JP3769851B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3769851B2
JP3769851B2 JP35737396A JP35737396A JP3769851B2 JP 3769851 B2 JP3769851 B2 JP 3769851B2 JP 35737396 A JP35737396 A JP 35737396A JP 35737396 A JP35737396 A JP 35737396A JP 3769851 B2 JP3769851 B2 JP 3769851B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin film
circuit
substrate
laser
wiring board
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35737396A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1012997A (ja
Inventor
雅男 久保
淳 立田
展幸 宮川
剛 岡本
良幸 内野々
良光 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP35737396A priority Critical patent/JP3769851B2/ja
Publication of JPH1012997A publication Critical patent/JPH1012997A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3769851B2 publication Critical patent/JP3769851B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソルダーレジストなどの樹脂皮膜を表面に設けたプリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体など電子部品等を搭載するために用いられるプリント配線板Aは、図50に示すように、積層板等で形成される基板1の表面に回路2を設け、そして基板1の表面にソルダーレジストなどの樹脂皮膜3を形成することによって作製されている。図50において11は半導体などの電子部品を搭載するために基板1に凹設した電子部品搭載部、12は基板1に貫通して設けたスルーホールであり、7は基板1の両面の回路2を接続するためにスルーホール12の内周に設けたスルーホールメッキ(基板1を多層板で形成する場合には内層と外層の回路を接続する)である。
【0003】
ここで、電子部品等と接続する回路2は表面に半田メッキや金メッキ等を施して接続端子として形成されるものであり、樹脂皮膜3はこの接続端子となる回路2の表面を覆わないように、基板1の表面のうち半田メッキや金メッキを行なわない部分に選択的に設けるようにしてある。そしてこのように樹脂皮膜3を基板1の表面に部分的に設けるにあたっては、スクリーン印刷によってソルダーレジストなどの樹脂材料を基板1の表面に部分的に塗布することによって行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようにスクリーン印刷で基板1の表面に樹脂材料を選択的に塗布して樹脂皮膜3を設けるようにする場合、接続端子を形成させる回路2の表面に樹脂材料が塗布されないようにスクリーン印刷のスクリーンを基板1に対して正確に位置合わせする必要があり、樹脂材料の塗布の作業が高い精度を要求されるために生産性に問題を有するものであった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、樹脂皮膜の形成を高い精度を必要とすることなく容易に行なうことができるプリント配線板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るプリント配線板の製造方法は、回路2が形成された基板1の表面に樹脂皮膜3を塗布して設けた後、樹脂皮膜3の一部をレーザ照射して除去することによって回路2を露出させ、この露出させた回路2の表面にメッキ4を施して接続端子5として形成することを特徴とするものである。
【0007】
また請求項1は上記のプリント配線板の製造方法において、回路2間あるいは回路2の基板1から立ち上がる側面が樹脂皮膜3で被覆されるように、樹脂皮膜3を残して除去することを特徴とするものである。
【0008】
また請求項1は上記のプリント配線板の製造方法において、回路2の基板1から立ち上がる側面の下部が樹脂皮膜3で覆われるように樹脂皮膜3を残して除去するにあたって、樹脂皮膜3の表面から突出する回路2の高さ寸法が回路2の幅寸法よりも小さくなるように樹脂皮膜3の除去量を調整することを特徴とするものである。
【0009】
また請求項2は上記のプリント配線板の製造方法において、接続端子5を形成した後、電子部品9と接続端子5とを固相接続することを特徴するものである
【0010】
また請求項は上記のプリント配線板の製造方法において、樹脂皮膜3の材料として酸化物又は炭化物を添加したエポキシ系樹脂を用い、レーザとしてYAGレーザを用いることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項は上記のプリント配線板の製造方法において、樹脂皮膜3をまず機械的に切削した後、さらにレーザ光を照射して除去することを特徴とするものである。
【0012】
また請求項は上記のプリント配線板の製造方法において、樹脂皮膜3をレーザ照射で除去した後、化学処理してレーザ照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を溶解除去することを特徴とするものである。
【0013】
また請求項は上記のプリント配線板の製造方法において、樹脂皮膜3をレーザ照射で除去した後、物理的な作用を付加しながら化学処理して、レーザ照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を溶解除去することを特徴とするものである。
【0014】
また請求項は上記のプリント配線板の製造方法において、回路2の表面を半硬化状態の樹脂皮膜3で被覆すると共に樹脂皮膜3をレーザ照射で除去した後、化学処理してレーザ照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を溶解除去し、次いでレーザ照射していない部分の樹脂皮膜3を硬化させることを特徴とするものである。
【0015】
また請求項は上記のプリント配線板の製造方法において、樹脂皮膜3をレーザ照射で除去した後、樹脂皮膜3のレーザ照射をしていない部分の表面にマスク42を施し、この後、化学処理してレーザ照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を溶解除去することを特徴とするものである。
【0016】
また請求項は上記のプリント配線板の製造方法において、樹脂皮膜3をレーザ照射で除去した後、プラズマ処理してレーザ照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を除去することを特徴とするものである。
【0017】
また請求項10は上記のプリント配線板の製造方法において、樹脂皮膜3をレーザ照射で除去した後、紫外光照射してレーザ照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を除去することを特徴とするものである。
【0018】
また請求項11は上記のプリント配線板の製造方法において、樹脂皮膜3をレーザ照射で除去した後、高圧水洗してレーザ照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を除去することを特徴とするものである。
【0019】
また請求項12は上記のプリント配線板の製造方法において、回路2と樹脂皮膜3との間にマスク材43を設けることを特徴とするものである。
【0020】
また請求項13は上記のプリント配線板の製造方法において、回路2の表面を被覆した樹脂皮膜3をレーザ照射で除去するにあたって、樹脂皮膜3を除去する部分において、回路2と樹脂皮膜3の間に両者の接着を抑制する材料44を設けることを特徴とするものである。
【0021】
また請求項14は上記のプリント配線板の製造方法において、回路2の表面を被覆した樹脂皮膜3をレーザ照射で除去するにあたって、樹脂皮膜3を除去する部分の回路2の表面粗さを他の部分の表面粗さより小さくすることを特徴とするものである。
【0022】
また請求項15は上記のプリント配線板の製造方法において、樹脂皮膜3をレーザ照射で除去した後、粒子45を噴射してレーザ照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を除去することを特徴とするものである。
【0023】
また請求項16は上記のプリント配線板の製造方法において、樹脂皮膜3の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中で樹脂皮膜3にレーザ照射して、樹脂皮膜3を除去することを特徴とするものである。
【0024】
また請求項17は上記のプリント配線板の製造方法において、基板1に対して斜め方向からレーザ光を照射することを特徴とするものである。
【0025】
また請求項18は上記のプリント配線板の製造方法において、基板1に対して斜め方向からレーザ光を照射すると共に基板1を反射した反射レーザ光を再度基板に照射させることを特徴とするものである。
【0026】
また請求項19は上記のプリント配線板の製造方法において、複数種のレーザ光を同時に照射することを特徴とするものである。
【0027】
また請求項20は上記のプリント配線板の製造方法において、レーザ照射する箇所において基板1の内部あるいは裏面側に金属層10を設けることを特徴とするものである
【0028】
本発明の請求項21に係るプリント配線板の製造方法は、基板1の段差部6に導出される内層配線回路2aと基板1の表面に形成される外層配線回路2bとを回路2として有する多層のプリント配線板を製造するにあたって、層間の内層配線回路2a上に設けた樹脂皮膜3を延出させることによって段差部6に配置される内層配線回路2aの表面を被覆した後、さらに前記基板1の表面に樹脂皮膜3を塗布して設け、次いで段差部6の樹脂皮膜3をレーザ照射して除去することによって段差部6の内層配線回路2aを露出させると共に前記基板1の表面の樹脂皮膜3の一部をレーザ照射して除去することによって外層配線回路2bを露出させ、露出させた内層配線回路2aと外層配線回路2bの表面にメッキを施して接続端子5として形成することを特徴とするものである。
【0029】
本発明の請求項22の発明は、基板1の段差部6に導出される内層配線回路2aと基板1の表面に形成される外層配線回路2bとを回路2として有する多層のプリント配線板を製造するにあたって、段差部6に配置される内層配線回路2aの表面に樹脂皮膜3を塗布して被覆した後、さらに前記基板1の表面に樹脂皮膜3を塗布して設け、次いで段差部6の樹脂皮膜3をレーザ照射して除去することによって段差部6の内層配線回路2aを露出させると共に前記基板1の表面の樹脂皮膜3の一部をレーザ照射して除去することによって外層配線回路2bを露出させ、露出させた内層配線回路2aと外層配線回路2bの表面にメッキ4を施して接続端子5として形成することを特徴とするものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
先ず請求項1の発明を図1の実施の形態に基づいて説明する。基板1は銅張りエポキシ樹脂積層板などの金属箔張り積層板を加工して単層板あるいは多層板として作製されるものであり、その表面(両面)には金属箔をエッチング加工等することによって回路2が設けてある。また基板1にはスルーホール12が設けてあり、スルーホール12の内周に施したスルーホールメッキ7で両面の回路2を電気的に接続するようにしてある。さらに基板1の片面には座ぐり加工等で凹所が設けてあり、この凹所に回路2を設けて電子部品搭載部11として形成してある。
【0032】
そして図1(a)に示すように、この基板1の表面(両面)にソルダーレジストなどの樹脂材料を塗布して樹脂皮膜3を形成させる。樹脂材料の塗布はスクリーン印刷などの任意の手段で行なうことができるが、回路2の表面を樹脂皮膜3で被覆しないように位置合わせを正確に行なうような必要はなく、回路2の表面が樹脂皮膜3で覆われるようにしてもよい。従って、図1(a)に示すように基板1の表面の全面に塗布して樹脂皮膜3を形成するようにしてもよい。ここで、樹脂皮膜3の厚みは20〜100μm程度が好ましい。また樹脂皮膜3を形成するソルダーレジストなどの樹脂材料としては、電気絶縁性及び基板1に対する密着性が高く、後述のレーザ照射によって除去可能な材質であればよく、例えばエポキシ樹脂等が好ましい。
【0033】
上記のように正確な位置合わせをする必要なく、樹脂材料を塗布して基板1の表面に樹脂皮膜3を設けた後、レーザ光Lを基板1の表面の余分な箇所の樹脂皮膜3に照射する。レーザ光Lをこのように樹脂皮膜3に照射することによって、レーザ光Lのエネルギーで樹脂皮膜3を分解消失させることができ、基板1の表面に設けられた樹脂皮膜3のうち余分な箇所、すなわち図1(b)に示すように端子となる回路2を被覆している樹脂皮膜3を除去することができるものである。レーザとしては、YAGレーザ、COレーザ、エキシマレーザなど任意のものを用いることができる。
【0034】
上記のようにレーザ照射によって不要な樹脂皮膜3を除去し、樹脂皮膜3で覆われていた回路2を露出させることができるものであり、さらに回路2の表面の樹脂や炭化物などをレーザ光Lによって分解除去してクリーニングすることができるものである。従って、正確な位置合わせをしないで樹脂材料を塗布して基板1の表面に樹脂皮膜3を設けても、不要な樹脂皮膜3をレーザ照射で除去することによって、回路2を露出させることができるものであり、図1(c)のように露出する回路2の表面に金メッキ処理などを行なって仕上げ用のメッキ4を施すことによって、接続端子5を形成することができるものである。
【0035】
図2は請求項2の発明の実施の形態を示すものであり、図1の場合と同様にして基板1の表面に樹脂皮膜3を形成し、レーザ照射して不要な箇所の樹脂皮膜3を除去して回路2を露出させ、そして図2(a)のように露出させた回路2の表面に仕上げのメッキ4を施して接続端子5を形成した後、図2(b)のように電子部品搭載部11に半導体などの電子部品9を実装すると共に電子部品9と接続端子5とを固相接合して電気的に接続するようにしてある。図2(b)の実施形態では、電子部品9と接続端子5にそれぞれ金線等のワイヤー13の端部を超音波接合するワイヤーボンディングで固相接合を行なうようにしてある。このように電子部品9と接続端子5とを固相接合するにあたって、接続端子5を形成する回路2の表面からは樹脂皮膜3がレーザ光照射によって除去されているために、この回路2の表面へのメッキ4の形成が妨げられることがなく、樹脂皮膜3によって電子部品9と接続端子5との間の接続信頼性が阻害されることがなくなるものであり、安定した接続信頼性で電子部品9と接続端子5とを固相接合することができるものである。
【0036】
図3は請求項の発明の実施の形態を示すものであり、まず図3(a)のようにソルダーレジストなどを20〜100μm程度の厚みで印刷して基板1の表面1に樹脂皮膜3を設けた後、レーザ照射することによって不要な箇所の樹脂皮膜3を除去し、回路2を露出させる。そしてこの際に、図3(b)に示すように、回路2間あるいは回路2の基板1から立ち上がる側面が樹脂皮膜3で被覆されるように残して、樹脂皮膜3を除去するようにしてある。このように樹脂皮膜3の除去を行なった後、図3(c)のように回路2の樹脂皮膜3から露出する表面に金メッキ等をおこなって仕上げのメッキ4を施すことによって、接続端子5を形成することができる。レーザとしてはYAGレーザやCOレーザを用いることができるものであり、レーザ照射における樹脂皮膜3の除去の深さのコントロールは、例えば、目標深さの直前まで大まかな加工で樹脂皮膜3を除去し、あとは微細加工で目標深さまで樹脂皮膜3を除去するように、レーザの照射出力を調整して行なうことができる。この場合、回路2が露出するまで樹脂皮膜3を除去した以降、モニタリング等を行ないながら樹脂皮膜3の除去の深さをコントロールするようにしてもよい。
