JP4844384B2 - レーザー加工用マスクおよびそれを用いたレーザー加工方法 - Google Patents

レーザー加工用マスクおよびそれを用いたレーザー加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4844384B2
JP4844384B2 JP2006344355A JP2006344355A JP4844384B2 JP 4844384 B2 JP4844384 B2 JP 4844384B2 JP 2006344355 A JP2006344355 A JP 2006344355A JP 2006344355 A JP2006344355 A JP 2006344355A JP 4844384 B2 JP4844384 B2 JP 4844384B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mask
laser processing
workpiece
layer
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006344355A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008155225A (ja
Inventor
渉 小林
哲夫 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2006344355A priority Critical patent/JP4844384B2/ja
Publication of JP2008155225A publication Critical patent/JP2008155225A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4844384B2 publication Critical patent/JP4844384B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)

Description

本発明は、マスクの開口部を介して所定部位にレーザー光を照射し加工するレーザー加工に用いられるレーザー加工用マスクおよびそのようなマスクを用いたレーザー加工方法に関する。
従来技術として、金属のマスクを基板の上に配置してレーザー加工を施す方法が提案されている(特許文献1参照)。これは、被加工物としての基板の上にレーザー加工用マスクを設け、汚れがマスク上に降りつもり、基板上には降りつもらないようにすることで、被加工物に対してレーザー加工を実施する際に発生する汚れが被加工物に付着するのを防止するものである。
また、一方では、従来技術として、基板表面にテープ材を貼っておき加工後にはがす方法(特許文献2参照)や、洗浄可能な膜を基板上に形成しておきレーザー加工実施後に膜を洗浄除去することで、レーザー加工時に発生する汚れが基板に付着するのを防ぐ方法(特許文献3参照)も提案されている。
特開特開2004−230458号公報 特開平3−252384号公報 特開2003−285192号公報
しかし、このような基板には反りやゆがみがあり、また基板の表層には配線パターン等があるため、上記特許文献1に記載の方法においては、マスクと基板との間に隙間が出来てしまう。
そのため、当該隙間から汚れが入り込みボンディングランド等清浄に保たねばならない部分を汚染してしまうなどの防護性能上の問題を生じる。また、当該隙間ができることにより、マスクと基板との接触面積が大きく得られないため、放熱性が悪く、加工時に発生する熱を十分放熱できないという問題も生じる。
また、上記特許文献2や上記特許文献3に記載されているようにテープ材や膜をマスクとして用いることにより、マスクと被加工物との密着性は向上するが、これらの方法では、放熱効果が無く、加工時に発生する熱がボンディングランド等の材質に及ぼす影響を防ぐことはできない。
なお、マスクを用いてレーザー加工されるものであれば、上記した基板以外の被加工物においても何らかの凹凸などが存在することから、上記した防護性能や放熱性能に関する問題が同様に発生すると考えられる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、防護性能および放熱性能に優れたレーザー加工用マスクおよびそのようなマスクを用いたレーザー加工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、レーザー加工用マスクにおいて、被加工物(10)におけるレーザー加工すべき部位に対応したパターンの開口部(211)を有する金属性のマスク部(20)と、マスク部(20)の被加工物(10)側の面にて開口部(21)に干渉しない位置に設けられマスク部(20)よりも柔軟性に優れた層であってマスク部(20)と被加工物(10)との隙間を吸収する吸収層(30、40)と、を備え、マスク部(20)を、被加工物(10)からの熱を放熱する機能を有するものとしたことを、第1の特徴とする。
