JPH06271772A - シルセスキオキサンポリマー組成物 - Google Patents
シルセスキオキサンポリマー組成物Info
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- JPH06271772A JPH06271772A JP8552193A JP8552193A JPH06271772A JP H06271772 A JPH06271772 A JP H06271772A JP 8552193 A JP8552193 A JP 8552193A JP 8552193 A JP8552193 A JP 8552193A JP H06271772 A JPH06271772 A JP H06271772A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 リフロー性に優れ、かつ耐クラック性が良好
な絶縁膜を形成することができるシルセスキオキサンポ
リマー組成物を提供すること。 【構成】 一般式(1) 【化1】 で表される繰り返し単位、及び所望により一般式(2) 【化2】 で表される繰り返し単位及び/または一般式(3) 【化3】 で表される繰り返し単位を有し、フッ素含有量0〜20
重量%のシルセスキオキサンポリマー組成物であって、
重量平均分子量1,500〜1,000,000のシル
セスキオキサンポリマー50〜90重量%、及び重量平
均分子量400〜1,500のシルセスキオキサンオリ
ゴマー10〜50重量%を含有することを特徴とするシ
ルセスキオキサンポリマー組成物。
な絶縁膜を形成することができるシルセスキオキサンポ
リマー組成物を提供すること。 【構成】 一般式(1) 【化1】 で表される繰り返し単位、及び所望により一般式(2) 【化2】 で表される繰り返し単位及び/または一般式(3) 【化3】 で表される繰り返し単位を有し、フッ素含有量0〜20
重量%のシルセスキオキサンポリマー組成物であって、
重量平均分子量1,500〜1,000,000のシル
セスキオキサンポリマー50〜90重量%、及び重量平
均分子量400〜1,500のシルセスキオキサンオリ
ゴマー10〜50重量%を含有することを特徴とするシ
ルセスキオキサンポリマー組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シルセスキオキサン
(silsesquioxane)ポリマー組成物に関
し、さらに詳しくは、半導体装置の多層配線を形成する
際に使用される層間絶縁膜材料として好適なシルセスキ
オキサンポリマー組成物に関する。
(silsesquioxane)ポリマー組成物に関
し、さらに詳しくは、半導体装置の多層配線を形成する
際に使用される層間絶縁膜材料として好適なシルセスキ
オキサンポリマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ラダー(ladder)構造を有する水
素シルセスキオキサンポリマー(以下、「H−ラダーポ
リマー」と略記)は、有機溶剤に可溶性の耐熱性ポリマ
ーであり、耐熱塗料、コーティング材料、絶縁材料等と
して、塗料分野、電気・電子材料分野、接着剤分野など
広範な工業分野で使用されているが、近年、H−ラダー
ポリマーをLSI用層間絶縁膜材料として使用すること
が提案されている。
素シルセスキオキサンポリマー(以下、「H−ラダーポ
リマー」と略記)は、有機溶剤に可溶性の耐熱性ポリマ
ーであり、耐熱塗料、コーティング材料、絶縁材料等と
して、塗料分野、電気・電子材料分野、接着剤分野など
広範な工業分野で使用されているが、近年、H−ラダー
ポリマーをLSI用層間絶縁膜材料として使用すること
が提案されている。
【0003】LSIの層間絶縁膜は、例えば、MOS集
積回路において、ソース・ドレインn+拡散層とAl配
線との間に配置されたり、あるいは、Al多層配線の全
層の層間膜として配置されている。特に論理LSIの場
合、チップ内に収容可能なゲート数は、多層配線の配線
ピッチと配線層数で決まるため、配線層数の多層化が重
要な課題となっている。Al多層配線の微細化、多層化
にともない、エレクトロマイグレーションの発生を防止
するために、層間絶縁膜の平坦化が必要となっている。
従来、LSIの製造に用いられる絶縁膜としては、Si
酸化膜、Si窒化膜、あるいはリンやホウ素、ヒ素など
を含むガラス膜が中心的な役割を果たしている。しかし
ながら、例えば、リンガラスは、1000℃前後で容易
に粘性流動(リフロー)を生じるが、流動させる温度が
高過ぎるため、Al多層配線の全層の層間膜としては用
いることができない。このように、従来の絶縁膜材料に
は、種々の問題点があり、新しい材料の開拓が求められ
ている。
積回路において、ソース・ドレインn+拡散層とAl配
線との間に配置されたり、あるいは、Al多層配線の全
層の層間膜として配置されている。特に論理LSIの場
合、チップ内に収容可能なゲート数は、多層配線の配線
ピッチと配線層数で決まるため、配線層数の多層化が重
要な課題となっている。Al多層配線の微細化、多層化
にともない、エレクトロマイグレーションの発生を防止
するために、層間絶縁膜の平坦化が必要となっている。
従来、LSIの製造に用いられる絶縁膜としては、Si
酸化膜、Si窒化膜、あるいはリンやホウ素、ヒ素など
を含むガラス膜が中心的な役割を果たしている。しかし
ながら、例えば、リンガラスは、1000℃前後で容易
に粘性流動(リフロー)を生じるが、流動させる温度が
高過ぎるため、Al多層配線の全層の層間膜としては用
いることができない。このように、従来の絶縁膜材料に
は、種々の問題点があり、新しい材料の開拓が求められ
ている。
【0004】これに対して、H−ラダーポリマーは、そ
の塗布膜を形成した後、熱処理すると、無機系の層間絶
縁膜を形成できるため注目されている。具体的には、H
−ラダーポリマーを適当な有機溶媒に溶解し、例えば、
スピンコート法等で基板上に製膜し、次いで、酸素の存
在下で約460℃に加熱すると、ポリマーが酸化架橋し
てSiO2膜を形成する。H−ラダーポリマーの酸化架
橋反応は、ポリマー中のSiH結合で生じるが、熱処理
工程において、約400℃で反応を開始し、約460℃
で最も促進され、最終的にはポリマー全体がSiO2化
する。
の塗布膜を形成した後、熱処理すると、無機系の層間絶
縁膜を形成できるため注目されている。具体的には、H
−ラダーポリマーを適当な有機溶媒に溶解し、例えば、
スピンコート法等で基板上に製膜し、次いで、酸素の存
在下で約460℃に加熱すると、ポリマーが酸化架橋し
てSiO2膜を形成する。H−ラダーポリマーの酸化架
橋反応は、ポリマー中のSiH結合で生じるが、熱処理
工程において、約400℃で反応を開始し、約460℃
で最も促進され、最終的にはポリマー全体がSiO2化
する。
【0005】ところで、H−ラダーポリマーは、リフロ
ー性を有しているために、該ポリマーを用いて層間絶縁
膜を形成する際に、平坦化を容易に行うことができる。
しかし、H−ラダーポリマーを用いた層間絶縁膜の平坦
化のためには、リフロー温度をより低温とすることが求
められている。また、H−ラダーポリマーの製造条件や
凝固粉末化等の処理条件が相違すると、リフロー温度に
バラツキが生じ易いという問題がある。さらに、LSI
用層間絶縁膜に要求される特性として、耐クラック性が
良好であることが挙げられるが、この特性もH−ラダー
ポリマーの製造条件や凝固粉末化等の処理条件によって
左右され易い。
ー性を有しているために、該ポリマーを用いて層間絶縁
膜を形成する際に、平坦化を容易に行うことができる。
しかし、H−ラダーポリマーを用いた層間絶縁膜の平坦
化のためには、リフロー温度をより低温とすることが求
められている。また、H−ラダーポリマーの製造条件や
凝固粉末化等の処理条件が相違すると、リフロー温度に
バラツキが生じ易いという問題がある。さらに、LSI
用層間絶縁膜に要求される特性として、耐クラック性が
良好であることが挙げられるが、この特性もH−ラダー
ポリマーの製造条件や凝固粉末化等の処理条件によって
左右され易い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、リフ
ロー性に優れ、かつ耐クラック性が良好な絶縁膜を形成
することができるシルセスキオキサンポリマー組成物を
提供することにある。本発明者らは、前記従来技術の有
する問題点を克服するために鋭意研究した結果、H−ラ
ダーポリマーのリフロー性や耐クラック性などの特性
が、その分子量分布、特にオリゴマーの含有量によって
影響を受けることを見出した。そして、H−ラダーポリ
マーに重量平均分子量が400〜1,500程度のオリ
ゴマーをある範囲の比率で含有させることにより、リフ
ロー温度を低下させることができることを見出した。
ロー性に優れ、かつ耐クラック性が良好な絶縁膜を形成
することができるシルセスキオキサンポリマー組成物を
提供することにある。本発明者らは、前記従来技術の有
する問題点を克服するために鋭意研究した結果、H−ラ
ダーポリマーのリフロー性や耐クラック性などの特性
が、その分子量分布、特にオリゴマーの含有量によって
影響を受けることを見出した。そして、H−ラダーポリ
マーに重量平均分子量が400〜1,500程度のオリ
ゴマーをある範囲の比率で含有させることにより、リフ
ロー温度を低下させることができることを見出した。
【0007】即ち、H−ラダーポリマーのリフロー温度
は、該ポリマーの平均分子量及び該ポリマー中に含まれ