【0037】
ここで、加湿環境下などで基板1の回路2間の表面に水分等の導電性物質が付着すると回路2間の絶縁劣化が生じやすく、また回路2と基板1との間の接合界面が露出しているとこの接合界面に腐食が発生して回路2が剥離するおそれがある。そこで請求項の発明は上記のように、回路2間あるいは回路2の基板1から立ち上がる側面が樹脂皮膜3で覆われるように、樹脂皮膜3の一部を残すようにしており、回路2間の基板1の表面に樹脂皮膜3を残すことによって、基板1の表面に導電性物質が付着するのを防止することができるものであり、また回路2の側面に樹脂皮膜3を残すことによって、隣合う回路2間の絶縁性を確保することがきると共に、回路2と基板1との間の接合界面を樹脂皮膜3で覆うことができ、この接合界面の腐食を防止して回路2の剥離を防ぐことができるものである。さらに、基板1に電子部品9を搭載した後にモールド樹脂成形するにあたって、回路2間に残留させる樹脂皮膜3の表面は凹凸が多いために、このモールド樹脂との接着性を向上させることができ、モールド樹脂の密着強度を高める効果を期待することもできるものである。
【0038】
図5は基板1の表面に設けた回路2を示すものであり、図5(a)は回路2の幅寸法wが、回路2の基板1の表面から突出する高さtよりも大きい場合(w>t)を、図5(b)は回路2の幅寸法wが、回路2の基板1の表面から突出する高さtよりも小さい場合(w<t)をそれぞれ示す。そして基板1に搭載される電子部品9を接続端子を形成する回路2にワイヤーボンディングするにあたって、金線等のワイヤー13を回路2に超音波溶接する場合、図5(a)のようにw>tであるとワイヤーボンディングの際の超音波振動が回路2の接合部に効率良く伝わってワイヤー13の接合の信頼性が高くなるが、図5(b)のようにw<tであると、回路2の剛性が低下してワイヤーボンディングの際の超音波振動が回路2の接合部に効率良く伝わらずワイヤー13の接合不良が生じやすい。
【0039】
そこで請求項の発明では、図4(a)のように基板1の表面に樹脂皮膜3を設けた後、レーザ照射によって不要な箇所の樹脂皮膜3を除去して回路2を露出させるにあたって、図4(b)に示すように、回路2が樹脂皮膜3の表面から突出する高さ寸法t(=t−h)が回路2の幅寸法wよりも小さくなるように、すなわちw>t(=t−h)となるように、回路2間の基板1の表面に残す樹脂皮膜3の厚みhを調整するようにしてある。このように回路2が樹脂皮膜3の表面から突出する高さ寸法tが回路2の幅寸法wよりも小さくなるように管理することによって、回路2の剛性を確保し、ワイヤーボンディングの信頼性を安定して高く得ることができるものである。
【0040】
請求項の発明は、樹脂皮膜3の材料として酸化物又は炭化物を添加したエポキシ系樹脂を用い、レーザとしてYAGレーザを用いることによって、エポキシ系樹脂で形成される基板1にレーザ照射によるダメージを低減するようにしたものである。
【0041】
すなわち、ガラス基材エポキシ樹脂積層板などで形成される基板1の表面に図6(a)のようにソルダーレジストなどの樹脂材料を20〜100μm程度の厚みで印刷して樹脂皮膜3を形成するにあたって、樹脂材料として酸化物又は炭化物を添加したエポキシ系樹脂を使用する。ここで、エポキシ系樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂など任意のエポキシ樹脂を用いることができるものであり、また酸化物としては酸化鉄などを、炭化物としては炭化チタン(TiC)などを用いることができるものある。また、エポキシ系樹脂中への酸化物や炭化物の添加量は5〜50重量%程度の範囲が好ましい。
【0042】
そしてYAGレーザ光Lを基板1の表面の余分な箇所の樹脂皮膜3に照射すると、YAGレーザはエポキシ系樹脂を透過し易い加工特性があるが、樹脂皮膜3には酸化物や炭化物が含有されているために、この酸化物や炭化物によってYAGレーザは樹脂皮膜3に吸収され、樹脂皮膜3をYAGレーザで分解消失させることができ、図6(b)のように不要な樹脂皮膜3を除去して回路2を露出させることができる。一方、酸化物及び炭化物が含有されないエポキシ系樹脂の基板1にはYAGレーザは透過し易く、基板1にはYAGレーザは吸収され難いために基板1がレーザ照射で損傷されることを低減することができるのである。このようにYAGレーザ光Lを照射して樹脂皮膜3を除去することによって回路2を露出させた後、図6(c)のように露出する回路2の表面に金メッキ処理などを行なって仕上げ用のメッキ4を施すことによって、接続端子5を形成することができるものである。
【0043】
図9(a)は回路2を被覆して基板1の表面に設けた樹脂皮膜3を示すものであり、樹脂皮膜3はこのように厚みが不均一になっている場合が多い。このように厚みが不均一な樹脂皮膜3にレーザ光を照射して樹脂皮膜3を除去する場合、図9(b)のように樹脂皮膜3のうち厚みの厚い部分は完全に除去することができず、樹脂皮膜3の一部が残ってしまう。そこでこのような樹脂皮膜3の一部が残らないようにレーザ光の出力を高めたり照射時間を長くしたりすると、樹脂皮膜3の厚みの薄い部分でレーザ光が基板1に作用し、図9(c)のように基板1に熱損傷29が生じるおそれがある。
【0044】
そこで請求項の発明では、図8(a)のように回路2を被覆して基板1の表面に樹脂皮膜3を設けた後、まず図7(a)や図8(b)のようにルーター30等を用いて樹脂皮膜3の表層部を機械的に切削し、段差部の樹脂皮膜3の厚みがほぼ均一になるようにする。機械切削だけでは基板1の反り等の問題によって樹脂皮膜3の切削量の制御が難しいので、この後に、図7(b)や図8(c)のようにレンズ26で集光してレーザ光Lを照射し、残った樹脂皮膜3をレーザ照射によって除去するようにしてある。このように樹脂皮膜3の表層部を機械的に切削したのち、レーザ照射で樹脂皮膜3を除去するようにすれば、機械的切削の後に残る樹脂皮膜3は厚みがほぼ均一になっており、除去残しや基板1の損傷が生じることなくレーザ光照射で樹脂皮膜3を除去することができるものであり、樹脂皮膜3の除去品質を向上させることができるものである。
【0045】
上記のように基板1の表面の余分な樹脂皮膜3を除去するにあたって、回路2は表面にワイヤーボンディングする接続端子5として形成されるので、回路2の表面に樹脂皮膜3が残らないように除去する必要がある。一方、レーザ照射する場合には基板1や回路2に損傷が生じないように条件を管理しながら行なう必要があり、樹脂皮膜3を残らないように且つ基板1や回路2に損傷が生じないようにするには条件管理が難しい。特に回路2は銅で形成される場合が多いが、銅は放熱されて冷却され易いので、YAGレーザやCOレーザを用いた場合のような赤外光による熱加工では、回路2の表面に樹脂皮膜3が微小に残って微小樹脂残りが生じ易い。
【0046】
そこで請求項の発明は、図10(a)のように基板1の表面に設けた樹脂皮膜3のうち、余分な箇所の樹脂皮膜3にYAGレーザやCOレーザなどのレーザ光Lを照射して、回路2を露出させるように樹脂皮膜3を除去する加工を行なった後、図10(b)のように、樹脂皮膜3を溶解する化学処理液31に基板1を浸漬し、基板1を化学処理して回路2上に残留する樹脂皮膜3を溶解することによって、回路2上に樹脂皮膜3が残らないよう完全除去するようにしてある。化学処理液31としては例えばデスミア処理に使用されるKMnO水溶液を用いることができ、30〜90℃に化学処理液31を調整して基板1を1〜30分程度浸漬するのが好ましい。
【0047】
このように化学処理することによって、レーザ光Lの照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を完全に除去することができ、回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなど固相接合の電気接続信頼性が向上するものであり、また回路2の表面に金メッキ等のメッキ4を施すにあたって、メッキ性が向上するものである。
【0048】
上記のようにして、まず図12(a)に図示するように回路2の上に設けられた樹脂皮膜3に、レーザ光Lを照射して図12(b)に図示するように回路2上の樹脂皮膜3のうち必要箇所(接続端子5を形成するために回路2を露出させる必要のある箇所)を除去し、さらに基板1を既述の図10(b)のように化学処理して、レーザ光Lの照射部分において回路2の表面に残留する樹脂皮膜3を除去するにあたって、基板1を化学処理液31で処理する際に、化学処理液31は回路2の他に、除去しない部分の樹脂皮膜3の表面や、基板1の樹脂表面にも作用し、これらの樹脂皮膜3や基板1の表面も同様に化学処理されて図12(c)に示すように表面荒れ50が生じる可能性がある。特に樹脂皮膜3をソルダーレジストなどのレジスト23で形成する場合、レジスト23の樹脂成分には無機添加物が入っていることが多く、化学処理で無機添加物が表面に浮き出て離脱し表面荒れ50生じ易い。そしてこのように表面荒れ50が生じると、水分が吸着し易くなって絶縁特性に問題が発生するものであった。
【0049】
そこで、請求項の発明では、図11(a)のように回路2の表面を被覆する樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射して、樹脂皮膜3を除去した後、図11(b)のように化学処理液31で化学処理してレーザ光Lの照射部分に残留する樹脂皮膜3を除去するにあたって、物理的な作用を付加しながら化学処理を行なうようにしてある。例えば、10〜100MHzの超音波振動子51を用いて超音波振動を物理的な作用として付加しながら、化学処理液31に基板1を浸漬することによって、レーザ光Lの照射部分に残留する樹脂皮膜3を化学処理液31で除去する効果を促進することができる。このように物理的な作用を付加しながら化学処理を行なうことによって、レーザ光Lの照射部分に残留する樹脂皮膜3の除去を促進することができ、この結果、化学処理の条件を緩やかにすることができる。例えば化学処理液31としてデスミア処理に使用されるKMnO水溶液を用いる場合、10〜100MHzの超音波振動子51で超音波を付加すると、処理条件を温度15〜60℃、処理時間1〜15分程度に緩和することができる。
【0050】
このように条件を緩やかにして化学処理を行なうことができるので、除去しない部分の樹脂皮膜3や基板1の表面に対する化学処理を抑制して、これらの表面が化学処理液31でダメージを受けて表面荒れ50が生じることを防ぐことができるものであり、除去しない部分の樹脂皮膜3や基板1の表面への水分の吸着等が生じにくくなって、絶縁特性を高めることができるものである。またレーザ光Lの照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を化学処理で完全に除去することができるので、回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなど固相接合の電気接続信頼性が向上するものであり、また回路2の表面に金メッキ等のメッキ4を施すにあたって、メッキ性が向上するものである。尚、物理的な作用を付加するにあたっては、上記のような超音波振動を付加する他に、化学処理液31の噴流をレーザ光Lの照射部分に吹き当てたり、化学処理液31中でレーザ光Lの照射部分をブラシ研磨したりするようにしてもよい。
【0051】
また請求項の発明では、既述の図1(a)のように基板1の表面にソルダーレジストなどレジスト23を塗布して、図13(a)に示すように樹脂皮膜3で回路2を被覆するにあたって、レジスト23を塗布した後の加熱硬化条件を温度60〜80℃、時間10〜15分程度に設定することによって、樹脂皮膜3の硬化を半硬化状態に止めておくようにしてある。そして図13(b)のように回路2の表面を被覆する樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射して樹脂皮膜3を除去した後、KMnO水溶液等の化学処理液31で化学処理してレーザ光Lの照射部分に残留する樹脂皮膜3を除去する。レーザ光Lを照射せず除去しない部分の樹脂皮膜3の表面には化学処理で図13(c)のように表面荒れ50が発生するが、化学処理後に、基板1を再度加熱して半硬化状態の樹脂皮膜3を完全硬化させるようにすることによって、樹脂皮膜3はこの際の溶融(軟化)硬化で表面が図13(d)のように平滑化され、表面荒れ50で離脱していた無機添加物も樹脂皮膜3に再固着される。この再硬化の処理条件としては、温度150〜160℃、時間10〜15分程度が好ましい。
【0052】
このようにして、レーザ光Lの照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3は化学処理で完全に除去することができるので、回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなど固相接合の電気接続信頼性が向上するものであり、また回路2の表面に金メッキ等のメッキ4を施すにあたって、メッキ性が向上するものである。しかも、樹脂皮膜3を半硬化状態で回路2の表面に設け、樹脂皮膜3をレーザ光Lの照射で除去すると共に、化学処理してレーザ光Lの照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を溶解除去し、この後にレーザ光Lを照射せず除去していない部分の樹脂皮膜3を加熱硬化させることによって、化学処理で樹脂皮膜3の表面が荒れていても硬化によって表面を平滑化することができ、樹脂皮膜3の表面への水分の吸着等が生じにくくなって、絶縁特性を高めることができるものである。またレジスト23で形成される樹脂皮膜3の表面の無機添加物の離脱が生じなくなり、レジスト23による樹脂皮膜3の表面品質を良好に維持することができるものである。
【0053】
また請求項の発明では、エッチングレジストなどレジスト23を塗布して図14(a)のように回路2の表面を樹脂皮膜3で被覆し、図14(b)のように回路2の表面を被覆する樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射して樹脂皮膜3を除去した後、レーザ光Lを照射せず除去しない部分の樹脂皮膜3の露出表面にマスク42を貼って、図14(c)のように樹脂皮膜3をマスク42で被覆するようにしてある。このマスク42としては化学処理等の際に剥がれないものであれ何でもよく、例えばポリイミドテープなどの粘着テープ等を用いることができる。このようにレーザ光Lを照射していない部分の樹脂皮膜3をマスク42で保護しながら、基板1をKMnO水溶液等の化学処理液31で化学処理して、図14(d)のようにレーザ光Lの照射部分に残留する樹脂皮膜3を除去した後、図14(e)のように樹脂皮膜3の表面からマスク42を剥がすようにしてある。
【0054】
このようにして、レーザ光Lの照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3は化学処理で完全に除去することができるので、回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上するものであり、また回路2の表面に金メッキ等のメッキ4を施すにあたって、メッキ性が向上するものである。しかも、レーザ光Lを照射せず除去しない部分の樹脂皮膜3の表面をマスク42で保護して化学処理をしているために、化学処理で樹脂皮膜3の表面が侵されて荒れることを防ぐことができ、樹脂皮膜3の表面への水分の吸着等が生じにくくなって、絶縁特性を高めることができるものである。またレジスト23で形成される樹脂皮膜3の表面の無機添加物の離脱が生じなくなり、レジスト23による樹脂皮膜3の表面品質を良好に維持することができるものである。
【0055】
図15及び図16は材質の異なる2種類のソルダーレジストなどのレジスト23a,23bを用いて、2層構成で樹脂皮膜3を形成するようにしたものである。下地のレジスト23aとしてはレジスト効果の高いものを用いるのが好ましく、また上層のレジスト23bは下地のレジスト23aが露出しない程度の厚さを確保し耐久性を保持しているものであればよく、無機フィラーを添加せず化学処理で表面荒れなどの外観変化が生じないエポキシ樹脂等のものなどを用いるのが好ましい。図15(a)の態様では上層レジスト23bはレーザ光Lを照射せず樹脂皮膜3を除去しない部分において下地レジスト23aの上に塗布してあり、図16(a)の態様では上層レジスト23bは下地レジスト23aの全面に塗布してある。そして図15(b)のように下地レジスト23aにレーザ光Lを照射して、回路2の上の下地レジスト23aで形成される樹脂皮膜3を除去した後、基板1をKMnO水溶液等の化学処理液31で化学処理して、レーザ光Lを照射した部分において回路2の表面に残留する樹脂皮膜3を図15(c)のように除去するようにしてある。
図16(b)の場合は上層レジスト23bと下地レジスト23aにレーザ光Lを照射して、上層レジスト23bと下地レジスト23aで形成される回路2の上の樹脂皮膜3を除去し、この後図15(c)と同様に化学処理して、レーザ光Lを照射した部分において回路2の表面に残留する樹脂皮膜3を除去するようにしてある。
【0056】
このようにして、レーザ光Lの照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を化学処理で完全に除去することができ、回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなど固相接合の電気接続信頼性が向上するものであり、また回路2の表面に金メッキ等のメッキ4を施すにあたって、メッキ性が向上するものである。しかも、樹脂皮膜3の表面は無機フィラーを含まず耐久性が高いレジスト23bで形成してあるので、化学処理で樹脂皮膜3の表面に無機フィラーが残って荒れることを防ぐことができ、樹脂皮膜3の表面への水分の吸着等が生じにくくなって、絶縁特性を高めることができるものである。また前記のマスク42を用いる場合のように剥がす必要がなく、剥離のための工程を省略することができるものである。
【0057】
上記の請求項以降の発明では、レーザ光Lを照射した後に化学処理をすることによって、レーザ光Lを照射した部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を溶解除去するようにしたが、請求項の発明では、図17(a)のように基板1の表面に設けた樹脂皮膜3うち、余分な箇所の樹脂皮膜3にYAGレーザやCOレーザなどのレーザ光Lを照射し、回路2を露出させるように樹脂皮膜3を除去する加工を行なった後、図17(b)のようにプラズマ処理装置33の電極34間に基板1をセットし、基板1の表面をプラズマ放電に曝してプラズマ処理するようにしてある。レーザ光Lを照射して回路2間に樹脂皮膜3を残すように樹脂皮膜3の除去を行なうようにした状態では、図18(a)のように回路2の表面に樹脂皮膜3が微小量残るが、上記のようにプラズマ処理することによって、図18(b)に示すように回路2の表面から樹脂皮膜3をエッチングして完全に除去することができるものであり、また回路2間に残した樹脂皮膜3の表面はプラズマ処理で粗面35に形成される。このプラズマ処理は1〜60分程度行なうのが好ましい。
【0058】
このようにプラズマ処理して、レーザ光Lの照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を完全に除去することによって、回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなど固相接合の電気接続信頼性が向上するものであり、また回路2の表面に金メッキ等のメッキ4を施すにあたって、メッキ性が向上するものである。しかも回路2間に残した樹脂皮膜3の表面を粗面35にすることができるために、基板1に電子部品9を搭載した後にモールド樹脂成形するにあたって、このモールド樹脂との接着性を向上させる効果を期待することもできるものである。
【0059】
また請求項10の発明では、図19(a)のように基板1の表面に設けた樹脂皮膜3うち、余分な箇所の樹脂皮膜3にYAGレーザやCOガスレーザ等の赤外光のレーザ光Lを照射して、回路2を露出させるように樹脂皮膜3を除去する処理を行なった後、図19(b)のように紫外線ランプやエキシマレーザ、YAG第4高調波などの紫外光Vのレーザを回路2の表面に照射することによって、回路2の上に残った樹脂皮膜3の微小樹脂を紫外光Vによる光化学反応で完全に除去するようにしてある。このように紫外光照射を行なって、レーザ光Lの照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3を完全に除去することによって、回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなど固相接合の電気接続信頼性が向上するものであり、また回路2の表面に金メッキ等のメッキ4を施すにあたって、メッキ性が向上するものである。
【0060】
また請求項11の発明では、図20(a)のように基板1の表面に設けた樹脂皮膜3うち、余分な箇所の樹脂皮膜3にYAGレーザやCOレーザなどのレーザ光Lを照射し、回路2を露出させるように樹脂皮膜3を除去する加工を行なった後、図20(b)のようにノズル37から高圧水38を回路2の表面に噴射し、回路2の上に残った樹脂皮膜3の微小樹脂を水圧で完全に除去するようにしてある。高圧水38の水圧は5〜100kg/cm程度が好ましい。高圧水38は図20(c)のように複数本を同時に用いるようにしてもよい。このように高圧水洗を行なって回路2上に残留する樹脂皮膜3を完全に除去することによって、回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなどの固相接合の電気接続信頼性が向上すると共に、メッキ4を施すにあたってメッキ性が向上するものである。尚、この高圧水洗を前記の化学処理やプラズマ処理と組み合わせることによって、化学処理やプラズマ処理の条件を軽く抑えることができ、化学処理やプラズマ処理を行なうことによる基板1やその周辺のダメージを抑制することができるものである。
【0061】
また請求項12の発明では、既述の図1(a)のように基板1の表面にエッチングレジストなどレジスト23を塗布して樹脂皮膜3で被覆するに先立って、まずレーザ光を照射して樹脂皮膜3を除去する部分において回路2の表面に図21(a)に示すようにマスク材43を設けて回路2の表面を被覆し、このマスク材43の上からレジスト23を塗布・硬化させて図21(b)のように回路2上に樹脂皮膜3を形成するようにしてある。マスク材43としては例えばポリイミドテープなど粘着テープを用いることができる。そして図21(c)のように樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射してマスク材43の上の樹脂皮膜3を除去する処理を行なった後、図21(d)のようにマスク材43を剥がして、回路2を露出させるようにしてある。
【0062】
このようにマスク材43で回路2の表面を被覆した状態で樹脂皮膜3を形成することによって、レーザ光Lを照射して樹脂皮膜3を除去する部分には回路2の表面に樹脂皮膜3は付着しないものである。従って、回路2上に樹脂皮膜3の微小樹脂残りが生じるようなことなく、レーザ光Lの照射で樹脂皮膜3を除去することができるものであり、樹脂皮膜3の微小樹脂残りを除去する後処理工程が不要になり、そして回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなどの固相接合の電気接続信頼性が向上すると共に、メッキ4を施すにあたってメッキ性が向上するものである。
【0063】
上記のマスク材43としてはポリイミドフィルムの他に、錫や錫合金(例えば半田)を用いることができるものであり、例えば回路2の表面に半田メッキを施すことによって、既述の図21(a)のように回路2の表面にマスク材43を設けることができる。そしてこのマスク材43の上からレジスト23を塗布・硬化させて既述の図21(b)のように回路2上に樹脂皮膜3を形成し、さらに既述の図21(c)のように樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射してマスク材43の上の樹脂皮膜3を除去する処理を行なった後、半田剥離液などの化学薬品でマスク材43を溶解して既述の図21(d)のようにマスク材43を除去し、回路2を露出させることができるものである。このように錫や錫合金でマスク材43を形成するようにすると、メッキによって回路2の必要な箇所にのみマスク材43を設ける処理が容易になるものである。またマスク材43をラフに形成して図22に示すように除去しない樹脂皮膜3の下に一部が存在するように設けてあってもよく、マスク材43を完全に除去する必要は必ずしもない。
【0064】
また上記のマスク材43としては、感光性レジストによるドライフィルムを用いることもできる。ドライフィルムを用いる場合、露光・現像処理することによって既述の図21(a)のように回路2の表面にマスク材43を設けることができる。そしてこのマスク材43の上からレジスト23を塗布・硬化させて既述の図21(b)のように回路2上に樹脂皮膜3を形成し、さらに既述の図21(c)のように樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射してマスク材43の上の樹脂皮膜3を除去する処理を行なった後、NaOH溶液等のアルカリ溶液など化学薬品でマスク材43を溶解して既述の図21(d)のようにマスク材43を除去し、回路2を露出させるようにすることができる。このようにドライフィルムでマスク材43を形成するようにすると、露光・現像処理によって必要箇所にのみマスク材43を設ける処理が容易になるものである。またドライフィルムはアルカリ液等で容易に剥離することができるので、回路2の表面にマスク材43の微小残りが生じ難いものである。このマスク材43は必ずしも完全に除去する必要はなく、一部が残っていてもよい。
【0065】
また上記のマスク材43としては、熱可塑性ウレタン樹脂など熱可塑性樹脂43aで形成することもできる。この場合は熱可塑性樹脂43aを塗布して図23(a)のように回路2の表面にマスク材43を設けた後、マスク材43の上からレジスト23を塗布・硬化させて図23(b)のように回路2上に樹脂皮膜3を形成し、そして図23(c)のように樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射してマスク材43の上の樹脂皮膜3を除去する処理を行なう際に、樹脂皮膜3の下の熱可塑性樹脂43aで形成されるマスク材43もレーザ光Lの照射によって溶融分解し、除去することができるものである。このように熱可塑性樹脂43aのマスク材43はレーザ光Lの照射によって溶融除去されるので、回路2の表面に微小樹脂残りが生じ難くなるものである。しかもレーザ光Lを照射して樹脂皮膜3を除去する際に同時にマスク材43も除去できるので、マスク材43を除去するための工程が不要になるものである。このとき、図23(d)や図24に示すようにマスク材43は必ずしも完全に除去する必要はない。
【0066】
さらに上記のマスク材43としては、昇華性物質、あるいは昇華性物質を含んだ材料で形成することもできる。昇華性物質としてはCdOなどを用いることができる。この場合は、昇華性物質(あるいは昇華性物質含有材料)43bを塗布して図25(a)のように回路2の表面にマスク材43を設けた後、マスク材43の上からレジスト23を塗布・硬化させて図25(b)のように回路2上に樹脂皮膜3を形成し、そして図25(c)のように樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射してマスク材43の上の樹脂皮膜3を除去する処理を行なう際に、樹脂皮膜3の下の昇華性物質(昇華性物質含有材料)43bで形成されるマスク材43もレーザ光Lの照射によって昇華し、除去することができるものである。このように昇華性物質(昇華性物質含有材料)43bのマスク材43はレーザ光Lの照射によって昇華除去されるので、回路2の表面に微小残りが生じ難くなるものである。しかもレーザ光Lを照射して樹脂皮膜3を除去する際に同時にマスク材43も除去できるので、マスク材43を除去するための工程が不要になるものである。このとき昇華性物質(昇華性物質含有材料)43bの塗布精度はラフでよく、図25(d)に示すようにマスク材43は必ずしも完全に除去する必要はない。
【0067】
また請求項13の発明では、既述の図1(a)のように基板1の表面にエッチングレジストなどレジスト23を塗布して樹脂皮膜3で被覆するに先立って、まずレーザ光Lを照射して樹脂皮膜3を除去する部分において回路2の表面に図26(a)のように接着抑制材料44を設けて回路2の表面を被覆し、この接着抑制材料44の上からレジスト23を塗布・硬化させて図26(b)のように回路2上に樹脂皮膜3を形成するようにしてある。接着抑制材料44は金属の回路2に対するレジスト23の接着を抑制する作用を有するものであればよく、例えば油、離型剤、界面活性剤などを用いることができる。そして樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射して図26(c)のように接着抑制材料44の上の樹脂皮膜3を除去する処理を行なう。このとき、接着抑制材料44もレーザ光Lの照射によって除去され、回路2を露出させることができる。回路2の表面に接着抑制材料44が残留していれば、水、洗剤、有機溶剤等で洗浄することによって完全除去することができる。
【0068】
このように接着抑制材料44で回路2の表面を被覆した状態で樹脂皮膜3を形成することによって、レーザ光Lを照射して樹脂皮膜3を除去する部分には回路2の表面に樹脂皮膜3は付着し難くなるものである。従って、回路2上に樹脂皮膜3の微小樹脂残りが生じるようなことなく、レーザ光Lの照射で樹脂皮膜3を除去することができるものであり、樹脂皮膜3の微小樹脂残りを除去する後処理工程が不要になり、そして回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなどの固相接合の電気接続信頼性が向上すると共に、メッキ4を施すにあたってメッキ性が向上するものである。ここで、接着抑制材料44の塗布精度はラフでよく、図27に示すように接着抑制材料44は必ずしも完全に除去する必要はない。
【0069】
また請求項14の発明では、回路2の表面のうち、その表面を被覆する樹脂皮膜3を除去する部分の表面粗さを他の部分の表面粗さより小さくするようにしてある。すなわち図28(a)に示すように、回路2のうち接続端子5となる部分の表面2aを研磨等して、他の部分の表面2bよりも平滑な面に形成してある。この表面2aの研磨は表面の凹凸の差(粗度)が1μm以下になるように行なうのが好ましい。そして図28(b)のように、回路2の表面にエッチングレジストなどレジスト23を塗布・硬化させて樹脂皮膜3で被覆し、次いで樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射して図28(c)のように樹脂皮膜3を除去する処理を行なって、回路2の表面を露出させるものである。
【0070】
このように表面粗さを他の部分の表面粗さより小さくして平滑に形成した部分の回路2の表面の樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射して、樹脂皮膜3を除去するようにしているので、表面粗さが小さく平滑な部分には樹脂皮膜3のアンカー効果が小さく、微小樹脂残りが生じるようなことなく、レーザ光Lの照射で樹脂皮膜3を除去することができるものである。従ってレーザ光Lの照射後に樹脂皮膜3の微小樹脂残りを除去する後処理工程が不要になり、そして回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなどの固相接合の電気接続信頼性が向上すると共に、メッキ4を施すにあたってメッキ性が向上するものである。ここで、回路2の平滑化する表面2aの範囲の位置精度はラフでよく、図29に示すように平滑表面2aが除去しない樹脂皮膜3に及んでいても差し支えない。
【0071】
また請求項15の発明では、図30(a)のように基板1の表面に設けた樹脂皮膜3うち、余分な箇所の樹脂皮膜3にYAGレーザやCOレーザなどのレーザ光Lを照射し、回路2を露出させるように樹脂皮膜3を除去する加工を行なった後、図30(b)のようにノズル37から粒子45を噴射し、レーザ光Lを照射した部分において回路2の上に残った樹脂皮膜3の微小樹脂残りを粒子45による研磨作用で完全に除去するようにしてある。この粒子45としては、ナイロン等のポリアミド樹脂など、樹脂粒子や、ガラスビーズ、セラミック粒子などを用いるのがよく、粒子径は0.5〜500μm程度が好ましい。また粒子45の噴射圧力は0.1〜5.0kg/cm程度が好ましい。粒子45の噴射は回路2上に当てるだけでなく、除去しない樹脂皮膜3や基板の表面に当たるようにしても差支えない。粒子45によって回路2上の微小樹脂残りは容易に除去できるが、樹脂皮膜3や基板に与えるダメージは小さいものである。
【0072】
このように粒子45を噴射して、レーザ光Lの照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3の微小樹脂残りを完全に除去することによって、回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなどの固相接合の電気接続信頼性が向上すると共に、メッキ4を施すにあたってメッキ性が向上するものである。
【0073】
図31の例では、図31(a)のように基板1の表面に設けた樹脂皮膜3うち、余分な箇所の樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射して回路2を露出させるように樹脂皮膜3を除去する加工を行なった後、粒子45を噴射して回路2の上に残った樹脂皮膜3の微小樹脂残りを完全除去するにあたって、図31(b)のように粒子45を水等の液体53と混合した混合液をノズル37から噴射するようにしてある。このように粒子45を液体53と混合して用いることによって、回路2の上から剥離した微小樹脂を液体53で洗い流すことができ、また粒子45が液体53の流動によって、基板1の形状にとらわれることなく回路2の表面の全体に当たり易くなり、微小樹脂残りの均一な除去を行なうのが容易になるものである。
【0074】
上記の粒子45と混合する液体53としては、KMnOやNaOHなどのアルカリ水溶液を用いることができる。このように液体53としてアルカリ溶液を用いると、レジスト23等で形成される樹脂皮膜3の微小樹脂残りの除去を、粒子45による物理的除去に加えて、アルカリ溶液の化学反応による化学的除去効果を加味して行なうことができ、樹脂皮膜3の微小樹脂残りの除去効率を高めることができるものである。
【0075】
また、上記の粒子45としてはその粒子の直径が、回路2の厚みと、隣合う回路2の間隔寸法の、いずれか小さい方の寸法よりも小さいものを用いるのが好ましい。すなわち、図30(b)や図31(b)のように粒子45を噴射して、レーザ光Lの照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3の微小樹脂残りを完全に除去する際に、図32のように、粒子45は回路2間に形成される樹脂皮膜3にも当たって、回路2間の樹脂皮膜3を除去する作用もなす。そして回路2の間隔寸法が回路2の厚み寸法より大きい場合(回路間隔>回路厚み)、粒子45の直径が回路2の厚み寸法よりも大きいと、図33(b)に示すように回路2の側面に残留する樹脂皮膜3の量が多くなるので、粒子45の直径を回路2の厚み寸法より小さくして図33(a)のように回路2の側面に残留する樹脂皮膜3の量が少なくなるようにするのが好ましいのである。また回路2の厚み寸法が回路2の間隔寸法より大きい場合(回路間隔<回路厚み)、粒子45の直径が回路2の間隔寸法よりも大きいと、図34(b)に示すように回路2の側面に残留する樹脂皮膜3の量が多くなるので、粒子45の直径を回路2の間隔寸法より小さくして図34(a)のように回路2の側面に残留する樹脂皮膜3の量が少なくなるようにするのが好ましいのである。尚、粒子45の直径を調整することによって、回路2の間に残す樹脂皮膜3の量を制御することが可能である。
【0076】
また、既述の図30(b)や図31(b)のように粒子45を噴射して、レーザ光Lの照射部分において回路2上に残留する樹脂皮膜3の微小樹脂残りを完全に除去するにあたって、回路2の表面に凹凸を形成させて、後工程で施される金メッキ等のメッキ4との密着性や、ソルダーレジストなどの樹脂との密着性を高めるために、鋭角に尖る部分を表面に有する粒子形状の粒子45を用いるのが好ましい。すなわち、鋭角に尖る部分を有しない粒子形状の粒子45を用いる場合、図36(a)のようにこの鋭角部分を有しない粒子45を回路2の表面に当てることによって、樹脂皮膜3の微小樹脂残りを除去することは可能であるが、図36(b)のように粒子45の衝突によって回路2の表面に大きな凹凸を形成させることはできない。これに対して、鋭角に尖る部分を有する粒子形状の粒子45を用いる場合、図35(a)のようにこの鋭角部分を有する粒子45を回路2の表面に当てることによって、樹脂皮膜3の微小樹脂残りを除去することができると共に、図35(b)のように粒子45の衝突によって回路2の表面にアスペクト比の大きな凹凸54を形成させることができる。このように大きな凹凸54を回路2の表面に形成することによって、メッキ4や樹脂との密着性を高めることができるものである。但し、凹凸54が大き過ぎると、ワイヤーボンディング等の接合性に問題が生じるおそれがるので、粒子45として粒径が2μm以下のものを用いて凹凸54が大きくなり過ぎないようにするのがよい。
【0077】
また、粒子45としてその硬度が、樹脂皮膜3の樹脂の硬度より高く、さらに回路2の硬度よりも高いものを用いる場合(樹脂硬度<回路硬度<粒子硬度)、図38(a)のようにこの硬度が高い粒子45を回路2の表面に当てることによって、樹脂皮膜3の微小樹脂残りを回路2の表面から除去することができるが、図38(b)のように硬度の高い粒子45の衝突によって回路2の表面に凹凸55が形成されて回路2がダメージを受けるおそれがある。そこで、粒子45としては、その硬度が樹脂皮膜3の樹脂の硬度より高く、且つ回路2の硬度よりも低いものを用いるのが好ましい(樹脂硬度<粒子硬度<回路硬度)。このような粒子45としては、樹脂皮膜3をエポキシ樹脂で形成し、回路2を銅、タングステン、クロム等で形成している場合は、ユリア樹脂粒子やメラミン樹脂粒子等を用いることができる。そしてこのような硬度の粒子45を用いると、粒子45の硬度は樹脂皮膜3の樹脂の硬度より高いので、図37(a)のようにこの粒子45を回路2の表面に当てることによって、樹脂皮膜3の微小樹脂残りを除去することができると共に、粒子45の硬度は回路2の硬度よりも低いので、図37(b)のように粒子45の衝突によって回路2の表面に凹凸55が形成されることがなく、回路2にダメージを与えないようにすることができるものである。
【0078】
請求項16の発明は、基板1の表面に設けた樹脂皮膜3うち、余分な箇所の樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射して回路2を露出させるように樹脂皮膜3を除去する加工を行なうにあたって、樹脂皮膜3の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中で、回路2の表面の樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射し、この樹脂皮膜3を除去するようにしてある。この気体としては、レーザ光Lを樹脂皮膜3に照射して加熱する際に、樹脂の加熱分解反応(燃焼反応等)を促進させるものを用いるものであり、酸素や活性な酸素(オゾン)などを使用することができる。樹脂皮膜3が炭化物系樹脂で形成されている場合、炭化物系樹脂は酸素やオゾンと反応して炭化物の分解が促進されるものである。図39の例では、レーザ光Lを照射する部分にノズル56で上記の気体を吹き付けることによって、樹脂皮膜3の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中で樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射するようにしてある。このときの気体の吹き付け圧は1〜5kg/cm程度が好ましい。またこのように気体を吹き付ける他に、レーザ光Lによる加工工程の雰囲気全体を上記の気体の雰囲気にすれば、効果を一層高く得ることができるものである。
【0079】
このように樹脂皮膜3の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中でレーザ光Lを照射することによって、レーザ光Lの照射部分において回路2上に微小樹脂が残留することなく樹脂皮膜3を完全に除去することができるものであり、回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなどの固相接合の電気接続信頼性が向上すると共に、メッキ4を施すにあたってメッキ性が向上するものである。
【0080】
図40の例では、電源57に接続されるプラズマ処理装置の電極58のプラズマ放電でプラズマ59を生じさせ、このプラズマ59の雰囲気中で回路2の表面の樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射するようにしてある。プラズマ59としては酸素プラズマなどを使用することができ、レーザ光Lを樹脂皮膜3に照射して加熱する際に、樹脂の加熱分解反応をこの酸素プラズマ59で促進させることができる。樹脂皮膜3が炭化物系樹脂で形成されている場合、炭化物系樹脂は酸素や活性な酸素(酸素プラズマ)と反応して炭化物の分解が促進されるものである。
【0081】
ここで、上記のようにレーザ光を照射して基板1の表面の余分な樹脂皮膜3を除去するにあたって、単一方向からのレーザ照射では、樹脂皮膜3の厚みのばらつき、樹脂皮膜3の材質、回路2への樹脂皮膜3の付き回り方向の如何等によっては、樹脂皮膜3を完全に除去できない場合がある。特に基板1に対して垂直にレーザ光を照射した場合、レーザ光が基板1に吸収され易くなって基板1に熱損傷が加わるおそれがある。
【0082】
そこで請求項17の発明は、図41(a)のように基板1の表面に回路2を覆って樹脂皮膜3を設けた後、余分な箇所の樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射して樹脂皮膜3を除去するにあたって、図41(b)のように基板1に対して斜め方向からレーザ光Lを照射するようにしてある。この場合、図41(b)のように一方側から斜め方向にレーザ光Lを照射した後、図41(c)のように反対側からも斜め方向にレーザ光Lを照射するのがよい。このようにすれば回路2の影になることなく、基板1上の樹脂皮膜3を完全に除去することができるものである。またこのように基板1に対して斜め方向からレーザ光を照射することによって、基板1にレーザ光Lが吸収され難くなり、基板1に熱損傷が生じることを抑制することができるものであり、特に全反射角以上の角度で基板1に照射するようにすれば、基板1に透過するレーザ光Lが無くなるために、基板1のダメージを完全に無くすことができるものである。このようにレーザ光Lを斜めに照射して回路2上の樹脂皮膜3を完全に除去するようにすれば、回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなどの電気接続信頼性が向上すると共に、メッキ4を施すにあたってメッキ性が向上するものである。尚、基板1に斜めにレーザ光を照射するにあたっては、基板1に対して垂直なレーザ光をミラー等で偏向させて斜めに照射されるようにしてもよい。
【0083】
請求項18の発明は、基板1に対して斜め方向からレーザ光を照射するにあたって、基板1の表面で反射するレーザ光を有効に利用するようにしたものである。すなわち、図42(a)のように基板1の表面に回路2を覆って樹脂皮膜3を設けた後、余分な箇所の樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射して樹脂皮膜3を除去するにあたって、図42(b)のように基板1に対して斜め方向からレーザ光Lを照射すると共に、反射した反射レーザ光Lを反射ミラー40で反射させて再度基板1に照射させるようにしてあり、レーザ光Lを効率良く基板1に照射させて樹脂皮膜3の除去を効率良く行なうことができるようにしてある。このように、斜め方向からレーザ光を照射することによって基板1に対するダメージを小さくすることができると共に、基板1で反射した反射レーザ光を再度基板1に照射させることによって、レーザ光を効率的に用いて樹脂皮膜3の除去加工をすることができるものであり、図42(c)のように樹脂皮膜3を完全に除去することができるものである。
【0084】
また、上記のようにレーザ光を照射して基板1の表面の余分な箇所の樹脂皮膜3を除去するにあたって、単一波長のレーザ光の照射では、樹脂皮膜3の厚みのばらつき、樹脂皮膜3の材質の如何等によっては、回路2の表面に樹脂皮膜3が残ることがあり、また基板1に損傷を与えるおそれがある。
【0085】
そこで請求項19の発明では、図43に示すように、基板1の表面の余分な箇所の樹脂皮膜3に複数種のレーザ光L,L,Lを同時に照射することによって、回路2上に微小樹脂が残ることなく完全に樹脂皮膜3を除去するようにしてある。例えば、樹脂皮膜3がエポキシ系樹脂などYAGレーザの波長1.06μmのものを透過し易いものの場合には、このレーザ光とCOレーザの波長10.6μmのものを複合して同時に照射することによって、回路2上に残ることなく完全に樹脂皮膜3を除去することができる。またYAGレーザやCOレーザなどの赤外レーザと、YAG高調波レーザやエキシマレーザなどの紫外レーザとを複合して同時に照射することによって、赤外レーザによって樹脂皮膜3の除去を行なうことができると共に回路2上の樹脂皮膜3の微小残りを紫外レーザによって除去することができ、回路2上に残ることなく完全に樹脂皮膜3を除去することができる。このように複数種のレーザ光を照射して回路2上に残留する樹脂皮膜3を完全に除去することによって、回路2に金メッキ等のメッキ4を施して形成される接続端子5へのワイヤーボンディングなどの電気接続信頼性が向上すると共に、メッキ4を施すにあたってメッキ性が向上するものである。
【0086】
また、上記のようにレーザ光照射によって基板1の表面の余分な箇所の樹脂皮膜3を除去するにあたって、基板1の材質によってはレーザ光Lを吸収して熱の影響を受けたり、あるいはレーザ光Lが基1を透過して裏面に貫通し、基1の裏面の必要な樹脂皮膜3に作用したりすることがある。
【0087】
そこで請求項20の発明では、図44に示すように、レーザ光Lを照射する箇所において基板1の内層に金属板を埋め込んで金属層10を設けるようにしてある。金属層10は基板1の裏面(レーザ光の照射面と反対の面)に設けるようにしてもよい。また図44のように回路2が存在する部分には金属層10を設ける必要はない。レーザ光Lは金属層10を透過し難く、また金属層10は樹脂の基板1と比較して熱影響を受け難いので、基板1の損傷を低減することができると共に、レーザ光Lが基1の裏面に貫通することを防ぐことができるものである。
【0088】
図45は参考例を示すものであり、基板1の表面に図45(a)のようにソルダーレジストなどの樹脂材料を20〜100μm程度の厚みで印刷して樹脂皮膜3を形成し、次に図45(b)のように余分な箇所の樹脂皮膜3にレーザ光Lを照射して樹脂皮膜3を除去することによって、回路2を露出させる。この樹脂皮膜3を形成するソルダーレジストとしては熱硬化型のものを用いるのが好ましい光硬化型のソルダーレジストは熱硬化型ソルダーレジストに比べて耐熱性や耐薬品性が低いために、熱硬化型ソルダーレジストで樹脂皮膜3を形成するのが好ましいのである。またその材質としては電気絶縁性及び基板1に対する密着性が高く、レーザ光照射によって除去可能な材質であればよく、例えばエポキシ樹脂等が好ましい。次に、図45(c)のように露出する回路2の表面に金メッキなどの仕上げ用のメッキ4を施す。このように仕上げメッキ4を施すことによって、基板1の下面側の回路2にランド14を形成することができる。そしてこのランド14に半田ボール8を図45(d)のように設けることによって、半田ボール8で接続端子5を形成することができるものであり、BGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Scale Package)などの半導体パッケージ用のプリント配線板を作製することができるものである。
【0089】
一方、半導体等の電子部品9を搭載するために用いられる基板1には、複数枚の回路板15を積層した多層積層板で作製されているものがあり、このものでは回路2は内層配線回路2aと外層配線回路2bとからなっている。そして内層配線回路2aの一部のものは電子部品搭載部11の周囲の段差部6に露出され、電子部品搭載部11に搭載された電子部品9とワイヤーボンディング等で接続されるようにしてある。しかしこのような電子部品搭載用のプリント配線板を製造するにあたって、化学メッキ処理してスルーホールメッキ7を施したり、エッチング処理して外層配線回路2bを形成したりする際に、段差部6に露出する内層配線回路2aの表面にもこれらの化学処理液が作用するおそれがある。また段差部6に露出する内層配線回路2aの表面にソルダーレストや成形用樹脂が付着したりして汚れるおそれもある。このため、従来では電子部品搭載部11の開口部に蓋をして、段差部6に露出する内層配線回路2aを化学処理液から保護するようにしているが、この場合には構造が複雑になると共に設計上の制約を受けるという問題を有する。
【0090】
請求項21及び請求項22の発明はこのような問題を解決するものであり、まず請求項21の発明を図46,47の実施の形態に基づいて説明する。
【0091】
基板1は複数枚の回路板15を積層して多層板として形成されるものであり、各回路板15としては銅張りエポキシ樹脂積層板など金属箔張り積層板によって形成したものを用いることができる。ここで図46(a)に示すように、各回路板15を積層することによって内層側になる面には金属箔をエッチング処理等することによって内層配線回路2aが形成してあり、また各回路板15の外層側になる面には金属箔20が張ってある。
【0092】
図46(a)の例では、3枚の回路板15a,15b,15cを用い、回路板15aには大きめの開口部21aが、回路板15bには小さめの開口部21bが、回路板15cにはさらに小さい凹所21cが形成してある。内層配線回路2aのうち一部のものは開口部21bや凹所21cの近傍において設けるようにしてある。また各回路板15を積層することによって内層側になる面には、積層の際の接着性を確保するために回路2の上からソルダーレジスト23が塗布してあり、このソルダーレジスト23によって形成される樹脂皮膜3を層間の回路2上に設けるようにしてある。勿論、樹脂皮膜3はソルダーレジスト23以外の樹脂で形成してもよい。そしてこの樹脂皮膜3は開口部21bや凹所21cにも延長してあって、開口部21bや凹所21cの近傍において設けた回路2を樹脂皮膜3で被覆するようにしてある。
【0093】
上記のように形成される複数枚の回路板15をプリプレグなど成形用接着樹脂22を介して重ね、加熱加圧して積層成形することによって、図46(b)に示すような多層構成の電子部品搭載用基板1を作製することができるものであり、この基板1には開口部21a,21b及び凹所21cによって電子部品搭載部11が形成してある。このように作製される基板1にあって、電子部品搭載部11の内周面を形成する段差部6には開口部21bや凹所21cの近傍において設けた内層配線回路2aが位置しているが、この段差部の内層配線回路2aの表面は樹脂皮膜3で被覆されているので、積層成形する際に成形用接着樹脂22が流れて段差部へとはみ出しても、この成形用接着樹脂22のはみ出し部22aが段差部の回路2に付着するようなことはない。
【0094】
次に、基板1をドリル加工することによって図46(c)のようにスルーホール12を設けた後、図46(d)のようにスルーホール12の内周にスルーホールメッキ7を設け、このスルーホールメッキ7で内層配線回路2aと外層配線回路2bとを電気的に接続する。スルーホールメッキ7は、基板1を化学メッキ液で処理することによって行なうことができ、あるいは基板1を化学メッキ液で処理して薄いメッキ膜を設けた後に、この薄いメッキ膜に通電しながら電気メッキ液で処理することによっておこなうことができる。いずれにしても基板1をメッキ液で処理するために、スルーホール12の内周のみならず基板1の全面にメッキ液が作用し、電子部品搭載部11内にもメッキ液が侵入するが、電子部品搭載部11の内周面の段差部6に位置している内層配線回路2aの表面は樹脂皮膜3で被覆されているので、メッキ液がこの段差部6の内層配線回路2aに作用するようなことはない。従って、メッキ処理の際に電子部品搭載部11に蓋をするような必要はない。
【0095】
上記のようにスルーホールメッキ7を行なった後、基板1の外層の金属箔20に感光性レジストの塗布・露光・現像・エッチング等の処理を行ない、基板1の外面に外層配線回路2bを形成する。このように外層配線回路2bを形成する際にエッチング液で基板1を処理しても、電子部品搭載部11の内周面となる段差部6に位置している内層配線回路2aの表面は樹脂皮膜3で被覆されているので、エッチング液がこの段差部6の内層配線回路2aに作用するようなことはない。従って、エッチング処理の際に電子部品搭載部11に蓋をするような必要はない。そしてこのようにして外層配線回路2bを形成した後、図47(a)のように基板1の表面にソルダーレジスト23等の樹脂材料を印刷して樹脂皮膜3を設ける。
【0096】
この後、既述のようなレーザ光の照射を行なって、段差部6に延長されていて電子部品搭載部11内において露出する樹脂皮膜3と、基板1の外面に設けた樹脂皮膜3のうち余分な樹脂皮膜3を図47(b)のように除去し、電子部品搭載部11の内周面の段差部の内層配線回路2aの表面を露出させると共に、基板1の表面の外層配線回路2bを露出させることができる。このように樹脂皮膜3を除去することによって、同時にこの上に付着している成形用接着樹脂22のはみ出し部22aなどの汚れも除去することができるものであり、段差部6の内層配線回路2aや外層配線回路2bの表面に樹脂汚れ等の不良が発生することを低減することができるものである。
【0097】
上記のようにして不要な樹脂皮膜3を除去した後、金メッキ等を行なって図47(c)のように段差部6に露出する内層配線回路2aや外層配線回路2bの表面に仕上げメッキ4を施して接続端子5を形成することができるものであり、電子部品搭載部11に半導体などの電子部品9を搭載して電子部品9と段差部6の内層配線回路2aによって形成される接続端子5との間にボンディングすることによって、基板1に電子部品9を実装することができるものである。
【0098】
尚、上記の実施形態では、電子部品搭載部11を上面が開口する凹部として基板1に形成するようにしたが、基板1の両面に開口する開口部として電子部品搭載部11を形成するようにしてもよい。また上記のように電子部品搭載部11の内周面を段差部6としてもよいが、基板1の端面を段差部6として上記の技術を適用するようにしてもよい。さらに上記の例では基板1を貫通させてスルーホール12を設けたが、貫通しないいわゆるビアホールとして形成するようにしてもよい。
【0099】
また上記の図46、図47の実施形態ではソルダーレジスト23で樹脂皮膜3を形成するようにしたが、図48の実施形態では成形用接着樹脂22で樹脂皮膜3を形成するようにしてある。すなわち、図48(a)のように複数枚の回路板15をプリプレグなど成形用接着樹脂22を介して重ね、加熱加圧して積層成形することによって、図48(b)に示すような多層構成の基板1を作製することができるものであり、このものでは成形用接着樹脂22が樹脂皮膜3として層間の内層配線回路2a上に設けられるようにしてある。そしてこのように積層成形する際に、成形用接着樹脂22を開口部21a,21bによって形成された電子部品搭載部11の内周の段差部6へと流延させ、成形用接着樹脂22のこのはみ出し部22aによる樹脂皮膜3で段差部6の内層配線回路2aが被覆されるようにしてある。このようにしてソルダーレジスト23などを用いなくとも、樹脂流れ量が増加して材料ロスは大きくなるが、回路板15を積層接着するための成形用接着樹脂22を利用して段差部6の回路2を被覆する樹脂皮膜3を形成することができるものである。
【0100】
次に請求項22の発明を図49の実施形態に基づいて説明する。回路板15としては既述の図46(a)と同様なものを用いることができるが、図49(a)に示すように開口部21bや凹所21cの近傍において設けた内層配線回路2aはソルダーレジスト23で覆われていない。従って、複数枚の回路板15をプリプレグなど成形用接着樹脂22を介して重ね、加熱加圧して積層成形することによって、図49(b)に示すような多層構成の電子部品搭載用の基板1を作製するにあたって、開口部21a,21b及び凹所21cによって形成される電子部品搭載部11の内周の段差部6に位置する内層配線回路2aは、電子部品搭載部11内に露出した状態にある。そこでこの請求項22の発明では、このように基板1を多層成形した後、電子部品搭載部11の内周の段差部6に樹脂材料を塗布し、図49(c)に示すように段差部6の内層配線回路2aの表面を樹脂皮膜3で被覆するようにしてある。この樹脂皮膜3を形成する樹脂としては、例えばソルダーレジスト23を含む熱硬化型あるいは光硬化型の樹脂等を用いることができる。尚、この発明では段差部6の内層配線回路2aをソルダーレジスト23で覆うものではないので、ソルダーレジスト23の使用を省略することができる。
【0101】
このようにして段差部の回路2を樹脂皮膜3で覆った後は、既述の図46(c)(d)、図47(a)(b)(c)と同様に加工することによって、請求項22の発明に係る電子部品搭載用のプリント配線板に仕上げることができるものである。ここで、段差部6の内層配線回路2aは樹脂皮膜3で覆われているために、スルーホールメッキ7のメッキ処理や、外層配線回路2を形成するエッチング処理の際に、段差部6の内層配線回路2aがメッキ液やエッチング液の作用を受けることはなく、電子部品搭載部11に蓋をするような必要はないものである。
【0102】
【発明の効果】
上記のように請求項1の発明は、回路が形成された基板の表面に樹脂皮膜を塗布して設けた後、樹脂皮膜の一部をレーザ照射して除去することによって回路を露出させ、この露出させた回路の表面にメッキを施して接続端子として形成するするようにしたので、正確な位置合わせをしないで基板の表面に樹脂皮膜を設けても、レーザ照射によって余分な箇所の樹脂皮膜を除去して回路を露出させ、回路に接続端子を形成することができるものであり、スクリーン印刷で樹脂皮膜を形成する場合のように高い位置合わせ精度を必要とすることなく、容易に樹脂皮膜を形成することができるものである。
【0103】
また請求項1の発明は、回路間あるいは回路の基板から立ち上がる側面が樹脂皮膜で覆われるように、樹脂皮膜を一部を残して除去するようにしたので、隣合う回路間の絶縁性を樹脂皮膜で確保することができると共に、回路と基板との間の接合界面を樹脂皮膜で覆うことができ、この接合界面の腐食を防止して回路の剥離を防ぐことができるものである。
【0104】
また請求項1の発明は、回路の基板から立ち上がる側面の下部が樹脂皮膜で覆われるように樹脂皮膜を残して除去するにあたって、樹脂皮膜の表面から突出する回路の高さ寸法が回路の幅寸法よりも小さくなるように樹脂皮膜の除去量を調整するようにしたので、回 路の剛性を確保することができ、回路へのワイヤーボンディングの信頼性を高く得ることができるものである。
【0105】
また請求項2の発明は、接続端子を形成した後、電子部品と接続端子とを固相接続するようにしたので、接続端子を形成する回路の表面からは樹脂皮膜がレーザ照射によって除去されており、樹脂皮膜によって電子部品と接続端子との間の接続が阻害されることがなく、安定した接続信頼性で電子部品と接続端子とを固相接合することができるものである
【0106】
また請求項の発明は、樹脂皮膜の材料として酸化物又は炭化物を添加したエポキシ系樹脂を用い、レーザとしてYAGレーザを用いるようにしたので、YAGレーザはエポキシ系樹脂を透過し易い加工特性があるが、YAGレーザは含有されいる酸化物や炭化物によって樹脂皮膜に吸収されるものであり、基板に大きな損傷を与えることなく樹脂皮膜をYAGレーザで除去することができるものである。
【0107】
また請求項の発明は、樹脂皮膜を機械的に切削した後、さらにレーザ光を照射して除去するようにしたので、機械的切削の後に残る樹脂皮膜は厚みがほぼ均一になっており、除去残しや基板の損傷が生じることなくレーザ光照射で樹脂皮膜を除去することができるものである。
【0108】
また請求項の発明は、樹脂皮膜をレーザ照射して除去した後、化学処理してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を溶解除去するようにしたので、回路上に残留する樹脂皮膜を完全に除去することができ、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものである。
【0109】
また請求項の発明は、樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、物理的な作用を付加しながら化学処理して、レーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を溶解除去するようにしたので、回路上に残留する樹脂皮膜を化学処理で完全に除去することができ、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものであり、しかも物理的な作用を付加しながら化学処理を行なうことによって、レーザ照射部分に残留する樹脂皮膜の除去を促進することができ、この結果、化学処理の条件を緩やかにすることが可能になって除去しない部分の樹脂皮膜や基板の表面に対する化学処理を抑制し、これらの表面が化学処理でダメージを受けて表面荒れが生じることを防ぐことができるものであって、水分の吸着等が生じにくくなって絶縁特性を高めることができるものである。
【0110】
また請求項の発明は、回路の表面を半硬化状態の樹脂皮膜で被覆すると共に樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、化学処理してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を溶解除去し、次いでレーザ照射していない部分の樹脂皮膜を硬化させるようにしたので、回路上に残留する樹脂皮膜を化学処理で完全に除去することができ、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものであり、しかも化学処理で樹脂皮膜の表面が荒れていても、樹脂皮膜は半硬化状態から硬化させることによって表面を平滑化することができ、樹脂皮膜の表面への水分の吸着等が生じにくくなって絶縁特性を高めることができるものである。
【0111】
また請求項の発明は、樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、樹脂皮膜のレーザ照射をしていない部分の表面にマスクを施し、この後、化学処理してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を溶解除去するようにしたので、回路上に残留する樹脂皮膜を化学処理で完全に除去することができ、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものであり、しかも除去しない部分の樹脂皮膜の表面をマスクで保護して化学処理をすることができ、化学処理で除去しない部分の樹脂皮膜の表面が侵されて荒れることを防ぐことができるものであって、樹脂皮膜の表面への水分の吸着等が生じにくくなって絶縁特性を高めることができるものである。
【0112】
また請求項の発明は、樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、プラズマ処理してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を除去するようにしたので、回路上に残留する樹脂皮膜をプラズマ処理で完全に除去することができ、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものである。
【0113】
また請求項10の発明は、樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、紫外光照射してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を除去するようにしたので、回路上に残留する樹脂皮膜を紫外光照射で完全に除去することができ、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものである。
【0114】
また請求項11の発明は、樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、高圧水洗してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を除去するようにしたので、回路上に残留する樹脂皮膜を高圧水洗で完全に除去することができ、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものである。
【0115】
また請求項12の発明は、回路と樹脂皮膜との間にマスク材を設けるようにしたので、マスク材によって回路の表面に樹脂皮膜が付着しないようにすることができ、回路上に樹脂皮膜が残ることなくレーザ照射で完全に除去することができるものであって、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものであり、しかも樹脂皮膜の残りを除去する後処理工程が不要になるものである。
【0116】
また請求項13の発明は、回路の表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ照射で除去するにあたって、樹脂皮膜を除去する部分において、回路と樹脂皮膜の間に両者の接着を抑制する材料を設けるようにしたので、接着抑制材料で回路の表面に樹脂皮膜が付着しないようにすることができ、内層配線回路上に樹脂皮膜が残ることなくレーザ光の照射で完全に除去することができるものであって、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものであり、しかも樹脂皮膜の残りを除去する後処理工程が不要になるものである。
【0117】
また請求項14の発明は、回路の表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ照射で除去するにあたって、樹脂皮膜を除去する部分の回路の表面粗さを他の部分の表面粗さより小さくするようにしたので、表面粗さが小さい内層配線回路の表面に樹脂皮膜がアンカー効果で強固に付着しないようにすることができ、内層配線回路上に樹脂皮膜が残ることなくレーザ照射で完全に除去することができるものであって、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものであり、しかも樹脂皮膜の残りを除去する後処理工程が不要になるものである。
【0118】
また請求項15の発明は、樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、粒子を噴射してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を除去するようにしたので、回路上に残留する樹脂皮膜を粒子の噴射高圧で完全に除去することができるものであり、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものである。
【0119】
また請求項16の発明は、樹脂皮膜の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中で樹脂皮膜にレーザ照射して、樹脂皮膜を除去するようにしたので、樹脂の加熱分解反応を促進させながらレーザ照射で樹脂皮膜を完全に除去することができるものであって、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものであり、しかも樹脂皮膜の残りを除去する後処理工程が不要になるものである。
【0120】
また請求項17の発明は、基板に対して斜め方向からレーザ光を照射するようにしたので、回路上の樹脂皮膜を完全に除去することが容易になるものであり、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものである。
【0121】
また請求項18の発明は、基板に対して斜め方向からレーザ光を照射すると共に基板を反射した反射レーザ光を再度基板に照射させるようにしたので、斜め方向からのレーザ光の照射で基板に対するダメージを小さくすることができると共に、基板で反射した反射レーザ光を再度樹脂皮膜の除去に作用させることができ、レーザ光を効率的に用いて樹脂皮膜を除去することができるものである。
【0122】
また請求項19の発明は、複数種のレーザ光を同時に照射するようにしたので、回路上の樹脂皮膜を完全に除去することが容易になるものであり、ワイヤーボンディングなど電気接続信頼性が向上すると共に、回路の表面にメッキを施すにあたってメッキの密着性が向上するものである。
【0123】
また請求項20の発明は、レーザ照射する箇所において基板の内部あるいは裏面側に金属層を設けるようにしたので、レーザ光は金属層を透過し難く、また金属層は熱影響を受け難いものであり、レーザ照射による基板の損傷を低減することができると共に、レーザ光が基の裏面に貫通することを防ぐことができるものである
【0124】
また請求項21の発明は、基板の段差部に導出される回路と基板の表面に形成される外層配線回路とを回路として有する多層のプリント配線板を製造するにあたって、層間の回路上に設けた樹脂皮膜を延出させることによって段差部に配置される回路の表面を被覆した後、さらに前記基板の表面に樹脂皮膜を塗布形成し、次いで段差部の樹脂皮膜をレーザ照射して除去することによって段差部の回路を露出させると共に前記基板の表面の樹脂皮膜の一部をレーザ照射して除去することによって外層配線回路を露出させ、露出させた回路と外層配線回路の表面にメッキを施して接続端子として形成するようにしたので、正確な位置合わせをしないで基板の表面に樹脂皮膜を設けても、レーザ照射によって余分な箇所の樹脂皮膜を除去して回路を露出させ、回路に接続端子を形成することができるものであり、容易に樹脂皮膜を形成することができるものである。しかもメッキ処理やエッチング処理などの際に段差部の回路がこれらの処理液の作用を受けることを樹脂皮膜で遮断することができ、蓋をして回路を保護する必要がないものであって、構造が簡単になると共に設計上の制約を受けることもなくなるものであり、加えて回路を覆う樹脂皮膜を除去する際に、同時にこの上の汚れ等も除去できるものであり、回路の表面の汚れ不良を低減することができるものである。
【0125】
また請求項22の発明は、基板の段差部に導出される回路と基板の表面に形成される外層配線回路とを回路として有する多層のプリント配線板を製造するにあたって、段差部に配置される回路の表面に樹脂皮膜を塗布して被覆した後、さらに前記基板の表面に樹脂皮膜を塗布して設け、次いで段差部の樹脂皮膜をレーザ照射して除去することによって段差部の回路を露出させると共に前記基板の表面の樹脂皮膜の一部をレーザ照射して除去することによって外層配線回路を露出させ、露出させた回路と外層配線回路の表面にメッキを施して接続端子として形成するようにしたので、正確な位置合わせをしないで基板の表面に樹脂皮膜を設けても、レーザ照射によって余分な箇所の樹脂皮膜を除去して回路を露出させ、回路に接続端子を形成することができるものであり、容易に樹脂皮膜を形成することができるものである。しかもメッキ処理やエッチング処理などの際に段差部の回路がこれらの処理液の作用を受けることを樹脂皮膜で遮断することができ、蓋をして回路を保護する必要がないものであって、構造が簡単になると共に設計上の制約を受けることもなくなるものであり、加えて回路を覆う樹脂皮膜を除去する際に、同時にこの上の汚れ等も除去できるものであり、回路の表面の汚れ不良を低減することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は断面図である。
【図2】 請求項2の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図3】 請求項の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は拡大した一部の断面図である。
【図4】 請求項の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は拡大した一部の断面図である。
【図5】 同上の回路の幅寸法と高さ寸法の関係を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図6】 請求項の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は断面図である。
【図7】 請求項の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図8】 請求項の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図9】 同上の問題点を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図10】 請求項の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図11】 請求項の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図12】 同上の問題点を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図13】 請求項の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(d)は一部の拡大した断面図である。
【図14】 請求項の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(e)は一部の拡大した断面図である。
【図15】 同上の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図16】 同上の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図17】 請求項の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図18】 請求項の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図19】 請求項10の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図20】 請求項11の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は断面図である。
【図21】 請求項12の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(d)は一部の拡大した断面図である。
【図22】 同上の発明の実施の形態を示す一部の拡大した断面図である。
【図23】 同上の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(d)は一部の拡大した断面図である。
【図24】 同上の発明の実施の形態を示す一部の拡大した断面図である。
【図25】 同上の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(d)は一部の拡大した断面図である。
【図26】 請求項13の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図27】 同上の発明の実施の形態を示す一部の拡大した断面図である。
【図28】 請求項14の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図29】 同上の発明の実施の形態を示す一部の拡大した断面図である。
【図30】 請求項15の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図31】 同上の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図32】 同上の発明の実施の形態を示す一部の断面図である。
【図33】 同上の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図34】 同上の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図35】 同上の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図36】 同上の問題点を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図37】 同上の発明の実施の形態を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図38】 同上の問題点を示すものであり、(a),(b)は一部の拡大した断面図である。
【図39】 請求項16の発明の実施の形態を示す断面図である。
【図40】 同上の発明の実施の形態を示す断面図である。
【図41】 請求項17の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図42】 請求項18の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は一部の拡大した断面図である。
【図43】 請求項19の発明の実施の形態を示す一部の拡大した断面図である。
【図44】 請求項20の発明の実施の形態を示す一部の拡大した断面図である。
【図45】 参考例を示すものであり、(a)乃至(d)は断面図である。
【図46】 請求項21の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(d)は断面図である。
【図47】 請求項21の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は断面図である。
【図48】 請求項21の発明の実施の他の形態を示すものであり、(a),(b)は断面図である。
【図49】 請求項22の発明の実施の形態を示すものであり、(a)乃至(c)は断面図である。
【図50】 従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基部
2 回路
2a 回路
2b 外層配線回路
3 樹脂皮膜
4 メッキ
5 接続端子
6 段差部
7 スルーホールメッキ
8 半田ボール
9 電子部品
10 金属層
42 マスク
43 マスク材
44 接着抑制材料
45 粒子

Claims (22)

  1. 回路が形成された基板の表面に樹脂皮膜を塗布して設けた後、回路間あるいは回路の基板から立ち上がる側面の下部を被覆している樹脂皮膜を残して、樹脂皮膜の一部をレーザ照射して除去することによって回路を露出させるにあたって、樹脂皮膜の除去量を調整して、樹脂皮膜の表面から突出する回路の高さ寸法を回路の幅寸法よりも小さくし、この露出させた回路の表面にメッキを施して接続端子として形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 接続端子を形成した後、電子部品と接続端子とを固相接続することを特徴する請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 樹脂皮膜の材料として酸化物又は炭化物を添加したエポキシ系樹脂を用い、レーザとしてYAGレーザを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 樹脂皮膜をまず機械的に切削した後、さらにレーザ光を照射して除去することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  5. 樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、化学処理してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を溶解除去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  6. 樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、物理的な作用を付加しながら化学処理して、レーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を溶解除去することを特徴とする請求項に記載のプリント配線板の製造方法。
  7. 回路の表面を半硬化状態の樹脂皮膜で被覆すると共に樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、化学処理してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を溶解除去し、次いでレーザ照射していない部分の樹脂皮膜を硬化させることを特徴とする請求項5又は6に記載のプリント配線板の製造方法。
  8. 樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、樹脂皮膜のレーザ照射をしていない部分の表面にマスクを施し、この後、化学処理してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を溶解除去することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  9. 樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、プラズマ処理してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を除去することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  10. 樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、紫外光照射してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を除去することを特徴とする請求項乃至9のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  11. 樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、高圧水洗してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を除去することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  12. 回路と樹脂皮膜との間にマスク材を設けることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  13. 回路の表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ照射で除去するにあたって、樹脂皮膜を除去する部分において、回路と樹脂皮膜の間に両者の接着を抑制する材料を設けることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  14. 回路の表面を被覆した樹脂皮膜をレーザ照射で除去するにあたって、樹脂皮膜を除去する部分の回路の表面粗さを他の部分の表面粗さより小さくすることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  15. 樹脂皮膜をレーザ照射で除去した後、粒子を噴射してレーザ照射部分において回路上に残留する樹脂皮膜を除去することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  16. 樹脂皮膜の樹脂と反応性を有する気体雰囲気中で樹脂皮膜にレーザ照射して、樹脂皮膜を除去することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  17. 基板に対して斜め方向からレーザ光を照射することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  18. 基板に対して斜め方向からレーザ光を照射すると共に基板を反射した反射レーザ光を再度基板に照射させることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  19. 複数種のレーザ光を同時に照射することを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  20. レーザ照射する箇所において基板の内部あるいは裏面側に金属層を設けることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  21. 基板の段差部に導出される内層配線回路と基板の表面に形成される外層配線回路とを回路として有する多層のプリント配線板を製造するにあたって、層間の内層配線回路上に設けた樹脂皮膜を延出させることによって段差部に配置される内層配線回路の表面を被覆した後、さらに前記基板の表面に樹脂皮膜を塗布形成し、次いで段差部の樹脂皮膜をレーザ照射して除去することによって段差部の内層配線回路を露出させると共に前記基板の表面の樹脂皮膜の一部をレーザ照射して除去することによって外層配線回路を露出させ、露出させた内層配線回路と外層配線回路の表面にメッキを施して接続端子として形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  22. 基板の段差部に導出される内層配線回路と基板の表面に形成される外層配線回路とを回路として有する多層のプリント配線板を製造するにあたって、段差部に配置される内層配線回路の表面に樹脂皮膜を塗布して被覆した後、さらに前記基板の表面に樹脂皮膜を塗布して設け、次いで段差部の樹脂皮膜をレーザ照射して除去することによって段差部の内層配線回路を露出させると共に前記基板の表面の樹脂皮膜の一部をレーザ照射して除去することによって外層配線回路を露出させ、露出させた内層配線回路と外層配線回路の表面にメッキを施して接続端子として形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
JP35737396A 1996-04-26 1996-12-24 プリント配線板の製造方法 Expired - Fee Related JP3769851B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35737396A JP3769851B2 (ja) 1996-04-26 1996-12-24 プリント配線板の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10773996 1996-04-26
JP8-107739 1996-04-26
JP35737396A JP3769851B2 (ja) 1996-04-26 1996-12-24 プリント配線板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1012997A JPH1012997A (ja) 1998-01-16
JP3769851B2 true JP3769851B2 (ja) 2006-04-26