それによれば、軟らかい吸収層(30、40)によってマスク部(20)と被加工物(10)との接触性を確保しつつ、加工時に発生する被加工物(10)の熱をマスク部(20)によって適切に放熱することができるため、防護性能および放熱性能に優れたレーザー加工用マスク(100〜105)を提供することができる。
また、本発明は、レーザー加工用マスクにおいて、被加工物(10)におけるレーザー加工すべき部位に対応したパターンの開口部(21)を有する金属性のマスク部(20)と、マスク部(20)の被加工物(10)側の面にて開口部(21)に干渉しない位置に設けられマスク部(20)よりも柔軟性に優れた層であってマスク部(20)と被加工物(10)との隙間を吸収する吸収層(30、40)と、マスク部(20)の被加工物(10)とは反対側の面にて開口部(21)に干渉しない位置に設けられ被加工物(10)からの熱を放熱する放熱層(50)と、を備えることを、第2の特徴とする。
それによれば、軟らかい吸収層(30、40)によってマスク(100)と被加工物(10)との接触性を確保しつつ、加工時に発生する被加工物(10)の熱を放熱性のよい放熱層(50)によって適切に放熱することができるため、防護性能および放熱性能に優れたレーザー加工用マスク(100〜104)を提供することができる。
また、上記第1および第2の特徴を有するレーザー加工用マスクにおいて、吸収層(30、40)を、マスク部(20)側から被加工物(10)側に向かって第1の層(30)、第2の層(40)が順に積層されたものとし、第2の層(40)を、マスク部(20)および第1の層(30)よりも放熱性および耐熱性に優れた層としてもよい。
そのような構成を有するレーザー加工用マスク(100〜105)によれば、被加工物(10)からの熱を、効率よくマスク部(20)から放熱層(50)へ伝えることができる。
この場合、第2の層(40)を、第1の層(30)を越えてマスク部(20)に接触させ熱的に接続することが好ましい。このようにしたマスク(101、102)によれば、被加工物(10)からの熱を、第2の層(40)を介して効率よくマスク部(20)側へ伝えることができる。
また、上記構成を有するレーザー加工用マスクにおいては、マスク部(20)の開口部(21)における側面(22)を、マスク部(20)の被加工物(10)側からそれとは反対側に向かって拡がるテーパ面とすることが好ましい。このようにしたマスク(103)によれば、開口部(21)の側面(22)に汚れが堆積して加工性を悪化させることを抑制できる。
ここで、上記した各レーザー加工用マスク(100〜105)を用いたレーザー加工方法としては、当該レーザー加工用マスク(100〜103、105)を被加工物(10)の上に設け、開口部(21)を介して被加工物(10)にレーザー光を照射する方法が提供される。
また、上記した各レーザー加工用マスクにおいては、さらに、マスク部(20)の内部に、気体が流通可能であって開口部(21)を開口部(21)とは別部位にて外部と連通させる通気孔(23)を、設けてもよい。
このような通気孔(23)を有するレーザー加工用マスク(104)を用いたレーザー加工方法としては、当該レーザー加工用マスク(104)を被加工物(10)の上に設け、通気孔(23)に気体を流通させることで、開口部(21)から汚れを吸い込み通気孔(23)を介して排出しながら、開口部(21)を介して被加工物(10)にレーザー光を照射することによりレーザー加工を行う方法が提供される。
それによれば、通気孔(23)内の気体の流通によって、被加工物(10)に対してレーザー加工を実施する際に発生する汚れの排出が促進されるとともに、当該気体の流通によるマスクの冷却が可能となる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るレーザー加工用マスク100を用いたレーザー加工方法の要部を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。なお、(a)は(b)の上視図である。
本実施形態に係るレーザー加工装置は、レーザー光200を出射して整形制御する光学系制御部201と、被加工物であるセラミック基板10を搭載するとともにこれを平面的に移動させ、レーザー光200の照射位置を移動可能とするステージ202と、光学系制御部201から入射されるレーザー光200を開口部21にて透過させ開口部21以外では遮光するマスク100と、を備える。
ここで、光学系制御部201およびステージ202は上記した特許文献1などに記載されている従来のレーザー加工装置と同様のものにできる。また、レーザー光200は、エキシマレーザー光などの一般的に短波長にてアブレーション加工可能なレーザー光、もしくは、炭酸ガスレーザーやYAGレーザーなどの熱的加工が可能なレーザー光であればよい。
そして、本実施形態のレーザー加工方法は、被加工物としてのセラミック基板10の上に、レーザー加工用マスク100を設け、このマスク100における開口部21を介して、光学系制御部201からレーザー光200をセラミック基板10に照射することで、セラミック基板10に対して分割溝12を形成するものである。