るオリゴマーの比率によって大きく影響される。H−ラ
ダーポリマーは、一般に、トリクロロシランをp−トル
エンスルホン酸水和物と硫酸の混合系に導入して、加水
分解縮重合することにより合成することができる。生成
するポリマーは、広い分子量分布を示すが、高分子量化
するとオリゴマーの比率は減少する。例えば、重量平均
分子量が約6万のH−ラダーポリマーのオリゴマー含有
量は、1重量%以下である。これに対し、重量平均分子
量が約1万のポリマーでは、約17重量%程度のオリゴ
マーが存在する。また、H−ラダーポリマーの保存安定
性を高めるために、通常、凝固粉末化処理を行っている
が、この凝固粉末化によってオリゴマーが失われ易い。
は、該ポリマーの平均分子量及び該ポリマー中に含まれ
るオリゴマーの比率によって大きく影響される。H−ラ
ダーポリマーは、一般に、トリクロロシランをp−トル
エンスルホン酸水和物と硫酸の混合系に導入して、加水
分解縮重合することにより合成することができる。生成
するポリマーは、広い分子量分布を示すが、高分子量化
するとオリゴマーの比率は減少する。例えば、重量平均
分子量が約6万のH−ラダーポリマーのオリゴマー含有
量は、1重量%以下である。これに対し、重量平均分子
量が約1万のポリマーでは、約17重量%程度のオリゴ
マーが存在する。また、H−ラダーポリマーの保存安定
性を高めるために、通常、凝固粉末化処理を行っている
が、この凝固粉末化によってオリゴマーが失われ易い。
【0008】オリゴマー含有量の小さいポリマーを用い
ると、リフロー温度が高くなり、リフロー性が低下す
る。また、H−ラダーポリマーの合成時に分子量制御が
なされなかったり、凝固粉末化後に溶解して使用する場
合、オリゴマーの含有量が変化し、リフロー性にバラツ
キが生じる。
ると、リフロー温度が高くなり、リフロー性が低下す
る。また、H−ラダーポリマーの合成時に分子量制御が
なされなかったり、凝固粉末化後に溶解して使用する場
合、オリゴマーの含有量が変化し、リフロー性にバラツ
キが生じる。
【0009】これに対して、H−ラダーポリマーであっ
て、重量平均分子量が400〜1,500程度のオリゴ
マーを10〜50重量%の割合で含有するH−ラダーポ
リマー組成物は、リフロー性が良好で、リフロー温度の
バラツキも少なく、しかも該組成物を用いて形成された
絶縁膜の耐クラック性が向上する。
て、重量平均分子量が400〜1,500程度のオリゴ
マーを10〜50重量%の割合で含有するH−ラダーポ
リマー組成物は、リフロー性が良好で、リフロー温度の
バラツキも少なく、しかも該組成物を用いて形成された
絶縁膜の耐クラック性が向上する。
【0010】また、シルセスキオキサンポリマーとし
て、水素原子の一部をフッ素原子で置き換えた構造のフ
ッ素水素シルセスキオキサンポリマー(以下、「H/F
−ラダーポリマー」と略記)を用いると、リフロー温度
及び酸化架橋反応温度をより一層低温化できる。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
て、水素原子の一部をフッ素原子で置き換えた構造のフ
ッ素水素シルセスキオキサンポリマー(以下、「H/F
−ラダーポリマー」と略記)を用いると、リフロー温度
及び酸化架橋反応温度をより一層低温化できる。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、一般式(1)
ば、一般式(1)
【0012】
【化4】 で表される繰り返し単位、及び所望により一般式(2)
【0013】
【化5】 で表される繰り返し単位及び/または一般式(3)
【0014】
【化6】 で表される繰り返し単位を有し、フッ素含有量0〜20
重量%のシルセスキオキサンポリマー組成物であって、
重量平均分子量1,500〜1,000,000のシル
セスキオキサンポリマー50〜90重量%、及び重量平
均分子量400〜1,500のシルセスキオキサンオリ
ゴマー10〜50重量%を含有することを特徴とするシ
ルセスキオキサンポリマー組成物が提供される。
重量%のシルセスキオキサンポリマー組成物であって、
重量平均分子量1,500〜1,000,000のシル
セスキオキサンポリマー50〜90重量%、及び重量平
均分子量400〜1,500のシルセスキオキサンオリ
ゴマー10〜50重量%を含有することを特徴とするシ
ルセスキオキサンポリマー組成物が提供される。
【0015】以下、本発明について詳述する。本発明で
使用するラダーポリマーは、前記一般式(1)で表され
る繰り返し単位、あるいは、一般式(1)と一般式
(2)及び/または一般式(3)で表される繰り返し単
位を有するシルセスキオキサンポリマーであり、フッ素
原子を含まないもの(H−ラダーポリマー)と、フッ素
原子を含むもの(H/F−ラダーポリマー)とがある。
これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合
わせて使用することができる。
使用するラダーポリマーは、前記一般式(1)で表され
る繰り返し単位、あるいは、一般式(1)と一般式
(2)及び/または一般式(3)で表される繰り返し単
位を有するシルセスキオキサンポリマーであり、フッ素
原子を含まないもの(H−ラダーポリマー)と、フッ素
原子を含むもの(H/F−ラダーポリマー)とがある。
これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合
わせて使用することができる。
【0016】H−ラダーポリマーは、常法により、例え
ば、トリクロロシランを硫酸とアリールスルホン酸水和
物とからなる加水分解媒体中で分解縮合させる方法によ
り合成することができる。H/F−ラダーポリマーは、
例えば、フルオロトリクロロシランとトリクロロシラン
との混合物を、硫酸とアリールスルホン酸水和物とから
なる加水分解媒体中で分解縮合させる方法により合成す
ることができる。
ば、トリクロロシランを硫酸とアリールスルホン酸水和
物とからなる加水分解媒体中で分解縮合させる方法によ
り合成することができる。H/F−ラダーポリマーは、
例えば、フルオロトリクロロシランとトリクロロシラン
との混合物を、硫酸とアリールスルホン酸水和物とから
なる加水分解媒体中で分解縮合させる方法により合成す
ることができる。
【0017】加水分解媒体のアリールスルホン酸水和物
としては、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、
キシレンスルホン酸などの水和物を挙げることができ
る。分解縮合反応は、通常、0〜50℃、1〜10時間
の条件で行われる。
としては、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、
キシレンスルホン酸などの水和物を挙げることができ
る。分解縮合反応は、通常、0〜50℃、1〜10時間
の条件で行われる。
【0018】本発明におけるシルセスキオキサンポリマ
ー組成物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)を用いて測定し、標準ポリスチレンに換算し
て求めた重量平均分子量が、通常400〜1,000,
000,好ましくは2,000〜50,000である。
本発明のシルセスキオキサンポリマー組成物は、高分子
量成分と制御された範囲内の低分子量成分(オリゴマ
ー)を含有している。
ー組成物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)を用いて測定し、標準ポリスチレンに換算し
て求めた重量平均分子量が、通常400〜1,000,
000,好ましくは2,000〜50,000である。
本発明のシルセスキオキサンポリマー組成物は、高分子
量成分と制御された範囲内の低分子量成分(オリゴマ
ー)を含有している。
【0019】H/F−ラダーポリマーは、H−ラダーポ
リマーと比較して、比誘電率が低く、また、酸化架橋反
応温度及びリフロー温度が低いという特徴を有してい
る。ポリマー中のフッ素原子の含有量は、20重量%以
下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重
量%以下である。フッ素原子の含有量が20重量%を越
えると、合成が困難であると共に、酸化膜の物性が低下
するおそれがある。
リマーと比較して、比誘電率が低く、また、酸化架橋反
応温度及びリフロー温度が低いという特徴を有してい
る。ポリマー中のフッ素原子の含有量は、20重量%以
下、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重
量%以下である。フッ素原子の含有量が20重量%を越
えると、合成が困難であると共に、酸化膜の物性が低下
するおそれがある。
【0020】本発明のシルセスキオキサンポリマー組成
物は、該ポリマー合成時に、分子量制御を行うことによ
り、あるいは合成後に、オリゴマーまたはオリゴマー含
有量の大きなポリマーを添加することにより、重量平均
分子量が1,500〜1,000,000のポリマーの
含有量を50〜90重量%の範囲内に、また、重量平均
分子量が400〜1,500のオリゴマーの含有量を1
0〜50重量%の範囲内に調節する。オリゴマーの含有
量が10重量%未満であると、平坦性(リフロー性)や
耐クラック性の改善効果が小さく、逆に、50重量%を
越えると、製膜性が悪くなる。
物は、該ポリマー合成時に、分子量制御を行うことによ
り、あるいは合成後に、オリゴマーまたはオリゴマー含
有量の大きなポリマーを添加することにより、重量平均
分子量が1,500〜1,000,000のポリマーの
含有量を50〜90重量%の範囲内に、また、重量平均
分子量が400〜1,500のオリゴマーの含有量を1
0〜50重量%の範囲内に調節する。オリゴマーの含有
量が10重量%未満であると、平坦性(リフロー性)や
耐クラック性の改善効果が小さく、逆に、50重量%を
越えると、製膜性が悪くなる。
【0021】本発明のシルセスキオキサンポリマー組成
物は、メチルイソブチルケトンなどの適当な有機溶媒に
溶解させ、基板等の上に塗布することにより容易に塗膜
を形成することができる。また、塗膜を熱処理すれば、
流動温度が低いため、リフロー性に優れており、さらに
酸化架橋反応させると優れた絶縁膜を形成する。この絶
縁膜は、膜厚を従来より厚くしてもクラックを発生し難
い。したがって、本発明のシルセスキオキサンポリマー
組成物は、特にLSIなどの半導体装置の多層配線を形
成する際に使用される層間絶縁膜材料として好適であ
る。
物は、メチルイソブチルケトンなどの適当な有機溶媒に
溶解させ、基板等の上に塗布することにより容易に塗膜
を形成することができる。また、塗膜を熱処理すれば、
流動温度が低いため、リフロー性に優れており、さらに
酸化架橋反応させると優れた絶縁膜を形成する。この絶
縁膜は、膜厚を従来より厚くしてもクラックを発生し難
い。したがって、本発明のシルセスキオキサンポリマー
組成物は、特にLSIなどの半導体装置の多層配線を形
成する際に使用される層間絶縁膜材料として好適であ
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明について、合成例、実施例及び
比較例を挙げて、より具体的に説明するが、本発明は、
これらの実施例のみに限定されるものではない。
比較例を挙げて、より具体的に説明するが、本発明は、
これらの実施例のみに限定されるものではない。
【0023】[合成例1]95%硫酸262gと発煙硫
酸(60%SO3)97gとを反応器に入れ、撹拌下に
トルエン300gを30分で滴下して、p−トルエンス
ルホン酸を合成した。次に、撹拌下、20℃で、900
mlのトルエンで希釈したトリクロロシラン150gを
4.5時間かけて滴下し、さらに30分間撹拌を続け
た。
酸(60%SO3)97gとを反応器に入れ、撹拌下に
トルエン300gを30分で滴下して、p−トルエンス
ルホン酸を合成した。次に、撹拌下、20℃で、900
mlのトルエンで希釈したトリクロロシラン150gを
4.5時間かけて滴下し、さらに30分間撹拌を続け
た。
【0024】有機層と酸層とを分離し、有機層を50%
濃度の硫酸で洗浄した後、濾液を炭酸カルシウムで中和
後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去したとこ
ろ、水素シルセスキオキサンポリマー(H−ラダーポリ
マー)組成物が収率99%で得られた。GPCにより測
定したポリマー組成物の重量平均分子量は、7,670
であった。
濃度の硫酸で洗浄した後、濾液を炭酸カルシウムで中和
後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去したとこ
ろ、水素シルセスキオキサンポリマー(H−ラダーポリ
マー)組成物が収率99%で得られた。GPCにより測
定したポリマー組成物の重量平均分子量は、7,670
であった。
【0025】このポリマー組成物は、貧溶媒としてアセ
トニトリルを用いて再沈すると、析出する高分子領域
と、アセトニトリルに溶解するオリゴマー領域(重量平
均分子量400〜1,500)に分画することができ
る。そして、この組成物は、オリゴマーを19重量%含
有していた。
トニトリルを用いて再沈すると、析出する高分子領域
と、アセトニトリルに溶解するオリゴマー領域(重量平
均分子量400〜1,500)に分画することができ
る。そして、この組成物は、オリゴマーを19重量%含
有していた。
【0026】[実施例1]合成例1で得られたH−ラダ
ーポリマー組成物(重量平均分子量400〜1,500
のオリゴマーの含有量=19重量%)16gをメチルイ
ソブチルケトン84gに溶解してサンプルを調製した。
調製サンプルを0.1μmフィルターで濾過して、スピ
ンコーターでシリコンウェハ上に塗布し、150℃90
秒間プリベークした後、オーブン中で、450℃30分
間、空気雰囲気中で酸化架橋(キュア)して膜を形成し
た。形成された膜を観察してクラックの有無を確認した
ところ、1.4μmまでクラックの発生はなかった。ま
た、調製したサンプルを濃縮後、真空乾燥して粉末化
し、融点測定装置でリフロー温度を測定したところ18
0℃付近であった。
ーポリマー組成物(重量平均分子量400〜1,500
のオリゴマーの含有量=19重量%)16gをメチルイ
ソブチルケトン84gに溶解してサンプルを調製した。
調製サンプルを0.1μmフィルターで濾過して、スピ
ンコーターでシリコンウェハ上に塗布し、150℃90
秒間プリベークした後、オーブン中で、450℃30分
間、空気雰囲気中で酸化架橋(キュア)して膜を形成し
た。形成された膜を観察してクラックの有無を確認した
ところ、1.4μmまでクラックの発生はなかった。ま
た、調製したサンプルを濃縮後、真空乾燥して粉末化
し、融点測定装置でリフロー温度を測定したところ18
0℃付近であった。
【0027】[実施例2]合成例1で得られたH−ラダ
ーポリマー組成物を再沈処理(貧溶媒としてアセトニト
リルを使用)して、オリゴマーをいったん分取した。そ
して、分取したオリゴマーを、同じ方法で合成したH−
ラダーポリマー組成物に添加して、重量平均分子量40
0〜15,00のオリゴマーの含有量を37重量%に調
節したH−ラダーポリマー組成物を得た。このポリマー
組成物16gをメチルイソブチルケトン84gに溶解し
てサンプルを調製した。調製サンプルを0.1μmフィ
ルターで濾過して、スピンコーターでシリコンウェハ上
に塗布し、150℃90秒間プリベークした後、オーブ
ン中で、450℃30分間、空気雰囲気中で酸化架橋
(キュア)して膜を形成した。形成された膜を観察して
クラックの有無を確認したところ、1.5μmまでクラ
ックの発生はなかった。また、調製したサンプルを濃縮
後、真空乾燥して粉末化し、融点測定装置でリフロー温
度を測定したところ150℃付近であった。
ーポリマー組成物を再沈処理(貧溶媒としてアセトニト
リルを使用)して、オリゴマーをいったん分取した。そ
して、分取したオリゴマーを、同じ方法で合成したH−
ラダーポリマー組成物に添加して、重量平均分子量40
0〜15,00のオリゴマーの含有量を37重量%に調
節したH−ラダーポリマー組成物を得た。このポリマー
組成物16gをメチルイソブチルケトン84gに溶解し
てサンプルを調製した。調製サンプルを0.1μmフィ
ルターで濾過して、スピンコーターでシリコンウェハ上
に塗布し、150℃90秒間プリベークした後、オーブ
ン中で、450℃30分間、空気雰囲気中で酸化架橋
(キュア)して膜を形成した。形成された膜を観察して
クラックの有無を確認したところ、1.5μmまでクラ
ックの発生はなかった。また、調製したサンプルを濃縮
後、真空乾燥して粉末化し、融点測定装置でリフロー温
度を測定したところ150℃付近であった。
【0028】[比較例1]合成例1で得られたH−ラダ
ーポリマー組成物を再沈処理(貧溶媒としてアセトニト
リルを使用)して、いったんオリゴマーを分取し、これ
を分取した高分子量ポリマーに添加することにより、重
量平均分子量400〜1,500のオリゴマーの含有量
を4.7重量%に調節したH−ラダーポリマー組成物を
得た。このポリマー組成物16gをメチルイソブチルケ
トン84gに溶解してサンプルを調製した。調製サンプ
ルを0.1μmフィルターで濾過して、スピンコーター
でシリコンウェハ上に塗布し、150℃90秒間プリベ
ークした後、オーブン中で、450℃30分間、空気雰
囲気中で酸化架橋(キュア)して膜を形成した。形成さ
れた膜を観察してクラックの有無を確認したところ、
0.9μmでクラックの発生が観察された。また、調製
したサンプルを濃縮後、真空乾燥して粉末化し、融点測
定装置でリフロー温度を測定したところ240℃以上と
非常に高いものであった。以上の結果を表1に一括して
示す。
ーポリマー組成物を再沈処理(貧溶媒としてアセトニト
リルを使用)して、いったんオリゴマーを分取し、これ
を分取した高分子量ポリマーに添加することにより、重
量平均分子量400〜1,500のオリゴマーの含有量
を4.7重量%に調節したH−ラダーポリマー組成物を
得た。このポリマー組成物16gをメチルイソブチルケ
トン84gに溶解してサンプルを調製した。調製サンプ
ルを0.1μmフィルターで濾過して、スピンコーター
でシリコンウェハ上に塗布し、150℃90秒間プリベ
ークした後、オーブン中で、450℃30分間、空気雰
囲気中で酸化架橋(キュア)して膜を形成した。形成さ
れた膜を観察してクラックの有無を確認したところ、
0.9μmでクラックの発生が観察された。また、調製
したサンプルを濃縮後、真空乾燥して粉末化し、融点測
定装置でリフロー温度を測定したところ240℃以上と
非常に高いものであった。以上の結果を表1に一括して
示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、リフロー性及び耐クラ
ック性に優れたシルセスキオキサンポリマー組成物が提
供される。本発明のシルセスキオキサンポリマー組成物
は、特にLSIなどの半導体装置の多層配線を形成する
際に使用される層間絶縁膜材料として好適である。
ック性に優れたシルセスキオキサンポリマー組成物が提
供される。本発明のシルセスキオキサンポリマー組成物
は、特にLSIなどの半導体装置の多層配線を形成する
際に使用される層間絶縁膜材料として好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 で表される繰り返し単位、及び所望により一般式(2) 【化2】 で表される繰り返し単位及び/または一般式(3) 【化3】 で表される繰り返し単位を有し、フッ素含有量0〜20
重量%のシルセスキオキサンポリマー組成物であって、
重量平均分子量1,500〜1,000,000のシル
セスキオキサンポリマー50〜90重量%、及び重量平
均分子量400〜1,500のシルセスキオキサンオリ
ゴマー10〜50重量%を含有することを特徴とするシ
ルセスキオキサンポリマー組成物。 - 【請求項2】 LSI用層間絶縁材料である請求項1記
載のシルセスキオキサンポリマー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8552193A JPH06271772A (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | シルセスキオキサンポリマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8552193A JPH06271772A (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | シルセスキオキサンポリマー組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06271772A true JPH06271772A (ja) | 1994-09-27 |
Family
ID=13861217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8552193A Pending JPH06271772A (ja) | 1993-03-19 | 1993-03-19 | シルセスキオキサンポリマー組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06271772A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004113407A1 (en) * | 2003-06-25 | 2004-12-29 | Postech Foundation | Novel polymer and production of nano-porous low dielectric polymer composite film using the same |
US7736527B2 (en) | 2007-01-16 | 2010-06-15 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Siloxane polymer compositions and methods of manufacturing a capacitor using the same |
-
1993
- 1993-03-19 JP JP8552193A patent/JPH06271772A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004113407A1 (en) * | 2003-06-25 | 2004-12-29 | Postech Foundation | Novel polymer and production of nano-porous low dielectric polymer composite film using the same |
JP2007520575A (ja) * | 2003-06-25 | 2007-07-26 | ポステック・ファウンデーション | 新規高分子およびそれを用いたナノ多孔性低誘電性高分子複合体の製造方法 |
US7736527B2 (en) | 2007-01-16 | 2010-06-15 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Siloxane polymer compositions and methods of manufacturing a capacitor using the same |
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