Family

ID=26447746

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35737396A Expired - Fee Related JP3769851B2 (ja) 1996-04-26 1996-12-24 プリント配線板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3769851B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014078551A (ja) * 2012-10-09 2014-05-01 Ngk Spark Plug Co Ltd 配線基板、配線基板の製造方法
CN113199149B (zh) * 2020-01-15 2023-08-11 大族激光科技产业集团股份有限公司 激光去除镀层的加工工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1012997A (ja) 1998-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3506002B2 (ja) プリント配線板の製造方法
TWI396478B (zh) 印刷布線板
JP4387336B2 (ja) ハーフエッチングされたはんだボールパッド及び切断されたメッキラインを具備するbgaパッケージ及びその製造方法
CA2462130C (en) Multi-layer wiring board, ic package, and method of manufacturing multi-layer wiring board
US7462555B2 (en) Ball grid array substrate having window and method of fabricating same
US6671949B2 (en) Multilayer printed wiring board and method for manufacturing same
JPH10308576A (ja) プリント配線板及びその製造方法
JP4126038B2 (ja) Bgaパッケージ基板及びその製作方法
JP2004111536A (ja) 多層配線基板の製造方法
TWI481329B (zh) 貫通孔形成方法及配線電路基板的製造方法
JP2000349435A (ja) 多層プリント配線板及び多層プリント配線板の製造方法
US20180337117A1 (en) Wiring substrate
JP2001313471A (ja) 配線板のビアホール形成方法
US6455783B1 (en) Multilayer printed wiring board and method for manufacturing the same
JP3769851B2 (ja) プリント配線板の製造方法
KR100651320B1 (ko) 보드 온 칩 볼 그리드 어레이 기판 및 그 제조방법
JPH1013038A (ja) 電子部品搭載用基板及びその製造方法
CN107665877B (zh) 带有埋藏的导电带的元件载体
JP3438586B2 (ja) プリント配線板の製造方法
KR100619349B1 (ko) 인쇄회로기판의 회로패턴 형성방법
JPH11243159A (ja) 半導体搭載用基板とその製造法
US20230069980A1 (en) Method for manufacturing wiring substrate
TWI524829B (zh) 配線基板之製造方法
JP2007208298A (ja) プリント配線板
JP2001257475A (ja) 多層プリント配線板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050329

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050906

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060130

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090217

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090217

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100217

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100217

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110217

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120217

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130217

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees