JP4843870B2 - 新規ポリアリーレンエーテル、その製造方法及びその用途 - Google Patents

新規ポリアリーレンエーテル、その製造方法及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規ポリアリーレンエーテル、その製造方法及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアリーレンエーテル(以下、PAEという。)は、その優れた耐熱性、低い誘電率等の電気特性から特に電子デバイス用絶縁膜として検討されている。PAEの基本骨格は下記式4で表される。ここで、Ar7及びAr8は独立に芳香族基を表す。
【0003】
【化4】
Figure 0004843870
【0004】
例えば、米国特許第3064011号明細書、米国特許第5115082号明細書、米国特許第5959157号明細書、特開平11−315139号公報、特開平9−202823号公報、特開平9−202824号公報等に種々の構造のPAEが記載されている。これらのPAEは、嵩高い骨格構造及び/又は熱架橋性官能基を導入したPAEであるが、電子デバイス用絶縁膜として要求される、好ましい熱分解温度及びガラス転移温度(以下、Tgという。)が425℃以上という高い耐熱性を満足しない。ほとんどの場合Tgは高々350℃程度であり、400℃以上のTgを有するPAEを得るためには熱架橋性官能基密度を非常に高くしたり、空気中で加熱する必要がある。しかし、熱架橋性官能基密度を高くするとPAEの含有量が低下して誘電率が上昇したり、未反応官能基が残存して耐熱性が低下したりする。また、空気中での加熱はPAE自体の酸化分解及び電子デバイスの金属配線の酸化を促進するので、実用上問題となる。
【0005】
特開平10−247646号公報、Polymer Preprints,Japan Vol.45、No.9(1996)等には、耐熱性を向上したPAEとして、多官能性モノマーを用いて製造した分岐構造を有するPAEが開示されている。製造中のゲル化を抑制する必要があり、架橋密度及び分子量を充分に高くできないので、PAEのTgは310℃程度である。
【0006】
欧州特許第398250号明細書、High Perform.Polm.1994,6(2),155等には、主鎖にジオキシン構造を有するポリイミドが記載されている。このポリイミドは極性を有するイミド基の存在により誘電率が充分に低くならない、また、イミド基の分極がデバイス性能に悪影響を及ぼすために電子デバイス及び多層配線板用絶縁膜への応用は困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ガラス転移温度Tgが高く、耐熱性に優れ、低い誘電率を有する新規PAE、その製造方法及びその用途を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記式1、式2及び式3からなる群から選ばれる式で示されるジオキシン構造の繰り返し単位の少なくとも1つを含有する、質量平均分子量が500〜1,000,000であるPAEを提供する。
【0009】
【化5】
Figure 0004843870
【0010】
【化6】
Figure 0004843870
【0011】
【化7】
Figure 0004843870
【0012】
ここで、Ar1、Ar2、Ar4はそれぞれ独立に4官能性の芳香族基、Ar3、Ar5、Ar6はそれぞれ独立に3官能性の芳香族基、を表す。
【0013】
また、本発明は、芳香族基の炭素原子に3個以上のハロゲン原子が結合し、該ハロゲン原子の2個以上がオルト位置関係にある芳香族モノマー(モノマーM1)と芳香族基の炭素原子に3個又は4個の水酸基が結合し、該水酸基の2個以上がオルト位置関係にある芳香族モノマー(モノマーM2)とを用い、触媒存在下に、前記オルト位置関係の2個のハロゲン原子とオルト位置関係の2個の水酸基とを縮合重合させてジオキシン構造の繰り返し単位を形成することを特徴とするPAEの製造方法を提供する。該モノマーM1は、芳香族基の炭素原子にフッ素原子が結合したモノマーであることが好ましい。該PAEの質量平均分子量は500〜1,000,000であることが好ましい。
また、本発明は、上述の製造方法でPAEを得て、次に、該PAEと溶媒とを混合する、溶液の製造方法を提供する。該溶媒は、芳香族炭化水素類、双極子非プロトン系溶媒類、ケトン類、エステル類、エーテル類、またはハロゲン化炭化水素類である。該溶液は、さらにシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、およびアルミニウム系カップリング剤からなる群より選ばれる1種以上を含んでもよい。
また、本発明は、上述の製造方法で溶液を得て、次に、該溶液を基材にスピンコート、ディップコート、スプレーコート、ダイコート、バーコート、ドクターコート、押し出しコート、スキャンコート、はけ塗り、またはポッティングによりコーティングし、加熱して、塗膜を形成する方法を提供する。
【0014】
また、本発明は、該PAEからなる電子デバイス用絶縁膜及び多層配線板用絶縁膜を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のPAEは、下記式1、式2及び式3からなる群から選ばれる式で示されるジオキシン構造の繰り返し単位の少なくとも1つを含有する。ここで、Ar1、Ar2及びAr4はそれぞれ独立に4官能性の芳香族基を、Ar3、Ar5及びAr6はそれぞれ独立に3官能性の芳香族基を、表す。Ar1、Ar2及びAr4は同じであってもよく、異なっていてもよい。また、Ar3、Ar5及びAr6は同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0016】
【化8】
Figure 0004843870
【0017】
【化9】
Figure 0004843870
【0018】
【化10】
Figure 0004843870
【0019】
本明細書において、ジオキシン構造とは、下記式5で表されるジベンゾ−p−ジオキシンに基づく構造をいう。ジオキシン構造には、置換基を有してもよい。
【0020】
【化11】
Figure 0004843870
【0021】
