JP3758263B2 - 電子部品搭載用基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PGAなどとして使用される電子部品搭載用基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体等の電子部品を搭載するために用いられる半導体搭載用基板Aは、図24(a)に示すように、複数枚の回路板15を積層すると共に凹部や開口部などとして電子部品搭載部16を設けることによって形成されている。図24(a)において2は各回路板15間に設けられた内層配線回路、3は表面の外層配線回路、4は基板Aに設けたスルーホール17の内周に形成したスルーホールメッキであり、内層配線回路2と外層配線回路3はこのスルーホールメッキ4で電気的に接続されるようにしてある。そして電子部品搭載部16に面する各回路板15の段差部1には、内層配線回路2の一部を露出させて配置してあり、電子部品搭載部16に搭載した半導体に接続するための金線等のワイヤーをこの内層配線回路2にボンディングするようにしてある。
【0003】
ここで、上記のような電子部品搭載用基板Aを製造するにあたって、スルーホールメッキ4を化学メッキ処理して施したり、外層配線回路3をエッチング処理して形成したりする際に、段差部1に露出する内層配線回路2の表面にもこれらの化学処理液が作用するおそれがある。また段差部1に露出する内層配線回路2の表面に、ソルダーレジストを塗布する工程でソルダーレジストが付着したり、多層成形する工程で成形用樹脂が付着したりして、内層配線回路2が汚れるおそれもある。
【0004】
そこで段差部1に露出する内層配線回路2に化学メッキ処理やエッチング処理などの際の化学処理液が作用したりすることを防ぐために、従来から各種の対応がとられている。
【0005】
例えば特公平2−5014号公報では、図24(b)に示すように、最外側の回路板15で電子部品搭載部16に蓋をするようにし、段差部1に露出する内層配線回路2に化学処理液が作用したりすることを防ぐようにしている。また特開平6−252287号公報では、図24(c)に示すように、フィルム18で電子部品搭載部16に蓋をするようにし、同様に段差部1に露出する内層配線回路2に化学処理液が作用したりすることを防ぐようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特公平2−5014号公報のものでは電子部品搭載部16に蓋をする回路板15が必要になって構造が複雑になると共に電子部品搭載用基板Aの全体の厚みが厚くなり、設計上の制約が大きくなるという問題があり、また特公平6−252287号公報のものでは耐薬品性に優れたフィルム18が必要になってコストアップになると共にフィルム18の管理が煩雑になるという問題があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、蓋をする部材を必要とすることなく、段差部に露出する内層配線回路に化学処理液が作用することを防ぐことができると共に、ソルダーレジストや成形樹脂等の汚れによる汚れ不良を低減できる電子部品搭載用基板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る電子部品搭載用基板の製造方法は、電子部品を搭載する基板Aの段差部1に内層配線回路2が導出され、内層配線回路2が外層配線回路3とスルーホールメッキ4によって接続された電子部品搭載用基板を製造する際に、層間の内層配線回路 2上に設けた樹脂皮膜5を延出させることによって段差部1に配置される内層配線回路2の表面を被覆した後、延出させた樹脂皮膜5を除去して段差部1のこの内層配線回路2を露出させるにあたって、樹脂皮膜5を除去する部分において、内層配線回路2と樹脂皮膜5との間にマスク材43を設けることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項2に係る電子部品搭載用基板の製造方法は、電子部品を搭載する基板Aの段差部1に内層配線回路2が導出され、内層配線回路2が外層配線回路3とスルーホールメッキ4によって接続された電子部品搭載用基板を製造する際に、層間の内層配線回路2上に設けた樹脂皮膜5を延出させることによって段差部1に配置される内層配線回路2の表面を被覆した後、樹脂皮膜5を除去して段差部1のこの内層配線回路2を露出させるにあたって、樹脂皮膜5を除去する部分において、内層配線回路2と樹脂皮膜5の間に両者の接着を抑制する材料44を設けることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項3は上記の電子部品搭載用基板の製造方法において、内層配線回路2の表面を被覆した樹脂皮膜5をレーザ光照射で除去することを特徴とするものである。
【0011】
また請求項4は上記の電子部品搭載用基板の製造方法において、スルーホールメッキ4を行なう前段階で、段差部1に配置される内層配線回路2の表面を樹脂皮膜5で被覆することを特徴とするものである。
【0012】
また請求項5は上記の電子部品搭載用基板の製造方法において、段差部1に配置される内層配線回路2間あるいはこの内層配線回路2の基板Aから立ち上がる側面の少なくとも一部が樹脂皮膜5で覆われるように、樹脂皮膜5を一部を残して除去することを特徴とするものである。
【0013】
また請求項6は上記の電子部品搭載用基板の製造方法において、段差部1に配置される内層配線回路2の基板Aから立ち上がる側面の下部が樹脂皮膜5で覆われるように一部を残して樹脂皮膜5を除去するにあたって、樹脂皮膜5の表面から突出する内層配線回路2の高さ寸法が内層配線回路2の幅寸法よりも小さくなるように樹脂皮膜5の除去量を調整することを特徴とするものである。
【0014】
また請求項7は上記の電子部品搭載用基板の製造方法において、内層配線回路2の表面を被覆した樹脂皮膜5を、まず機械的に切削した後、レーザ光を照射して除去することを特徴とするものである。
【0015】
また請求項8の発明は上記の電子部品搭載用基板の製造方法において、樹脂皮膜5の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中で、内層配線回路2の表面を被覆した樹脂皮膜5にレーザ光を照射して、樹脂皮膜5を除去することを特徴とするものである。
【0016】
また請求項9は上記の電子部品搭載用基板の製造方法において、複数種のレーザ光を用いてレーザ光照射することを特徴とするものである。