なお、その後、このようにレーザー加工された基板10に対して、図示しない各種電子部品を搭載し、これを分割溝12に沿って分断することにより、個片化されたセラミック基板10を形成する。
本実施形態では、セラミック基板10は、たとえば単層もしくは多層のアルミナセラミックなどよりなる配線基板である。レーザー加工に供されるセラミック基板10は、グリーンシートを焼成してなる分割前の板材であり、その表面には、ボンディングランドなどを含む配線パターン11が設けられている。
この配線パターン11は、この種のセラミック基板の配線パターンとして一般的なものであり、Au、Ag、Cuなどの導体材料を用いたメッキや厚膜などより構成されたものである。配線パターン11の厚さとしては、たとえば5μm〜20μm程度であり、これら配線パターン11がセラミック基板10の表面の凹凸を構成する。
レーザー加工用マスク100は、全体が板状であり、分割溝12に対応したパターンの開口部21を有するものである。レーザー光200の径の大きさを考慮してレーザー光200の位置あわせを行うことを鑑みれば、この開口部21の幅W(図1(a)参照)は、0.3mm以上であることが好ましい。
そして、レーザー加工用マスク100をセラミック基板10の上に設けることにより、当該基板10に対してレーザー加工を実施する際に発生する昇華・融解したセラミックなどの汚れが、当該基板10の配線パターン11などに付着するのを防止するようになっている。
このマスク100において、マスク部20は、レーザー加工による汚れがセラミック基板10に付着するのを防ぐための金属製の板よりなるものである。このマスク部20は、好ましくは、たとえばアルミニウム合金やステンレス鋼、銅合金などの熱伝導性に優れた金属よりなることが望ましい。
そして、マスク部20には、エッチングやプレス加工などにより開口部21が形成されている。この開口部21は、セラミック基板10におけるレーザー加工すべき部位すなわち分割溝12を形成するべき部位に対応したパターンを有する。
また、マスク部20におけるセラミック基板10側の面には、吸収層30、40が設けられている。ここでは、吸収層30、40は、マスク部20側からセラミック基板10側に向かって第1の層30、第2の層40が順に積層されて貼り付けられた2層構造をなしている。
これら吸収層30、40は、マスク部20の開口部21に干渉しない位置、すなわち、開口部21と重ならない位置にてマスク部20に貼り付けられている。ここで、マスク部20、第1の層30、第2の層40の各部の間の貼り付けは、たとえばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などよりなる図示しない接着剤を介した接合により行われている。
吸収層を構成する第1の層30および第2の層40は、ともに、マスク部20よりも柔軟性に優れた層である。また、第2の層40は、マスク部20および第1の層30よりも放熱性および耐熱性に優れた層である。
具体的には、第1の層30はシリコーンゴムなどよりなるシート材であり、第2の層40はグラファイトシートなどよりなるシート材である。このような吸収層30、40は、当該吸収層30、40よりも硬いマスク部20とセラミック基板10との間に介在し、配線パターン11などによる凹凸や反りを吸収層30、40自身の柔軟性によって吸収するものであり、それにより、両者10、20の隙間が吸収されるようになっている。
また、マスク部20における吸収層30、40側とは反対側の面、すなわち、セラミック基板10とは反対側の面には、放熱層50が設けられている。この放熱層50も、開口部21に干渉しない位置にてマスク部20に貼り付けられている。また、この貼り付けも、上記同様に、たとえばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂などよりなる図示しない接着剤を介した接合により行われたものにできる。
この放熱層50は、レーザー加工時に発生するセラミック基板10からの熱を外部へ放熱する機能を有する層である。具体的には、放熱層50は、たとえばアルミニウム合金や銅合金等の高熱伝導率を持つ金属などの板材よりなる。また、より放熱性を高めるという点では、放熱層50は、マスク部20よりも熱伝導性に優れた材料よりなることが好ましい。
ここで、吸収層30、40および放熱層50は、マスク部20の開口部21に干渉しない位置に設けられていればよいが、具体的には、これら吸収層30、40および放熱層50の平面形状は、マスク部20の平面形状とほぼ同様の開口部を持った形状とすることができる。
このようなレーザー加工用マスク100は、図示しない治具などによって荷重をかけられることでセラミック基板10に押しつけられた状態で、セラミック基板10の上に設けられる。そして、この状態で、上述したレーザー加工を行う。すなわち、開口部21を介してレーザー光200を照射し、基板10に分割溝12を形成する。
ここで、本実施形態によれば、軟らかい吸収層30、40が図1に示されるように配線パターン11や反りなどのセラミック基板10における凹凸部分にて変形し、当該凹凸部分を吸収するため、マスク100とセラミック基板10とが隙間無く密着し、これら両者10、100の接触性が確保される。
