメチルナフタレン、トリメチルナフタレン、アントラセン類、フェナントレン類が好適に挙げられる。
なお、芳香族炭化水素化合物以外のものとしてパラフィン、ナフテン、オレフィン類の炭化水素化合物、チオフェン、ベンゾチオフェン類などの硫黄化合物が存在しても、本発明において原料として使用し得る。
本発明において原料とし得る石油系炭化水素の具体例としては、接触分解装置(FCC)で得られる接触分解装置循環油(LCO)、コーカー装置で得られるコーカー軽油又は接触改質装置から得られるボトム油等や、それらの2種以上の混合物が挙げられる。
本発明においては、原料の石油系炭化水素を触媒と接触させて、該石油系炭化水素を水素化分解するに当たって、原料の石油系炭化水素と触媒を10MPa以下の水素分圧下で接触させることが肝要である。一般に、触媒活性劣化を抑制するために、原料炭化水素と触媒を接触させて分解反応を行う際に水素分圧を上昇させる手法があるが、この手法による場合、得られるガソリン留分のリサーチオクタン価の低下を招き得策ではない。本発明においては、石油系炭化水素と触媒を10MPa以下の水素分圧下で接触させることにより、得られるガソリン留分のリサーチオクタン価の低下を抑制することができる。この接触の際の水素分圧は、好ましくは9MPa以下、さらに好ましくは8MPa以下である。また、この接触の際の水素分圧の下限は、原料の石油系炭化水素を好適に水素化分解し得る範囲であれば特に制限されないが、一般に1MPaが望ましい。
本発明において、触媒と原料炭化水素を接触させる方法は、固定床流通式,流動床式、移動床式等種々の方法で行うことができるが、操作の容易性を考慮すれば、固定床流通式で行うのが好ましい。流通式反応装置で実施する場合、水素/炭化水素比は、100〜10000Nm/KLが好ましく、さらに好ましくは200〜5000Nm/KL、なおさらに好ましくは300〜3000Nm/KLである。またその時の液空間速度(LHSV;Liquid Hourly Space Velocity)は、0.05〜10h−1が好ましく、さらには好ましくは0.1〜5h−1、なおさらに好ましくは0.2〜3h−1である。接触させるときの温度は、原料炭化水素の種類にもよるが、300〜500℃が好ましく、さらに好ましくは350〜470℃、なおさらに好ましくは360〜450℃である。温度がこの範囲であれば、温度が低すぎて目的生成物であるガソリン留分の増量を図ることが困難になることを回避することができる。また、温度が高すぎて、効果が飽和して反応の促進が困難となることや、用いるエネルギーが無駄となり、経済性が悪くなることを回避することができる。
本発明においては、得られるガソリン基材となる留分のリサーチオクタン価を90以上と高くすることができるばかりでなく、同時にその硫黄分を10質量ppm以下に低減することができるが、本発明の実施に際して、必要に応じて得られるガソリン基材の硫黄分を一層低減するために、前工程として原料炭化水素の脱硫処理工程や、後工程として得られた分解生成物の脱硫処理工程を設けることが可能である。この前工程や後工程の脱硫処理工程の触媒としては、市販のCoMoアルミナ系触媒や、NiMoアルミナ系触媒等を用いることが可能である。
本発明にて得られるガソリン基材となる留分は、リサーチオクタン価(RON)が90以上と高く、かつ硫黄分が10質量ppm以下と低いことに特徴がある。また、本発明で得られるガソリン基材は、芳香族炭化水素化合物の含有量が高いものである。一般に、芳香族炭化水素化合物はオクタン価が高く、発熱量が大きい点でガソリン基材として優れている。本発明で得られるガソリン基材はリサーチオクタン価90以上と高く、そのままガソリン基材として使用することが可能であり、また他のガソリン基材と混合することも可能である。
本発明で得られるガソリン基材と混合する他のガソリン基材としては、例えば、原油を蒸留して得られる石油留出油や、石油留出油に各種の処理を行ったもの、例えば接触改質装置から得られる改質ガソリン、流動接触分解装置から得られる接触分解ガソリンが挙げられ、さらにはアルキレート、エタノール、ETBEなどの基材も挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
原料ゼオライトとして、市販の酸型のUSYゼオライト(シリカアルミナモル比6.0)を用いた。硫酸チタン(IV)水溶液(0.05mol/L)350mlを1Lのガラス製フラスコに入れ、これを50℃に加温し、前記USYゼオライト27gを攪拌しながら投入した。30分間攪拌を行った後、スラリーを濾過分離し、50℃の加温水1Lを用いて洗浄を行った。得られたゼオライトケーキを混練装置に入れ、60℃に加熱し水分を除去しながら混練し、粘土状の混練物を得た。得られた混練物を押出し成型機により、直径1.6mmのシリンダーの形状に押出し、ついで110℃で3時間乾燥処理を行った。乾燥処理後、空気気流中(100ml/min)で500℃にて3時間焼成し成型物を得た。この成型物20gをナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポレーターで脱気しながらモリブデン酸六アンモニウム四水和物1.3gを含む含浸溶液をフラスコ中に注入した。含浸した試料は110℃で3時間乾燥処理を行った。乾燥処理後、空気気流中(100ml/min)で500℃にて3時間焼成し、表1に示す触媒Aを得た。この触媒Aを内径15mmのステンレス製反応管に充填し、表2に組成及び性状を示した炭化水素原料Aを用い、410℃、7.0MPa、全LHSV=0.5/h、水素/炭化水素原料=600Nm/KLで接触させて反応を行った。その結果を表3に示した。
実施例2
原料ゼオライトとして、市販の酸型のゼオライトβ(シリカアルミナモル比40)を用いて実施例1と同様の手法により表1に示す触媒Bを得た。この触媒Bを実施例1と同様に反応管に充填し、実施例1と同様の条件で反応を行った。その結果を表3に示した。
実施例3
原料ゼオライトとして、市販の酸型のモルデナイト(シリカアルミナモル比12)を用いて実施例1と同様の手法により表1に示す触媒Cを得た。この触媒Cを実施例1と同様に反応管に充填し、実施例1と同様の条件で反応を行った。その結果を表3に示した。
実施例4
水素化活性金属を担持する際にモリブデン酸六アンモニウム四水和物1.3gの代わりに塩化パラジウム0.34gを用いた以外は実施例1と同様の手法により表1に示す触媒Dを得た。この触媒Dを実施例1と同様に反応管に充填し、実施例1と同様の条件で反応を行った。その結果を表3に示した。
実施例5
表2に組成及び性状を示した炭化水素原料B(沸点範囲142〜242℃)を用いた以外は、実施例1と同様の触媒、条件で反応を行った。その結果を表3に示した。
実施例6
反応管に、炭化水素原料の脱硫処理触媒として市販NiMoアルミナ触媒(前処理工程)と触媒Aとを50/50の体積比で、市販NiMoアルミナ触媒を前段に、触媒Aを後段にそれぞれ充填した以外は、実施例1と同様の条件で反応を行った。その結果を表3に示した。
実施例7
反応管に、触媒Aと、得られた分解生成物の脱硫処理の触媒として市販NiMoアルミナ触媒(後処理工程)とを50/50の体積比で、触媒Aを前段に、市販NiMoアルミナ触媒を後段にそれぞれ充填した以外は、実施例1と同様の条件で反応を行った。その結果を表3に示した。
比較例1
原料ゼオライトとして、実施例1で使用した酸型のUSYゼオライトを用い、該ゼオライト27gを攪拌しながら1Lのガラス製フラスコに入った50℃に加温された純水350mlに投入した。30分間攪拌を行った後、スラリーを濾過分離し、50℃の加温水1Lを用いて洗浄を行った。得られたゼオライトケーキを混練装置に入れ、60℃に加熱し水分を除去しながら混練し、粘土状の混練物を得た。得られた混練物を押出し成型機により、直径1.6mmのシリンダーの形状に押出し、ついで110℃で3時間乾燥処理を行った。乾燥処理後、空気気流中(100ml/min)で500℃にて3時間焼成し成型物を得た。この成型物20gをナス型フラスコに入れ、ロータリーエバポレーターで脱気しながらモリブデン酸六アンモニウム四水和物1.3gを含む含浸溶液をフラスコ中に注入した。含浸した試料は110℃で3時間乾燥処理を行った。乾燥処理後、空気気流中(100ml/min)で500℃にて3時間焼成し、表1に示す比較触媒Eを得た。この触媒Eを実施例1と同様に反応管に充填し、実施例1と同様の条件で反応を行った。その結果を表3に示した。
比較例2
炭化水素原料として表2に組成及び性状を示した炭化水素原料C(芳香族炭化水素化合物含有量30.2%)を用いた以外は、実施例1と同様の触媒、条件で反応を行った。その結果を表3に示した。
比較例3
炭化水素原料として表2に組成及び性状を示した炭化水素原料D(常圧残油留分)を用いた以外は、実施例1と同様の触媒、条件で反応を行った。その結果を表3に示した。
比較例4
水素分圧を12MPaとした以外は、実施例1と同様の触媒、条件で反応を行った。その結果を表3に示した。
比較例5
反応管に、炭化水素原料の脱硫処理の触媒として市販NiMoアルミナ触媒(前処理工程)と触媒Eとを50/50の体積比で、市販NiMoアルミナ触媒を前段に、触媒Aを後段にそれぞれ充填した以外は、実施例1と同様の条件で反応を行った。その結果を表3に示した。
Figure 0004846540
Figure 0004846540
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表3の結果より、本発明の製造方法に従って得られたガソリン基材はいずれもリサーチオクタン価(RON)が90以上と高く、かつ硫黄分が10質量ppm以下と低い、優れた性状を示した。

Claims (2)

  1. 沸点範囲が140〜360℃で、かつ、少なくとも40質量%の芳香族炭化水素化合物を含む石油系炭化水素と、
    周期律表第IVA族金属を含有する、シリカ/アルミナ比が3〜12のモルデナイト若しくはフォージャサイト、又はゼオライトβに、周期律表第VIII族金属及び第VI族金属から選ばれた少なくとも1種の水素化活性金属を担持させてなる触媒とを、
    10MPa以下の水素分圧下で接触させ、
    リサーチオクタン価90以上、硫黄分10質量ppm以下のガソリン基材を製造することを特徴とする高オクタン価ガソリン基材の製造方法。
  2. 石油系炭化水素が、接触分解装置循環油(LCO)、コーカー軽油又はその混合物である請求項1に記載の高オクタン価ガソリン基材の製造方法。
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