【0017】
また請求項10は上記の電子部品搭載用基板の製造方法において、基板Aに対して斜め方向からレーザ光を照射することを特徴とするものである。
【0018】
また請求項11は上記の電子部品搭載用基板の製造方法において、基板Aに対して斜め方向からレーザ光を照射すると共に基板Aを反射した反射レーザ光を再度基板Aに照射させることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0020】
先ず電子部品搭載用基板Aの製造を図1,2の実施の形態に基づいて説明する。電子部品搭載用基板Aは複数枚の回路板15を積層して多層板として形成されるものであり、各回路板15としては銅張りエポキシ樹脂積層板など金属箔張り積層板によって形成したものを用いることができる。ここで図1(a)に示すように、各回路板15を積層することによって内層側になる面には金属箔をエッチング処理等することによって内層配線回路2が形成してあり、また各回路板15の外層側になる面には金属箔20が張ってある。
【0021】
図1(a)の例では、3枚の回路板15a,15b,15cを用い、回路板15aには大きめの開口部21aが、回路板15bには小さめの開口部21bが、回路板15cにはさらに小さい凹所21cが形成してある。内層配線回路2のうち一部のものは開口部21bや凹所21cの近傍において設けるようにしてある。また各回路板15を積層することによって内層側になる面には、積層の際の接着性を確保するために内層配線回路2の上からソルダーレジスト23が塗布してあり、このソルダーレジスト23によって形成される樹脂皮膜5を層間の内層配線回路2上に設けるようにしてある。勿論、樹脂皮膜5はソルダーレジスト以外の樹脂で形成してもよい。そしてこの樹脂皮膜5は開口部21bや凹所21cにも延長してあって、開口部21bや凹所21cの近傍において設けた内層配線回路2を樹脂皮膜5で被覆するようにしてある。
【0022】
上記のように形成される複数枚の回路板15をプリプレグなど成形用接着樹脂22を介して重ね、加熱加圧して積層成形することによって、図1(b)に示すような多層構成の電子部品搭載用基板Aを作製することができるものであり、この基板Aには開口部21a,21b及び凹所21cによって電子部品搭載部16が形成してある。このように作製される基板Aにあって、電子部品搭載部16の内周面を形成する段差部1には開口部21bや凹所21cの近傍において設けた内層配線回路2が位置しているが、この段差部1の内層配線回路2の表面は樹脂皮膜5で被覆されているので、積層成形する際に成形用接着樹脂22が流れて段差部1へとはみ出しても、この成形用接着樹脂22のはみ出し部22aが段差部1の内層配線回路2に付着するようなことはない。
【0023】
次に、基板Aをドリル加工することによって図1(c)のようにスルーホール17を設けた後、図1(d)のようにスルーホール17の内周にスルーホールメッキ4を設け、このスルーホールメッキ4で内層配線回路2と外層配線回路3とを電気的に接続する。スルーホールメッキ4は、基板Aを化学メッキ液で処理することによって行なうことができ、あるいは基板Aを化学メッキ液で処理して薄いメッキ膜を設けた後に、この薄いメッキ膜に通電しながら電気メッキ液で処理することによっておこなうことができる。いずれにしても基板Aをメッキ液で処理するために、スルーホール17の内周のみならず基板Aの全面にメッキ液が作用し、電子部品搭載部16内にもメッキ液が侵入するが、電子部品搭載部16の内周面の段差部1に位置している内層配線回路2の表面は樹脂皮膜5で被覆されているので、メッキ液がこの段差部1の内層配線回路2に作用するようなことはない。また電子部品搭載部16内にもメッキが付着するが、段差部1の内層配線回路2の表面は樹脂皮膜5で被覆されているので、メッキがこの内層配線回路2の表面に直接付着するようなことはない。従って、メッキ処理の際に従来例のように電子部品搭載部16に蓋をするような必要はなくなるものである。
【0024】
上記のようにスルーホールメッキ4を行なった後、基板Aの外層の金属箔20に感光性レジストの塗布・露光・現像・エッチング等の処理を行ない、図2(a)のように基板Aの外面に外層配線回路3を形成すると共に、電子部品搭載部16内に付着しているメッキを除去する。このように外層配線回路3を形成する際にエッチング液で基板Aを処理しても、電子部品搭載部16の内周面となる段差部1に位置している内層配線回路2の表面は樹脂皮膜5で被覆されているので、エッチング液がこの段差部1の内層配線回路2に作用するようなことはない。従って、エッチング処理の際に従来例のように電子部品搭載部16に蓋をするような必要はなくなるものである。
【0025】
このようにして外層配線回路3を形成した後、段差部1に延長されていて電子部品搭載部16内において露出する樹脂皮膜5を図2(b)のように除去し、電子部品搭載部16の内周面となる段差部1の内層配線回路2の表面から樹脂皮膜5を除去することによって、この内層配線回路2を電子部品搭載部16内において露出させることができるものである。樹脂皮膜5の除去は、ルーターなどを用いて機械的研削加工によって行なうことができるものであり、このように段差部1の内層配線回路2の表面から樹脂皮膜5を除去することによって、同時にこの上に付着している成形用接着樹脂22のはみ出し部22aなどの汚れも除去することができるものであり、段差部1の内層配線回路2の表面に樹脂汚れ等の不良が発生することを低減することができるものである。
【0026】
上記のようにして電子部品搭載用基板Aを作製することができるものであり、そして電気メッキを行なって、図2(c)のように段差部1に露出する内層配線回路2、外層配線回路3、スルーホールメッキ4のそれぞれの表面に、ニッケルメッキや金メッキなどの仕上げメッキ24を施して仕上げをした後、電子部品搭載部16に半導体などの電子部品を搭載して電子部品と段差部1の内層配線回路2との間に金線等のワイヤーをボンディングすることによって、電子部品搭載用基板Aに電子部品を実装することができるものである。
【0027】
尚、上記の例では、電子部品搭載部16を上面が開口する凹部として電子部品搭載用基板Aに形成するようにしたが、電子部品搭載用基板Aの両面に開口する開口部として電子部品搭載部16を形成するようにしてもよい。また上記のように電子部品搭載部16の内周面を段差部1としてもよいが、基板Aの端面を段差部1として上記の技術を適用するようにしてもよい。さらに上記の例では電子部品搭載用基板Aを貫通させてスルーホール17を設けたが、貫通しないいわゆるビアホールとして形成するようにしてもよい。
【0028】
上記の図1、図2の例ではソルダーレジスト23で樹脂皮膜5を形成するようにしたが、図3の例では成形用接着樹脂22で樹脂皮膜5を形成するようにしてある。すなわち、図3(a)のように複数枚の回路板15をプリプレグなど成形用接着樹脂22を介して重ね、加熱加圧して積層成形することによって、図3(b)に示すような多層構成の電子部品搭載用基板Aを作製することができるものであり、このものでは成形用接着樹脂22が樹脂皮膜5として層間の内層配線回路2上に設けられるようにしてある。そしてこのように積層成形する際に、成形用接着樹脂22を開口部21a,21bによって形成された電子部品搭載部16の内周の段差部1へと流延させ、成形用接着樹脂22のこのはみ出し部22aによる樹脂皮膜5で段差部1の内層配線回路2が被覆されるようにしてある。このようにしてソルダーレジスト23などを用いなくとも、樹脂流れ量が増加して材料ロスは大きくなるが、回路板15を積層接着するための成形用接着樹脂22を利用して段差部1の内層配線回路2を被覆する樹脂皮膜5を形成することができるものである。
【0029】
段差部1の樹脂皮膜5を除去して段差部1の内層配線回路2を露出させるにあたって、樹脂皮膜5の除去は機械的切削加工によっておこなうことができるが、請求項3の発明ではレーザ光の照射によって樹脂皮膜5の除去を行なうようにしてある。図4はその実施の形態を示すものあり、レーザ光Lを集光レンズ26で集光して段差部1の樹脂皮膜5に照射することによって、レーザ光Lのエネルギーで樹脂皮膜5を分解消失させて、段差部1の樹脂皮膜5を除去することがきるものである。レーザとしては、YAGレーザ、CO2 レーザ、エキシマレーザなど任意のものを用いることができる。
【0030】
機械的切削加工で樹脂皮膜5を除去する場合には、段差部1の内層配線回路2や基板Aを傷つけるおそれがあるが、レーザ光照射ではこのような問題がなくなるものである。特に、内層配線回路2は樹脂皮膜5に比べてレーザ光の吸収率が低く、熱伝導も良いので、内層配線回路2を傷つけることなく樹脂皮膜5だけを選択的に除去することができ、樹脂皮膜5の除去量を精度良く管理することができるものである。また、基板Aと樹脂皮膜5の成分を調整することによって、基板Aに影響を与えることなく樹脂皮膜5を除去することが容易になる。例えば、基板Aの構成樹脂がエポキシ系樹脂である場合、樹脂皮膜5をエポキシ系樹脂に酸化物や炭化物を添加したもので形成し、そしてレーザとして波長1.06μmのYAGレーザを用いると、レーザ光Lは樹脂皮膜5に作用して樹脂皮膜5を除去することができるが、レーザ光Lは基板Aを透過してして基板Aに損傷を与えないようにすることができるものである。
【0031】
請求項4の発明は、メッキ液を用いてスルーホールメッキ4を形成する行なう図1(d)の工程や、エッチング液を用いて外層配線回路3を形成する図2(a)の工程よりも前の段階で、すなわち既述の例でいえば図1(a)、図3(b)の工程で、段差部1に配置される内層配線回路2の表面を樹脂皮膜5で被覆するようにしたことを内容とするものである。このようにメッキ処理やエッチング処理の前段階で段差部1の内層配線回路2を樹脂皮膜5で覆うことによって、段差部1の内層配線回路2がメッキ液やエッチング液の作用を受けることを樹脂皮膜5で防ぐことができ、従来例のように電子部品搭載部16に蓋をするような必要がなくなるものである。
【0032】
ここで、図6は段差部1において基板Aの表面に露出する内層配線回路2を示すものであるが、加湿環境下などで基板Aの内層配線回路2間の表面に水分等の導電性物質27が付着すると内層配線回路2間の絶縁劣化が生じやすく、また内層配線回路2と基板Aとの間の接合界面が露出しているために、この露出する接合界面に腐食が発生して内層配線回路2が剥離するおそれがある。そこで請求項5の発明は、段差部1の樹脂皮膜5を除去するにあたって、段差部1に配置される内層配線回路2間あるいはこの内層配線回路2の基板Aから立ち上がる側面が樹脂皮膜5で覆われるように、樹脂皮膜5の一部を残すようにしてある。
【0033】
すなわち、図5(a)のようにソルダーレジスト23などの樹脂皮膜5で段差部1の樹脂皮膜5を被覆した後、レーザ光の照射等で段差部1の樹脂皮膜5を除去するにあたって、図5(b)のように内層配線回路2間の基板Aの表面が樹脂皮膜5で被覆されると共に内層配線回路2の側面が樹脂皮膜5で被覆されるように、樹脂皮膜5の一部を残して樹脂皮膜5の除去を行なうようにしてある。また図5(c)のように内層配線回路2間に樹脂皮膜5を残すようにして樹脂皮膜5の除去を行なうようにすることもできる。
【0034】
このように内層配線回路2間の基板Aの表面に樹脂皮膜5を残すことによって、基板Aの表面に導電性物質27が付着するのを防止することができるものであり、また内層配線回路2の側面に樹脂皮膜5を残すことによって、隣合う内層配線回路2間の絶縁性を確保することがきると共に、内層配線回路2と基板Aとの間の接合界面を樹脂皮膜5で覆うことができ、この接合界面の腐食を防止して内層配線回路2の剥離を防ぐことができるものである。また、基板Aに電子部品を搭載した後にモールド樹脂成形するにあたって、残留させる樹脂皮膜5の表面は凹凸が多いために、このモールド樹脂との接着性を向上させる効果も期待することができるものである。
【0035】
図8は段差部1において基板Aの表面に露出する内層配線回路2を示すものであり、図8(a)は内層配線回路2の幅寸法wが、内層配線回路2の基板Aの表面から突出する高さt0よりも大きい場合(w>t0)を、図8(b)は内層配線回路2の幅寸法wが、内層配線回路2の基板Aの表面から突出する高さt0よりも小さい場合(w<t0)をそれぞれ示す。そして基板Aに搭載される電子部品を段差部1の内層配線回路2にワイヤーボンディングするにあたって、金線等のワイヤーを内層配線回路2に超音波溶接する場合、図8(a)のようにw>t0であるとワイヤーボンディングの際の超音波振動が内層配線回路2の接合部に効率良く伝わってワイヤーの接合の信頼性が高くなるが、図8(b)のようにw<t0であると、内層配線回路2の剛性が低下してワイヤーボンディングの際の超音波振動が内層配線回路2の接合部に効率良く伝わらずワイヤーの接合不良が生じやすい。
【0036】
そこで請求項6の発明では、図7(a)のように樹脂皮膜5で段差部1の内層配線回路2を被覆した後、レーザ光照射等を行なって、上記のように内層配線回路2間に樹脂皮膜5の一部を残して段差部1の樹脂皮膜5を除去するにあたって、図7(b)に示すように、内層配線回路2が樹脂皮膜5の表面から突出する高さ寸法t(=t0−h)が内層配線回路2の幅寸法wよりも小さくなるように、すなわちw>t(=t0−h)となるように、内層配線回路2間の基板Aの表面に残す樹脂皮膜5の厚みhを調整するようにしてある。このように内層配線回路2が樹脂皮膜5の表面から突出する高さ寸法tが内層配線回路2の幅寸法wよりも小さくなるようにすることによって、内層配線回路2の剛性を確保し、ワイヤーボンディングの信頼性を高く得ることができるものである。
【0037】
図11(a)は段差部1において内層配線回路2を被覆するように基板Aの表面に設けた樹脂皮膜5を示すものであり、樹脂皮膜5はこのように厚みが不均一である場合が多い。このような厚みが不均一である樹脂皮膜5にレーザ光を照射して樹脂皮膜5を除去する場合、図11(b)のように樹脂皮膜5のうち厚みの厚い部分は完全に除去することができず、樹脂皮膜5の一部が残ってしまう。そこでこのような樹脂皮膜5の一部が残らないようにレーザ光の出力を高めたり照射時間を長くしたりすると、樹脂皮膜5の厚みの薄い部分でレーザ光が基板Aに作用し、図11(c)のように基板Aに熱損傷29が生じるおそれがある。
【0038】
そこで請求項7の発明では、図10(a)のように樹脂皮膜5で段差部1の内層配線回路2を被覆した後、まず図9(a)や図10(b)のようにルーター30等を用いて段差部1の樹脂皮膜5の表層部を機械的に切削し、段差部1の樹脂皮膜5の厚みがほぼ均一になるようにする。機械切削だけでは基板Aの反り等の問題によって樹脂皮膜5の切削量の制御が難しいので、この後に、図9(b)や図10(c)のようにレーザ光Lを照射して、残った樹脂皮膜5を除去するようにしてある。
【0039】
このように段差部1の樹脂皮膜5の表層部を機械的に切削したのち、レーザ光照射で樹脂皮膜5を除去するようにすれば、機械的切削の後に残る樹脂皮膜5は厚みがほぼ均一になっており、除去残しや基板Aの損傷が生じることなくレーザ光照射で樹脂皮膜5を除去することができるものであり、樹脂皮膜5の除去品質を向上させることができるものである。
【0040】
上記のように段差部1の樹脂皮膜5を除去するにあたって、段差部1に配置される内層配線回路2はその表面にワイヤーがボンディングされるので、この内層配線回路2の表面に樹脂皮膜5が残らないように除去する必要がある。従ってレーザ光Lを照射して樹脂皮膜5を除去する場合には、基板Aや内層配線回路2に損傷がないように条件を管理しながら樹脂皮膜5を残らないように除去する必要があり、条件管理が難しい。特に内層配線回路2は銅で形成される場合が多いが、銅は放熱されて冷却され易いので、YAGレーザやCO2ガスレーザを用いた場合のような赤外光による熱加工では、内層配線回路2の表面に微小に樹脂皮膜5が残り易い。
【0041】
そこで請求項1の発明では、段差部1に配置される内層配線回路2の表面にエッチングレジストなどレジスト23を塗布して樹脂皮膜5で被覆するに先立って、まずレーザ光を照射して樹脂皮膜5を除去する部分において内層配線回路2の表面に図12(a)のようにマスク材43を設けて内層配線回路2の表面を被覆し、このマスク材43の上からレジスト23を塗布・硬化させて図12(b)のように内層配線回路2上に樹脂皮膜5を形成するようにしてある。マスク材43としては例えばポリイミドテープなど粘着テープを用いることができる。そして図12(c)のように樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射してマスク材43の上の樹脂皮膜5を除去する処理を行なった後、図12(d)のようにマスク材43を剥がして、内層配線回路2を露出させるようにしてある。
【0042】
このようにマスク材43で内層配線回路2の表面を被覆した状態で樹脂皮膜5を形成することによって、レーザ光Lを照射して樹脂皮膜5を除去する部分には内層配線回路2の表面に樹脂皮膜5は付着しないものである。従って、内層配線回路2上に樹脂皮膜5の微小樹脂残りが生じるようなことなく、レーザ光Lの照射で樹脂皮膜5を除去することができるものであり、樹脂皮膜5の微小樹脂残りを除去する後処理工程が不要になり、そして内層配線回路2の表面へのワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に仕上げメッキ24のメッキ性が向上するものである。
【0043】
上記のマスク材43としてはポリイミドフィルムの他に、錫や錫合金(例えば半田)を用いることができるものであり、例えば内層配線回路2の表面に半田メッキを施すことによって、既述の図12(a)のように内層配線回路2の表面にマスク材43を設けることができる。そしてこのマスク材43の上からレジスト23を塗布・硬化させて既述の図12(b)のように内層配線回路2上に樹脂皮膜5を形成し、さらに既述の図12(c)のように樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射してマスク材43の上の樹脂皮膜5を除去する処理を行なった後、半田剥離液などの化学薬品でマスク材43を溶解して既述の図12(d)のようにマスク材43を除去し、内層配線回路2を露出させることができるものである。このように錫や錫合金でマスク材43を形成するようにすると、メッキによって内層配線回路2の必要な箇所にのみマスク材43を設ける処理が容易になるものである。またマスク材43をラフに形成して図13に示すように除去しない樹脂皮膜5の下に一部が存在するように設けてあってもよく、マスク材43を完全に除去する必要は必ずしもない。
【0044】
また上記のマスク材43としては、感光性レジストによるドライフィルムを用いることもできる。ドライフィルムを用いる場合、露光・現像処理することによって既述の図12(a)のように内層配線回路2の表面にマスク材43を設けることができる。そしてこのマスク材43の上からレジスト23を塗布・硬化させて既述の図12(b)のように内層配線回路2上に樹脂皮膜5を形成し、さらに既述の図12(c)のように樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射してマスク材43の上の樹脂皮膜5を除去する処理を行なった後、NaOH溶液等のアルカリ溶液など化学薬品でマスク材43を溶解して既述の図12(d)のようにマスク材43を除去し、内層配線回路2を露出させることができるものである。このようにドライフィルムでマスク材43を形成するようにすると、露光・現像処理によって必要箇所にのみマスク材43を設ける処理が容易になるものである。またドライフィルムはアルカリ液等で容易に剥離することができるので、内層配線回路2の表面にマスク材43の微小残りが生じ難いものである。このマスク材43は必ずしも完全に除去する必要はなく、一部が残っていてもよい。
【0045】
また上記のマスク材43としては、熱可塑性ウレタン樹脂など熱可塑性樹脂43aで形成することもできる。この場合は熱可塑性樹脂43aを塗布して図14(a)のように内層配線回路2の表面にマスク材43を設けた後、マスク材43の上からレジスト23を塗布・硬化させて図14(b)のように内層配線回路2上に樹脂皮膜5を形成し、そして図14(c)のように樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射してマスク材43の上の樹脂皮膜5を除去する処理を行なう際に、樹脂皮膜5の下の熱可塑性樹脂43aで形成されるマスク材43もレーザ光Lの照射によって溶融分解し、除去することができるものである。このように熱可塑性樹脂43aのマスク材43はレーザ光Lの照射によって溶融除去されるので、内層配線回路2の表面に微小樹脂残りが生じ難くなるものである。しかもレーザ光Lを照射して樹脂皮膜5を除去する際に同時にマスク材43も除去できるので、マスク材43を除去するための工程が不要になるものである。このとき、図14(d)や図15に示すようにマスク材43は必ずしも完全に除去する必要はない。
【0046】
さらに上記のマスク材43としては、昇華性物質、あるいは昇華性物質を含んだ材料で形成することもできる。昇華性物質としてはCdOなどを用いることができる。この場合は、昇華性物質(あるいは昇華性物質含有材料)43bを塗布して図16(a)のように内層配線回路2の表面にマスク材43を設けた後、マスク材43の上からレジスト23を塗布・硬化させて図16(b)のように内層配線回路2上に樹脂皮膜5を形成し、そして図16(c)のように樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射してマスク材43の上の樹脂皮膜5を除去する処理を行なう際に、樹脂皮膜5の下の昇華性物質(昇華性物質含有材料)43bで形成されるマスク材43もレーザ光Lの照射によって昇華し、除去することができるものである。このように昇華性物質(昇華性物質含有材料)43bのマスク材43はレーザ光Lの照射によって昇華除去されるので、内層配線回路2の表面に微小残りが生じ難くなるものである。しかもレーザ光Lを照射して樹脂皮膜5を除去する際に同時にマスク材43も除去できるので、マスク材43を除去するための工程が不要になるものである。このとき昇華性物質(昇華性物質含有材料)43bの塗布精度はラフでよく、図16(d)に示すようにマスク材43は必ずしも完全に除去する必要はない。
【0047】
また請求項2の発明では、段差部1に配置される内層配線回路2の表面にエッチングレジストなどレジスト23を塗布して樹脂皮膜5で被覆するに先立って、まずレーザ光を照射して樹脂皮膜5を除去する部分において内層配線回路2の表面に図17(a)のように接着抑制材料44を設けて内層配線回路2の表面を被覆し、この接着抑制材料44の上からレジスト23を塗布・硬化させて図17(b)のように内層配線回路2上に樹脂皮膜5を形成するようにしてある。接着抑制材料44は金属の内層配線回路2に対するレジスト23の接着を抑制する作用を有するものであればよく、例えば油、離型剤、界面活性剤などを用いることができる。そして樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射して図17(c)のように接着抑制材料44の上の樹脂皮膜5を除去する処理を行なう。このとき、接着抑制材料44もレーザ光Lの照射によって除去され、内層配線回路2を露出させることができる。内層配線回路2の表面に接着抑制材料44が残留していれば、水、洗剤、有機溶剤等で洗浄することによって完全除去することができる。
【0048】
このように接着抑制材料44で内層配線回路2の表面を被覆した状態で樹脂皮膜5を形成することによって、レーザ光Lを照射して樹脂皮膜5を除去する部分には内層配線回路2の表面に樹脂皮膜5は付着し難くなるものである。従って、内層配線回路2上に樹脂皮膜5の微小樹脂残りが生じるようなことなく、レーザ光Lの照射で樹脂皮膜5を除去することができるものであり、樹脂皮膜5の微小樹脂残りを除去する後処理工程が不要になり、そして内層配線回路2の表面へのワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に仕上げメッキ24のメッキ性が向上するものである。ここで、接着抑制材料44の塗布精度はラフでよく、図18に示すように接着抑制材料44は必ずしも完全に除去する必要はない。
【0049】
請求項8の発明は、段差部1の樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射して樹脂皮膜5を除去するにあたって、樹脂皮膜5の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中で、内層配線回路2の表面の樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射し、この樹脂皮膜5を除去するようにしてある。この気体としては、レーザ光Lを樹脂皮膜5に照射して加熱する際に、樹脂の加熱分解反応(燃焼反応等)を促進させるものを用いるものであり、酸素や活性な酸素(オゾン)などを使用することができる。樹脂皮膜5が炭化物系樹脂で形成されている場合、炭化物系樹脂は酸素やオゾンと反応して炭化物の分解が促進されるものである。図19の例では、レーザ光Lを照射する部分にノズル56で上記の気体を吹き付けることによって、樹脂皮膜5の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中で樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射するようにしてある。このときの気体の吹き付け圧は1〜5kg/cm2程度が好ましい。またこのように気体を吹き付ける他に、レーザ光Lによる加工工程の雰囲気全体を上記の気体の雰囲気にすれば、効果を一層高く得ることができるものである。
【0050】
このように樹脂皮膜5の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中でレーザ光Lを照射することによって、レーザ光Lの照射部分において内層配線回路2上に微小樹脂残りが残留することなく樹脂皮膜5を完全に除去することができるものであり、内層配線回路2の表面へのワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に仕上げメッキ24のメッキ性が向上するものである。
【0051】
図20の例では、電源57に接続されるプラズマ処理装置の電極58のプラズマ放電でプラズマ59を生じさせ、このプラズマ59の雰囲気中で内層配線回路2の表面の樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射するようにしてある。プラズマ59としては酸素プラズマなどを使用することができ、レーザ光Lを樹脂皮膜5に照射して加熱する際に、樹脂の加熱分解反応をこの酸素プラズマ59で促進させることができる。樹脂皮膜5が炭化物系樹脂で形成されている場合、炭化物系樹脂は酸素や活性な酸素(酸素プラズマ)と反応して炭化物の分解が促進されるものである。
ここで、上記のようにレーザ光を照射して段差部1の樹脂皮膜5を除去するにあたって、単一波長のレーザ光照射では、樹脂皮膜5の厚みのばらつき、樹脂皮膜5の材質、内層配線回路2への樹脂皮膜5の付き回り方向の如何等によって、内層配線回路2の表面に樹脂皮膜5の微小樹脂残りが発生し易くなる。
【0052】
そこで請求項9の発明では、図21に示すように、段差部1の樹脂皮膜5に複数種のレーザ光L1 ,L2 ,L3 を単独で順番に、あるいはこれらを同時に照射することによって、内層配線回路2上に微小樹脂が残ることなく完全に樹脂皮膜5を除去するようにしてある。例えば、樹脂皮膜5がエポキシ系樹脂などYAGレーザの波長1.06μmのものを透過し易いものの場合には、このレーザ光とCO2レーザの波長10.6μmのものを複合して同時に照射することによって、内層配線回路2上に残ることなく完全に樹脂皮膜5を除去することができる。またYAGレーザやCO2レーザなどの赤外線レーザと、YAG高調波レーザやエキシマレーザなどの紫外線レーザとを複合して同時に照射することによって、赤外線レーザによって樹脂皮膜5の除去を行なうことができると共に内層配線回路2上の樹脂皮膜5の微小残りを紫外線レーザによって除去することができ、内層配線回路2上に残ることなく完全に樹脂皮膜5を除去することができる。このように複数種のレーザ光を照射して内層配線回路2上に残留する樹脂皮膜5を完全に除去することによって、内層配線回路2の表面へのワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に仕上げメッキ24のメッキ性が向上するものである。
【0053】
また上記のようにレーザ光を照射して段差部1の樹脂皮膜5を除去するにあたって、単一方向からのレーザ光照射では、樹脂皮膜5の厚みのばらつき、樹脂皮膜5の材質、内層配線回路2への樹脂皮膜5の付き回り方向の如何等によって、樹脂皮膜5を完全に除去できない場合がある。特に基板Aに対して垂直にレーザ光を照射した場合、レーザ光が基板Aに吸収され易くなって基板Aに熱損傷が加わるおそれがある。
【0054】
そこで請求項10の発明は、図22(a)のように樹脂皮膜5で段差部1の内層配線回路2を被覆した後、段差部1にレーザ光Lを照射して樹脂皮膜5を除去するにあたって、図22(b)のように基板Aに対して斜め方向からレーザ光Lを照射するようにしてある。この場合、図22(b)のように一方側から斜め方向にレーザ光Lを照射した後、図22(c)のように反対側からも斜め方向にレーザ光Lを照射するのがよい。このようにすれば内層配線回路2の影になることなく、基板A上の樹脂皮膜5を完全に除去することができるものである。またこのように基板Aに対して斜め方向からレーザ光を照射することによって、基板Aにレーザ光Lが吸収され難くなり、基板Aに熱損傷が生じることを抑制することができるものであり、特に全反射角以上の角度で基板Aに照射するようにすれば、基板Aに透過するレーザ光Lが無くなるために、基板Aのダメージを完全に無くすことができるものである。このようにレーザ光を斜めに照射して内層配線回路2上の樹脂皮膜5を完全に除去するようにすれば、内層配線回路2の表面へのワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に仕上げメッキ24のメッキ性が向上するものである。尚、基板Aに斜めにレーザ光を照射するにあたっては、基板Aに対して垂直なレーザ光をミラー等で偏向させて斜めに照射されるようにしてもよい。
【0055】
また上記のように基板Aに対して斜め方向からレーザ光を照射する場合、反射する光を有効に用いる方法がある。すなわち請求項11の発明は、図23(a)のように樹脂皮膜5で段差部1の内層配線回路2を被覆した後、段差部1にレーザ光Lを照射して図23(c)のように樹脂皮膜5を除去するにあたって、図23(b)のように基板Aに対して斜め方向からレーザ光Lを照射すると共に、反射した反射レーザ光Lr を反射ミラー40で反射させて再段基板Aに照射させるようにしてあり、レーザ光を効率良く基板Aに照射させて段差部1の樹脂皮膜5の除去を効率良く行なうことができるようにしてある。このように、斜め方向からレーザ光を照射することによって基板Aに対するダメージを小さくすることができると共に、基板Aで反射した反射レーザ光を再段基板Aに照射させることによって、レーザ光を効率的に用いて樹脂皮膜5の除去加工をすることができるものである。
【0056】
【発明の効果】
上記のように請求項1,2の発明は、電子部品を搭載する基板の段差部に内層配線回路が導出され、内層配線回路が外層配線回路とスルーホールメッキによって接続された電子部品搭載用基板を製造するにあたって、層間の内層配線回路上に設けた樹脂皮膜を延出させることによって段差部に配置される内層配線回路の表面を被覆した後、樹脂皮膜を除去して段差部のこの内層配線回路を露出させるようにしたので、メッキ処理やエッチング処理などの際に段差部の内層配線回路がこれらの処理液の作用を受けることを樹脂皮膜で遮断することができ、従来例のように蓋をして内層配線回路を保護する必要がなくなり、構造が簡単になると共に設計上の制約を受けることもなくなるものである。しかも段差部の内層配線回路を覆う樹脂皮膜を除去する際に、同時にこの上の汚れ等も除去できるものであり、内層配線回路の表面の汚れ不良を低減することができるものである。
【0057】
しかも請求項1の発明は、内層配線回路と樹脂皮膜との間にマスク材を設けるようにしたので、マスク材によって内層配線回路の表面に樹脂皮膜が付着しないようにすることができ、内層配線回路上に樹脂皮膜が残ることなくレーザ光の照射で完全に除去することができるものであって、内層配線回路の表面の品質を向上させることができると共に電気接続信頼性を向上させることができ、また内層配線回路の表面に施すメッキの密着性が高くなってワイヤボンディングなどの電気接続信頼性が向上するものであり、しかも樹脂皮膜の残りを除去する後処理工程が不要になるものである。
【0058】
また請求項2の発明は、内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ光照射で除去するにあたって、樹脂皮膜を除去する部分において、内層配線回路と樹脂皮膜の間に両者の接着を抑制する材料を設けるようにしたので、接着抑制材料で内層配線回路の表面に樹脂皮膜が付着しないようにすることができ、内層配線回路上に樹脂皮膜が残ることなくレーザ光の照射で完全に除去することができるものであって、内層配線回路の表面の品質を 向上させることができると共に電気接続信頼性を向上させることができ、また内層配線回路の表面に施すメッキの密着性が高くなってワイヤボンディングなどの電気接続信頼性が向上するものであり、しかも樹脂皮膜の残りを除去する後処理工程が不要になるものである。
【0059】
また請求項3の発明は、内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ光照射で除去するようにしたので、機械的切削加工で樹脂皮膜を除去する場合のような内層配線回路や基板に発生する損傷を低減して、樹脂皮膜を除去することができるものである。
【0060】
また請求項4の発明は、スルーホールメッキを行なう前段階で、段差部に配置される内層配線回路の表面を樹脂皮膜で被覆するようにしたので、メッキ処理の際に段差部の内層配線回路がメッキ液の作用を受けることを樹脂皮膜で防ぐことができ、従来例のように蓋をして内層配線回路を保護するような必要がなくなるものである。
【0061】
また請求項5の発明は、段差部に配置される内層配線回路間あるいはこの内層配線回路の基板から立ち上がる側面が樹脂皮膜で覆われるように、樹脂皮膜を一部を残して除去するようにしたので、隣合う内層配線回路間の絶縁性を樹脂皮膜で確保することがきると共に、内層配線回路と基板との間の接合界面を樹脂皮膜で覆うことができ、この接合界面の腐食を防止して内層配線回路の剥離を防ぐことができるものである。
【0062】
また請求項6の発明は、段差部に配置される内層配線回路の基板から立ち上がる側面の下部が樹脂皮膜で覆われるように一部を残して樹脂皮膜を除去するにあたって、樹脂皮膜の表面から突出する内層配線回路の高さ寸法が内層配線回路の幅寸法よりも小さくなるように樹脂皮膜の除去量を調整するようにしたので、内層配線回路の剛性を確保することができ、内層配線回路へのワイヤーボンディングの信頼性を高く得ることができるものである。
【0063】
また請求項7の発明は、内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮膜を、まず機械的に切削した後、レーザ光を照射して除去するようにしたので、機械的切削の後に残る樹脂皮膜は厚みがほぼ均一になっており、除去残しや基板の損傷が生じることなくレーザ光照射で樹脂皮膜を除去することができるものである。
【0064】
また請求項8の発明は、樹脂皮膜の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中で、内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮膜にレーザ光を照射して、樹脂皮膜を除去するようにしたので、樹脂の加熱分解反応を促進させながらレーザ光照射で樹脂皮膜を完全に除去することができるものであって、内層配線回路の表面の品質を向上させることができると共に電気接続信頼性を向上させることができ、また内層配線回路の表面に施すメッキの密着性が高くなってワイヤボンディングなどの電気接続信頼性が向上するものであり、しかも樹脂皮膜の残りを除去する後処理工程が不要になるものである。
【0065】
また請求項9の発明は、複数種のレーザ光を用いてレーザ光照射するようにしたので、内層配線回路上の樹脂皮膜を完全に除去することが容易になるものであり、内層配線回路の表面の品質を向上させることができると共に電気接続信頼性を向上させることができ、また内層配線回路の表面に施すメッキの密着性が高くなってワイヤボンディングなどの電気接続信頼性が向上するものである。
【0066】
また請求項10の発明は、基板に対して斜め方向からレーザ光を照射するようにしたので、内層配線回路上の樹脂皮膜を完全に除去することが容易になるものであり、内層配線回路の表面の品質を向上させることができると共に電気接続信頼性を向上させることができ、また内層配線回路の表面に施すメッキの密着性が高くなってワイヤボンディングなどの電気接続信頼性が向上するものである。
【0067】
また請求項11の発明は、基板に対して斜め方向からレーザ光を照射すると共に基板を反射した反射レーザ光を再度基板に照射させるようにしたので、斜め方向からのレーザ光の照射で基板に対するダメージを小さくすることができると共に、基板で反射した反射レーザ光を再度樹脂皮膜の除去に作用させることができ、レーザ光を効率的に用いて樹脂皮膜を除去することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子部品搭載用基板の製造の一例を示すものであり、(a)乃至(d)は断面図である。
【図2】 電子部品搭載用基板の製造の一例を示すものであり、(a)乃至(c)は断面図である。
【図3】 電子部品搭載用基板の製造の他の一例を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図4】 請求項3の発明を説明する参考例の断面図である。
【図5】 請求項5発明を説明する参考例を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図6】 同上の問題点を示す一部の拡大した断面図である。
【図7】 請求項6の発明を説明する参考例を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図8】 内層配線回路の幅寸法と高さ寸法の関係を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図9】 請求項7の発明を説明する参考例を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図10】 請求項7の発明を説明する参考例を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図11】 同上の問題点を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図12】 請求項1の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(d)は一部の拡大した断面図である。
【図13】 同上の発明の実施の形態を示す一部の拡大した断面図である。
【図14】 同上の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(d)は一部の拡大した断面図である。
【図15】 同上の発明の実施の形態を示す一部の拡大した断面図である。
【図16】 同上の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(d)は一部の拡大した断面図である。
【図17】 請求項2の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図18】 同上の発明の実施の形態を示す一部の拡大した断面図である。
【図19】 請求項8の発明の実施の形態を示す断面図である。
【図20】 同上の発明の実施の形態を示す一部の断面図である。
【図21】 請求項9の発明の実施の形態を示す一部の拡大した断面図である。
【図22】 請求項10の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図23】 請求項11の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図24】 従来例を示すものであり、(a)乃至(c)はそれぞれ断面図である。
【符号の説明】
1 段差部
2 内層配線回路
3 外層配線回路
4 スルーホールメッキ
5 樹脂皮膜
43 マスク材
44 接着抑制材料
Claims (11)
- 電子部品を搭載する基板の段差部に内層配線回路が導出され、内層配線回路が外層配線回路とスルーホールメッキによって接続された電子部品搭載用基板を製造する際に、層間の内層配線回路上に設けた樹脂皮膜を延出させることによって段差部に配置される内層配線回路の表面を被覆した後、延出させた樹脂皮膜を除去して段差部のこの内層配線回路を露出させるにあたって、樹脂皮膜を除去する部分において、内層配線回路と樹脂皮膜との間にマスク材を設けることを特徴とする電子部品搭載用基板の製造方法。
- 電子部品を搭載する基板の段差部に内層配線回路が導出され、内層配線回路が外層配線回路とスルーホールメッキによって接続された電子部品搭載用基板を製造する際に、層間の内層配線回路上に設けた樹脂皮膜を延出させることによって段差部に配置される内層配線回路の表面を被覆した後、延出させた樹脂皮膜をレーザー光照射で除去して段差部のこの内層配線回路を露出させるにあたって、樹脂皮膜を除去する部分において、内層配線回路と樹脂皮膜の間に両者の接着を抑制する材料を設けることを特徴とする電子部品搭載用基板の製造方法。
- 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ光照射で除去することを特徴とする請求項1に記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
- スルーホールメッキを行なう前段階で、段差部に配置される内層配線回路の表面を樹脂皮膜で被覆することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
- 段差部に配置される内層配線回路間あるいはこの内層配線回路の基板から立ち上がる側面が樹脂皮膜で覆われるように、樹脂皮膜を一部を残して除去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
- 段差部に配置される内層配線回路の基板から立ち上がる側面の下部が樹脂皮膜で覆われるように一部を残して樹脂皮膜を除去するにあたって、樹脂皮膜の表面から突出する内層配線回路の高さ寸法が内層配線回路の幅寸法よりも小さくなるように樹脂皮膜の除去量を調整することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
- 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮膜を、まず機械的に切削した後、レーザ光を照射して除去することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
- 樹脂皮膜の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中で、内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮膜にレーザ光を照射して、樹脂皮膜を除去することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
- 複数種のレーザ光を用いてレーザ光照射することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
- 基板に対して斜め方向からレーザ光を照射することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
- 基板に対して斜め方向からレーザ光を照射すると共に基板を反射した反射レーザ光を再度基板に照射させることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
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