さらに、加工時に発生するセラミック基板10の熱は、マスク100へ伝わり、放熱性のよい放熱層50を介して外部に放熱される。こうして、本実施形態によれば、防護性能および放熱性能に優れたレーザー加工用マスク100、および、このマスク100を用いたレーザー加工方法を提供することができる。
特に、本実施形態では、マスク100において、吸収層30、40を、マスク部20側から第1の層30、第2の層40が順に積層されたものとし、第2の層40を、マスク部20および第1の層30よりも放熱性および耐熱性に優れた層としている。
それによれば、レーザー加工時に発生するセラミック基板10の熱とマスク100との間の熱抵抗を、第2の層40によって極力小さくすることができるため、セラミック基板10の熱が、マスク100へ効率よく伝えることが可能となる。
また、吸収層30、40は、上述したように、柔軟性を持ち、基板10側に押付けられることで基板10とマスク100との間の隙間を埋めるものであるが、そのような効果を果たすためには、第1の層30および第2の層40を合わせた吸収層全体の厚さを、0.1mm以上とすることが望ましい。それにより、5μm〜20μm程度の厚さの配線パターン11による凹凸を適切に吸収できる。
また、マスク部20については、吸収層30、40を基板10に押し付ける役割を果たすために、ある程度の剛性を必要とする。そのような点を考慮すれば、マスク部20の厚さは、0.5mm以上であることが望ましい。
また、本実施形態によれば、レーザー加工によってセラミック基板10に分割溝12を形成するときの一般的なレーザー光200の照射条件において、レーザー加工用マスク100による防護性能および放熱性能が十分に発揮され、基板10への汚れ付着防止および加工時の熱による不具合防止が可能となる。
さらに、本実施形態では、このような一般的な分割溝加工のレーザー照射条件において、セラミック基板10上におけるレーザー光200の照射位置と汚染されたくない部位との距離、具体的には、図1における分割溝12と配線パターン11との距離が2.5mm以下と狭い場合であっても、図1に示されるように吸収層30、40が隙間無く基板10に密着することで、加工による基板10の汚染防止が実現できる。
なお、本実施形態においては、レーザー加工時に発生する熱が大きくない場合は、吸収層としては、第2の層40をなくして第1の層30のみの1層構成とし、この第1の層30をセラミック基板10と接触させるようにしてもよい。また、セラミック基板10の反り、ゆがみおよび凹凸が小さい場合には、吸収層としては、第1の層30をなくして第2の層40のみの1層構成としてもよい。
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態に係るレーザー加工用マスク101の要部を示す概略断面図である。上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。
上記第1実施形態では、積層された第1の層30、第2の層40によって吸収層30、40を構成したが、本実施形態のように、第2の層40を、第1の層30を越えてマスク部20に接触させることで熱的に接続してもよい。
図2に示される例では、第1の層30には、厚さ方向に貫通する貫通孔31が設けられており、この貫通孔31の内部に第2の層40の一部41が入り込み、当該一部41がマスク部20に接触している。
ここで、上述したように、マスク部20、第1の層30、第2の層40、放熱層50の各層の間は、図示しない上記接着剤を介して接合されたものにできるが、この貫通孔31を介して接触する第2の層40とマスク部20との接触形態は、上記接着剤を介した間接的な接触でもよいし、上記接着剤を介さずに直接接触したものでもよい。
このような構成は、たとえばプレス加工などにより貫通孔31が形成された第1の層30を、マスク部20に貼り付けておき、さらに、型成形などにより貫通孔31に対応した部位に突起としての上記一部41が形成された第2の層40を、第1の層30に貼り付けることによって作製することができる。
なお、上記図2に示される例では、貫通孔31は、第1の層30に複数個設けられているが、第2の層40とマスク部20との間の熱的な接続と吸収層30、40の柔軟性とが十分に確保されるのであれば、貫通孔31は1個でも複数個でもよい。また、第2の層40の一部41は、第2の層40における当該一部41以外の部位と一体に成形されたものでもよいし、別部材のものを接合したものであってもよい。
そして、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、防護性能および放熱性能に優れたレーザー加工用マスク101を提供できるとともに、貫通孔31におけるマスク部20と第2の層40との熱的接続部において、セラミック基板10からの熱を、上記第1実施形態よりも効率よくマスク部20側へ伝えることが可能となる。
また、図3は本実施形態のもう一つの例としてのレーザー加工用マスク102の要部を示す概略断面図である。この場合、第2の層40の一部41が、マスク部20の開口部21に回り込むことにより、当該一部41が第1の層30を越えてマスク部20に接触している。
