JP4456834B2 - レーザ加工方法およびこれに用いるキャリア付金属箔 - Google Patents
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また、金属層側からレーザ加工した際に、ビア穴の開口縁にばりが生じるといった問題を回避する方法として、図8に示すように、配線パターンとなる金属層12の表面に、金属層12とは異種金属からなる被覆金属層18を形成し(図8(a))、レーザ加工によってビア穴16を形成した後(図8(b))、エッチングによって被覆金属層18を選択的に除去する(図8(c))方法がある(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。この方法によれば、被覆金属層18をエッチングによって除去することにより、レーザ加工の際に飛散して被覆金属層18の開口縁に付着したばりが、被覆金属層18とともに除去される。
すなわち、配線基板等を構成する電気的絶縁層の表面に金属層が被着形成された状態で、金属層側からレーザ光を照射してビア穴等の所要の穴加工を施すレーザ加工方法において、前記電気的絶縁層の表面に、キャリア金属箔に剥離層を介して金属箔が被着されてなるキャリア付金属箔を、前記電気的絶縁層に前記金属箔を向けて被着し、前記キャリア付金属箔に向けてレーザ光を照射して前記電気的絶縁層に穴加工を施した後、前記キャリア金属箔と剥離層とを前記金属箔から剥離して除去することにより、前記電気的絶縁層の表面に金属箔のみを残すことを特徴とする。なお、金属箔には銅箔等の適宜金属箔が使用できる。
また、前記キャリア付金属箔として、前記キャリア金属箔がキャリア銅箔からなり、前記金属箔が銅箔からなる、キャリア付銅箔を使用することを特徴とする。
また、前記マスク用の金属箔の厚さが、キャリアよりも薄く形成されていることを特徴とする。
また、前記第1の剥離層の接着力が、第2の剥離層の接着力よりも弱く設定されていることを特徴とする。
また、前記第1の剥離層とマスク用の金属箔との間に、キャリアを剥離除去した際にマスク用の金属箔側に残るレーザ吸収層が設けられている、前記第2の剥離層と金属箔との間および/またはマスク用の金属箔と第2の剥離層との間に、レーザ吸収層が設けられていることが有効である。
また、前記キャリアが銅箔、前記マスク用の金属箔と前記金属箔とが銅箔であることを特徴とする。
図1は本発明に係るレーザ加工方法についての第1の実施形態を示す説明図である。本実施形態のレーザ加工方法は、電気的絶縁層10の表面にキャリア付銅箔20を被着し、キャリア付銅箔20に対してレーザ加工を施すことによってビア穴等の穴加工を施すことを特徴とする。
図1(c)は、電気的絶縁層10の表面に、キャリア銅箔22が外面側になるようにしてキャリア付銅箔20を被着した後、キャリア付銅箔20に向けてレーザ光を照射して、底面に下層の配線パターン14が露出するビア穴16を形成した状態である。レーザ加工用のレーザとしては炭酸ガスレーザ、UV−YAGレーザ、エキシマレーザ等が使用できる。
図1(d)は、ビア穴16を形成した後、キャリア付銅箔20のキャリア銅箔22を引き剥がし、電気的絶縁層10の表面に銅箔26が被着した状態でビア穴16が形成された状態を示す。
これに対して、本実施形態においては、銅箔の支持体としてのキャリアと、レーザ加工の際のマスク用の銅箔と、配線基板に残す銅箔とをそれぞれ別体に形成したことを特徴とする。
32bはマスク用の銅箔34を銅箔35から剥離するための第2の剥離層である。この第2の剥離層32bも、機械的な引き剥がし操作によって銅箔34を配線基板に残す銅箔35から剥離するためのものである。本実施形態では、第2の剥離層32bとしてはクロムめっき層(厚さ:数百〜数千オングストローム)を使用した。第2の剥離層32bとしては、薄い金属膜あるいは有機皮膜等が使用できる。なお、第1の剥離層32aの接着力は第2の剥離層32bの接着力よりも弱く設定して、キャリア31を剥離する際にマスク用の銅箔34が剥離されないようにするのがよい。
35は配線基板に残す銅箔である。本実施形態では厚さ数μm〜十数μmの銅箔を使用している。
図3(a)は、電気的絶縁層10の表面にキャリア付銅箔30が被着された状態を示す。キャリア付銅箔30はキャリア31によってマスク用の銅箔34および銅箔35を支持した状態で、銅箔35を電気的絶縁層10の表面に押圧し、電気的絶縁層10に熱圧着することにより電気的絶縁層10に一体に被着することができる。
こうして、本実施形態のレーザ加工方法によれば、高精度にビア穴16を形成することができ、ビア穴16を細径に形成し、配線パターンを高密度に配置することを可能として、配線基板の小型化と高集積化に対応することが可能となる。
図6(b)は、導体層36の表面全体を感光性レジストにより被覆し、露光および現像により、導体層36で配線パターンとして残す部位を被覆するレジストパターンを形成し、レジストパターンをマスクとして導体層36および銅箔35をエッチングして配線パターン37を形成した状態を示す。配線パターン14と配線パターン37とはビア36aによって電気的に接続する。
図6に示す配線基板の製造方法では、キャリア付銅箔30を利用してビア穴16を形成する方法を利用することによって、ビア穴16を形成した状態で電気的絶縁層10の表面にきわめて薄い銅箔50が被着された状態とすることができるから、配線パターン37を微細なパターンに形成することが容易に可能である。
また、上記例ではサブトラクト法によって配線パターン37を形成する方法を示したが、セミアディティブ法といった他の方法によって配線パターン37を形成することもできる。
12 金属層
14 配線パターン
16 ビア穴
18 被覆金属層
20 キャリア付銅箔
22 キャリア銅箔
24 剥離層
26 銅箔
30 キャリア付銅箔
31 キャリア
32a 第1の剥離層
32b 第2の剥離層
33 レーザ吸収層
34 マスク用の銅箔
35 銅箔
36 導体層
36a ビア
37 配線パターン
38 ソルダーレジスト
40 コア基板
45 金属層
50 マスク用の金属箔
51 接着剤層
Claims (11)
- 配線基板等を構成する電気的絶縁層の表面に金属層が被着形成された状態で、金属層側からレーザ光を照射してビア穴等の所要の穴加工を施すレーザ加工方法において、
前記電気的絶縁層の表面に、キャリア金属箔に剥離層を介して金属箔が被着されてなるキャリア付金属箔を、前記電気的絶縁層に前記金属箔を向けて被着し、
前記キャリア付金属箔に向けてレーザ光を照射して前記電気的絶縁層に穴加工を施した後、
前記キャリア金属箔と剥離層とを前記金属箔から剥離して除去することにより、前記電気的絶縁層の表面に金属箔のみを残すことを特徴とするレーザ加工方法。 - 前記キャリア付金属箔として、前記キャリア金属箔がキャリア銅箔からなり、前記金属箔が銅箔からなる、キャリア付銅箔を使用することを特徴とする請求項1記載のレーザ加工方法。
- 配線基板等を構成する電気的絶縁層の表面に金属層が被着形成された状態で、金属層側からレーザ光を照射してビア穴等の所要の穴加工を施すレーザ加工方法において、
前記電気的絶縁層の表面に、キャリアに第1の剥離層を介してマスク用の金属箔が被着形成され、該マスク用の金属箔に第2の剥離層を介して金属箔が被着形成されてなるキャリア付金属箔を、前記金属箔側で被着し、
前記キャリアと前記第1の剥離層とを前記マスク用の金属箔から剥離して除去した後、 前記マスク用の金属箔に向けてレーザ光を照射して前記電気的絶縁層に穴加工を施し、 前記マスク用の金属箔と前記第2の剥離層とを前記金属箔から剥離して除去することにより、前記電気的絶縁層の表面に金属箔のみを残すことを特徴とするレーザ加工方法。 - 請求項3記載のレーザ加工方法に用いるキャリア付金属箔であって、
キャリアに第1の剥離層を介してマスク用の金属箔が被着形成され、該マスク用の金属箔に第2の剥離層を介して金属箔が被着形成されていることを特徴とするキャリア付金属箔。 - マスク用の金属箔の厚さが、キャリアよりも薄く形成されていることを特徴とする請求項4記載のキャリア付金属箔。
- 第1の剥離層の接着力が、第2の剥離層の接着力よりも弱く設定されていることを特徴とする請求項4記載のキャリア付金属箔。
- 第1の剥離層とマスク用の金属箔との間に、キャリアを剥離除去した際にマスク用の金属箔側に残るレーザ吸収層が設けられていることを特徴とする請求項4記載のキャリア付金属箔。
- 第2の剥離層と金属箔との間および/またはマスク用の金属箔と第2の剥離層との間に、レーザ吸収層が設けられていることを特徴とする請求項4記載のキャリア付金属箔。
- 前記キャリアが銅箔、前記マスク用の金属箔と前記金属箔とが銅箔であることを特徴とする請求項4〜8のいずれか一項記載のキャリア付金属箔。
- 配線基板等を構成する電気的絶縁層の表面に金属層が被着形成された状態で、金属層側からレーザ光を照射してビア穴等の所要の穴加工を施すレーザ加工方法において、
前記金属層の表面に、一方の面に接着剤層が設けられ、他方の面にレーザ吸収層が設けられたマスク用の金属箔を、前記接着剤層を介して接着し、
前記金属箔に向けてレーザ光を照射して前記電気的絶縁層に穴加工を施した後、
前記マスク用の金属箔を前記金属層から剥離して除去することにより、前記電気的絶縁層の表面に金属層を残すことを特徴とするレーザ加工方法。 - 前記マスク用の金属箔を金属層から剥離した後、金属層の表面に残留する接着剤を溶解して除去することを特徴とする請求項10記載のレーザ加工方法。
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