前記3官能性及び4官能性の芳香族基としては、単環構造、多環構造、縮合環構造等の芳香族基が挙げられる。また、芳香族基は置換基を有してもよい。置換基としては、低誘電率を維持する観点よりフッ素原子、フッ素置換アルキル基、フッ素置換フェニル基、フェニル基、アリール基、アルキル基、フェノキシ基、アルコキシ基等が好ましい。その具体例としては、下記の芳香族基等が挙げられる。
【0022】
【化12】
Figure 0004843870
【0023】
ここで、Aは、−O−、−S−、−C(=O)−、−SO2−、−C(CH32−、−C24−、−C(CF32−、−C24−、−C48−、−C612−、−C816−、−C64−、−C64−等の2価有機基を表す。
【0024】
本発明のPAEの製造法において、芳香族基の炭素原子に3個以上のハロゲン原子が結合し、該ハロゲン原子の2個以上がオルト位置関係にある芳香族モノマー(モノマーM1)と芳香族基の炭素原子に3個又は4個の水酸基が結合し、該水酸基の2個以上がオルト位置関係にある芳香族モノマー(モノマーM2)とを用い、触媒存在下に、前記オルト位置関係の2個のハロゲン原子とオルト位置関係の2個の水酸基とを縮合重合させてジオキシン構造の繰り返し単位を形成する。
【0025】
モノマーM1とモノマーM2との縮合重合例を下記の式6、式7及び式8に示す。ここで、Ar1(X)(Y)(Z)(W)、Ar3(X)(Y)(Z)及びAr5(X)(Y)(Z)がモノマーM1を、Ar2(OH)4、Ar4(OH)4及びAr6(OH)3がモノマーM2を、示す。また、X、Y、Z、Wはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を表し、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5及びAr6は前記と同じである。X、Y、Z、Wは同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0026】
式6のAr1(X)(Y)(Z)(W)とAr2(OH)4の縮合重合では、式1で示されるジオキシン構造が繰り返されたPAEが形成される。この場合、式1で示されるジオキシン構造間の結合構造もジオキシン構造となる。式8のAr5(X)(Y)(Z)とAr6(OH)3の縮合重合では、式3で示されるジオキシン構造とエーテル結合とを有するPAEが形成される。式7のAr3(X)(Y)(Z)とAr4(OH)4の縮合重合では、エーテル結合による分岐を有するPAEが形成される。
【0027】
【化13】
Figure 0004843870
【0028】
【化14】
Figure 0004843870
【0029】
【化15】
Figure 0004843870
【0030】
モノマーM1が5個以上のハロゲン原子を有する場合には、3個又は4個のハロゲン原子は縮合重合に供されるが、残りのハロゲン原子は縮合重合に供されず、生成するPAE中に残存する。したがって、例えば5個以上のフッ素原子を置換基として有するモノマーM1を使用すると前記芳香族基にフッ素原子を含有するPAEが生成する。
【0031】
モノマーM1としては、芳香族基の炭素原子にフッ素原子が結合したモノマー(以下、モノマーM11という。)、芳香族基の炭素原子にフッ素以外のハロゲン原子が結合したモノマー(以下、モノマーM12という。)等が挙げられる。
【0032】
モノマーM11としては、下記のモノマーが好ましい。ここで、Rfは炭素数1〜8の含フッ素アルキル基を表す。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
【化16】
Figure 0004843870
【0034】
モノマーM12としては、臭素原子を含むモノマーが好ましく、下記のモノマーが例示される。Rfは前記と同じである。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】
【化17】
Figure 0004843870
【0036】
特に、低誘電率のPAEを得るためには、モノマーM1としては、モノマーM11がより好ましく、ペルフルオロビフェニルが最も好ましい。ただし、電子デバイスの配線金属と芳香族基の炭素原子に結合したフッ素原子が反応する場合には、モノマーM12が好ましい。
【0037】
モノマーM2としては、下記の、水酸基を3個又は4個有する芳香族基が挙げられる。ここで、Aは前記と同じである。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0038】
【化18】
Figure 0004843870
【0039】
本発明のPAEの製造方法において、モノマーM11とモノマーM2との縮合重合は、塩基性触媒存在下、極性溶媒中で実施することが好ましい。
【0040】
塩基性触媒としては、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩又は水酸化物が好ましい。具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。塩基性触媒の添加量はモノマーM2の水酸基量に対して当量倍以上である必要があり、1.1〜3当量倍が好ましい。
【0041】
極性溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性の極性溶媒を含有する溶媒が好ましい。極性溶媒には、生成するPAEの溶解性を低下せず、縮合重合に悪影響を及ぼさない範囲で、トルエン、キシレン、ベンゼン、ベンゾトリフルオライド、キシレンヘキサフルオライド等が含有されてもよい。
【0042】
縮合重合条件としては、10〜200℃で1〜80時間が好ましい。より好ましくは60〜180℃で2〜60時間、最も好ましくは80〜160℃で3〜24時間である。
【0043】
本発明のPAEの製造方法において、モノマーM12とモノマーM2の縮合重合は、いわゆるウルマン反応により実施することが好ましい。触媒として第一銅塩又は第一銅錯体を用いて、モノマーM12とモノマーM2のアルカリ金属塩とを反応させることがより好ましい。
【0044】
第一銅塩としては、塩化第一銅、臭化第一銅等のハロゲン化第一銅が好ましい。また、第一銅錯体としては、第一銅塩等とピリジン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等との反応で得られる第一銅錯体等が好ましい。触媒の使用量は、モノマーに対して0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。