この場合にも、開口部21にて接触する第2の層40の一部41とマスク部20との間で熱的な接続がなされており、上記図2に示される例と同様に、セラミック基板10からの熱を効率よくマスク部20側へ伝えることができる。
また、上記図2および図3に示した本実施形態のレーザー加工用マスク101、102を用いたレーザー加工方法は、上記第1実施形態と同様であり、それによる基板10への汚れ付着防止および加工時の熱による不具合防止の効果も同様である。
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係るレーザー加工用マスク103を用いたレーザー加工方法の要部を示す概略断面図である。本実施形態は、上記第1実施形態における開口部21の構成を変形したものであり、レーザー加工方法については上記第1実施形態と同様である。ここでは、上記第1実施形態との相違点を中心に述べることとする。
図4に示されるように、本実施形態のレーザー加工用マスク103においては、マスク部20の開口部21における側面22を、マスク部20のセラミック基板10側からそれとは反対側に向かって拡がるテーパ面としている。このようなテーパ面は、エッチングやプレス加工などにより形成できる。
ここで、図5は、このように開口部21の側面22をテーパ面としたことの効果を示す概略断面図である。
図5(a)に示されるように、開口部21の側面22が一般的なものと同様に厚さ方向に垂直な面である場合、セラミック基板10の加工時に発生する汚れKがこの側面22に付着し堆積していくと、開口部21の幅Wが狭くなっていき、加工性が低下する不具合が生じる恐れがある。
それに対して、図5(b)に示される本実施形態のように側面22をテーパ面とすれば、上記汚れKが側面22に堆積しても、開口部21の幅Wが狭くなることは極力抑制される。そのため、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を発揮できることに加えて、上記した加工性の低下を抑えることができる。
また、開口部21の側面22をこのようなテーパ面とすれば、図5(a)のような側面22を持つものに比べて、マスク103の洗浄時に汚れKが除去しやすいという利点もある。具体的に、これらの効果を発揮させるには、テーパ面と水平面(図4の左右方向)とのなす角度を45度以下とすることが望ましい。また、本実施形態においても、上記第2実施形態と同様の吸収層30、40の構成を採用してもよい。
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態に係るレーザー加工用マスク104を用いたレーザー加工方法の要部を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。
本実施形態は、上記第1実施形態のマスクおよびレーザー加工方法を基本として、レーザー加工用マスク104に通気孔23を設け、この通気孔23を利用したレーザー加工方法としたところが、上記第1実施形態との相違点である。そこで、この相違点を中心に述べることとする。
図6に示されるように、本実施形態のレーザー加工用マスク104においては、上記第1実施形態のマスク100(上記図1参照)において、さらに、マスク部20の内部に、通気孔23を設けたものである。ここでは、通気孔23はマスク部20に対して複数個設けられている。
それぞれの通気孔23は、マスク部20に対して型加工や切削加工などにより形成されるもので、一端部が開口部21にて開口し、他端部は図示しないマスク部20の表面の適所に開口している。それにより、開口部21は、各通気孔23を介して当該開口部21とは別の部位にてマスク部20の外部と連通している。
そして、この通気孔23における開口部21とは反対側に開口する部位には、図示しない真空ポンプなどの吸引装置が接続されており、当該吸引装置によって通気孔23内の空気が吸引されるようになっている。このように吸引を行うことで、レーザー加工部分の開口部21内の空気が通気孔23に吸い込まれ、通気孔23内を流通して当該開口部21とは別の部位にて排出されるようになっている。
ここで、開口部21内の空気を排出するための通気孔23内の空気の流通方向は、図6(b)中の実線矢印に示されるような方向とすることができる。また、図6(b)中の破線矢印に示されるように、開口部21を挟んで対向する一対の通気孔23の一方から開口部21内へ空気を流入させ、開口部21内の空気を他方から外部に排出するようにしてもよい。また、空気の代わりに窒素等の不活性ガスを流入出させてもよい。
本実施形態では、このようなレーザー加工用マスク104を用いてレーザー加工を行うものである。つまり、本加工方法は、レーザー加工用マスク104をセラミック基板10の上に設け、上述のように通気孔23に気体を流通させることで、開口部21から汚れを吸い込み、通気孔23を介して排出しながら、レーザー加工を行うものである。
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏することに加えて、通気孔23による上記排出作用により、セラミック基板10に対してレーザー加工を実施する際に発生する汚れの排出が、促進される。また、本実施形態によれば、マスク部20内を気体が流通するため、それによるマスク104の冷却が行われることから、セラミック基板10から発生する熱の放熱にとって有利である。
なお、本実施形態を、上記第2実施形態や上記第3実施形態と組み合わせて実施してもよい。その場合には、上記した本実施形態の効果に加えて、上記第2や第3実施形態の効果も期待できる。
また、上記図6に示される例では、通気孔23は、マスク部20に複数個設けられているが、上記した通気孔23による作用効果が十分に発揮されるのであれば、通気孔23は1個でもよい。
(第5実施形態)
図7は、本発明の第5実施形態に係るレーザー加工用マスク105の要部を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
上記した各実施形態では、マスク部20のセラミック基板10とは反対側の面にセラミック基板10からの熱を放熱する放熱層50を設け、この放熱層50によりレーザー加工用マスクの放熱性能を確保したが、図7に示されるように、この放熱層50を持たないマスク105であってもよい。
これは、マスク部20自身も上記したように、アルミやCuもしくはこれらの合金など、熱伝導性に優れた金属より構成できるため、このマスク105においては、マスク部20がセラミック基板10からの熱を放熱する機能を発揮する。それにより、上記第1実施形態のマスク100(上記図1参照)と同様に、防護性能および放熱性能に優れたレーザー加工用マスク105を提供することができる。
また、この図7に示される本実施形態のマスク105においても、上記図1に示されるマスク100と同様に、場合に応じて、吸収層30、40は第1の層30のみでもよいし、第2の層40のみであってもよい。また、このマスク105を用いて、上記第1実施形態と同様の加工方法を行うことができる。そして、本実施形態は、第1実施形態以外にも上記した第2〜第4の各実施形態と組み合わせて適用することも可能である。
(他の実施形態)
なお、レーザー加工用マスクにおける吸収層としては、マスク部20よりも柔軟性に優れた層であってマスク部20とセラミック基板10との隙間を吸収するものであればよく、上記した2層30、40の構成や1層の構成に限定されるものではなく、3層以上の層が積層された構成であってもよい。また、この吸収層の材質としては、マスク部20よりも柔軟性に優れた層を構成可能な材料であればよく、上記した例に限定されるものではない。
さらに、上記各実施形態では、被加工物として、セラミック基板10を例に挙げたが、これに限定されるものではなく、たとえばプリント回路基板や半導体装置の配線膜材料であるCr、Ni、Cu、Alなどの薄膜、絶縁膜材料であるSiO2、TiO2、SiNxなどの薄膜等を被加工物として行うレーザー加工にも適用できる。また、被加工物としては、ガラスを材料とする基板やプラスチック等の基板でもよい。
本発明の第1実施形態に係るレーザー加工用マスクを用いたレーザー加工方法の要部を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係るレーザー加工用マスクの要部を示す概略断面図である。 第2実施形態のもう一つの例としてのレーザー加工用マスクの要部を示す概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係るレーザー加工用マスクを用いたレーザー加工方法の要部を示す概略断面図である。 第3実施形態の効果を示す概略断面図である。 本発明の第4実施形態に係るレーザー加工用マスクを用いたレーザー加工方法の要部を示す図であり、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。 本発明の第5実施形態に係るレーザー加工用マスクの要部を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
符号の説明
10…被加工物としてのセラミック基板、20…マスク部、21…開口部、
22…開口部における側面、23…通気孔、30…吸収層の第1の層、
40…吸収層の第2の層、50…放熱層、
100〜105…レーザー加工用マスク。

Claims (8)

  1. 被加工物(10)の上に設けられ、前記被加工物(10)に対してレーザー加工を実施する際に発生する汚れが前記被加工物(10)に付着するのを防止するためのレーザー加工用マスクにおいて、
    前記被加工物(10)におけるレーザー加工すべき部位に対応したパターンの開口部(21)を有する金属性のマスク部(20)と、
    前記マスク部(20)の前記被加工物(10)側の面にて前記開口部(21)に干渉しない位置に設けられ、前記マスク部(20)よりも柔軟性に優れた層であって前記マスク部(20)と前記被加工物(10)との隙間を吸収する吸収層(30、40)と、を備えており、
    前記マスク部(20)は、前記被加工物(10)からの熱を放熱する機能を有していることを特徴とするレーザー加工用マスク。
  2. 被加工物(10)の上に設けられ、前記被加工物(10)に対してレーザー加工を実施する際に発生する汚れが前記被加工物(10)に付着するのを防止するためのレーザー加工用マスクにおいて、
    前記被加工物(10)におけるレーザー加工すべき部位に対応したパターンの開口部(21)を有する金属性のマスク部(20)と、
    前記マスク部(20)の前記被加工物(10)側の面にて前記開口部(21)に干渉しない位置に設けられ、前記マスク部(20)よりも柔軟性に優れた層であって前記マスク部(20)と前記被加工物(10)との隙間を吸収する吸収層(30、40)と、
    前記マスク部(20)の前記被加工物(10)とは反対側の面にて前記開口部(21)に干渉しない位置に設けられ前記被加工物(10)からの熱を放熱する放熱層(50)と、を備えていることを特徴とするレーザー加工用マスク。
  3. 前記吸収層(30、40)は、前記マスク部(20)側から前記被加工物(10)側に向かって第1の層(30)、第2の層(40)が順に積層されたものであり、
    前記第2の層(40)は、前記マスク部(20)および前記第1の層(30)よりも放熱性および耐熱性に優れた層であることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザー加工用マスク。
  4. 前記第2の層(40)は、前記第1の層(30)を越えて前記マスク部(20)に接触して熱的に接続されていることを特徴とする請求項3に記載のレーザー加工用マスク。
  5. 前記マスク部(20)の前記開口部(21)における側面(22)は、前記マスク部(20)の前記被加工物(10)側から前記被加工物(10)とは反対側に向かって拡がるテーパ面となっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のレーザー加工用マスク。
  6. 前記マスク部(20)の内部には、気体が流通可能であって前記開口部(21)を前記開口部(21)とは別部位にて外部と連通させる通気孔(23)が、設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のレーザー加工用マスク。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1つに記載のレーザー加工用マスク(100〜103、105)を用いたレーザー加工方法であって、
    前記レーザー加工用マスク(100〜103、105)を前記被加工物(10)の上に設け、
    前記開口部(21)を介して前記被加工物(10)にレーザー光を照射することによりレーザー加工を行うことを特徴とするレーザー加工方法。
  8. 請求項6に記載のレーザー加工用マスク(104)を用いたレーザー加工方法であって、
    前記レーザー加工用マスク(104)を前記被加工物(10)の上に設け、前記通気孔(23)に気体を流通させることで、前記開口部(21)から前記汚れを吸い込み前記通気孔(23)を介して排出しながら、
    前記開口部(21)を介して前記被加工物(10)にレーザー光を照射することによりレーザー加工を行うことを特徴とするレーザー加工方法。
JP2006344355A 2006-12-21 2006-12-21 レーザー加工用マスクおよびそれを用いたレーザー加工方法 Expired - Fee Related JP4844384B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006344355A JP4844384B2 (ja) 2006-12-21 2006-12-21 レーザー加工用マスクおよびそれを用いたレーザー加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006344355A JP4844384B2 (ja) 2006-12-21 2006-12-21 レーザー加工用マスクおよびそれを用いたレーザー加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008155225A JP2008155225A (ja) 2008-07-10
JP4844384B2 true JP4844384B2 (ja) 2011-12-28

Family

ID=39656718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006344355A Expired - Fee Related JP4844384B2 (ja) 2006-12-21 2006-12-21 レーザー加工用マスクおよびそれを用いたレーザー加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4844384B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230045661A (ko) * 2021-09-27 2023-04-05 삼성전자주식회사 반도체 패키지의 제조 방법
KR102652950B1 (ko) * 2023-06-09 2024-04-01 (주)에스에스피 레이저를 이용한 솔더 솔더링 방법

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01233080A (ja) * 1988-03-12 1989-09-18 Shinko Kogyo Kk レーザ彫刻方法
JPH0676269B2 (ja) * 1990-02-28 1994-09-28 太陽誘電株式会社 セラミック基板のレーザースクライブ方法
JPH0775887A (ja) * 1993-09-03 1995-03-20 Sumitomo Metal Mining Co Ltd レーザー加工装置
JP4816996B2 (ja) * 2001-09-12 2011-11-16 日立化成工業株式会社 多層プリント配線板の製造方法
JP2003285192A (ja) * 2002-03-26 2003-10-07 Kyocera Corp セラミック基板へのレーザー加工方法
JP2004160518A (ja) * 2002-11-14 2004-06-10 Sony Corp レーザ加工方法
JP2004230458A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Fujitsu Hitachi Plasma Display Ltd レーザー加工装置
JP2004311749A (ja) * 2003-04-08 2004-11-04 Mitsubishi Gas Chem Co Inc レーザーによる孔の形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008155225A (ja) 2008-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5145729B2 (ja) 半田接合方法およびそれを用いた半導体装置の製造方法
JP6706253B2 (ja) パワーモジュール用基板およびパワーモジュール用基板集合体およびパワーモジュール用基板の製造方法
US10424501B2 (en) Electronic device and method of manufacturing electronic device
US6566166B2 (en) Method of manufacturing a cavity-down plastic ball grid array (CD-PBGA) substrate
JP2007266419A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2006196925A (ja) 配線基板の製造方法
JP4844384B2 (ja) レーザー加工用マスクおよびそれを用いたレーザー加工方法
JP2013004926A (ja) 回路基板の製造方法、回路基板の製造装置、及び、レーザ加工用治具
JP7047893B2 (ja) 高周波モジュール
JP4350606B2 (ja) プリント配線板の製造方法
WO2009113411A1 (ja) 樹脂フィルムの生産方法
JP2009231635A (ja) 配線基板及びその製造方法、及び半導体装置及びその製造方法
JP2007234900A (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
JP7152729B2 (ja) レーザー加工品の製造方法
WO2013145390A1 (ja) フレキシブルプリント配線板およびその製造方法
US20220087024A1 (en) Component built-in wiring substrate
KR102580589B1 (ko) 전력반도체 모듈의 제조방법 및 이에 의해 제조된 전력반도체 모듈
JP2006041025A (ja) プリント配線板、およびその製造方法、ならびにプリント配線板を用いた電子機器
JP6139331B2 (ja) パワーモジュール
JP2022045241A (ja) 配線基板の製造方法及び配線基板
JP2011176007A (ja) 多面付け基板シート、半導体パッケージ基板、及びこれらの製造方法
KR101281043B1 (ko) 히트 싱크
TW200803636A (en) Mound structure of printed board
JP7054021B2 (ja) プリント基板及び発光装置並びにそれらの製造方法
JP3758263B2 (ja) 電子部品搭載用基板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110913

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110926

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees