JPH1013038A - 電子部品搭載用基板及びその製造方法 - Google Patents

電子部品搭載用基板及びその製造方法

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JPH1013038A
JPH1013038A JP8357372A JP35737296A JPH1013038A JP H1013038 A JPH1013038 A JP H1013038A JP 8357372 A JP8357372 A JP 8357372A JP 35737296 A JP35737296 A JP 35737296A JP H1013038 A JPH1013038 A JP H1013038A
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淳 立田
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展幸 宮川
Takeshi Okamoto
剛 岡本
Yoshiyuki Uchinono
良幸 内野々
Yoshimitsu Nakamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 段差部に露出する内層配線回路に化学処理液
が作用することを防ぐことができると共に、ソルダーレ
ジストや成形樹脂等の汚れによる汚れ不良を低減する。 【解決手段】 電子部品を搭載する基板Aの段差部1に
内層配線回路2が導出され、内層配線回路2が外層配線
回路3とスルーホールメッキ4によって接続された電子
部品搭載用基板を製造する。この際に、層間の内層配線
回路2上に設けた樹脂皮膜5を延出させることによって
段差部1に配置される内層配線回路2の表面を被覆した
後、樹脂皮膜5を除去して段差部1のこの内層配線回路
2を露出させる。段差部1に配置される内層配線回路2
を樹脂皮膜5で保護することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PGAなどとして
使用される電子部品搭載用基板及びその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】半導体等の電子部品を搭載するために用
いられる半導体搭載用基板Aは、図47(a)に示すよ
うに、複数枚の回路板15を積層すると共に凹部や開口
部などとして電子部品搭載部16を設けることによって
形成されている。図47(a)において2は各回路板1
5間に設けられた内層配線回路、3は表面の外層配線回
路、4は基板Aに設けたスルーホール17の内周に形成
したスルーホールメッキであり、内層配線回路2と外層
配線回路3はこのスルーホールメッキ4で電気的に接続
されるようにしてある。そして電子部品搭載部16に面
する各回路板15の段差部1には、内層配線回路2の一
部を露出させて配置してあり、電子部品搭載部16に搭
載した半導体に接続するための金線等のワイヤーをこの
内層配線回路2にボンディングするようにしてある。
【0003】ここで、上記のような電子部品搭載用基板
Aを製造するにあたって、スルーホールメッキ4を化学
メッキ処理して施したり、外層配線回路3をエッチング
処理して形成したりする際に、段差部1に露出する内層
配線回路2の表面にもこれらの化学処理液が作用するお
それがある。また段差部1に露出する内層配線回路2の
表面に、ソルダーレジストを塗布する工程でソルダーレ
ジストが付着したり、多層成形する工程で成形用樹脂が
付着したりして、内層配線回路2が汚れるおそれもあ
る。
【0004】そこで段差部1に露出する内層配線回路2
に化学メッキ処理やエッチング処理などの際の化学処理
液が作用したりすることを防ぐために、従来から各種の
対応がとられている。例えば特公平2−5014号公報
では、図47(b)に示すように、最外側の回路板15
で電子部品搭載部16に蓋をするようにし、段差部1に
露出する内層配線回路2に化学処理液が作用したりする
ことを防ぐようにしている。また特開平6−25228
7号公報では、図47(c)に示すように、フィルム1
8で電子部品搭載部16に蓋をするようにし、同様に段
差部1に露出する内層配線回路2に化学処理液が作用し
たりすることを防ぐようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公平2−5
014号公報のものでは電子部品搭載部16に蓋をする
回路板15が必要になって構造が複雑になると共に電子
部品搭載用基板Aの全体の厚みが厚くなり、設計上の制
約が大きくなるという問題があり、また特公平6−25
2287号公報のものでは耐薬品性に優れたフィルム1
8が必要になってコストアップになると共にフィルム1
8の管理が煩雑になるという問題があった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、蓋をする部材を必要とすることなく、段差部に露
出する内層配線回路に化学処理液が作用することを防ぐ
ことができると共に、ソルダーレジストや成形樹脂等の
汚れによる汚れ不良を低減できる電子部品搭載用基板及
びその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
電子部品搭載用基板は、電子部品を搭載する基板Aの段
差1部に内層配線回路2が導出され、内層配線回路2が
外層配線回路3とスルーホールメッキ4によって接続さ
れた電子部品搭載用基板において、段差部1に配置され
る内層配線回路2の表面は、層間の内層配線回路2上に
設けた樹脂皮膜5が延出されて被覆された後にこの延出
された樹脂皮膜5が除去されて露出していることを特徴
とするものである。
【0008】また請求項2に係る電子部品搭載用基板
は、電子部品を搭載する基板Aの段差部1に内層配線回
路2が導出され、内層配線回路2が外層配線回路3とス
ルーホールメッキ4によって接続された電子部品搭載用
基板において、段差部1に配置される内層配線回路2の
表面は、樹脂皮膜5で被覆された後にこの樹脂皮膜5が
除去されて露出していることを特徴とするものである。
【0009】本発明の請求項3に係る電子部品搭載用基
板の製造方法は、電子部品を搭載する基板Aの段差部1
に内層配線回路2が導出され、内層配線回路2が外層配
線回路3とスルーホールメッキ4によって接続された電
子部品搭載用基板を製造するにあたって、層間の内層配
線回路2上に設けた樹脂皮膜5を延出させることによっ
て段差部1に配置される内層配線回路2の表面を被覆し
た後、樹脂皮膜5を除去して段差部1のこの内層配線回
路2を露出させることを特徴とするものである。
【0010】また請求項4に係る電子部品搭載用基板の
製造方法は、電子部品を搭載する基板Aの段差部1に内
層配線回路2が導出され、内層配線回路2が外層配線回
路3とスルーホールメッキ4によって接続された電子部
品搭載用基板を製造するにあたって、段差部1に配置さ
れる内層配線回路2の表面を樹脂皮膜5で被覆した後、
樹脂皮膜5を除去して段差部1のこの内層配線回路2を
露出させることを特徴とするものである。
【0011】また請求項5は上記の電子部品搭載用基板
の製造方法において、内層配線回路2の表面を被覆した
樹脂皮膜5をレーザ光照射で除去することを特徴とする
ものである。また請求項6は上記の電子部品搭載用基板
の製造方法において、スルーホールメッキ4を行なう前
段階で、段差部1に配置される内層配線回路2の表面を
樹脂皮膜5で被覆することを特徴とするものである。
【0012】また請求項7は上記の電子部品搭載用基板
において、樹脂皮膜は5その一部を残して除去されてお
り、段差部1に配置される内層配線回路2間あるいはこ
の内層配線回路2の基板Aから立ち上がる側面の少なく
とも一部がこの残された樹脂皮膜5で覆われていること
を特徴とするものである。また請求項8は上記の電子部
品搭載用基板の製造方法において、段差部1に配置され
る内層配線回路2間あるいはこの内層配線回路2の基板
Aから立ち上がる側面の少なくとも一部が樹脂皮膜5で
覆われるように、樹脂皮膜5を一部を残して除去するこ
とを特徴とするものである。
【0013】また請求項9は上記の電子部品搭載用基板
において、段差部1に配置される内層配線回路2の基板
Aから立ち上がる側面の下部が樹脂皮膜5で覆われるよ
うに樹脂皮膜5はその一部を残して除去されており、樹
脂皮膜5の表面から突出する内層配線回路2の高さ寸法
は内層配線回路2の幅寸法よりも小さく形成されている
ことを特徴とするものである。
【0014】また請求項10は上記の電子部品搭載用基
板の製造方法において、段差部1に配置される内層配線
回路2の基板Aから立ち上がる側面の下部が樹脂皮膜5
で覆われるように一部を残して樹脂皮膜5を除去するに
あたって、樹脂皮膜5の表面から突出する内層配線回路
2の高さ寸法が内層配線回路2の幅寸法よりも小さくな
るように樹脂皮膜5の除去量を調整することを特徴とす
るものである。
【0015】また請求項11は上記の電子部品搭載用基
板の製造方法において、内層配線回路2の表面を被覆し
た樹脂皮膜5を、まず機械的に切削した後、レーザ光を
照射して除去することを特徴とするものである。また請
求項12は上記の電子部品搭載用基板の製造方法におい
て、内層配線回路2の表面を被覆した樹脂皮膜5をレー
ザ光照射で除去した後、化学処理してレーザ光照射部分
において内層配線回路2上に残留する樹脂皮膜5を溶解
除去することを特徴とするものである。
【0016】また請求項13の発明は上記の電子部品搭
載用基板の製造方法において、内層配線回路2の表面を
被覆した樹脂皮膜5をレーザ光照射で除去した後、物理
的な作用を付加しながら化学処理して、レーザ光照射部
分において内層配線回路2上に残留する樹脂皮膜5を溶
解除去することを特徴とするものである。また請求項1
4の発明は上記の電子部品搭載用基板の製造方法におい
て、内層配線回路2の表面を半硬化状態の樹脂皮膜5で
被覆すると共に樹脂皮膜5をレーザ光照射で除去した
後、化学処理してレーザ光照射部分において内層配線回
路2上に残留する樹脂皮膜5を溶解除去し、次いでレー
ザ光照射していない部分の樹脂皮膜5を硬化させること
を特徴とするものである。
【0017】また請求項15の発明は上記の電子部品搭
載用基板の製造方法において、内層配線回路2の表面を
被覆した樹脂皮膜5をレーザ光照射で除去した後、樹脂
皮膜5のレーザ光照射をしていない部分の表面にマスク
42を施し、この後、化学処理してレーザ光照射部分に
おいて内層配線回路2上に残留する樹脂皮膜5を溶解除
去することを特徴とするものである。
【0018】また請求項16は上記の電子部品搭載用基
板の製造方法において、内層配線回路2の表面を被覆し
た樹脂皮膜5をレーザ光照射で除去した後、プラズマ処
理してレーザ光照射部分において内層配線回路2上に残
留する樹脂皮膜5を除去することを特徴とするものであ
る。また請求項17は上記の電子部品搭載用基板の製造
方法において、内層配線回路2の表面を被覆した樹脂皮
膜5をレーザ光照射で除去した後、紫外光照射してレー
ザ光照射部分において内層配線回路2上に残留する樹脂
皮膜5を除去することを特徴とするものである。
【0019】また請求項18は上記の電子部品搭載用基
板の製造方法において、内層配線回路2の表面を被覆し
た樹脂皮膜5をレーザ光照射で除去した後、高圧水洗し
てレーザ光照射部分において内層配線回路2上に残留す
る樹脂皮膜5を除去することを特徴とするものである。
また請求項19の発明は上記の電子部品搭載用基板の製
造方法において、内層配線回路2と樹脂皮膜5との間に
マスク材43を設けることを特徴とするものである。
【0020】また請求項20の発明は上記の電子部品搭
載用基板の製造方法において、内層配線回路2の表面を
被覆した樹脂皮膜5をレーザ光照射で除去するにあたっ
て、樹脂皮膜5を除去する部分において、内層配線回路
2と樹脂皮膜5の間に両者の接着を抑制する材料44を
設けることを特徴とするものである。また請求項21の
発明は上記の電子部品搭載用基板の製造方法において、
内層配線回路2の表面を被覆した樹脂皮膜5をレーザ光
照射で除去するにあたって、樹脂皮膜5を除去する部分
の内層配線回路2の表面粗さを他の部分の表面粗さより
小さくすることを特徴とするものである。
【0021】また請求項22の発明は上記の電子部品搭
載用基板の製造方法において、内層配線回路2の表面を
被覆した樹脂皮膜5をレーザ光照射で除去した後、粒子
45を噴射してレーザ光照射部分において内層配線回路
2上に残留する樹脂皮膜5を除去することを特徴とする
ものである。また請求項23の発明は上記の電子部品搭
載用基板の製造方法において、樹脂皮膜5の樹脂と反応
性を有する気体雰囲気中で、内層配線回路2の表面を被
覆した樹脂皮膜5にレーザ光を照射して、樹脂皮膜5を
除去することを特徴とするものである。
【0022】また請求項24は上記の電子部品搭載用基
板の製造方法において、複数種のレーザ光を用いてレー
ザ光照射することを特徴とするものである。また請求項
25は上記の電子部品搭載用基板の製造方法において、
基板Aに対して斜め方向からレーザ光を照射することを
特徴とするものである。また請求項26は上記の電子部
品搭載用基板の製造方法において、基板Aに対して斜め
方向からレーザ光を照射すると共に基板Aを反射した反
射レーザ光を再度基板Aに照射させることを特徴とする
ものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。先ず請求項1,3の発明を図1,2の実施の形態
に基づいて説明する。電子部品搭載用基板Aは複数枚の
回路板15を積層して多層板として形成されるものであ
り、各回路板15としては銅張りエポキシ樹脂積層板な
ど金属箔張り積層板によって形成したものを用いること
ができる。ここで図1(a)に示すように、各回路板1
5を積層することによって内層側になる面には金属箔を
エッチング処理等することによって内層配線回路2が形
成してあり、また各回路板15の外層側になる面には金
属箔20が張ってある。
【0024】図1(a)の例では、3枚の回路板15
a,15b,15cを用い、回路板15aには大きめの
開口部21aが、回路板15bには小さめの開口部21
bが、回路板15cにはさらに小さい凹所21cが形成
してある。内層配線回路2のうち一部のものは開口部2
1bや凹所21cの近傍において設けるようにしてあ
る。また各回路板15を積層することによって内層側に
なる面には、積層の際の接着性を確保するために内層配
線回路2の上からソルダーレジスト23が塗布してあ
り、このソルダーレジスト23によって形成される樹脂
皮膜5を層間の内層配線回路2上に設けるようにしてあ
る。勿論、樹脂皮膜5はソルダーレジスト以外の樹脂で
形成してもよい。そしてこの樹脂皮膜5は開口部21b
や凹所21cにも延長してあって、開口部21bや凹所
21cの近傍において設けた内層配線回路2を樹脂皮膜
5で被覆するようにしてある。
【0025】上記のように形成される複数枚の回路板1
5をプリプレグなど成形用接着樹脂22を介して重ね、
加熱加圧して積層成形することによって、図1(b)に
示すような多層構成の電子部品搭載用基板Aを作製する
ことができるものであり、この基板Aには開口部21
a,21b及び凹所21cによって電子部品搭載部16
が形成してある。このように作製される基板Aにあっ
て、電子部品搭載部16の内周面を形成する段差部1に
は開口部21bや凹所21cの近傍において設けた内層
配線回路2が位置しているが、この段差部1の内層配線
回路2の表面は樹脂皮膜5で被覆されているので、積層
成形する際に成形用接着樹脂22が流れて段差部1へと
はみ出しても、この成形用接着樹脂22のはみ出し部2
2aが段差部1の内層配線回路2に付着するようなこと
はない。
【0026】次に、基板Aをドリル加工することによっ
て図1(c)のようにスルーホール17を設けた後、図
1(d)のようにスルーホール17の内周にスルーホー
ルメッキ4を設け、このスルーホールメッキ4で内層配
線回路2と外層配線回路3とを電気的に接続する。スル
ーホールメッキ4は、基板Aを化学メッキ液で処理する
ことによって行なうことができ、あるいは基板Aを化学
メッキ液で処理して薄いメッキ膜を設けた後に、この薄
いメッキ膜に通電しながら電気メッキ液で処理すること
によっておこなうことができる。いずれにしても基板A
をメッキ液で処理するために、スルーホール17の内周
のみならず基板Aの全面にメッキ液が作用し、電子部品
搭載部16内にもメッキ液が侵入するが、電子部品搭載
部16の内周面の段差部1に位置している内層配線回路
2の表面は樹脂皮膜5で被覆されているので、メッキ液
がこの段差部1の内層配線回路2に作用するようなこと
はない。また電子部品搭載部16内にもメッキが付着す
るが、段差部1の内層配線回路2の表面は樹脂皮膜5で
被覆されているので、メッキがこの内層配線回路2の表
面に直接付着するようなことはない。従って、メッキ処
理の際に従来例のように電子部品搭載部16に蓋をする
ような必要はなくなるものである。
【0027】上記のようにスルーホールメッキ4を行な
った後、基板Aの外層の金属箔20に感光性レジストの
塗布・露光・現像・エッチング等の処理を行ない、図2
(a)のように基板Aの外面に外層配線回路3を形成す
ると共に、電子部品搭載部16内に付着しているメッキ
を除去する。このように外層配線回路3を形成する際に
エッチング液で基板Aを処理しても、電子部品搭載部1
6の内周面となる段差部1に位置している内層配線回路
2の表面は樹脂皮膜5で被覆されているので、エッチン
グ液がこの段差部1の内層配線回路2に作用するような
ことはない。従って、エッチング処理の際に従来例のよ
うに電子部品搭載部16に蓋をするような必要はなくな
るものである。
【0028】このようにして外層配線回路3を形成した
後、段差部1に延長されていて電子部品搭載部16内に
おいて露出する樹脂皮膜5を図2(b)のように除去
し、電子部品搭載部16の内周面となる段差部1の内層
配線回路2の表面から樹脂皮膜5を除去することによっ
て、この内層配線回路2を電子部品搭載部16内におい
て露出させることができるものである。樹脂皮膜5の除
去は、ルーターなどを用いて機械的研削加工によって行
なうことができるものであり、このように段差部1の内
層配線回路2の表面から樹脂皮膜5を除去することによ
って、同時にこの上に付着している成形用接着樹脂22
のはみ出し部22aなどの汚れも除去することができる
ものであり、段差部1の内層配線回路2の表面に樹脂汚
れ等の不良が発生することを低減することができるもの
である。
【0029】上記のようにして請求項1の発明に係る電
子部品搭載用基板Aを作製することができるものであ
り、そして電気メッキを行なって、図2(c)のように
段差部1に露出する内層配線回路2、外層配線回路3、
スルーホールメッキ4のそれぞれの表面に、ニッケルメ
ッキや金メッキなどの仕上げメッキ24を施して仕上げ
をした後、電子部品搭載部16に半導体などの電子部品
を搭載して電子部品と段差部1の内層配線回路2との間
に金線等のワイヤーをボンディングすることによって、
電子部品搭載用基板Aに電子部品を実装することができ
るものである。
【0030】尚、上記の例では、電子部品搭載部16を
上面が開口する凹部として電子部品搭載用基板Aに形成
するようにしたが、電子部品搭載用基板Aの両面に開口
する開口部として電子部品搭載部16を形成するように
してもよい。また上記のように電子部品搭載部16の内
周面を段差部1としてもよいが、基板Aの端面を段差部
1として上記の技術を適用するようにしてもよい。さら
に上記の例では電子部品搭載用基板Aを貫通させてスル
ーホール17を設けたが、貫通しないいわゆるビアホー
ルとして形成するようにしてもよい。
【0031】上記の図1、図2の例ではソルーダーレジ
スト23で樹脂皮膜5を形成するようにしたが、図3の
例では成形用接着樹脂22で樹脂皮膜5を形成するよう
にしてある。すなわち、図3(a)のように複数枚の回
路板15をプリプレグなど成形用接着樹脂22を介して
重ね、加熱加圧して積層成形することによって、図3
(b)に示すような多層構成の電子部品搭載用基板Aを
作製することができるものであり、このものでは成形用
接着樹脂22が樹脂皮膜5として層間の内層配線回路2
上に設けられるようにしてある。そしてこのように積層
成形する際に、成形用接着樹脂22を開口部21a,2
1bによって形成された電子部品搭載部16の内周の段
差部1へと流延させ、成形用接着樹脂22のこのはみ出
し部22aによる樹脂皮膜5で段差部1の内層配線回路
2が被覆されるようにしてある。このようにしてソルダ
ーレジスト23などを用いなくとも、樹脂流れ量が増加
して材料ロスは大きくなるが、回路板15を積層接着す
るための成形用接着樹脂22を利用して段差部1の内層
配線回路2を被覆する樹脂皮膜5を形成することができ
るものである。
【0032】次に請求項2,4の発明を図4の実施の形
態に基づいて説明する。回路板15としては既述の図1
(a)と同様なものを用いることができるが、図4
(a)に示すように開口部21bや凹所21cの近傍に
おいて設けた内層配線回路2はソルダーレジスト23で
覆われていない。従って、複数枚の回路板15をプリプ
レグなど成形用接着樹脂22を介して重ね、加熱加圧し
て積層成形することによって、図4(b)に示すような
多層構成の電子部品搭載用基板Aを作製するにあたっ
て、開口部21a,21b及び凹所21cによって形成
される電子部品搭載部16の内周の段差部1に位置する
内層配線回路2は、電子部品搭載部16内に露出した状
態にある。そこで請求項4の発明では、このように基板
Aを多層成形した後、電子部品搭載部16の内周の段差
部1に樹脂を塗布し、図4に示すように段差部1の内層
配線回路2の表面を樹脂皮膜5で被覆するようにしてあ
る。この樹脂皮膜5を形成する樹脂としては、例えばソ
ルダーレジストなど熱硬化型あるいは光硬化型の樹脂等
を用いることができる。尚、この発明では段差部1の内
層配線回路2をソルダーレジスト23で覆うものではな
いので、ソルダーレジスト23の使用を省略することが
できる。
【0033】このようにして段差部1の内層配線回路2
を樹脂皮膜5で覆った後は、図1(c)(d)、図2
(a)(b)(c)と同様に加工することによって、請
求項2の発明に係る電子部品搭載用基板Aに仕上げるこ
とができるものである。ここで、段差部1の内層配線回
路2は樹脂皮膜5で覆われているために、スルーホール
メッキ4のメッキ処理や、外層配線回路3を形成するエ
ッチング処理の際に、段差部1の内層配線回路2がメッ
キ液やエッチング液の作用を受けることはなく、従来例
のように電子部品搭載部16に蓋をするような必要がな
くなるものである。
【0034】段差部1の樹脂皮膜5を除去して段差部1
の内層配線回路2を露出させるにあたって、樹脂皮膜5
の除去は機械的切削加工によっておこなうことができる
が、請求項5の発明ではレーザ光の照射によって樹脂皮
膜5の除去を行なうようにしてある。図5はその実施の
形態を示すものあり、レーザ光Lを集光レンズ26で集
光して段差部1の樹脂皮膜5に照射することによって、
レーザ光Lのエネルギーで樹脂皮膜5を分解消失させ
て、段差部1の樹脂皮膜5を除去することがきるもので
ある。レーザとしては、YAGレーザ、CO2 レーザ、
エキシマレーザなど任意のものを用いることができる。
【0035】機械的切削加工で樹脂皮膜5を除去する場
合には、段差部1の内層配線回路2や基板Aを傷つける
おそれがあるが、レーザ光照射ではこのような問題がな
くなるものである。特に、内層配線回路2は樹脂皮膜5
に比べてレーザ光の吸収率が低く、熱伝導も良いので、
内層配線回路2を傷つけることなく樹脂皮膜5だけを選
択的に除去することができ、樹脂皮膜5の除去量を精度
良く管理することができるものである。また、基板Aと
樹脂皮膜5の成分を調整することによって、基板Aに影
響を与えることなく樹脂皮膜5を除去することが容易に
なる。例えば、基板Aの構成樹脂がエポキシ系樹脂であ
る場合、樹脂皮膜5をエポキシ系樹脂に酸化物や炭化物
を添加したもので形成し、そしてレーザとして波長1.
06μmのYAGレーザを用いると、レーザ光Lは樹脂
皮膜5に作用して樹脂皮膜5を除去することができる
が、レーザ光Lは基板Aを透過してして基板Aに損傷を
与えないようにすることができるものである。
【0036】請求項6の発明は、メッキ液を用いてスル
ーホールメッキ4を形成する行なう図1(d)の工程
や、エッチング液を用いて外層配線回路3を形成する図
2(a)の工程よりも前の段階で、すなわち既述の例で
いえば図1(a)、図3(b)、図4(c)の工程で、
段差部1に配置される内層配線回路2の表面を樹脂皮膜
5で被覆するようにしたことを内容とするものである。
このようにメッキ処理やエッチング処理の前段階で段差
部1の内層配線回路2を樹脂皮膜5で覆うことによっ
て、段差部1の内層配線回路2がメッキ液やエッチング
液の作用を受けることを樹脂皮膜5で防ぐことができ、
従来例のように電子部品搭載部16に蓋をするような必
要がなくなるものである。
【0037】ここで、図7は段差部1において基板Aの
表面に露出する内層配線回路2を示すものであるが、加
湿環境下などで基板Aの内層配線回路2間の表面に水分
等の導電性物質27が付着すると内層配線回路2間の絶
縁劣化が生じやすく、また内層配線回路2と基板Aとの
間の接合界面が露出しているために、この露出する接合
界面に腐食が発生して内層配線回路2が剥離するおそれ
がある。そこで請求項7,8の発明は、段差部1の樹脂
皮膜5を除去するにあたって、段差部1に配置される内
層配線回路2間あるいはこの内層配線回路2の基板Aか
ら立ち上がる側面が樹脂皮膜5で覆われるように、樹脂
皮膜5の一部を残すようにしてある。
【0038】すなわち、図6(a)のようにソルダーレ
ジスト23などの樹脂皮膜5で段差部1の樹脂皮膜5を
被覆した後、レーザ光の照射等で段差部1の樹脂皮膜5
を除去するにあたって、図6(b)のように内層配線回
路2間の基板Aの表面が樹脂皮膜5で被覆されると共に
内層配線回路2の側面が樹脂皮膜5で被覆されるよう
に、樹脂皮膜5の一部を残して樹脂皮膜5の除去を行な
うようにしてある。また図6(c)のように内層配線回
路2間に樹脂皮膜5を残すようにして樹脂皮膜5の除去
を行なうようにすることもできる。
【0039】このように内層配線回路2間の基板Aの表
面に樹脂皮膜5を残すことによって、基板Aの表面に導
電性物質27が付着するのを防止することができるもの
であり、また内層配線回路2の側面に樹脂皮膜5を残す
ことによって、隣合う内層配線回路2間の絶縁性を確保
することがきると共に、内層配線回路2と基板Aとの間
の接合界面を樹脂皮膜5で覆うことができ、この接合界
面の腐食を防止して内層配線回路2の剥離を防ぐことが
できるものである。また、基板Aに電子部品を搭載した
後にモールド樹脂成形するにあたって、残留させる樹脂
皮膜5の表面は凹凸が多いために、このモールド樹脂と
の接着性を向上させる効果も期待することができるもの
である。
【0040】図9は段差部1において基板Aの表面に露
出する内層配線回路2を示すものであり、図9(a)は
内層配線回路2の幅寸法wが、内層配線回路2の基板A
の表面から突出する高さt0 よりも大きい場合(w>t
0 )を、図9(b)は内層配線回路2の幅寸法wが、内
層配線回路2の基板Aの表面から突出する高さt0 より
も小さい場合(w<t0 )をそれぞれ示す。そして基板
Aに搭載される電子部品を段差部1の内層配線回路2に
ワイヤーボンディングするにあたって、金線等のワイヤ
ーを内層配線回路2に超音波溶接する場合、図9(a)
のようにw>t0 であるとワイヤーボンディングの際の
超音波振動が内層配線回路2の接合部に効率良く伝わっ
てワイヤーの接合の信頼性が高くなるが、図9(b)の
ようにw<t0 であると、内層配線回路2の剛性が低下
してワイヤーボンディングの際の超音波振動が内層配線
回路2の接合部に効率良く伝わらずワイヤーの接合不良
が生じやすい。
【0041】そこで請求項9,10の発明では、図8
(a)のように樹脂皮膜5で段差部1の内層配線回路2
を被覆した後、レーザ光照射等を行なって、上記のよう
に内層配線回路2間に樹脂皮膜5の一部を残して段差部
1の樹脂皮膜5を除去するにあたって、図8(b)に示
すように、内層配線回路2が樹脂皮膜5の表面から突出
する高さ寸法t(=t0 −h)が内層配線回路2の幅寸
法wよりも小さくなるように、すなわちw>t(=t0
−h)となるように、内層配線回路2間の基板Aの表面
に残す樹脂皮膜5の厚みhを調整するようにしてある。
このように内層配線回路2が樹脂皮膜5の表面から突出
する高さ寸法tが内層配線回路2の幅寸法wよりも小さ
くなるようにすることによって、内層配線回路2の剛性
を確保し、ワイヤーボンディングの信頼性を高く得るこ
とができるものである。
【0042】図12(a)は段差部1において内層配線
回路2を被覆するように基板Aの表面に設けた樹脂皮膜
5を示すものであり、樹脂皮膜5はこのように厚みが不
均一である場合が多い。このような厚みが不均一である
樹脂皮膜5にレーザ光を照射して樹脂皮膜5を除去する
場合、図12(b)のように樹脂皮膜5のうち厚みの厚
い部分は完全に除去することができず、樹脂皮膜5の一
部が残ってしまう。そこでこのような樹脂皮膜5の一部
が残らないようにレーザ光の出力を高めたり照射時間を
長くしたりすると、樹脂皮膜5の厚みの薄い部分でレー
ザ光が基板Aに作用し、図12(c)のように基板Aに
熱損傷29が生じるおそれがある。
【0043】そこで請求項11の発明では、図11
(a)のように樹脂皮膜5で段差部1の内層配線回路2
を被覆した後、まず図10(a)や図11(b)のよう
にルーター30等を用いて段差部1の樹脂皮膜5の表層
部を機械的に切削し、段差部1の樹脂皮膜5の厚みがほ
ぼ均一になるようにする。機械切削だけでは基板Aの反
り等の問題によって樹脂皮膜5の切削量の制御が難しい
ので、この後に、図10(b)や図11(c)のように
レーザ光Lを照射して、残った樹脂皮膜5を除去するよ
うにしてある。
【0044】このように段差部1の樹脂皮膜5の表層部
を機械的に切削したのち、レーザ光照射で樹脂皮膜5を
除去するようにすれば、機械的切削の後に残る樹脂皮膜
5は厚みがほぼ均一になっており、除去残しや基板Aの
損傷が生じることなくレーザ光照射で樹脂皮膜5を除去
することができるものであり、樹脂皮膜5の除去品質を
向上させることができるものである。
【0045】上記のように段差部1の樹脂皮膜5を除去
するにあたって、段差部1に配置される内層配線回路2
はその表面にワイヤーがボンディングされるので、この
内層配線回路2の表面に樹脂皮膜5が残らないように除
去する必要がある。従ってレーザ光Lを照射して樹脂皮
膜5を除去する場合には、基板Aや内層配線回路2に損
傷がないように条件を管理しながら樹脂皮膜5を残らな
いように除去する必要があり、条件管理が難しい。特に
内層配線回路2は銅で形成される場合が多いが、銅は放
熱されて冷却され易いので、YAGレーザやCO2 ガス
レーザを用いた場合のような赤外光による熱加工では、
内層配線回路2の表面に微小に樹脂皮膜5が残り易い。
【0046】そこで請求項12の発明は、図13(a)
のように段差部1の樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射し
て、この樹脂皮膜5を除去する処理を行なった後、図1
3(b)のように、樹脂皮膜5を溶解する化学処理液3
1に基板Aを浸漬し、基板Aを化学処理して内層配線回
路2上に残留する樹脂皮膜5を溶解することによって、
レーザ光Lを照射した部分の樹脂皮膜5を完全除去する
ようにしてある。化学処理液31としては例えばデスミ
ア処理に使用されるKMnO4 水溶液を用いることがで
き、30〜90℃に化学処理液31を調整して基板Aを
1〜30分程度浸漬するのが好ましい。
【0047】このように化学処理することによって、内
層配線回路2上に残留する樹脂皮膜5を完全に除去する
ことができ、内層配線回路2の表面へのワイヤーボンデ
ィングなど電気接続信頼性が向上するものである。また
既述の図2(c)のように内層配線回路2の表面に金等
の仕上げメッキ24を施すにあたって、メッキ性が向上
する効果もある。上記のようにして、まず図15(a)
に図示するように内層配線回路2の上に設けられた樹脂
皮膜5に、レーザ光Lを照射して図15(b)に図示す
るように内層配線回路2上の樹脂皮膜5のうち必要箇所
(ワイヤーボンディング等を行なうために内層配線回路
2を露出させる必要のある箇所)を除去し、さらに基板
Aを既述の図13(b)のように化学処理して、レーザ
光Lの照射部分において内層配線回路2の表面に残留す
る樹脂皮膜5を除去するにあたって、基板Aを化学処理
液31で処理する際に、化学処理液31は内層配線回路
2の他に、除去しない部分の樹脂皮膜5や、基板Aの樹
脂表面にも作用し、これらの樹脂皮膜5の表面や基板A
の表面も同様に化学処理されて図15(c)に示すよう
に表面荒れ50が生じる可能性がある。特に樹脂皮膜5
をソルダーレジストなどのレジスト23で形成する場
合、レジスト23の樹脂成分には無機添加物が入ってい
ることが多く、化学処理で無機添加物が表面に浮き出て
離脱し表面荒れ50生じ易い。そしてこのように表面荒
れ50が生じると、水分が吸着し易くなって絶縁特性に
問題が発生するものであった。
【0048】そこで、請求項13の発明では、図14
(a)のように内層配線回路2の表面を被覆する樹脂皮
膜5にレーザ光Lを照射して、樹脂皮膜5を除去した
後、図14(b)のように化学処理液31で化学処理し
てレーザ光Lの照射部分に残留する樹脂皮膜5を除去す
るにあたって、物理的な作用を付加しながら化学処理を
行なうようにしてある。例えば、10〜100MHzの
超音波振動子51を用いて超音波振動を物理的な作用と
して付加しながら、化学処理液31に基板Aを浸漬する
ことによって、レーザ光Lの照射部分に残留する樹脂皮
膜5を化学処理液31で除去する効果を促進することが
できる。このように物理的な作用を付加しながら化学処
理を行なうことによって、レーザ光Lの照射部分に残留
する樹脂皮膜5の除去を促進することができ、この結
果、化学処理の条件を緩やかにすることができる。例え
ば化学処理液31としてデスミア処理に使用されるKM
nO4 水溶液を用いる場合、10〜100MHzの超音
波振動子51で超音波を付加すると、処理条件を温度1
5〜60℃、処理時間1〜15分程度に緩和することが
できる。
【0049】このように条件を緩やかにして化学処理を
行なうことができるので、除去しない部分の樹脂皮膜5
や基板Aの表面に対する化学処理を抑制して、これらの
表面が化学処理液31でダメージを受けて表面荒れ50
が生じることを防ぐことができるものであり、除去しな
い部分の樹脂皮膜5や基板Aの表面への水分の吸着等が
生じにくくなって、絶縁特性を高めることができるもの
である。またレーザ光Lの照射部分において内層配線回
路2上に残留する樹脂皮膜5を化学処理で完全に除去す
ることができるので、内層配線回路2の表面へのワイヤ
ーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に仕
上げメッキ24のメッキ性が向上するものである。尚、
物理的な作用を付加するにあたっては、上記のような超
音波振動を付加する他に、化学処理液31の噴流をレー
ザ光Lの照射部分に吹き当てたり、化学処理液31中で
レーザ光Lの照射部分をブラシ研磨したりするようにし
てもよい。
【0050】また請求項14の発明では、既述の図4
(c)のように段差部1に配置される内層配線回路2の
表面にエッチングレジストなどレジスト23を塗布し、
図16(a)に図示するように樹脂皮膜5で被覆するに
あたって、レジスト23を塗布した後の加熱硬化条件を
温度60〜80℃、時間10〜15分程度に設定するこ
とによって、樹脂皮膜5の硬化を半硬化状態に止めてお
くようにしてある。そして図16(b)のように内層配
線回路2の表面を被覆する樹脂皮膜5にレーザ光Lを照
射して樹脂皮膜5を除去した後、KMnO4 水溶液等の
化学処理液31で化学処理してレーザ光Lの照射部分に
残留する樹脂皮膜5を除去する。レーザ光Lを照射せず
除去しない部分の樹脂皮膜5の表面には化学処理で図1
6(c)のように表面荒れ50が発生するが、化学処理
後に、基板Aを再度加熱して半硬化状態の樹脂皮膜5を
完全硬化させるようにすることによって、樹脂皮膜5は
この際の溶融(軟化)硬化で表面が図16(d)のよう
に平滑化され、表面荒れ50で離脱していた無機添加物
も樹脂皮膜5に再固着される。この再硬化の処理条件と
しては、温度150〜160℃、温度10〜15分程度
が好ましい。
【0051】このようにして、レーザ光Lの照射部分に
おいて内層配線回路2上に残留する樹脂皮膜5は化学処
理で完全に除去することができるので、内層配線回路2
の表面へのワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が
向上すると共に仕上げメッキ24のメッキ性が向上する
ものである。しかも、樹脂皮膜5を半硬化状態で内層配
線回路2の表面に設け、樹脂皮膜5をレーザ光Lの照射
で除去すると共に、化学処理してレーザ光Lの照射部分
において内層配線回路2上に残留する樹脂皮膜5を溶解
除去し、この後にレーザ光Lを照射せず除去していない
部分の樹脂皮膜5を加熱硬化させることによって、化学
処理で樹脂皮膜5の表面が荒れていても硬化によって表
面を平滑化することができ、樹脂皮膜5の表面への水分
の吸着等が生じにくくなって、絶縁特性を高めることが
できるものである。またレジスト23で形成される樹脂
皮膜5の表面の無機添加物の離脱が生じなくなり、レジ
スト23による樹脂皮膜5の表面品質を良好に維持する
ことができるものである。
【0052】また請求項15の発明では、図17(a)
のように内層配線回路2の表面にエッチングレジストな
どレジスト23による樹脂皮膜5を被覆し、図17
(b)のように内層配線回路2の表面を被覆する樹脂皮
膜5にレーザ光Lを照射して樹脂皮膜5を除去した後、
レーザ光Lを照射せず除去しない部分の樹脂皮膜5の露
出表面にマスク42を貼って、図17(c)のように樹
脂皮膜5をマスク42で被覆するようにしてある。この
マスク42としては化学処理等の際に剥がれないもので
あれは何でもよく、例えばポリイミドテープなどの粘着
テープ等を用いることができる。このようにレーザ光L
を照射していない部分の樹脂皮膜5をマスク42で保護
しながら、基板AをKMnO4 水溶液等の化学処理液3
1で化学処理して、図17(d)のようにレーザ光Lの
照射部分に残留する樹脂皮膜5を除去した後、図17
(e)のように樹脂皮膜5の表面からマスク42を剥が
すようにしてある。
【0053】このようにして、レーザ光Lの照射部分に
おいて内層配線回路2上に残留する樹脂皮膜5は化学処
理で完全に除去することができるので、内層配線回路2
の表面へのワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が
向上すると共に仕上げメッキ24のメッキ性が向上する
ものである。しかも、レーザ光Lを照射せず除去しない
部分の樹脂皮膜5の表面をマスク42で保護して化学処
理をしているために、化学処理で樹脂皮膜5の表面が侵
されて荒れることを防ぐことができ、樹脂皮膜5の表面
への水分の吸着等が生じにくくなって、絶縁特性を高め
ることができるものである。またレジスト23で形成さ
れる樹脂皮膜5の表面の無機添加物の離脱が生じなくな
り、レジスト23による樹脂皮膜5の表面品質を良好に
維持することができるものである。
【0054】図18及び図19は材質の異なる2種類の
ソルダーレジストなどのレジスト23a,23bを用い
て、2層構成で樹脂皮膜5を形成するようにしたもので
ある。下地のレジスト23aとしてはレジスト効果の高
いものを用いるのが好ましく、また上層のレジスト23
bは下地のレジスト23aが露出しない程度の厚さを確
保し耐久性を保持しているものであればよく、無機フィ
ラーを添加せず化学処理で表面荒れなどの外観変化が生
じないエポキシ樹脂系のものなどを用いるのが好まし
い。図18(a)の態様では上層レジスト23bはレー
ザ光Lを照射せず樹脂皮膜5を除去しない部分において
下地レジスト23aの上に塗布してあり、図19(a)
の態様では上層レジスト23bは下地レジスト23aの
全面に塗布してある。そして図18(b)のように下地
レジスト23aにレーザ光Lを照射して内層配線回路2
の上の樹脂皮膜5を除去した後、基板AをKMnO4
溶液等の化学処理液31で化学処理して、レーザ光Lを
照射した部分に残留する樹脂皮膜5を図18(c)のよ
うに除去するようにしてある。図19(b)の場合は上
層レジスト23bと下地レジスト23aにレーザ光Lを
照射して、上層レジスト23bと下地レジスト23aで
形成される内層配線回路2の上の樹脂皮膜5を除去し、
この後図18(c)と同様に化学処理して、レーザ光L
を照射した部分に残留する樹脂皮膜5を除去するように
してある。
【0055】このようにして、レーザ光Lの照射部分に
おいて内層配線回路2上に残留する樹脂皮膜5を化学処
理で完全に除去することができ、内層配線回路2の表面
へのワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上す
ると共に仕上げメッキ24のメッキ性が向上するもので
ある。しかも、樹脂皮膜5の表面は、無機フィラーを含
まず耐久性が高いレジスト23bで形成してあるので、
化学処理で樹脂皮膜5の表面に無機フィラー等が残って
荒れることを防ぐことができ、樹脂皮膜5の表面への水
分の吸着等が生じにくくなって、絶縁特性を高めること
ができるものである。また前記のマスク42を用いる場
合のように剥がす必要がなく、剥離のための工程を省略
することができるものである。
【0056】上記の請求項12以降の発明では、レーザ
光Lを照射した後に化学処理をすることによって、レー
ザ光Lを照射した部分において内層配線回路2上に残留
する樹脂皮膜5を溶解除去するようにしたが、請求項1
6の発明では、図20(a)のように段差部1の樹脂皮
膜5にレーザ光Lを照射して、この樹脂皮膜5を除去す
る処理を行なった後、図20(b)のようにプラズマ処
理装置33の電極34間に基板Aをセットし、基板Aの
表面をプラズマ放電に曝してプラズマ処理するようにし
てある。レーザ光Lを照射して内層配線回路2間に樹脂
皮膜5を残すように段差部1の樹脂皮膜5を除去した状
態では、図21(a)のようにレーザ光Lを照射した部
分においても内層配線回路2の表面に樹脂皮膜5が微小
量残るが、上記のようにプラズマ処理することによっ
て、図21(b)に示すようにレーザ光Lを照射した部
分おいて内層配線回路2の表面から樹脂皮膜5を完全に
除去することができるものである。またこのものでは内
層配線回路2間に残した樹脂皮膜5の表面をプラズマ処
理で粗面35にすることができるものである。プラズマ
処理は1〜60分程度行なうのが好ましい。
【0057】このようにプラズマ処理して内層配線回路
2上に残留する樹脂皮膜5を完全に除去することによっ
て、内層配線回路2の表面へのワイヤーボンディングな
ど電気接続信頼性が向上すると共に仕上げメッキ24の
メッキ性が向上するものである。しかも内層配線回路2
間に残した樹脂皮膜5の表面を粗面35にすることがで
きるために、基板Aに電子部品を搭載した後にモールド
樹脂成形するにあたって、このモールド樹脂との接着性
を向上させる効果を期待することもできるものである。
【0058】また請求項17の発明では、図22(a)
のように段差部1の樹脂皮膜5にYAGレーザやCO2
ガスレーザ等の赤外光のレーザ光Lを照射して、この樹
脂皮膜5を除去する処理を行なった後、図22(b)の
ように紫外線ランプやエキシマレーザ、YAG第4高調
波などの紫外光Vのレーザを集光レンズ26で集光し
て、レーザ光Lを照射した部分おいて内層配線回路2の
表面に照射することによって、内層配線回路2の上に残
った樹脂皮膜5を紫外光Vによる光化学反応で完全に除
去するようにしてある。このように紫外光照射を行なっ
て、レーザ光Lを照射した部分おいて内層配線回路2上
に残留する樹脂皮膜5を完全に除去することによって、
内層配線回路2の表面へのワイヤーボンディングなど電
気接続信頼性が向上すると共に仕上げメッキ24のメッ
キ性が向上するものである。この紫外光のレーザとして
は、紫外線ランプ、エキシマレーザ、YAGレーザ(第
4高調波)などの短波長のものが好ましい。
【0059】また請求項18の発明では、図23(a)
のように段差部1の樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射し
て、この樹脂皮膜5を除去する処理を行なった後、図2
3(b)のようにノズル37から高圧水38を段差部1
に噴射し、レーザ光Lを照射した部分おいて内層配線回
路2の上に残った樹脂皮膜5を水圧で完全に除去するよ
うにしてある。高圧水38の水圧は5〜100kg/c
2 程度が好ましい。高圧水38は図23(c)のよう
に複数本を同時に用いるようにしてもよい。このように
高圧水洗を行なって内層配線回路2上に残留する樹脂皮
膜5を完全に除去することによって、内層配線回路2の
表面へのワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向
上すると共に仕上げメッキ24のメッキ性が向上するも
のである。尚、この高圧水洗を前記の化学処理やプラズ
マ処理と組み合わせることによって、化学処理やプラズ
マ処理の条件を軽く抑えることができ、化学処理やプラ
ズマ処理を行なうことによる基板Aやその周辺のダメー
ジを抑制することができるものである。
【0060】また請求項19の発明では、既述の図4
(c)のように段差部1に配置される内層配線回路2の
表面にエッチングレジストなどレジスト23を塗布して
樹脂皮膜5で被覆するに先立って、まずレーザ光を照射
して樹脂皮膜5を除去する部分において内層配線回路2
の表面に図24(a)のようにマスク材43を設けて内
層配線回路2の表面を被覆し、このマスク材43の上か
らレジスト23を塗布・硬化させて図24(b)のよう
に内層配線回路2上に樹脂皮膜5を形成するようにして
ある。マスク材43としては例えばポリイミドテープな
ど粘着テープを用いることができる。そして図24
(c)のように樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射してマス
ク材43の上の樹脂皮膜5を除去する処理を行なった
後、図24(d)のようにマスク材4を剥がして、内層
配線回路2を露出させるようにしてある。
【0061】このようにマスク材4で内層配線回路2の
表面を被覆した状態で樹脂皮膜5を形成することによっ
て、レーザ光Lを照射して樹脂皮膜5を除去する部分に
は内層配線回路2の表面に樹脂皮膜5は付着しないもの
である。従って、内層配線回路2上に樹脂皮膜5の微小
樹脂残りが生じるようなことなく、レーザ光Lの照射で
樹脂皮膜5を除去することができるものであり、樹脂皮
膜5の微小樹脂残りを除去する後処理工程が不要にな
り、そして内層配線回路2の表面へのワイヤーボンディ
ングなど電気接続信頼性が向上すると共に仕上げメッキ
24のメッキ性が向上するものである。
【0062】上記のマスク材43としてはポリイミドフ
ィルムの他に、錫や錫合金(例えば半田)を用いること
ができるものであり、例えば内層配線回路2の表面に半
田メッキを施すことによって、既述の図24(a)のよ
うに内層配線回路2の表面にマスク材43を設けること
ができる。そしてこのマスク材43の上からレジスト2
3を塗布・硬化させて既述の図24(b)のように内層
配線回路2上に樹脂皮膜5を形成し、さらに既述の図2
4(c)のように樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射してマ
スク材43の上の樹脂皮膜5を除去する処理を行なった
後、半田剥離液などの化学薬品でマスク材43を溶解し
て既述の図24(d)のようにマスク材43を除去し、
内層配線回路2を露出させることができるものである。
このように錫や錫合金でマスク材43を形成するように
すると、メッキによって内層配線回路2の必要な箇所に
のみマスク材43を設ける処理が容易になるものであ
る。またマスク材43をラフに形成して図25に示すよ
うに除去しない樹脂皮膜5の下に一部が存在するように
設けてあってもよく、マスク材43を完全に除去する必
要は必ずしもない。
【0063】また上記のマスク材43としては、感光性
レジストによるドライフィルムを用いることもできる。
ドライフィルムを用いる場合、露光・現像処理すること
によって既述の図24(a)のように内層配線回路2の
表面にマスク材43を設けることができる。そしてこの
マスク材43の上からレジスト23を塗布・硬化させて
既述の図24(b)のように内層配線回路2上に樹脂皮
膜5を形成し、さらに既述の図24(c)のように樹脂
皮膜5にレーザ光Lを照射してマスク材43の上の樹脂
皮膜5を除去する処理を行なった後、NaOH溶液等の
アルカリ溶液など化学薬品でマスク材43を溶解して既
述の図24(d)のようにマスク材43を除去し、内層
配線回路2を露出させることができるものである。この
ようにドライフィルムでマスク材43を形成するように
すると、露光・現像処理によって必要箇所にのみマスク
材43を設ける処理が容易になるものである。またドラ
イフィルムはアルカリ液等で容易に剥離することができ
るので、内層配線回路2の表面にマスク材43の微小残
りが生じ難いものである。このマスク材43は必ずしも
完全に除去する必要はなく、一部が残っていてもよい。
【0064】また上記のマスク材43としては、熱可塑
性ウレタン樹脂など熱可塑性樹脂43aで形成すること
もできる。この場合は熱可塑性樹脂43aを塗布して図
26(a)のように内層配線回路2の表面にマスク材4
3を設けた後、マスク材43の上からレジスト23を塗
布・硬化させて図26(b)のように内層配線回路2上
に樹脂皮膜5を形成し、そして図26(c)のように樹
脂皮膜5にレーザ光Lを照射してマスク材43の上の樹
脂皮膜5を除去する処理を行なう際に、樹脂皮膜5の下
の熱可塑性樹脂43aで形成されるマスク材43もレー
ザ光Lの照射によって溶融分解し、除去することができ
るものである。このように熱可塑性樹脂43aのマスク
材43はレーザ光Lの照射によって溶融除去されるの
で、内層配線回路2の表面に微小樹脂残りが生じ難くな
るものである。しかもレーザ光Lを照射して樹脂皮膜5
を除去する際に同時にマスク材43も除去できるので、
マスク材43を除去するための工程が不要になるもので
ある。このとき、図26(d)や図27に示すようにマ
スク材43は必ずしも完全に除去する必要はない。
【0065】さらに上記のマスク材43としては、昇華
性物質、あるいは昇華性物質を含んだ材料で形成するこ
ともできる。昇華性物質としてはCdOなどを用いるこ
とができる。この場合は、昇華性物質(あるいは昇華性
物質含有材料)43bを塗布して図28(a)のように
内層配線回路2の表面にマスク材43を設けた後、マス
ク材43の上からレジスト23を塗布・硬化させて図2
8(b)のように内層配線回路2上に樹脂皮膜5を形成
し、そして図28(c)のように樹脂皮膜5にレーザ光
Lを照射してマスク材43の上の樹脂皮膜5を除去する
処理を行なう際に、樹脂皮膜5の下の昇華性物質(昇華
性物質含有材料)43bで形成されるマスク材43もレ
ーザ光Lの照射によって昇華し、除去することができる
ものである。このように昇華性物質(昇華性物質含有材
料)43bのマスク材43はレーザ光Lの照射によって
昇華除去されるので、内層配線回路2の表面に微小残り
が生じ難くなるものである。しかもレーザ光Lを照射し
て樹脂皮膜5を除去する際に同時にマスク材43も除去
できるので、マスク材43を除去するための工程が不要
になるものである。このとき昇華性物質(昇華性物質含
有材料)43bの塗布精度はラフでよく、図28(d)
に示すようにマスク材43は必ずしも完全に除去する必
要はない。
【0066】また請求項20の発明では、既述の図4
(c)のように段差部1に配置される内層配線回路2の
表面にエッチングレジストなどレジスト23を塗布して
樹脂皮膜5で被覆するに先立って、まずレーザ光を照射
して樹脂皮膜5を除去する部分において内層配線回路2
の表面に図29(a)のように接着抑制材料44を設け
て内層配線回路2の表面を被覆し、この接着抑制材料4
4の上からレジスト23を塗布・硬化させて図29
(b)のように内層配線回路2上に樹脂皮膜5を形成す
るようにしてある。接着抑制材料44は金属の内層配線
回路2に対するレジスト23の接着を抑制する作用を有
するものであればよく、例えば油、離型剤、界面活性剤
などを用いることができる。そして樹脂皮膜5にレーザ
光Lを照射して図29(c)のように接着抑制材料44
の上の樹脂皮膜5を除去する処理を行なう。このとき、
接着抑制材料44もレーザ光Lの照射によって除去さ
れ、内層配線回路2を露出させることができる。内層配
線回路2の表面に接着抑制材料44が残留していれば、
水、洗剤、有機溶剤等で洗浄することによって完全除去
することができる。
【0067】このように接着抑制材料44で内層配線回
路2の表面を被覆した状態で樹脂皮膜5を形成すること
によって、レーザ光Lを照射して樹脂皮膜5を除去する
部分には内層配線回路2の表面に樹脂皮膜5は付着し難
くなるものである。従って、内層配線回路2上に樹脂皮
膜5の微小樹脂残りが生じるようなことなく、レーザ光
Lの照射で樹脂皮膜5を除去することができるものであ
り、樹脂皮膜5の微小樹脂残りを除去する後処理工程が
不要になり、そして内層配線回路2の表面へのワイヤー
ボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に仕上
げメッキ24のメッキ性が向上するものである。ここ
で、接着抑制材料44の塗布精度はラフでよく、図30
に示すように接着抑制材料44は必ずしも完全に除去す
る必要はない。
【0068】また請求項21の発明では、内層配線回路
2の表面のうち、その表面を被覆する樹脂皮膜5を除去
する部分の表面粗さを他の部分の表面粗さより小さくす
るようにしてある。すなわち図31(a)に示すよう
に、内層配線回路2のうち段部1に配置される先部の表
面2aを研磨等して、他の部分の表面2bよりも平滑な
面に形成してある。この表面2aの研磨は表面の凹凸の
差(粗度)が1μm以下になるように行なうのが好まし
い。そして図31(b)のように、内層配線回路2の表
面にエッチングレジストなどレジスト23を塗布・硬化
させて樹脂皮膜5で被覆し、次いで樹脂皮膜5にレーザ
光Lを照射して図31(c)のように樹脂皮膜5を除去
する処理を行なって、内層配線回路2の表面を露出させ
るものである。
【0069】このように表面粗さを他の部分の表面粗さ
より小さくして平滑に形成した部分の内層配線回路2の
表面の樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射して、樹脂皮膜5
を除去するようにしているので、表面粗さが小さく平滑
な部分には樹脂皮膜5のアンカー効果が小さく、微小樹
脂残りが生じるようなことなく、レーザ光Lの照射で樹
脂皮膜5を除去することができるものである。従ってレ
ーザ光Lの照射後に樹脂皮膜5の微小樹脂残りを除去す
る後処理工程が不要になり、そして内層配線回路2の表
面へのワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上
すると共に仕上げメッキ24のメッキ性が向上するもの
である。ここで、内層配線回路2の平滑化する表面2a
の範囲の位置精度はラフでよく、図32に示すように平
滑表面2aが除去しない樹脂皮膜5に及んでいても差し
支えない。
【0070】また請求項22の発明では、図33(a)
のように段差部1の樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射し
て、この樹脂皮膜5を除去する処理を行なった後、図3
3(b)のようにノズル52から粒子45を噴射し、レ
ーザ光Lを照射した部分において内層配線回路2の上に
残った樹脂皮膜5の微小樹脂残りを粒子45による研磨
作用で完全に除去するようにしてある。この粒子45と
しては、ナイロン等のポリアミド樹脂など、樹脂粒子
や、ガラスビーズ、セラミック粒子などを用いるのがよ
く、粒子径は0.5〜500μm程度が好ましい。また
粒子45の噴射圧力は0.1〜5.0kg/cm2 程度
が好ましい。粒子45の噴射は内層配線回路2上に当て
るだけでなく、除去しない樹脂皮膜5や基板Aの表面に
当たるようにししても差支えない。粒子45によって内
層配線回路2上の微小樹脂残りは容易に除去できるが、
樹脂皮膜5や基板Aに与えるダメージは小さいものであ
る。
【0071】このように粒子45を噴射して、レーザ光
Lの照射部分において内層配線回路2上に残留する樹脂
皮膜5の微小樹脂残りを完全に除去することによって、
内層配線回路2の表面へのワイヤーボンディングなど電
気接続信頼性が向上すると共に仕上げメッキ24のメッ
キ性が向上するものである。図34の例では、図34
(a)のように段差部1の樹脂皮膜5にレーザ光Lを照
射して樹脂皮膜5を除去する処理を行なった後、粒子4
5を噴射して内層配線回路2の上に残った樹脂皮膜5の
微小樹脂残りを完全除去するにあたって、図34(b)
のように粒子45を水等の液体53と混合した混合液を
ノズル52から噴射するようにしてある。このように粒
子45を液体53と混合して用いることによって、内層
配線回路2の上から剥離した微小樹脂を液体53で洗い
流すことができ、また粒子45が液体53の流動によっ
て、基板Aの形状にとらわれることなく内層配線回路2
の表面の全体に当たり易くなり、微小樹脂残りの均一な
除去を行なうのが容易になるものである。
【0072】上記の粒子45と混合する液体53として
は、KMnO4 やNaOHなどのアルカリ水溶液を用い
ることができる。このように液体53としてアルカリ溶
液を用いると、レジスト等で形成される樹脂皮膜5の微
小樹脂残りの除去を、粒子45による物理的除去に加え
て、アルカリ溶液の化学反応による化学的除去効果を加
味して行なうことができ、樹脂皮膜5の微小樹脂残りの
除去効率を高めることができるものである。
【0073】また、上記の粒子45としてはその粒子の
直径が、内層配線回路2の厚みと、隣合う内層配線回路
2の間隔寸法の、いずれか小さい方の寸法よりも小さい
ものを用いるのが好ましい。すなわち、図33(b)や
図34(b)のように粒子45を噴射して、レーザ光L
の照射部分において内層配線回路2上に残留する樹脂皮
膜5の微小樹脂残りを完全に除去する際に、図35のよ
うに、粒子45は内層配線回路2間に形成される樹脂皮
膜5にも当たって、内層配線回路2間の樹脂皮膜5を除
去する作用もなす。そして内層配線回路2の間隔寸法が
内層配線回路2の厚み寸法より大きい場合(回路間隔>
回路厚み)、粒子45の直径が内層配線回路2の厚み寸
法よりも大きいと、図36(b)に示すように内層配線
回路2の側面に残留する樹脂皮膜5の量が多くなるの
で、粒子45の直径を内層配線回路2の厚み寸法より小
さくして図36(a)のように内層配線回路2の側面に
残留する樹脂皮膜5の量が少なくなるようにするのが好
ましいのである。また内層配線回路2の厚み寸法が内層
配線回路2の間隔寸法より大きい場合(回路間隔<回路
厚み)、粒子45の直径が内層配線回路2の間隔寸法よ
りも大きいと、図37(b)に示すように内層配線回路
2の側面に残留する樹脂皮膜5の量が多くなるので、粒
子45の直径を内層配線回路2の間隔寸法より小さくし
て図37(a)のように内層配線回路2の側面に残留す
る樹脂皮膜5の量が少なくなるようにするのが好ましい
のである。尚、粒子45の直径を調整することによっ
て、内層配線回路2の間に残す樹脂皮膜5の量を制御す
ることが可能である。
【0074】また、既述の図33(b)や図34(b)
のように粒子45を噴射して、レーザ光Lの照射部分に
おいて内層配線回路2上に残留する樹脂皮膜5の微小樹
脂残りを完全に除去するにあたって、内層配線回路2の
表面に凹凸を形成させて、後工程で施されるメッキ24
との密着性や、ソルダーレジストなどの樹脂との密着性
を高めるために、鋭角に尖る部分を表面に有する粒子形
状の粒子45を用いるのが好ましい。すなわち、鋭角に
尖る部分を有しない粒子形状の粒子45を用いる場合、
図39(a)のようにこの鋭角部分を有しない粒子45
を内層配線回路2の表面に当てることによって、樹脂皮
膜5の微小樹脂残りを除去することは可能であるが、図
39(b)のように粒子45の衝突によって内層配線回
路2の表面に大きな凹凸を形成させることはできない。
これに対して、鋭角に尖る部分を有する粒子形状の粒子
45を用いる場合、図38(a)のようにこの鋭角部分
を有する粒子45を内層配線回路2の表面に当てること
によって、樹脂皮膜5の微小樹脂残りを除去することが
できると共に、図38(b)のように粒子45の衝突に
よって内層配線回路2の表面にアスペクト比の大きな凹
凸54を形成させることができる。このように大きな凹
凸54を内層配線回路2の表面に形成することによっ
て、メッキや樹脂との密着性を高めることができるもの
である。但し、凹凸54が大き過ぎると、ワイヤーボン
ディングや接続端子との接合性に問題が生じるおそれが
るので、粒子45として粒径が2μm以下のものを用い
て凹凸54が大きくなり過ぎないようにするのがよい。
【0075】また、粒子45としてその硬度が、樹脂皮
膜5の樹脂の硬度より高く、さらに内層配線回路2の硬
度よりも高いものを用いる場合(樹脂硬度<回路硬度<
粒子硬度)、図41(a)のようにこの硬度が高い粒子
45を内層配線回路2の表面に当てることによって、樹
脂皮膜5の微小樹脂残りを内層配線回路2の表面から除
去することができるが、図41(b)のように硬度の高
い粒子45の衝突によって内層配線回路2の表面に凹凸
55が形成されて内層配線回路2がダメージを受けるお
それがある。そこで、粒子45としては、その硬度が樹
脂皮膜5の樹脂の硬度より高く、且つ内層配線回路2の
硬度よりも低いものを用いるのが好ましい(樹脂硬度<
粒子硬度<回路硬度)。このような粒子45としては、
樹脂皮膜5をエポキシ樹脂で形成し、内層配線回路2を
銅、タングステン、クロム等で形成している場合は、ユ
リア樹脂粒子やメラミン樹脂粒子等を用いることができ
る。そしてこのような硬度の粒子45を用いると、粒子
45の硬度は樹脂皮膜5の樹脂の硬度より高いので、図
40(a)のようにこの粒子45を内層配線回路2の表
面に当てることによって、樹脂皮膜5の微小樹脂残りを
除去することができると共に、粒子45の硬度は内層配
線回路2の硬度よりも低いので、図40(b)のように
粒子45の衝突によって内層配線回路2の表面に凹凸5
5が形成されることがなく、内層配線回路2にダメージ
を与えないようにすることができるものである。
【0076】請求項23の発明は、段差部1の樹脂皮膜
5にレーザ光Lを照射して樹脂皮膜5を除去するにあた
って、樹脂皮膜5の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中
で、内層配線回路2の表面の樹脂皮膜5にレーザ光Lを
照射し、この樹脂皮膜5を除去するようにしてある。こ
の気体としては、レーザ光Lを樹脂皮膜5に照射して加
熱する際に、樹脂の加熱分解反応(燃焼反応等)を促進
させるものを用いるものであり、酸素や活性な酸素(オ
ゾン)などを使用することができる。樹脂皮膜5が炭化
物系樹脂で形成されている場合、炭化物系樹脂は酸素や
オゾンと反応して炭化物の分解が促進されるものであ
る。図42の例では、レーザ光Lを照射する部分にノズ
ル56で上記の気体を吹き付けることによって、樹脂皮
膜5の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中で樹脂皮膜5
にレーザ光Lを照射するようにしてある。このときの気
体の吹き付け圧は1〜5kg/cm2 程度が好ましい。
またこのように気体を吹き付ける他に、レーザ光Lによ
る加工工程の雰囲気全体を上記の気体の雰囲気にすれ
ば、効果を一層高く得ることができるものである。
【0077】このように樹脂皮膜5の樹脂と反応性を有
する気体雰囲気中でレーザ光Lを照射することによっ
て、レーザ光Lの照射部分において内層配線回路2上に
微小樹脂残りが残留することなく樹脂皮膜5を完全に除
去することができるものであり、内層配線回路2の表面
へのワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上す
ると共に仕上げメッキ24のメッキ性が向上するもので
ある。
【0078】図43の例では、電源57に接続されるプ
ラズマ処理装置の電極58のプラズマ放電でプラズマ5
9を生じさせ、このプラズマ59の雰囲気中で内層配線
回路2の表面の樹脂皮膜5にレーザ光Lを照射するよう
にしてある。プラズマ59としては酸素プラズマなどを
使用することができ、レーザ光Lを樹脂皮膜5に照射し
て加熱する際に、樹脂の加熱分解反応をこの酸素プラズ
マ59で促進させることができる。樹脂皮膜5が炭化物
系樹脂で形成されている場合、炭化物系樹脂は酸素や活
性な酸素(酸素プラズマ)と反応して炭化物の分解が促
進されるものである。
【0079】ここで、上記のようにレーザ光を照射して
段差部1の樹脂皮膜5を除去するにあたって、単一波長
のレーザ光照射では、樹脂皮膜5の厚みのばらつき、樹
脂皮膜5の材質、内層配線回路2への樹脂皮膜5の付き
回り方向の如何等によって、内層配線回路2の表面に樹
脂皮膜5の微小樹脂残りが発生し易くなる。そこで請求
項24の発明では、図44に示すように、段差部1の樹
脂皮膜5に複数種のレーザ光L1 ,L2 ,L3 を単独で
順番に、あるいはこれらを同時に照射することによっ
て、内層配線回路2上に微小樹脂が残ることなく完全に
樹脂皮膜5を除去するようにしてある。例えば、樹脂皮
膜5がエポキシ系樹脂などYAGレーザの波長1.06
μmのものを透過し易いものの場合には、このレーザ光
とCO2 レーザの波長10.6μmのものを複合して同
時に照射することによって、内層配線回路2上に残るこ
となく完全に樹脂皮膜5を除去することができる。また
YAGレーザやCO2 レーザなどの赤外線レーザと、Y
AG高調波レーザやエキシマレーザなどの紫外線レーザ
とを複合して同時に照射することによって、赤外線レー
ザによって樹脂皮膜5の除去を行なうことができると共
に内層配線回路2上の樹脂皮膜5の微小残りを紫外線レ
ーザによって除去することができ、内層配線回路2上に
残ることなく完全に樹脂皮膜5を除去することができ
る。このように複数種のレーザ光を照射して内層配線回
路2上に残留する樹脂皮膜5を完全に除去することによ
って、内層配線回路2の表面へのワイヤーボンディング
など電気接続信頼性が向上すると共に仕上げメッキ24
のメッキ性が向上するものである。
【0080】また上記のようにレーザ光を照射して段差
部1の樹脂皮膜5を除去するにあたって、単一方向から
のレーザ光照射では、樹脂皮膜5の厚みのばらつき、樹
脂皮膜5の材質、内層配線回路2への樹脂皮膜5の付き
回り方向の如何等によって、樹脂皮膜5を完全に除去で
きない場合がある。特に基板Aに対して垂直にレーザ光
を照射した場合、レーザ光が基板Aに吸収され易くなっ
て基板Aに熱損傷が加わるおそれがある。
【0081】そこで請求項25の発明は、図45(a)
のように樹脂皮膜5で段差部1の内層配線回路2を被覆
した後、段差部1にレーザ光Lを照射して樹脂皮膜5を
除去するにあたって、図45(b)のように基板Aに対
して斜め方向からレーザ光Lを照射するようにしてあ
る。この場合、図45(b)のように一方側から斜め方
向にレーザ光Lを照射した後、図45(c)のように反
対側からも斜め方向にレーザ光Lを照射するのがよい。
このようにすれば内層配線回路2の影になることなく、
基板A上の樹脂皮膜5を完全に除去することができるも
のである。またこのように基板Aに対して斜め方向から
レーザ光を照射することによって、基板Aにレーザ光L
が吸収され難くなり、基板Aに熱損傷が生じることを抑
制することができるものであり、特に全反射角以上の角
度で基板Aに照射するようにすれば、基板Aに透過する
レーザ光Lが無くなるために、基板Aのダメージを完全
に無くすことができるものである。このようにレーザ光
を斜めに照射して内層配線回路2上の樹脂皮膜5を完全
に除去するようにすれば、内層配線回路2の表面へのワ
イヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共
に仕上げメッキ24のメッキ性が向上するものである。
尚、基板Aに斜めにレーザ光を照射するにあたっては、
基板Aに対して垂直なレーザ光をミラー等で偏向させて
斜めに照射されるようにしてもよい。
【0082】また上記のように基板Aに対して斜め方向
からレーザ光を照射する場合、反射する光を有効に用い
る方法がある。すなわち請求項26の発明は、図46
(a)のように樹脂皮膜5で段差部1の内層配線回路2
を被覆した後、段差部1にレーザ光Lを照射して図46
(c)のように樹脂皮膜5を除去するにあたって、図4
6(b)のように基板Aに対して斜め方向からレーザ光
Lを照射すると共に、反射した反射レーザ光Lr を反射
ミラー40で反射させて再段基板Aに照射させるように
してあり、レーザ光を効率良く基板Aに照射させて段差
部1の樹脂皮膜5の除去を効率良く行なうことができる
ようにしてある。このように、斜め方向からレーザ光を
照射することによって基板Aに対するダメージを小さく
することができると共に、基板Aで反射した反射レーザ
光を再段基板Aに照射させることによって、レーザ光を
効率的に用いて樹脂皮膜5の除去加工をすることができ
るものである。
【0083】
【発明の効果】上記のように請求項1,3の発明は、電
子部品を搭載する基板の段差部に内層配線回路が導出さ
れ、内層配線回路が外層配線回路とスルーホールメッキ
によって接続された電子部品搭載用基板を製造するにあ
たって、層間の内層配線回路上に設けた樹脂皮膜を延出
させることによって段差部に配置される内層配線回路の
表面を被覆した後、樹脂皮膜を除去して段差部のこの内
層配線回路を露出させるようにしたので、メッキ処理や
エッチング処理などの際に段差部の内層配線回路がこれ
らの処理液の作用を受けることを樹脂皮膜で遮断するこ
とができ、従来例のように蓋をして内層配線回路を保護
する必要がなくなり、構造が簡単になると共に設計上の
制約を受けることもなくなるものである。しかも段差部
の内層配線回路を覆う樹脂皮膜を除去する際に、同時に
この上の汚れ等も除去できるものであり、内層配線回路
の表面の汚れ不良を低減することができるものである。
【0084】また請求項2,4の発明は、電子部品を搭
載する基板の段差部に内層配線回路が導出され、内層配
線回路が外層配線回路とスルーホールメッキによって接
続された電子部品搭載用基板を製造するにあたって、段
差部に配置される内層配線回路の表面を樹脂皮膜で被覆
した後、樹脂皮膜を除去して段差部のこの内層配線回路
を露出させるようにしたので、メッキ処理やエッチング
処理などの際に段差部の内層配線回路がこれらの処理液
の作用を受けることを樹脂皮膜で遮断することができ、
従来例のように蓋をして内層配線回路を保護する必要が
なくなり、構造が簡単になると共に設計上の制約を受け
ることもなくなるものである。しかも段差部の内層配線
回路を覆う樹脂皮膜を除去する際に、同時にこの上の汚
れ等も除去できるものであり、内層配線回路の表面の汚
れ不良を低減することができるものである。
【0085】また請求項5の発明は、内層配線回路の表
面を被覆した樹脂皮膜をレーザ光照射で除去するように
したので、機械的切削加工で樹脂皮膜を除去する場合の
ような内層配線回路や基板に発生する損傷を低減して、
樹脂皮膜を除去することができるものである。また請求
項6の発明は、スルーホールメッキを行なう前段階で、
段差部に配置される内層配線回路の表面を樹脂皮膜で被
覆するようにしたので、メッキ処理の際に段差部の内層
配線回路がメッキ液の作用を受けることを樹脂皮膜で防
ぐことができ、従来例のように蓋をして内層配線回路を
保護するような必要がなくなるものである。
【0086】また請求項7,8の発明は、段差部に配置
される内層配線回路間あるいはこの内層配線回路の基板
から立ち上がる側面が樹脂皮膜で覆われるように、樹脂
皮膜を一部を残して除去するようにしたので、隣合う内
層配線回路間の絶縁性を樹脂皮膜で確保することがきる
と共に、内層配線回路と基板との間の接合界面を樹脂皮
膜で覆うことができ、この接合界面の腐食を防止して内
層配線回路の剥離を防ぐことができるものである。
【0087】また請求項9,10の発明は、段差部に配
置される内層配線回路の基板から立ち上がる側面の下部
が樹脂皮膜で覆われるように一部を残して樹脂皮膜を除
去するにあたって、樹脂皮膜の表面から突出する内層配
線回路の高さ寸法が内層配線回路の幅寸法よりも小さく
なるように樹脂皮膜の除去量を調整するようにしたの
で、内層配線回路の剛性を確保することができ、内層配
線回路へのワイヤーボンディングの信頼性を高く得るこ
とができるものである。
【0088】また請求項11の発明は、内層配線回路の
表面を被覆した樹脂皮膜を、まず機械的に切削した後、
レーザ光を照射して除去するようにしたので、機械的切
削の後に残る樹脂皮膜は厚みがほぼ均一になっており、
除去残しや基板の損傷が生じることなくレーザ光照射で
樹脂皮膜を除去することができるものである。また請求
項12の発明は、内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮
膜をレーザ光照射で除去した後、化学処理してレーザ光
照射部分において内層配線回路上に残留する樹脂皮膜を
溶解除去するようにしたので、内層配線回路上に残留す
る樹脂皮膜を化学処理で完全に除去することができるも
のであり、内層配線回路の表面の品質を向上させること
ができると共に電気接続信頼性を向上させることがで
き、また内層配線回路の表面に施すメッキの密着性が高
くなってワイヤボンディングなどの電気接続信頼性が向
上するものである。
【0089】また請求項13の発明は、内層配線回路の
表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ光照射で除去した後、
物理的な作用を付加しながら化学処理して、レーザ光照
射部分において内層配線回路上に残留する樹脂皮膜を溶
解除去するようにしたので、内層配線回路上に残留する
樹脂皮膜を化学処理で完全に除去することができるもの
であり、内層配線回路の表面の品質を向上させることが
できると共に電気接続信頼性を向上させることができ、
また内層配線回路の表面に施すメッキの密着性が高くな
ってワイヤボンディングなどの電気接続信頼性が向上す
るものである。しかも物理的な作用を付加しながら化学
処理を行なうことによって、レーザ光照射部分に残留す
る樹脂皮膜の除去を促進することができるものであり、
この結果、化学処理の条件を緩やかにすることが可能に
なって除去しない部分の樹脂皮膜や基板の表面に対する
化学処理を抑制し、これらの表面が化学処理でダメージ
を受けて表面荒れが生じることを防ぐことができ、水分
の吸着等が生じにくくなって絶縁特性を高めることがで
きるものである。
【0090】また請求項14の発明は、内層配線回路の
表面を半硬化状態の樹脂皮膜で被覆すると共に樹脂皮膜
をレーザ光照射で除去した後、化学処理してレーザ光照
射部分において内層配線回路上に残留する樹脂皮膜を溶
解除去し、次いでレーザ光照射していない部分の樹脂皮
膜を硬化させるようにしたので、内層配線回路上に残留
する樹脂皮膜を化学処理で完全に除去することができる
ものであり、内層配線回路の表面の品質を向上させるこ
とができると共に電気接続信頼性を向上させることがで
き、また内層配線回路の表面に施すメッキの密着性が高
くなってワイヤボンディングなどの電気接続信頼性が向
上するものである。しかも化学処理で樹脂皮膜の表面が
荒れていても、樹脂皮膜は半硬化状態から硬化させるこ
とによって表面を平滑化することができ、樹脂皮膜の表
面への水分の吸着等が生じにくくなって絶縁特性を高め
ることができるものである。
【0091】また請求項15の発明は、内層配線回路の
表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ光照射で除去した後、
樹脂皮膜のレーザ光照射をしていない部分の表面にマス
クを施し、この後、化学処理してレーザ光照射部分にお
いて内層配線回路上に残留する樹脂皮膜を溶解除去する
ようにしたので、内層配線回路上に残留する樹脂皮膜を
化学処理で完全に除去することができるものであり、内
層配線回路の表面の品質を向上させることができると共
に電気接続信頼性を向上させることができ、また内層配
線回路の表面に施すメッキの密着性が高くなってワイヤ
ボンディングなどの電気接続信頼性が向上するものであ
る。しかも除去しない部分の樹脂皮膜の表面をマスクで
保護して化学処理をすることができるものであり、化学
処理で除去しない部分の樹脂皮膜の表面が侵されて荒れ
ることを防ぐことができ、樹脂皮膜の表面への水分の吸
着等が生じにくくなって絶縁特性を高めることができる
ものである。
【0092】また請求項16の発明は、内層配線回路の
表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ光照射で除去した後、
プラズマ処理してレーザ光照射した部分において内層配
線回路上に残留する樹脂皮膜を除去するようにしたの
で、内層配線回路上に残留する樹脂皮膜をプラズマ処理
で完全に除去することができるものであり、内層配線回
路の表面の品質を向上させることができると共に電気接
続信頼性を向上させることができ、また内層配線回路の
表面に施すメッキの密着性が高くなってワイヤボンディ
ングなどの電気接続信頼性が向上するものである。
【0093】また請求項17の発明は、内層配線回路の
表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ光照射で除去した後、
紫外光照射してレーザ光照射した部分において内層配線
回路上に残留する樹脂皮膜を除去するようにしたので、
内層配線回路上に残留する樹脂皮膜を紫外光照射で完全
に除去することができるものであり、内層配線回路の表
面の品質を向上させることができると共に電気接続信頼
性を向上させることができ、また内層配線回路の表面に
施すメッキの密着性が高くなってワイヤボンディングな
どの電気接続信頼性が向上するものである。
【0094】また請求項18の発明は、内層配線回路の
表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ光照射で除去した後、
高圧水洗してレーザ光照射した部分において内層配線回
路上に残留する樹脂皮膜を除去するようにしたので、内
層配線回路上に残留する樹脂皮膜を高圧水洗で完全に除
去することができるものであり、内層配線回路の表面の
品質を向上させることができると共に電気接続信頼性を
向上させることができ、また内層配線回路の表面に施す
メッキの密着性が高くなってワイヤボンディングなどの
電気接続信頼性が向上するものである。
【0095】また請求項19の発明は、内層配線回路と
樹脂皮膜との間にマスク材を設けるようにしたので、マ
スク材によって内層配線回路の表面に樹脂皮膜が付着し
ないようにすることができ、内層配線回路上に樹脂皮膜
が残ることなくレーザ光の照射で完全に除去することが
できるものであって、内層配線回路の表面の品質を向上
させることができると共に電気接続信頼性を向上させる
ことができ、また内層配線回路の表面に施すメッキの密
着性が高くなってワイヤボンディングなどの電気接続信
頼性が向上するものであり、しかも樹脂皮膜の残りを除
去する後処理工程が不要になるものである。
【0096】また請求項20の発明は、内層配線回路の
表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ光照射で除去するにあ
たって、樹脂皮膜を除去する部分において、内層配線回
路と樹脂皮膜の間に両者の接着を抑制する材料を設ける
ようにしたので、接着抑制材料で内層配線回路の表面に
樹脂皮膜が付着しないようにすることができ、内層配線
回路上に樹脂皮膜が残ることなくレーザ光の照射で完全
に除去することができるものであって、内層配線回路の
表面の品質を向上させることができると共に電気接続信
頼性を向上させることができ、また内層配線回路の表面
に施すメッキの密着性が高くなってワイヤボンディング
などの電気接続信頼性が向上するものであり、しかも樹
脂皮膜の残りを除去する後処理工程が不要になるもので
ある。
【0097】また請求項21の発明は、内層配線回路の
表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ光照射で除去するにあ
たって、樹脂皮膜を除去する部分の内層配線回路の表面
粗さを他の部分の表面粗さより小さくするようにしたの
で、表面粗さが小さい内層配線回路の表面に樹脂皮膜が
アンカー効果で強固に付着しないようにすることがで
き、内層配線回路上に樹脂皮膜が残ることなくレーザ光
の照射で完全に除去することができるものであって、内
層配線回路の表面の品質を向上させることができると共
に電気接続信頼性を向上させることができ、また内層配
線回路の表面に施すメッキの密着性が高くなってワイヤ
ボンディングなどの電気接続信頼性が向上するものであ
り、しかも樹脂皮膜の残りを除去する後処理工程が不要
になるものである。
【0098】また請求項22の発明は、内層配線回路の
表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ光照射で除去した後、
粒子を噴射してレーザ光照射部分において内層配線回路
上に残留する樹脂皮膜を除去するようにしたので、内層
配線回路上に残留する樹脂皮膜を粒子の噴射高圧で完全
に除去することができるものであり、内層配線回路の表
面の品質を向上させることができると共に電気接続信頼
性を向上させることができ、また内層配線回路の表面に
施すメッキの密着性が高くなってワイヤボンディングな
どの電気接続信頼性が向上するものである。
【0099】また請求項23の発明は、樹脂皮膜の樹脂
と反応性を有する気体雰囲気中で、内層配線回路の表面
を被覆した樹脂皮膜にレーザ光を照射して、樹脂皮膜を
除去するようにしたので、樹脂の加熱分解反応を促進さ
せながらレーザ光照射で樹脂皮膜を完全に除去すること
ができるものであって、内層配線回路の表面の品質を向
上させることができると共に電気接続信頼性を向上させ
ることができ、また内層配線回路の表面に施すメッキの
密着性が高くなってワイヤボンディングなどの電気接続
信頼性が向上するものであり、しかも樹脂皮膜の残りを
除去する後処理工程が不要になるものである。
【0100】また請求項24の発明は、複数種のレーザ
光を用いてレーザ光照射するようにしたので、内層配線
回路上の樹脂皮膜を完全に除去することが容易になるも
のであり、内層配線回路の表面の品質を向上させること
ができると共に電気接続信頼性を向上させることがで
き、また内層配線回路の表面に施すメッキの密着性が高
くなってワイヤボンディングなどの電気接続信頼性が向
上するものである。
【0101】また請求項25の発明は、基板に対して斜
め方向からレーザ光を照射するようにしたので、内層配
線回路上の樹脂皮膜を完全に除去することが容易になる
ものであり、内層配線回路の表面の品質を向上させるこ
とができると共に電気接続信頼性を向上させることがで
き、また内層配線回路の表面に施すメッキの密着性が高
くなってワイヤボンディングなどの電気接続信頼性が向
上するものである。
【0102】また請求項26の発明は、基板に対して斜
め方向からレーザ光を照射すると共に基板を反射した反
射レーザ光を再度基板に照射させるようにしたので、斜
め方向からのレーザ光の照射で基板に対するダメージを
小さくすることができると共に、基板で反射した反射レ
ーザ光を再度樹脂皮膜の除去に作用させることができ、
レーザ光を効率的に用いて樹脂皮膜を除去することがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,3の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(d)は断面図である。
【図2】請求項1,3の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(c)は断面図である。
【図3】請求項1,3の発明の実施の他の形態を示すも
のであり、(a),(b)は断面図である。
【図4】請求項2,4の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(c)は断面図である。
【図5】請求項5の発明の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図6】請求項7,8の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図であ
る。
【図7】同上の問題点を示す一部の拡大した断面図であ
る。
【図8】請求項9,10の発明の実施の形態を示すもの
であり、(a),(b)は一部の拡大した断面図であ
る。
【図9】内層配線回路の幅寸法と高さ寸法の関係を示す
ものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図で
ある。
【図10】請求項11の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a),(b)は断面図である。
【図11】請求項11の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図であ
る。
【図12】同上の問題点を示すものであり、(a)乃至
(c)は一部の拡大した断面図である。
【図13】請求項12の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a),(b)は断面図である。
【図14】請求項13の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a),(b)は断面図である。
【図15】同上の問題点を示すものであり、(a)乃至
(c)は一部の拡大した断面図である。
【図16】請求項14の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(d)は一部の拡大した断面図であ
る。
【図17】請求項15の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(e)は一部の拡大した断面図であ
る。
【図18】同上の発明の実施の形態を示すものであり、
(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図19】同上の発明の実施の形態を示すものであり、
(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図20】請求項16の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a),(b)は断面図である。
【図21】請求項16の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図22】請求項17の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a),(b)は断面図である。
【図23】請求項18の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(c)は断面図である。
【図24】請求項19の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(d)は一部の拡大した断面図であ
る。
【図25】同上の発明の実施の形態を示す一部の拡大し
た断面図である。
【図26】同上の発明の実施の形態を示すものであり、
(a)乃至(d)は一部の拡大した断面図である。
【図27】同上の発明の実施の形態を示す一部の拡大し
た断面図である。
【図28】同上の発明の実施の形態を示すものであり、
(a)乃至(d)は一部の拡大した断面図である。
【図29】請求項20の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図であ
る。
【図30】同上の発明の実施の形態を示す一部の拡大し
た断面図である。
【図31】請求項21の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図であ
る。
【図32】同上の発明の実施の形態を示す一部の拡大し
た断面図である。
【図33】請求項22の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a),(b)は断面図である。
【図34】同上の発明の実施の形態を示すものであり、
(a),(b)は断面図である。
【図35】同上の発明の実施の形態を示す一部の断面図
である。
【図36】同上の発明の実施の形態を示すものであり、
(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図37】同上の発明の実施の形態を示すものであり、
(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図38】同上の発明の実施の形態を示すものであり、
(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図39】同上の問題点を示すものであり、(a),
(b)は一部の拡大した断面図である。
【図40】同上の発明の実施の形態を示すものであり、
(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図41】同上の問題点を示すものであり、(a),
(b)は一部の拡大した断面図である。
【図42】請求項23の発明の実施の形態を示す断面図
である。
【図43】同上の発明の実施の形態を示す一部の断面図
である。
【図44】請求項24の発明の実施の形態を示す一部の
拡大した断面図である。
【図45】請求項25の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図であ
る。
【図46】請求項26の発明の実施の形態を示すもので
あり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図であ
る。
【図47】従来例を示すものであり、(a)乃至(c)
はそれぞれ断面図である。
【符号の説明】
1 段差部 2 内層配線回路 3 外層配線回路 4 スルーホールメッキ 5 樹脂皮膜 42 マスク 43 マスク材 44 接着抑制材料 45 粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 剛 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 内野々 良幸 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 中村 良光 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品を搭載する基板の段差部に内層
    配線回路が導出され、内層配線回路が外層配線回路とス
    ルーホールメッキによって接続された電子部品搭載用基
    板において、段差部に配置される内層配線回路の表面
    は、層間の内層配線回路上に設けた樹脂皮膜が延出され
    て被覆された後にこの延出された樹脂皮膜が除去されて
    露出していることを特徴とする電子部品搭載用基板。
  2. 【請求項2】 電子部品を搭載する基板の段差部に内層
    配線回路が導出され、内層配線回路が外層配線回路とス
    ルーホールメッキによって接続された電子部品搭載用基
    板において、段差部に配置される内層配線回路の表面
    は、樹脂皮膜で被覆された後にこの樹脂皮膜が除去され
    て露出していることを特徴とする電子部品搭載用基板。
  3. 【請求項3】 電子部品を搭載する基板の段差部に内層
    配線回路が導出され、内層配線回路が外層配線回路とス
    ルーホールメッキによって接続された電子部品搭載用基
    板を製造するにあたって、層間の内層配線回路上に設け
    た樹脂皮膜を延出させることによって段差部に配置され
    る内層配線回路の表面を被覆した後、延出させた樹脂皮
    膜を除去して段差部のこの内層配線回路を露出させるこ
    とを特徴とする電子部品搭載用基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 電子部品を搭載する基板の段差部に内層
    配線回路が導出され、内層配線回路が外層配線回路とス
    ルーホールメッキによって接続された電子部品搭載用基
    板を製造するにあたって、段差部に配置される内層配線
    回路の表面を樹脂皮膜で被覆した後、樹脂皮膜を除去し
    て段差部のこの内層配線回路を露出させることを特徴と
    する電子部品搭載用基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮膜
    をレーザ光照射で除去することを特徴とする請求項3又
    は4に記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 スルーホールメッキを行なう前段階で、
    段差部に配置される内層配線回路の表面を樹脂皮膜で被
    覆することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記
    載の電子部品搭載用基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 樹脂皮膜はその一部を残して除去されて
    おり、段差部に配置される内層配線回路間あるいはこの
    内層配線回路の基板から立ち上がる側面がこの残された
    樹脂皮膜で覆われていることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の電子部品搭載用基板。
  8. 【請求項8】 段差部に配置される内層配線回路間ある
    いはこの内層配線回路の基板から立ち上がる側面が樹脂
    皮膜で覆われるように、樹脂皮膜を一部を残して除去す
    ることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の
    電子部品搭載用基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 段差部に配置される内層配線回路の基板
    から立ち上がる側面の下部が樹脂皮膜で覆われるように
    樹脂皮膜はその一部を残して除去されており、樹脂皮膜
    の表面から突出する内層配線回路の高さ寸法は内層配線
    回路の幅寸法よりも小さく形成されていることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の電子部品搭載用基板。
  10. 【請求項10】 段差部に配置される内層配線回路の基
    板から立ち上がる側面の下部が樹脂皮膜で覆われるよう
    に一部を残して樹脂皮膜を除去するにあたって、樹脂皮
    膜の表面から突出する内層配線回路の高さ寸法が内層配
    線回路の幅寸法よりも小さくなるように樹脂皮膜の除去
    量を調整することを特徴とする請求項3、4、5、6、
    8のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮
    膜を、まず機械的に切削した後、レーザ光を照射して除
    去することを特徴とする請求項3、4、5、6、8、1
    0のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮
    膜をレーザ光照射で除去した後、化学処理してレーザ光
    照射部分において内層配線回路上に残留する樹脂皮膜を
    溶解除去することを特徴とする請求項3、4、5、6、
    8、10、11のいずれかに記載の電子部品搭載用基板
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮
    膜をレーザ光照射で除去した後、物理的な作用を付加し
    ながら化学処理して、レーザ光照射部分において内層配
    線回路上に残留する樹脂皮膜を溶解除去することを特徴
    とする請求項12に記載の電子部品搭載用基板の製造方
    法。
  14. 【請求項14】 内層配線回路の表面を半硬化状態の樹
    脂皮膜で被覆すると共に樹脂皮膜をレーザ光照射で除去
    した後、化学処理してレーザ光照射部分において内層配
    線回路上に残留する樹脂皮膜を溶解除去し、次いでレー
    ザ光照射していない部分の樹脂皮膜を硬化させることを
    特徴とする請求項12又は13に記載の電子部品搭載用
    基板の製造方法。
  15. 【請求項15】 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮
    膜をレーザ光照射で除去した後、樹脂皮膜のレーザ光照
    射をしていない部分の表面にマスクを施し、この後、化
    学処理してレーザ光照射部分において内層配線回路上に
    残留する樹脂皮膜を溶解除去することを特徴とする請求
    項12乃至14のいずれかに記載の電子部品搭載用基板
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮
    膜をレーザ光照射で除去した後、プラズマ処理してレー
    ザ光照射部分において内層配線回路上に残留する樹脂皮
    膜を除去することを特徴とする請求項3、4、5、6、
    8、10、11のいずれかに記載の電子部品搭載用基板
    の製造方法。
  17. 【請求項17】 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮
    膜をレーザ光照射で除去した後、紫外光照射してレーザ
    光照射部分において内層配線回路上に残留する樹脂皮膜
    を除去することを特徴とする請求項3、4、5、6、
    8、10、11のいずれかに記載の電子部品搭載用基板
    の製造方法。
  18. 【請求項18】 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮
    膜をレーザ光照射で除去した後、高圧水洗してレーザ光
    照射部分において内層配線回路上に残留する樹脂皮膜を
    除去することを特徴とする請求項3、4、5、6、8、
    10、11のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製
    造方法。
  19. 【請求項19】 内層配線回路と樹脂皮膜との間にマス
    ク材を設けることを特徴とする請求項3、4、5、6、
    8、10、11のいずれかに記載の電子部品搭載用基板
    の製造方法。
  20. 【請求項20】 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮
    膜をレーザ光照射で除去するにあたって、樹脂皮膜を除
    去する部分において、内層配線回路と樹脂皮膜の間に両
    者の接着を抑制する材料を設けることを特徴とする請求
    項3、4、5、6、8、10、11のいずれかに記載の
    電子部品搭載用基板の製造方法。
  21. 【請求項21】 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮
    膜をレーザ光照射で除去するにあたって、樹脂皮膜を除
    去する部分の内層配線回路の表面粗さを他の部分の表面
    粗さより小さくすることを特徴とする請求項3、4、
    5、6、8、10、11のいずれかに記載の電子部品搭
    載用基板の製造方法。
  22. 【請求項22】 内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮
    膜をレーザ光照射で除去した後、粒子を噴射してレーザ
    光照射部分において内層配線回路上に残留する樹脂皮膜
    を除去することを特徴とする請求項3、4、5、6、
    8、10、11のいずれかに記載の電子部品搭載用基板
    の製造方法。
  23. 【請求項23】 樹脂皮膜の樹脂と反応性を有する気体
    雰囲気中で、内層配線回路の表面を被覆した樹脂皮膜に
    レーザ光を照射して、樹脂皮膜を除去することを特徴と
    する請求項3、4、5、6、8、10、11、12、1
    3、14、15、16、17、18、19、20、2
    1、22のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製造
    方法。
  24. 【請求項24】 複数種のレーザ光を用いてレーザ光照
    射することを特徴とする請求項3、4、5、6、8、1
    0、11、12、13、14、15、16、17、1
    8、19、20、21、22、23のいずれかに記載の
    電子部品搭載用基板の製造方法。
  25. 【請求項25】 基板に対して斜め方向からレーザ光を
    照射することを特徴とする請求項3、4、5、6、8、
    10、11、12、13、14、15、16、17、1
    8、19、20、21、22、23、24のいずれかに
    記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
  26. 【請求項26】 基板に対して斜め方向からレーザ光を
    照射すると共に基板を反射した反射レーザ光を再度基板
    に照射させることを特徴とする請求項3、4、5、6、
    8、10、11、12、13、14、15、16、1
    7、18、19、20、21、22、23、24、25
    のいずれかに記載の電子部品搭載用基板の製造方法。
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US6979644B2 (en) 2002-04-25 2005-12-27 Fujitsu Limited Method of manufacturing electronic circuit component

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