【0045】
モノマーM2のアルカリ金属塩は、モノマーM2と水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を反応させて合成される。
【0046】
モノマーM12とモノマーM2の縮合重合は、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ベンゾフェノン、ジフェニルエーテル等の溶媒中で実施することが好ましい。高分子量のPAEを合成するには、実質的に無水の条件下、酸素のない雰囲気下で縮合重合することが好ましい。縮合重合条件としては、100℃以上の温度で1〜80時間が好ましく、150〜250℃で5〜24時間がより好ましい。
【0047】
本発明のPAEの分子量は、500〜1,000,000である。この範囲にあると、その塗布特性を損なわない。好ましくは、1,000〜500,000である。PAEの分子量は、縮合重合時のモノマーM1とモノマーM2の仕込み比率を変化させることによって制御できる。
【0048】
本発明におけるモノマーM2とモノマーM1との縮合重合において、モノマーM2は反応部位である水酸基を3個又は4個有するので、これらがすべて別々のモノマーM1と縮合反応するとPAE鎖間にエーテル結合による架橋が起こり、容易にゲル化するため、絶縁膜として適用時に必要な溶媒への溶解性が確保されない。水酸基の中で、2個以上が互いにオルト位置関係にあるのでPAE鎖間の架橋ではなく、前記2個のハロゲン原子と前記2個の水酸基が縮合してジオキシン構造が形成され、架橋による網目状のPAEは実質的に生成しない。
【0049】
このようなジオキシン構造の連鎖(以下、ラダー構造という。)により主鎖が剛直化し、PAE分子間に架橋がなくてもガラス転移温度の高いPAEが得られると考えられる。また、イミド基のような極性基を含有しないため低い誘電率を有するPAEが得られると考えられる。
【0050】
本発明において、前記モノマーM1とモノマーM2のみから得たPAEが溶解性不充分であったり、PAEの塗膜が脆性を有する場合には、溶解性向上及び/又は塗膜への可とう性付与の目的で水酸基を2個有する芳香族化合物(以下、モノマーM3という。)を共縮合重合することが好ましい。モノマーM3としては、誘電率を増大させるような官能基を含まない、公知のモノマーを使用できる。
【0051】
モノマーM3の例としては、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシターフェニル、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアントラセン、ジヒドロキシフェナントレン、ジヒドロキシ−9,9−ジフェニルフルオレン、ジヒドロキシジベンゾフラン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシ−2,2−ジフェニルプロパン、ジヒドロキシ−2,2−ジフェニルヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。M3を用いる場合には、その使用量はモノマーM1とM2の合計に対して1〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましい。モノマーM3が多すぎるとPAEの耐熱性が低くなり、少なすぎると可とう性や溶解性の向上効果が不充分である。
【0052】
本発明のPAEに対しては、さらに耐熱性を高めたり、耐溶剤性を付与する等の目的でPAE分子間の架橋又はPAE分子鎖の鎖延長反応を実施してもよい。架橋又は鎖延長反応の方法としては、加熱、光照射、電子線照射等の公知の方法が適用できる。電子デバイス又は多層配線板の製造工程での適用性に優れる加熱がより好ましい。加熱による架橋又は鎖延長性を促進するためにPAE分子に種々の官能基の導入したり、添加剤を配合することがより好ましい。
【0053】
PAE分子に導入される官能基としては、誘電率を上昇させる極性基を含まないものが好ましい。官能基の具体例としては、エチニル基、シクロペンタジエノン基、ニトリル基、アルコキシシリル基、ジアリールヒドロキシメチル基、ヒドロキシフルオレニル基等が挙げられる。耐熱性の観点より、エチニル基、ジアリールヒドロキシメチル基又はヒドロキシフルオレニル基がより好ましい。
【0054】
エチニル基をPAE鎖中に導入する方法としては、3−エチニルフェノール、4−フェニルエチニルフェノール、4−(4−フルオロフェニル)エチニルフェノール等のエチニルフェノール類を反応させることによりPAE分子鎖末端に導入する方法、2,2’−ビス(フェニルエチニル)−5,5’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ビス(フェニルエチニル)−4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のビス(フェニルエチニル)ジヒドロキシビフェニル類、4,4’−ジヒドロキシトラン、3,3’−ジヒドロキシトラン等のジヒドロキシジフェニルアセチレン類、4−フェニルエチニルペンタフルオロベンゼン、4−フェニルエチニルノナフルオロビフェニル等の含フッ素ジアリールアセチレン類を共縮合重合させてPAE分子の主鎖中又は側鎖に導入する方法等、が挙げられる。
【0055】
ジアリールヒドロキシメチル基又はヒドロキシフルオレニル基をPAE分子鎖に導入する方法としては、PAEをブチルリチウム等の金属化試薬で処理した後に対応するケトンと反応させ主鎖にグラフトさせる方法等が挙げられる。
【0056】
PAE中の官能基の含有量は、PAEの全重合単位に対して0.1〜50モル%が好ましく、1〜30モル%がより好ましい。
【0057】
本発明において、添加剤としては、ビストリアゼン化合物のようなラジカル発生剤、ビスシクロペンタジエノン誘導体等が挙げられる。添加剤の含有量はPAEの重合単位に対して0.01〜50モル%が好ましく、0.1〜30モル%がより好ましい。
【0058】
PAEがエチニル基を含有する場合には、添加剤としてビスシクロペンタジエノン誘導体の使用が好ましい。エチニル基とシクロペンタジエノン基は熱によりディールスアルダー反応し、ついで脱一酸化炭素反応して芳香族基を形成するので、ビスシクロペンタジエノン誘導体を使用すると芳香族基が結合部位である架橋又は鎖延長ができる。ビスシクロペンタジエノン誘導体としては特に制限はないが、例えば、3,3−(1,4−フェニレン)−ビス(2,4,5−トリフェニルペンタジエノン)、3,3−(4,4−ビフェニレン)−ビス(2,4,5−トリフェニルペンタジエノン)、3,3’−(オキシジ−1,4−フェニレン)−ビス(2,4,5−トリフェニルペンタジエノン)、3,3’−(チオジ−1,4−フェニレン)−ビス(2,4,5−トリフェニルペンタジエノン)、3,3−(1,4−フェニレン)ビス(2,5−ジ−(4−フルオロフェニル)−4−フェニルシクロペンタジエノン、ビス(2,4,5−トリフェニルペンタジエニル−3−フェニル)−1,2−エチレン、ビス(2,4,5−トリフェニルペンタジエニル−3−フェニル)−1,3−プロパン等を挙げることができる。これらのビスシクロペンタジエノン誘導体のうち、耐熱性の観点から、全芳香族系のビスシクロペンタジエノン誘導体が好ましい。これらは単独でもよく、2種以上を併用してもよい。ビスシクロペンタジエノン誘導体の添加量はPAEのエチニル基1モルに対して0.1〜0.5モルがより好ましく、0.15〜0.5モルが最も好ましい。
【0059】
本発明のPAEは、縮合重合、官能基導入反応後、中和、抽出、再沈殿、ろ過等の方法で精製される。電子デバイス用絶縁膜及び多層配線板用絶縁膜としての用途において、縮合重合触媒であるカリウム、ナトリウム、銅等の金属及び遊離したハロゲン原子はトランジスタの動作不良や配線の腐食等を引き起こす原因物質と成りうるので充分に精製することが好ましい。
【0060】
本発明のPAEは、通常、溶媒に溶解した溶液として実用に供される。溶媒としては、PAE及び前記の添加剤類を有効に溶かし、所望の方法で所望の塗膜が得られれば特に制限はないが、例えば、芳香族炭化水素類、双極子非プロトン系溶媒類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類を挙げられる。
【0061】
芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、キュメン、メシチレン、テトラリン、メチルナフタレン等を挙げられる。
【0062】
双極子非プロトン系溶媒類としては、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0063】
ケトン類としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクオヘプタノン、シクロオクタノン、メチルアミルケトン等が挙げられる。
【0064】
エーテル類としては、テトラヒドロフラン、ピラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジフェニルエーテル、アニソール、フェネトール、ジグライム、トリグライム等が挙げられる。
【0065】
エステル類としては、乳酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、安息香酸ベンジル、メチルセルソルブアセテート、エチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0066】
ハロゲン化炭化水素類としては、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等を挙げることができる。
【0067】
PAEの濃度は、1〜50質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
【0068】
本発明のPAEの塗膜形成方法としては、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、ダイコート、バーコート、ドクターコート、押し出しコート、スキャンコート、はけ塗り、ポッティング等の公知のコーティング方法が挙げられる。電子デバイスの絶縁膜として用いる場合には、膜厚の均一性の観点からスピンコート又はスキャンコートが好ましい。塗布後、溶媒を揮発させたり、架橋や鎖延長反応を完結させるために加熱(ベーク)を行う。ベーク条件は通常200〜450℃で1〜120分が好ましく、300〜425℃で2〜60分がより好ましい。塗膜の厚さは0.01〜50μmが好ましく、0.1〜30μmがより好ましい。塗膜の表面平滑性を確保したり、塗膜の微細スペース埋込性を向上させるために、50〜250℃程度のプリベーク工程を追加したり、ベーク工程を何段階かに分けて実施することもできる
また、基材との接着性を向上させるために接着促進剤を使用できる。接着促進剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられ、エポキシシラン類、アミノシラン類などのシラン系カップリング剤がより好ましい。アミノシラン類としては、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどの脂肪族アミノシラン類、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの含芳香族基アミノシラン類が例示される。
【0069】
接着促進剤の適用方法としては、PAE溶液塗布前に基材を接着促進剤で処理する方法、PAE溶液中に接着促進剤を添加する方法等が使用できる。基材を接着促進剤で処理する方法の例としては、アミノシラン類の場合、0.01〜1質量%のアルコール系溶液として基材にスピンコートする方法が挙げられる。接着促進剤をPAE溶液中に添加する場合、添加量は含有されるPAEに対して0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。接着促進剤の添加量が少ないと接着性向上効果が充分でなく、多すぎると電気特性、耐熱性が低下する。
【0070】
本発明のPAEの用途としては、保護膜、燃料電池、各種電池用膜材料、フォトレジスト、光導波材料、電子用部材、封止剤、オーバーコート剤、透明フィルム材、接着剤、繊維材、耐候性塗料等が挙げられる。特に、電子デバイス用絶縁膜又は多層配線板用絶縁膜の用途が好ましい。
【0071】
本発明において、電子デバイスとしては、ダイオード、トランジスタ、化合物半導体、サーミスタ、バリスタ、サイリスタ等の個別半導体、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、SRAM(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ)、EPROM(イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリ)、マスクROM(マスク・リード・オンリー・メモリ)、EEPROM(エレクトリカル・イレイザブル・プログラマブル・リード・オンリー・メモリ)、フラッシュメモリなどの記憶素子、マイクロプロセッサ、DSP、ASICなどの理論回路素子、MMIC(モノリシック・マイクロウェーブ集積回路)に代表される化合物半導体などの集積回路素子、混成集積回路(ハイブリッドIC)、発光ダイオード、電荷結合素子などの光電変換素子等が挙げられる。
【0072】
多層配線板としては、電子デバイス等を実装するための各種基板であり、プリント配線板、ビルドアップ配線板、MCMなどの高密度配線板等が挙げられる。
【0073】
本発明において、絶縁膜としては、バッファコート膜、パッシベーション膜、層間絶縁膜、アルファ線遮蔽膜等が挙げられる。
【0074】
本発明において、PAE塗膜を用いる電子デバイス用絶縁膜又は多層配線板用絶縁膜の用途において、低い誘電率の絶縁膜を得る目的で、PAE絶縁膜中に空孔を含有することも好ましい。空孔の導入方法としては、下記の(1)、(2)等が挙げられる。
(1)本発明のPAEに相溶又は分散する物質を添加し、該物質を絶縁膜形成過程又は絶縁膜形成後に除去する方法。
(2)熱分解温度の低いポリマーと本発明のPAEとをブロック化又はグラフト化し、熱分解温度の低いポリマー部分を絶縁膜形成過程又は絶縁膜形成後に除去する方法。
【0075】
PAEに相溶又は分散する物質としては、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、アクリル系重合体等のオリゴマー又はポリマー、及びシリカ、金属等の微粒子が挙げられる。前記オリゴマー又はポリマーは熱分解温度が低いことを利用して絶縁膜形成中の加熱により分解除去でき、前記微粒子は耐薬品性の差を利用して製膜後に酸等で処理することにより溶解除去できる。いずれも除去された跡が空孔となり膜中へ空孔が導入される。
【0076】
PAEとブロック又はグラフト化可能な、熱分解温度の低いポリマーとしては、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、アクリル系重合体等が挙げられる。ブロック化及びグラフト化方法は公知のものが適用できるが、PAEの末端基を利用してブロックポリマーを合成する方法、PAEを金属化試薬等で処理して主鎖に導入した官能基を利用してグラフトポリマーを合成する方法等が例示できる。
【0077】
ブロック又はグラフト化されたPAEは、絶縁膜形成時にPAE部分とブロック又はグラフト部分がミクロ相分離し、熱分解温度の低いブロック又はグラフト部分がその後の加熱により選択的に分解されるため、空孔を絶縁膜中に導入されると考えられる。
【0078】
本発明におけるPAEの塗膜は、他の膜と複合化させて使用できる。例えば、半導体素子パッシベーション膜又は半導体素子用層間絶縁膜として適用する場合、本発明のPAEの塗膜の下層及び/又は上層に無機膜を形成することも好ましい。
【0079】
無機膜としては、常圧、減圧又はプラズマ化学気相成長(CVD)法や塗布法で形成される膜であり、例えばシリコン酸化膜に必要に応じてリン及び/又はホウ素をドープしたいわゆるPSG膜又はBPSG膜、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、SiOC膜、スピン−オン−グラス(SOG)膜等が挙げられる。
【0080】
PAE塗膜と金属配線との間に無機膜を形成することによって、金属配線の剥がれを防止したり、いわゆるダマシン形状等のエッチング加工が容易にできる。
PAE塗膜上層への無機膜の形成は、PAE塗膜のエッチバック法又はCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)法により部分的に削除した後に実施してもよい。
【0081】
PAE塗膜上層に無機膜を形成する時に、PAE塗膜と無機膜の密着性が充分でない又は無機膜形成時に膜減りする等の場合には、次の方法の適用が好ましい。
【0082】
多層無機膜を形成する方法:シリコン酸化膜をプラズマCVD法により形成する場合、用いるガス組成によっては膜減りが発生する場合に、まずシリコン窒化膜又は常圧CVD−シリコン酸化膜などの膜減りを生起しない無機膜の薄膜を形成する。ついでこの薄膜をバリア層としてシリコン酸化膜を形成する。
【0083】
PAE塗膜をエネルギー線で処理する方法:エネルギー線による処理がPAE塗膜と無機膜との界面の密着性を向上させる効果を有する場合がある。エネルギー線処理としては、光を含む広義の意味での電磁波、すなわちUV光照射、レーザ光照射、マイクロ波照射等、又は電子線を利用する処理、すなわち電子線照射、グロー放電処理、コロナ放電処理、プラズマ処理などの処理が例示される。
【0084】
これらのうち半導体素子の量産工程に好適な処理方法としては、UV光照射、レーザ光照射、コロナ放電処理、プラズマ処理が挙げられる。
【0085】
プラズマ処理は半導体素子に与えるダメージが小さくより好ましい。プラズマ処理を行う装置としては装置内に所望のガスを導入でき、電場を印加できるものであれば特に限定されず、市販のバレル型、平行平板型のプラズマ発生装置が適宜使用できる。プラズマ装置へ導入するガスとしては、表面を有効に活性化するものであれば特に限定されず、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素、これらの混合ガス等が挙げられる。また、PAE塗膜の表面を活性化させ、膜減りもほとんどないガスとしては、窒素と酸素の混合ガス及び窒素ガスが挙げられる。
【0086】
【実施例】
次に、本発明の実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。例1が参考例、例2〜6及び例9〜11が実施例、例7〜8が比較例、である。例1はジオキシン構造形成の確認、例2〜8はPAEの合成と基本特性の評価結果、例9が塗膜特性、例10が空孔含有塗膜の作成、例11が絶縁膜特性の評価、である。なお、分子量、Tg、比誘電率は下記の方法により測定した。
【0087】
[分子量]テトラヒドロフランを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分子量を求めた。
【0088】
[Tg(ガラス転移温度)]窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した。40℃から450℃までのスキャンを一度行った後に40℃まで冷却し、さらにもう一度450℃までのスキャンを行った。
【0089】
[比誘電率]シリコンウェハ上に400〜700nmの塗膜を形成し、水銀プローバーによるCV測定を行うことにより1MHzの比誘電率を求めた。塗膜厚さは分光エリプソメータによって求めた値を使用した。塗膜形成条件は下記とした。
1)PAE溶液の調整
PAEをシクロヘキサノンに溶解させて15%溶液を調整し、PTFE製フィルター(ポア径0.2μm)でろ過し、PAE溶液を作成した。
2)コーティング
4インチシリコンウェハ上にPAE溶液をスピンコートして塗膜を形成した。スピン条件は2000rpm×30秒とし、ホットプレートによる100℃×90秒、200℃×90秒のプリベークの後、縦型炉で425℃×1時間、窒素雰囲気下にファイナルベークを行った。
【0090】
[参考例1(参考例)]低分子量体(3量体)の合成
温度計、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器のついた100ccガラスフラスコに、ペルフルオロビフェニルの6.68g(20ミリモル)、5,5’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダンの3.40g(10ミリモル)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAcという。)の60g、ベンゼンの5gを仕込み、撹拌して均一溶液とした。ついで、炭酸カリウムの6.21gを添加し、オイルバス上で120℃に加熱した。4時間後、反応液を室温まで冷却し、激しく撹拌した、酢酸の8.1gを含む純水/メタノール(容積比約1/1)混合液の300mLに徐々に投入すると白色粉状物が沈殿した。この白色粉状物をろ過し、さらに純水で5回洗浄した後に、80℃で15時間真空乾燥を行って8.28gの白灰色粉末を得た。
【0091】
得られた粉末はTHF、アセトン、シクロヘキサノン及びクロロホルムに可溶であった。GPC測定の結果、分子量1200程度の鋭い大きなピーク及びより高分子量側にブロードで小さなピークが観測された。NMR測定より下記式8のジオキシン構造を有する3量体が主成分であると確認された。
【0092】
【化19】
Figure 0004843870
【0093】
[例2]ジオキシン構造を含有するPAEの合成
温度計、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器のついた200ccガラスフラスコに、ペルフルオロビフェニルの10.02g、5,5’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダンの6.81g、DMAcの140g、ベンゼンの10gを仕込み、撹拌して均一溶液とした。ついで、炭酸カリウムの16.6gを添加し、オイルバス上で120℃に加熱した。4時間後、反応液を室温に冷却し、激しく撹拌した、酢酸22gを含む純水/メタノール(容積比約1/1)混合液の800mLに徐々に投入すると白色粉状物が沈殿した。この白色粉状物をろ過し、さらに純水で5回洗浄した後に、80℃で15時間真空乾燥を行って13.21gの白灰色粉末状のPAEを得た。
【0094】
得られたPAEはTHF、アセトン、シクロヘキサノン及びクロロホルムに可溶で、分子量は約2500、比誘電率は2.5、であった。DSC測定において2回のスキャンとも転移点や発/吸熱ピークは観測されず、Tgは450℃以上であることがわかった。
【0095】
[例3]末端に架橋基を含むジオキシン構造を含有するPAEの合成
温度計、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器のついた100ccガラスフラスコに、例2で得られたPAEの3.31g、4−(4−フルオロフェニルエチニル)フェノールの1.37g、DMAcの28g、トルエンの6gを仕込み、撹拌して均一溶液とした。ついで、炭酸カリウムの1.35gを添加し、オイルバス上で120℃に加熱した。3時間後、反応液を室温に冷却し、激しく撹拌した、酢酸3gを含む純水/メタノール(容積比約1/1)混合液の200ccに徐々に投入して白灰色沈殿を得た。この白灰色沈殿をろ過し、さらに純水で5回洗浄した後に80℃で13時間真空乾燥を行って4.12gの白灰色粉末状のPAEを得た。
【0096】
得られたPAEはTHF、アセトン、シクロヘキサノン及びクロロホルムに可溶で、分子量は約2700、比誘電率は2.5、であった。DSC測定において1回目のスキャンで370℃付近にピークを有するブロードな発熱が観測され、エチニル基の架橋反応の進行が示唆された。2回目のスキャンでは転移点や発/吸熱ピークは観測されず、Tgは450℃以上であることがわかった。
【0097】
[例4]末端に架橋基を含むジオキシン構造を含有するPAEの合成
温度計、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器のついた200ccガラスフラスコに、ペルフルオロビフェニルの10.01g、1,2,4−トリヒドロキシベンゼンの2.52g、DMAc150gを仕込み、撹拌して均一溶液とした。ついで、炭酸カリウムの16.6gを添加し、オイルバス上で120℃、4時間加熱した後に、4−(4−フルオロフェニルエチニル)フェノールの4.66gを添加し、さらに2時間120℃で加熱した。反応液を室温に冷却し、激しく撹拌した、酢酸の22gを含む純水/メタノール(容積比約1/1)混合液の800ccに徐々に投入して淡褐色沈殿を得た。ろ過した後に純水で5回洗浄し、80℃で12時間真空乾燥を行って12.95gの淡褐色粉末状のPAEを得た。
【0098】
得られたPAEはTHF、アセトン、シクロヘキサノン及びクロロホルムに可溶で、分子量は約12000、比誘電率は2.4、であった。DSC測定において1回目のスキャンで360℃付近にピークを有するブロードな発熱が観測され、エチニル基の架橋反応の進行を示唆した。2回目のスキャンでは転移点や発/吸熱ピークは観測されず、Tgは450℃以上であることが分かった。
【0099】
[例5]ジヒドロキシモノマーを共縮合重合した、ジオキシン構造を含有するPAEの合成
温度計、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器のついた200ccガラスフラスコに、ペルフルオロビフェニルの9.98g、5,5’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビスインダンの6.79g、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの1.75g、DMAcの140gを仕込み、撹拌して均一溶液とした。ついで、炭酸カリウムの18.6gを添加し、オイルバス上で120℃、5時間加熱した。反応液を室温に冷却し、激しく撹拌した、酢酸の24gを含む純水/メタノール(容積比約1/1)混合液の1Lに徐々に投入して黄褐色沈殿を得た。ろ過した後に純水で5回洗浄し、80℃で12時間真空乾燥を行って14.83gの淡褐色粉末状のPAEを得た。
【0100】
得られたPAEはTHF、アセトン、シクロヘキサノン及びクロロホルムに可溶で、分子量は約25000、であった。DSC測定において2回のスキャンとも転移点や発/吸熱ピークは観測されず、Tgは450℃以上であることがわかった。
【0101】
[例6]架橋基を含有するジヒドロキシモノマーを共縮合重合した、ジオキシン構造を含有するPAEの合成
温度計、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器のついた200ccガラスフラスコに、ペルフルオロビフェニルの10.01g、1,2,4−トリヒドロキシベンゼンの2.52g、4,4’−ジヒドロキシトランの1.05g、DMAcの130gを仕込み、撹拌して均一溶液とした。ついで、オイルバス上で加温し、液温が120℃となった時点で炭酸カリウムの14.5gを添加し、120℃で20時間保持した。反応液を室温に冷却し、激しく撹拌した、酢酸の19gを含む純水/メタノール(容積比約1/2)混合液の800ccに徐々に投入して淡褐色沈殿を得た。ろ過した後に純水で5回洗浄し、さらにメタノールによるソックスレー抽出を2日間行った後に、80℃で15時間真空乾燥を行って10.18gの淡褐色粉末状のPAEを得た。
【0102】
得られたPAEはTHF、アセトン及びシクロヘキサノン、クロロホルムに可溶で、分子量は32000、比誘電率は2.5、であった。DSC測定において1回目のスキャンで320℃付近にピークを有するブロードな発熱が観測され、エチニル基の架橋反応の進行を示唆した。2回目のスキャンでは転移点や発/吸熱ピークは観測されず、Tgは450℃以上であることが分かった。
【0103】
[例7(比較例)]公知のPAEの合成
米国特許5115082号明細書の記載に準拠して以下の合成を行った。
温度計、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器のついた200ccガラスフラスコに、ペルフルオロビフェニルの9.98g、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの10.15g、DMAc120gを仕込み、撹拌して均一溶液とした。ついで、炭酸カリウムの10.0gを添加し、オイルバスで75℃、16時間加熱した。反応液を室温に冷却し、激しく撹拌した、酢酸の13gを含む純水/メタノール(容積比約1/1)混合液の500mLに徐々に投入して白色沈殿を得た。ろ過した後に純水で5回洗浄し、80℃で15時間真空乾燥を行って15.40gの白色粉末状のPAEを得た。
【0104】
得られたPAEは、分子量は28000、比誘電率は2.7、であった。DSC測定において1回目のスキャンでTgとして262℃、2回目のスキャンでTgとして258℃が観測された。
【0105】
[例8(比較例)]公知の架橋基を含有するPAEの合成
米国特許5959157号明細書の記載に準拠して以下の合成を行った。
温度計、ジムロート冷却器、メカニカル撹拌器のついた200ccガラスフラスコに、ペルフルオロビフェニルの10.02g、2,2’−ビス(フェニルエチニル)−5,5’−ジヒドロキシ−ビフェニルの7.72g、DMAcの160gを仕込み、撹拌して均一溶液とした。ついで、オイルバス上で110℃に加温した後に、炭酸カリウムの10.2gを添加し、加熱を継続した。4時間後1,5−ジヒドロキシナフタレンの1.60gを添加し、さらに20時間110℃に加熱した後に反応液を室温まで冷却し、激しく撹拌した、酢酸の13gを含む純水/メタノール(容積比約1/1)混合液の500mLに徐々に投入して白色沈殿を得た。ろ過した後に純水で5回洗浄し、80℃で15時間真空乾燥を行って14.19gの白色粉末状のPAEを得た。
【0106】
得られたPAEは、分子量が17000、比誘電率が2.8、であった。DSC測定において1回目のスキャンで230℃付近にピークを有するブロードな発熱が観測され、エチニル基の架橋反応の進行を示唆した。2回目のスキャンではTgとして362℃が観測された。
【0107】
[例9]PAE塗膜と基材との接着性及びPAE塗膜の耐溶剤性
1)PAE溶液の調整
例2及び例6で得られたPAEを各々シクロヘキサノンに溶解させて15%溶液(以下、それぞれ溶液2−1、溶液6−1と記載する。)を調整した。溶液2−1の一部を分取し、アミノフェニルトリメトキシシランをPAEに対して3質量%添加して溶液2−2を調整した。溶液6−1から同様にして溶液6−2を調整した。それぞれの溶液は、PTFE製フィルター(ポア径0.2μm)でろ過した。
【0108】
2)コーティング
p−SiN(膜厚200nm)、p−SiO(膜厚300nm)、Al(膜厚500nm)、TiN(膜厚50nm)をそれぞれ形成した4インチシリコンウェハ上に上記4種の液をスピンコートすることにより塗膜を形成した。スピン回転数は塗膜厚が500nmとなるように調整し、ホットプレート上で100℃×90秒、200℃×90秒のプリベークの後、縦型炉で425℃×1時間、窒素雰囲気のファイナルベークを行った。
【0109】
3)接着性評価
JIS D0202に記載の、ゴバン目テープ剥離テストによりPAE塗膜と基材との接着性を評価した。
溶液2−1より得られた塗膜は、p−SiN、p−SiO、Al上の塗膜に剥離は見られなかったが、TiN上の塗膜に剥離が見られた。(全ゴバン目のうち60%が剥離)
溶液2−2より得られた塗膜は、p−SiN、p−SiO、Al、TiN上いずれの塗膜においても剥離は見られなかった。
溶液6−1より得られた塗膜は、p−SiN、p−SiO、Al、TiN上いずれの塗膜においても剥離は見られなかった。
溶液6−2より得られた塗膜は、p−SiN、p−SiO、Al、TiN上いずれの塗膜においても剥離は見られなかった。
【0110】
4)耐溶媒性評価
p−SiO上に形成した塗膜上にシクロヘキサノンを徐々に滴下し、ソルベントストレスクラックの生起の有無を目視及び顕微鏡により評価した。
溶液2−1より得られた塗膜は、ソルベントストレスクラックが有った。
溶液2−2より得られた塗膜は、ソルベントストレスクラックが有った。
溶液6−1より得られた塗膜は、ソルベントストレスクラックがなかった。
溶液6−2より得られた塗膜は、ソルベントストレスクラックがなかった。
【0111】
本例によりアミノシランのごとき接着促進剤がPAEの接着性向上に効果があること及び架橋構造の導入により塗膜の耐溶剤性が向上することが明らかとなった。
【0112】
[例10]空孔を含有するPAE塗膜の作成
例9で調整した溶液6−2に数平均分子量1200のメチルメタクリレートのオリゴマーをPAEに対して25質量%添加し、溶解させた後、PTFE製フィルター(ポア径0.2μm)でろ過して均一透明な溶液(以下、溶液6−3と記載する。)を調整した。溶液6−3を4インチシリコンウェハ上にスピンコート、続いてベークを行って塗膜を形成した。スピン条件は2500rpm×30秒とし、例9と同様にプリベーク、ファイナルベークした。得られた塗膜の断面をSEM観察した結果、ナノメートルオーダーの微小な空孔の存在が確認された。塗膜の比誘電率は1.8であった。また、ゴバン目テープ剥離テストによる剥離や膜の破壊は見られなかった。
【0113】
[例11]層間絶縁膜としての評価
例8で得られたPAEをシクロヘキサノンに溶解させて15%溶液を調整し、PTFE製フィルター(ポア径0.2μm)でろ過を行い溶液(以下、溶液8−1と記載する。)を得た。溶液2−2、6−1、6−2、6−3及び8−1を用いて、以下の方法でシリコンウェハ/p−SiO(300nm)/PAE塗膜(500nm)/p−SiN(50nm)/p−SiO(500nm)の積層構造を作成した。
【0114】
p−SiO膜(膜厚300nm)を形成した4インチシリコンウェハ上に溶液をスピンコートして膜厚500nmのPAE塗膜を例9と同様にして形成した。ついで、モノシラン、アンモニア及び窒素混合ガスによりシリコン窒化膜を50nm形成し、その後モノシランと二窒化酸素混合ガスにより500nm厚のシリコン酸化膜を形成した。
【0115】
得られた積層体を水素雰囲気下425℃で60分ベークを行い、熱ストレスによるクラック耐性を金属顕微鏡にて調べた。結果を以下に示す。
溶液2−2より形成された積層体は、クラックの発生及びその他の欠陥はなかった。
溶液6−1より形成された積層体は、クラックの発生及びその他の欠陥はなかった。
【0116】
溶液6−2より形成された積層体は、クラックの発生及びその他の欠陥はなかった。
溶液6−3より形成された積層体は、クラックの発生及びその他の欠陥はなかった。
溶液8−1より形成された積層体は、0.5μm程度の幅のクラックが全面に発生し、かつ一部にPAE/p−SiN間の剥離が見られた。
本実施例より本発明のジオキシン構造を含有するPAEは公知のPAEよりも無機膜の積層が容易であり、層間絶縁膜としての適合性に優れることが判明した。
【0117】
【発明の効果】
本発明の重合単位中にジオキシン構造を含有するPAEは耐熱性に優れ、特にガラス転移温度Tgが高く、誘電率が低い。該PAEは、電子デバイス用絶縁膜及び多層配線板用絶縁膜としての適用性に優れる。また、該絶縁膜は、誘電率が低く、素子の信号伝搬遅延時間の低減等の高性能化を達成でき、かつ高温域における優れた機械物性による高信頼性化を図れる。

Claims (10)

  1. 芳香族基の炭素原子に3個以上のハロゲン原子が結合し、該ハロゲン原子の2個以上がオルト位置関係にある芳香族モノマー(モノマーM1)と芳香族基の炭素原子に3個又は4個の水酸基が結合し、該水酸基の2個以上がオルト位置関係にある芳香族モノマー(モノマーM2)とを用い、触媒存在下に、前記オルト位置関係の2個のハロゲン原子とオルト位置関係の2個の水酸基とを縮合重合させてジオキシン構造の繰り返し単位を形成することを特徴とするポリアリーレンエーテルの製造方法。
  2. 前記モノマーM1が、芳香族基の炭素原子にフッ素原子が結合したモノマーである、請求項1に記載のポリアリーレンエーテルの製造方法。
  3. 前記ポリアリーレンエーテルの質量平均分子量が500〜1,000,000である、請求項1または2に記載のポリアリーレンエーテルの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法でポリアリーレンエーテルを得て次に、該ポリアリーレンエーテルと溶媒とを混合することを特徴とする、溶液の製造方法
  5. 前記溶媒が、芳香族炭化水素類、双極子非プロトン系溶媒類、ケトン類、エステル類、エーテル類、またはハロゲン化炭化水素類である、請求項4に記載の溶液の製造方法
  6. さらにシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、およびアルミニウム系カップリング剤からなる群より選ばれる1種以上を含ませる、請求項4または5に記載の溶液の製造方法
  7. 請求項4〜6のいずれか一項に記載の製造方法で溶液をて、次に、該溶液を基材にスピンコート、ディップコート、スプレーコート、ダイコート、バーコート、ドクターコート、押し出しコート、スキャンコート、はけ塗り、またはポッティングによりコーティングし、加熱して、塗膜を形成する方法。
  8. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法で得られたポリアリーレンエーテルからなる電子デバイス用絶縁膜。
  9. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法で得られたポリアリーレンエーテルからなる多層配線板用絶縁膜。
  10. 絶縁膜中に空孔を含有する請求項8又は9に記載の絶縁膜。
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