JP6139331B2 - パワーモジュール - Google Patents

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Description

この発明は、パワーモジュールに関し、特に、主面の両側に導体層が形成されたセラミック基板を用いて回路を構成したパワーモジュールに関する。
パワーモジュールでは、Si、Al、AlN等のセラミック材の両面に、CuもしくはAlの導体層を、ろう付けもしくは拡散接合により固着した、いわゆるDBC(登録商標:Direct Bonded Copper)基板もしくはDBA(登録商標:Direct Brazed Aluminum)基板が使われている。これらの絶縁性基板はCu、Alまたはそれらの合金からなるヒートシンクとはんだで接合される。
セラミック材料の線膨張係数は4〜7ppm/Kであるのに対し、ヒートシンクの線膨張係数は、Cu製であれば18ppm/K、Al製であれば23ppm/Kである。両者の線膨張係数における隔たりは大きく、線膨張に起因する歪が絶縁性基板とヒートシンクの間に発生する。パワーモジュールには信頼性に改善の余地が残されている。
線膨張係数差による熱歪を緩和するために、線膨張係数が絶縁性基板とヒートシンクの間に位置する緩衝材をはんだ接合材の間に積層した構造が提案されている(例えば特許文献1)。緩衝材には放熱性を低下させないためにはんだ接合材に比べて熱伝導率の大きいものを使用する。接合層の厚さは放熱性と信頼性に影響を及ぼす。接合層の厚さを大きくすると放熱性が低下し、小さくすれば信頼性が低下する。このように接合層の厚さが放熱性と信頼性に及ぼす影響はトレードオフの関係にある。
特許文献1において、緩衝材がはんだ接合材に積層された構造と緩衝材を入れない構造の放熱性を同程度にするには、緩衝材の上下のはんだ接合材の厚みを緩衝材を入れない構造に比べて小さくする必要がある。その際、緩衝材が線膨張係数の差を緩和することによる歪量低減に比べて、はんだ接合材の厚みが小さくなったことによる歪量の増加が大きい場合、信頼性が低くなる。
この点を解決するため、はんだ接合材に積層する緩衝材の角部のみを除去した構造が提案されている(例えば特許文献2)。ここでは、剥離の起点となるはんだ接合材の角部の厚みを増加させ、塑性歪量を低減させることで、放熱性の低下を最小限に抑えつつ信頼性向上を図っている。
半導体素子のコストがパワーモジュール全体のコストに占める割合は大きい。パワーモジュールのコスト削減のためには半導体素子のサイズ縮小が有効である。一方、サイズが縮小すると半導体素子の発熱密度が増大するので放熱対策が重要になる。絶縁性基板とヒートシンクとの接合(以降、基板下接合)には、熱伝導性のグリスが用いられている。熱伝導率が低いグリスの使用は放熱性の向上を困難にし、半導体素子のサイズ縮小の妨げとなる。放熱性の向上のために、基板下接合にグリス接合に代わりはんだ接合が検討されている。はんだ接合を基板下接合へ適用する際に最も懸念されるのは、接合層の信頼性である。接合部の信頼性を決める要因の1つとして、被接合材料の間の線膨張係数差により生じる熱応力がある。
ヒートシンクは例えばCuやAlなどの金属で構成される。ヒートシンクの線膨張係数はCu製であれば18ppm/K、Al製であれば23ppm/Kとなる。絶縁性基板は絶縁層と導体層から構成されている。導体層は絶縁層の主面の両側に形成されている。絶縁層(セラミック材料)の線膨張係数は4〜7ppm/Kである。導体層にはCuもしくはAlが使用され、例えばAgロウなどの接合材料で絶縁層と導体層がロウ付けされて一体化されている。この時、絶縁性基板の全体の見かけの線膨張係数は絶縁層と導体層の材料、厚みにより7〜12ppm/Kとなる。すなわち、ヒートシンクと絶縁性基板との間には10ppm/K以上の線膨張係数差が生じる。
例えば、接合層にSn3.0Ag0.5Cuのような鉛フリーはんだを用いた場合、異材接合部は接合界面に生じる熱応力に対して脆い。塑性変形により微小亀裂が進展する金属疲労による劣化メカニズムに対しては、脆性破壊により一気に剥離が進展し、放熱性の低下を招くことを実験にて確認している。このため、接合層の厚みは200μmより大きく、例えば300μmとし、このような応力を分散させる。
銅の熱伝導率は355W/mKであるのに対して、はんだの熱伝導率は60W/mKである。接合層の厚みの増加は熱伝導に影響を与えるため、接合層の厚みをできる限り増加せずに熱応力を緩和できる構造が必要とされている。
絶縁性基板の線膨張係数を大きくするためには、導体層を厚くするとよい。しかしながら、絶縁層に対して何倍もの厚みの導体層を形成すると、絶縁層と導体層の間の線膨張ミスマッチが大きくなり、絶縁層と導体層の接合信頼性を維持出来なくなる。現実的には、絶縁層と導体層の比率は1:1から1:2.5程度までが限界である。絶縁性基板の線膨張係数は7〜12ppm/K程度となる。
銅はAlよりも価格と密度が高い。ヒートシンクの線膨張係数を下げるために、Cuを材料として採用するとその背反として、コストと重量が増大する。また、車載用の水冷ヒートシンクにおいては、不凍液を循環させる必要がある。冷却経路にAl製のラジエターを介しているため、ヒートシンクの腐食劣化が進行する。
ヒートシンクにAl−SiCを採用すると、線膨張係数は7〜12ppm/Kとなる。線膨張の緩和効果は大きいが、AlにSiCを含浸させる製造プロセスが必要となるため、価格はAlよりも桁違いに高くなる。したがって、車載用の電力用半導体装置においては、ヒートシンクの材料はAlが良好であると言える。
線膨張係数差の緩和について、絶縁性基板の線膨張係数を大きくする方法、ヒートシンクの線膨張係数を小さくする方法、及び線膨張係数が絶縁性基板とヒートシンクの間に位置する材料が積層された接合層にする方法が考えられている。
特開2007-250638号公報 特開2007-150040号公報
特許文献2は半導体素子下の接合に対する技術である。緩衝材の辺の長さは半導体素子の辺の長さよりも小さくても良いが、放熱の観点から大きいほうが望ましいとされている。その理由は、半導体素子は動作時に通電ロスによって発熱するため、半導体素子下の接合層はその熱を効率よく放散できる機能を持つ必要があるためである。
基板下接合においては、放熱性低下を抑制しつつ信頼性向上を図るため、緩衝材の大きさの適正化を行う必要がある。それは、絶縁性基板に搭載された半導体素子の位置によって、接合層の平面方向において放熱性が重要となる箇所と重要とならない箇所が存在するためである。特許文献1、2のように、緩衝材により接合層が多層になればなるほどボイドが残存する確立は増加する。本願に係る発明では、放熱性の低下を抑制しつつ、信頼性が向上した接合構造を得ることを目的としている。
この発明に係るパワーモジュールは、複数のフィンを有するヒートシンクと、側面の周囲ならびに主面の両側がはんだ材で被覆されており、はんだ材を介してヒートシンクに接合されている緩衝材と、第1主面には外周に第1余白部を残して第1導体層が形成されており、第2主面には外周に第2余白部を残して第2導体層が形成されているセラミック基板と、第2導体層に固定されている半導体素子と、を備えている。緩衝材は、ヒートシンクに向かう突起と、セラミック基板に向かう突起が形成されており、第1導体層と緩衝材ははんだ材を介して接合されていて、緩衝材の広さは、半導体素子の広さよりも大きく、ヒートシンクにはヒートシンクに向かう突起に対応する位置に窪みが形成されているか、または、第1導体層にはセラミック基板に向かう突起に対応する位置に窪みが形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、基板下接合において、絶縁性基板とヒートシンクとの間に緩衝材を設けている。接合層の外周部の塑性歪量が減少し、接合層の信頼性を向上することができる。
本発明による実施の形態1のパワーモジュールを示す断面図である。 絶縁性基板と半導体素子の関係を示す平面図である。 接合層の第1の構成を示す平面図である。 接合層の第2の構成を示す平面図である。 実施の形態1におけるはんだシートと緩衝材の役割を説明するための断面図である。 本発明による実施の形態2のパワーモジュールを示す断面図である。 実施の形態2におけるはんだシートと緩衝材の役割を説明するための断面図である。 本発明による実施の形態3のパワーモジュールを示す断面図である。 本発明による実施の形態3の緩衝材の構成を説明する断面図である。
以下に本発明にかかるパワーモジュール(電力用半導体装置)の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
実施の形態1.
図1は実施の形態1のパワーモジュール100の断面図である。同図に示すように、絶縁性基板1はセラミック基板1cの両面に導体層1aと導体層1bを備えている構成になっている。絶縁性基板1には半導体素子2と接合層7が接合されている。ヒートシンク3は接合層7によって絶縁性基板1と接合されている。絶縁性基板1とヒートシンク3の間の接合層7は、緩衝材6とはんだ接合材5とが複合化した構造である。緩衝材6は、熱伝導率がはんだ接合材5よりも大きく、線膨張係数が絶縁性基板1とヒートシンク3の間に位置する。半導体素子2と導体層1aははんだ層4によって接合されている。はんだ層4には例えばSn3.0Ag0.5Cuのような鉛フリーはんだを用いる。
ヒートシンク3は、複数のフィン3fを有し、例えばCuやAlなどの金属で構成されている。ヒートシンク3の線膨張係数はCu製であれば18ppm/K、Al製であれば23ppm/Kとなる。セラミック基板1cの線膨張係数は4〜7ppm/Kである。導体層1a、1bにはCuもしくはAlが使用される。例えばAgロウなどの材料でセラミック基板1cと導体層1a、1bはロウ付けされて一体化されている。絶縁性基板1の全体の見かけの線膨張係数は絶縁層と導体層の材料、厚みにより7〜12ppm/Kとなる。絶縁性基板1はヒートシンク3の取付け面3aに接合層7を介して接合されている。
図2は、絶縁性基板1と半導体素子2の関係を表している。絶縁性基板1の導体層1aには4個の半導体素子2w〜zが接合されている。導体層1aはセラミック基板1cよりも小さく、セラミック基板1cの周辺には余白部1dが残されている。同様に導体層1bはセラミック基板1cよりも小さく、セラミック基板1cの周辺には余白部が残されている。セラミック基板1cにはSi、Al、AlNなどが用いられる。導体層1aと導体層1bは、セラミック基板1cの両面にろう付けもしくは拡散接合により固着されてある。
電力用の半導体素子2は、珪素(Si)によって形成したものの他、珪素に比べてバンドギャップが大きいワイドバンドギャップ半導体によって形成したものも好適に使用することができる。ワイドバンドギャップ半導体としては、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム系材料またはダイヤモンドなどがある。ワイドバンドギャップ半導体を用いた場合、許容電流密度が高く、電力損失も低いため、半導体素子2を用いた装置の小型化が可能となる。
図3は接合層の構成を表している。接合層7は、緩衝材6とはんだ接合材5とが複合化した構造である。板状の緩衝材6の主面の両方および側面の周囲は接合材5によって被覆されている。緩衝材6ははんだ接合材5から露出している部分がない。緩衝材6は、端部がX方向、Y方向ともに接合層7の端部に比べて接合層7の中心側に位置し、少なくとも半導体素子2w〜zの直下にはあるように設けられている。すなわち、緩衝材6の広さは半導体素子2w〜zの広さよりも大きい。このような構造により、接合層7の厚みは400μm程度としている。また、接合層7の厚さは放熱性の観点から1000μm以下であることが望ましい。半導体素子の直下の接合層を除く接合層の外周部の接合層の厚みは増加している。
ここで、緩衝材6は熱を拡散させるために、はんだ接合材5に比べて熱伝導率が大きいものを用いる。これにより、放熱性の低下を最小限に抑えつつ信頼性の向上を図っている。具体的には緩衝材6の材料としてCu、Ni、Feを用いる。Feを使う場合は、はんだとの濡れ性を改善するためにめっきを施しておくことが好ましい。はんだ接合材の熱伝導率(およそ30W/mK〜60W/mK)に比べ、Cuの熱伝導率は300W/mK〜400W/mKと大きい。緩衝材6を使うことにより積層構造を貫通する方向の熱抵抗が小さくなる。また横方向に熱を広げる機能も期待できる。
図4は接合層の別の構成を表している。緩衝材6は半導体素子2w〜zに対応するように4個設けられている。緩衝材6wは半導体素子2wの直下に設けられていて、広さは半導体素子2wの広さよりも大きい。同様に、緩衝材6xは半導体素子2xの直下に設けられていて、広さは半導体素子2xの広さよりも大きい。同様に、緩衝材6yは半導体素子2yの直下に設けられていて、広さは半導体素子2yの広さよりも大きい。同様に、緩衝材6zは半導体素子2zの直下に設けられていて、広さは半導体素子2zの広さよりも大きい。
図5は接合層の形成方法を示している。先ず厚み100〜200μm程度のはんだシート10で、板材(緩衝材6)を挟み、その後、ホットプレスを行うと、はんだシート10が溶融する。はんだシート10が溶融してなるはんだ接合材5は、緩衝材6の側面の周囲と主面の両側を被覆している。はんだ接合の場合、はんだシート10と緩衝材6に囲われた空気が接合層の外部に出ることが出来ず、接合層の内部にボイドとして残ることがある。緩衝材6により接合層が多層になるほどボイドが残存する確率は増加する。また、接合領域が大面積になると接合層7の外に空気が排出されにくくボイドが発生しやすい。
特許文献2は半導体素子下の接合であるため接合面積が小さく、板状の緩衝材を用いてもボイドが発生しにくい。しかし、基板下接合は半導体素子下接合に比べてボイドが発生しやすい。例えば図のように半導体素子2が4つ搭載されている場合、接合層の面積は少なくても4倍以上になる。
緩衝材6がはんだ接合材5よりも厚い場合、接合層7の厚さは緩衝材6により規定される。接合層7の厚さに対してはんだ接合材5が不足すると接合層の内部にボイドが発生する原因となる。そのため、緩衝材6ははんだ接合材5の3倍以下の厚みであることが望ましい。また、緩衝材6がはんだ接合材5よりも薄くなるにつれて、緩衝材の効果は小さくなるため、緩衝材6ははんだ接合材5の1/10以上の厚みであることが望ましい。
接合層の角部以外の接合層の端部においても緩衝材6を除去することで、剥離の発生及び進展を抑制できる。半導体素子2と絶縁性基板1の間の接合では、熱伝導率の大きい緩衝材6の縮小は基本的には放熱性に影響を及ぼす。しかし基板下接合のうち半導体素子2の直下を除く範囲であれば、熱伝導率の大きい緩衝材6が無い場合であっても放熱性の影響は小さい。また、半導体素子が存在する絶縁性基板の中心部下の接合構造は変化しないので熱抵抗の低下を抑制することができる。
実施の形態1に係る構造によれば、緩衝材6により、絶縁性基板1とヒートシンク3の線膨張係数差を緩和することができる。さらに、緩衝材6の端部がX方向、Y方向ともに接合層の端部に比べて接合層の中心側に位置し、接合層の四隅に面取りがなされているため、接合層の端部がはんだ接合材5のみで構成される。そのため、接合層端部の接合層の厚みが増加し、接合層の端部の歪量を低下することができる。これらの効果により、接合層7の信頼性を向上することが出来る。さらに、熱伝導率の大きい緩衝材6が平面方向において半導体素子2を全て包括する大きさとなっているため、発熱源である半導体素子2の直下の放熱性は保たれている。
実施の形態2.
図6は実施の形態2のパワーモジュールの部分断面図である。実施の形態2に係る緩衝材6はスポンジ状の発泡金属、メッシュ状の平織りされた金網、金属箔の積層物、等の空洞が存在するものを使用する。金属箔の積層物は、短冊状に切断された金属箔からなり、積層物は一層ごとに、縦方向および横方向に金属箔の向きを変えて配置されているものである。金属箔はばらけないように、スポット溶接しておくとよい。同図に示すように、緩衝材6は内部に空洞6aが形成されている。空洞6aは相互に繋がり、側面や表層まで通じている。緩衝材6の材料が接合平面方向に繋がり、一体として扱える構造であるため、ハンドリング性を確保でき、生産性が高い。実施の形態2に係る緩衝材6によれば、緩衝材の内部に、外周部にガスを逃がすことが可能となる。ホットプレス時には、はんだ接合材5が溶融し、空洞6aははんだで充填される。詳細を下記に示す。
基板下接合において、放熱性低下の原因となるのは、接合直後における接合層の内部のボイドと熱応力による接合層の剥離である。熱応力による接合層の剥離は前述したとおりである。フラックス入りはんだ接合材の場合、接合層内のボイドは主にフラックスが揮発し接合層内に残存することによって生じる。フラックスによるボイドを防ぐためにフラックスレスのはんだ接合材を使うことも考えられる。しかし、フラックスレスはんだ接合材を使用したとしても、はんだ接合材が空気を接合層に取り込むことにより接合層内にボイドは生じる。
図7は本実施の形態の接合前後のパワーモジュールの断面図である。緩衝材6には空洞が存在し、更にその空洞が三次元的に繋がり表層まで通じている。実施の形態2に係る緩衝材6は実施の形態1に係る板材に比べると空気の逃げ道を多く確保できる。はんだシート10と緩衝材6によって空気が完全に囲われる確率が少なくなると考えられるため、接合後に接合層7の内部のボイドを減らすことができ、放熱性が向上する。この時、緩衝材6がスポンジ形状、メッシュ形状、積層形状などの場合、小さいボイドが排出しきれずにトラップされることはあっても、大きな気泡が広大に残存する事は防止できる。
すなわち、接合層7がスポンジ状、メッシュ状もしくは積層状の緩衝材を含むことで、その全面が濡れ終わるまで、気体が通過できるような不濡れ部が残っていることになる。緩衝材が存在せず単なる空間であれば、はんだが溶融した時に、内部にトラップされた気体があった場合、全周を溶融したはんだで取り囲まれた状態から、取り残された空気が抜けるには、新たに外部と内包された空間を繋ぐ、液体/気体界面を生み出す必要がある。これに対して緩衝材が入った場合、緩衝材の全面が液体で塗れるまでは、気体/固体界面が存在しており、かつその気体/固体界面の表面積は緩衝材が存在しない場合に比べて大きくなっている。
接合層の上下に接するセラミック基板の表面やヒートシンクの表面積よりも緩衝材の表面積が大きいので、緩衝材の表面全面が溶融したはんだによって濡れ終わるのは、セラミック基板及びヒートシンクとはんだの界面が濡れ終わるよりも後になる。このため、必ず緩衝材の表面が全面固体/液体界面になるまでの間、固体/気体界面が維持される。この作用は緩衝材がなかった場合に、セラミック基板の表面とヒートシンクの表面において、固体/気体界面が固体/液体界面に変わり、結果的に気体が内部に取り残されることを防止することになる。ただし全面が濡れ終わった後に気体はもちろん取り残される。
この取り残された気体は、メッシュ、スポンジ、もしくは積層物の内部の小空間に限定されるので、接合層の上面と下面に同時に接するような大きなボイドが残ることはあり得ない。結果的にボイドがあっても緩衝材によって分割された空間以下のサイズになるという事を意味する。このように緩衝材の表面積をセラミック基板やヒートシンクのはんだ付け面よりも大きくした事と、はんだ付けすべき空間を細かく分断した効果により、大きなボイドの発生を防止することが可能となった。
実施の形態3.
図8は実施の形態3のパワーモジュールの断面図である。同図に示すように、緩衝材6にはヒートシンク3の平面方向に対する角部付近に突起6aが設けられている。同様に、緩衝材6には絶縁性基板1の平面方向に対する角部付近に突起6bが設けられている。絶縁性基板1の導体層1bには、突起6bに対応する位置に突起6bが収まる程度の窪み(もしくは穴)1dが形成されていても良い。同様にヒートシンク3には、突起6aに対応する位置に突起6aが収まる程度の窪み(もしくは穴)3bが形成されていても良い。
図9は、緩衝材6に形成されている突起6aと突起6bの配置を示している。緩衝材6は四隅が切りかかれているため、剥離が進展しにくい構成になっている。4対の突起6aと突起6bが、緩衝材6の角部に配置されている。ヒートシンク3には4個の突起6aに対応する場所に窪み3bが形成されていることが好ましい。導体層1bには4個の突起6bに対応する場所に窪み1dが形成されていることが好ましい。
接合層7の剥離は、温度サイクル時の線膨張係数差による熱応力が原因である。線膨張係数差が大きいほど熱応力が大きくなるため、塑性歪量が大きくなり剥離が進展しやすい。そこで、線膨張係数差が小さい接合層と異なり線膨張係数差が大きい場合、接合層の厚さを大きくするほうが信頼性が向上すると考えられる。また、ヒートシンク3に対する絶縁性基板1の所望範囲からの位置ずれは、その後の工程に影響を及ぼす。
更に、絶縁性基板1に対する半導体素子2の位置に偏りが生じると、ヒートシンク3に対して予想した冷却効果を発揮できない可能性がある。そのため、ヒートシンク3に対する絶縁性基板1の位置は冶具により制御されることが多い。しかし、冶具のコスト増加、冶具固定箇所の必要性、冶具配置工程の増加のため冶具の使用は好ましくない。
このような構成によれば、緩衝材6の上下の緩衝材の端部の各々の線膨張係数差に応じた接合層の最低厚さを規定できるため、接合層の端部の歪量増加を防止し信頼性の低下を抑制することができる。また、緩衝材6に設けられた窪みまたは穴によって冶具を使用せずにヒートシンク3に対する絶縁性基板1の位置を制御することができる。
半導体素子にSiCを用いた場合、半導体素子はその特徴を生かすべくSiの時と比較してより高温で動作させることになる。SiCデバイスを搭載するパワーモジュールにおいては、半導体素子としてより高い信頼性が求められるため、高信頼のパワーモジュールを実現するという本発明のメリットはより効果的なものとなる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 絶縁性基板、1a 導電層、1b 導電層、1c セラミック基板、1d 窪み、2 半導体素子、3 ヒートシンク、3a 取付け面、3b 窪み、4 はんだ層、5 はんだ接合材、6 緩衝材、6a 突起、6b 突起、7 接合層、10 はんだシート、100 パワーモジュール

Claims (10)

  1. 複数のフィンを有するヒートシンクと、
    側面の周囲ならびに主面の両側がはんだ材で被覆されており、前記はんだ材を介して前記ヒートシンクに接合されている緩衝材と、
    第1主面には外周に第1余白部を残して第1導体層が形成されており、第2主面には外周に第2余白部を残して第2導体層が形成されているセラミック基板と、
    前記第2導体層に固定されている半導体素子と、を備え、
    前記緩衝材は、前記ヒートシンクに向かう突起と、前記セラミック基板に向かう突起が形成されており、
    前記第1導体層と前記緩衝材は前記はんだ材を介して接合されていて、
    前記緩衝材の広さは、前記半導体素子の広さよりも大きく、
    前記ヒートシンクには前記ヒートシンクに向かう突起に対応する位置に窪みが形成されているか、または、前記第1導体層には前記セラミック基板に向かう突起に対応する位置に窪みが形成されていることを特徴とするパワーモジュール。
  2. 前記緩衝材は、板状金属からなることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
  3. 前記緩衝材は、発泡金属からなることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
  4. 前記緩衝材は、金網からなることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
  5. 前記緩衝材は、短冊状に切断された金属箔の積層物からなり、前記積層物は一層ごとに金属箔の向きを変えて配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
  6. 前記緩衝材は、多角形の形状を有し、角部が切り欠かれていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のパワーモジュール。
  7. 前記緩衝材の熱伝導率は、前記はんだ材の熱伝導率よりも大きいことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のパワーモジュール。
  8. 前記緩衝材の線膨張係数は、前記セラミック基板の線膨張係数よりも大きくかつ前記ヒートシンクの線膨張係数よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載のパワーモジュール。
  9. 前記半導体素子は、ワイドバンドギャップ半導体により形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のパワーモジュール。
  10. 前記ワイドバンドギャップ半導体は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、ダイヤモンドのいずれかの半導体であることを特徴とする請求項9に記載のパワーモジュール。
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